JP4986262B2 - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクセット、インクジェット記録方法及び記録物に関し、さらに詳細には、記録媒体として低吸水性の記録媒体においても定着性に優れたインクセット、インクジェット記録方法及び記録物に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や図形を紙などの記録媒体の表面に記録する方法である。インクジェット記録方法としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク液滴を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッドの吐出部分に近い一部でインク液の一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張でインク液滴を断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。そして、これらのインクジェット記録方式には主溶媒として水を用いる水性インクと、主溶媒として有機溶媒を用いる非水系インクとが一般に用いられている。
非水系インクは、水系インクと比較して溶媒の蒸発は少ないため、印刷時におけるインク粘度などの物性変化が少ない。また、水系インクは、インクジェット記録装置のノズル近傍で増粘したインクをつば吐きするフラッシングを定期的に行う必要があるのに対して、非水系インクではフラッシングを行う必要がないため、高速印刷が可能となる。さらに、非水系インクは水系インクと比較して、印刷本紙や普通紙等の吸収性の低い記録媒体に印刷した場合でも、印刷部に凹凸(コックリング)が生じにくい、という利点を有する。
このような非水系インクにおいて、近年、環境負荷の少ない植物油由来の溶剤を使用することが試みられている。例えば、特開2005−132907号公報(特許文献1)には、溶剤として植物油由来の脂肪酸エステルを使用した非水系インクが提案されている。
しかしながら、このような植物油由来の脂肪酸エステルを溶剤として用いたインクは、印刷本紙や普通紙などの吸収性の低い記録媒体に印刷したときの乾燥性が悪く、記録媒体に対する定着性については改善の余地があった。
特開2005−132907号公報
本発明者らは、金属石鹸を含む処理液と顔料を含むインク組成物とを反応させて画像を形成する、いわゆる2液型インクを用いることにより、比較的インクの吸収性が低い記録媒体、とりわけ印刷本紙に対する印刷品質が優れたインクを実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
従って、本発明の目的は、吸収性の低い記録媒体に対する定着性に優れたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法及び該インクジェット記録方法を用いた記録物を提供することにある。
本発明は、下記(1)の発明を提供することにより、前記目的を達成したものである。
(1)金属石鹸と、常温で液体である植物油由来の脂肪酸エステルと、を含む処理液と、顔料と、分散剤と、アルキド樹脂と、常温で液体である植物油由来の脂肪酸エステルと、を含む非水性インク組成物と、を備えたインクセット。
上記発明の好ましい態様は次のとおりである。
(2)前記金属石鹸が、ナフテン酸系金属石鹸、合成酸系金属石鹸、ステアリン酸系金属石鹸からなる群から選択された少なくとも1種類である、前記(1)に記載のインクセット;
(3)前記植物油由来の脂肪酸エステルが、下記式:
Figure 0004986262
(式中、R1は炭素数5〜23の直鎖または分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和のアルキル基を表し、R2は、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)で表される脂肪酸エステルである、前記(1)又は(2)に記載のインクセット;
(4)前記植物油由来の脂肪酸エステルが、カプリル酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸メチル、オレイン酸ブチル、およびオレイン酸2−エチルヘキシル、からなる群から選択される少なくとも1種を含んでなる、前記(1)〜(3)のいずれか1に記載のインクセット;
(5)前記植物油由来の脂肪酸エステルが、植物油脂をアルコールによってエステル交換した脂肪酸エステルである、前記(1)〜(4)のいずれか1に記載のインクセット;
(6)前記植物油脂が、大豆油脂、菜種油脂、ヤシ油脂、およびココナッツ油脂からなる群から選択されるものである、前記(5)に記載のインクセット;
(7)前記植物油由来の脂肪酸エステルが、インク全体に対して1〜20重量%含まれてなる、前記(1)〜(6)のいずれか1に記載のインクセット;
(8)処理液及び非水系インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、前記(1)〜(7)のいずれか1に記載のインクセットを用いる、インクジェット記録方法;
(9)前記処理液の液滴を吐出し、前記記録媒体に付着させた後、前記非水系インク組成物の液滴を吐出し、前記記録媒体に付着させて画像を形成する、前記(8)に記載のインクジェット記録方法。
[インクセット]
本発明のインクセットは、既述のとおり、金属石鹸と、植物油由来の脂肪酸エステルと、を含む処理液と、顔料と、分散剤と、樹脂と、植物油由来の脂肪酸エステルと、を含む非水性インク組成物と、を備える。
このような構成のインクセットは、吸収性の低い記録媒体を用いて印刷を行った場合でも、記録媒体に対する定着性に優れる。従って、本発明のインクセットは、普通紙や印刷本紙など、インク吸収性の乏しい紙支持体の吸収層を有する記録媒体に対しても有用である。
本実施形態において、「普通紙」とは、一般に、パルプを主原料としプリンタなどに使用される紙をいい、JIS P 0001 番号6139で定義されている。具体的には、例えば、上質紙、PPCコピー紙、非塗工印刷紙などを挙げることができる。普通紙は各社から市販されているものを利用することもでき、例えば、Xerox 4200(Xerox社製)、GeoCycle(Gerogia-Pacific)等、種々のものを利用することができる。
また、本実施形態において、「インク吸収性の乏しい紙支持体の吸収層を有する記録媒体」とは、ブリストー法において接触開始から30msec1/2以内の水吸収量が30ml/m2以下である紙支持体の吸収層を有する記録媒体をいう。また、本実施形態においては、従来から、凸版印刷、平板印刷(例えば、オフセット印刷)、又は凹版印刷(例えば、グラビア印刷)の印刷用紙として使用されている任意の塗工紙(印刷本紙ともいう)を用いることができる。この塗工紙には、普通塗工紙、キャスト塗工紙、及びつや消し塗工紙が含まれる。また、JIS P 0001 番号6122で定義されている印刷本紙、JIS P 0001 番号6059で定義されているOKトップコート紙なども含まれる。
前記処理液には、後述する非水系インク組成物を記録媒体状に吐出したときに記録媒体上でゲル化させ、記録媒体に定着させる目的で、金属石鹸が添加される。
前記金属石鹸としては、種々の有機酸金属塩を用いることができ、例えば、ナフテン酸系金属石鹸、合成酸系金属石鹸 、ステアリン酸系金属石鹸等を挙げることができる。具体的には、アマニ油脂肪酸マンガン塩、ステアリン酸アルミニウム等を挙げることができる。
前記金属石鹸の添加量は、処理液中、0.2〜5重量%であることが好ましい。
前記処理液には、環境負荷が少なく、かつインクの信頼性にも優れ、とりわけ印刷本紙に対する印刷品質が優れたインクを実現できるという理由から、植物油由来の脂肪酸エステルが添加される。
本実施形態に使用される植物油由来の脂肪酸エステルとしては、植物油脂を加水分解して得られる脂肪酸を公知の方法によりアルコールでエステル化して得られる脂肪酸エステル、及び植物油脂を適当なアルコールを用いてエステル交換(アルコリシス化)して得られる脂肪酸エステルが挙げられ、これらの脂肪酸エステルは常温で液状であれば何れも本発明において使用できる。
植物油脂を加水分解して得られる脂肪酸を公知の方法によりアルコールでエステル化して得られる脂肪酸エステルとしては、下記式:
Figure 0004986262
(式中、R1は炭素数5〜23の直鎖または分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和のアルキル基を表し、R2は、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
で表される脂肪酸エステルが好ましい。
上記の式で表される脂肪酸エステルは、具体的には、大豆油、ココナッツ油、ヤシ油、菜種油、パーム油、パーム核油、桐油、アマニ油、ごま油、コーン油、ヒマワリ油、サフラ ワー油およびこれらの硬化油などの植物油脂を、公知の方法で加水分解などによって得られる脂肪酸を、適当なアルコールによりエステル化して得ることができる。
上記の脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリン酸、カプリル酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸またはミリスチン酸のそれぞれのメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチルエステルが挙げられ、これらの中でもカプリン酸2−エチルヘキシル、カプリル酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸プロピル、オレイン酸ブチルおよびオレイン酸2−エチルヘキシル、およびそれらの混合物が好ましい。
また、植物油脂を適当なアルコールを用いてエステル交換(アルコリシス化)して得られる脂肪酸エステルとしては、前記の植物油脂を公知の方法でアルコールによりエステル交換して得られるものが挙げられ、例えば、ヤシ油脂肪酸、 パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、菜種油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ココナッツ脂肪酸などの植物油脂肪酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、2 −エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルエステルなどが挙げられる。
これらのなかでも、大豆油脂肪酸エステル、ココナッツ脂肪酸エステル、ヤシ油脂 肪酸エステル、菜種油脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種を好適に使用できる。具体的には、大豆油脂肪酸2−エチルヘキシルおよびココナッツ脂肪酸2−エ チルヘキシルなどを好適に使用することができる。
また、本実施形態においては、溶剤として、植物油由来の脂肪酸エステルに加えて、更に半乾性油および/または不乾性油からなる植物油を含んでもよい。
半乾性油としては、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ごま油、コーン油など、また、不乾性油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油などが挙げられる。これらのなかでも半乾性油の菜種油が好ましい。なお、エノ油、アマニ油、キリ油、サフラワー油などの乾性油を含むインク組成物は、経時変化を伴い、インクジェットプリンターのノズル部にインク詰まりが発生するため好ましくない。
前記処理液に使用される植物油由来の脂肪酸エステルとしては、植物油脂を加水分解して得られる脂肪酸を公知の方法によりアルコールでエステル化して得られる脂肪酸エステル、または植物油脂を適当なアルコールを用いてエステル交換(アルコリシス化)して得られる脂肪酸エステルを単独で用いてもよく、これら2種の脂肪酸エステルの混合物を用いることができる。本実施形態においては、単一化合物である、植物油脂を加水分解して得られる脂肪酸を公知の方法によりアルコールでエステル化して得られる脂肪酸エステルを使用することが、物性の安定性の観点から好ましい。
また、2種の脂肪酸エステルの混合物を用いる場合は、植物油脂を加水分解して得られる脂肪酸を公知の方法によりアルコールでエステル化して得られる脂肪酸エステル(A)と、植物油脂を適当なアルコールを用いてエステル交換(アルコリシス化)して得られる脂肪酸エステル(B)との混合比は、A/B= 0〜30/100(重量比)であることが好ましい。上記した2種の脂肪酸エステルの配合割合が上記の範囲にあることにより、ベタ印刷や細線印刷をした場合であっても滲みの発生が抑制されるとともに、高濃度の印刷物が得られる。
また、前記処理液に使用される植物油由来の脂肪酸エステルは、処理液全体に対して1〜95重量%であることが好ましい。
前記非水系インク組成物に使用される顔料としては、特に制限されるものではなく、通常の非水系インクに使用される無機または有機の顔料を使用できる。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、紺青、群青、弁柄、亜鉛華、炭酸カルシウムなどの無機顔料や、ベンジジンエロー、ハンザエロー、トルイジンレッドなどの不溶性アゾ顔料、パーマネントレッド2B、ピグメントスカーレット、リトールレッドなどの溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの フタロシアニン系、キナクリドンレッドなどのキナクリドン系、ピランスロンオレンジ、ピランスロンレッドなどのピランスロン系、キノフタロンエローなどの キノフタロン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系などの有機顔料等が挙げられる。
前記顔料の添加量は、非水系インク組成物全体に対し、0.5〜20重量%であることが好ましく、この範囲の添加量とすることにより、所望の発色濃度が得られ、インクの吐出安定性などの信頼性も良好となる。
本実施形態に使用される非水系インク組成物は、顔料をインク中で溶解または分散させるための分散剤を含む。分散剤としては、顔料を使用した非水系インクに通常使用される分散剤を使用することができる。このような分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステル の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホ ン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、 ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
これら分散剤の具体例としては、Anti−Terra−U(ポリアミノアマイドリン酸塩)、Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸 塩)、Disperbyk−101(ポリアミノアマイドリン酸塩と酸エステル)、同107(水酸基含有カルボン酸エステル)、同110(酸基を含む共重合物)、同130(ポリアマイド)、同161、同162、同163、同164、同165、同166、同170(高分子共重合物)、同400、Bykumen(高分子量 不飽和酸エステル)、BYK−P104、同P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)、P104S、同240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)、Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン):いずれもBYK Chemie社製)が挙げられる。
また、エフカ44、同46、同47、同48、同49、同54、同63、同64、同65、同66、同71、同701、同764、同766(EfkaCHEMICALS社製)、エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、同150(脂肪族系変性ポリマー)、同400、同401、同402、同403、同450、同451、同452、同453(変性ポリアクリレート)、同745(銅フタロシアニン系):いずれもEfkaCHEMICALS社製)、フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、フローレンDOPA−15B(アクリルオリゴマー)、フローレンSH−290、同SP−1000、ポリフローNo.50E、同No.300(アクリル系共重合物:いずれも共栄社化学社製)、ディスパロンKS−860、同873SN、同874(高分子分散剤)、同#2150(脂肪族多価カルボン酸)、同#7004(ポリエーテルエステル型)、DA −703−50(ポリエステル酸アマイドアミン塩:いずれも楠本化成社製)が挙げられる。
さらに、デモールRN、同N(ナフタレンスルホ ン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS.C、同SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、同EP、ホモゲノールL−18(ポリカル ボン酸型高分子)、エマルゲン920、同930、同931、同935、同950、同985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、同86(ステアリルアミンアセテート:いずれも花王社製)や、ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、同13940(ポリエステルアミン系)、同17000、同18000(脂肪酸アミン系)、同22000、同24000、同28000(いずれもアビシア社製)、ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−O(ヘキサグリ セリルテトラオレート:いずれも日光ケミカル社製)等が挙げられる。
分散剤は、顔料の添加量にもよるが、インク全体に対して0.5〜10重量%を添加することが好ましい。この範囲とすることにより、粘度変化が少なく、安定したインク組成物が得られる。
前記非水系インク組成物に使用される樹脂は、フェノール系もしくはアルコール系水酸基やカルボキシル基を含むものが好ましい。具体的には、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、アルキド樹脂、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、フマル酸樹脂等を挙げることができる。特に、アルギド樹脂であることが好ましい。
前記樹脂は、重量平均分子量が2000〜10000の範囲のものであることが好ましい。重量平均分子量が2000未満であると、色材の定着性、密着性を向上させるには充分でなく、また重量平均分子量が10000を越えると、インク吐出が不安定になる。
前記樹脂の添加量は、インク全体に対して5〜15重量%であることが好ましい。
前記非水系インク組成物に使用される植物油由来の脂肪酸エステルは、上述した処理剤に使用される植物油由来の脂肪酸エステルと同様のものを使用することができる。なお、前記非水系インク組成物に使用される植物油由来の脂肪酸エステルは、処理液全体に対して1〜90重量%であることが好ましい。脂肪酸エステルの含有量が1重量%以上であれば十分なインクの広がりを得ることができ、ベタ印刷時の被覆性が良好で充分な濃度が得られる。一方、90重量%未満であれば、過剰なインクの浸透性を防止し、インクの裏抜けや滲みを防止することができる。
本実施形態に使用される非水系インク組成物は、上記の各成分を適当な方法で分散・混合することよって製造することができる。好ましくは、顔料と分散剤と植物油由来の脂肪酸エステルとを適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製し、次いで、pH調製剤、防腐剤、防かび剤等を加えて十分溶解させてインク溶液を調製する。十分に攪拌した後、目詰まりの原因となる粗大粒径及び異物を除去するために濾過を行って目的のインク組成物を得ることができる。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、既述のとおり、処理液及び非水系インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、上述のインクセットを用いるものである。
このような構成により、印刷本紙や普通紙など、比較的吸収性の低い記録媒体に対して印刷した場合であっても、優れた定着性を得ることができる。
前記処理液と前記非水系インク組成物が記録媒体上に吐出され、両者が接触すると、前記処理剤に含まれる金属石鹸と、前記非水系インク組成物中に含まれる樹脂が反応してゲル化し、記録媒体上に定着する。
前記処理液と前記非水系インク組成の吐出順序は特に限定されないが、定着性の観点からは、前記処理液の液滴を吐出し、前記記録媒体に付着させた後、前記非水系インク組成物の液滴を吐出し、前記記録媒体に付着させて画像を形成することがより好ましい。
なお、液体処理液は記録媒体の印刷面の全域に吐出しても、画像が形成される領域(非水系インク組成物が吐出される領域)のみに吐出してもよい。
上述したインクセットは、インクジェット記録方式で記録媒体に記録するインクセットとして好適に使用できる。本実施形態においてインクジェット記録方式とは、インクジェット記録装置により、インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方式を意味する。具体的に以下に説明する。
第一の方法としては、静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
以上のいずれの方式も本実施形態のインクジェット記録方法に使用することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法によれば、上述のインクセットを用いることにより、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ、しかも記録媒体として低吸水性の記録媒体を用いた場合であっても、定着性に優れた記録物を得ることができる。
[記録物]
本実施形態の記録物は、少なくとも上述のインクセット及びインクジェット記録方法を用いて記録媒体上に記録が行われたものである。この記録物は、上述のインクセット及びインクジェット記録方法を用いることにより、従来から使用されているインクジェット記録装置に追加の設備を設けることなくそのまま使用することができ、しかも記録媒体として低吸水性の記録媒体を用いた場合であっても、定着性に優れた記録物を得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これら実施例により本発明が限定
されるものではない。
1.非水系インク組成物及び処理液の調製
(1)非水系インク組成物
下記の表1に示した組成にしたがって、全量が100重量%となるように各成分を加え、2時間攪拌した。その後、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(商品名、日本ミリポア・リミテッド製)にて濾過して非水系インク組成物を調製した。
なお、表1中、「分散剤」はポリエステル系分散剤であるソルスパース28000(アビシア社製)を意味し、「着色剤」はカーボンブラックMA−8(三菱化学社製)を意味し、「植物油由来の脂肪酸エステル」はカプリン酸2−エチルヘキシルを意味し、「樹脂」はアルギド樹脂(分子量5000)を意味する。また、表1中の数値は、全て重量%を示すものである。
Figure 0004986262
(2)処理液
下記の表2に示した組成にしたがって、全量が100重量%となるように各成分を加え、攪拌して処理液を調製した。なお、表2中、「金属石鹸」はアマニ油脂肪酸マンガン塩(シントーファイン社製)を意味し、「植物油由来の脂肪酸エステル」はカプリン酸2−エチルヘキシルを意味する。また、表2中の数値は、全て重量%を示すものである。
Figure 0004986262
2.評価試験
(1)印刷方法
上記のように調製した非水系インク組成物と処理液を適宜組み合わせてインクセットを構成した。記録メディアにインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)を使用し、100%Dutyのパッチパターンを作成した。記録メディアとしては、印刷本紙の一種であるOKトップコートN(王子製紙社製)と、普通紙の一種であるXerox P(富士ゼロックス社製)及びXerox 4024(Xerox社製)を使用した。そして、得られたパッチパターンをサンプルとして、後述する各評価試験を行った。
(2)光学濃度(OD値)の評価
グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてパッチ部分のOD値を測定した。そして、各サンプルごとの平均値を求め、算出した平均OD値につき、以下の評価基準で光学濃度値(OD値)を評価した。結果を表3に示す。
A:OD値が1.2以上
B:OD値が1.0以上0.9未満
C:OD値が0.9未満
(3)印刷品質の評価
各サンプルの画質を目視観察し、以下の評価基準で評価した。結果を表3に示す。
A:発色が良好で、色ムラが認められない
B:色ムラは若干観察されるが、実用上問題ない
C:色ムラが目立ち、実用上不可
(4)定着性(乾燥性)
印刷後、各サンプルを昼夜自然乾燥させた後、サンプルの印字部を指で擦り、印字面の状態と指に付着したインクを目視で観察した。その結果を以下の基準に基づいて評価した。結果を表3に示す。
A:印字面は変化せず、指にインクが付着しない
B:若干印字面のインクは落ちるが、指にインクが付着しない
C:印字面のインクが落ち、指にインクが付着する
Figure 0004986262

Claims (9)

  1. 金属石鹸と、常温で液体である植物油由来の脂肪酸エステルと、を含む処理液と、
    顔料と、分散剤と、アルキド樹脂と、常温で液体である植物油由来の脂肪酸エステルと、を含む非水性インク組成物と、
    を備えたインクセット。
  2. 前記金属石鹸が、ナフテン酸系金属石鹸、合成酸系金属石鹸 、ステアリン酸系金属石鹸からなる群から選択された少なくとも1種類である、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記植物油由来の脂肪酸エステルが、下記式:
    Figure 0004986262
    (式中、R1は炭素数5〜23の直鎖または分岐鎖を有する飽和もしくは不飽和のアルキル基を表し、R2は、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
    で表される脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記植物油由来の脂肪酸エステルが、カプリル酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸メチル、オレイン酸ブチル、およびオレイン酸2−エチルヘキシル、からなる群から選択される少なくとも1種を含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記植物油由来の脂肪酸エステルが、植物油脂をアルコールによってエステル交換した脂肪酸エステルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記植物油脂が、大豆油脂、菜種油脂、ヤシ油脂、およびココナッツ油脂からなる群から選択されるものである、請求項5に記載のインクセット。
  7. 前記植物油由来の脂肪酸エステルが、インク全体に対して1〜20重量%含まれてなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクセット。
  8. 処理液及び非水系インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクセットを用いる、インクジェット記録方法。
  9. 前記処理液の液滴を吐出し、前記記録媒体に付着させた後、前記非水系インク組成物の液滴を吐出し、前記記録媒体に付着させて画像を形成する、請求項8に記載のインクジェット記録方法。
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