JP4984413B2 - リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法、並びに、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
さらに、安全性や原料コストの観点から、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属の一部を他の遷移金属で置換したLiNi1-xMnxO2(ここで、xは0<x<1を満たす数を表わす)、LiNi1-x-yMnxCoyO2(ここで、x、yは、それぞれ、0<x<1、0<y<1、及び、0<x+y<1を満たす数を表わす)等のLiCoO2やLiNiO2と同じ層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が注目されている。
ことを特徴とする、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法に存する(請求項1)。
本発明の別の要旨は、異なる組成を持つ二つ以上の焼成前駆体用原料が共存する焼成前駆体を、上記焼成前駆体のメジアン径の10倍以上の目開きのメッシュで篩う工程と、上記焼成前駆体を焼成する工程とを備え、得られるリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の組成が、下記式(2)で表わされる
ことを特徴とする、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法に存する(請求項2)。
本発明のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法(以下適宜、「本発明の製造方法」という)は、異なる組成を持つ二つ以上の焼成前駆体用原料が共存する焼成前駆体を、上記焼成前駆体のメジアン径の10倍以上の目開きのメッシュで篩う工程(以下適宜、「篩い工程」という)と、上記焼成前駆体を焼成する工程(以下適宜、「焼成工程」という)とを備える。
原料に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、任意のものを用いることができる。
遷移金属原料をそのまま、もしくは遷移金属を含む造粒粒子として、焼成前駆体用原料とすることができる。焼成前駆体用の組成は本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の組成に応じて任意に設定することができる。例えば、リチウム、マンガン、ニッケル、コバルトや、この他の元素(以下適宜、「置換元素」という)などのを含んだ任意の物質を用いることができる。
また、焼成前駆体用原料は、例えば、酸化物;水酸化物;ハロゲン化物;炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩等の有機酸塩など、リチウム遷移金属複合酸化物の原料として用いうることが知られているものにより適宜形成させることができる。
これらの中でも好ましくは、Mn2O3、Mn3O4、MnO2などの酸化物、Mn(OH)2等の水酸化物等が用いられる。
これらの中でも好ましくは、NiOなどの酸化物、Ni(OH)2などの水酸化物等が用いられる。
これらの中でも好ましくは、Co3O4などの酸化物、Co(OH)2などの水酸化物、オキシ水酸化コバルト、炭酸コバルト等が用いられる。
ただし、いずれの場合も、焼成前駆体中に含まれる焼成前駆体用原料は、それぞれ均一な組成の粒子として焼成に供するようにすることが望ましい。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物に含まれる元素のうちの1種のみをそれぞれ含む焼成前駆体用原料を用いて焼成前駆体を調製することも可能であるが、上記の焼成前駆体用原料の一部を2種以上、単一の複合粒子内に含有させた造粒粒子を形成し、それにより得られた造粒粒子に、造粒粒子ではない他の焼成前駆体用原料を混合したものを焼成前駆体として用いるようにすることが好ましい。
なお、以下適宜、造粒粒子の原料を「造粒用原料」という。
噴霧乾燥法による造粒では、まず、造粒用原料を混合・粉砕する。この際、造粒用原料の組成は、目的とする本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の組成に応じて適宜調節することが望ましい。したがって、ニッケル、マンガン、コバルト、置換元素などを含む造粒粒子を造粒する場合には、これらの配合比は、目的とする本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の組成に合致するように設定することが望ましい。
したがって、混合・粉砕は、湿式で行なっても良く、また、乾式で行なっても良い。
さらに、混合・粉砕に用いる装置も任意であり、例えば、ビーズミル、ボールミル等を用いることができる。
また、噴霧乾燥時の条件に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。例えば、乾燥雰囲気は通常大気であるが、窒素などの不活性雰囲気下でもよい。また、乾燥用ガスの温度も任意であるが、通常は、80〜300℃で噴霧装置に導入し、45〜250℃で装置から排出することが好ましい。
上記の造粒粒子を含め、焼成前駆体用原料の粒径に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、メジアン径を、通常0.5μm以上、好ましくは1μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは70μm以下、とすることが望ましい。この範囲の下限を下回るような小粒径粒子を得るのは難しく、上限を上回ると組成が不均一となる虞がある。
焼成前駆体は、異なる組成を持つ二つ以上の焼成前駆体用原料が共存するものであり、すなわち、少なくとも2種の焼成前駆体用原料が共存してなる混合体である。通常、上記の焼成前駆体用原料のうち、2種以上を混合して調製される。
(i)噴霧乾燥法によって得られた造粒粒子と、リチウム原料の粒子。
(ii)共沈法によって得られた造粒粒子と、リチウム原料の粒子。
(iii)1種あるいは複数種の遷移金属原料の粒子と、リチウム原料の粒子。(固相法)
さらに、造粒粒子を含め、焼成前駆体用原料の混合割合は、所望するリチウム遷移金属複合酸化物の組成に応じて任意に設定することができる。
本発明の製造方法においては、上記の焼成前駆体を、所定の目開きのメッシュで篩う篩い工程を行なう。
焼成前駆体を篩うメッシュの目開きは、上記焼成前駆体のメジアン径の、通常10倍以上、好ましくは14倍以上のものを用いる。また、メッシュの目開きの上限は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、上記焼成前駆体のメジアン径の通常100倍以下、好ましくは50倍以下である。
さらに、篩いを行なう時間にも制限はない。
得られた焼成前駆体を焼成し、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。
また、焼成雰囲気も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常は空気中で行なう。また、他の酸素含有ガス中で行うことも可能である。なお、空気中で焼成する場合には、二酸化炭素を予め除去した空気を用いるのが好ましい。
この焼成工程を行なうことにより、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。
本発明の製造方法においては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上記の篩い工程や焼成工程以外の工程を行なうようにしても良い。
例えば、焼成により得られたリチウム遷移金属複合酸化物を粉砕する粉砕工程や、得られたリチウム遷移金属複合酸化物を篩分する分級工程などを行なうようにしても良い。本発明のリチウム遷移金属複合酸化物をリチウム二次電池の正極且つ物質として用いる際には、通常は、これらの粉砕工程及び分級工程を行なってから、正極活物質として用いられる。
また、例えば、焼成前駆体のメジアン径や最大粒径を上述した範囲内に収めるため、適宜、粉砕などを行なうようにしても良い。
本発明の製造方法により、サイクル前後の低温抵抗特性変化に優れたリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の組成に制限はなく、リチウム二次電池の正極活物質として利用できる限り任意であるが、六方晶層状岩塩構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。
具体的には、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、下記の式(1)で表わされる組成を有することが好ましい。
また、式(1)において、a、b、c及びdは、0.2≦a≦0.85、0≦b≦0.8、0.1≦c≦0.4、0≦d≦0.4、及びa+b+c+d=1を満たす数を表わす。さらに、xは0.7≦x≦1.3を満たす数を表わし、δは−0.1<δ<0.1を満たす数を表わす。
さらに、式(2)において、hは、通常0より大きく、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上であり、また、通常0.6以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下の数である。
さらに、g、h及びiは、g+h+i=1を満たす数である。
g、h及びiが、上記の範囲を外れると、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池の容量が低下する虞がある。
さらに、式(3)において、fは、通常0以上、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.04以上であり、また、通常0.3以下、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.2以下の数である。
e、fが小さ過ぎると、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の化学的安定性が不十分となる虞があり、eが大き過ぎるとコストが上昇し、fが大き過ぎると本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池の容量が低下する虞がある。
さらに、式(3)において、δは、式(2)と同様の値を表わす。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の粒径に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意である。
ただし、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、超音波発振器による分散処理を行わない試料をレーザー回折法により粒度分布を測定したときのメジアン径が、通常20μm以下、好ましくは15μm以下であることが望ましい。メジアン径が上限を上回ると、そのリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として正極板を作製する際、塗布工程においてスジ引きの原因となる虞があり、また、組成が偏析する虞もある。
一方、上記メジアン径の下限は、通常1μm以上、好ましくは3μm以上である。メジアン径が上記下限を下回ると、微粉が増加して本発明のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子同士が凝集する虞がある。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム二次電池用正極(以下適宜、単に「正極」という)の正極活物質として用いられる。
以下、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池用の正極の実施
形態について説明する。ただし、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極の具体的な構成は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、以下の実施形態に限定されるものではない。
活物質層は、通常、上記構成成分を含有するスラリーを調製し、これを集電体上に塗布・乾燥することで得ることができる。
なお、上記の溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、正極活物質層の厚さにも制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10〜200μm程度である。
なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、電極材料の充填密度を上げるため、ローラープレス等により圧密されるのが好ましい。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を、正極活物質として用い、リチウム二次電池を作製することができる。
以下、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池の実施形態について説明する。ただし、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池の具体的な構成は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[4−1.正極]
正極としては、上述した、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いたリチウム二次電池用正極を用いる。
負極は、リチウム金属そのものや、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金を負極として用いることもできるが、通常は、負極活物質、バインダー及び必要に応じて導電剤を含有する負極活物質層を集電体上に形成してなる。
さらに、負極活物質層にも、本発明の効果を著しく損なわない限り、適宜、任意の添加剤を含有させてもよい。
さらに、負極活物質層の厚さにも制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10〜200μm程度である。
さらに、負極の集電体の材質にも制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属が用いられ、好ましくは銅である。
本発明のリチウム二次電池に使用できる電解質としては、電解液、高分子固体電解質、半固体状電解質等が挙げられる。
電解液としては、好ましくは非水系電解液が挙げられる。非水系電解液としては、各種の電解塩を非水系溶媒に溶解したものを挙げることができる。なお、電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、上記電解液を、高分子によって非流動化して半固体状電解質を用いることもできる。
本発明にかかるリチウム二次電池においては、正極と負極との間に、上記のような様々な材料によって電解質層を設けることができる。
正極と負極との間には、通常、セパレーターが設けられる。
セパレータとしては、例えば、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、その材質としては、ナイロン、ポリエステル、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンや、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン系高分子を挙げることができる。
セパレータの化学的及び電気化学安定性は重要な因子であり、この点から材質としては、ポリオレフィン系高分子が好ましく、特に、電池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点からポリエチレン製であることが好ましい。
本発明の製造方法で製造されたリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いて正極を作製し、その正極を用いてリチウム二次電池を構成すれば、従来のリチウム二次電池と比較して、サイクル前後の低温抵抗特性変化に優れたリチウム二次電池を得ることができる。また、リチウム遷移金属複合酸化物を分級した際の分級収率を高くすることができる。
なお、以下の実施例で登場する1Cとは、電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表わす。
焼成後のリチウム遷移金属複合酸化物を以下の手法にて、分級を行ない、篩下回収率にて分級し易さの指標とした。分級には振動篩装置(レッチェ社製AS200型)を使用し、振動の強さを一定に保って実施した。この篩下回収率が多い方がより分級効率が高く、工業的に有利であることになる。
分級条件 : 焼成品投入量 5g
使用篩目開き 45μm
振動印加時間 1分
(アルミナ製12mmタッピングボール20個使用)
1.レート評価
1−1.電池作製
実施例及び比較例で得られたリチウム遷移金属複合酸化物(正極活物質)75重量部、アセチレンブラック20重量部及びポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量部を乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを9mmφに打ち抜いた。これをアルミニウムのエキスパンドメタルに圧着して正極とした。
さらに、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの重量比3:7の混合溶媒に、六弗化燐酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルとなるように溶解させ、電解液を調製した。
以上のようにして作製した電池について、測定条件として3.0V〜4.2Vの電圧範囲で充放電を実施した。
充電時0.2mA/cm2、放電時11mA/cm2の電流密度で充放電試験を実施し、その際の正極活物質単位重量当たりの初期放電容量(mAh/g)を測定してレート評価とした。
2−1.電池作製
実施例及び比較例で得られたリチウム遷移金属複合酸化物(正極活物質)75重量部、アセチレンブラック20重量部及びポリテトラフルオロエチレンパウダー5重量部を乳鉢で十分混合し、薄くシート状にしたものを12mmφに打ち抜いた。これをAlのエキスパンドメタルに圧着して正極とした。
後述する「2−3.サイクル負荷試験」の前後に、以下に説明する低温抵抗の評価を行なった。
作製したコイン型電池を、1/3Cの定電流で4.1Vになるまで充電した後、下限電圧3.0Vとして1/3Cの定電流充放電を行ない、充電深度40%に調整した。このコイン型電池を−30℃の低温雰囲気に1時間保持した後、1/4Cで10秒間放電を行なった。放電時の電流値(I)、放電直前のOCV1(Open Circuit Voltage)及び放電後のOCV2を測定した。OCV1とOCV2との差をΔVとし、次式より抵抗(R)を算出した。
まず、作製したコイン型電池に対して、25℃で定電流0.2C、充電上限電圧4.1V、放電下限電源3.0Vで充放電を2サイクル行なった。次に、60℃で、定電流1C、充電上限電圧4.1V、放電下限電圧3.0Vで充放電を100サイクル繰り返した。
上記コイン型電池に対し、「2−3.サイクル負荷試験」の前の放電容量Qh(1)と、「2−3.サイクル負荷試験」の後の放電容量Qh(100)とを測定し、次式によりサイクル維持率P[%]を求めた。
LiOH・H2O、NiO、Co(OH)2、及びMn3O4をLi:Ni:Co:Mn=0.05:0.33:0.33:0.33のモル比になるように混合し、これに水を加えて固形分濃度20重量%のスラリーを調製した。このスラリーを攪拌しながら、循環式媒体攪拌型湿式粉砕機を用いて、スラリー中の固形分の平均粒径が0.2μm以下になるまで粉砕した。このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、メジアン径約7μmのほぼ球状の造粒粒子(焼成前駆体用原料)を得た。また、噴霧乾燥時の乾燥ガスとしては空気を用い、乾燥ガス入口温度は140℃とした。
焼成前駆体を網目(目開き)106μmの篩を用いて篩分して焼成を行なった以外は、実施例1と同様の手法にて、リチウム二次電池用正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
焼成前駆体を篩分せずに焼成を行なった以外は、実施例1と同様の手法にて、リチウム二次電池用正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
焼成前駆体を網目(目開き)45μmの篩を用いて篩分して焼成を行なった以外は、実施例1と同様の手法にて、リチウム二次電池用正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
さらに、サイクル負荷試験についても、実施例1、実施例2及び比較例1に対して比較例2のみ維持率が低い。
また、比較例2のように小さい目開き篩で分級を実施した場合には、組成ズレ、分級後の再凝集の影響で、分級収率が低下し、さらにはレート評価、低温抵抗、サイクル維持率、等の電池特性に劣ることが判る。
したがって、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法により、従来よりも優れた電池特性を有するリチウム二次電池用正極活物質を得られることが確認された。
Claims (7)
- 異なる組成を持つ二つ以上の焼成前駆体用原料が共存する焼成前駆体を、上記焼成前駆体のメジアン径の10倍以上の目開きのメッシュで篩う工程と、
上記焼成前駆体を焼成する工程とを備え、
得られるリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の組成が、下記式(1)で表わされる
ことを特徴とする、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。 - 上記焼成前駆体のメジアン径が1μm以上50μm以下である
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。 - 上記焼成前駆体用原料が、遷移金属を含む造粒粒子と、リチウム原料の粒子とを含む
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物の製造方法で得られる
ことを特徴とする、リチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物。 - リチウム二次電池に用いられる正極であって、
請求項5に記載のリチウム二次電池用リチウム遷移金属複合酸化物を含有する
ことを特徴とする、リチウム二次電池用正極。 - リチウムを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに、電解質を備えたリチウム二次電池であって、
該正極が、請求項6に記載のリチウム二次電池用正極である
ことを特徴とする、リチウム二次電池。
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