JP4982579B2 - スイッチギヤ及びスイッチギヤの連動試験方法 - Google Patents

スイッチギヤ及びスイッチギヤの連動試験方法 Download PDF

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Description

本発明は遮断及び断路機能を併せて有する開閉器を備えるスイッチギヤ及び該スイッチギヤの連動試験方法に関する。
スイッチギヤは電力の送電系統において電流の入・切を行う機器であり開閉器はその主たる電流の入・切を担当するものである。スイッチギヤの中でも真空絶縁スイッチギヤは、従来のSF6ガス絶縁スイッチギヤと比較して地球温暖化係数がCO2の約23900倍と高い数値を示すSF6ガスを一切使用しておらず環境適合型の次世代向けスイッチギヤである。
中でも遮断及び断路機能を併せて備える3位置型のスイッチギヤは、機器のコンパクト化を達成できる点で有益である。ここで遮断断路機能を併せて備える3位置型のスイッチギヤとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、真空2点切り3位置型遮断及び断路器(CB及びDS)と、保護リレーとを備えるスイッチギヤが開示されている。
ここで、保護リレーは負荷側で過電流を検出した場合に開閉器に対して遮断指令を与え、過電流を遮断する役割を果たすものであり、保護リレーを備えるスイッチギヤでは、保護リレーと遮断器が正常に連動し、保護リレーからの指令によって遮断器が遮断動作できることを定期的に試験する連動試験を行う必要がある。
特開2008−104338号公報
しかし、特許文献1に記載されている真空2点切り3位置型遮断及び断路器は、遮断機能と断路機能を一つの開閉器に持たせており、保護リレーと3位置型遮断及び断路器との連動試験を行う際には、保護リレーは遮断指令を与えることしかできないにも関わらず、3位置型遮断及び断路器が出発位置としてそもそも遮断位置にあることから、保護リレーの指令に対して3位置型遮断及び断路器が遮断動作を正常に行うかどうか改めて連動試験を行うことができなかった。
そこで、本発明では遮断断路機能を併せて備える3位置型の開閉器と、保護リレーとの連動試験を行うことを可能にするスイッチギヤを提供することを第1の目的とする。また、係るスイッチギヤについての遮断断路機能を併せて備える3位置型の開閉器と、保護リレーとの連動試験方法を提供することを第2の目的とする。
第1の目的を実現すべく、本発明に係るスイッチギヤは遮断・断路機能を備える3位置型の開閉器と、前記開閉器に遮断及び断路指令を与える保護リレーと、該保護リレーからの指令が遮断指令となる場合と断路指令となる場合とを切り替え可能な切り替え装置と、前記開閉器に電力を供給する母線と、前記開閉器から負荷側に電力を供給するケーブルとを備えることを特徴とする。
また、第2の目的を実現すべく、本発明に係るスイッチギヤの連動性試験方法では、遮断・断路機能を備える3位置型の開閉器と、前記開閉器に遮断または断路指令を与える保護リレーと、前記開閉器に電力を供給する母線と、前記開閉器から負荷側に電力を供給するケーブルと、前記保護リレーからの指令が遮断指令となる場合と断路指令となる場合とを切り替え可能な切り替え装置とを備えるスイッチギヤについての前記保護リレーと前記3位置型の開閉器との連動性試験方法であって、前記3位置型の開閉器を投入状態から遮断した後に、前記切り替え装置を切り替えて前記保護リレーからの指令が断路指令となるようにし、前記切り替え装置による切り替え後、前記保護リレーからの指令により前記3位置型の開閉器を断路させることで、前記スイッチギヤにおける前記保護リレーと前記3位置型の開閉器との連動性を試験することを特徴とする。
第1の目的を達成することで、遮断断路機能を併せて備える3位置型の開閉器と、保護リレーとの連動試験を行うことを可能にするスイッチギヤを提供することが可能になる。
また、第2の目的を達成することで、スイッチギヤについての遮断断路機能を併せて備える3位置型の開閉器と、保護リレーとの連動試験を行うことができるようになる。
実施例1に係るスイッチギヤの全体構成を説明するための側断面図である。 母線から負荷に電力を供給するまでのスイッチギヤの機能について実施例を説明するために簡略化した回路図である。 実施例1に係る連動試験の手順を説明するために簡略化した回路図である。
以下では、本発明の実施例を説明する。
本実施例について図1ないし図3を用いて説明する。本実施例に係るスイッチギヤ100は遮断断路機能を備える真空2点切り3位置型の開閉器1と、該真空2点切り3位置型の開閉器1に電力を供給する母線101と、真空2点切り3位置型の開閉器1から負荷側へと電力を供給するケーブル102と、真空接地開閉器104と、真空2点切り3位置型の開閉器1及び真空接地開閉器104の開閉を行うための操作力を提供する操作器103と、緊急時に真空2点切り3位置型の開閉器1に遮断指令を与える保護リレー2と、制御基板10とから概略構成される。
真空2点切り3位置型の開閉器1は、内部を真空とする真空容器114と、2対の対向する可動電極105及び固定電極106と、可動電極105に接続される可動導体112と、固定電極106に接続される固定導体113と、2つの可動導体同士を接続する接続導体107と、開閉時のアークを遮蔽するアークシールドと、可動導体112が真空容器114の真空を保ったまま動作することを可能にするベローズとから主として構成される。
真空接地開閉器104は、内部を真空とする真空容器124と、対向する可動電極110及び固定電極111と、可動電極110に接続される可動導体122と、固定電極111に接続される固定導体123と、開閉時のアークを遮蔽するアークシールドと、可動導体122が真空容器124の真空を保ったまま動作することを可能にするベローズとから構成される。真空接地開閉器104を投入することで、スイッチギヤ100内を接地電位にすることができる。
そして真空2点切り3位置型の開閉器1及び真空接地開閉器104は、固体絶縁物によって一体にモールドされている。また真空2点切り3位置型の開閉器1の負荷側には負荷側に流れる電流を検出する変流器120が設置されており、負荷側に過電流が流れた場合には変流器120で検出できるようになっている。
図2,図3を用いて、遮断・断路指令を与える回路構成について説明する。スイッチギヤ100では、スイッチギヤ100の盤面外側に設けられ、通常時に使用する押しボタンによる遮断・断路指令を与える発信手段5と、負荷側で過電流が発生する等の緊急時に使用し、真空2点切り3位置型の開閉器1に対し、遮断指令を送ることができる保護リレー2を備えている。発信手段5は、投入→遮断コイル7,遮断→断路コイル8,投入コイル9に指令を送ることができ、投入・遮断・断路動作ができる様にしている。通常時においては、この押しボタンに基づく発信手段5によって真空2点切り3位置型の開閉器1の操作を行う。
加えて、本実施例におけるスイッチギヤ100では保護リレー2から遮断→断路コイル8に指令を送ることができるような回路を形成し、かつ保護リレー2からの指令が投入→遮断コイル7に伝わる回路と遮断→断路コイル8に伝わる回路とを切り替える回路切り替え装置6も制御基板10内に備えている。即ち、この例の場合において保護リレー2からの指令は、切り替え前で開閉器1が投入状態にある場合には投入→遮断コイル7に送られるので、投入→遮断コイル7のみが反応して遮断指令となり、切り替え後であって、開閉器1が遮断状態にある場合には遮断→断路コイル8にのみ送られるので、断路指令となる。尚、上記した保護リレー2及び発信手段5は同一の電気信号を出力する。
スイッチギヤ100は、保護リレー2または発信手段5からの指令を、投入→遮断コイル7が受けることで、真空2点切り3位置型の開閉器1を投入位置から遮断位置へと移動させるように操作器103が動作する。即ち、投入→遮断コイル7は遮断指令を受ける受遮断指令手段として働く。また、保護リレー2または発信手段5からの指令を、遮断→断路コイル8が受けることで、真空2点切り3位置型の開閉器1を遮断位置から断路位置へと移動させるように操作器103が動作する。即ち、遮断→断路コイル8は断路指令を受ける受断路指令手段として働く。そして投入→遮断コイル7と、遮断→断路コイル8は同じ指令に対して反応し、それにより操作器103は遮断または断路動作を開始する。ここで、遮断→断路コイル8は真空2点切り3位置型の開閉器1が断路位置にある場合にのみ反応するようにしている。これにより、開閉器が遮断位置にないにも関わらず誤って指令が伝達された場合に誤動作が生じるのを防止する。
保護リレー2と真空2点切り3位置型の開閉器1との連動の重要性について説明すると、保護リレー2と真空2点切り3位置型の開閉器1が正常に連動している場合には、系統に例えば事故時において過電流が流れたときには、負荷側に設けた変流器120が過電流を検出し、過電流が流れていることを保護リレー2に伝達する。係る伝達を受けて保護リレー2は指令を出し、係る保護リレー2からの指令により、真空2点切り3位置型の開閉器1を遮断させ、負荷側に過電流が流れるのを防止することが可能となる。一方で、保護リレー2と真空2点切り3位置型の開閉器1の連動性に異常が生じている場合には、負荷側に過電流が流れるのを防止することができず、負荷側に接続された機器の適切な保護に欠ける。故に、保護リレー2と真空2点切り3位置型の開閉器1の連動性が正常であるか否かについては定期的に確認する必要がある。
ここでは、保護リレー2と真空2点切り3位置型の開閉器1の連動性試験の手順について説明する。連動性試験の開始前においては、通常の通電状態にあり、保護リレー2からの指令である電気信号は投入→遮断コイル7に伝達されるようになっており、係る状態において過電流が流れると、保護リレー2からの指令である電気信号は投入→遮断コイル7に伝達され、投入→遮断コイル7が反応し、操作器103が動作することで遮断動作が行われることになる。連動性試験では、初めに真空2点切り3位置型の開閉器1を遮断位置に移動させ電流を遮断する。この時の遮断指令は保護リレー2から出されたものでなく、押しボタンに基づく発信手段5からの通常の遮断指令によって行う。次に、回路切り替え装置6により、保護リレー2からの電気信号が真空2点切り3位置型の開閉器1の遮断→断路コイル8に伝わるように回路を切り替える。回路切り替え後は、保護リレー2からの指令を遮断→断路コイル8に伝え、真空2点切り3位置型の開閉器1を遮断位置から断路位置へと移動させる。
上記連動性試験により確認できる内容について説明する。初めに、通常時に使用する押しボタンによる遮断・断路指令を与える発信手段5によって、真空2点切り3位置型の開閉器1を遮断位置に移動させて電流を遮断する。これにより、投入→遮断コイル7が正常に発信手段5からの指令を受けることができること、及び係る指令を受けて操作器103が正常に遮断動作を行えることが確認できる。しかしながら係る試験は、通常の遮断指令によるものであり、この試験のみでは保護リレー2から正常な指令が送られているか否かについての確認は行えない。
そこで本実施例では、さらに回路切り替え装置6による回路切り替え後に、保護リレー2からの指令を遮断→断路コイル8に伝え、真空2点切り3位置型の開閉器1を遮断位置から断路位置へと移動させている。この試験により、保護リレー2から遮断→断路コイル8に正常な指令が送られていること、及び係る指令を受けて操作器103が正常に断路動作を行えることが確認できる。
最初の遮断動作の試験によれば、投入→遮断コイル7が正常に発信手段5からの指令を受けることができること、及び係る指令を受けて操作器103が正常に遮断動作を行えることが確認できており、最後の保護リレー2の動作に基づく断路動作の試験によれば、保護リレー2は遮断→断路コイル8に対して正常な指令を送っていること、及び係る指令を受けて操作器103が正常に断路動作を行えることが確認できている。ここで、上述したように、保護リレー2及び発信手段5は同一の電気信号を出力し、さらに投入→遮断コイル7と、遮断→断路コイル8は同じ指令に対して反応するものである。係る条件を加味することで、保護リレー2は投入→遮断コイル7に対しても正常な指令を送ることができ、さらに投入→遮断コイル7が係る指令を受けて操作器103が正常に遮断動作を行うことが担保されたことになる。
上述の如き構成で、遮断断路機能を有する3位置型の開閉器を備えるスイッチギヤについて、上記手順を取ることにより保護リレー2と3位置型の開閉器との連動性試験を行うことが可能となる。
尚、本実施例ではさらに2点切りの開閉器を一例として説明したが、2点切りに限定されるものではないことは言うまでもない。
また開閉器についても真空絶縁や固体絶縁を一例として説明しているが、例えば気中絶縁やガス絶縁さらにはそれらと真空絶縁や固体絶縁を組合せた開閉器であっても適用は可能である。
また本実施例では、保護リレー2及び発信手段5は同一の電気信号を出力し、さらに投入→遮断コイル7と、遮断→断路コイル8は同じ指令に対して反応する場合について説明したが、同一または同じであることは必ずしも必須ではなく、保護リレー2及び発信手段5のいずれの信号に対しても、投入→遮断コイル7及び遮断→断路コイル8のいずれもが反応することが可能であれば良い。また、電気信号に限るものでもなく、例えば光通信等他の種類の信号であっても良いことは言うまでもない。本実施例で説明したように同一及び同じとした場合、投入→遮断コイル7と、遮断→断路コイル8は一つの指令に対して反応すれば良いので、反応に必要な構成を例えば複数設ける等する必要がなく、コスト低減を図れる点でより有益である。
1 開閉器
2 保護リレー
5 発信手段
6 回路切り替え装置
7 投入→遮断コイル
8 遮断→断路コイル
9 投入コイル
10 制御基板
100 スイッチギヤ
101 母線
102 ケーブル
103 操作器
104 真空接地開閉器
105,110 可動電極
106,111 固定電極
107 接続導体
108 母線側導体
109 負荷側導体
112,122 可動導体
113,123 固定導体
114,124 真空容器
120 変流器

Claims (9)

  1. 遮断・断路機能を備える3位置型の開閉器と、前記開閉器に遮断及び断路指令を与える保護リレーと、該保護リレーからの指令が遮断指令となる場合と断路指令となる場合とを切り替え可能な切り替え装置と、前記開閉器に電力を供給する母線と、前記開閉器から負荷側に電力を供給するケーブルとを備えることを特徴とするスイッチギヤ。
  2. 請求項1に記載のスイッチギヤであって、前記スイッチギヤはさらに変流器を備えており、該変流器により前記開閉器の負荷側に流れる電流を測定することを特徴とするスイッチギヤ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスイッチギヤであって、前記開閉器は真空絶縁されており、かつ2対の固定電極及び可動電極を備えている開閉器であることを特徴とするスイッチギヤ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のスイッチギヤであって、該スイッチギヤはさらに、前記開閉器に与える遮断指令を受ける受遮断指令手段と、前記開閉器に与える断路指令を受ける受断路指令手段と、前記受遮断指令手段及び前記受断路指令手段に指令を送る発信手段と、前記保護リレーから送られる指令が前記受遮断指令手段に送られる第1の回路と、前記保護リレーから送られる指令が前記受断路指令手段に送られる第2の回路とを備え、
    前記保護リレーは前記受遮断指令手段及び前記受断路指令手段に指令を送り、前記回路切り替え装置は前記保護リレーから送られる指令が前記受遮断指令手段に送られる前記第1の回路と前記受断路指令手段に送られる前記第2の回路とを切り替えることで、前記保護リレーからの指令が遮断指令となる場合と断路指令となる場合とを切り替え可能とすることを特徴とするスイッチギヤ。
  5. 請求項4に記載のスイッチギヤであって、前記受断路指令手段は前記開閉器が遮断位置にある場合に限り、前記保護リレー又は前記発信手段からの指令に反応することを特徴とするスイッチギヤ。
  6. 請求項4または請求項5に記載のスイッチギヤであって、前記保護リレーと前記発信手段とは同じ指令を出力することを特徴とするスイッチギヤ。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか一つに記載のスイッチギヤであって、前記受遮断指令手段と前記受断路指令手段とは同一の指令に対して反応することを特徴とするスイッチギヤ。
  8. 遮断・断路機能を備える3位置型の開閉器と、前記開閉器に遮断または断路指令を与える保護リレーと、前記開閉器に電力を供給する母線と、前記開閉器から負荷側に電力を供給するケーブルと、前記保護リレーからの指令が遮断指令となる場合と断路指令となる場合とを切り替え可能な切り替え装置とを備えるスイッチギヤについての前記保護リレーと前記3位置型の開閉器との連動性試験方法であって、
    前記3位置型の開閉器を投入状態から遮断した後に、前記切り替え装置を切り替えて前記保護リレーからの指令が断路指令となるようにし、
    前記切り替え装置による切り替え後、前記保護リレーからの指令により前記3位置型の開閉器を断路させることで、前記スイッチギヤにおける前記保護リレーと前記3位置型の開閉器との連動性を試験することを特徴とするスイッチギヤの連動性試験方法。
  9. 遮断・断路機能を備える3位置型の開閉器と、後述する受遮断指令手段及び受断路指令手段に指令を送る保護リレーと、後述する受遮断指令手段及び受断路指令手段に指令を送る発信手段と、前記開閉器に与える遮断指令を受ける受遮断指令手段と、前記開閉器に与える断路指令を受ける受断路指令手段と、前記保護リレーから送られる指令が前記受遮断指令手段に送られる回路と前記受断路指令手段に送られる回路とを切り替える回路切り替え装置と、前記開閉器に電力を供給する母線と、前記開閉器から負荷側に電力を供給するケーブルとを備えるスイッチギヤについての前記保護リレーと前記3位置型の開閉器との連動性試験方法であって、
    前記回路切り替え装置が、前記保護リレーから送られる指令が前記受遮断指令手段に送られる回路を形成している条件下で、
    前記発信手段により前記3位置型の開閉器に遮断指令を出し、前記3位置型の開閉器を遮断位置に移動させた後、
    前記回路切り替え装置を動作させて前記保護リレーから送られる指令が前記受断路指令手段に送られる回路を形成するように切り替えて、
    前記保護リレーにより前記3位置型の開閉器に断路指令を出し、前記3位置型の開閉器を断路位置に移動させることで、前記スイッチギヤにおける前記保護リレーと前記3位置型の開閉器との連動性を試験することを特徴とするスイッチギヤの連動性試験方法。
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