以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、及び、スロット機、等であってもよい。
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄8a〜8c)の可変表示を行って表示結果を導出表示する第1可変表示部8と、所定の始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口16へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄9a〜9c)の可変表示を行って表示結果を導出表示する第2可変表示部9と、が所定の間隔を有する仕切部を挟んで離間するように配置している。本実施形態では、第1可変表示部8および第2可変表示部9はそれぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域に識別情報が表示制御されるものである。
なお、本実施形態における弾球遊技機1は、第1可変表示部8において、始動入賞発生時(例えば、第1始動入賞口14へ打球が入賞する)に後述する第1特定表示判定用数値データ抽出処理(例えば、CPU56が実行する処理であって数値データ(第1大当り判定用乱数等)を抽出する部分:ステップS403)によって第1特定表示判定数値データ更新処理(例えば、CPU56が実行する処理であって数値データ(第1大当り判定用乱数、等)を更新(カウントアップ)する部分:ステップS201)から抽出された数値データ(第1大当り判定用乱数等)が第1数値データ判定処理(例えば、CPU56が実行する処理であって始動入賞発生時に抽出した第1大当り判定用乱数が第1大当り判定値と合致するか否かを判定する部分:ステップS416)により所定の判定値(第1大当り判定値)と合致すると判定されたときに、第1可変表示部8に特定表示結果(大当り図柄)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。
また、第2可変表示部9において、始動入賞発生時(例えば、第2始動入賞口16へ打球が入賞する)に第2特定表示判定用数値データ抽出処理(例えば、CPU56が実行する処理であって数値データ(第2大当り判定用乱数等)を抽出する部分)によって第2特定表示判定数値データ更新処理(例えば、CPU56が実行する処理であって数値データ(第2大当り判定用乱数、等)を更新(カウントアップ)する部分:ステップS208)から抽出された数値データ(第2大当り判定用乱数等)が第2数値データ判定処理(例えば、CPU56が実行する処理であって始動入賞発生時に抽出した第2大当り判定用乱数が第2大当り判定値と合致するか否かを判定する部分)により所定の判定値(第2大当り判定値)と合致すると判定されたときに、第2可変表示部9に特定表示結果(大当り図柄)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。そして、第1可変表示部8と第2可変表示部9とのいずれかの表示部に特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行制御する。
なお、この実施の形態では、第1可変表示部8に特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、第2可変表示部9に特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、を同一(例えば、大当りラウンド数、入賞払出数、等)の特定遊技状態としているが、一方の特定遊技状態を他方の特定遊技状態と比べて更に有利となるように構成してもよい。例えば、第1可変表示部8に特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態の大当りラウンド数を15回とし、第2可変表示部9に特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態の大当りラウンド数を7回としてもよい。また、この場合には、第2可変表示部9にて特定表示結果となる確率を第1可変表示部8にて特定表示結果となる確率よりも高くなるように第1大当り判定値および第2大当り判定値を設定してもよい。
また、この実施の形態では、第1可変表示部8と第2可変表示部9との2つの表示部により識別情報の可変表示を行う構成となっているが、これに限らず複数の表示部を備え、複数(2〜∞のうちの任意の自然数)の表示部にて識別情報の可変表示を行う構成としてもよい。また、複数の表示部を設けることなく1つの表示部を複数の表示エリアに分けてそれぞれの表示エリアで識別情報の可変表示を行う構成としてもよい。例えば、この実施の形態では、第1可変表示部8と第2可変表示部9との2つの表示部を設けているが、1つの表示部に第1可変表示エリアと第2可変表示エリアとを設ける構成としてもよい。
また、特定表示結果(大当り図柄)には、特別表示結果(確変図柄、例えば、同一の奇数図柄の組合せ)と特別表示結果以外の非特別表示結果(非確変図柄、例えば、同一の偶数図柄の組み合わせ)が含まれ、本実施形態における弾球遊技機1は、後述する第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)で表示結果を特別表示結果(確変図柄)とすることを決定したときに第1可変表示部8に特別表示結果(確変図柄)を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態(大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態とは異なる遊技状態であって、第1可変表示部8において通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(大当り遊技状態となる確率が高い)第1特別遊技状態としての第1確変状態に制御することにより遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。
また、第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS331)で表示結果を特別表示結果(確変図柄)とすることを決定したときに第2可変表示部9に特別表示結果(確変図柄)を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態(大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態および第1特別遊技状態とは異なる遊技状態であって、第2可変表示部9において通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(大当り遊技状態となる確率が高い)第2特別遊技状態としての第2確変状態に制御することにより遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。
なお、通常遊技状態とは、第1特別遊技状態(第1確変状態)、第2特別遊技状態(第2確変状態)、および特定遊技状態(大当り遊技状態)とは異なる遊技状態のことである。また、以下、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とを合わせて特別遊技状態ということがある。
また、第1可変表示部8の下部には、始動条件が成立(打球が第1始動入賞口14へ入賞)したときに第1特定表示判定用数値データ抽出処理により第1特定表示判定数値データ更新処理から抽出された数値データ(例えば、第1大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段としての第1保留記憶バッファ(例えば、主基板31に搭載されるRAM55により第1特定表示判定用数値データ抽出処理(ステップS403)によって抽出された数値データ(第1大当り判定用乱数等)を記憶する機能)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を特定可能に表示する第1特別図柄保留記憶表示領域10が設けられている。
この第1特別図柄保留記憶表示領域10は、4つの表示領域に分かれ、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が第1始動入賞口14に入賞)がある毎に表示色を変化させ、特別図柄8a〜8cの可変表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
また、第2可変表示部9の下部には、始動条件が成立(打球が第2始動入賞口16へ入賞)したときに第2特定表示判定用数値データ抽出処理により第2特定表示判定数値データ更新処理から抽出された数値データ(例えば、第2大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する保留記憶手段としての第2保留記憶バッファ(例えば、主基板31に搭載されるRAM55により第2特定表示判定用数値データ抽出処理によって抽出された数値データ(第2大当り判定用乱数等)を記憶する機能)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を特定可能に表示する第2特別図柄保留記憶表示領域11が設けられている。
なお、第1可変表示部8においては第1特別図柄保留記憶表示領域10と特別図柄8a〜8cを可変表示する表示領域とが区分けされて設けられ、第2可変表示部9においては第2特別図柄保留記憶表示領域11と特別図柄9a〜9cを可変表示する表示領域とが区分けされて設けられているため、特別図柄8a〜8cおよび特別図柄9a〜9cの可変表示中も保留記憶数が表示された状態とすることができる。また、特別図柄8a〜8cを可変表示する表示領域の一部に第1特別図柄保留記憶表示領域10を設け、特別図柄9a〜9cを可変表示する表示領域の一部に第2特別図柄保留記憶表示領域11を設けるように構成してもよく、この場合には、可変表示中は保留記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、保留記憶数を表示する表示器(第1特別図柄保留記憶表示器および第2特別図柄保留記憶表示器)を第1可変表示部8および第2可変表示部9とは別個にそれぞれ設ける構成としてもよい。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データは、第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの可変表示の開始条件が成立したときに第1可変表示部8にて特別図柄8a〜8cの可変表示を開始するための始動条件であり、第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2可変表示部9における特別図柄9a〜9cの可変表示の開始条件が成立したときに第2可変表示部9にて特別図柄9a〜9cの可変表示を開始するための始動条件であるため、保留可変表示とも呼ばれる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファには抽出された数値データ(例えば、第1大当り判定用乱数、等)のうち未だ開始条件(例えば、大当り遊技状態および前回の可変表示の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶され、第2保留記憶バッファには抽出された数値データ(例えば、第2大当り判定用乱数、等)のうち未だ開始条件(例えば、大当り遊技状態および前回の可変表示の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記したものに限らず、例えば、上限数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(例えば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(例えば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
第1可変表示部8の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口14を有する第1可変入賞装置15が設けられている。第1始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ62によって検出される。また、第1始動入賞口14の下部には開閉動作を行う第1可変入賞装置15が設けられている。第1可変入賞装置15は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により第1可変入賞装置15が開状態となることにより、遊技球が第1始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、第2可変表示部9の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口16を有する第2可変入賞装置17が設けられている。第2始動入賞口16に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ67によって検出される。また、第2始動入賞口16の下部には開閉動作を行う第2可変入賞装置17が設けられている。第2可変入賞装置17は、ソレノイド74によって開状態とされる。ソレノイド74により第2可変入賞装置17が開状態となることにより、遊技球が第2始動入賞口16に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
第1可変入賞装置15の下方には、第1可変表示部8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づく特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる第1特別可変入賞装置20が設けられている。第1特別可変入賞装置20は、内部に第1大入賞口21を備え、第1大入賞口21を開閉する手段である。第1特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第1V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第1カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第1大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
第2可変入賞装置17の下方には、第2可変表示部9に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたことに基づく特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる第2特別可変入賞装置22が設けられている。第2特別可変入賞装置22は、内部に第2大入賞口23を備え、第2大入賞口23を開閉する手段である。第2特別可変入賞装置22から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球は第2V入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球は第2カウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、第2大入賞口23内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
なお、この実施の形態では、第1可変表示部8に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第1特別可変入賞装置20と、第2可変表示部9に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する第2特別可変入賞装置22と、を備えているが、特別可変入賞装置を1つだけ備えるように構成してもよい。すなわち、第1可変表示部8に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、第2可変表示部9に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉制御される特別可変入賞装置と、を同一の特別可変入賞装置を用いて行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、可変表示部の数だけ可変入賞装置が設けられている、すなわち、第1可変表示部8の始動条件成立に関わる第1可変入賞装置15と第2可変表示部9の始動条件成立に関わる第2可変入賞装置17とを備えているが、可変入賞装置を1つだけ備える構成としてもよい。この場合には、可変入賞装置の始動入賞口に遊技球が入賞したときにいずれの可変表示部(例えば、第1可変表示部8または第2可変表示部9のいずれか)にて特別図柄の可変表示を実行するか選択する構成としてもよく、また、予め定められた所定の順序(例えば、第1可変表示部8と第2可変表示部9とを交互に可変表示)で特別図柄の可変表示を実行するように構成してもよい。
第1特別可変入賞装置20の左側方には、「○」及び「×」と付された一対のLEDからなる第1普通図柄表示器12が設けられている。この第1普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示可能なものである。
第1ゲート28を遊技球が通過し第1ゲートスイッチ61で検出されると、第1普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の第1普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第1普通図柄バッファに記憶可能な第1普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、第1普通図柄バッファに記憶される第1普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、第1普通図柄バッファに記憶される第1普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、第1普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、第1普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する可変表示を開始できる状態であれば、第1普通図柄表示器12において普通図柄の可変表示が開始される。第1普通図柄表示器12において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、第1普通図柄当り判定用乱数を第1普通図柄バッファに格納することで第1普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、第1普通図柄表示器12の下方には、第1普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する第1普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この第1普通図柄保留記憶表示器18は、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、第1普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の可変表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。なお、特別図柄8a〜8cと普通図柄とを一つの第1可変表示部8で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別図柄8a〜8cを可変表示する特別図柄表示エリアと、普通図柄を可変表示する普通図柄表示エリアと、は1つの第1可変表示部8で実現される。
この実施の形態では、第1普通図柄表示器12にて、○と×の付された上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば、29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第1ゲート28を遊技球が通過し、第1ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(第1普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。第1普通図柄表示器12における可変表示の表示結果が当りである場合には、第1可変入賞装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第1始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、第1可変入賞装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
第2特別可変入賞装置22の右側方には、「○」及び「×」と付された一対のLEDからなる第2普通図柄表示器13が設けられている。この第2普通図柄表示器13は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示可能なものである。
第2ゲート29を遊技球が通過し第2ゲートスイッチ66で検出されると、第2普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の第2普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の第2普通図柄バッファに記憶可能な第2普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、第2普通図柄バッファに記憶される第2普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、第2普通図柄バッファに記憶される第2普通図柄当り判定用乱数の記憶数が4個に達していなければ、第2普通図柄当り判定用乱数が抽出される。そして、第2普通図柄表示器13において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する可変表示を開始できる状態であれば、第2普通図柄表示器13において普通図柄の可変表示が開始される。第2普通図柄表示器13において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、第2普通図柄当り判定用乱数を第2普通図柄バッファに格納することで第2普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、第2普通図柄表示器13の下方には、第2普通図柄当り判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する第2普通図柄保留記憶表示器19が設けられている。この第2普通図柄保留記憶表示器19は、第2ゲート29を遊技球が通過し、第2ゲートスイッチ66で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、第2普通図柄表示器13にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の可変表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。なお、特別図柄9a〜9cと普通図柄とを一つの第2可変表示部9で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別図柄9a〜9cを可変表示する特別図柄表示エリアと、普通図柄を可変表示する普通図柄表示エリアとは1つの第2可変表示部9で実現される。
この実施の形態では、第2普通図柄表示器13にて、○と×の付された上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば、29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された上側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、第2ゲート29を遊技球が通過し、第2ゲートスイッチ66で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(第2普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。第2普通図柄表示器13における可変表示の表示結果が当りである場合には、第2可変入賞装置17が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が第2始動入賞口16に入賞しやすい状態になる。すなわち、第2可変入賞装置17の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
更に、第1特別遊技状態としての第1確変状態では、第1可変表示部8にて可変表示される特別図柄8a〜8cの停止図柄が当り図柄(特定表示結果:例えば、「777」)になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、特別図柄8a〜8cの可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、第1普通図柄表示器12において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、第1可変入賞装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。これにより遊技者にとって更に有利な状態となる。また、第1確変状態等の所定の状態では、第1普通図柄表示器12における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮されることによって、遊技者にとって更に有利になるようにしてもよい。
また、第2特別遊技状態としての第2確変状態では、第2可変表示部9にて可変表示される特別図柄9a〜9cの停止図柄が当り図柄(特定表示結果:例えば、「777」)になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、特別図柄9a〜9cの可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、第2普通図柄表示器13において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、第2可変入賞装置17の開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。これにより遊技者にとって更に有利な状態となる。また、第2確変状態等の所定の状態では、第2普通図柄表示器13における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮されることによって、遊技者にとって更に有利になるようにしてもよい。
なお、上記した第1特別遊技状態として第1時短状態、第2特別遊技状態として第2時短状態に制御することにより、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態とするようにしてもよい。第1時短状態では、第1可変表示部8において特別図柄8a〜8cの変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、第1可変表示部8の特別図柄8a〜8cおよび第1普通図柄表示器12の普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、第1可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。第1可変入賞装置15の開放時間又は開放回数が通常遊技状態より高められることにより、第1始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの可変表示回数が増加して特別図柄8a〜8cが当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとって更に有利な状態となる。
また、第2時短状態では、第2可変表示部9において特別図柄9a〜9cの変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、第2可変表示部9の特別図柄9a〜9cおよび第2普通図柄表示器13の普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、第2可変入賞装置17において、開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。第2可変入賞装置17の開放時間又は開放回数が通常遊技状態より高められることにより、第2始動入賞口16への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2可変表示部9における特別図柄9a〜9cの可変表示回数が増加して特別図柄9a〜9cが当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとって更に有利な状態となる。
なお、上述した第1確変状態、第2確変状態は、第1時短状態および第2時短状態よりも更に遊技者にとって有利な状態となるため、一方(または複数のうちのいずれか1つ乃至任意の自然数個)の特別遊技状態を確変状態とし、他方(または残りの複数のうちの1つ乃至任意の自然数個)の特別遊技状態を時短状態とすることにより特別遊技状態に格差をつけるように構成してもよい。例えば、第1特別遊技状態として第1確変状態に制御し、第2特別遊技状態として第2時短状態に制御することにより、第1特別遊技状態となったときに第2特別遊技状態よりも更に有利な状態となるように構成してもよい。このように構成することにより遊技者の興趣を向上させることが可能となる。また、この場合には、特別遊技状態として時短状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって不利となる特別遊技状態に制御する)可変表示部の大当りとなる確率を特別遊技状態として確変状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって有利となる特別遊技状態に制御する)可変表示部の大当りとなる確率よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することにより、遊技者の興趣を更に向上させることができる。
また、第1特別遊技状態および第2特別遊技状態は上記したものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を第1特別遊技状態および第2特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないもの(特定遊技状態中以外)と大当りに直接的に係わるもの(特定遊技状態中)とに分けて説明する。即ち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。
先ず、第1特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、特別図柄8a〜8c乃至普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御又は確率変動(確変)制御、電役(例えば、第1可変入賞装置15)の開放期間の延長制御、特別図柄8a〜8c乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄8a〜8cの始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、第1始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を第1特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生又は継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を第1特別遊技状態としてもよい。
また、第2特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、特別図柄9a〜9c乃至普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御又は確率変動(確変)制御、電役(例えば、第2可変入賞装置17)の開放期間の延長制御、特別図柄9a〜9c乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を特別図柄9a〜9cの始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、第2始動入賞口16の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を第2特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生又は継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を第2特別遊技状態としてもよい。
一方、第1特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、第1特別可変入賞装置20の開放延長制御、あるいは第1特別可変入賞装置20によって開放された第1大入賞口21への入賞に伴う賞球数の増加制御を第1特別遊技状態とすることができる。なお、上記した遊技制御を組合せて第1特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。さらには、第1特別遊技状態への突入条件(所定条件の成立)及び第1特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、第1特別遊技状態を発生させるための判定用乱数(数値データ)、第1特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(数値データ)、遊技履歴(例えば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、及びサブゲーム(例えば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つ乃至任意の組合せを第1特別遊技状態への突入条件乃至第1特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
また、第2特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、第2特別可変入賞装置22の開放延長制御、あるいは第2特別可変入賞装置22によって開放された第2大入賞口23への入賞に伴う賞球数の増加制御を第2特別遊技状態とすることができる。なお、上記した遊技制御を組合せて第2特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。さらには、第2特別遊技状態への突入条件(所定条件の成立)及び第2特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、第2特別遊技状態を発生させるための判定用乱数(数値データ)、第2特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(数値データ)、遊技履歴(例えば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、及びサブゲーム(例えば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つ乃至任意の組合せを第2特別遊技状態への突入条件乃至第2特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
本実施形態では、予め定められた複数の表示領域としての第1可変表示部8に、予め定められた図柄が停止することで当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、第1可変表示部8における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば、「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、第1可変表示部8における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、予め定められた複数の表示領域としての第2可変表示部9に、予め定められた図柄が停止することで当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、第2可変表示部9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば、「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、第2可変表示部9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1可変表示部8および/または第2可変表示部9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が第1始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ62で検出されると、特別図柄8a〜8cの可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了又は前回の可変表示の終了)、第1可変表示部8にて特別図柄8a〜8cの可変表示(変動表示)を開始する。特別図柄8a〜8cの可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データ(例えば、第1大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第1特別図柄保留記憶表示領域10の表示色を変化させる。また、打球が第2始動入賞口16に入り第2始動口スイッチ67で検出されると、特別図柄9a〜9cの可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了又は前回の可変表示の終了)、第2可変表示部9にて特別図柄9a〜9cの可変表示(変動表示)を開始する。特別図柄9a〜9cの可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶バッファに記憶される数値データ(例えば、第2大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、第2特別図柄保留記憶表示領域11の表示色を変化させる。
第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄8a〜8cが大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開放される。なお、第1特別可変入賞装置20によって第1大入賞口21が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が第1大入賞口21に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第1特別可変入賞装置20による第1大入賞口21の開放中に打球が第1大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、第1V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し第1特別可変入賞装置20により第1大入賞口21の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い第1特別遊技状態に制御される。すなわち、第1確変状態という遊技者にとって更に有利な状態となる。
第2可変表示部9における特別図柄9a〜9cの可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄9a〜9cが大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開放される。なお、第2特別可変入賞装置22によって第2大入賞口23が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が第2大入賞口23に入賞するまで、が大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、第2特別可変入賞装置22による第2大入賞口23の開放中に打球が第2大入賞口23内のV入賞領域に入賞し、第2V入賞スイッチ69で検出されると、継続権が発生し第2特別可変入賞装置22により第2大入賞口23の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
第2可変表示部9における特別図柄9a〜9cの変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い第2特別遊技状態に制御される。すなわち、第2確変状態という遊技者にとって更に有利な状態となる。
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御。
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御。
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御。
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御。
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御。
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、弾球遊技機1の制御を行った際に発生する制御データ(例えば、賞球情報、保留記憶数、等)を記憶するワークメモリとして使用されるデータ記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部がバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
また、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、第1可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、第1特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、第1大入賞口21内に設けられて可動することにより釘調整することなくV入賞領域と10カウント入賞領域とへの入賞を可能とするシーソーを可動するソレノイド73、第2可変入賞装置17を開閉するソレノイド74、第2特別可変入賞装置22を開閉するソレノイド75、第2大入賞口23内に設けられて可動することにより釘調整することなくV入賞領域と10カウント入賞領域とへの入賞を可能とするシーソーを可動するソレノイド76、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1可変表示部8および第2可変表示部9の表示制御を行う。演出制御コマンドには、第1可変表示部8の表示を指定するコマンドと、第2可変表示部9の表示を指定するコマンドと、が含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた可変表示部(第1可変表示部8または第2可変表示部9)を表示制御する。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた可変表示部(第1可変表示部8または第2可変表示部9)の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示部の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第1可変表示部8および第2可変表示部9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形又は記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、第1可変表示部8の表示制御を行う第1VDP(図示しない)と、第2可変表示部9の表示制御を行う第2VDP(図示しない)と、の2つのVDPが表示制御基板80に搭載されている。なお、可変表示部を3つとした場合にはVDPが3つ搭載される。すなわち、可変表示部の数に対応した数のVDPが表示制御基板80に搭載される。また、第1VDPおよび第2VDPは、それぞれ、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに第1VRAM(図示しない)および第2VRAM(図示しない)をマッピングしている。なお、1つのVDPで複数の可変表示部の表示制御を行う構成としてもよい。例えば、第1可変表示部8と第2可変表示部9との両方の表示制御を行うVDPを1つ備える構成としてもよい。
第1VDPまたは第2VDPはキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた可変表示部(第1可変表示部8または第2可変表示部9)に表示するための画像データを生成し、第1VDPは第1VRAMに、第2VDPは第2VRAMに展開する。第1VRAMは第1VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであり、第2VRAMは第2VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、受信したコマンドに応じた可変表示部(第1可変表示部8または第2可変表示部9)に出力する。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行うともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される第1可変表示部8および第2可変表示部9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて第1可変表示部8、第2可変表示部9、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
図3は、CPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理(ステップS1〜ステップS6)において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理(ステップS1〜ステップS6)において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。更に、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上記したように、この実施の形態では、初期設定処理(ステップS1〜ステップS6)のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ65の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。すなわち、クリアスイッチ65を操作することにより主基板31に搭載されたRAM55に記憶された制御データを初期化するための初期化信号を出力し、初期化信号が入力されたことに基づいてCPU56はRAM55の制御データをクリアする初期化処理(ステップS11〜ステップS15)を実行する。
クリアスイッチ65がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理(ステップS11〜ステップS15)を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS11〜ステップS15)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理(ステップS10)を実行するための契機としてもよい。
初期化処理(ステップS11〜ステップS15)では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、第1大当り判定用乱数、第2大当り判定用乱数の初期値を設定する初期値設定処理を行う(ステップS12)。初期値設定処理(ステップS12)では第1大当り判定用乱数と第2大当り判定用乱数とのそれぞれに異なる初期値を設定することで第1大当り判定用乱数と第2大当り判定用乱数とが同一の乱数値で更新することを防止している。
次いで、所定の作業領域(例えば、第1普通図柄当り判定用乱数カウンタ、第2普通図柄当り判定用乱数カウンタ、第1普通図柄判定用バッファ、第2普通図柄判定用バッファ、第1特別図柄左中右特別図柄バッファ、第2特別図柄左中右特別図柄バッファ、第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS13)。
更に、サブ基板(例えば、表示制御基板80、払出制御基板36、等の各制御基板)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、第1可変表示部8および第2可変表示部9に表示される初期図柄を示すコマンド(表示制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、ステップS17〜ステップS23までの処理が繰り返し実行される。すなわち、表示用乱数更新処理(ステップS17)、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)を実行する。表示用乱数更新処理(ステップS17)および第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)を実行するときには、タイマ割込の発生を禁止する割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理(ステップS17)および第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)の実行が終了するとタイマ割込の発生を許可する割込許可状態とされる(ステップS19)。そして、割込待ち処理(ステップS20)を実行した後、再び割込禁止状態とされ(ステップS21)、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)を実行した後、割込許可状態とされる(ステップS23)。
割込待ち処理(ステップS20)では、所定期間の計測が行なわれる。すなわち、ステップS19で割込許可状態とされた後、所定期間経過したときにステップS21に移行して割込禁止状態とされる。このように、割込許可状態とされた後、割込禁止状態とされるまでに所定のインターバル期間を設けることでタイマ割込が発生しやすくなっている。また、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)を実行して第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)を実行するまでにタイマ割込が発生可能であるため、第1初期値決定用乱数と第2初期値決定用乱数との更新が不規則になり、第1初期値決定用乱数と第2初期値決定用乱数とが同期して更新されることを防ぐことができる。
なお、この実施の形態では、割込待ち処理(ステップS20)を設けて割込禁止状態とされるまでに所定のインターバル期間を設けているが、割込待ち処理(ステップS20)を設けることなくステップS19で割込許可状態とされた後、ステップS21で割込禁止状態とするように構成してもよい。この実施の形態では、ステップS16またはステップS21で割込禁止状態とされた後、ステップS19またはステップS23で割込許可状態とされるまでにタイマ割込が発生した場合には、ステップS19またはステップS23で割込許可状態となった後すぐに2msタイマ割込処理が実行される。ゆえに、割込待ち処理(ステップS20)を設けない場合であってもステップS16〜ステップS18の実行中にタイマ割込が発生した場合には、ステップS19で割込許可状態とされた後に2msタイマ割込処理が実行され、第1初期値決定用乱数と第2初期値決定用乱数とが同期して更新されることを防ぐことができる。また、割込待ち処理(ステップS20)を設けた場合には、ステップS16〜ステップS18の実行中にタイマ割込が発生していない場合であっても、ステップS19で割込許可状態にされた後、ステップS21で割込禁止状態とされるまでのインターバル期間が長くなり、インターバル期間中にタイマ割込が発生したことに基づいて2msタイマ割込処理が実行されるため、割込待ち処理(ステップS20)を設けない場合に比べてステップS19〜ステップS21の間に2msタイマ割込処理が実行される割合が高くなっている。
また、表示用乱数とは、第1可変表示部8および第2可変表示部9に表示される特別図柄の変動態様などを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理(ステップS17)とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)とは、第1大当り判定用乱数の初期値を決定する第1初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理であり、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)とは、第2大当り判定用乱数の初期値を決定する第2初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。なお、後述する判定用乱数更新処理(ステップS33)で、第1大当り判定用乱数のカウンタのカウント値が1巡すると、第1初期値決定用乱数のカウント値が第1大当り判定用乱数のカウンタの初期値に設定され、第2大当り判定用乱数のカウンタのカウント値が1巡すると、第2初期値決定用乱数のカウント値が第2大当り判定用乱数のカウンタの初期値に設定される。
なお、表示用乱数更新処理(ステップS17)、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)が実行されるときに割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理(ステップS17)、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)、が図9に示す2msタイマ割込処理でも実行されることから、2msタイマ割込処理におけるこれらの処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17〜ステップS18またはステップS22の処理中にタイマ割込が発生して2msタイマ割込処理中で表示用乱数、第1初期値決定用乱数、第2初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17〜ステップS18およびステップS22の処理中に割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、この実施の形態で用いられる乱数を説明する。図4は、この実施の形態で用いられる乱数を示す説明図である。図4に示す各乱数は、以下のように使用される。
(1−1)第1大当り判定用乱数:第1可変表示部8にて大当りを発生させるか否か決定する。
(1−2)第2大当り判定用乱数:第2可変表示部9にて大当りを発生させるか否か決定する。
(2)はずれ図柄決定用乱数:特別図柄のはずれ図柄決定用。
(3)大当り図柄決定用乱数:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する。
(4)変動パターン決定用乱数:特別図柄の変動パターンを決定する。
(5)リーチ判定用乱数:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する。
(6−1)第1普通図柄当り判定用乱数:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する。
(6−2)第2普通図柄当り判定用乱数:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する。
(7−1)第1初期値決定用乱数:ランダム1−1の初期値を決定する。
(7−2)第2初期値決定用乱数:ランダム1−2の初期値を決定する。
(8−1)第1普通図柄初期値決定用乱数:ランダム6−1の初期値を決定する。
(8−2)第2普通図柄初期値決定用乱数:ランダム6−2の初期値を決定する。
(9)待ち時間決定用乱数:割込待ちタイマの待ち時間を決定する。
図4に示す乱数のうち(1−1)の第1大当り判定用乱数、(1−2)の第2大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(6−1)の第1普通図柄当り判定用乱数、(6−2)の第2普通図柄当り判定用乱数、が後述する判定用乱数更新処理(ステップS33)でカウントアップ(1加算)される判定用乱数であり、(2−1)〜(2−3)のはずれ図柄決定用乱数、(4)の変動パターン決定用乱数、(5)のリーチ判定用乱数、(9)の待ち時間決定用乱数、が表示用乱数更新処理(ステップS17および後述するステップS36)でカウントアップ(1加算)される表示用乱数であり、(7−1)の第1初期値決定用乱数、(8−1)の第1普通図柄初期値決定用乱数、が第1初期値用乱数更新処理(ステップS18および/または後述するステップS34)でカウントアップ(1加算)される第1初期値決定用乱数であり、(8−2)の第2初期値決定用乱数、(7−2)の第2初期値決定用乱数、が第2初期値用乱数更新処理(ステップS22およびまたは後述するステップS35)でカウントアップ(1加算)される第2初期値決定用乱数である。また、待ち時間決定用乱数とは、割込待ち処理(ステップS20)でタイマ割込の待ち時間を決定するための乱数であり、待ち時間決定テーブルに基づいてタイマ割込の待ち時間が決定される。
また、この実施の形態では、第1可変表示部8の表示結果を特定表示結果とするか否かの判定に用いられる第1大当り判定用乱数と、第2可変表示部9の表示結果を特定表示結果とするか否かの判定に用いられる第2大当り判定用乱数と、を同一の数値範囲で更新している。すなわち、第1大当り判定用乱数と、第2大当り判定用乱数とを0〜316の数値範囲で更新することにより、第1大当り判定用乱数の数値データと、第2大当り判定用乱数の数値データと、を共通化することができ、データ量を削減できる。
なお、第1大当り判定用乱数の数値範囲と第2大当り判定用乱数の数値範囲とを異ならせるように構成してもよく、第1大当り判定用乱数と第2大当り判定用乱数との数値範囲を異ならせることにより特定表示結果とする確率を異ならせるように構成しても良い。
図5は、CPU56が実行するメイン処理における初期値設定処理(ステップS12)を示すフローチャートである。この実施の形態では、弾球遊技機1に電源が投入され、ステップS7でクリアスイッチ65がオンとなっているとき、ステップS8でRAM55に制御データ等のバックアップ(停電等により遊技中に電源が切れたことに基づいて記憶される制御データ)がある場合、ステップS9でバックアップされている制御データが異常である場合、にRAM55を初期化(クリア)する。また、この実施の形態では、RAM55が初期化されたときに第1大当り判定用乱数、第2大当り判定用乱数、第1初期値決定用乱数、第2初期値決定用乱数、の初期値を設定する処理(初期値設定処理:ステップS12)が実行される。
初期値設定処理(ステップS12)において、CPU56は、先ず、ランダム1−1の第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として0を設定する(ステップS101)とともに、ランダム7−1の第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として0を設定する(ステップS102)。そして、ステップS101で設定した初期値をRAM55における第1初期値保存領域に保存する(ステップS103)。第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として0を設定することにより、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を発生するカウンタは0から順にカウントアップ(1加算)される。
次いで、CPU56は、ランダム1−2の第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として100を設定する(ステップS104)とともに、ランダム7−2の第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として100を設定する(ステップS105)。そして、ステップS104で設定した初期値をRAM55における第2初期値保存領域に保存する(ステップS106)。第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として100を設定することにより、第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタは100から順にカウントアップ(1加算)される。
このように、この実施の形態では、RAM55が初期化されたときに第1大当り判定用乱数、第2大当り判定用乱数、第1初期値決定用乱数、第2初期値決定用乱数、を生成するためのカウンタの初期値を設定するが、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに設定される初期値と、第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに設定される初期値とを異ならせるように構成している。そのため、不正にRAM55をクリアさせた場合であっても第1大当り判定用乱数と第2大当り判定用乱数とが同期して更新されず、狙い打ち等の不正行為を防止することができる。
なお、この実施の形態では、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに初期値として0を設定し、第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタに100を設定しているが、初期値としていずれの数値をカウンタに設定するようにしてもよく、例えば、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値として11を設定し、第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値として173を設定するようにしてもよい。また、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値に所定値を加算した数値を第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値としてもよく、例えば、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値に50加算した値を第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値としてもよい。更に、複数種類の初期値のうちいずれかを選択するように構成してもよく、この場合には、第1大当り判定用乱数および第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値とは異なる初期値を第2大当り判定用乱数および第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタの初期値としてもよい。
図6は、CPU56が実行するメイン処理における第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)を示すフローチャートである。なお、図6に示す第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)は、後述する2msタイマ割込処理のステップS34でも実行される。第1初期値用乱数更新処理(ステップS18、ステップS34)において、CPU56は、先ず、ランダム7−1の第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS111)、第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに(ステップS112)、第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を0に変更する(ステップS113)。次いで、ランダム8−1の第1普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS114)、第1普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに(ステップS115)、第1普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を3に変更する(ステップS116)。
このように、この実施の形態では、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18、ステップS34)にて第1初期値決定用乱数および第1普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行っている。また、第1初期値決定用乱数が0〜316の数値範囲であるため、第1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに0に変更し、第1普通図柄初期値用乱数が3〜13の数値範囲であるため、第1普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに3に変更する処理がなされる。
図7は、CPU56が実行するメイン処理における割込待ち処理(ステップS20)を示すフローチャートである。割込待ち処理(ステップS20)において、CPU56は、先ず、待ち時間決定用乱数を抽出し(ステップS121)、待ち時間決定テーブル(図示しない)に割り振られた判定値に基づいて待ち時間を決定する(ステップS122)。待ち時間決定テーブルには、タイマ割込の待ち時間として複数種類の待ち時間が設定され、それぞれの待ち時間に所定の判定値が振り分けられている。また、待ち時間決定用乱数は、メイン処理におけるステップS17および後述する2msタイマ割込処理におけるステップS36の表示用乱数更新処理にてカウントアップ(1加算)される。
なお、この実施の形態では、タイマ割込の待ち時間として複数種類の待ち時間のうちいずれかを選択する構成としているが、タイマ割込の待ち時間として予め定められた待ち時間を設定する構成としてもよい。また、タイマ割込の待ち時間として複数種類の待ち時間を所定の順序で選択する構成としてもよい。
次いで、ステップS122で決定したタイマ割込の待ち時間を割込待ちタイマに設定し(ステップS123)、割込待ちタイマを1減算する(ステップS124)。そして、割込待ちタイマがタイムアウトするまでステップS124の処理を繰り返し実行し、割込待ちタイマがタイムアウトしたら処理を終了する(ステップS125)。
このように、この実施の形態では、待ち時間決定用乱数を用いてタイマ割込の待ち時間を複数種類の待ち時間のなかから選択するため、タイマ割込の待ち時間を不規則にすることができる。また、選択された待ち時間がタイムアウトするまでステップS124の処理を繰り返し実行し、ステップS19で割込許可状態としてからステップS21で割込禁止状態とするまでの期間を遅らせるため、メイン処理においてステップS19〜ステップS21の間でタイマ割込が発生する割合が高くなり、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)で更新される第1初期値用乱数と第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)で更新される第2初期値用乱数とが同期して更新されることを防ぐことができる。
図8は、CPU56が実行するメイン処理における第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)を示すフローチャートである。なお、図8に示す第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)は、後述する2msタイマ割込処理のステップS35でも実行される。第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)において、CPU56は、先ず、ランダム7−2の第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS131)、第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに(ステップS132)、第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を0に変更する(ステップS133)。次いで、ランダム8−2の第2普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS134)、第2普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに(ステップS135)、第2普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を3に変更する(ステップS136)。
このように、この実施の形態では、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)にて第2初期値決定用乱数および第2普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行っている。また、第2初期値決定用乱数が0〜316の数値範囲であるため、第2初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに0に変更し、第2普通図柄初期値用乱数が3〜13の数値範囲であるため、第2普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに3に変更する処理がなされる。
図9は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行される2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS31)を行った後、ステップS32〜S48の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理(ステップS32〜S48)において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、第1ゲートスイッチ61、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、第2ゲートスイッチ66、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS32)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS33)。CPU56は、更に、第1大当り判定用乱数および第1普通図柄当り判定用乱数の初期値を決定する第1初期値決定用乱数および第1普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS34)、第2大当り判定用乱数および第2普通図柄当り判定用乱数の初期値を決定する第2初期値決定用乱数および第2普通図柄初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS35)、及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS36)。
更に、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS37)。第1特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第1可変表示部8、第1特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS38)。第2特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第2可変表示部9、第2特別可変入賞装置22、等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
なお、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)と第2特別図柄プロセス処理(ステップS38)とを別々に設けることなく、1つの特別図柄プロセス処理にて上記の処理を実行するように構成してもよい。この場合には、それぞれの可変表示部毎に後述するステップS300〜ステップS307の処理を設けるように構成してもよいし、ステップS300〜ステップS307の処理を実行することで複数の可変表示部全ての制御を行う構成としてもよい。
また、第1普通図柄プロセス処理を行う(ステップS39)。第1普通図柄プロセス処理(ステップS39)では、第1普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための第1普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。次いで、第2普通図柄プロセス処理を行う(ステップS40)。第2普通図柄プロセス処理(ステップS40)では、第2普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための第2普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。第1普通図柄プロセス処理(ステップS39)を実行することにより第1普通図柄表示器12の表示制御および第1可変入賞装置15の開閉制御が実行され、第2普通図柄プロセス処理(ステップS40)を実行することにより第2普通図柄表示器13の表示制御および第2可変入賞装置17の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄8a〜8cおよび特別図柄9a〜9cに関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS41)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS42)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS43)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS44)。具体的には、第1始動口スイッチ62、第1カウントスイッチ63、第1V入賞スイッチ64、第2始動口スイッチ67、第2カウントスイッチ68、第2V入賞スイッチ69、等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS45)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS46)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS47)。第1可変入賞装置15、第1特別可変入賞装置20、第2可変入賞装置17、第2特別可変入賞装置22を開状態または閉状態としたり、第1大入賞口21、第2大入賞口23、内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜76を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS48)、割込許可状態に設定する(ステップS49)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理(ステップS32〜S48)は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、2msタイマ割込処理で遊技制御処理(ステップS32〜S48)が実行されているが、2msタイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理(ステップS32〜S48)はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図10および図11は、CPU56が実行する2msタイマ割込処理における判定用乱数更新処理(ステップS33)を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理(ステップS33)において、CPU56は、先ず、ランダム1−1の第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS201)、第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに(ステップS202)、第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を0に変更する(ステップS203)。そして、第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が第1初期値保存領域に保存されているカウント値と一致したら(ステップS204)、ランダム7−1の第1初期値決定用乱数を抽出し(ステップS205)、抽出した第1初期値決定用乱数のカウント値を初期値として第1初期値保存領域に保存するとともに(ステップS206)、第1大当り判定用乱数のカウント値を第1初期値保存領域に保存されている初期値に変更する(ステップS207)。
次いで、CPU56は、ランダム6−1の第1普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS208)、第1普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに(ステップS209)、第1普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を3に変更する(ステップS210)。そして、第1普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が第1普通図柄初期値保存領域に保存されているカウント値と一致したら(ステップS211)、ランダム8−1の第1初期値決定用乱数を抽出し(ステップS212)、抽出した第1初期値決定用乱数のカウント値を初期値として第1普通図柄初期値保存領域に保存するとともに(ステップS213)、第1普通図柄当り判定用乱数のカウント値を第1普通図柄初期値保存領域に保存されている初期値に変更する(ステップS214)。
また、CPU56は、ランダム1−2の第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS215)、第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに(ステップS216)、第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を0に変更する(ステップS217)。そして、第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が第2初期値保存領域に保存されているカウント値と一致したら(ステップS218)、ランダム7−2の第2初期値決定用乱数を抽出し(ステップS219)、抽出した第2初期値決定用乱数のカウント値を初期値として第2初期値保存領域に保存するとともに(ステップS220)、第2大当り判定用乱数のカウント値を第2初期値保存領域に保存されている初期値に変更する(ステップS221)。
次いで、CPU56は、ランダム6−2の第2普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS222)、第2普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに(ステップS223)、第2普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を3に変更する(ステップS224)。そして、第2普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が第2普通図柄初期値保存領域に保存されているカウント値と一致したら(ステップS225)、ランダム8−2の第2初期値決定用乱数を抽出し(ステップS226)、抽出した第2初期値決定用乱数のカウント値を初期値として第2普通図柄初期値保存領域に保存するとともに(ステップS227)、第2普通図柄当り判定用乱数のカウント値を第2普通図柄初期値保存領域に保存されている初期値に変更する(ステップS228)。
更に、CPU56は、ランダム3の大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタをカウントアップ(1加算)し(ステップS229)、大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が12となったときに(ステップS230)、大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を0に変更する(ステップS231)。
この実施の形態では、第1大当り判定用乱数および第2大当り判定用乱数は0〜316の数値範囲であるため、第1大当り判定用乱数または第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が317となったときに0に変更される。また、第1普通図柄当り判定用乱数および第2普通図柄当り判定用乱数は3〜13の数値範囲であるため、第1普通図柄当り判定用乱数または第2普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が14となったときに3に変更される。また、この実施の形態では、第1可変表示部8で可変表示される特別図柄8a〜8cおよび第2可変表示部で可変表示される特別図柄9a〜9cは「0」〜「11」の12通りであるため、大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が12となったときに0に変更される。
このように、この実施の形態では判定用乱数更新処理(ステップS33)にて第1大当り判定用乱数、第2大当り判定用乱数、第1普通図柄当り判定用乱数および第2普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行っているが、判定用乱数更新処理(ステップS33)でこれらの乱数を生成するためのカウンタをカウントアップする処理を行うだけであると、一定の周期で当りとなるカウント値となってしまうため、その周期が把握されると体感器等により狙い打ちされるといった虞があった。
そのため、この実施の形態では、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18、ステップS34)および第2初期値用乱数更新処理(ステップS22、ステップS35)にて第1大当り判定用乱数および第2大当り判定用乱数の初期値を決定するための乱数のカウントアップを行い、判定用乱数更新処理(ステップS33)にて第1大当り判定用乱数および第2大当り判定用乱数を生成するカウンタが1巡したときに初期値決定用乱数を抽出し、カウンタのカウント値を初期値決定用乱数の値に変更する処理を行っている。具体的には、ステップS204で第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が初期値と一致したら、すなわち、第1大当り判定用乱数を生成するためのカウンタが1巡したら、ステップS205で第1初期値決定用乱数を抽出し、ステップS207で第1大当り判定用乱数を抽出した第1初期値決定用乱数の値に変更している。同様に、ステップS218で第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が初期値と一致したら、すなわち、第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタが1巡したら、ステップS219で第2初期値決定用乱数を抽出し、ステップS221で第2大当り判定用乱数を抽出した第2初期値決定用乱数の値に変更している。第1大当り判定用乱数および第2大当り判定用乱数を生成するためのカウンタが1巡したときにこれらのカウンタのカウント値を変更し、変更したカウント値からカウントアップを行うことで周期的に当りとなるカウンタ値となることを防止できる。
このように、この実施の形態では、第1初期値決定用乱数と第2初期値決定用乱数とが同期して更新されることを防止することにより、第1大当り判定用乱数と第2大当り判定用乱数とを生成するためのカウンタが同一のカウント値でカウントアップされないようにしている。そのため、第1大当り判定用乱数と第2大当り判定用乱数とが同時に当りとなるカウンタ値となることが防止でき、両方の当りとなるカウンタ値の発生するタイミングを狙って第1始動入賞口14と第2始動入賞口16との両方に遊技球を入賞させる狙い打ちを防止することができる。
この実施の形態では、第1大当り判定用乱数は第1初期値決定用乱数により初期値の変更を行い、第2大当り判定用乱数は第2初期値決定用乱数により初期値の変更を行うが、メイン処理のステップS16〜ステップS23までの処理は、2msタイマ割込処理の余り時間、つまり、2msタイマ割込処理が終了して、次に2msタイマ割込処理が実行されるまでの時間、に実行される。タイマ割込の発生は、割込許可状態で許容される。すなわち、ステップS23〜ステップS16の間とステップS19〜ステップS21の間でのみタイマ割込の発生が許容され、2msタイマ割込処理の余り時間に応じてメイン処理で実行される処理回数が異なる。例えば、2msタイマ割込の余り時間が比較的短い場合にはステップS16〜ステップS23の処理を全て実行することなく、ステップS16〜ステップS19またはステップS21〜ステップS23の処理を実行した後にタイマ割込が発生し、2msタイマ割込の余り時間が比較的長い場合にはステップS16〜ステップS23の処理を所定回実行した後、タイマ割込が発生するか、更にステップS16〜ステップS19を実行した後にタイマ割込が発生する。
メイン処理にて割込許可状態となっているときにタイマ割込が発生すると、メイン処理にて実行中の処理を中断し、2msタイマ割込処理が実行される。そして、2msタイマ割込処理が終了すると、メイン処理にてタイマ割込が発生したときに中断した処理を再開する。例えば、割込待ち処理(ステップS20)のステップS124を実行中にタイマ割込が発生すると、割込待ち処理(ステップS20)の実行を一時中断し、2msタイマ割込処理を実行する。そして、2msタイマ割込処理が終了したときに、再び割込待ち処理(ステップS20)のステップS124の処理を再開する。
このように、第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)を実行した後、第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)までの間にタイマ割込の発生を許可する割込許可状態とされるため、ステップS19〜ステップS21の間にタイマ割込が発生することにより第1初期値決定用乱数と第2初期値決定用乱数とを生成するためのカウンタのカウント値が一致しないように構成している。そして、判定用乱数更新処理(ステップS33)にて変更される初期値が異なり、狙い打ちを防止することができる。
また、この実施の形態では、RAM55をクリアしたときに第1大当り判定用乱数の初期値と第2大当り判定用乱数の初期値とをそれぞれが異なるように設定するため、RAM55を不正に初期化して狙い打ちをするといった不正行為を防止することができる。
上述したように、この実施の形態では、第1可変表示部8と第2可変表示部9との2つの可変表示部によって特別図柄8a〜8cおよび特別図柄9a〜9cの変動表示が実行され、いずれかの可変表示部にて特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このような複数の可変表示部を備えてそれぞれの可変表示部にて特別図柄の変動表示を行う遊技機では同時に大当りが発生する虞がある。ゆえに、この実施の形態では、2つの可変表示部にて同時に大当り遊技状態が発生しないような制御も行っている。なお、以下の説明においては第1可変表示部8を制御する処理について説明するが、第2可変表示部9を制御する処理においてもほぼ同様の制御が実行される。
図12は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)では第1可変表示部8を制御する処理が実行される。また、第2特別図柄プロセス処理(ステップS38)では第2可変表示部9を制御する処理が実行され、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)とほぼ同様の処理がなされる。CPU56は、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄8a〜8cの可変表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄8a〜8cの可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄8a〜8cの可変表示の結果、当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):可変表示後の特別図柄8a〜8cの停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。なお、特別図柄8a〜8cの停止図柄は当りとなるときにはランダム3の大当り図柄決定用乱数に基づき「0」〜「11」の識別情報のうちいずれの組合せの特別図柄8a〜8cの停止図柄にするかを決定し、はずれとなるときにはランダム2−1〜2−3のはずれ図柄決定用乱数に基づいて特別図柄8a〜8cの組合せを決定する。また、上述したように当りとなるときの特別図柄8a〜8cの停止図柄が奇数図柄の組合せとなるときには大当り遊技状態終了後に第1確変状態に制御され、偶数図柄の組合せとなるときには大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御される。すなわち、特別図柄8a〜8cの大当り図柄を決定することにより大当り遊技状態終了後に第1確変状態(第1特別遊技状態)と通常遊技状態とのいずれの遊技状態に制御するかを決定している。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄8a〜8cの可変表示の変動パターン(可変表示データ)を、始動入賞発生時に抽出したランダム4の変動パターン決定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(可変表示データ)の中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する時間(変動時間)と、を特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、特別図柄8a〜8cが可変表示を行って導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、特別図柄8a〜8cの停止図柄を指令する情報(特別図柄指定コマンド)と、変動時間を含む変動態様(変動パターン)を指令する情報(変動パターンコマンド)と、が送信される。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(ステップS303):第1変動パターン設定処理(ステップS302)で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1可変表示部8において可変表示される特別図柄8a〜8cが停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(特別図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して第1特別可変入賞装置20を開状態とすることで第1大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理(ステップS306)の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第1大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の第1大入賞口21の閉成条件が成立したら、第1大入賞口21内に設けられた第1V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、且つ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図13は、第1始動入賞口14に打球が入賞する始動入賞が生じたときに実行される第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)において、CPU56は、保留記憶数が最大値である4に達しているかどうか、すなわち、保留記憶カウンタのカウント値が4となっているかどうか確認する(ステップS401)。保留記憶数が4に達していなければ、保留記憶カウンタのカウント値を1加算し(ステップS402)、第1大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出するとともに、抽出した乱数値を保留記憶数の値に対応したRAM55の第1保留記憶バッファに格納する(ステップS403)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
図14は、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理(ステップS300)において、CPU56は、特別図柄8a〜8cの変動を開始することができる状態(例えば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS411)。第2大当り実行中フラグは、第2可変表示部9に大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されて大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始されるときに第2特別図柄プロセス処理(ステップS38)における第2特別図柄変動処理(ステップS333)にてセットされ、大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(ステップS337)にてリセットされる。すなわち、第2可変表示部9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が実行中であることを示すフラグである。次いで、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS412)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1可変表示部8において特別図柄8a〜8cの変動表示がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS413)、保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS414)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、CPU56は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS415)、大当り判定サブルーチンを実行する(ステップS416)。大当り判定サブルーチンでは、第1乱数格納バッファから読み出した第1大当り判定用乱数が第1大当り判定値と合致するか否かに基づいて第1可変表示部8の表示結果を特定表示結果とするか否かを判定する処理が実行される。なお、第1可変表示部8にて大当りとするか否かの判定に用いられる第1大当り判定値と、第2可変表示部9にて大当りとするか否かの判定に用いられる第2大当り判定値と、を同一の判定値としてもよいし、異なる判定値としてもよい。
また、第2特別図柄プロセス処理(ステップS38)における第2始動口スイッチ通過処理(ステップS342)では、第2始動入賞口16に遊技球が入賞したときに第2大当り判定用乱数、等の各乱数が抽出され、抽出した各乱数値がRAM55の第2保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納される。第2特別図柄通常処理(ステップS330)では、第2保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第2乱数格納バッファに格納し、大当り判定サブルーチンをコールし、第2乱数格納バッファから読み出した第2大当り判定用乱数が第2大当り判定値と合致するか否かの判定を行う。すなわち、第2特別図柄通常処理(ステップS330)で実行される大当り判定サブルーチンと、第1特別図柄通常処理(ステップS300)で実行される大当り判定サブルーチンと、が共通サブルーチンとして構成されるため、ROM54に記憶されるデータ量を削減できるとともに、CPU56の処理負担を軽減できる。
そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS417)、CPU56は、第1大当りフラグをセットする(ステップS418)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS419)。
以上の処理により、第2可変表示部9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには第1可変表示部8にて特別図柄8a〜8cの変動表示を開始させない制御がなされる。すなわち、第2可変表示部9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、第2可変表示部9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(ステップS300)におけるステップS411でYESが選択され、ステップS412〜ステップS419の処理が実行されない。
図15は、大当り判定サブルーチン(ステップS416)を示すフローチャートである。大当り判定サブルーチンにおいて、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS511)、確変中であれば大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS512)。確変中でなければ大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS513)。
なお、第1可変表示部8にて大当りとするか否か判定するときには上述した第1大当り判定値が設定された第1大当り判定テーブルを選択し、第2可変表示部9にて大当りとするか否か判定するときには上述した第2大当り判定値が設定された第2大当り判定テーブルを選択する。第1大当り判定テーブルおよび第2大当り判定テーブルには、上述した通常遊技状態で使用される低確率時のテーブルと、確変状態で使用される高確率時のテーブルと、が設けられ、ステップS511で確変中であるか否かの判定結果によっていずれか一方が選択される。
次いで、第1可変表示部8にて大当りとするか否かを判定するときには第1乱数格納バッファに格納されている第1大当り判定用乱数を読み出してステップS512で選択した第1大当り判定テーブルの高確率時のテーブルまたはステップS513で選択した第1大当り判定テーブルの低確率時のテーブルに設定されている第1大当り判定値とを比較し、第2可変表示部9にて大当りとするか否かを判定するときには第2乱数格納バッファに格納されている第2大当り判定用乱数を読み出してステップS512で選択した第2大当り判定テーブルの高確率時のテーブルまたはステップS513で選択した第2大当り判定テーブルの低確率時のテーブルに設定されている第2大当り判定値とを比較する。
ステップS514で比較した第1乱数格納バッファに格納されている第1大当り判定用乱数とステップS512で選択した第1大当り判定テーブルの高確率時のテーブルまたはステップS513で選択した第1大当り判定テーブルの低確率時のテーブルに設定されている第1大当り判定値とが一致すれば、または、第2乱数格納バッファに格納されている第2大当り判定用乱数とステップS512で選択した第2大当り判定テーブルの高確率時のテーブルまたはステップS513で選択した第2大当り判定テーブルの低確率時のテーブルに設定されている第2大当り判定値とが一致すれば(ステップS515)、大当りとすることにし(ステップS516)、一致しなければ大当りとしないことに決定する(ステップS517)。
このように、この実施の形態では、第1可変表示部8にて大当りとするか否かの判定と、第2可変表示部9にて大当りにするか否かの判定と、の両方を同一の大当り判定サブルーチンをコールして実行するため、ROM54に記憶されるデータ量を削減できるとともに、CPU56の処理負担を軽減できる。
図16は、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)における第1特別図柄変動処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理(ステップS303)において、CPU56は、先ず第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS440)。第2大当りフラグは、第2特別図柄通常処理(ステップS330)で第2乱数格納バッファに格納される第2大当り判定用乱数が第2大当り判定値と合致する旨の判定がなされたときにセットされ、第2可変表示部9にて今回の変動表示の結果、表示結果を大当り図柄とすることを示すフラグである。第2大当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(ステップS441)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS442)、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS443)。第1大当りフラグがセットされていれば(ステップS443)、第1大当り実行中フラグをセットし(ステップS444)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS445)。ステップS442で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ第1特別図柄プロセスフラグの値を更新しない。すなわち、再び第1特別図柄プロセス(ステップS37)が実行されると第1特別図柄通常処理(ステップS300)が再び行われる。また、ステップS444で第1大当り実行中フラグがセットされることにより第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)で第2可変表示部9における特別図柄9a〜9cの変動表示を停止させる処理が実行される。
ステップS440で第2大当りフラグがセットされていれば、中断フラグがセットされているか否か確認する(ステップS446)。中断フラグがセットされていなければ(ステップS446)、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS447)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS447)、中断フラグをセットし(ステップS448)、中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS449)。中断コマンドは、第1可変表示部8で変動表示を行っている特別図柄8a〜8cの変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、ステップS449でセットされた中断コマンドは2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(ステップS41)で表示制御基板80に送信される。すなわち、ステップS447で大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、ステップS441の処理を実行しないため特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは中断コマンドを受信すると、第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの変動表示を中断させる制御を実行する。
このように、この実施の形態では、第1可変表示部8にて特別図柄8a〜8cの変動表示を実行しているときに(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算を中断するとともに、表示制御基板80に特別図柄8a〜8cの変動表示の中断を指示するコマンドを送信することにより、第2可変表示部9に大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態(特定遊技状態)が発生してから、大当り遊技状態が終了するまでは第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの変動表示を中断させる処理を行っている。
図17は、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)における第1特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理(ステップS304)において、CPU56は、先ず第1特別図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS451)。第1特別図柄停止コマンドは、第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの変動表示を停止させる旨を指示するコマンドである。また、ステップS451でセットされた第1特別図柄停止コマンドは、2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(ステップS41)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは第1特別図柄停止コマンドを受信すると、第1可変表示部8における特別図柄8a〜8cの変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次いで、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS452)。ステップS452で第1大当りフラグがセットされていれば、すなわち、第1特別図柄通常処理(ステップS300)におけるステップS417で大当りと判定されて第1大当りフラグがセットされたときには、第1大当り開始コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS453)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS454)。また、ステップS453でセットされた第1大当り開始コマンドは、2msタイマ割込処理における特別図柄コマンド制御処理(ステップS41)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは第1大当り開始コマンドを受信すると、第1可変表示部8に大当り遊技状態を開始する旨の表示制御を行う。
また、ステップS452で第1大当りフラグがセットされていなければ、すなわち、第1特別図柄通常処理(ステップS300)におけるステップS417ではずれと判定されて第1大当りフラグがセットされていないときには、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS455)。
なお、第1大当りフラグおよび第1大当り実行中フラグは、第1大当り終了処理(ステップS307)にてリセットされ、これらのフラグがリセットされたことに基づいて中断表示を行っていた第1可変表示部8の特別図柄8a〜8cまたは第2可変表示部9の特別図柄9a〜9cの可変表示が再開される。
図18は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS37)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2可変表示部9を制御する処理が実行される。CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口16に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ67がオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口16に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS341)、第2始動口スイッチ通過処理(ステップS342)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS330〜S337のうちのいずれかの処理を行う。
なお、第2始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、RAM55の第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、判定用乱数更新処理(ステップS23)で更新される第2大当り判定用乱数を発生するためのカウンタから第2大当り判定用乱数、表示用乱数更新処理(ステップS25)で更新されるカウンタから各乱数(数値データ)の値を抽出し、それらを第2保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第2保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。
第2特別図柄通常処理(ステップS330):特別図柄9a〜9cの可変表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄9a〜9cの可変表示が開始できる状態になると、第2保留記憶バッファに記憶される第2大当り判定用乱数の記憶数(保留記憶数)を確認する。第2保留記憶バッファに記憶される第2大当り判定用乱数の記憶数は第2保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第2保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄9a〜9cの可変表示の結果、当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS331に移行するように更新する。
第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS331):可変表示後の特別図柄9a〜9cの停止図柄を決定する。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS332に移行するように更新する。なお、特別図柄9a〜9cの停止図柄は当りとなるときには「0」〜「11」の識別情報のうちいずれの組合せの特別図柄9a〜9cの停止図柄にするかを決定する。また、上述したように当りとなるときの特別図柄9a〜9cの停止図柄が奇数図柄の組合せとなるときには大当り遊技状態終了後に第2確変状態に制御され、偶数図柄の組合せとなるときには大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御される。すなわち、特別図柄9a〜9cの大当り図柄を決定することにより大当り遊技状態終了後に第2確変状態(第2特別遊技状態)と通常遊技状態とのいずれの遊技状態に制御するかを決定している。
第2変動パターン設定処理(ステップS332):特別図柄9a〜9cの可変表示の変動パターン(可変表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した第2変動パターン決定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(可変表示データ)の中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する時間(変動時間)と、を特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、特別図柄9a〜9cが可変表示を行って導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を第2特別図柄プロセスタイマにセットした後、第2特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、特別図柄9a〜9cの停止図柄を指令する情報(第2特別図柄指定コマンド)と、変動時間を含む変動態様(変動パターン)を指令する情報(第2変動パターンコマンド)と、が送信される。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS333に移行するように更新する。
第2特別図柄変動処理(ステップS333):第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS332でセットされた第2特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS334に移行するように更新する。
第2特別図柄停止処理(ステップS334):第2可変表示部9において可変表示される特別図柄9a〜9cが停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(第2特別図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、第2大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS335に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS330に移行するように更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS335):第2大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して第2特別可変入賞装置20を開状態とすることで第2大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS336に移行するように更新する。
第2大入賞口開放中処理(ステップS336):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や第2大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の第2大入賞口21の閉成条件が成立したら、第2大入賞口21内に設けられた第2V入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、且つ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS335に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS337に移行するように更新する。
第2大当り終了処理(ステップS337):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS330に移行するように更新する。また、第2大当りフラグおよび第2大当り実行中フラグをリセットする。
このように、第2可変表示部9の制御を実行する処理(第2特別図柄プロセス処理)においても、第1可変表示部8の制御を実行する処理(第1特別図柄プロセス処理)と同様な制御が実行されている。
以上、本発明を適用した例を示したが、本発明により複数の可変表示部を備えて並行して可変表示を行う遊技機(弾球遊技機1)において、第1初期値決定用乱数を生成するカウンタをカウントアップする第1初期値用乱数更新処理(ステップS18)を実行した後、タイマ割込の発生を許可する割込許可状態とし、所定期間経過後にタイマ割込の発生を禁止する割込禁止状態とした後に第2初期値決定用乱数を生成するカウンタをカウントアップする第2初期値用乱数更新処理(ステップS22)を実行するため、第1初期値決定用乱数と第2初期値決定用乱数との同期を防止することができる。