図1〜図20は本発明の第1実施形態であって、図1はパチンコ機の賞球払出制御の基本構成を示し、図2は賞球指示コマンドの構成を示し、図3は賞球指示以外コマンドの構成を示し、図4はコマンドのデータ組合せと内容との関係を示し、図5は主制御部から賞球払出制御部へのコマンド送信の構成を示し、図6及び図7は賞球指示コマンド送信のタイミングチャート、図8は主制御部の詳細構成を示し、図9はパチンコ機の遊技制御の全体構成を示し、図10乃至図15は主制御部の賞球払出制御のフローチャートを示し、図16及び図17は賞球払出制御部の賞球払出制御のフローチャートを示し、図18乃至図20は賞球払出のタイミングチャートを示す。
図1を参照し、賞球払出装置について説明する。1は遊技盤前面に設けられた入賞口であって、一般入賞口、始動口、可変入賞口等と呼ばれる複数種類の入賞口が複数又は単数存在するが、それらを総称した形態で1つ図示されている。2は入賞口1に入賞した入賞球である。この第1実施形態の場合、一般入賞口は1個の入賞球2が入賞する毎に10個の賞球47が払出される。始動口は1個の入賞球2が入賞する毎に、5個の賞球47が払出され、遊技盤にセンター役物として設けられた液晶やLED又はCRT或いはプラズマディスプレイ等のような表示器の図柄変動遊技が始まる。但し、表示器による1回の遊技中に、始動口に入賞球2が入賞した場合は、4個のような所定数までは記憶しておき、表示器の1回の図柄変動遊技終了毎にその記憶数の範囲で、表示器による図柄変動遊技が繰り返される。表示器による1回の図柄変動遊技終了毎に停止した図柄の組合せが予め定められた組合せに一致する毎に、可変入賞口は球が入りやすい形態に開く。可変入賞口は大入賞口とも呼ばれ、1個の入賞球2が入る毎に、15個の賞球47が払出される。但し、可変入賞口は1回開いている間に入賞球2が10個入るか、又は、開き始めより30秒のような所定時間経過するかの何れか1つの条件が成立すると、可変入賞口は閉じる。これら入賞と遊技と賞球払出との関係は、パチンコ機の遊技全般を電気的に制御する主制御部4と、主制御部4からの電気的な指示により賞球払出機構部30を電気的に制御する賞球払出制御部20とにより制御される。
3は入賞球検出スイッチであって、入賞口1に入賞した入賞球2を検出する毎に入賞球検出信号を主制御部4に出力する。入賞球検出スイッチ3は、近接スイッチのようなセンサにより構成されており、入賞球2に反応してオン動作するが、入賞口1に挿入されたピアノ線には反応しにくく、不正防止を図る形態である。入賞球検出スイッチ3は賞球払出数の系統毎に設けても良いが、入賞口1のそれぞれに対応して設ければ、入賞口1に入賞した入賞球2の数と、入賞球検出信号の数との整合性が向上する。それは、賞球払出数の系統に対応して入賞球検出スイッチ3を設けた場合、入賞口1に入賞した複数の入賞球2が複数の入賞口1を賞球払出数の系統毎に区分する系統通路内を数珠繋ぎに流下し、それら連繋状態の入賞球2を1個ずつ分別検出する入賞球検出スイッチ3の動作が正確に働かず、入賞球検出スイッチ3が複数の入賞球を1個として誤検出する可能性が高い。これに対し、入賞口1毎に入賞球検出スイッチ3を設けた場合、1つの入賞口1に複数の入賞球2が同時に入賞する形態が少なく、又、1つの入賞口1に複数の入賞球2が同時に入賞しても入賞口1から入賞球検出スイッチ3までの距離を移動する間に数珠繋ぎとなることが極希であり、入賞球検出スイッチ3が入賞球2を1個ずつ正確に検出できるからである。
主制御部4と賞球払出制御部20とは分別構成されており、主制御部4が入賞球検出スイッチ3より入力された入賞球検出信号に対応する賞球指示払出数を含む識別情報であるコマンドを信号線により賞球払出制御部20に送信し、賞球払出制御部20が主制御部4から受信したコマンドより解読した賞球指示払出数により賞球払出機構部30を信号線を介して電気的に制御する形態であって、主制御部4に封印回路ケース及びセキュリテイCPU等を採用することにより、不正防止対策を講じることができる。
主制御部4は、入賞検出手段5、指示転送待ち計数手段6、コマンド出力手段7、賞球指示残数計数手段8、賞球不足エラー検出手段9、不足エラー分別手段10、賞球超過エラー検出手段11、超過エラー分別手段12、エラー指示手段13、賞球エラータイマ14等を備える。賞球払出制御部20は、コマンド解読手段21、賞球払出指示手段22、賞球残数計数手段23等を備える。賞球払出機構部30は、賞球払出通路31、賞球払出アクチュエータ32、通路開閉部材33を備える。賞球払出アクチュエータ32は電磁ソレソイド又はステツピングモータのどちらでも使用し得るが、ステツピングモータを使用した場合はステッピングモータの駆動パルス信号を賞球検出スイッチ40から出力される賞球検出信号として採用すれば、賞球検出スイッチ40が省略できる。賞球検出スイッチ40は賞球払出機構部30より払出された賞球47を検出する毎に賞球検出信号を主制御部4及び賞球払出制御部20に出力する。賞球検出スイッチ40が賞球払出機構部30の通路開閉部材33より上流側の賞球払出通路31に設けられたことにより、賞球検出スイッチ40が賞球払出機構部30より払出される直前の賞球47を検出し、賞球払出アクチュエータ32の賞球払出動作と賞球検出スイッチ40の検出動作とのタイムラグを解消することができる。
41は賞球払出通路31の上流側に接続されて賞球47を貯蔵するタンク、42はタンク41への補給球の有無を確認するため補給確認スイッチ、42は通路開閉部材33及び賞球検出スイッチ40の双方よりも上位において払出すべき賞球47が準備されているかを確認するための賞球準備検出スイッチ、44は賞球払出通路31より払出された賞球47を受ける上皿、45は上皿44より溢れた賞球47を受ける下皿、46は上皿44より下皿45に流下して溜まった賞球47が賞球払出機構部30内にオーバーフローすることを検出するためのオーバーフロー検出スイッチである。そして、補給確認スイッチ42が未検出状態の時、主制御部4は補給要求をホールコンピュータに出力する。賞球準備検出スイッチ43が検出状態及びオーバーフロー検出スイッチ46が未検出状態の条件が同時に成立した場合に、主制御部4は賞球可能と判断して賞球払出制御部20へ賞球許可コマンドを送出する。48は主制御部4及び賞球払出制御部20と別体にそれらの外部に設けられた中継基板であって、賞球検出スイッチ40の配線を分岐して主制御部4及び賞球払出制御部20に分配するコネクタが搭載された基板である。入賞検出スイッチ3と賞球検出スイッチ40及び賞球準備検出スイッチ43は夫々の内部を賞球47が1個ずつ通過するのを可動機構を介さずに直接検出可能な非接触タイプになっている。
この第1実施形態の場合、遊技者の操作で発射された遊技球が複数の入賞口1の何れかに入賞し、入賞検出スイッチ3が入賞球2を検出した入賞球検出信号を主制御部4に出力する。これにより、先ず、入賞検出手段5は入賞球検出信号が複数のうちのどの入賞球検出スイッチ3より入力された信号かを判別し、その判別した入賞球検出信号に対応した賞球指示払出数を主制御部4に設定された複数の賞球指示払出数中より抽出して合算手段である指示転送待ち計数手段6に転送する。指示転送待ち計数手段6が賞球指示払出数により加算(カウントアップ)されると共にコマンド出力手段7に賞球指示払出数を転送する。コマンド出力手段7が賞球指示払出数を含むコマンドを生成して賞球払出制御部20に出力すると共に賞球指示払出数を賞球指示残数計数手段8に転送する。賞球指示残数計数手段8が賞球指示払出数により加算される。
次に、賞球払出制御部20では、コマンド解読手段21がコマンドを解読してコマンド中の賞球指示払出数をコマンドデータより変換して賞球払出指示手段22及び賞球残数計数手段23に転送する。賞球残数計数手段23は賞球指示払出数により加算される。賞球払出指示手段22は賞球指示払出数に基づき賞球払出機構部30の賞球払出アクチュエータ32を電気的に制御する。これにより、通路開閉部材33が賞球払出通路31を賞球指示払出数だけ開き、賞球47がタンク41側より上皿44に払出される。そして、賞球検出スイッチ40が払出される賞球47を検出する毎に賞球払出数に相当する賞球検出信号を主制御部4及び賞球払出制御部20に出力する。賞球指示残数計数手段8及び賞球残数計数手段23が賞球検出信号である賞球払出数により減算(カウントダウン)される。それから、賞球残数計数手段23の計数値がゼロになると賞球払出指示手段22が賞球指示払出信号を停止することにより、賞球払出アクチュエータ32が停止し、通路開閉部材33が賞球払出通路31を閉じ、賞球払出機構部30による賞球払出動作が停止する。
前記入賞から賞球払出までの処理中において、賞球不足エラー検出手段9は主制御部4における賞球制御処理の開始より所定時間内に賞球指示残数計数手段8における計数値である賞球指示残数がゼロにならならない正数である場合に賞球不足エラーを検出し、その正数である賞球指示残数を不足エラー分別手段10に出力する。上記所定時間は賞球エラータイマ14が計時する。不足エラー分別手段10は、正数を予め設定された不足レベル判定値と比較し、正数である不足エラー数が複数の異なる段階の不足エラーレベルのどれに該当するか分別し、分別された不足エラーレベルに応じた不足エラーレベル信号をエラー指示手段13に転送する。賞球超過エラー検出手段11は賞球指示残数計数手段8における計数値である賞球指示残数がゼロを含まないゼロより小さい負数になった場合に賞球超過エラーを検出し、その負数である賞球指示残数を超過エラー分別手段12に出力する。超過エラー分別手段12は、負数を予め設定された超過レベル判定値と比較し、負数である超過エラー数が複数の異なる段階の超過エラーレベルのどれに該当するかを分別し、分別された超過エラーレベルに応じた超過エラーレベル信号をエラー指示手段13に転送する。エラー指示手段13は、不足エラーレベル信号又は超過エラーレベル信号により、賞球禁止コマンドや発射禁止コマンドを賞球払出制御部20に送信し、表示エラーコマンドを図外の特別図柄制御部や表示灯制御部及び効果音制御部に送信する。
図2を参照し、主制御部4から賞球払出制御部20に出力される賞球指示コマンドについて説明する。賞球指示コマンドは8ビットであって、最上位ビットD7はコマンドの種類であり、この最上位ビットD7が「0」の場合は賞球指示コマンドとなる。賞球指示コマンドにおける最下位ビットD0乃至第7位ビットD6の組合わせが1個乃至127個までの賞球指示払出数を示す。但し、不正防止上、例えば50個までの条件を設けることも可能である。
図3を参照し、主制御部4から賞球払出制御部20に出力される賞球指示以外コマンドについて説明する。賞球指示以外コマンドは8ビットであって、最上位ビットD7はコマンドの種類であり、最上位ビットD7が「1」の場合は賞球指示以外コマンドとなる。賞球指示以外コマンドにおける最下位ビットD0乃至第3位ビットD3までが対応する機能を示す。最下位ビットD0が「1」の場合は賞球禁止セットを表し、第1位ビットD1が「1」の場合は賞球禁止解除(賞球許可)セットを表し、第2位ビッドD2が「1」の場合は発射許可セットを表し、第3位ビットD3が「1」の場合は発射禁止セットを表す。
図4を参照し、コマンドのデータと内容とについて説明する。データ「00000001」は1個賞球指示払出数、データ「00000010」は2個賞球指示払出数、データ「00000011」は3個賞球指示払出数、データ「00000100」は4個賞球指示払出数、データ「00000101」は5個賞球指示払出数、データ「00000110」は6個賞球指示払出数、データ「00000111」は7個賞球指示払出数、データ「00001000」は8個賞球指示払出数、データ「00001001」は9個賞球指示払出数、データ「00001010」は10個賞球指示払出数、データ「00001011」は11個賞球指示払出数、データ「00001100」は12個賞球指示払出数、データ「00001101」は13個賞球指示払出数、データ「00001110」は14個賞球指示払出数、データ「00001111」は15個賞球指示払出数、データ「10000001」は賞球禁止、データ「10000010」は賞球禁止解除、データ「10000100」は発射許可、データ「10001000」は発射禁止を表す。尚、図4では、15個までの賞球指示払出数のデータを図示したが、16個から127個までの賞球指示払出数のデータは2進数データの表現により可能であるであることは明らかであろう。
図5を参照し、主制御部4から賞球払出制御部20に一方向に送信されるコマンド送受信のためのハード構成について説明する。主制御部4ではCPU4aと出力ポート4bとがデータバスとアドレスバス及び制御バスより成るバス4cにより接続され、出力ポート4bと出力バッファ4eとがD0〜D7及びENABLEより成る9本のデータ線4fにより接続される。賞球払出制御部20ではCPU20aと入力ポート20bとがデータバスとアドレスバス及び制御バスより成るバス20cにより接続され、入力ポート20bと入力バッファ20eとがD0〜D7及びENABLEより成る9本のデータ線20fにより接続される。主制御部4の出力バッファ4eと賞球払出制御部20の入力バッファ20eとがD0〜D7及びENABLEより成る9本のデータ線50により接続される。そして、出力ポート4bと出力バッファ4eとが主制御部4の出力インターフェースを構成し、入力ポート20bと入力バッファ20eとが賞球払出制御部20の入力インターフェースを構成したことにより、主制御部4から賞球払出制御部20へのコマンドデータの送信が電気的に安定する。尚、このインターフェースは、図示しない電源及びGND線を相互に接続しても良いし、出力バッファ,入力バッファを共にフォトカプラ等で構成し電気的に絶縁して行っても良い。主制御部4のCPU4aが入賞球検出スイッチ3(図1参照)からの入賞球検出信号を入力インターフェースより入力すると、CPU4aがROMに設定されたプログラムをRAMを用いて図10乃至図15に示す遊技制御処理を実行する。主制御部4のプログラムはCPU4aに内蔵されたハードにて構成されたリセット割込用タイマの割込信号により起動する。リセット割込用タイマは4msec毎にリセット割込信号を出力する。賞球払出制御部20のCPU20aが主制御部4の出力インターフェースからのコマンドを入力インターフェースより入力すると、CPU20aがROMに設定されたプログラムをRAMを用いて図16及び図17に示す賞球払出制御処理及び発射制御処理を実行し、その実行結果により出力ドライバを介し図1の賞球払出アクチュエータ32を電気的に駆動する。
図6及び図7を参照し、主制御部4から賞球払出制御部20に一方向に送信されるコマンド送受信のタイミングについて説明する。図6はa図のENABLE信号とb図のコマンドデータD0乃至D7との関係を大まかに示し、図7は図6に示す期間Aを拡大して示す。これらの図6及び図7において、主制御部4では、コマンドを送信する時、コマンドデータD0乃至D7の送信すべき組合せを実行した後、コマンドデータD0乃至D7の組合せ変化時点tより所定時間T0後にENABLE信号がハイレベルからローレベルに切替る。賞球払出制御部20では、ENABLE信号がハイレベルからローレベルに切替る立ち下がりを検出したタイミングから上記とは異なる所定時間T1(T1>T0)経過したタイミングでコマンドデータD0乃至D7を読込む。所定時間T1経過したタイミングにおけるコマンドデータD0乃至D7のそれぞれが図7の上より下方に行くに従つて「0」、「1」、「0」、「1」、「0」、「0」、「0」、「0」であり、賞球払出制御部20が読込んだコマンドデータD7乃至D0の組合せとしては「00001010」であるので、10個賞球指示払出数を表す賞球指示コマンドである。ENABLE信号は所定時間T0と所定時間T1との総和よりも長い所定時間経過後にローレベルからハイレベルに切替り、次のコマンドデータの送受信に備える。
図8を参照し、入賞による主制御部4の賞球制御のハード構成について詳述する。入賞検出手段5は、上段右枠15に示すように、入賞球検出信号が複数のうちのどの入賞球検出スイッチ3より入力された信号かを判定する。例えば、入賞球検出信号が第一15個入賞口及び第二15個入賞口に対応する場合は入賞検出手段5がケース1と判定し、入賞球検出信号が第一10個入賞口及び第二10個入賞口に対応する場合は入賞検出手段5がケース2と判定し、入賞球検出信号が第一5個入賞口及び第二5個入賞口に対応する場合は入賞検出手段5がケース3と判定する。指示転送待ち計数手段6を構成する指示転送待ちカウンタは、中段右枠16に示すように、上記判定がケース1の場合に「15」をカウントアップし、上記判定がケース2の場合に「10」をカウントアップし、上記判定がケース3の場合に「5」をカウントアップする。そして、指示転送待ち計数手段6はコマンド出力手段7がコマンドを賞球払出制御部20に送信するタイミングにより指示転送待ちカウンタを賞球指示払出数分カウントダウンする。
コマンド出力手段7は、上記判定がケース1のときコマンド「00001111」を生成して出力し、上記判定がケース2のときコマンド「00001010」を生成して出力し、上記判定がケース3のときコマンド「00000101」を生成して出力する。賞球指示残数計数手段8を構成する賞球指示残数カウンタ(SKCT)は、コマンド出力手段7が賞球払出制御部20へのコマンド送信によりコマンドに含まれた賞球指示払出数分カウントアップし、そのカウントアップしたSKCT値を賞球検出スイッチ40より入力される賞球検出信号である賞球払出数によりカウントダウンする。賞球エラータイマ14は、賞球検出信号が賞球検出スイッチ40より入力される毎に、その入賞球検出信号の入力タイミングにより計時動作を開始し、エラー監視時間として予め設定された所定時間が経過した時点でタイムアップ信号を賞球不足エラー検出手段9に出力する。
賞球不足エラー検出手段9は、タイムアップ信号が賞球エラータイマ14より入力された場合、そのタイムアップ信号が入力された時点における賞球指示残数(SKCT値)をSKCTより読取り、その読取った賞球指示残数を不足エラー分別手段10に転送する。不足エラー分別手段10は賞球指示残数を複数の不足レベル判定値M,Nと比較することにより不足エラーを複数の異なる段階の不足エラーレベルに分ける。複数の異なる段階の不足エラーレベルが重度の第1不足エラーレベル、中程度の第2不足エラーレベル、軽度の第3不足エラーレベルに区分されており、不足レベル判定値M,NがM<Nである場合、タイムアップ後の正数である賞球指示残数において、SKCT値≦Mならば不足エラーの度合いが軽度、M<SKCT値≦Nならば不足エラの度合いが中程度、SKCT値>Nならば不足エラーの度合いが重度であると区分される。その区分後に、不足エラー分別手段10は不足エラーレベル信号をエラー指示手段13に転送する。
賞球超過エラー検出手段11は、賞球指示残数を常に監視し、その賞球指示残数がゼロ未満(ゼロを含まないゼロより小さい実数)になったら、その時点における賞球指示残数をSKCTより読取り、その読取った賞球指示残数を超過エラー分別手段12に転送する。超過エラー分別手段12は賞球指示残数を複数の超過レベル判定値一X,−Yと比較することにより超過エラーを複数の異なる段階の超過エラーレベルに分ける。複数の異なる段階の超過エラーレベルが重度の第1賞球超過エラーレベル、中程度の第2賞球超過エラーレベル、軽度の第3賞球超過エラーレベルに区分されており、超過レベル判定値−X,−Yが−X>−Yである場合、負数である賞球指示残数において、SKCT値≧−Xならば超過エラーの度合いが軽度、−X>SKCT値≧−Yならば超過エラーの度合いが中程度、SKCT値<−Yならば超過エラーの度合いが重度であると区分される。その区分後に、超過エラー分別手段12は超過エラーレベル信号をエラー指示手段13に転送する。
図9を参照し、パチンコ機の制御全般について説明する。、この第1実施形態の場合、パチンコ機の制御部が、主制御部4、賞球払出制御部20、特別図柄制御部50、表示灯制御部51、効果音制御部52、球発射制御部53等の機能別に分割されている。これらの制御部4,20,50,51,52はCPUとROMとRAMとよる成るマイクロコンピュータを個別に備える。
主制御部4のマイクロコンピュータは、入賞球検出スイッチ3からの入賞球検出信号が配線及び入力インターフェースを介して入力すると、CPUがROMに設定されたプログラムをRAMを処理過程の記憶手段として用いてを介して図10に示す遊技全般の遊技処理を実行し、その処理結果であるコマンドを、出力インターフェース及び配線を介して、賞球払出制御部20、特別図柄制御部50、表示灯制御部51、効果音制御部52、球発射制御部53に一方向に出力する。
特別図柄制御部50のマイクロコンピュータは、主制御部4の出力インターフェースからのコマンドが配線及び入力インターフェースを介して入力すると、CPUがROMに設定されたプログラムをRAMを処理過程の記憶手段として用いて特別図柄表示制御処理を実行し、表示器54を出力ドライバ及び配線を介して電気的に駆動する。主制御部4より特別図柄制御部50に入力されるコマンドの種類には、デモ表示、左図柄変動開始、中図柄変動開始、右図柄変動開始、左図柄変動停止(停止図柄指示)、中図柄変動停止(停止図柄指示)、右図柄変動停止(停止図柄指示)、大当り決定表示、大当り中表示、特定入賞口スイッチ入賞表示、大当り終了表示、カウントエラー表示、賞球エラー表示等がある。
表示灯制御部51のマイクロコンピュータは、主制御部4の出力インターフェースからのコマンドが配線及び入力インターフェースを介して入力すると、CPUがROMに設定されたプログラムをRAMを処理過程の記憶手段として用いて表示灯制御処理を実行し、パチンコ機のサイドランプやトップランプ又はランプ風車或いは賞球ランプ等の表示灯55を出力ドライバ及び配線を介して電気的に点灯、点滅、消灯する。主制御部4より表示灯制御部51に入力されるコマンドの種類には、デモ表示、特別図柄変動中表示、リーチ(左、中図柄一致)表示、大当り決定表示、大当り中表示、大当り終了表示、エラー表示、特定入賞口入賞表示灯点灯、特定入賞口入賞表示灯消灯、保留記憶表示灯1個表示、保留記憶表示灯2個表示、保留記憶表示灯3個表示、保留記憶表示灯4個表示、保留記憶表示灯全消灯、賞球表示灯点灯、賞球表示灯消灯、完了表示灯点灯、完了表示灯消灯等がある。上記表示灯55としては、大当り時に点灯する大当り表示灯、賞球払出中に点灯する賞球表示灯、タンク41(図1参照)の補給球が無くなった場合に点灯する完了表示灯、遊技の装飾効果用たるサイドランプのような第1遊技装飾効果表示灯、遊技の装飾効果用たるセンター役物ランプのような第2遊技装飾効果表示灯、遊技の装飾効果用たる可変入賞口横ランプのような第3遊技装飾効果表示灯、可変入賞口内の特定入賞口に球が入賞した場合に点灯する特定入賞口入賞表示灯、図柄始動口への入賞記憶数を4個まで表示する保留記憶表示灯等がある。
効果音制御部52のマイクロコンピュータは、主制御部4の出力インターフェースからのコマンドが配線及び入力インターフェース介して入力すると、CPUがROMに設定されたプログラムをRAMを用いて処理過程の記憶手段として用いて効果音制御の処理を実行し、その実行結果により音源ICがROMに設定された効果音データからの効果音信号への変換を行い、アンプが上記効果音信号を増幅し、パチンコ機に設けられたスピーカ56を配線を介して電気的に駆動する。主制御部4から効果音制御部52に入力されるコマンドの種類には、図柄始動口入賞音、特別図柄変動中音、リーチ音、特別図柄停止音、大当り決定音、大当り中音、大当り終了音、エラー音等がある。
球発射制御部53は主制御部4より賞球払出制御部20を介して発射許可が入力された状態において遊技者が球発射機構部57中のハンドルを操作することにより球発射機構部57中の電磁ソレノイド又はステツピングモータのような球発射アクチュエータをハンドルの操作量に応じて駆動するための制御を行う。58は可変入賞口を開閉する電磁ソレノイド又はステツピングモータのような可変入賞口アクチュエータ、59はパチンコ店に営業管理用に設置されるホールコンピュータである。ホールコンピュータ59はパチンコ店に設置された複数のパチンコ機より情報を収集してその集計を行う。パチンコ機からホールコンピュータ59に出力される情報の種類には、大当り情報、特別図柄作動回数情報、図柄始動ロスイッチ入賞情報、賞球情報、補給要求情報等がある。
図10を参照し、主制御部4の遊技制御処理を詳述する。リセット割込みにより遊技制御処理が始まると、ステップ101においてスタックポインタを設定し、ステップ102において電源初期投入時を判定する。電源投入直後のRAMのデータは不定のため、電源投入判断はRAMの特定エリアが特定データであるかどうかにより行う。ステップ103は乱数更新処理であって、大当り決定用乱数、大当り図柄選択用乱数、外れ用左停止図柄乱数、外れ用中停止図柄乱数、外れ用右停止図柄乱数、リーチ時間決定用乱数等の乱数の更新を行う。ステップ104は入力処理であって、ポート入力を行い、入力バッファに格納する。始動口に対応する入賞球検出スイッチ3が入賞を検出した場合、大当り決定用乱数、大当り図柄選択用乱数をRAMの保留記憶エリアヘ記憶する。保留記憶エリアは4個まで有り、その空きエリアに順次格納するものとする。ステップ105は10カウントスイッチエラー検出処理であって、入賞球2が特定入賞口に10個入賞したか否かを検出する10カウントスイッチの異常検出及び復帰処理を行う。10カウントスイッチのオン時間が指定時間以上継続した時にエラー状態として検出し、このエラー状態検出中に10カウントスイッチのオフ時間が指定時間以上継続した時にエラー状態を復帰する。可変入賞口の開から閉までの一定時間内において、又、10カウントスイッチの入賞カウント数が0の場合において、10カウントスイッチに対する球の無通過エラーの状態として検出し、このエラー状態検出中に10カウントスイッチが入賞球を検出した場合はエラー状態を復帰する。ステツプ106は10カウントスイッチエラー分岐処理であって、エラー状態の場合はステップ115に移行し、その他はステップ107に移行する。ステップ107はジョブカウンタの値に応じたジョブの選択処理であって、ステップ108において0〜6のどのジョブを行うかをジョブカウンタの値により選択する。ジョブカウンタの値が0でステップ104の入力処理にて入賞球カウント記憶が有つた場合には、ジョブカウンタの値を1にする。
ステップ108はジョブカウンタの値に応じたジョブ処理であって、ステップ107にて選択されたジョブを実行する。このステップ108では、各ジョブ毎に、それぞれ対応した特別図柄表示、表示灯表示、効果音などに対するモードフラグのセットを行う。又、時間に関する処理については、各時間データを所定のRAMのエリアに格納し、ハード的に所定周期で発生するよう構成されているリセット割込み毎に減算するソフトタイマ方式とする(時間データ=リセット割込み回数×リセット割込みの時間間隔)。各ジョブについて説明すると、
ジョブ0:図柄始動入賞待ち処理を示し、デモ表示に関する処理を行う。尚、このジョブから次のジョブヘの移行は、ステップ107の処理内で行われる。
ジョブ1:特別図柄変動開始処理を示し、大当り決定用乱数、大当り図柄選択用乱数の保留記憶エリアのデータ値をシフトし、現判定エリアに保存し、以下のア)停止図柄決定処理と、イ)図柄変動時間の決定処理とを行う。
ア)停止図柄決定処理は現判定エリアの大当り決定用乱数値が大当り値なら、現判定エリアの大当り図柄選択用乱数より停止図柄を決定する。現判定エリアの大当り決定用乱数値が外れ値なら、外れ用左停止図柄乱数、外れ用中停止図柄乱数、外れ用右停止図柄乱数を抽出し、左・中・右の停止図柄を決定する。ただし、左図柄=中図柄=右図柄の場合は、右図柄を+1として外れ停止図柄を決定する。
イ)図柄変動時間決定処理は左図柄、中図柄の変動時間は固定時間とする。尚、大当り、及び左図柄=中図柄のリーチ状態の場合は、右図柄の変動時間をリーチ時間決定用乱数値より抽出し、外れの場合は右図柄の変動時間を左図柄、中図柄と同じ固定時間とする。そして、処理終了後、ジョブカウンタをカウントアップする。
ジョブ2:特別図柄停止処理を示し、左図柄、中図柄、右図柄を順次変動させ、それぞれの図柄の変動時間経過後、左図柄、中図柄、右図柄を順次停止し、処理終了後、ジョブカウンタをカウントアップする。
ジョブ3:大当り判定処理を示し、現判定エリアの大当り決定用乱数値が大当り値の場合はジョブカウンタをカウントアップする。外れ値の場合は一定時間(図柄停止時間)経過後、ジョブカウンタをクリアする。
ジョブ4:大当り開始処理を示し、以下のア)〜エ)の大当り開始処理を行う。
ア)可変入賞口開放時間をセット。
イ)可変入賞口開放カウンタに1をセット。
ウ)10カウント入賞カウンタをクリア。
エ)特定入賞口スイッチ通過フラグをクリアし、一定時間(大当り開始待ち時間)経過後、ジョブカウンタをカウントアップする。
ジョブ5:可変入賞口開放処理を示し、可変入賞口の開放処理、閉止処理を行う。開放処理は可変入賞口アクチュエータ58を駆動し可変入賞口を開放する。可変入賞口が開放中に特定入賞口スイッチを球が通過した場合に、特定入賞口スイッチ通過フラグをセットする。可変入賞口開放時間経過、10カウント入賞カウンタ=上限値(10個)のいずれかの条件が成立した場合に可変入賞口閉処理に移行する。その閉処理は可変入賞口アクチュエータ58の駆動を停止し可変入賞口を閉じ、ジョブカウンタをカウントアップする。
ジョブ6:可変入賞口開放待ち処理であって、特定入賞口スイッチ通過フラグがセットされている場合は継続処理を行い、セットされていない場合は終了処理を行う。継続処理は可変入賞口開放時間をセット、可変入賞口開放カウンタをカウントアップ(但し、カウント値が上限値(16回)を越えた場合は終了処理に移行する)、10カウント入賞カウンタをクリア、特定入賞口スイッチ通過フラグをクリアし、一定時間(可変入賞口インターバル時間)経過後、ジョブカウンタを1減算する。終了処理は一定時間(大当り終了ウェイト時間)経過後、可変入賞口開放動作で使用したカウンタ、フラグなどをクリアし、ジョブカウンタをクリアする。
ステップ109は賞球制御処理であって、入賞球2に基づく賞球払出処理を行う(詳細は図11乃至図13で説明)。ステップ110は外部情報処理であって、ステップ104、ステップ108、ステップ109のジョブに基づき、大当り情報、特別図柄作動回数情報、始動口入賞情報、賞球情報、補給要求情報(補給要求情報をセットする場合、併せて表示灯表示モードフラグもセットする)等の情報のセット処理を行う。情報の信号出力時間は各々タイマにより管理する。ステップ111は特別図柄制御部50へのコマンドセット処理であって、特別図柄表示モードフラグの内容を基に、特別図柄制御部50にコマンドを送出する。ステップ112は表示灯制御部コマンドセット処理であって、表示灯制御モードフラグの内容を基に、表示灯制御部51にコマンドを送出する。ステップ113は効果音制御部コマンドセット処理であって、効果音モードフラグの内容を基に、効果音制御部52にコマンドを送出する。ステップ114は出力処理であって、コマンド以外のポート出力処理を行う。ステップ115は10カウントエラー処理であって、エラー状態の特別図柄表示、表示灯表示、効果音のモードフラグのセット処理、及び、遊技中断処理を行う。ステップ116はラムクリア処理であって、ラムの内容をクリアする。ステップ117は初期設定処理であって、遊技開始時の初期データをRAMにセットする。尚、ステップ114及び117後のループ処理においては次のリセット割込みが発生するのを待ち、それにより、再度ステップ101から処理が繰返される。尚、これらステップ101から始る処理は、リセット割込みで繰返し実行され、各処理はそのリセット割込み周期毎に処理され、これは所謂シーケンシャル処理ではなく、複数の処理を時分割的に行う並列処理となっている。
図11乃至図13を参照し、主制御部4における前記ステップ109の賞球制御処理について詳述する。この処理内においては、適宜、特別図柄表示、表示灯表示や効果音等に対するモードフラグのセットを行う。ステップ10901では賞球エラータイマがゼロでなければ、ステップ10902に移行する。ステップ10902は賞球払出球検出分岐処理であって、賞球検出スイッチ40の検出状態なる条件により賞球払出球検出と判断してステップ10903に移行し、その他は賞球払出球未検出と判断してステップ10905に移行する。ステップ10903ではSKCTを減算してステップ10904に移行する。ステップ10904では賞球エラータイマ14を初期化(初期値をセット)してステップ10905に移行する。
ステップ10905は第1賞球超過エラーレベル分岐処理であって、SKCT値<−Yならばステップ10906に移行し、その他はステップ10907に移行する。ステップ10906は第1賞球超過エラーセット処理であって、第1賞球超過エラーフラグ及び第1賞球超過エラー表示フラグをセットし、ステップ10920に移行する。第1賞球超過エラー表示フラグとしては特別図柄制御部50及び球は発射制御部53へのコマンドデータをセットする。ステップ10907は第2賞球超過エラーレベル分岐処理であって、SKCT値≦−X(−Y≦SKCT値≦−X)ならばステップ10908に移行し、その他はステップ10909に移行する。ステップ10908は第2賞球超過エラーセット処理であって、第2賞球超過エラーフラグ及び第2賞球超過エラー表示フラグをセットし、ステップ10920に移行する。第2賞球超過エラー表示フラグとしては表示灯制御部51へのコマンドデータをセットする。ステップ10909は第3賞球超過エラーレベル分岐処理であって、SKCT値<0ならばステップ10910に移行し、その他はステップ10911に移行する。ステップ10910は第3賞球超過エラーセット処理であって、第3賞球超過エラーフラグ及び第3賞球超過エラー表示フラグをセットし、ステップ10920に移行する。第3賞球超過エラー表示フラグとしては表示灯制御部51へのコマンドデータをセットする。
上記賞球超過の場合における賞球超過エラー表示セット処理によれば、重度のレベルである第1賞球超過エラーの場合は表示器54の消灯及び球発射機構部57の停止によるエラー表示(表示及び遊技停止処理)、中程度度のレベルである第2賞球超過エラーの場合はパチンコ機の前面側の表示灯の点灯又は点滅によるエラー表示(パチンコ機前面側での警告表示処理)、軽度のレベルである第3賞球超過エラーの場合はパチンコ機裏面側の表示灯によるエラー表示(パチンコ機裏面側での警告表示)を行う。又、賞球超過エラーレベルは超過レベル判定値−X,−Yの値によるが、例えば、−X=−Y=−1に設定したならば、賞球払出が1個でも超過すると、第1乃至第3賞球超過エラー表示処理が行われる。この場合、第1乃至第3賞球超過エラー表示処理を1つに統合して順に行うか、又は、第1乃至第3賞球超過エラー表示処理それぞれを同時に行うようにしても良い。又、−X=−Y≠−1に設定したならば、第1及び第2賞球超過エラー表示処理が同一処理となる。
ステップ10911は賞球指示残数ゼロ分岐処理であって、SKCT値=0ならばステップ10912に移行し、SKCT値≠0ならばステップ10914に移行する。ステップ10912はクリア処理であって、第1乃至第3賞球超過エラー表示フラグ及び第1乃至第3賞球不足エラー表示フラグをクリアし、ステップ10913に移行する。この第1乃至第3賞球超過エラー表示フラグ及び第1乃至第3賞球不足エラー表示フラグのクリア処理により、特別図柄制御部50や表示灯制御部51及び球発射制御部53へのエラー表示禁止のコマンドをセットする。ステップ10913では賞球エラータイマを初期化し、ステップ10920に移行する。ステップ10914は賞球エラータイマのタイムアップ分岐処理であって、賞球エラータイマ≠0ならばステップ10920に移行し、その他はステップ10915に移行する。
ステップ10915は第1賞球不足エラーレベル分岐処理であって、SKCT値≧Mならばステップ10916に移行し、その他はステップ10917に移行する。ステップ10916は第1賞球不足エラーセット処理であって、第1賞球不足エラーフラグ及び第1賞球不足エラー表示フラグをセットし、ステップ10920に移行する。第1賞球不足エラー表示フラグとしては特別図柄制御部50及び球発射制御部53へのコマンドデータをセットする。ステップ10917は第2賞球不足エラーレベル分岐処理であって、SKCT値≧N(M>SKCT値≧N)ならばステップ10918に移行し、その他はステップ10919に移行する。ステップ10918は第2賞球不足エラーセット処理であって、第2賞球不足エラーフラグ及び第2賞球不足エラー表示フラグをセットし、ステップ10920に移行する。第2賞球不足エラー表示フラグとしては表示灯制御部51へのコマンドデータをセットする。ステップ10919は第3賞球不足エラーセット処理であって、第3賞球不足エラーフラグ及び第3賞球不足エラー表示フラグをセットし、ステップ10920に移行する。第3賞球不足エラー表示フラグとしては表示灯制御部51へのコマンドデータをセットする。
上記賞球不足の場合における賞球不足エラー表示セット処理によれば、重度のレベルである第1賞球不足エラーの場合は表示器54の消灯及び球発射機構部57の停止によるエラー表示(表示及び遊技停止処理)、中程度のレベルである第2賞球不足エラーの場合はパチンコ機の前面側の表示灯の点灯又は点滅によるエラー表示(パチンコ機前面側での警告表示処理)、軽度のレベルである第3賞球不足エラーの場合はパチンコ機裏面側の表示灯によるエラー表示(パチンコ機裏面側での警告表示)を行う。又、賞球エラーのレベルは不足レベル判定値M,Nの値によるが、例えば、M=N=1に設定したならば、賞球払出が1個でも不足すると、第1乃至第3賞球エラー処理が行われる。この場合、第1乃至第3賞球不足エラー表示処理を1つに統合して順に行うか、又は、第1乃至第3賞球不足エラー表示処理それぞれを同時に行うようにしても良い。又、M=N≠1に設定したならば、第1及び第2賞球不足エラー表示処理が同一処理となる。
ステップ10920は入賞球検出処理であって、入賞球2がどの入賞口1に入賞したかの判定処理を行う(詳細は図14で説明)。ステップ10921は第1賞球超過エラー分岐処理であって、第1賞球超過エラーフラグがセットされていればステップ10922に移行し、第1賞球超過エラーフラグがクリアされていればステップ10923に移行する。ステップ10922は第1賞球超過エラー処理であって、例えば、発射禁止コマンドを出力する等のように、各種フラグセット等により遊技停止のための出力処理を行い、リターンに移行する。ステップ10923は第1賞球不足エラー処理であって、第1賞球不足エラーフラグがセットされていればステップ10924に移行し、第1賞球不足エラーフラグがクリアされていればステップ10925に移行する。ステップ10924は第1賞球不足エラー処理であって、例えば、発射禁止コマンドを送出する等のように、各種フラグセット等により遊技停止のための出力処理を行い、リターンに移行する。
ステップ10925は賞球可能判定処理であって、前記ステップ104の入力処理での入力状態により、賞球可能判定処理を行う。オーバーフロー検出スイッチ46が未検出状態、賞球準備検出スイッチ43が検出状態が同時に成立した場合に賞球可能と判断する。又、賞球可能判断時の初回のみ、賞球払出制御部20へ賞球許可コマンドを送出する。又、前回発射禁止フラグクリアで、今回異常であれば、発射禁止フラグをセットし、発射禁止コマンドを送出する。又、前回発射禁止フラグセットで、今回正常であれば、発射禁止フラグをクリアし、発射許可コマンドを送出し、ステップ10926に移行する。ステップ10926は賞球可能分岐処理であって、賞球不能であればステップ10927に移行し、賞球可能であればステップ10928に移行する。
ステップ10927は賞球不能処理であって、賞球禁止フラグをセットし、賞球禁止コマンドを送出する。更に、表示灯制御部51に賞球禁止表示コマンドを送出する等のように、賞球不能表示の為の処理を行い、リターンに移行する。ステップ10928は指示転送待ち計数分岐処理であって、指示転送待ちカウンタ=0ならばリターンに移行し、その他はステップ10929に移行する。ステップ10929は賞球指示払出数出力処理であって、指示転送待ち計数手段6のカウント値に基づく賞球指示コマンドを賞球払出制御部20に送出し、ステップ10930に移行する。ステップ10930は賞球指示残数加算処理であって、指示転送待ち計数手段6のカウント値を賞球指示残数計数手段8に加算し、リターンに移行する。処理終了後、前記ステップ110に移行する。
図14及び図15を参照し、主制御部4における前記ステップ10920の入賞球検出処理について詳述する。1092001は第一15個入賞分岐処理であって、第一15個入賞口に対応する入賞球検出信号による入賞検出有判断時はステップ1092002に移行し、その他はステップ1092003に移行する。ステップ1092002は指示転送待ち計数加算処理であって、指示転送待ちカウンタに15個を加算し、ステップ1092003に移行する。スイッチ1092003は第二15個入賞分岐処理であって、第二15個入賞口に対応する入賞球検出信号による入賞検出有判断時はステップ1092004に移行し、その他はステップ1092005に移行する。ステップ1092004は指示転送待ち計数加算処理であって、指示転送待ちカウンタに15個を加算し、ステップ1092005に移行する。ステップ1092005は第一10個入賞分岐処理であって、第一10個入賞口に対応する入賞球検出信号による入賞検出有判断時はステップ1092006に移行し、その他はステップ1092007に移行する。ステップ1092006は指示転送待ち計数加算処理であって、指示転送待ちカウンタに10個を加算し、ステップ1092007に移行する。スイッチ1092007は第二10個入賞分岐処理であって、第二10個入賞口に対応する入賞球検出信号による入賞検出有判断時はステップ1092008に移行し、その他はステップ1092009に移行する。ステップ1092008は指示転送待ち計数加算処理であって、指示転送待ちカウンタに10個を加算し、ステップ1092009に移行する。ステップ1092009は第一5個入賞分岐処理であって、第一5個入賞口に対応する入賞球検出信号による入賞検出有判断時はステップ1092010に移行し、その他はステップ1092011に移行する。ステップ1092010は指示転送待ち計数加算処理であって、指示転送待ちカウンタに5個を加算し、ステップ1092011に移行する。スイッチ1092011は第二5個入賞分岐処理であって、第二5個入賞口に対応する入賞球検出信号による入賞検出有判断時はステップ1092012に移行し、その他はリターンに移行する。ステップ1092012は指示転送待ち計数加算処理であって、指示転送待ちカウンタに5個を加算し、リターンに移行する。処理終了後、前記ステップ10921に移行する。要するに、図14及び図15の入賞球検出処理によれば、図11及至図13の賞球制御処理におけるステップ10901からステップ10920に到るまでの間に、複数の入賞球2が検出された場合、例えば、15個入賞口への入賞2回、5個入賞口への入賞が1回発生した場合、15×2+5×1=35個が記憶される。そして、主制御部4は35個賞球指示コマンドを賞球払出制御部20に送信する。
図16及び図17を参照し、賞球払出制御部20の賞球払出制御について説明する。主制御部4におけるリセット割込みと同様な4msec毎のリセット割込みにより賞球払出制御処理が始まると、ステップ200の入力処理により、主制御部4からのコマンドと賞球検出スイッチ40の賞球検出信号とのポート入力を行い、入力バッファに格納し、ステップ201に移行する。ステップ201はコマンド解読処理であって、ステップ200で入力された入力バッファ内のコマンドを解読し、ステップ202に移行する。ステップ202は賞球指示コマンド入力分岐処理であって、ステップ201のコマンド解読結果が賞球指示コマンドであった場合はステップ203に移行し、その他はステップ204に移行する。
ステップ203は賞球残数加算処理であって、賞球残数カウンタに賞球指示コマンドに含まれた賞球指示払出数を加算し、ステップ204に移行する。ステップ204は賞球禁止入力分岐処理であって、ステップ201のコマンド解読結果が賞球禁止コマンドであった場合はステップ205に移行し、その他はステップ206に移行する。ステップ205は賞球払出禁止フラグセットをセットし、ステップ206に移行する。ステップ206は賞球禁止解除入力分岐処理であって、ステップ201のコマンド解読結果が賞球許可コマンドであった場合はステップ207に移行し、その他はステップ208に移行する。ステップ207は賞球禁止フラグをクリアし、ステップ208に移行する。ステップ208は発射許可入力分岐処理であつて、ステップ201のコマンド解読結果が発射許可コマンドであった場合はステップ209に移行し、その他はステップ210に移行する。ステップ209は発射許可信号フラグセット処理であって、球発射制御部53へ出力する発射許可信号を許可状態にセットし、ステップ210に移行する。ステップ210は発射禁止入力分岐処理であって、ステップ201のコマンド解読結果が発射禁止コマンドであった場合はステップ211に移行し、その他はステップ212に移行する。
ステップ211は発射許可信号禁止フラグセット処理であって、球発射制御部53へ出力する発射許可信号を禁止状態にセットし、ステップ212に移行する。ステップ212は賞球残数計数分岐処理であって、賞球残数カウンタの賞球残数=0ならばステップ216に移行し、その他はステップ213に移行する。ステップ213は賞球払出駆動処理であって、賞球払出アクチュエータ32を駆動して賞球払出しを行い、ステップ214に移行する。ステップ214は賞球残数減算処理であって、賞球検出スイッチ40からの賞球検出信号により賞球残数カウンタを減算し、ステップ215に移行する。ステップ215は賞球残数計数分岐処理であって、賞球残数カウンタの賞球残数=0ならばステップ216に移行し、その他はステップ217に移行する。ステップ216は賞球払出駆動停止処理であって、賞球払出アクチュエータ32の駆動を停止して賞球払出しを終了し、ステップ217に移行する。ステップ217は出力処理であって、賞球払出アクチュエータ32と球発射制御部53への発射許可信号のポート出力処理を行う。尚、これらステップ200から始る処理は、リセット割込みで繰返し実行され、各処理はそのリセット割込み周期毎に処理され、これは所謂シーケンシャル処理ではなく、複数の処理を時分割的に行う並列処理となっている。
図18乃至図20を参照し、賞球払出のタイミングについて説明する。図18では、主制御部4において、5個入賞口ヘの単独入賞N1が入賞検出されると、5個賞球指示コマンドC1が送信されると共に賞球指示残数カウンタ(図18では指示残数カウンタと表示)がカウント値を「5」にカウントアップする。これに並行し、賞球払出制御部20において、5個賞球指示コマンドC1が受信されると、賞球残数カウンタ(図8では残数カウンタと表示)がカウント値を「5」にカウントアップする。そして、賞球払出機構部30が賞球払出制御部20からの賞球払出信号により駆動して賞球47を払出す。この賞球47が賞球払出機構部30より払出される毎に、賞球検出スイッチ40が主制御部4及び賞球払出制御部20に賞球検出信号を送信する。その状態において、主制御部4及び賞球払出制御部20は、賞球検出信号を受信する毎に、賞球検出信号の立ち下がりのタイミングにより賞球指示残数カウンタのカウント値及び賞球残数カウンタのカウント値を「4」、「3」、「2」、「1」、「0」と順にカウントダウンする。賞球残数カウンタのカウント値が「0」になると、賞球払出制御部20は賞球払出機構部30への賞球払出信号の送出を停止し、賞球払出機構部30が停止する。これにより、上記単独入賞N1に対する賞球払出が終了する。
次に、5個入賞口ヘの単独入賞N2が入賞検出されると、5個賞球指示コマンドC2が送信されると共に賞球指示残数カウンタがカウント値を「5」にカウントアップする。これに並行し、賞球払出制御部20において、5個賞球指示コマンドC2が受信されると、賞球残数カウンタがカウント値を「5」にカウントアップする。そして、賞球47が賞球払出機構部30より払出される毎に、主制御部4及び賞球払出制御部20が賞球検出スイッチ40の賞球検出信号を受信する。そして、賞球検出信号を受信する毎に、賞球指示残数カウンタ及び賞球残数カウンタがカウント値を「4」、「3」と順にカウントダウンする。
上記カウント値が「3」になった後、更に、5個入賞口ヘの単独入賞N3が入賞検出されると、5個賞球指示コマンドC3が送信されると共に賞球指示残数カウンタがカウント値を「8」にカウントアップする。これに並行し、賞球払出制御部20において、5個賞球指示コマンドC3が受信されると、賞球残数カウンタがカウント値を「8」にカウントアップする。そして、賞球検出信号を受信する毎に、賞球指示残数カウンタ及び賞球残数カウンタがカウント値を「7」、「6」と順にカウントダウンする。
上記カウント値が「6」になった後、更に、10個入賞口への入賞と15個入賞口ヘの入賞との同時入賞Nが入賞検出されると、10個と15個との総和である25個賞球指示コマンド(00011001)C4が送信されると共に賞球指示残数カウンタがカウント値を「31」にカウントアップする。これに並行し、賞球払出制御部20において、25個賞球指示コマンドC4が受信されると、賞球残数カウンタがカウント値を「31」にカウントアップする。そして、賞球47が賞球払出機構部30より払出される毎に、賞球指示残数カウンタ及び賞球残数カウンタがウント値を「30」、「29」と順にカウントダウンする。
上記カウント値が「29」になった後、賞球残数カウンタのカウント値が「0」になるまでに、例えば、賞球指示残数カウンタのカウント値が「29」になるための賞球検出信号の立ち下がりのタイミングにより、賞球エラータイマ14が計時動作を開始し、その賞球エラータイマ14がタイムアップし、つまり賞球エラータイマ14の計時動作中に主制御部4及び賞球払出制御部20が賞球検出スイッチ40より次の新たな賞球検出信号を受信しない場合は、上記タイムアップによるエラーが発生し、賞球払出機構部30が駆動継続であるまま、エラー状態となる。
図19では、単独入賞N1,N2,N3による賞球払出及び同時入賞N4による賞球払出駆動中において、賞球指示残数カウンタのカウント値が「29」になった後、賞球指示残数カウンタのカウント値が「0」になるまでに、例えば、賞球指示残数カウンタのカウント値が「29」になるための賞球検出信号の立ち下がりのタイミングにより、賞球エラータイマ14が計時動作を開始し、その賞球エラータイマ14がタイムアップしたことにより、主制卸部4がタイムアップに基づく賞球禁止コマンドC4’を賞球払出制御部20に送信する例で、この場合は、エラーが発生し、賞球払出制御部20が賞球禁止コマンドC4’を受信することにより、賞球払出機構部30が停止して、エラー状態となる。
図20では、単独入賞N1,N2に基づく賞球払出が完了した状態において、例えば、通路開閉部材33が賞球払出通路31を閉鎖しないため、賞球47が賞球払出機構部30より払出され、賞球険出スイッチ40より賞球検出信号が主制御部4及び賞球払出制御部20に入力された場合は、賞球残数カウンタは減算動作せず、賞球指示残数カウンタがカウント値を「−1」、「−2」、「−3」と順にカウントダウンする。そして、超過レベル判定値−X=−3が設定された場合、賞球指示残数が「−3」となると、賞球指示残数と超過レベル判定値−Xとが同一となり、第3賞球超過エラー状態となる。引続き、賞球払出機構部30の賞球払出動作が継続し、それ以降は第2賞球超過エラー状態となり、賞球指示残数カウンタがカウント値を「−4」、「−5」、「−6」より「−20」までカウントダウンする。そして、超過レベル判定値−Y=−19が設定された場合、賞球指示残数が「−20」になると、賞球指示残数が超過レベル判定値−Yより小さくなるため第1賞球超過エラー状態となり、主制御部4が禁止コマンドC6を出力する。
上記第3賞球超過エラーの発生後において、例えば、賞球指示残数カウンタが「−3」をカウントした後、主制御部4の入賞検出手段5が15個入賞による単独入賞N5を検出した場合は、15個賞球指示コマンドC5が賞球払出制御部20に送信される。この時、主制御部4では第2賞球超過エラーを検出した状態である。よって、上記15個賞球指示コマンドC5の送信により、賞球指示残数カウンタは「−3」から15個をカウントアップし、賞球指示残数カウンタのカウント値は「12」に変わる。又、上記15個賞球指示コマンドC5の送信により、賞球残数カウンタは「0」から15個をカウントアップし、賞球指示残数カウンタのカウント値は「15」に変わるため、一旦、エラー状態が解除される。
上記第3超過エラーの発生後において、例えば、賞球指示残数カウンタが「−20」をカウントした後、主制御部4の入賞検出手段5が10個入賞による単独入賞N6を検出した場合は、主制御部4では既に第1賞球超過エラーを検出した後であので、主制御部4は賞球指示コマンドの送信を中止する(図20ではコマンド禁止と表示)と共に、第1賞球超過エラーの状態を継続する。この際、第1賞球超過エラーの解除は、パチンコ店の従業員のような操作者が、不具合個所を取除くと共に遊技機の電源を一旦オフした後に再投入することによって行う。
要するに、この第1実施形態によれば、主制御部4が機能分割された賞球払出制御部20へ一方向のコマンドを送出するパチンコ機の賞球払出制御装置において主制御部4が賞球指示払出数を含むコマンドを賞球払出制御部20に送信し、このコマンドを受信した賞球払出制御部20がコマンド中の賞球払出数に基づき賞球払出機構部30を電気的に制御し、賞球検出スイッチ40が賞球払出機構部30より払出された賞球47を検出した賞球検出信号を主制御部4及び賞球払出制御部20に送信する。又、主制御部4の賞球指示残数計数手段8は上記主制御部4から賞球払出制御部20へのコマンド送信により賞球指示払出数を加算すると共に賞球検出スイッチ40から入力された賞球検出信号に相当する賞球払出数を減算することにより、主制御部4が賞球払出機構部30より払出される賞球払出数の計数管理を行う。又、賞球払出制御部20の賞球残数計数手段23は上記主制御部4から入力されたコマンドにより賞球指示払出数を加算すると共に賞球検出スイッチ40から入力された賞球検出信号に相当する賞球払出数を減算することにより、賞球払出制御部20が賞球払出機構部30より払出される賞球払出数の計数管理を行う。
図21及び図22は本発明の第2実施形態であって、図21は賞球払出制御中の図17に相当する部分を示し、図22は賞球払出のタイミングチャートを示す。図21において、図16の結合子5に繋がるステップ218は賞球払出中分岐処理であって、賞球払出中判断時はステップ219に移行し、その他はステップ212に移行する。ステップ219は賞球払出制御部20に設けられた賞球払出駆動後インターバルタイマ(HDENDTM)減算処理であって、HDENDTM≠0の時、HDENDTMを減算し、ステップ220に移行する。ステップ220はHDENDTM分岐処理であって、HDENDTM≠0の判断時はステップ217に移行し、その他はステップ226に移行する。ステップ212は賞球残数計数分岐処理であって、賞球残数カウンタ(NKCT)による賞球残数≠0ならばステップ217に移行し、その他はステップ221に移行する。ステップ221はNKCT値分岐処理であって、NKCK値<25(分割設定値として賞球払出制御部20に予め設定された所定値)の判断時はステップ222に移行し、その他はステップ223に移行する。ステップ222は分割設定値25より小さな値であるNKCT値を賞球払出制御部20に払出計数手段として設けられた払出カウンタ(HDCT)に加算し、ステップ225に移行する。ステップ223は払出カウンタ値設定処理であって、払出カウンタに分割設定値25を1回の賞球払出数として設定し、ステップ224に移行する。ステップ224は賞球残数カウンタ値設定処理であって、分割設定値25より大きな値であるNKCT値よりステップ223で設定された払出カウンタのHDCT値=分割設定値25を減算し、その減算結果が賞球残数カウンタのNKCTと設定され、ステップ225に移行する。ステップ225は賞球払出駆動開始処理であつて、賞球払出アクチュエータ32の駆動処理をして賞球払出しを行い、ステップ226に移行する。ステップ226は賞球残数減算処理であって、賞球検出スイッチ40の賞球検出信号によりHDCTを減算し、ステップ227に移行する。ステップ227は賞球残数計数分岐処理であって、HDCTによる賞球残数=0ならばステップ228に移行し、その他はステップ217に移行する。ステップ228は賞球払出駆動終了処理であって、賞球払出アクチュエータ32の駆動停止処理をして賞球払出を停止すると共にHDENDTMをセットし、ステップ217に移行する。ステップ217は出力処理であって、賞球払出アクチュエータ32と球発射制御部53への発射許可信号のポート出力処理を行う。
図22を参照し、賞球払出のタイミングについて説明する。図22では、主制御部4において、10個入賞口ヘの単独入賞N7が入賞検出されると、10個賞球指示コマンドC7が送信されると共に賞球指示残数カウンタがカウント値を「10」にカウントアップする。これに並行し、賞球払出制御部20において、10個賞球指示コマンドC7が受信されると、賞球残数カウンタがカウント値を「10」にカウントアップし、払出カウンタがカウント値を「10」にカウントアップし、賞球残数カウンタがカウント値を「10」より「0」にカウントダウンする。この賞球残数カウンタがカウント値を「10」から「0」にカウントダウンするのは、カウントアップした「10」が分割設定値「25」より小さいからである。そして、主制御部4及び賞球払出制御部20では、賞球検出信号を受信する毎に、払出カウンタがカウント値を「9」、「8」、「7」乃至「0」と順にカウントダウンする。
主制御部4では、賞球検出信号を受信する毎に、賞球指示残数カウンタがカウント値をカウントダウンし、賞球指示残数カウンタのカウント値が「9」になった後、15個入賞口への単独入賞N8が入賞検出さた場合、15個賞球指示コマンドC8が送信されると共に賞球指示残数カウンタがカウント値を9個と15個との総和である「24」にカウントアップする。これに並行し、賞球払出制御部20では、15個賞球指示コマンドC8が受信されると、賞球残数カウンタがカウント値を「15」にカウントアップする。
そして、主制御部4は、賞球指示残数カウンタのカウント値が「23」にカウントダウンされた後、再び、15個入賞口への単独入賞N9が入賞検出された場合、15個賞球指示コマンドC9が送信されると共に賞球指示残数カウンタがカウント値を23個と15個との総和である「38」にカウントアップした後、賞球検出信号を受信する毎に、賞球指示残数カウンタがカウント値を「37」乃至「30」までカウントダウンする。これに並行し、賞球払出制御部20は、賞球検出信号を受信する毎に、払出カウンタのカウント値を「7」乃至「0」までカウントダウンする。
この払出カウンタのカウント値が「0」になると、賞球払出制御部20は駆動終了後インターバルを実行すると共にそのインターバル終了後に賞球残数カウンタのカウント値を「30−25=5」に更新し、払出カウンタがカウント値を分割設定値である「25」にカウントアップする。この払出カウンタのカウント値が「0」より「25」にカウントアップされることにより、賞球払出機構部30が賞球払出制御部20からの賞球払出信号により駆動して賞球47を払出す。その状態において、賞球検出信号を受信する毎に、賞球指示残数カウンタがカウント値を「29」乃至「5」と順にカウントダウンする。これに並行し、賞球検出信号を受信する毎に、払出カウンタがカウント値を「25」乃至「0」と順にカウントダウンする。
この払出カウンタのカウント値が再び「0」になると、賞球払出制御部20は駆動終了後インターバルを実行すると共にそのインターバル終了後に賞球残数カウンタのカウント値を「5」から「0」に更新し、払出カウンタが更新以前の賞球残数カウンタのカウント値である「5」にカウントアップする。この払出カウンタのカウント値が「0」より「5」にカウントアップされることにより、賞球払出機構部30が賞球払出制御部20からの賞球払出信号により駆動して賞球47を払出す。その状態において、賞球検出信号を受信する毎に、賞球指示残数カウンタがカウント値を「4」乃至「0」と順にカウントダウンし、払出カウンタがカウント値を「4」乃至「0」と順にカウントダウンする。
要するに、この第2実施形態によれば、主制御部4においては入賞検出毎のコマンド送信により賞球指示残数カウンタが賞球指示払出数をカウントアップし、その賞球指示残数カウンタがカウントアップされた賞球指示払出数を賞球検出信号である賞球払出数によりカウントダウンすることは、第1実施形態と同じであるが、第1実施形態と次の事項(1)乃至(5)が異なる。この第2実施形態では、(1)賞球残数計数手段8が賞球残数カウンタ(NKCT)と払出カウンタ(HDCT)とにより形成される。(2)賞球残数カウンタが主制御部4から送信されたコマンドを受信することによりコマンドに含まれた賞球指示払出数をカウントアップする。(3)賞球残数カウンタのカウント値が分割設定数25より小さい場合は、その賞球残数カウンタのカウント値が払出カウンタにカウントアップされた後、賞球残数カウンタが「0」にカウントダウンされる。(4)賞球残数カウンタのカウント値が分割設定数25より大きい場合は、分割設定数25が払出カウンタにカウントアップされた後、賞球残数カウンタのカウント値が分割設定数25だけカウントダウンされる。(5)払出カウンタは賞球払出機構部30より払出された賞球払出数によりカウントダウンされる。
上記事項(1)乃至(5)により、賞球残数カウンタが主制御部4よりコマンド送信された複数の賞球指示払出数を積算し、その積算値が予め定められた設定値を超えた場合に、払出カウンタが積算値を所定数で分割した賞球払出を出力することができる。
図23は本発明の第3実施形態の断面を示したものであって、賞球払出機構部30は賞球払出アクチュエータが電磁ソレノイド34により形成され、電磁ソレノイド34が電力駆動することにより通路開閉部材33が支持軸33aを中心として賞球払出通路31を開くことにより、賞球47が矢印X方向に払出される。そして、電磁ソレノイド34への電力供給が遮断されることにより、通路開閉部材33がコイルスプリングのような弾性部材35のばね力により賞球払出通路31を閉じ、賞球47が賞球払出通路31のタンク41(図1参照)側に止め置かれる。この第3実施形態によれば、停電時には、通路開閉部材33が弾性部材35のばね力により賞球払出通路31を閉じるので、賞球47が賞球払出通路31より払出されることが阻止できる。
図24は本発明の第4実施形態の断面を示したものであって、賞球払出機構部30は賞球払出アクチュエータがステツピングモータ36により形成され、通路開閉部材がステツピングモータ36により回転駆動するスタータイプのスプロケット37により形成され、スプロケット37の周辺部に周方向に等間隔に放射状に半円弧状に形成された複数の切欠部37aがスプロケット36の回転に伴い賞球47を1個ずつ分離しながらタンク41(図1参照)側より上皿44(図1参照)側へと矢印X方向に払出す。賞球検出スイッチ40がスプロケット37より賞球払出通路31の下流側に設けられたことにより、賞球検出スイッチ40が実際に賞球払出機構部30より払出された賞球47を検出することができる。
賞球エラーが発生した場合、特別図柄表示、表示灯、効果音等に代えて又は加えて専用の報知器で知らせても良い。