JP4984297B2 - 地中アンカーの掘削工具および地中アンカーの撤去方法 - Google Patents
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Description
この地中アンカーは、地中に埋設される支持棒(アンカー本体)の下端先端部にドリルを有するとともに、その上部外周部に間歇的に螺旋状掘削刃が形成されたもので、その上端部には、鍔部を介して支線連結用のアイボルトと称される支線連結金具を一体的に設けた、スクリュー形の地中アンカーがある。
なお、前記鍔部は、螺旋状掘削刃の回転によって排出される排出土を抑え、無排出工法の効果をより高めるためのものである。
この地中アンカー用施工工具は、全体形状が棒状体を呈し、その棒状体の一端側に前記地中アンカー本体を、その螺旋状掘削刃の設けられている先端側と反対側に設けられている角柱部に着脱自在に嵌合する嵌合部が設けられている。
また、前記棒状体の他端側に回転機械への装着部が設けられるとともに、棒状体の内部には、前記地中アンカー本体の角柱部の端部に設けられている支線棒を収納できる空間が形成され、その空間に収納された支線棒の先端部に設けられているリングを、その棒状体に連結する連結機構が設けられたものである。
その際、脱落防止のために、オーガに先端に設けられている貫通孔及び装着部に設けられている貫通孔にボルトを挿入しナットで固定される。
ついで、棒状体の空間に地中アンカー本体の支線棒を挿入し、角穴に地中アンカー本体の角柱部を嵌合し、棒状体に設けられている貫通孔にボルトを挿入するとともに、そのボルトにナットを螺合し、支線棒と棒状体とを連結する。
しかるのち、前記オーガを、押圧状態を保ちながら回転させ、螺旋状掘削刃及び補助螺旋状掘削刃によって地面を掘削し、地中アンカー本体を地中に埋設する。
その後、支線棒には、ワイヤが取付けられて電柱等が支持される。
したがって、今までのように、地中アンカー本体を地中に放置する必要がなくなるとともに、その引抜いた地中アンカー本体を再使用することができる、というものである。
しかしながら、引抜ける場合には、施工途中のものに限定されるもので、完全に埋設されている地中アンカーを対象とするものではない。
事実、完全に埋設された地中アンカーを引抜く手段については、なんら開示も示唆もされていない。
したがって、埋設された地中アンカーを引抜く場合には、従前と同様に機械を使用して地中を掘り起こして除去する以外に手段がないものである。
特に、この発明は、地盤に埋め込まれているスクリュー形の地中アンカーに設けられている支線杆を利用して、この支線杆の周囲の固化した土壌を破砕して、埋設された地中アンカーを撤去せんとするものである。
軸部に沿って上下に貫通する挿通孔を有し、上部を角型の頭部とし、下部を円柱状の胴部とした工具主体を形成し、
前記工具主体の胴部外周部に、除去せんとするスクリュー形の地中アンカーの、螺旋状の掘削刃の回転直径より大きな回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を一体的に付設したこと
を特徴とする地中アンカーの掘削工具である。
軸部に沿って上下に貫通する挿通孔を有し、上部を角型の頭部とし、下部を円柱状の胴部とした工具主体を形成し、
前記工具主体の胴部外周部に、撤去せんとするスクリュー形の地中アンカーの、螺旋状の掘削刃の回転直径と同等以上の回転直径を有する螺旋状の掘削刃を一体的に付設し、
前記螺旋状に付設された上方の掘削刃と下方の掘削刃の外周縁部下面に、それぞれ土切り刃を、前記掘削刃の外周縁部から突出させるようにして相対配置させたこと
を特徴とする地中アンカーの掘削工具である。
請求項1又は2に記載の地中アンカーの掘削工具において、
前記スクリュー形の地中アンカーは、
上面中心部に係合孔を開口させた角型の頭部の下部に、円柱状の胴部を一体的に連設するとともに、前記胴部の先端部をドリル部とし、このドリル部と前記頭部下部との胴部外周部に螺旋状の掘削刃を一体的に付設し、前記頭部の係合孔は、上端部に支線連結金具が着脱自在に装着される支線杆の係合に用いられるものであること
を特徴とするものである。
請求項2に記載の地中アンカーの掘削工具において、
前記土切り刃は、
上縁部が前記掘削刃の外周部下面に一体的に固着されている、断面山型の取付金具の開口部に装着される板状体からなるもので、この土切り刃と前記取付金具とは、帯状の補強板によって連結されていること
を特徴とするものである。
地中に埋設され、地中アンカーとして用いられていたスクリュー形の地中アンカーを撤去する方法であって、
前記地中アンカーの螺旋状の掘削刃より大きな回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を有するとともに、中心部に上下に貫通する挿通孔を有する掘削工具を用い、
この掘削工具の挿通孔に、前記地中アンカーの支線杆を貫通させ、前記支線杆をガイドとして回転下降させながら、前記支線杆周囲の固化した土壌を破砕したのち、地中アンカーを引抜くこと
を特徴とした地中アンカーの撤去方法である。
地中に埋設され、地中アンカーとして用いられていたスクリュー形の地中アンカーを撤去する方法であって、
前記地中アンカーの螺旋状の掘削刃より大きな回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を有するとともに、中心部に上下に貫通する挿通孔を有する掘削工具を用い、
この掘削工具の挿通孔に、前記地中アンカーの支線杆を貫通させ、前記支線杆をガイドとして回転下降させながら、
前記螺旋状に付設された上方の掘削刃と下方の掘削刃の外周縁部下面に、それぞれ前記掘削刃の外周縁部から突出させるようにして相対配置された土切り刃によって、前記支線杆周囲の固化した土壌を破砕したのち、地中アンカーを引抜くこと
を特徴とした地中アンカーの撤去方法である。
請求項5又は6に記載の地中アンカーの撤去方法において、
前記掘削工具は、
軸部に沿って上下に貫通する挿通孔を有し、上部を角型の頭部とし、下部を円柱状の胴部とした工具主体を形成し、
前記工具主体の胴部外周部に、撤去せんとするスクリュー形の地中アンカーの、螺旋状の掘削刃の回転直径と同等以上の回転直径を有する螺旋状の掘削刃が一体的に付設されたものであること
を特徴とするものである。
請求項5〜7のいずれかに記載の地中アンカーの撤去方法において、
前記掘削工具は、
前記角型の頭部に係合させたガイドパイプの回転と同時に回転するものであること
を特徴とするものである。
請求項5〜8のいずれかに記載の地中アンカーの撤去方法において、
前記掘削工具は、
先端部が前記地中アンカーに到達した時点で回転を停止させ、支線杆の上端部を上方に引抜くことによって、地中アンカーと一緒に地中から撤去されること
を特徴とするものである。
地中に埋設され、地中アンカーとして用いられていたスクリュー形の地中アンカーを撤去する方法であって、
前記地中アンカーの螺旋状の掘削刃と同等以上の回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を有する掘削工具を用い、
地表面に顕出する前記地中アンカーの支線杆の上端部から支線連結部材を取外し、
前記支線杆の上端部を、掘削工具に上下方向に貫通させて形成した挿通孔に係合させるとともに、掘削工具の頭部にガイドパイプの先端部を係合させ、
前記ガイドパイプを回転させ、前記支線杆をガイドとして前記掘削工具を回転下降させながら、掘削工具に設けられた螺旋状の掘削刃に付設された土切り板によって、前記支線杆周囲の固化した土壌を破砕したのち、
前記ガイドパイプと掘削工具を一緒に引抜き、ついで前記地中アンカーを引抜くか、前記ガイドパイプを引抜いたのち、前記地中アンカーを掘削工具と一緒に引抜くこと
を特徴とする地中アンカーの撤去方法である。
したがって、前記挿通孔に埋設されているスクリュー形の地中アンカーの支線杆を挿通させ、工具主体を前記支線杆に沿って回転させながら下降させれば、螺旋状に設けられた掘削刃と土切り刃とで、前記地中アンカーの支線杆周囲の固化した土壌を容易に破砕することができる。
なものである。
さらに、支線杆が多少曲がっていても、支線杆の径と掘削工具の挿入孔の径にはガタがあるので、回転機械の押圧力によって、柔軟に押し下げ対応することができる。
なお、この発明の地中アンカーの掘削工具と、この掘削工具を使用した地中アンカーの撤去方法とは、以下に述べる実施例にのみ限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内において種々改良を加えることができるものである。
図4は、従来のスクリュー形の地中アンカーの一例を示す説明図、図5は同平面図、図6は、この発明の地中アンカーの撤去方法を示す説明図、図7は使用状態の一例を示すための要部の説明図、図8は他の撤去方法を示す要部の説明図である。
したがって、前記挿通孔3に、引抜こうとするスクリュー形の地中アンカーの支線杆を貫通させ、掘削刃4で支線杆周囲の土壌を掘削すると、引抜こうとするスクリュー形の地中アンカーの撤去に必要最小限の掘削穴を形成することができる。
なお、両者の係着を一層確実なものにするため、図3で明らかなように、前記土切り刃5の裏面中央部と取付金具6の開口部内、具体的には、頂部の内側とを帯状の補強板7で連結している。
また、図示の土切り刃5は、実施例においては、幅約60mm×長さ約100mm×厚さ約9mmのものである。
図示されている実施例では、螺旋状の掘削刃4の回転直径は210mm、前記相対配置された土切り刃5,5間の距離は約220mmである。
なお、螺旋状の掘削刃4の回転直径を、埋設されているスクリュー形の地中アンカーにおける螺旋状の掘削刃11dの回転直径よりも大きくしている場合には、土切り刃5は必ずしも必要としなくてもよい。
この図4における実施例では、掘削刃12の回転直径は、実施例では約200mm、支線杆12の長さは約1300mmのものである。
また、前記公知のスクリュー形の地中アンカー10は、支線杆12を具備するタイプのものであれば、この発明にかかる掘削工具を使用できるので、具体的な構成は図示のものに限定されるものではない。
なお、図6において、符号14は、図示しないロータリマシン(回転機械)によって回転する、所要長さのガイドパイプである。
このガイドパイプ14の先端部には、この発明の掘削工具1の頭部2aを受入れることのできる係合部14aが、一体的に設けられたものである。
なお、このガイドパイプ14は、必要に応じて、他のガイドパイプ(図示せず)を継ぎ足すことができるのである。
前記ガイドパイプ14の先端部に形成される凹状の係合部14aは、その内周面が掘削工具1の頭部2aの外形と一致する形状に形成されているので、両者は密着係合し、ガイドパイプ14の回転がそのまま掘削工具1に伝えられる。
その際、図7に示すように、支線杆12が多少曲がっていても、支線杆12の径と掘削工具1の挿入孔3の径にはガタがあるので、回転機械の押圧力によって、柔軟に押し下げ対応することができる。
その際、図示のように、掘削工具1とガイドパイプ14とがピンPで連結されている場合には、図(f)に示されるように、ガイドパイプ14の引抜きと同時に掘削工具1も一緒に支線杆12に沿って上昇して、ガイドパイプ14と同時に地中アンカー10との係合が解消される。
2 工具主体
2a 工具主体の頭部
2c 工具主体の胴部
3 挿通孔
4 掘削刃
4a 上方の掘削刃
4b 下方の掘削刃
5 土切り刃
6 取付金具
7 補強板
10 スクリュー形の地中アンカー
11 掘削主体
11a 掘削主体の頭部
11b 掘削主体の胴部
11c ドリル部
11d 螺旋状の掘削刃
12 支線杆
13 支線連結金具
14 ガイドパイプ
Claims (10)
- 軸部に沿って上下に貫通する挿通孔を有し、上部を角型の頭部とし、下部を円柱状の胴部とした工具主体を形成し、
前記工具主体の胴部外周部に、撤去せんとするスクリュー形の地中アンカーの、螺旋状の掘削刃の回転直径より大きな回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を一体的に付設したこと
を特徴とする地中アンカーの掘削工具。 - 軸部に沿って上下に貫通する挿通孔を有し、上部を角型の頭部とし、下部を円柱状の胴部とした工具主体を形成し、
前記工具主体の胴部外周部に、撤去せんとするスクリュー形の地中アンカーの、螺旋状の掘削刃の回転直径と同等以上の回転直径を有する螺旋状の掘削刃を一体的に付設し、
前記螺旋状に付設された上方の掘削刃と下方の掘削刃の外周縁部下面に、それぞれ土切り刃を、前記掘削刃の外周縁部から突出させるようにして相対配置させたこと
を特徴とする地中アンカーの掘削工具。 - 前記スクリュー形の地中アンカーは、
上面中心部に係合孔を開口させた角型の頭部の下部に、円柱状の胴部を一体的に連設するとともに、前記胴部の先端部をドリル部とし、このドリル部と前記頭部下部との胴部外周部に螺旋状の掘削刃を一体的に付設し、前記頭部の係合孔は、上端部に支線連結金具が着脱自在に装着される支線杆の係合に用いられるものであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の地中アンカーの掘削工具。 - 前記土切り刃は、
上縁部が前記掘削刃の外周部下面に一体的に固着されている、断面山型の取付金具の開口部に装着される板状体からなるもので、この土切り刃と前記取付金具とは、帯状の補強板によって連結されていること
を特徴とする請求項2に記載の地中アンカーの掘削工具。 - 地中に埋設され、地中アンカーとして用いられていたスクリュー形の地中アンカーを撤去する方法であって、
前記地中アンカーの螺旋状の掘削刃より大きな回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を有するとともに、中心部に上下に貫通する挿通孔を有する掘削工具を用い、
この掘削工具の挿通孔に、前記地中アンカーの支線杆を貫通させ、前記支線杆をガイドとして回転下降させながら、前記支線杆周囲の固化した土壌を破砕したのち、地中アンカーを引抜くこと
を特徴とした地中アンカーの撤去方法。 - 地中に埋設され、地中アンカーとして用いられていたスクリュー形の地中アンカーを撤去する方法であって、
前記地中アンカーの螺旋状の掘削刃より大きな回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を有するとともに、中心部に上下に貫通する挿通孔を有する掘削工具を用い、
この掘削工具の挿通孔に、前記地中アンカーの支線杆を貫通させ、前記支線杆をガイドとして回転下降させながら、
前記螺旋状に付設された上方の掘削刃と下方の掘削刃の外周縁部下面に、それぞれ前記掘削刃の外周縁部から突出させるようにして相対配置された土切り刃によって、前記支線杆周囲の固化した土壌を破砕したのち、地中アンカーを引抜くこと
を特徴とした地中アンカーの撤去方法。 - 前記掘削工具は、
軸部に沿って上下に貫通する挿通孔を有し、上部を角型の頭部とし、下部を円柱状の胴部とした工具主体を形成し、
前記工具主体の胴部外周部に、撤去せんとするスクリュー形の地中アンカーの、螺旋状の掘削刃の回転直径と同等以上の回転直径を有する螺旋状の掘削刃が一体的に付設されたものであること
を特徴とする請求項5又は6に記載の地中アンカーの撤去方法。 - 前記掘削工具は、
前記角型の頭部に係合させたガイドパイプの回転と同時に回転するものであること
を特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の地中アンカーの撤去方法。 - 前記掘削工具は、
先端部が前記地中アンカーに到達した時点で回転を停止させ、支線杆の上端部を上方に引抜くことによって、地中アンカーと一緒に地中から撤去されること
を特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の地中アンカーの撤去方法。 - 地中に埋設され、地中アンカーとして用いられていたスクリュー形の地中アンカーを撤去する方法であって、
前記地中アンカーの螺旋状の掘削刃と同等以上の回転直径を有する、螺旋状の掘削刃を有する掘削工具を用い、
地表面に顕出する、前記地中アンカーの支線杆の上端部から支線連結部材を取外し、
前記支線杆の上端部を、掘削工具に上下方向に貫通させて形成した挿通孔に係合させるとともに、掘削工具の頭部にガイドパイプの先端部を係合させ、
前記ガイドパイプを回転させ、前記支線杆をガイドとして前記掘削工具を回転下降させながら、掘削工具に設けられた螺旋状の掘削刃に付設された土切り板によって、前記支線杆周囲の固化した土壌を破砕したのち、
前記ガイドパイプと掘削工具を一緒に引抜き、ついで前記地中アンカーを引抜くか、前記ガイドパイプを引抜いたのち、前記地中アンカーを掘削工具と一緒に引抜くこと
を特徴とする地中アンカーの撤去方法。
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JP2008003448A JP4984297B2 (ja) | 2008-01-10 | 2008-01-10 | 地中アンカーの掘削工具および地中アンカーの撤去方法 |
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JP2009167593A JP2009167593A (ja) | 2009-07-30 |
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