JP4984234B2 - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4984234B2
JP4984234B2 JP2007090993A JP2007090993A JP4984234B2 JP 4984234 B2 JP4984234 B2 JP 4984234B2 JP 2007090993 A JP2007090993 A JP 2007090993A JP 2007090993 A JP2007090993 A JP 2007090993A JP 4984234 B2 JP4984234 B2 JP 4984234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cold cathode
ray generator
anode
ray
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007090993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008251341A (ja
Inventor
秀俊 斎藤
茂夫 大塩
純一 西野
智史 大木
吉明 大河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagaoka University of Technology
Original Assignee
Nagaoka University of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagaoka University of Technology filed Critical Nagaoka University of Technology
Priority to JP2007090993A priority Critical patent/JP4984234B2/ja
Publication of JP2008251341A publication Critical patent/JP2008251341A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4984234B2 publication Critical patent/JP4984234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、密閉可能な真空ハウジング内に冷陰極と陽極を間隔を空けて対向配置したX線発生装置に関する。
X線を発生させる装置としては、従来タングステンフィラメント等の熱陰極を使用し、熱陰極から放出された熱電子によりターゲット(陽極)からX線を放射させる装置が、広く用いられている。しかしながら、熱陰極を使用したX線発生装置では、高出力の加熱源が必要となり、また陰極が非常に高温になるために周辺の熱対策設計が必要となるので、装置が大型化し高価なものとなる等の問題点があった。
このような問題点を解決するために、熱陰極に代えてカーボンナノチューブ等の材料により構成された冷陰極を用いたX線発生装置が種々提案されているが(例えば、特許文献1〜3参照)、必要な線量のX線を安定して出力することが困難であるといった欠点があった。
特開2007−66694号公報 特開2005−26227号公報 特開2001−250496号公報
したがって、本発明はこれら従来技術の問題点を解消して、小さな電界で大きな出力のX線を安定した状態で発生することができる、安価で性能の良いX線発生装置を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料を用いてX線発生装置の冷陰極を構成することにより上記課題が解決されることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はつぎの1〜8の構成を採用するものである。
1.密閉可能な真空ハウジング内に、炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料により構成された冷陰極と、陽極を間隔を空けて対向配置したことを特徴とするX線発生装置。
2.各平面状に構成した冷陰極と陽極を、スペーサーを介して対向配置したことを特徴とする1に記載のX線発生装置。
3.冷陰極と陽極の間にメッシュ状の引出し電極を配置したことを特徴とする1または2に記載のX線発生装置。
4.管状のハウジングの中心部に線状の冷陰極をハウジングの長手方向に平行に配置し、ハウジングの内壁面に陽極を、そして冷陰極と陽極との間に引出し電極を配置したことを特徴とする1に記載のX線発生装置。
5.ハウジングの一部にX線透過性材料からなる窓を設けたことを特徴とする1〜4のいずれかに記載のX線発生装置。
6.X線透過性材料からなる窓をハウジングの陽極側に設けたことを特徴とする5に記載のX線発生装置。
7.X線透過性材料からなる窓をハウジングの冷陰極側に設けたことを特徴とする5に記載のX線発生装置。
8.酸化亜鉛系ウィスカーがアルミニウム添加酸化亜鉛ウィスカーであることを特徴とする1〜7のいずれかに記載のX線発生装置。
本発明によれば、小さな電界で大きな出力のX線を安定した状態で発生することができる、小型化可能なX線発生装置を低コストで得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明のX線発生装置の1例を示す模式図である。
このX線発生装置1−1は、ベリリウム等のX線透過材料からなる窓3を設けた密閉可能な真空ハウジング2内に、導電性繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛ウィスカーを成長させた電極材料101により構成された冷陰極4と、陽極5をスペーサー6、6を介して間隔を空けて対向配置したものである。
陽極5は、タングステン、銅等の金属材料により構成されたターゲット極で、冷陰極4から放出された電子を衝突させてX線を発生させるものである。冷陰極4と陽極5は、導線7により電極間に電圧を印加する高電圧電源8に接続されている。
この装置1−1は、高真空状態で稼動させるものであり(ハウジングの真空度は、1〜1×10−7Pa程度、特に1×10−2〜1×10−5Pa程度とすることが好ましい。)、ハウジング2は金属、ガラス等の密封可能な耐圧性材料によって、円筒形、直方体等任意の形状に構成される。冷陰極4と陽極5はそれぞれ平面状に構成され、必要に応じて石英等の材料等からなるスペーサー6、6を介して10μm〜10mm程度の間隔を空けて対向配置されている。
この装置1−1を1×10−2〜1×10−5Pa程度の真空状態にして、冷陰極4と陽極5間に電極8により電圧を印加すると、冷陰極4のウィスカーの先端部に強電界が生じ、電界放射によって陽極5に向って電子が放出される。そして、この電子が衝突することによって陽極5から発生したX線は、図1の矢印で示したように、ベリリウム等のX線透過材料からなる窓3からハウジング2の外部に向けて放射される。
図2は、本発明のX線発生装置において、冷陰極4を構成する電極材料を示す模式図である。
この電極材料101は、炭素繊維102の円周面において、放射状に酸化亜鉛系ウィスカー103を成長させたものである。この電極材料101では、ウイスカー103の先端部104における数密度が、根元部105における数密度に比較して大幅に減少したものとなる。したがって、この電極材料101を冷陰極4とし、これに対向する陽極5を設けた本発明のX線発生装置では、ウイスカー103の先端部104に集中する電界が大幅に増加するので、陽極5からX線を効率よく発生させることができる。
これに対して、図3にみられるように、基板112の表面に垂直方向にウイスカー113を成長させた電極材料111では、ウイスカー113の先端部114における数密度は、根元部115における数密度と基本的に同じものとなる。したがって、ウイスカー113の先端部114における隣接するウイスカーとの間隔を十分に空けることができない。その結果、このような電極材料111を冷陰極とし、これに対向する陽極を設けてX線発生装置を構成した場合には、陽極が冷陰極から比較的遠い場合には、ウイスカー113の先端部114の集合があたかも平面に見えてしまうために、ウイスカー113の先端部114における電界集中が弱いものとなり、X線の発生量も少なくなる。
本発明において、炭素繊維102上に成長させる酸化亜鉛系ウィスカー103としては特に制限はなく、従来公知の酸化亜鉛系ウィスカーはいずれも使用することができる。好ましい酸化亜鉛系ウィスカーとしては、酸化亜鉛にアルミニウム、ホウ素、ガリウム、インジウム等の異種元素を添加したものが挙げられ、特にアルミニウムを添加した酸化亜鉛ウイスカーを使用することが好ましい。アルミニウム等の異種元素の添加量は、亜鉛原子に対して0.1〜2.0原子%程度とすることが好ましい。
本発明で冷陰極を構成する電極材料に使用する導電性繊維としては特に制限はなく、表面に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させることが可能な炭素繊維、或いは銅、金、銀、白金、アルミニウム等の金属繊維等を使用することができる。好ましい導電性繊維としては炭素繊維が挙げられ、市販の炭素繊維を用いることができる。
炭素繊維等の導電性繊維の表面に、酸化亜鉛系ウィスカーを繊維の円周面に放射状に成長させるには、大気開放型化学気相析出(CVD)法を使用することが好ましい。
大気開放型CVD法は、気化させた金属化合物を加熱された基材表面に吹付けて、基材表面で酸素、水等の大気中に含まれる化合物と反応させて、基材表面にウィスカー等を成長させる方法として広く知られている。原料となる金属化合物としては、例えば、金属又は金属類似元素の原子にアルコールの水酸基の水素が金属で置換されたアルコキシド類、金属または金属類似元素の原子にアセチルアセトン、エチレンジアミン、ビピペリジン、ビピラジン、シクロヘキサンジアミン、テトラアザシクロテトラデカン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンビス(グアニド)、エチレンビス(サリチルアミン)、テトラエチレングリコール、アミノエタノール、グリシン、トリグリシン、ナフチリジン、フェナントロニン、ペンタンジアミン、ピリジン、サリチルアルデヒド、サリチリデンアミン、ポルフィリン、チオ尿素などから選ばれる配位子を1種あるいは2種以上有する各種の錯体等を使用することができる。この中でも、金属アセチルアセトナート化合物、金属アルコキシド化合物等がより好ましく用いられる。
本発明において亜鉛系ウィスカーを製造する原料となる錯体としては、亜鉛及び亜鉛に添加する異種元素に、β−ジケトン類、ケトエステル類、ヒドロキシカルボン酸類またはその塩類、各種のシッフ塩基類、ケトアルコール類、多価アミン類、アルカノールアミン類、エノール性活性水素化合物類、ジカルボン酸類、グリコール類、フェロセン類などの配位子が1種あるいは2種以上結合した化合物が挙げられる。
キャリアガスとしては、使用する金属化合物と反応するものでなければ、特に限定はされない。具体例として、窒素ガスやヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス、炭酸ガス、有機弗素ガス、あるいはヘプタン、ヘキサン等の有機物質等が挙げられる。これらのうちで安全性、経済性の上から不活性ガスが好ましい。窒素ガスが経済性の面より最も好ましい。
図4は、大気開放型CVD法により炭素繊維等の導電性繊維の表面に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させるのに使用する装置の1例を示す模式図である。この装置21は、窒素ガス供給源22、フローメーター23、配管24、気化器25、配管26、スリット27を有するノズル28、及び炭素繊維2を直接通電加熱するための電源29を有する。そして、気化器25、配管26、ノズル28及び加熱電源29は、扉30を有するチャンバー31内に配置されている。配管24、気化器25、及び配管26の周囲には、リボンヒーター(図示せず)を配置することが好ましい。
この装置21を使用してアルミニウム添加酸化亜鉛ウイスカー(ZnO:Alウイスカー)を製造するには、例えば原料となる金属錯体ビスアセチルアセトナト亜鉛Zn(Cをボート32に、金属錯体トリスアセチルアセトナトアルミニウムAl(Cをボート33に入れて、ボート33がノズル28側になるように気化器25内にセットする。キャリアガスとして窒素供給源22から窒素を流しながら、気化器25を加熱して原料を気化させる。気化された原料はキャリアガスによってノズル28に輸送され、スリット27から加熱電源29により直接通電加熱された炭素繊維2上に吹付けられ、炭素繊維2上で熱分解して、繊維の円周面に放射状にZnO:Alウイスカーを成長させる。
炭素繊維上に成長させる酸化亜鉛系ウィスカーの直径(根元部の直径)は、通常は0.1〜10μm程度、先端部の曲率半径は1〜100nm程度、長さは1〜50μm程度とすることが好ましい。
また、酸化亜鉛系ウィスカーの密度(根元部の密度)は、10〜10本/mm程度とすることが好ましい。
この導電性繊維の円周面に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料は、小さな電界で大きな放射電流を示すことから、X線発生装置の冷陰極を構成する材料として好適に用いられる。
酸化亜鉛系ウィスカーの先端部には、所望により金属酸化物膜又はアモルファス炭素系膜から選択されたトップコートを設けることによって、電界集中係数をさらに向上させることができる。トップコートを構_成する好ましい材料としては、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、アモルファス水素化窒化炭素、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
図5〜図7は、このような電極材料を使用してX線発生装置の冷陰極を構成した例を示す模式図である。図5の冷陰極41では、支持基板42の左右両側に設けた銅等の導電性金属により構成された電極43,43間に、繊維の円周面に酸化亜鉛系ウィスカー(図示せず)を成長させた複数の炭素繊維2を平行に配置することによって、冷陰極を構成したものである。
また、図6の冷陰極51では、支持基板42に設けた左右の電極43,43間に、同様の炭素繊維2を1本配置することによって冷陰極を構成したものである。そして、図7の冷陰極61では、支持基板42に設けた左右の電極43,43間に、複数の炭素繊維2を網目状に配置することによって、冷陰極を構成したものである。
図8は、上記の電極材料により構成した冷陰極の他の例を示す模式図である。
この例では、図5の支持基板42に代えて支持枠体44,44を使用し、その左右両側に設けた銅等の導電性金属により構成された電極43,43間に、繊維の円周面に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた複数の炭素繊維2を配置することによって冷陰極71を構成したものである。したがって、隣接する炭素繊維2は空間を空けて平行に配置されたものとなる。
図9は、本発明のX線発生装置の他の例を示す模式図である。
このX線発生装置1−2は、図1のX線発生装置1−1において、冷陰極4として図8に示した冷陰極71のように、陽極から発生したX線が通過可能な空間を有する冷陰極を使用すると共に、密閉可能なハウジング2に設けるベリリウム等のX線透過材料からなる窓3の位置を、冷陰極4側に設けたものである。装置1−2の他の構成は、図1の装置1−1と同様である。
このX線発生装置1−2を真空状態にして、冷陰極4と陽極5間に電極8により電圧を印加すると、冷陰極4のウィスカーの先端部に強電界が生じ、電界放射によって陽極5に向って電子が放出される。そして、この電子が衝突することによって陽極5から発生したX線は、図9の矢印で示したように、冷陰極4の空間を通過し、X線透過材料からなる窓3からハウジング2の外部に向けて放射される。
図10は、本発明のX線発生装置のさらに他の例を示す模式図である。
このX線発生装置1−3は、図1のX線発生装置1−1において、冷陰極4と陽極5の間に、例えばステンレス鋼等の金属材料により構成されたメッシュ状の引出し電極(ゲート電極)9を設けると共に、冷陰極4と引出し電極9を導線7’により電極間に電圧を印加する高電圧電源10に接続したものである。装置1−3の他の構成は、図1の装置1−1と同様である。この装置1−3では、冷陰極4のウィスカー先端から放出された電子は引出し電極9により加速されるので、陽極5から発生するX線の量が著しく増加する。
この引出し電極9は、図9に示した、ハウジング2にX線透過材料からなる窓3を冷陰極4側に設けたX線発生装置1−2に設けることもできる。
図11は、本発明のX線発生装置のさらに他の例を示す模式図であり、(A)は断面図、そして(B)は平面図である。
このX線発生装置1−4は、側面がベリリウム等のX線透過材料により構成された管状の真空ハウジング2の中心部に、導電性繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料101により構成された線状の冷陰極4をハウジング2の長手方向に平行に配置し、ハウジング2の内壁面に陽極5を配置したものである。そして、冷陰極4と陽極5の間には、メッシュ状の筒状体からなる引出し電極9を同心円状に設置してある。冷陰極4と陽極5、及び冷陰極4と引き出し電極9はそれぞれ導線により電極間に電圧を印加する高電圧電源(図示せず)に接続されている。
この装置1−4を真空状態にして冷陰極4と陽極5間に電源8により電圧を印加すると、冷陰極4のウィスカー先端から放出された電子は引出し電極9により加速され、陽極5に衝突してX線を発生させる。陽極5から発生したX線は、管状のハウジング2の側面全面から外部に向けて放射される。ハウジング2をX線不透過材料により構成し、ハウジング2の一部にX線透過材料からなる窓を設け、この窓からX線を放射するようにしてもよい。
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(製造例1)
図4の大気開放型CVD装置21を使用し、直径7μmの炭素繊維上にアルミニウム添加酸化亜鉛ウイスカー(ZnO:Alウイスカー)を次の手順で成長させて、本発明のX線発生装置の冷陰極を構成する電極材料を製造した。
原料となる金属錯体ビスアセチルアセトナト亜鉛Zn(C8.0gをボート32に、金属錯体トリスアセチルアセトナトアルミニウムAl(C0.5gをボート33に入れて、ボート33がノズル28側になるように気化器25内にセットした。キャリアガスとして窒素供給源22から窒素を流量1.2L/minで流しながら、気化器25を加熱して115℃で原料を気化させた。気化された原料はキャリアガスによってノズル28に輸送され、スリット27から加熱電源29により直接通電加熱された炭素繊維2上に吹付けられ、炭素繊維2上で熱分解して、繊維の円周面に放射状にZnO:Alウイスカーを成長させた。得られた電極材料を電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した映像を、図12(b)に示す。ZnO:Alウイスカーのウィスカー長は10−40μm、ウィスカー径は1−2μm、先端曲率半径は約20nmであった。
(製造例2)
製造例1において、炭素繊維に代えてシリコン単結晶Si(100)基板を使用し、この単結晶基板を加熱装置により加熱しながら、実施例1と同様の手順で、基板上にZnO:Alウイスカーを成長させて電極材料を製造した。得られた電極材料をFE−SEM で観察した映像を、図12(a)に示す。ZnO:Alウイスカーのウィスカー長は2−10μm、ウィスカー径は0.3〜1.0μm、先端曲率半径は約20nmであった。
(実施例1)
製造例1で得られた直径7μmの炭素繊維にウィスカー成長させた電極材料を使用して、図5に示す冷陰極41を製造した。この冷陰極41では、2枚の銅電極43、43間に実施例1で得られた電極材料15本を平行に配置したものである。
この冷陰極41(20×20mm)を用いて、図1に示す2極型のX線発生装置1−1を製造した。陽極5としては銅電極(20×30mm)を使用し、石英からなるスペーサー6、6により冷陰極4と1mmの間隔を空けて平行に対向させて配置するとともに、両電極を電源8に接続した。
この装置1−1を5×10−4Pa以下の真空にし、電極間に電圧を印加して発生するX線の量を、ベリリウム製の窓3の外側で東洋メディック製、5000型サーベイメータを使用して測定した結果を図13に示す。
(参考例1)
冷陰極として製造例2で得られたSi(100)基板にウィスカーを成長させた基板(20×20mm)を使用した以外は、実施例1と同様にして図1に示す2極型のX線発生装置1−1を製造した。この装置を使用して、実施例1と同様にして発生するX線の量を測定した結果を図13に示す。
実施例1では、放射線量1μSv/hを得た電圧が4kVであったのに対し、参考例1では6.5kVであった。
(実施例2)
実施例1と同様の冷陰極41を用いて、図10に示す3極型のX線発生装置1−3を製造した。ステンレス鋼からなるメッシュ状の引出し電極9(20×30mm)を使用し、石英からなるスペーサーにより冷陰極4と350μmの間隔を空けて平行に対向させて配置し、両電極を電源10に接続した。また、陽極5としては銅電極(20×30mm)を使用し、引出し電極9と7mmの間隔を空けて平行に対向させて配置し、両電極を電源8に接続した。
この装置を5×10−4Pa以下の真空にし、冷陰極−引出し電極間及び引出し電極−陽極間にそれぞれ電圧を印加して発生するX線の量を、ベリリウム製の窓3の外側で東洋メディック製、5000型サーベイメータを使用して測定した結果を図14に示す。
(X線像の撮影)
図15にみられるように、3極型のX線発生装置1−3のベリリウム製の窓3の外側に、厚さ0.1mmの木の葉13とX線フイルム(富士写真フイルム製、SUPER HR−S30)12を平行に配置した。加速電圧8kV、引出し電圧0.6kV、放射電流0.1mAの条件下で、10分間X線を照射して撮影し、現像した結果を図16に示す。図16の左側は木の葉、右側はそのX線映像である。
X線が透過し難い葉脈部で白く写り、濃淡の差が確認された。
本発明のX線発生装置の1例を示す模式図である。 炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料を示す模式図である。 Si基板の表面に垂直方向にウイスカーを成長させた電極材料を示す模式図である。 大気開放型CVD装置の1例を示す模式図である。 炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料を使用して冷陰極を構成した1例を示す模式図である。 炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料を使用して冷陰極を構成した他の例を示す模式図である。 炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料を使用して冷陰極を構成した他の例を示す模式図である。 炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料を使用して冷陰極を構成した他の例を示す模式図である。 本発明のX線発生装置の他の例を示す模式図である。 本発明のX線発生装置の他の例を示す模式図である。 本発明のX線発生装置の他の例を示す模式図である。 製造例1及び2で得られた電極材料を電界放射型走査電子顕微鏡で観察した映像である。 実施例1及び参考例1のX線発生装置を用いてX線量を測定した結果を示す図である。 実施例2のX線発生装置を用いてX線量を測定した結果を示す図である。 本発明のX線発生装置を用いてX線像を撮影する状況を示す図である。 本発明のX線発生装置を用いてX線像を撮影した結果を示す図である。
符号の説明
1-1,1-2,1-3,1-4 X線発生装置
2 真空ハウジング
3 窓
4 冷陰極
5 陽極
6 スペーサー
7,7’ 導線
8,10 電源
9 引出し電極
21 大気開放型CVD装置
22 ガス供給源
23 フローメーター
24,26 配管
25 気化器
27 スリット
28 ノズル
30 扉
31 チャンバー
32、33 ボート
41,51,61,71 冷陰極
42 支持基板
43 電極
44 支持枠体
102 炭素繊維
103,113 ウィスカー
104,114 先端部
105,115 根元部
112 基板

Claims (8)

  1. 密閉可能な真空ハウジング内に、炭素繊維の円周面に放射状に酸化亜鉛系ウィスカーを成長させた電極材料により構成された冷陰極と、陽極を間隔を空けて対向配置したことを特徴とするX線発生装置。
  2. 各平面状に構成した冷陰極と陽極を、スペーサーを介して対向配置したことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 冷陰極と陽極の間にメッシュ状の引出し電極を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のX線発生装置。
  4. 管状のハウジングの中心部に線状の冷陰極をハウジングの長手方向に平行に配置し、ハウジングの内壁面に陽極を、そして冷陰極と陽極との間に引出し電極を配置したことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  5. ハウジングの一部にX線透過性材料からなる窓を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のX線発生装置。
  6. X線透過性材料からなる窓をハウジングの陽極側に設けたことを特徴とする請求項5に記載のX線発生装置。
  7. X線透過性材料からなる窓をハウジングの冷陰極側に設けたことを特徴とする請求項5に記載のX線発生装置。
  8. 酸化亜鉛系ウィスカーがアルミニウム添加酸化亜鉛ウィスカーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のX線発生装置。
JP2007090993A 2007-03-30 2007-03-30 X線発生装置 Active JP4984234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007090993A JP4984234B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 X線発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007090993A JP4984234B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 X線発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251341A JP2008251341A (ja) 2008-10-16
JP4984234B2 true JP4984234B2 (ja) 2012-07-25

Family

ID=39976044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007090993A Active JP4984234B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 X線発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4984234B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101145531B1 (ko) * 2010-10-01 2012-05-15 경희대학교 산학협력단 점광원 형태의 에미터를 포함하는 엑스레이 소스
JP2014502014A (ja) * 2011-04-04 2014-01-23 ヴァキューム・サイエンス・アンド・インストゥルメント・カンパニー・リミテッド 電界放出源を用いた高効率平面型フォトバーおよびその製造方法
JP6168770B2 (ja) * 2012-12-28 2017-07-26 キヤノン株式会社 放射線発生ユニット及び放射線撮影システム
BR112016018345B1 (pt) 2014-02-10 2022-08-30 Luxbright Ab Emissor de elétrons para um tubo de raios x e tubo de raios x
DE102015201375A1 (de) * 2015-01-27 2016-07-28 Siemens Aktiengesellschaft Vorrichtung zur Erzeugung von Röntgenstrahlung in einem äußeren Magnetfeld

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08264139A (ja) * 1995-03-22 1996-10-11 Hamamatsu Photonics Kk X線発生装置
SE9902118D0 (sv) * 1999-06-04 1999-06-04 Radi Medical Systems Miniature X-ray source
JP3607947B2 (ja) * 2001-03-21 2005-01-05 国立大学法人長岡技術科学大学 電子放出材料
JP4156879B2 (ja) * 2002-07-31 2008-09-24 双葉電子工業株式会社 カーボン繊維の製造方法。
JP3837540B2 (ja) * 2003-03-28 2006-10-25 独立行政法人物質・材料研究機構 単結晶のチューブ状酸化亜鉛ウィスカーの製造方法
EP1494260B1 (en) * 2003-06-30 2007-01-24 Nucletron B.V. Miniature X-ray source device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008251341A (ja) 2008-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4984234B2 (ja) X線発生装置
TW391022B (en) Field emission electron source, method of producing the same, and use of the same
KR102368515B1 (ko) X-선 튜브용 전자 에미터
JP3971090B2 (ja) 針状表面を有するダイヤモンドの製造方法及び繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法
US8129894B2 (en) Carbide nanostructures and methods for making same
TW200302503A (en) Large-area individually addressable multi-beam X-ray system and method of forming same
US20070103048A1 (en) Method for fabricating carbon nanotube-based field emission device
US20070070579A1 (en) Carbon nanotube devices and uses therefor
TW452604B (en) Process for synthesizing one-dimensional nanosubstances by electron cyclotron resonance chemical vapor deposition
Zhang et al. Carbon nanotubes synthesized by biased thermal chemical vapor deposition as an electron source in an x-ray tube
JP4636476B2 (ja) 電子サイクロトロン共鳴プラズマによる電子放出カーボンフィルムの蒸着方法
Sankaran et al. Electron field emission enhancement of vertically aligned ultrananocrystalline diamond‐coated ZnO core–shell heterostructured nanorods
JP2021150246A (ja) 電子放出素子
US20040151835A1 (en) Method for forming a coating film, consisting of carbon nanotubes, on the surface of a substrate
CN101183631B (zh) 一种碳纳米管阵列场发射阴极的制备方法
JP5131735B2 (ja) 面エミッタの製造方法、点エミッタの製造方法及び構造体
JP3991156B2 (ja) カーボンナノチューブの製造装置
Bah et al. Fluorescence Invigoration in Carbon-Incorporated Zinc oxide Nanowires from passage of Field emission electrons
JP2008192396A (ja) 電極材料及びその製造方法、並びに該電極材料を使用した電界放射装置
Sherehiy et al. Thermionic emission from phosphorus (P) doped diamond nanocrystals supported by conical carbon nanotubes and ultraviolet photoelectron spectroscopy study of P-doped diamond films
JP2018104645A (ja) 紫外光発生用ターゲット及びその製造方法、並びに電子線励起紫外光源
JP2004186245A (ja) カーボンナノチューブの製造方法とカーボンナノチューブ・デバイス
TW478290B (en) Electron emissive surface and method of use
Hayashi et al. A novel method for formation of single crystalline tungsten nanotip
LU503066B1 (en) Graphene-based composite material and its preparation method and application

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4984234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250