以下、本発明に係る印刷装置用シート、印刷装置用ロール紙、及び、ロール紙ホルダについて、具体化した一実施形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るラベルプリンタの概略構成について図1乃至図7に基づき説明する。
図1乃至図3に示すように、ラベルプリンタ1は、本体筐体2と、所定幅のロールシート3Aが巻回されたロールシートホルダ3を収納するロールシートホルダ収納部4の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の上カバー5と、この上カバー5の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー6と、このトレー6の前側に配置される電源ボタン7と、前側側面部に左右移動可能に設けられてカッターユニット8(図7参照)を左右に移動させるカッターレバー9等から構成されている。また、本体筐体2の背面部には一方の側端部に電源コード10が接続されると共に、他方の側端部には不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部11(図11参照)が設けられている。
また、このロールシート3Aには、一般感熱シート(いわゆるサーマルペーパー)を有するタイプと、定着型感熱シートからなるタイプとがある。また、ロールシート3Aには、感熱シートの片面に粘着剤を介して離型紙が貼り合わされたタイプと、感熱シートが粘着剤層やその粘着剤層を介して貼り合わされる離型紙を有していないタイプ(図17参照)とがある。定着型感熱シートを有するロールシート3Aでは、定着型感熱シートの印刷面に光遮断保護シートが貼り合わされている。ロールシート3Aを構成する感熱シートには、後述するように、単に長尺状のシートであるタイプと、複数のラベルから構成されているタイプ、長尺状のシートに切り込みが入れられて複数のラベル領域を有するように構成されているタイプとがある。ロールシート3Aは巻芯3B(図4参照)に巻回されている。
一般感熱シートを有するロールシート3Aにおいては、該一般感熱シートは、巻芯3B(図4参照)に対して内側に巻回されている。従って、該一般感熱シートの片面に粘着剤を介して貼り合わされた離形紙は、巻芯3B(図4参照)に対して外側に巻回されている。また、定着型感熱シートを有するロールシート3Aにおいては、光遮断保護シートは、巻芯3B(図4参照)に対して内側に巻回されている。従って、該定着型感熱シートの片面に粘着剤を介して貼り合わされた離形紙は、巻芯3B(図4参照)に対して外側に巻回されている。
また、図2乃至図6に示すように、ラベルプリンタ1は、ロールシートホルダ収納部4の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部(図6中、左側側端縁部)に、後述のロールシートホルダ3を構成する位置決め保持部材12の外側方向に突設される断面略矩形状の取付部材13を嵌め込むことができるホルダ支持部材15が設けられている。このホルダ支持部材15には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部16が形成されている。また、このホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aが係合される係合凹部15Aが形成されている。
また、ロールシート3Aを挿入する挿入口18の後端縁部からロールシートホルダ収納部4の前側上端縁部まで略水平に延出されて、後述のロールシートホルダ3を構成するガイド部材20の先端部が載置される載置部21が設けられている。また、この載置部21の搬送方向後側の端縁角部には、ロールシート3Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の4個の第2位置決め溝部22A〜22Dが形成されている。この各第2位置決め溝部22A〜22Dは、図7に示すように、ロールシートホルダ3を構成するガイド部材20の載置部21に当接する部分の一部を上方から嵌め込むことができるように形成されている。また、このロールシートホルダ3を構成するガイド部材20の先端部は、挿入口18まで延出されている。
また、ロールシートホルダ収納部4の底面部には、ホルダ支持部材15の内側基端部から第2位置決め溝部22Aに対向する位置まで搬送方向に対して略垂直に平面視横長四角形の位置決め凹部4Aが所定深さ(本実施形態では、約1.5〜3mmの深さである。)で形成されている。この位置決め凹部4Aの搬送方向幅寸法は、ロールシートホルダ3を構成する位置決め保持部材12及びガイド部材20の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また、位置決め凹部4Aのホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端縁部から略直角内側方向に延出される後述のシート判別部60(図10参照)に対向する部分が位置決め凹部4Aよりもさらに所定深さ(本実施形態では、約1.5〜3mmの深さである。)だけ深くなるように形成された判別凹部4Bが形成されている。また、この判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成されて、ロールシート3Aの種別を判別するためのシート判別センサS1、S2、S3、S4、S5がL字状に設けられている。この各シート判別センサS1〜S5は、プランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなり、この各シート判別センサS1〜S5に対してシート判別部60の後述の各センサ孔60A(図8参照)があるかどうかを検出して、そのオン・オフ信号によりロールシートホルダ3に装着されたロールシート3Aの種類を検出するものである。尚、本実施形態の場合は、各テープ判別センサS1〜S5は、そのプランジャーが常には、判別凹部4Bの底面から突き出しており、マイクロスイッチがオフ状態になっている。そして、シート判別部60の各センサ孔60Aが、各シート判別センサS1〜S5に対向する位置に有る場合には、プランジャーが押下されずマイクロスイッチがオフ状態にあるので、オフ信号が出力され、一方、シート判別部60の各センサ孔60Aが、各テープ判別センサS1〜S5に対向する位置に無い場合には、プランジャーが押下されてマイクロスイッチがオン状態になるので、オン信号が出力される。
また、挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部(図6中、左端縁部)は、該ホルダー支持部材15に嵌め込まれる位置決め部材12の内側端面に対向する位置に形成されている。また、この挿入口18のホルダー支持部材15側の側端縁部には、案内リブ部23が立設されている。
また、ロールシートホルダ収納部4の他方の側端縁部(図5中、上方側端縁部)の搬送方向前端部には、サーマルヘッド31(図7参照)の上下動操作等を行うレバー27が設けられている。即ち、このレバー27を上方に回動させることにより、サーマルヘッド31が下方に移動されてプラテンローラ26(図7参照)から離間し、該レバー27を下方に回動させることにより、サーマルヘッド31が上方に移動されてロールシート3Aをプラテンローラ26に押圧付勢して印字可能な状態になる。また、ロールシートホルダ収納部4の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部(不図示)が設けられている。
これにより、巻芯3Bに巻回されたロールシート3Aが装着されたロールシートホルダ3は、位置決め部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込み、該位置決め部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の内側基端部に形成される係合凹部15Aに係合させると共に、ガイド部材20の先端部下面を各第2位置決め溝部22A〜22Dに嵌め込んで該ガイド部材20の下端部を位置決め凹部4A内に嵌入して当接させることによって、ロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。そして、レバー27を上方に回動させて、ロールシート3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、このロールシート3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側縁部に立設される案内リブ部23に当接させながら挿入口18内に挿入して、該レバー27を下方に回動させることにより、印刷可能となる。
ここで、図7に示すように、レバー27を下方に回動させることにより、挿入口18から挿入されたロールシート3Aは、サーマルヘッド31によってライン型のプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。そして、該プラテンローラ26を不図示のステッピングモータ等により回転駆動しつつ、該サーマルヘッド31を駆動制御することによって、ロールシート3Aを搬送しながら印字面に順次画像データを印字できる。また、トレー6上に排出されたロールシート3Aは、カットレバー9を右側方向に移動操作することによって、カッターユニット8により切断される。
次に、ロールシートホルダ3の概略構成について図8乃至図12に基づいて説明する。
図8乃至図12に示すように、巻芯3Bに巻回されたロールシート3Aが装着されるロールシートホルダ3は、ロールシート3Aの巻芯3Bの筒孔の一端側端縁部に第1筒部35が嵌挿されてロールシート3Aの一方の端面に当接されるガイド部材20と、該巻芯3Bの他端側に第2筒部37が嵌挿されてロールシート3Aの他方の端面に当接される位置決め保持部材12と、このガイド部材20の第1筒部35に嵌挿されて一端側端面の外周部に形成されるフランジ部36が該第1筒部35の外側端面に固着されると共に、他端側端部が位置決め保持部材12の第2筒部37に嵌挿されて該第2筒部37に固着される略筒状のホルダ軸部材40と、から構成されている。従って、ホルダ軸部材40の長さ寸法を変更することにより、異なる幅寸法のロールシート3Aが装着された複数種類のロールシートホルダ3を容易に製作することができる。
また、このガイド部材20は、第1筒部35の外側端面の下側外周部から下側方向に延出されて、ロールシートホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4Aに嵌入されて該位置決め凹部4Aの底面に当接される第1延出部42が形成されている。また、ガイド部材20は、ロールシート3Aの前側方向略1/4円周上の外側端面部を覆うように外側方向に延出される第2延出部43が形成されている。また、この第2延出部43の外周部からロールシート3Aの挿入口18(図6参照)近傍まで上側端縁部が前下がり状に延出される第3延出部44が形成されている。この第3延出部44の先端部の下端面は略水平に形成され、ラベルプリンタ1の載置部21上に当接して、該第3延出部44と第2延出部43の内側面によって装着されたロールシート3Aの一側端縁部を挿入口18まで案内するように構成されている。また、この第3延出部44の下端面の載置部21の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部42まで所定長さ延出される第4延出部45が形成され、該第3延出部44の下端面が載置部21上に当接された場合には、この第4延出部45の搬送方向先端部分が、装着されたロールシート3Aのシート幅に対向する各第2位置決め溝部22A〜22Dのいずれかに嵌入されるように構成されている(図7参照)。
また、ガイド部材20の第1延出部42の上端部、即ち、第1筒部35の外側端面の外周部の左右両中央部には、正面視略四角形の各切欠部47が設けられ、ホルダ軸部材40のフランジ部36の内側面に突設される各位置決め突起48が嵌入されている。また、ガイド部材20の各延出部43、44、45の内側面には、装着されたロールシート3Aの巻回長さ10m、20m、30mを表す各目盛り43A、43B、43Cが形成されている。尚、ロールシートホルダ3に巻回されるロールシート3Aの最大巻回長さは、約30mの長さである。
また、ホルダ軸部材40の位置決め保持部材12の第2筒部37内に嵌入される先端部には、該第2筒部37の内側下端部に内側半径方向に突設される位置決めリブ50が嵌入される略縦長の切欠部51が形成されている。これにより、ホルダ軸部材40の切欠部51に位置決め保持部材12の位置決めリブ部50を嵌入することによって、該ホルダ軸部材40を介して位置決め保持部材12とガイド部材20との位置決めを行うことができる。
また、第1筒部35と第2筒部37とによって、ロールシート3Aが巻回された巻芯3Bが回転可能に保持される。尚、ホルダ軸部材40は、巻芯3Bの各長さ寸法に対応して複数種類(本実施形態では、4種類である。)の長さ寸法のものが設けられている。
また、位置決め部材12により、第2筒部37の外側端面は閉塞されている。また、該第2筒部37の外周部には、フランジ部55が形成されると共に、このフランジ部55の下側外周部から下側方向に延出される延出部56が形成されている。このフランジ部55と延出部56の内側面がロールシート3A及び巻芯3Bの外側端面に当接される。また、このフランジ部55と延出部56の外側端面部の左右方向略中央部には、上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材13が突設されている。この取付部材13は、正面視下方向に幅狭になるように形成され、ラベルプリンタ1のホルダ支持部材15の下方向に幅狭な第1位置決め溝部16内に密着可能に形成されている。また、この取付部材13の突出高さ寸法は、この第1位置決め溝部16の幅寸法にほぼ等しく形成されている。
また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には、該取付部材13の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(本実施形態では、約1.5mm〜3mmである。)突出する正面視略四角形の平板状(本実施形態では、約1.5mm〜3mmの厚さ寸法である。)の案内部57が形成されている。これにより、ロールシートホルダ3を装着する場合は、取付部材13の下端部に形成される案内部57をホルダ支持部材15の外側端面に当接させつつ、取付部材13を第1位置決め溝部16に挿入することによって、該ロールシートホルダ3を容易に位置決めしつつ装着することができる。
また、位置決め部材12の延出部56の下端縁部は、ガイド部材20の下端縁部よりも所定長さ(本実施形態では、約1mm〜2.5mmである。)下側方向に突出するように延出されると共に、該下端縁部には、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形のシート判別部60が形成されている。また、上述したように、このシート判別部60には、各シート判別センサS1〜S5に対向する所定位置に各センサ孔60Aが穿設されている。尚、図8(B)では、5個のセンサ孔60Aが穿設されているが、該センサ孔60Aは装着されたロールシート3Aの種類に対応して所定位置に穿設される。
また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には延出部56に縦長四角形の貫通孔62が穿設され、該貫通孔62の上端縁部には、下側方向に先端部に外側方向に突出する突起部が形成された弾性係止片12Aが設けられている。
次に、上記のように構成されたロールシートホルダ3のラベルプリンタ1への装着について図13に基づいて説明する。
図13(A)に示すように、巻芯3Bに最大幅のロールシート3Aが巻回されたロールシートホルダ3の場合には、先ず、ロールシートホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、該ロールシートホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Aに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をロールシートホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。また、同時に、ロールシートホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるシート判定部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。これにより、ロールシートホルダ3がロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、ロールシート3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該ロールシート3Aを引きだし、このロールシート3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該ロールシート3Aの先端部がプラテンローラ26によってサーマルヘッド31に押圧され、印字可能な状態になる。
また、図13(B)に示すように、巻芯3Bに最小幅のロールシート3Aが巻回されたロールシートホルダ3の場合には、先ず、ロールシートホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、該ロールシートホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Dに嵌入させる。そして、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をロールシートホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。また、同時に、ロールシートホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるシート判定部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。これにより、ロールシートホルダ3がロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、ロールシート3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該ロールシート3Aを引きだし、このロールシート3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該ロールシート3Aの先端部がサーマルヘッド31によってプラテンローラ26に押圧され、印字可能な状態になる。
次に、本実施の形態に係るラベルプリンタ1の外観について説明する。図14は、本実施の形態に係るラベルプリンタ1にロールシートホルダ3が装着された際の外観を示した斜視図である。図14に示すように、本実施の形態に係るラベルプリンタ1の本体筐体2においては、ロールシートホルダ収納部4の上側を覆うように、透明樹脂製の上カバー5が後側上端縁部に開閉自在に取り付けられているので、ロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられたロールシートホルダ3のロールシート3Aを、透明樹脂製の上カバー5を通して見ることができる。
この点、ロールシートホルダ3のロールシート3Aには、当該ロールシートホルダ3の幅が「64mm」で長さが「30m」である旨の記述である「64mm×30m」の媒体情報101が複数印刷されており、この媒体情報101までもが、透明樹脂製の上カバー5を通して1つ以上見ることができる。この媒体情報101は、ロールシート3Aの感熱シートの片面に粘着剤を介して貼り合わされた離形紙に対して、長手方向の全域に渡って連続して印刷されている。さらに、上述したように、該感熱シートの片面に粘着剤を介して貼り合わされた離形紙は、巻芯3Bに対して外側に巻回されている。よって、ロールシートホルダ3のロールシート3Aの残量が少なくなっても、透明樹脂製の上カバー5を通して、1つ以上の媒体情報101を絶え間なく見ることができる。
さらに、ロールシートホルダ3のロールシート3Aの残量が少なくなると、ガイド部材20の第2延出部43が露出してくるので、ロールシート3Aの巻回長さ10m、20mを表す各目盛り43A、43Bを、透明樹脂製の上カバー5を通して見ることができる。
すなわち、本実施の形態のロールシートホルダ3は、ロールシート3Aが巻芯3Bに巻回されたロール状のものであるが、この点、ロールシート3Aを構成する離型紙には予め媒体情報101が記載されているため、媒体情報101が外側に出現した状態にある。
一方、本実施の形態のラベルプリンタ1は、本実施の形態のロールシートホルダ3を、本体筐体2のロールシートホルダ収納部4に装着するものであるが、このとき、本体筐体2に開閉自在に載上される上カバー5により、ロールシートホルダ3は覆われた状態にある。
もっとも、ロールシートホルダ3を覆う上カバー5は、図14に示すように、少なくとも曲面上部が透明樹脂で構成されているので、ロールシートホルダ3の外側に出現している媒体情報101を、本体筐体2に開閉自在に載上された上カバー5を通して見ることができる。従って、本実施の形態のラベルプリンタ1及びロールシートホルダ3では、ラベルプリンタ1にロールシートホルダ3が装着された状態でも、媒体情報101を外部から目視することが可能である。
また、本実施形態に係るラベルプリンタ1では、ロールシートホルダ3のフランジ部55及び延出部56の外側端面に突設される取付部材13が嵌入される第1位置決め溝部16は、ロールシートホルダ収納部4の一側側端縁部に立設されるホルダ支持部材15に形成されるため、該ロールシートホルダ収納部4の一側側端縁部を基準にロールシートホルダ3が確実に位置決めされ、複数種類のシート幅の各ロールシート3Aを正確に位置決めすることができる。
従って、図13(A)(B)に示すように、シート幅の異なるロールシート3Aを有するロールシートホルダ3がラベルプリンタ1に装着されたとしても、該ロールシートホルダ収納部4の一側側端縁部には、必ず、ロールシートホルダ3のロールシート3Aの縁端側が隣接することになる。
一方、ロールシートホルダ3のロールシート3Aでは、図14に示すように、ロールシートホルダ3の位置決め基準となるロールシートホルダ収納部4の一側側端縁部と隣接する縁端側において、媒体情報101が予め印刷されている。
よって、シート幅の異なるロールシート3Aを有するロールシートホルダ3がラベルプリンタ1に装着されても、該ロールシートホルダ収納部4の一側側端縁部には、必ず、ロールシートホルダ3のロールシート3Aの縁端側が隣接するので、当該縁端側に印刷された媒体情報101が存在することになり、これにより、シート幅が異なっても媒体情報101の存在位置が一定の領域に収まるので、媒体情報101を外部から確認することが容易である。
従って、本体筐体2に開閉自在に載上される上カバー5については、媒体情報101の存在位置が収まる一定の領域の上部を覆う部分を除けば、透明樹脂で構成しなくとも、媒体情報101を外部から確認することを確保できる。例えば、上カバー5の曲面上部の両側端縁部分を不透明樹脂で構成することにより、ロールシートホルダ3の両外側に位置する機構を覆い隠すことができるので、デザイン的にすっきりとした印象を与えることができる。
以上の点は、ロールシートホルダ3のロールシート3Aの縁端側に予め印刷され媒体情報101について言及してきたが、該媒体情報101の下部に印刷されたコード情報に関しても同様に言うことができる(図14参照)。
次に、定着型感熱シートの説明をする。本実施形態にて使用する定着型感熱シートは特開2003−1939号公報に記載の感熱記録層を1層有した感熱シートである。後述するようにこの定着型感熱シートには基材の片側の面に感熱記録層が形成されている。この感熱記録層は1層であるので単色での印刷に対応している。一般に定着型感熱シートは加熱することにより発色し、さらに光を照射することにより発色が定着する性質を有している。
次に、光遮断保護シートの説明をする。光遮断保護シートは、黒色の樹脂製シートであり、自然光及び紫外線を吸収する性質を有する。尚、自然光及び紫外線を吸収するのであれば黒色の紙でもよい。
次に、光遮断保護シートと定着型感熱シートとの接着方法について説明する。光遮断保護シートの定着型感熱シートとの対向面側には全面に微粘着の粘着剤が薄く塗布されており、粘着剤が塗布された光遮断保護シートを定着型感熱シートの上に重ね合わせた後、圧接することにより接着するようにする。これにより、接着後に定着型感熱シートから光遮断保護シートを剥がした場合、再び光遮断保護シートが定着型感熱シートに接着することはない。この技術は、よく知られており、情報を隠蔽する必要のある葉書などによく利用されているので、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、本発明の要部であるロールシート3A(印刷装置用シート及び印刷装置用ロール紙に相当)の内、定着型感熱シートを有する各種のロールシート3Aの詳細について図面を参照して説明する。
図15は、定着型感熱シート及び剥離紙を有する各種ロールシート3Aの構成を模式的に示す平面図である。図15(A)には、ロールシート3Aを構成する定着型感熱シートが単に長尺テープであるだけのノーマルタイプのロールシート300が示されている。図15(B)には、ロールシート3Aを構成する定着型感熱シートが複数のラベルで構成されている第1のダイカットタイプのロールシート301が示されている。図15(C)には、ロールシート3Aを構成する定着型感熱シートが長尺テープであってダイカットされることにより複数のラベルに分離できるように構成されている第1のダイカットタイプのロールシート302が示されている。図16は、定着型感熱シート及び剥離紙を有するロールシート3Aの構成を模式的に示す幅方向断面図である。図16(A)は定着型感熱シート及び剥離紙を有するノーマルタイプのロールシート3Aの本実施形態に係る幅方向断面図であり、図16(B)は定着型感熱シート及び剥離紙を有するノーマルタイプのロールシート3Aの別の実施形態に係る幅方向断面図であり、図16(C)は定着型感熱シート及び剥離紙を有するノーマルタイプのロールシート3Aの別の実施形態に係る幅方向断面図である。図17は、定着型感熱シートを有し剥離紙を有しないロールシート3Aの構成を模式的に示す幅方向断面図である。尚、ダイカットタイプのロールシート3Aのラベルが配置された部分における幅方向の断面は、ノーマルタイプのロールシート3Aと同じであるので、図示は省略する。
まず、ノーマルタイプのロールシート300について説明する。図15(A)及び図16(A)に示すように、ノーマルタイプのロールシート300は、長尺状の光遮断保護シート303、長尺状の定着型感熱シート309、長尺状の粘着剤306、長尺状の剥離紙307がこの順で積層されて構成されている。定着型感熱シート309には基材305の片側の面に感熱記録層304が形成されている。光遮断保護シート303は、定着型感熱シート309の印刷面側(感熱記録層304側)に接着されている。粘着剤306は、定着型感熱シートの印刷面とは反対側の面に付着し、この粘着剤306には剥離紙307が接着されている。このとき、定着型感熱シート309の幅と光遮断保護シート303の幅とは同じ長さに構成されており、粘着剤は定着型感熱シート309の印刷面の反対側においてその全面に付着されている。剥離紙307の幅は、定着型感熱シート309や光遮断保護シート303の幅よりも大きく、定着型感熱シート309や光遮断保護シート303は、剥離紙307の幅方向の中央部に配置されている。このように定着型感熱シート309の幅と剥離紙307の幅が異なっているので、定着型感熱シート309から剥離紙307を剥がしやすい。
次に、第1のダイカットタイプのロールシート301について説明する。図15(B)及び図16(A)に示すように、第1のダイカットのロールシート301は、長尺状の光遮断保護シート303、複数のラベルからなる定着型感熱シート309、複数のラベルと同形状の粘着剤306、長尺状の剥離紙307がこの順で積層されて構成されている。定着型感熱シート309には基材305の片側の面に感熱記録層304が形成されている。ノーマルタイプのロールシート300と同様、光遮断保護シート303は、定着型感熱シート309の印刷面側(感熱記録層304側)に接着されており、粘着剤306は、定着型感熱シートの印刷面とは反対側の面に付着し、この粘着剤306には剥離紙307が接着されている。
図15(B)は、定着型感熱シート309を構成するラベルは所定の間隔を開けてロールシート301の長手方向に配置されていることを示している。この図ではラベルは2つ左右に示されている。図16(A)は、ロールシート301においてラベルが配置されている部分にてロールシート301を幅方向に切断したときの断面を模式的に示している。このとき、定着型感熱シート309の幅と光遮断保護シート303の幅とは同じ長さに構成されており、粘着剤は定着型感熱シート309の印刷面の反対側においてその全面に付着されている。剥離紙307の幅は、定着型感熱シート309や光遮断保護シート303の幅よりも大きく、定着型感熱シート309や光遮断保護シート303は、剥離紙307の幅方向の中央部に配置されている。このように定着型感熱シート309の幅と剥離紙307の幅が異なっているので、定着型感熱シート309から剥離紙307を剥がしやすい。
一方、ロールシート301の定着型感熱シート309を構成するラベルが配置されていない部分においては、光遮断保護シート303と剥離紙307の層からなる。
今回、第1のダイカットタイプのロールシート301に関する説明において定着型感熱シート309を構成するラベルにおけるロールシート301の幅方向の長さは光遮断保護シート303の幅と同じ長さに構成されていた。しかしながら、定着型感熱シート309を構成するラベルの形状によっては、ロールシート301の幅方向の断面図は、例えば図16(B)のように光遮断保護シート303と定着型感熱シート309の両端同士が揃わず、光遮断保護シートに対して定着型感熱シート309が短くなることも有り得る。
次に、第2のダイカットタイプのロールシート302について説明する。図15(C)及び図16(A)に示すように、第2のダイカットのロールシート302は、長尺状の光遮断保護シート303、長尺状であってダイカットされることにより複数のラベルに分離できるように構成されている定着型感熱シート309、長尺状の定着型感熱シート309と同形状の粘着剤306、長尺状の剥離紙307がこの順で積層されて構成されている。定着型感熱シート309には基材305の片側の面に感熱記録層304が形成されている。ノーマルタイプのロールシート300と同様、光遮断保護シート303は、定着型感熱シート309の印刷面側(感熱記録層304側)に接着されており、粘着剤306は、定着型感熱シートの印刷面とは反対側の面に付着し、この粘着剤306には剥離紙307が接着されている。
図15(C)は、長尺状の定着型感熱シート309にスリット308を入れることにより形成されたラベルが所定の間隔を開けてロールシート302の長手方向に配置されていることを示している。この図ではラベルは2つ左右に示されている。このとき、定着型感熱シート309の幅と光遮断保護シート303の幅とは同じ長さに構成されており、粘着剤は定着型感熱シート309の印刷面の反対側においてその全面に付着されている。剥離紙307の幅は、定着型感熱シート309や光遮断保護シート303の幅よりも大きく、定着型感熱シート309や光遮断保護シート303は、剥離紙307の幅方向の中央部に配置されている。このように定着型感熱シート309の幅と剥離紙307の幅が異なっているので、定着型感熱シート309から剥離紙307を剥がしやすい。
次に、図17を参照して、定着型感熱シート309を有し剥離紙を有しないロールシート3Aについて説明する。このタイプのロールシート3Aは、光遮断保護シート303と基材としての定着型感熱シート309の2層からなる。光遮断保護シート303と定着型感熱シート309とは、前述の剥離紙307を有するロールシート300乃至302と同様、剥離可能であって、再接着不能に接着してある。
本実施形態の定着型感熱シート309を有するロールシート300乃至302においては、光遮断保護シート303と定着型感熱シートの幅は同じに構成されているが、図16(B)に示すように光遮断保護シート303の幅を定着型感熱シート309の幅よりも大きくしてもよい。この図では、光遮断保護シート303の幅方向の中央部に定着型感熱シート309が配置されている。また、図16(C)に示すように光遮断保護シート303の幅を定着型感熱シート309の幅よりも小さくしてもよい。この図では、定着型感熱シート309の幅方向の中央部に光遮断保護シート303が配置されている。光遮断保護シート303の幅と定着型感熱シート309の幅とを互いに異ならせることにより定着型感熱シート309から光遮断保護シート303を剥がしやすくなる。
次に、定着型感熱シート309を有するロールシート300乃至302の製造方法について説明する。
先ず、ノーマルタイプのロールシート300の製造方法について説明する。ノーマルタイプのロールシート300は、(1−1)先ず所定の幅を有する定着型感熱シート309が用意される。その一面には感熱記録層304が形成されている。(1−2)その他面側に粘着剤306が塗布され、定着型感熱シート309と同じ幅を有する剥離紙307が粘着剤306を介して接着される。これにより剥離紙付きの粘着テープの原反が作成される。(1−3)この粘着テープの原反からロールシート300の剥離紙の幅に切り出されることによって幅の狭い粘着テープが作成される。(1−4)幅の狭い粘着テープの幅方向の各端部から所定長さ離れた位置であってテープの長手方向に平行に定着型感熱シート309と粘着剤306の層だけ達するように幅の狭い粘着テープにハーフカットが施される。2つのハーフカットの間隔はロールシート300の定着型感熱シート309の幅になるように設定されている。(1−5)次に、幅の狭い粘着テープの幅方向の各端部ある定着型感熱シートは除去される。
(1−6)一方、ロールシート300の光遮断保護シートと同じ幅を有する光遮断保護シート303が用意され、その一面に弱粘着の粘着剤が塗布される。(1−7)そして、光遮断保護シートと幅の狭い粘着テープの定着型感熱シート309とが光遮断保護シートに塗布された弱粘着を介して積層される。(1−8)そして、その上から圧接され、小巻にされることによりロールシート300が製造される。
上記の方法であれば、図16(A)に示すような光遮断保護シート303の幅と定着型感熱シート309の幅が同一寸法であっても、図16(B)に示すように光遮断保護シート303の幅が定着型感熱シート309の幅よりも大きくても自由に対応できる。
しかしながら、図16(A)に示すように光遮断保護シート303の幅と定着型感熱シート309の幅が同一寸法であるなら、以下のようにしてもよい。
(2−1)上述の(1−3)によって幅の狭い粘着テープを作成した後、ロールシート300の剥離紙307と同じ幅の光遮断保護シートを用意する。(2−2)光遮断保護シートの一面に弱粘着の粘着剤を塗布し、光遮断保護シートと幅の狭い粘着テープの定着型感熱シート309とが、光遮断保護シートに塗布された弱粘着を介して積層される。(2−3)そして、その上から圧接される。(2−4)その後、ロールシート300の光遮断保護シート303の幅になるように、光遮断保護シートを積層した粘着テープの幅方向の各端部にテープ長手方向に平行にハーフカットが施される。(2−5)次に、光遮断保護シートを積層した粘着テープの幅方向の各端部ある光遮断保護シートと定着型感熱シートが除去される。(2−6)最後に光遮断保護シートを積層した粘着テープが小巻にされることによりロールシート300が製造される。
尚、上述の製造方法においては、(1−3)において、剥離紙付きの粘着テープの原反が作成された後、ロールシート300の剥離紙の幅に切り出されているが、予めロールシート300の剥離紙の幅を有する粘着テープを用意しておいてそれと剥離紙とを積層してもよい。
また、上述の製造方法においては、(1−4)において、テープの長手方向に平行に定着型感熱シート309と粘着剤306の層だけ達するように幅の狭い粘着テープにハーフカットが施されているが、予め、目的のロールシート300にて使用する幅の定着型感熱シート309及び剥離紙307を用意しておき、それらを、粘着剤306を介して積層してもよい。
次に、第1のダイカットタイプであるロールシート301の製造方法について説明する。第1のダイカットタイプであるロールシート301の製造方法は、前述のノーマルタイプのロールシート300の製造方法とほとんど同じである。(1−4)において、幅の狭い粘着テープの長手方向に平行に定着型感熱シート309と粘着剤306の層だけ達するように幅の狭い粘着テープにハーフカットが施される。第1のダイカットタイプであるロールシート302では、それに換えて、所望のラベルの形状に、定着型感熱シート309と粘着剤306の層だけ達するように幅の狭い粘着テープにハーフカットが施される。また、(1−5)においては、幅の狭い粘着テープの幅方向の各端部ある定着型感熱シートは除去される。第1のダイカットタイプであるロールシート301では、それに換えて、所望のラベル以外の定着型感熱シートが除去される。ノーマルタイプのロールシート300の製造方法とは以上の2点が異なるだけである。
尚、ラベル以外の定着型感熱シートが除去しやすいように、所望のラベルの形状を形成するハーフカット以外のハーフカットを施しても良い。例えば、ロールシート301においては、除去される部分の定着型感熱シートは粘着テープの幅方向に繋がっている。それを、幅の狭い粘着テープの幅方向に2分するように、除去されるラベル以外の定着型感熱紙の部分においてのみ、テープ長手方向にハーフカットを施すようにしてもよい。それにより、ラベル以外の部分を除去するに際し、ラベルも同時に剥がれてしまう事態を減らすことができる。
次に、第2のダイカットタイプであるロールシート302の製造方法について説明する。第2のダイカットタイプであるロールシート302の製造方法も、前述のノーマルタイプのロールシート300の製造方法とほとんど同じである。(1−4)において、幅の狭い粘着テープの長手方向に平行に定着型感熱シート309と粘着剤306の層だけ達するように幅の狭い粘着テープにハーフカットが施される。第2のダイカットタイプであるロールシート301では、それに加えて、所望のラベルの形状に、定着型感熱シート309と粘着剤306の層だけ達するように幅の狭い粘着テープにハーフカットが施される点が異なるだけである。このハーフカットによりスリット308が形成される。
次に、図17に示す定着型感熱シート309を有し剥離紙を有しないロールシート3Aの製造方法について説明する。
(3−1)先ず所定の幅を有する定着型感熱シート309が用意される。その一面には感熱記録層が形成されている。(3−2)定着型感熱シート309と同じ幅を有する光遮断保護シート303が用意され、その一面に弱粘着の粘着剤が塗布される。(3−3)そして、光遮断保護シート303と定着型感熱シート309とが光遮断保護シート303に塗布された弱粘着を介して積層される。(3−4)そして、その上から圧接される。(3−5)定着型感熱シート309と光遮断保護シート303とが積層されたシートから所望の幅に切り出される。(3−6)切り出された積層シートが小巻にされることによりロールシート3Aが製造される。
尚、第1ダイカットタイプのロールシート301及び第2ダイカットタイプのロールシート302においては、光遮断保護シートにはハーフカットは施されていないが、別の実施形態として、定着型感熱シートに形成されるラベルと同位置、同形状に光遮断保護シートに対してハーフカットを施してもよい。第1ダイカットタイプのロールシート301及び第2ダイカットタイプのロールシート302において光遮断保護シートにハーフカットを施さないのは、以下の理由による。ロールシート301またはロールシート302に印刷して複数のラベルが連続して形成された一続きの印刷物を作成し、それから複数のラベルを使用した場合、光遮断保護シートはゴミとなるが、1つのゴミで済む。しかし、光遮断保護シートにハーフカットを施すと、その分ゴミの個数が増えることになるからである。また、定着型感熱シートは光遮断保護シートに覆われているとはいえ、ぎりぎり覆われているので、定着型感熱シートの周囲において何かの事情によって光に晒されてしまう不安がある。
しかしながら、実施形態として、定着型感熱シートに形成されるラベルと同位置、同形状に光遮断保護シートに対してハーフカットを施すようにした場合、剥離紙307、粘着剤306、定着型感熱シート309及び光遮断保護シート303を積層した後、所望のラベル形状に光遮断保護シート303、定着型感熱シート309及び粘着剤306のみを一時にハーフカットすることが可能となる。さらにロールシート301においては、ラベル以外の部分に相当する光遮断保護シート303、定着型感熱シート309及び粘着剤306が除去されるだけである。以上のように、光遮断保護シートに対してハーフカットを施すようにした場合は、ハーフカットを施さない場合に比べて大幅に処理が簡略化でき、製造コストが下げられるというメリットがある。
次に、定着型感熱シートを有するロールシート3Aに対する印刷方法について説明する。以下の説明は、主に、剥離紙307を有するロールシート300乃至302の場合を中心に説明しているが、定着型感熱シート309を有し剥離紙を有しないロールシート3Aの場合においてもほとんど変わらない。
従来からある一般感熱シートを有するロールシート3Aに印刷する場合と同様、定着型感熱シートを有するロールシート3Aはロールシートホルダ3に保持されている。そのロールシートホルダ3をラベルプリンタ1のロールシートホルダ収納部4に収納する。ロールシート3Aの先端をラベルプリンタ1の挿入口18から挿入して本体に通し、反対側から少し出るようにセットし、上カバー5を閉める。そのとき、定着型感熱シートを有するロールシート3Aの光遮断保護シート303側、即ち、定着型感熱シート309の印刷面側が下を向いた状態でラベルプリンタ1の挿入口18を通り、サーマルヘッド31とは光遮断保護シート303が接触する。それにより、定着型感熱シート309の印刷面とサーマルヘッド31は、光遮断保護シート303を介して対向することになる。
その状態において、サーマルヘッド31の発熱子を選択的に発熱しながら搬送することにより感熱印刷を行い、印刷面に文字や図柄を形成する。印刷終了後、定着型感熱シートを有するロールシート3Aは、カッターユニット8によって切断された後、ラベルプリンタ1から排出される。尚、排出されたロールシート3Aの定着型感熱シート309には感熱印刷された文字や図柄が形成されているが、光遮断保護シート303に隠れてユーザは確認することができない。次にユーザは定着型感熱シート309から光遮断保護シート303を剥離する。それにより、定着型感熱シート309の印刷面に形成された文字や図柄が確認できる。また、そのまま印刷面を光に晒すことにより印刷された文字や図柄が定着する。
さらに剥離紙307を有するロールシート300乃至302においては、定着型感熱シート309から剥離紙307を剥離することにより定着型感熱シート309に付着した粘着剤306が露出する。そのためユーザは定着型感熱シート309を対象物に貼付することができる。
このように、従来からあるラベルプリンタ1を使用しながら一般感熱シートを有するロールシート3Aに対して印刷する場合とほとんど同じ要領で定着型感熱シートを有するロールシート3Aに対しても印刷ができ、使い勝手がよい。
一般感熱シートと定着型感熱シートとは、感熱記録層の成分や光遮断保護シート303の有無に違いがある。印刷に際しては、一般感熱シートと定着型感熱シートとで出来上がりの発色が同じ程度になることが好ましい。そのため、一般感熱シートを有するロールシート3Aを保持しているロールシートホルダ3と、定着型感熱シートを有するロールシート3Aを保持しているロールシートホルダ3とを、ロールシートホルダ3のシート判別部60を読み取ることにより判別する。それにより、サーマルヘッド31の発熱温度をそれぞれに最適な温度で感熱印刷する。尚、感熱印刷において一般感熱シートか定着型感熱シートかによりサーマルヘッド31の発熱温度を変化させるのではなく、同一の発熱温度になるように一般感熱シートと定着型感熱シートを構成してもよい。
定着型感熱シート309を有するロールシート3Aは、定着型感熱シート309と光遮断保護シート303とが剥離可能に接着されて構成されている。そのため、この定着型感熱シート309を有するロールシート3Aを保持したロールシートホルダ3をラベルプリンタ1に装着して加熱印刷した後、光遮断保護シート303を定着型感熱シート309から剥がして定着型感熱シート309に光を照射することにより加熱印刷して形成した像を定着させることができる。それにより、定着型感熱シート309は扱いが容易でありながら、長時間光に晒されても退色することがない。定着型感熱シート309の扱いが容易とは、例えば、ラベルプリンタ1を遮光構造にしたり、ロールシートホルダ3を遮光構造にしたり、ロールシートホルダ3の保管用のパッケージを別に設けて遮光構造にしたり、ロールシートホルダ3をラベルプリンタ1に装着する際に細心の注意を払ったりする必要が必ずしもないということである。定着型感熱シート309の扱いが容易であるので、それを保持するロールシートホルダ3の扱いも容易である。
定着型感熱シート309と光遮断保護シート303とは圧着することにより剥離可能に接着されているので、粘着剤のみによって粘着することに比べて定着型感熱シート309を有するロールシート3Aを薄く形成でき、加熱印刷するに際して加熱の有無の伝わりがよく、はっきりした像を形成できる。また、定着型感熱シート309を有するロールシート3Aは定着型感熱シート309と光遮断保護シート303とが再接着不能に構成されていることにより、不用意に互いが再接着したり他所に接着したりすることがなく、より扱いやすい。
粘着剤層306と、粘着剤層306を覆う剥離紙307とを備えているので、剥離紙307を剥がすことにより定着型感熱シート309を対象物に貼り付けることができる。
定着型感熱シート309を有するロールシート3Aはロール紙なので、従来、一般感熱シートを有するロールシート3Aに対応していたラベルプリンタ1よって、定着型感熱シート309を有するロールシート3Aにそのまま印刷できるか、温度設定を変える等の少ない設定変更だけで容易に印刷可能に構成できる。
定着型感熱シート309と光遮断保護シート303の幅を互いに異ならせることにより、定着型感熱シート309から光遮断保護シート303を容易に剥がすことができる。
定着型感熱シート309の幅を光遮断保護シート303の幅より大きくすることにより、定着型感熱シート309から光遮断保護シート303を容易に剥がすことができる。
定着型感熱シート309の幅を光遮断保護シート303の幅より小さくすることにより、定着型感熱シート309から光遮断保護シート303を容易に剥がすことができる。
定着型感熱シート309と剥離紙307の幅を互いに異ならせることにより、定着型感熱シート309から剥離紙307を容易に剥がすことができる。
剥離紙307の幅は光遮断保護シート303の幅より大きく、光遮断保護シート303の幅は定着型感熱シート309の幅より大きくすることにより、定着型感熱シート309から光遮断保護シート303と剥離紙307とを容易に剥がすことができる。その際、光遮断保護シート303の幅は定着型感熱シート309の幅より大きいので定着型感熱シート309は幅方向に対し目一杯印刷に使用可能である。また、剥離紙307の幅は光遮断保護シート303の幅より大きいので、光遮断保護シート303が不用意にめくれて定着型感熱シート309が露光し、ロールシート3Aが使用不能になる恐れが少なくなる。
定着型感熱シート309を有するロールシート3Aにおいて、定着型感熱シート309を複数のラベルにすることにより、従来、一般感熱シートが複数のラベルから構成されたロールシート3Aに対応していたラベルプリンタ1よって、定着型感熱シート309が複数のラベルからなるロールシート3Aにそのまま印刷できる。あるいは、温度設定を変える等の少ない設定変更だけで容易に印刷可能に構成できる。
定着型感熱シート309を有するロールシート3Aにおいて、定着型感熱シート309を長尺状のテープであって、予め所定の形状に切断することにより、従来、一般感熱シートが長尺状のテープであって、予め所定の形状に切断されたロールシート3Aに対応していたラベルプリンタ1よって、定着型感熱シート309が長尺状のテープであって、予め所定の形状に切断されたロールシート3Aにそのまま印刷できる。あるいは、温度設定を変える等の少ない設定変更だけで容易に印刷可能に構成できる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
本実施の形態では、ロールシートを保持するロールシートホルダを装着するプリンタであるが、ロールシートを直接装着するプリンタであってもよい。
本実施の形態では、印刷媒体はロールシートであるが、所定のサイズを有するカット紙であってもよい。そのため、ラベルプリンタである必要はなくカット紙に印刷する通常のプリンタでもよい。
本実施の形態では、ラベルプリンタは、一般感熱シートを有するロールシートと定着型感熱シートを有するロールシートの両方に対応しているが、定着型感熱シートを有するロールシートにのみ対応するように構成してもよい。