JP4987525B2 - ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム - Google Patents
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Description
(1)ラマン分光分析において観測されるピークをガウス関数で近似した近似曲線を描き、グラファイト構造を示す中心波数1500〜1600cm−1のピークの面積をG−bandの強度:Igとし、結晶構造の不規則性を表す中心波数1300〜1400cm−1のピークの面積をD−bandの強度:Idとし、中心波数2000〜3000cm−1に表れるポリマー起因のピークの面積をポリマー強度:Ipとし、これら3つの合計(Ia+Ig+Ip)を全ピーク強度(Ia)と設定したときに、G−band強度:Igを全ピーク強度:Iaで除した値、すなわち、全ピーク強度に対するG−bandの強度(面積強度比:Ig/Ia)が、0.1以下であること。
(2)全ピーク強度に対するD−bandの強度(面積強度比:Ig/Ia)が、0.05以下であること。
基材フィルムとして、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用した。成膜は平行平板型のパルスプラズマCVD装置を用いて行った。先ず、真空チャンバー内を真空ポンプにより0.01Paに減圧した後、アダマンタンを導入して装置内圧力を1Paとして、パルス幅約5μsecの直流単パルス電源により電力を印加してプラズマを発生し、DLC膜を形成した。なお、アダマンタンは常温では固体であるため、120℃に加熱して昇化させ装置内に導入した。実施例1の得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、酸素透過率、全光線透過率、DLC膜の膜厚、ラザフォード後方散乱分光分析、ラマン分光分析、及び黄色度について測定した。各測定及び評価の方法は以下の通りである。なお、以下の実施例、及び比較例も同様の測定及び評価方法にて行なった。測定結果を表1に示す。
予めPETフィルムの製膜面に黒色インキ等でマスキングを行って、DLC被膜を被覆した後、ジエチルエーテル等でマスキングを除去し、米国sloan社製、表面形状測定器「DEKTAK3030」によって膜厚を測定した。
走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製SPI3800)の非接触モード(ダイナミックフォースモード)で測定した。走査速度、1測定領域中の測定点数、傾斜補正は、表面状態を明確に測定できる条件を選択した。フィルムの表面形状の表面粗さ(Rms)は、走査型プローブ顕微鏡SPI3800付属ソフトの「CROSSSECTION」解析のAREA解析で求めた。
DLC膜中における水素含有量は、ラザフォード後方散乱分光法(Charles Evans & Associates社製、[RBS400])により測定した。具体的には、シリコンウェハー上にDLC膜を形成し、人工的なアルファ粒子(高速のHe原子核)を照射し、後方に散乱した同粒子を検出することにより、表面から約1μmの部分に存在する元素を分析する。
ラマン分光測定はDLC膜をガラス板の上に形成し、日本分光(株)社製、ラマン分光装置[NRS−1000]にて測定した。測定範囲は50〜5000cm−1の範囲内にて行ない、得られたデータをガウス関数により、1500〜1600cm−1に中心波数の存在するグラファイト構造を示すG−band、1300〜1400cm−1に中心波数の存在する結晶構造の不規則性を表すD−band、その他に中心波数2000〜3000cm−1に現れるポリマー起因のピークとに波形分離した。
酸素透過測定装置(米国モダンコントロール製、「OX−TRAN2/21」)を使用し、温度25℃、相対湿度80%の条件下で測定した。ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムのガスバリア性は、未コートPETフィルムに対するガスバリア性を倍率にて表した。
色差計(日本電色社製「ZE2000」)により垂直に光を通過させてYIを測定することにより、前記被膜による黄色の程度を評価した。
JISK7105に準じて光度計(日本電色社製「NDH−300A」)を用いて全光線透過率を測定した。
実施例1において、アダマンタンに対してアセチレンを12sccm供給した以外は同様にして、ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、プラズマ発生用電源としてパルス幅約1μsecの直流単パルス電源を使用した以外は同様にしてダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3において、アダマンタンに対してアセチレンを5sccm供給した以外は同様にして、ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3において、アダマンタンに対してアセチレンを10sccm供給した以外は同様にして、ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、アセチレン原料のみを使用した以外は同様にして、ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3において、アセチレン原料のみを使用した以外は同様にして、ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、アセチレン原料を使用し、プラズマ発生用電源として13.56MHzの高周波電源によりDLC膜を形成した以外は同様にして、ダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムを作製した。得られたダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (9)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に、式C4n+6H4n+12で表される脂環式炭化水素により、厚さ1〜100nmのダイヤモンドライクカーボン膜が形成されたガスバリア性フィルムであって、
ラマン分光分析において全ピークの強度に対する1500〜1600cm−1に中心波数の存在するG−bandの強度が0.1以下、1300〜1400cm−1に中心波数の存在するD−bandの強度が0.05以下であり、かつ着色度(YI)が5.0以下であり、
前記ダイヤモンドライクカーボン膜が、パルス幅1〜50μsecのパルス幅変動型電源を用いたプラズマCVD法により形成されたものであることを特徴とするダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。 - 前記脂環式炭化水素化合物が、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、ペンタマンタン、テトラマンタンの群より選ばれるいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜の膜厚が5〜100nmの範囲内であり、かつ表面粗さ(Rms)が1〜10nmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜が、前記脂環式炭化水素にさらに脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を全原料の60%以下の体積比で混合して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 前記ダイヤモンドライクカーボン膜の組成において、水素が1〜50原子%含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 全光線透過率が80%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 25℃、80%RH条件下での酸素透過率が、1cc/m2/24hr以下である請求項1〜6のいずれかに記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 基材フィルムが、流れ方向に2〜6倍及び幅方向に2〜5倍の延伸倍率で延伸処理されたフィルムである請求項1〜7のいずれかに記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
- 基材フィルムの厚さが5〜500μmである請求項1〜8のいずれかに記載のダイヤモンドライクカーボン膜コーティングガスバリア性フィルム。
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