JP4982777B2 - パターン形成材料及びパターン形成材料を用いた複製方法 - Google Patents

パターン形成材料及びパターン形成材料を用いた複製方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属表面に形成された凹及び/又は凸状のパターンを高精度に再現できるパターン形成材料に関し、特に、凹版版面を複製する場合の凹状の画線(以下「凹状パターン」という。)が形成された金属製の凹版原版の形状を写し取るために、好適なパターン形成材料に関するものである。
一般的に、印刷に使用する凹版版面を作製するためには、まず、金属板を手工的方法又は機械的な彫刻により凹状パターンを形成することにより、一面の金属原版(以下「第一の金属原版」という)が作製される。この第一の金属原版の凹状パターンを写し取り、凸状パターンとなる複製版を作製し、さらに複製版の凸状パターンを写し取り、凹状パターンとなる金属原版(以下「第二の金属原版」という)を作製した後、この第二の金属原版から印刷面数に応じ多面化して、凹版印刷の多面の印刷版面と成る。この第一の金属原版から複製版及び第二の金属原版を作製する理由は、複製又は作業工程中に第一の金属原版を損傷し使用できない場合、再度第一の金属原版と同様の金属原版を作製する必要があり、作製には多大な時間と労力を要し、さらには、第一の金属原版と同一な画線を再現することは極めて困難であるため、あらかじめ第二の金属原版を作製して複製又は作業工程に供している。このため、第一の金属原版は第二の金属原版が作製できた時点で、繰返し使用されることなく、唯一の金属原版として厳重に保管される。よって、第一の金属原版から第二の金属原版を如何にして安全、かつ、安定して同一な凹版パターンを複製できるかが重要となる。なお、当業者は、第一の金属原版を「凹版原版」、第二の金属原版を「凹版副原版」と呼ぶことがある。
第一の金属原版から複製版を作製する工程は、最初に第一の金属原版の凹状パターン(凹版画線)を転写して複製版を得るため、第一の金属原版と複製版では凹凸形状が逆となる。従来、例えば、第一の金属原版の凹状パターンを複製版に転写させる方法としては、以下に挙げる方法がある
例えば、第一の金属原版から直接電鋳によって転写版を得る方法として、凹凸形状を形成したシリコンウエハ上に金属薄膜及び酸化膜を付着形成させ、さらに電鋳で金属を形成することによりスタンパを製造する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、軟化させた熱可塑性樹脂に、第一の金属原版を接触させて、凹状パターンを転写させるプレス法、キャスティング法又は射出成型法等がある(例えば、特許文献2参照)。
また、例えば、型取り用シリコン樹脂、UV硬化樹脂により凹状パターンを転写させる方法がある(例えば、特許文献3参照)。
また、例えば、二液反応型樹脂により凹状パターンを転写させる方法がある(例えば、特許文献4参照)。
また、例えば、高温に加熱し、液状化した金属に金属原版を接触させ凹状パターンを転写させる方法、いわゆるクラッチ法があり、凹版原版の複製に古くから使用されている。(例えば、非特許文献1参照)。
特開平11―39732号公報 特開2002―264140号公報 特開2004―358923号公報 特開昭61―296548号公報 増補版印刷辞典(日本印刷学会編)
しかし、特許文献1の方法は、第一の金属原版(一般に銅版)から転写版(ニッケル等)を剥離する際に、金属同士の接着性が高いため剥離が困難となり、原版を損傷するおそれがある。
また、特許文献2の方法は、第一の金属原版の損傷はほとんどないものの、高温に過熱された樹脂が、常温に冷却される際に収縮するため、寸法安定性は悪いという問題がある。
また、特許文献3の方法において、型取り用シリコン樹脂により凹状パターンを転写させる方法は、複製精度は良好であるが、(1)電鋳時の内部応力にシリコン樹脂が耐えられず、電鋳版が歪む(平滑性不良)、電鋳時に浴温でシリコン樹脂が温度膨張し、精度が落ちる(寸法精度不良)、シリコン樹脂版の伸び・歪みを抑えるためにバッキングの必要があるが、シリコン樹脂版をしっかりと固定するための粘着の選定が難しい(貼り付かない、接着不良)、シリコン樹脂表面の性状から、均一な通電層形成が難しい(通電不良)等の理由から複製されたシリコン樹脂から直接電鋳して、第一の金属原版と同等の第二の金属原版を得ることは困難である。
また、特許文献3において、UV硬化型樹脂による凹状パターンを転写させる方法は、温度変化が少ないために熱可塑性樹脂に比べると、一般に複製精度は高いが、選択する材料によっては、硬化時の収縮により複製精度が低下する場合がある。
また、特許文献4の二液反応型樹脂により、凹状パターンを転写させる方法は、可使時間の間に脱泡が困難という問題がある。可使時間とは、主剤と硬化剤を混合後の、作業可能な粘度の状態にある時間である。脱泡とは、第一の金属原版上に二液反応型樹脂層を形成させた際に、二液反応型樹脂層内に空気を抱き込んでしまうため、減圧下でその空気(泡)を除く工程である。可使時間が長い二液反応型樹脂は、硬化反応に高温が必要であることから、複製精度が低下するため、使用は困難である。また、二液反応型樹脂と第一の金属原版の密着性が高いため、第一の金属原版に離型剤を塗布する必要があるが、硬化した二液反応型樹脂側に離型剤が残留し、導体化処理時に不具合が生じることがある。また、離型剤による処理は安定性がなく、剥離が困難になった場合は、第一の金属原版の使用を不可能にするという重大な問題があり、適用は極めて難しい。
また、非特許文献1の液状化した金属に金属原版を接触させる方法(クラッチ法)は、第一の金属原版よりも融点が低い金属を用いる必要があり、凹状パターンの複製再現性の点から鉛合金が使用されており、環境負荷が大きい。また、著しく高温にさらされるため、第一の金属原版の損傷も大きい。また、金属どうしが接触するため、第一の金属原版の凹状パターンの磨耗、損傷が著しいという問題がある。
また、特許文献3に開示されているように従来提案されている樹脂は、ホログラム等の凹凸形状を複製するもので、概ね200μm〜250μmの厚みの樹脂層である。
このような薄い樹脂層であるため、硬化収縮や硬化物の強度は特に考慮する必要がなく、材料選択の幅が広い。しかし、第一の凹版原版を複製するためには、凹状パターン(凹版画線)の深さに100μm以上の構成を必要とする場合や、第二の金属原版を作製するために樹脂版(凸)を電鋳液に浸漬することを考慮すると1mm以上の厚みが望ましい。1mm以上の厚みのUV硬化型樹脂を、そり等の変形や硬化収縮によるクラックを生じさせずに硬化させ、かつ、硬化した樹脂を損傷なしに、第一の金属原版から剥離させることが可能な樹脂組成物は提案されていない。なお、この第一の金属原版の凹状パターンを樹脂硬化物で逆の形状を転写した複製版(凸)を、本発明では樹脂版と記載する。
本発明は、30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物と、エポキシ当量が150g/eq以上の脂環式エポキシ化合物を、パターン形成材料全体に対して合わせて50%以上含有する組成物と、光カチオン重合開始剤から成るパターン形成材料であって、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の割合が10:90〜60:40の範囲にあることを特徴とするパターン形成材料である。
本発明は、1分子内にエポキシ基を二つ有し、環状構造を含むエポキシ化合物を40%以上含有する組成物と光カチオン重合開始剤から成るパターン形成材料である。
本発明は、1分子内にエポキシ基を二つ有し、環状構造を含むエポキシ化合物の環状構造が、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型から選択される一種以上であるパターン形成材料である。
本発明は、30℃における粘度が20Pa・s以下であることを特徴とするパターン形成材料である。
本発明は、凹状パターンが形成された第一の金属原版上にパターン形成材料層を形成するパターン形成材料層形成工程と、パターン形成材料層側から紫外線を照射し、常温放置乃至60℃以下の温度で加熱することによるパターン形成材料層硬化工程と、第一の金属原版から樹脂版を剥離する樹脂版剥離工程と、剥離された樹脂版の凹状パターンが転写された凸パターンに無電解めっきを施す導電化層形成工程と、電鋳により導電化層に電鋳層を形成する電鋳層形成工程と、樹脂版から導電化層及び電鋳層から成る第二の金属原版を剥離する電鋳層剥離工程とを備えたことを特徴とする第二の金属原版の製造方法である。
本発明のパターン形成材料は、1mm以上の厚みの硬化物でもそり等の変形がなく、かつ、第一の金属原版からの剥離性が優れているため、凹状パターンの再現性が良好である。また、凹状パターンに限らず、凸版パターンや凹凸形状であっても再現性は良好である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の色々な実施の形態が含まれる。なお、以下に二つのパターン形成材料を例示し、凹版印刷に使用する金属原版の複製方法でその使用例を説明するが、パターン形成材料は、金属基材に形成される凹状又は凸状で形成されたパターンを高精度に転写できる(写し取れる)ため、ホログラム、CD、半導体関係等のスタンパに用いる転写技術にも応用可能である。
(パターン形成材料の組成1)
本発明のパターン形成材料は、30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物と、エポキシ当量が150g/eq以上の脂環式エポキシ化合物を、パターン形成材料全体に対して合わせて50%以上含有する組成物と、光カチオン重合開始剤からなるパターン形成材料であって、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の割合が10:90〜60:40の範囲にあることを特徴とするパターン形成材料である。
ポリブタジエンエポキシ化物と、脂環式エポキシ化合物をパターン形成材料全体に占める割合が50%以上であれば、他のエポキシ化合物又はカチオン重合可能な材料を、さらに追加配合することも可能である。追加配合するエポキシ化合物は、カチオン重合可能な官能基が二つ以上あるものが好ましい。
ポリブタジエンのエポキシ化物と組み合わせる脂環式エポキシ化合物のエポキシ当量は、150g/eqであることが好ましい。エポキシ当量が小さい脂環式エポキシ化合物(エポキシ当量が150g/eq未満)を用いた場合、硬化反応が速いために変形するとともに、硬化物の架橋密度が高いため強度が低下することから、本発明の用途には適さない。また、ポリブタジエンエポキシ化物は、分子量が大きい方がより高い強度が得られるため好ましい。
ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の総量に対して、ポリブタジエンエポキシ化物の割合は10〜60%の範囲にあることが好ましい。ポリブタジエンエポキシ化物が10%未満の場合、UV硬化性が低下するとともに、第一の金属原版からの剥離性が悪化するからである。ポリブタジエンエポキシ化物が60%を越えた場合は、粘度が高くなりすぎるため、作業性が悪くなるとともに、硬化前のパターン形成材料中の泡の除去に長時間を必要とするからである。次に、表1を用いてポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の配合割合について検証する。
Figure 0004982777
表1は、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の各配合割合における真空下(常温25〜30℃)の脱泡性、紫外線の照射後、60℃で五時間加熱した場合における硬化性、硬化後に第一の金属原版からの剥離性ついての検証である。なお、評価の基準は、以下のようにした。
○:良好
×:不良
配合例1は、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の割合が15:85である。配合例1は、脱泡性、硬化性、剥離性のいずれも良好であった。
配合例2は、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の割合が55:45である。配合例2も、配合例1同様に脱泡性、硬化性、剥離性のいずれも良好であった。
配合例3は、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の割合が5:95である。配合例3は、脱泡性は良好であるが、配合例1と配合例2と比較して樹脂の硬化が不良であり、第一の金属原版からの剥離が困難であった。
配合例4は、ポリブタジエンエポキシ化物と脂環式エポキシ化合物の割合が65:35である。配合例4は、上記配合例の30℃における粘度が19Pa・sであるのに対し、30℃における粘度が29Pa・sであったため脱泡することが困難であった。
(パターン形成材料の組成2)
もう一つのパターン形成材料の形態は、1分子内にエポキシ基を二つ有し、環状構造を含むエポキシ化合物を40%以上含有するエポキシ組成物と光カチオン重合開始剤からなるパターン形成材料である。1分子中にエポキシ基を一つしか有しない場合、無電解めっき時に硬化パターン形成材料層表面が荒れ、均一なめっき膜が得られない。また1分子中にエポキシ基を三つ以上有するエポキシ樹脂を主成分とした組成物の場合、硬化物が脆くなり、第一の金属原版から剥離する際破損しやすくなる。
1分子内にエポキシ基を二つ有し、環状構造を含むエポキシ化合物のパターン形成材料全体に占める割合は、40%以上であればよく、他のエポキシ化合物あるいはカチオン重合可能な材料をさらに追加配合することも可能である。追加配合するエポキシ化合物あるいはカチオン重合可能な材料は、無電解めっき時の安定性から、カチオン重合可能な官能基が二つ以上あるものが好ましい。追加配合するエポキシ化合物の中には脂環式エポキシ化合物も含まれるが、エポキシ当量の制限はなく、エポキシ当量150g/eq以下の脂環式エポキシ化合物も使用可能である。
1分子内にエポキシ基を二つ以上有し、環状構造を含むエポキシ化合物の環状構造は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型から選択される一種以上であり、複数含まれても良い。ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型を用いることにより、変形がない硬化物が得られる。
パターン形成材料は、硬化前のパターン形成材料中の泡の除去を考慮すると、30℃における粘度が20Pa・s以下が好ましく、4Pa・s以下がより好ましい。30℃における粘度が20Pa・s以上では、硬化前のパターン形成材料中の泡を除く作業が困難となる。
光重合開始剤は、紫外線を吸収し、エポキシ官能基のカチオン重合を開始できるものであれば限定されない。例を挙げれば、芳香族スルホニウム塩がある。パターン形成材料への、光重合開始剤の添加量は0.1〜5%が好ましい。この添加量は、硬化物の厚みに応じて適宜増減する。4〜5mmの厚みでは、硬化に伴う変形を少なくするために、0.2〜2%の範囲で添加することが好ましい。
以上のパターン形成材料を用いることにより、そり等の変形がなく、第一の金属原版からの剥離が容易な樹脂版を得ることができる。
(パターン形成材料を用いた複製工程)
次に、本発明のパターン形成材料を用い、第一の金属原版1から第二の金属原版5を複製する工程について図1のフローチャート図により説明する。
一例として、図1に示すように、第一の金属原版1から第二の金属原版5を複製する工程は、パターン形成材料層形成工程(S1)、パターン形成材料層硬化工程(S2)、樹脂版剥離工程(S3)、導電化層形成工程(S4)、電鋳層形成工程(S5)、電鋳層剥離工程(S6)から成り立っている。
パターン形成材料層形成工程(S1)は、凹状パターン又は凸状パターンが形成された第一の金属原版上に本発明のパターン形成材料を流し込んでパターン形成材料層を形成する工程である。
パターン形成材料層硬化工程(S2)は、パターン形成材料層形成工程(S1)において、流し込んだパターン形成材料に紫外線等を照射して、パターン形成材料層を硬化させる工程である。
樹脂版剥離工程(S3)は、パターン形成材料層硬化工程(S2)において、硬化したパターン形成材料層を第一の金属原版から剥離する工程である。
導電化層形成工程(S4)は、樹脂版剥離工程(S3)において、剥離された樹脂版に無電解めっきを施し、第一の原版から転写されたパターン側に導電化層を形成する工程である。
電鋳層形成工程(S5)は、導電化層形成工程(S4)により形成された導電化層に対し、電鋳により電鋳層を形成する工程である。
電鋳層剥離工程(S6)は、電鋳層形成工程(S5)により形成された電鋳層及び導電化層から成る第二の金属原版を、樹脂版から剥離する工程である。
次に、第一の金属原版1から第二の金属原版5の複製工程について、図2を用いて具体的に説明する。
例えば、図2Aに示すように、銅製の金属板に凹状パターン1aを形成した第一の金属原版1を作製した。
次に、図2Bに示すように、本発明のパターン形成材料を、第一の金属原版1の表面に1〜5mm程度の厚みになるように流し込み、減圧下で脱泡する。この際、適宜加熱することにより、パターン形成材料層2の粘度を下げれば、より脱泡が容易になる。
なお、本発明のパターン形成材料は、光硬化性であり、加熱しても硬化反応は起こらない。
次に、図2Cに示すように、パターン形成材料層2側から紫外線10を照射し、常温又は60℃程度以下の温度に数時間加熱してパターン形成材料層2を硬化させる。
ここで用いる紫外線照射装置は、紫外線硬化型インキの硬化に用いられるメタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等を用いることができるが、光重合開始剤を励起しカチオンを発生させることができれば特に限定されない。
紫外線10の照射後、カチオン重合を完全に進行させるため、常温放置乃至60℃以下の温度で加熱する。60℃の温度でも三時間以上の加熱が必要であるため、より高い温度が好ましいが、70℃以上ではパターン形成材料層2の変質が起こるため、60℃以下が好ましい。パターン形成材料層2の変形を防止するにはより低い温度が好ましい。反応温度、反応時間は、作業時間に応じて適宜調整可能である。
次に、図2Dに示すように、第一の金属原版1から硬化したパターン形成材料層2を剥離して樹脂版2’を得る。この工程において、樹脂版2’が剥離時又は電鋳時のストレスに耐えられない懸念がある場合は、紫外線10の照射後に、樹脂版2’の第一の金属原版1と接触していない側(図2Cでは上面)に補強材を貼り付けること又はエポキシ樹脂とアミン系の硬化剤による常温乃至熱硬化型の樹脂層を形成することも好ましい。補強材の材質としては、ガラス、金属、セラミックス等が挙げられる。
なお、パターン形成材料の種類によっては、紫外線を照射した直後に樹脂版を凹版版面から剥離し、その後、常温又は60℃程度以下の温度で数時間加熱し完全に硬化させる方法も選択可能である。また、ここでは、パターン形成材料層2と樹脂層版は同一な構成であるが、第一の金属原版1上に、パターン形成材料を流し込んでから剥離するまでは「パターン形成材料層2」と、第一の金属原版から剥離した後は、「樹脂層2’」と便宜上呼んでいる。
また、図2Dに示すように、第一の金属原版1から剥離した樹脂版2’には、凹状パターン1aの逆の形状である凸状パターン2’aが正確に形成されている。次に、図2Eに示すように、公知の無電解めっき等の手段により樹脂版2’の凸状パターン2’a側に導体化処理を行い、導体化層3を形成する。なお、導体化処理を行う前にコロナ放電等による親水化処理を行ってもよい。
次に、図2Fに示すように、電鋳により導体化層3上に電鋳層4を形成することによって、第二の金属原版5が形成される。このとき、導体化層3及び電鋳層4の材料は、同一であることが望ましく、例えば銅又はニッケルが好適であるが、異なる材料を使用しても構わない。電鋳とは、電気分解によって導電性材料(導体化層3)の上に金属層を形成するものであり、元となる樹脂版2’表面に形成した凹状パターン及び/又は凸パターンを正確に逆の形状へと複製する方法であるため、公知の方法で実施可能である。
次に、図2Gに示すように、樹脂版2’から剥離することで第二の金属原版5を得る。この時、第一の金属原版1の凹状パターン1aと第二の金属原版5の凹状パターン5aは、同一の画線幅、画線深度であった。
〔実施例〕
以下、上記の本発明のパターン形成材料について具体的な実施例を挙げ、詳細に説明する。
(実施例1)
30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物(ダイセル化学製エポリードPB3600、エポキシ当量190)15部、脂環式エポキシ化合物(ADEKA製オプトマーKRM2199、エポキシ当量200)85部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)0.5部を混合し、パターン形成材料を作製した。
第一の金属原版1にパターン形成材料が流れ出さないように枠を設け、パターン形成材料を5mm程度の厚みになるように流し込み、減圧下で脱泡した。パターン形成材料層2側から積算光量9000mJ/cm2の紫外線10を照射し、60℃で五時間加熱し、パターン形成材料層2を形成した。第一の金属原版1から剥離し、そりのない樹脂版2’を得た。剥離した樹脂版2’は、公知の無電解めっき法でニッケルめっき3を施し、公知の方法でニッケル電鋳4を行うことによってニッケル電鋳版(第二の金属原版5)を得た。
(実施例2)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製jER806、エポキシ当量160〜170)100部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)0.5部を混合し、パターン形成材料を作製した。その後の工程は、実施例1と同様に実施し、そりのない樹脂版2’を得た。さらに公知の方法で電鋳を行うことによってニッケル電鋳版(第二の金属原版5)を得た。
(実施例3)
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製YX8034、エポキシ当量290)78部、脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学製セロキサイド2021P、エポキシ当量130)22部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)0.5部を混合し、パターン形成材料を作製した。その後の工程は、実施例1と同様に実施し、そりのない樹脂版2’を得た。さらに公知の方法で電鋳を行うことによってニッケル電鋳版(第二の金属原版5)を得た。ただし紫外線照射量は、積算光量6000mJ/cm2で行った。
(実施例4)
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製YX8034、エポキシ当量290)44部、脂環式エポキシ化合物(ADEKA製オプトマーKRM2199、エポキシ当量200)56部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)2部を混合し、パターン形成材料を作製した。その後の工程は、実施例1と同様に実施し、そりのない樹脂版2’を得た。さらに、公知の方法で電鋳を行うことによってニッケル電鋳版(第二の金属原版5)を得た。ただし紫外線照射量は、積算光量12000mJ/cm2で行った。
本発明のパターン形成材料により作製された樹脂版2’のそりや変形等を比較するため、比較例のパターン形成材料の組成を例示する。
(比較例1)
30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物(ダイセル化学製エポリードPB3600、エポキシ当量190)24部、脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学製セロキサイド2021P、エポキシ当量130)76部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)0.5部を混合し、パターン形成材料を作製した。
第一の金属原版1にパターン形成材料が流れ出さないように枠を設け、パターン形成材料を5mm程度の厚みになるように流し込み、減圧下で脱泡した。パターン形成材料2側から積算光量3000mJ/cm2の紫外線を照射し、60℃で五時間加熱し、パターン形成材料層2を形成した。第一の金属原版1から剥離し樹脂版2’を得たところ、そりが著しかった(3%以上)。
(比較例2)
30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物(ダイセル化学製エポリードPB3600、エポキシ当量190)5部、脂環式エポキシ化合物(ADEKA製オプトマーKRM2199、エポキシ当量200)95部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)0.5部を混合し、パターン形成材料を作製した。
第一の金属原版1にパターン形成材料が流れ出さないように枠を設け、パターン形成材料を5mm程度の厚みになるように流し込み、減圧下で脱泡した。パターン形成材料層側から積算光量12000mJ/cm2の紫外線を照射し、60℃で五時間加熱し、パターン形成材料層2を形成した。第一の金属原版1から樹脂版2’を剥離しようとしたが、剥離できなかった。
(比較例3)
30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物(ダイセル化学製エポリードPB3600、エポキシ当量190)65部、脂環式エポキシ化合物(ADEKA製オプトマーKRM2199、エポキシ当量200)35部、光カチオン重合開始剤(ADEKA製オプトマーSP170)0.5部を混合し、パターン形成材料を作製した。このパターン形成材料の粘度は、30℃において29Pa・s、50℃において7.8Pa・s、60℃において4.7Pa・sであった。
第1の金属原版1にパターン形成材料が流れ出さないように枠を設け、パターン形成材料を5mm程度の厚みになるように流し込み、減圧下で脱泡したが、常温では脱泡困難で、60℃以上に加熱しながら脱泡する必要があり、作業性が悪かった。
本発明の、第一の金属原版から第二の金属原版を得る工程のフローチャート図 本発明の、第一の金属原版から第二の金属原版を得る工程の断面図
符号の説明
1 第一の金属原版
1a 凹状パターン
2 パターン形成材料層
2’ 樹脂版
2’a 凸状パターン
3 導体化層
4 電鋳層
5 第二の金属原版
5’a 凹状パターン
10 紫外線

Claims (3)

  1. 30℃において液状のポリブタジエンエポキシ化物と、エポキシ当量が150g/eq以上の脂環式エポキシ化合物を、パターン形成材料全体に対して合わせて50%以上含有する組成物と、光カチオン重合開始剤から成るパターン形成材料であって、前記ポリブタジエンエポキシ化物と前記脂環式エポキシ化合物の割合が10:90〜60:40の範囲にあることを特徴とするパターン形成材料。
  2. 30℃における粘度が20Pa・s以下である請求項1記載のパターン形成材料。
  3. 凹状パターン又は凸状パターンが形成された第一の金属原版上に請求項1又は2記載のパターン形成材料層を形成するパターン形成材料層形成工程と、
    前記パターン形成材料層側から紫外線を照射し、常温放置乃至60℃以下の温度で加熱することによるパターン形成材料層硬化工程と、
    前記第一の金属原版から樹脂版を剥離する樹脂版剥離工程と、
    剥離された樹脂版の凹状パターン又は凸状パターンが転写されたパターン側に無電解めっきを施す導電化層形成工程と、
    電鋳により導電化層に電鋳層を形成する電鋳層形成工程と、
    前記樹脂版から前記導電化層及び前記電鋳層から成る第二の金属原版を剥離する電鋳層剥離工程とを備えたことを特徴とする第二の金属原版の複製方法。
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