JP4982390B2 - 高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法 - Google Patents

高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法 Download PDF

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本発明は、高湿分空気を燃焼用空気として利用する高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法に関する。
ガスタービンの排熱を回収したエネルギーにより、加湿装置でガスタービンの圧縮空気に加湿した高加湿空気を加熱して燃焼用空気の質量流量とエンタルピーを増加させ、この加熱した高湿分空気と燃料とをガスタービン燃焼器で燃焼させた高温の燃焼ガスでタービンを駆動させて、ガスタービン出力および発電効率を向上させる高湿分空気利用ガスタービンの技術が、特開2006−2570号公報に開示されている。
この特開2006−2570号公報に記載された高湿分空気利用ガスタービンは、タービンから排出した排ガス中の湿分を回収する水回収装置を備えており、この水回収装置で回収された水は、水を循環させる第一の系統に設置された不純物を除去する分離装置により浄化されて再び水回収装置に供給される。
また、この水回収装置で回収された水は、水を循環させる第二の系統に設置された不純物を除去する分離装置により浄化されて加湿装置に供給される。
特開2006−2570号公報に記載された不純物を除去する前記分離装置は、第一の系統と第二の系統とでは、それぞれ除去する不純物の種類、水の処理容量、及び処理後の水質純度が異なっていることが開示されている。
また、特開2000−54854号公報には、ガスタービンの排熱を回収する排熱回収ボイラで水蒸気を発生させ、この水蒸気をガスタービン燃焼器に注入してガスタービン出力を増大する蒸気注入式ガスタービンが開示されている。
特開2000−54854号公報に記載されたガスタービンには、排熱回収ボイラ出口の排ガスを凝縮させる凝縮器が設置されており、排ガスから除湿することにより排ガスを大気に放出した際の白煙発生を防止するとともに、凝縮器で回収した水分を水処理装置に導き、排熱回収ボイラの給水として再利用する技術が開示されている。
そしてこの水処理装置には、除塵フィルタ、脱気器、及びイオン交換装置が備えられている。
特開2006−2570号公報 特開2000−54854号公報
ところで、高湿分空気利用ガスタービンでタービンから排出される排ガス中の湿分を回収する場合、回収水が排ガス中の窒素酸化物、二酸化炭素を吸収することにより、回収水には硝酸イオン、炭酸イオンなど不純物が混入する。
さらに、ガスタービン燃焼器に供給する圧縮空気に加湿する高湿分空気利用ガスタービンの場合には、大気中に含まれる微量の亜硫酸ガスが加湿装置の循環水に吸収され、亜硫酸水素イオンが不純物として循環水に混入する。
これらの回収水及び循環水を浄化する際に、ガスタービン燃焼器に加湿空気を供給して出力あるいは発電効率を向上する高湿分空気利用ガスタービンに対して以下の課題がある。
課題(1):回収水及び循環水の水質浄化の際に水質浄化装置の動作の動作に伴なう水の損失量が比較的多く、水回収装置を設置した効果を減少させる。
課題(2):回収水及び循環水を浄化する水質浄化装置の動作可能温度が比較的低温であり、この動作可能温度にまで比較的高温の回収水及び循環水を冷却する必要があるので、この冷却が高湿分空気利用ガスタービンの熱損失となって出力及び発電効率が低下する。
上記課題(1)に関しては、回収水及び循環水の浄化で不純物イオンを除去するためにイオン交換樹脂を用いた場合、イオン交換樹脂の再生処理が必要であり、その際に水を消耗する。
イオン交換樹脂の再生処理では運転時間と再生時間の時間平均で、処理量の概ね10%の水が損失となる。
イオン交換樹脂の再生処理で樹脂再生の頻度を低減するためにイオン交換樹脂の上流側に逆浸透膜を設置する方法が知られているが、逆浸透膜からは常に不純物の濃縮水が排出されるため、逆浸透膜を設置しても水質浄化処理により失われる水量を低減することは難しい。
また、前記特開2006−2570号公報に開示された高湿分空気利用ガスタービンにおいて、水を循環させる第二の系統とは高湿分空気利用ガスタービンに設置された水回収装置で回収した回収水を加湿装置に供給する系統であり、その流量は加湿装置での加湿量に相当する。
水質浄化装置を設置した場合に処理量の10%が失われると仮定すると、加湿装置の加湿量の10%が損失することになる。
前記特開2006−2570号公報に開示された水を循環させる第一の系統の損失水量を加えると、高湿分空気利用ガスタービンのシステム全体の損失水量はさらに増加する。
次に、上記課題(2)に関しては、水質浄化装置としてイオン交換樹脂を用いた場合、強塩基性陰イオン交換樹脂の耐熱温度は約40℃であるので、水回収装置で回収された比較的高温の水を実際の運用上は35℃以下まで冷却する必要がある。
水回収装置で回収する回収水の温度は排ガスの露点温度より若干低温な55℃程度であり、加湿装置の加湿量相当の水を55℃から35℃まで、20℃の冷却が必要となる。
この場合、高湿分空気利用ガスタービンのシステム計算の結果では、発電効率が0.16pt%低下する。
本発明の目的は、高湿分空気利用ガスタービンで排ガスから湿分を回収して加湿装置の循環水として再利用する場合に、循環水の水質浄化の際に生じる損失水量と熱損失量の低減を可能にする高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法を提供することにある。
本発明の高湿分空気利用ガスタービンは、空気を圧縮して高圧空気を吐出する圧縮機と、圧縮機から吐出された高圧空気を加湿する加湿装置と、燃焼用空気と燃料とを混合燃焼して燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動するタービンと、タービンから排出された排ガスを熱源として前記加湿装置で加湿された加湿空気を加熱する再生熱交換器を備え、再生熱交換器で加熱された加湿空気を前記ガスタービン燃焼器の燃焼用空気として供給する高湿分空気利用ガスタービンにおいて、前記再生熱交換器を流下した排気ガスから水分を回収する水回収装置を設置し、前記水回収装置は排気ガスに含まれる湿分を凝縮させた水を回収する回収水容器を備え、前記水回収装置の前記回収水容器に回収された回収の一部を加湿装置の循環水として供給する第一の配管系統と、加湿装置から抜き出した循環水の一部を水回収装置の回収水容器に供給する第二の配管系統とを配設し、前記第二の配管系統に該第二の配管系統を流下する循環水を浄化する水質浄化装置を設置したことを特徴とする。
また、本発明の高湿分空気利用ガスタービンの運転方法は、圧縮機によって空気を圧縮して高圧空気を吐出し、圧縮機から吐出された高圧空気に加湿装置によって加湿して加湿空気を生成し、加湿装置で加湿された加湿空気をタービンから排出した排ガスから熱を回収する再生熱交換器によって加熱し、再生熱交換器で加熱した加湿空気を燃焼用空気として供給してガスタービン燃焼器によって燃料と混合燃焼させて燃焼ガスを生成し、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスを駆動流体として前記タービンを駆動するように構成した高湿分空気利用ガスタービンの運転方法において、前記再生熱交換器の下流側に設置された水回収装置によってタービンから排出した排気ガスから該排気ガスに含まれた水分を凝縮させて前記回収水容器に備えた回収水容器に回収し、前記水回収装置の該回収水容器に回収された回収の一部前記回収水容器から前記加湿装置に至るように配設した第一の配管系統を通じて前記加湿装置に循環水として供給し、前記加湿装置に溜まった循環水の一部を加湿装置から引き出して水回収装置の前記回収水容器に至るように配設した第二の配管系統を流下させ、この第二の配管系統に設置された水質浄化装置によって該第二の配管系統を流下する循環水を浄化し、浄化された循環水を前記水回収装置の前記回収水容器に供給するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、高湿分空気利用ガスタービンで排ガスから湿分を回収して加湿装置の循環水として再利用する場合に、循環水の水質浄化の際に生じる損失水量と熱損失量の低減を可能にした高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法が実現できる。
本発明の実施例である高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法について図面を参照して以下に説明する。
図1は本発明の一実施例である高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタ
ービンの運転方法を示す高湿分空気利用ガスタービン設備の概略系統図である。
図1において、高湿分空気利用ガスタービン設備は、空気を圧縮して高圧空気を吐出する圧縮機2と、この圧縮機2から吐出した高圧空気と燃料とを混合燃焼するガスタービン燃焼器4と、ガスタービン燃焼器4が燃料と高圧空気とを混合燃焼させて生成する高温の燃焼ガスを駆動流体にして駆動されるタービン1と、このタービン1によって回転し発電する発電機3とを備えている。
圧縮機2とタービン1と発電機3とを連結する軸5は図示しない減速機に接続されており、発電機3で発電した電力は図示しない電力系統に送電可能に構成している。
前記した高湿分空気利用ガスタービン設備を構成する圧縮機2には、圧縮機2が吸入する空気を取り込む吸気室14が設置されており、この吸気室14の入口には図示しない吸気フィルタが設置されている。
圧縮機2から吐出された高圧空気がガスタービン燃焼器4に供給される経路31には、圧縮機2による圧縮により高温となった高圧空気から熱を回収して水を生成する空気冷却器21と、この空気冷却器21にて高温の高圧空気から熱を回収されて冷却した圧縮空気を加湿する加湿装置7と、タービン1から排出された高温の排気ガス13を熱源として加湿装置7を経た加湿空気を加熱する再生熱交換器12とがそれぞれ設置するように構成されている。
そして再生熱交換器12によって加熱された加湿空気は再生熱交換器12から経路32を通じてガスタービン燃焼器4に燃焼用空気として供給されるように構成されている。
また、再生熱交換器12を流下した排気ガス13の下流側にはエコノマイザ16が設置されており、再生熱交換器12を経た排気ガス13を熱源として該エコノマイザ16にて加熱した加湿用の水を、加湿装置7の循環水として配管65を通じて加湿装置7に供給するように構成されている。
更に、エコノマイザ16を流下した排気ガス13の下流側には水回収装置17が設置されており、エコノマイザ16を経た排気ガス13に含まれる湿分を該水回収装置17にて凝縮させて回収し、この回収した水を加湿装置7の循環水として配管64を通じて加湿装置7に供給するように構成されている。
加湿装置7は充填物72を内蔵した容器であり、一方で空気冷却器21とエコノマイザ16でそれぞれ熱回収して生成した水は配管67及び配管65を通じて該加湿装置7に導いて、充填物72の上方に設置された液分散器(図示せず)から散布させており、他方で圧縮機2から吐出されて空気冷却器21を経由した高圧空気は経路31を通じて該加湿装置7に流入させている。
そして加湿装置7の内部では、散布して充填物72の表面を流下する水と、充填物72の下方から上向きに流れる高圧空気とを気液直接接触させることによって前記高圧空気を加湿する構造となっている。
加湿装置7の下部容器62には、充填物72表面を流下した水が収集されるが、この収集された水は配管40に設置されたポンプ63により加圧されて、配管40から分岐した配管66を経由して排ガス13から熱を回収する水としてエコノマイザ16へ給水されると共に、同じく配管40の途中から分岐した配管67を経由して高圧空気から熱を回収する水として空気冷却器21へ給水されるように構成されている。
エコノマイザ16で排ガス13から熱を回収して加熱された水、及び空気冷却器21で高温空気から熱を回収して加熱された水は、配管65及び経路31を通じて再び加湿装置7に導かれて、この加湿装置7の内部に配設された充填物72の上方の液分散器にそれぞれ供給されるように構成されている。
そして加湿装置7によって加湿され、再生熱交換器12によって加熱された高温の加湿空気は、燃焼用空気として経路32を通じてガスタービン燃焼器4に供給され、このガスタービン燃焼器4にて燃料と混合して燃焼し、高温の燃焼ガスを生成する。
このガスタービン燃焼器4で生成した高温の燃焼ガスはタービン1を駆動して発電機3を回転させて発電した後に、高温の排気ガス13としてタービン1から排気される構成となっている。
さらに、タービン1から排気された高温の排気ガス13は、再生熱交換器12、エコノマイザ16を順次流下して熱回収され、最下流側に配設した水回収装置17に導入される。
水回収装置17は、スプレイノズル71から供給される水と排気ガス13との気液直接接触により排気ガス13に含まれる湿分を凝縮させ、下部空間の回収水容器60に凝縮した水を回収する構造となっている。
また、回収水容器60の回収水の一部は、配管64に設置されたポンプ61によって加圧されて配管64から分岐した配管75を通じて冷却器18に供給され、この冷却器18にて冷却されたのちに配管75を経由して前記水回収装置17の内部に配設されたスプレイノズル71に供給され、スプレイノズル71から散水される構造となっている。
水回収装置17の回収水容器60に回収された回収水の一部は、ポンプ61によって加圧されて配管64を経由して加湿装置7の下部容器62に供給される構造となっている。
また、水回収装置17の回収水容器60には、補給水タンク70に保有する補給水が配管68を通じて供給可能なように補給水タンク70からポンプ69を備えた配管68が配設されている。
更に、加湿装置7の下部容器62に回収された水の一部は、ポンプ63を備えた配管40を通じて水回収装置17の回収容器60に供給されるように構成されており、また、水回収装置17の回収容器60で回収された回収水の一部はポンプ61を備えた配管64を通じて加湿装置7の下部容器62に供給されるように構成されている。
ところで、加湿装置7とエコノマイザ16との間で加湿装置7の下部容器62に回収された水の一部を循環水として循環させる配管40から分岐した配管66と配管65とによって水の循環水ラインが形成されている。
また加湿装置7と空気冷却器21との間で加湿装置7の下部容器62に回収された水の一部を循環水として循環させる配管40から分岐した配管67によって水の循環水ラインが形成されている。
そして、加湿装置7から水回収装置17に至るポンプ63を備えた配管40の途中には水質浄化装置41が設置されており、この水質浄化装置41の上流側となる配管40には配管40を流れる流量を調節する弁42が配設されている。
尚、図1に示した太い破線は水を流下させる各配管を、同じく細線は空気又はガスを流下させる各経路をそれぞれ示している。
次に図2を用いて、図1に示した高湿分空気利用ガスタービン設備に備えられた水質浄化装置41について更に詳細に説明する。
図2において、水質浄化装置41は、上流側より下流側に向かって受入槽50と、ポンプ51と、冷却器52と、脱気装置53と、イオン交換樹脂54とを順次配設した構成となっており、これらの各機器は配管によって接続されている。
冷却器52には、図示しない配管によって冷却水が供給されており、この冷却器52による冷却によって前記した循環水ラインを通じて加湿装置7に循環する循環水を35℃以下に冷却可能な機能を有している。
また、イオン交換樹脂54は、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂から構成され、樹脂の消耗に応じて再生薬品を自動注入して樹脂を再生する機能を備えている。
次に図1及び図2を用いて、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備の動作を説明する。
図1及び図2において、吸気室14に吸い込まれた空気は吸気フィルタによって煤塵などを除去されたあと圧縮機2に流入し、この圧縮機2によって圧縮されて高温の高圧空気を吐出する。
圧縮機2から吐出された高温の高圧空気は、経路31を通じて空気冷却器21に流入し、この空気冷却器21によって熱を回収されて冷却される。
空気冷却器21によって高温の高圧空気を冷却する理由は、高圧空気を加湿する加湿装置7の内部に配設した充填物72から流下する水の温度を可及的に低下させて、加湿装置7からエコノマイザ16に供給する水の給水温度を低下させるものである。
この結果、前記エコノマイザ16でタービン1から排出された高温の排ガス13の温度を効果的に低下させることが出来、高湿分空気利用ガスタービンのシステムとしての排熱回収量を増加させことが可能となる。
空気冷却器21で冷却された高温の高圧空気は、経路31を通じて加湿装置7に内蔵された充填物72の下部に供給され、配管65を通じて加湿装置7の充填物72の上方から散布されて流下する水と充填物72の表面で気液接触を繰返すことによって加湿される。
加湿装置7において充填物72の上方から散布された水は、高圧空気を加湿することにより蒸発した分だけ流量が減少し、蒸発しなかった水が加湿装置7の下部容器62に収集される。
加湿装置7の下部容器62に収集された循環水の一部は、配管40に設置されたポンプ63により加圧されて配管40の途中から分岐した配管66を経由してエコノマイザ16へ給水され、このエコノマイザ16によってタービン1から排出された高温の排ガス13から熱を回収して加熱された循環水となり、配管65を通じて再び加湿装置7の上部空間に配設された図示していない液分散器に供給することによって加湿装置7を循環する。
一方、配管40に設置されたポンプ63により加圧された循環水の一部は、配管40の途中から分岐した配管67を経由して空気冷却器21へ供給され、この空気冷却器21によって圧縮機2から吐出された高温の高圧空気から熱を回収して加熱された循環水となり、配管67を通じて再び加湿装置7の上部空間に配設された図示していない液分散器に供給することによって加湿装置7を循環する。
この加湿装置7の循環水は、加湿装置7にて高圧空気を加湿することにより減少してくるので、水回収装置17の回収容器60に回収された回収水を配管64を通じて加湿装置7に供給して補給し、この加湿装置7の下部容器62の循環水の水位が一定になるように制御する。
そして加湿装置7内で加湿された高圧空気は、経路31を通じて再生熱交換器12に供給され、この再生熱交換器12にてタービン7から排出される排ガス13と熱交換して熱回収することにより高温に加熱し、この高温の加湿された高圧空気を再生熱交換器12から経路32を通じてガスタービン燃焼器4に燃焼用空気として供給する。
ガスタービン燃焼器4では、燃料とこの高温の加湿された高圧空気とを混合させて燃焼させ、高温の燃焼ガスを生成させる。
このときガスタービン燃焼器4で必要な燃料は、燃焼用空気となる高温の加湿された高圧空気が再生熱交換器12によって高温に加熱されているため、再生熱交換器12が無い場合に比較して大幅に燃料の供給量を節約することができ、よって高湿分空気利用ガスタービン設備のプラント熱効率が向上する。
ガスタービン燃焼器4での燃焼によって生成した高温の燃焼ガスはタービン1に駆動流体として供給され、タービン1を構成する図示しない静翼と動翼とを通過することにより、ブレイトンサイクルの膨張過程を経て熱エネルギーが回転運動エネルギーに変換される。
タービン1で変換された回転運動エネルギーは、タービン1と同じ軸で連結された圧縮機2を駆動することに消費されると共に、発電機3を回転させて発電することにより電気エネルギーとして取り出される。
この際、加湿装置7によってガスタービン燃焼器4に供給される高圧空気には湿分が加えられていることにより、ガスタービン燃焼器4で燃焼して生成される燃焼ガスの流量は、加湿していない場合と比較して湿分の流量分だけ増加する。従って、タービン1を駆動する駆動流体の流量が増加したことにより、通常のシンプルサイクルのガスタービンと比較してより多くのエネルギーを取り出すことができ、ガスタービン設備のプラント熱効率の向上に寄与する。
本実施例の高湿分空気利用ガスタービンでは、タービン1を駆動して排出された高温の排ガス13は、下流側に設置された再生熱交換器12に流入して熱を回収され、前記した加湿装置7から供給される加湿された高圧空気の加熱に利用される。
さらに、再生熱交換器12を流下した排ガス13は再生熱交換器12の下流側に設置されたエコノマイザ16に流入して熱を回収され、このエコノマイザ16によって加湿装置7の循環水ラインを構成する配管66から供給された循環水を加熱して、加湿装置7に配管65を通じて戻す循環水を加熱するために利用される。
また、エコノマイザ16を流下した排ガス13はエコノマイザ16の下流側に設置された水回収装置17に流入する。
この水回収装置17では、配管75から供給されスプレイノズル71から散布される水と排ガス13とが気液直接接触して排ガス13に含まれる湿分が凝縮し、水回収装置17の下部空間の回収水容器60に凝縮水が回収される。
また水回収装置17を流下した排ガス13は図示しないスタックから大気中に放出される。
水回収装置17の回収水容器60で回収した回収水の一部は配管64に設置されたポンプ61により昇圧され、配管64を経由して加湿装置7の下部容器62に供給され、循環水となる。
水回収装置17の回収水容器60に回収した回収水の他の一部は、配管64に設置されたポンプ61により昇圧され、配管64から分岐した配管75を経由して冷却器18に供給され、この冷却器18で冷却されたのちに再び配管75を経由して水回収装置17に供給してスプレイノズル71から水回収装置17の内部に散布される。
水回収装置17の回収水容器60の水位は、排ガス13に含まれた湿分を凝縮することにより回収された水量と、配管64から加湿装置7へ供給される水量(加湿装置7での高圧空気への加湿量に相当)のバランスにより変化する。
そこで、水回収装置17での水の回収量が加湿装置7での加湿量よりも多い場合は、図示しない排水機構によって水回収装置17の回収水容器60から外部に余分な水を排出し、回収量が加湿量よりも少ない場合には、補給水タンク70の補給水を配管68を通じて水回収装置17の回収水容器60に補給して、回収水容器60の水位を一定に維持する。
水回収装置17のスプレイノズル71から散布された水は、水回収装置17の内部で排ガス13と気液接触して排ガス中の窒素酸化物、二酸化炭素を吸収し、水回収装置17の回収水容器60に回収された回収水の水中でこれらの不純物が電離して硝酸イオン、炭酸イオンとなる。
これらの不純物イオンは時間とともに濃度が上昇するが、さらに時間が経過すると回収水容器60から配管64を経由して加湿装置7に供給される回収水の硝酸イオンと炭酸イオンの濃度が上昇する。
さらに、水回収装置17の回収水容器60に回収された回収水の水中から、気液平衡によって排ガス13側に放散する炭酸イオンの量も増加することから、各イオン濃度が平衡状態に達する。
次に本実施例の高湿分空気利用ガスタービンを構成する水回収装置17で回収された循環水となる水回収循環水の不純物イオン濃度について、その時間変化を図3に示す。
図3に水回収循環水に関する不純物イオン濃度の時間変化は、硝酸イオンを細線で示し、炭酸イオンを破線で示すだけでなく、pHの時間変化も太い実線で示して併記してある。
図3に示したように、水回収循環水は、(1)水回収装置17の回収水容器60から配管64を経由して加湿装置7の循環水へ不純物イオンの硝酸イオンと炭酸イオンが移送される効果、(2)水回収装置17での気液平衡により水中から排ガス側に炭酸が放散する効果により、特に水質浄化装置を設置しなくとも、pH=4.8程度、炭酸イオン1mg/L程度、硝酸イオン0.2mg/L程度で平衡状態となる。
従って、水回収装置17を構成する材料として、pH=4.8程度に対応可能な材料を選択すれば、配管65に水質浄化装置を設置しなくとも水回収装置を構成することが可能である。
また、pH=4.8程度の条件であれば高価なステンレス鋼を用いなくても、例えばボイラの過熱器や再熱器に用いられるSTBA24やSTBA26などの低合金鋼が利用でき、比較的低コストに機器を構成することができる。
次に、加湿装置7の循環水は、(1)水回収装置17の回収水容器60から配管64を経由して移送される硝酸イオンと炭酸イオンの混合、(2)加湿装置7の充填物72での気液接触による空気中からの亜硫酸ガスの吸収の影響を受ける。
このとき、亜硫酸ガスが吸収された後、不揮発性の亜硫酸水素イオンとなるため、気液平衡により加湿装置7で水中から空気側に不純物が放散するものは、炭酸イオンのみとなる。
そこで、本実施例の高湿分空気利用ガスタービンを構成する加湿装置7の循環水の不純物イオン濃度について、水質浄化装置41を稼動させない場合における加湿装置7の循環水の時間変化を図4に示す。
図4に示したように、水質浄化装置41を稼動させない場合には、加湿装置7の循環水の硝酸イオンは細線で、炭酸イオンは破線で、pHは太い実線で、亜硫酸水素イオンは太い破線でそれぞれ示されているように、硝酸イオンと亜硫酸水素イオンの濃度は時間経過にしたがって単調増加し、pHと炭酸イオン濃度は時間経過に従って単調減少する。
炭酸イオン濃度が減少する理由は、炭酸が弱酸であり、pHの低下とともに炭酸イオンが解離しない向きに化学平衡が移動するためである。
このような循環水の不純物イオンの濃縮を制限するため、本実施例の高湿分空気利用ガスタービンでは、加湿装置7の下部容器62から配管40を通じて加湿装置7の循環水を抜き出し、配管40に設置した水質浄化装置41に供給し、この水質浄化装置41を稼動させて循環水を浄化処理して循環水に含まれている前記各不純物イオンを除去するように構成している。
そして水質浄化装置41によって前記各不純物イオンを除去して浄化された循環水は配管40を通じて水回収装置17に供給され、この水回収装置17を経由して配管64を通じて再び加湿装置7に循環水として供給されるように構成されている。
前記水質浄化装置41は、図2を用いて既に説明したように水質浄化装置41を構成する受入槽50で加湿装置7から供給された循環水を受け入れ、ポンプ51で昇圧して一定の水量の循環水を冷却器52に供給する。
冷却器52では、図示しない配管を通じて供給された冷却水によってポンプ51から送出された循環水を35℃以下に冷却する。
冷却器52で冷却された循環水は脱気装置53に供給されて主に炭酸ガスを脱気する。
脱気装置53によって脱気する理由は、排ガスとの接触により循環水に大量に吸収した炭酸ガスを排出し、後段のイオン交換樹脂54の消耗を少なくするためである。
この脱気装置53は充填塔で構成しても良いし、脱気膜で構成しても良い。
脱気装置53を充填塔で構成する場合は大気との接触で脱気するため、大気中から新たに亜硫酸ガスなどを吸収する可能性があるが、圧力損失が小さく、機器コストが比較的安価な特徴がある。
脱気装置53を脱気膜で構成する場合は大気との接触は発生しないが、脱気膜での圧力損失、脱気膜のメンテナンスなどの留意すべき点がある。
脱気装置53によって脱気された循環水はイオン交換樹脂54に供給されて、炭酸イオン、硝酸イオン、亜硫酸水素イオンなどの不純物イオンが除去される。
このイオン交換樹脂54で不純物イオンが除去される際に、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオンなど、補給水タンク70から水回収装置17の回収装置60に供給される補給水に由来する不純物イオン成分も除去される。
イオン交換樹脂54は、陰イオンと陽イオンを除去できる混床式の塔内に格納されており、樹脂の再生に備えて複数の切り替え可能な系統から構成されている。
イオン交換樹脂54は時間の経過とともに使用中の塔のイオン交換樹脂が消耗してくるので、別の系統に切り替えて水質浄化運転を継続させる。
別の系統に切り替えて水質浄化運転を継続している間に、消耗したイオン交換樹脂塔には再生薬品を自動注入して樹脂を再生する。
樹脂を再生する際には浄化した水により樹脂を洗浄するので、浄化水の損失が発生する。
また、イオン交換樹脂54によって不純物を除去された循環水は、配管40を通じて水回収装置17の回収水容器60に供給される。
加湿装置7の下部容器62に貯蔵された循環水は、配管40を通じて循環水の一部を抜き出すようにした結果、加湿装置7の循環水から継続的に不純物が排出されるため、加湿装置7の循環水の不純物イオン濃度の時間変化は、図5に示したようになる。
即ち、図5に硝酸イオンを細線で、炭酸イオンを破線で、pHを太い実線で、亜硫酸水素イオンを太い破線でそれぞれ示したように、時間経過にしたがって、(a)加湿装置7から配管40を経由して系外に排出される循環水の不純物と、(b)配管64を経由して水回収装置17から加湿装置7に流入する循環水に含まれている不純物と、(c)加湿装置7の充填物72表面で空気から循環水に吸収される不純物の量が釣り合い、不純物濃度は平衡状態になる。
図5は、加湿装置7から配管40を通じて抜き出す循環水の量を、加湿装置7で高圧空気に加湿される湿分量の10%とした場合の例であり、平衡状態での循環水の亜硫酸水素イオン濃度は1mg/L程度、硝酸イオン濃度は0.2mg/L程度、pHは4.8程度となっている。
この際、加湿装置7から約90℃の循環水を連続して系外に抜き出すため、高湿分空気利用ガスタービン設備の発電効率は0.05pt%低下する。
これに対して、水質浄化装置を水回収装置17から回収水を加湿装置7に供給する配管64に設置する従来の技術では、加湿装置7へ補給される水の不純物は水質浄化装置によって除去されているが、加湿装置7で吸収した不純物の浄化はなされないため、時間とともに加湿装置7の循環水の不純物は濃縮することになる。
更に、配管64に前記水質浄化装置を設置した場合には、加湿装置7で高圧空気に加湿する加湿量と同等量の水を水質浄化装置で浄化処理するため、浄化に伴い加湿量の10%程度の水をロスすることになる。
その上、前記水質浄化装置としてイオン交換樹脂を用いた場合には、水質浄化装置が設置される配管64の水温を水回収装置17での回収水の温度55℃からイオン交換樹脂の耐熱温度より低い35℃にまで冷却する必要があることから、高湿分空気利用ガスタービン設備の発電効率は0.16pt%低下する。
次に本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備に関して、加湿装置7の循環水を配管40によって加湿装置7から抜き出して水質浄化装置で浄化する量を変化させた場合における、(a)発電効率の変化、(b)損失水量の変化、(c)加湿装置7の循環水のpH値の各データについて、図6(a)〜図6(c)にそれぞれ示す。
図6(a)〜図6(c)には、本実施例の上記各データと比較するために、水質浄化装置を配管64に設置する比較例の場合の測定値(黒色の菱形)も参考として表示している。
ここで、比較例の測定値としては、加湿装置による加湿量と水質浄化装置による循環水の処理量とが同量で、加湿装置から抜き出した循環水の全量を水質浄化装置で水質浄化する場合を想定した測定値を示した。
図6(a)に発電効率の変化として表示されているように、比較例においては水質浄化装置に水を供給する配管64の水温を55℃から35℃に冷却することにより高湿分空気利用ガスタービン設備の発電効率は0.16pt%低下するが、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備においては加湿装置7から配管40を通じて抜き出す循環水の量は、横軸に表示した処理水量(加湿量基準)が加湿量の30%に達した場合に、縦軸の発電効率は0.16pt%低下することが示されている。
従って、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備において比較例よりも発電効率を向上させるためには、配管40によって加湿装置7から抜き出す循環水の量は加湿量の30%以下であることが望ましい。
また、図6(b)に損失水量の変化として表示されているように、水質浄化により失われる水の量は比較例では加湿量の10%程度であるが、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備においては配管40によって加湿装置7から抜き出す循環水の量を加湿量の10%とした場合には、水質浄化により失われる水の量は、縦軸で示したように加湿量の1%程度となり、比較例よりも大幅に低減できることが示されている。
このことは、水質浄化装置41の設備容量と運転コストを低減できるだけでなく、水回収装置17で回収した回収水を加湿装置7の循環水として有効に利用することができ、また、補給水タンク70から水回収装置17に供給する補給水を低減できるため、環境への負荷を低減できることになる。
また、図6(c)にpHの変化として表示されているように、加湿装置7の循環水のpH値は、比較例では不純物が濃縮する一方であるので平衡とはならず、運転開始後100時間経過した場合のpHは3.6となる。
一方、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備では、加湿装置7の循環水を配管40を通じてより多く抜き出すことにより、循環水のpHは中性側にシフトする。
加湿装置7および周辺機器にステンレス鋼以外の低コストな材料を用いるには、例えば循環水のpHが4.5以上であれば可能であり、図6(c)の縦軸に示したようにpHを4.5以上に変化させるためには、配管40によって加湿装置7から抜き出す循環水の量は加湿量の5%以上にすれば良いことが示されている。
図6(a)〜図6(c)に基づいた考察の結果、配管40によって加湿装置7から抜き出す循環水の量は、加湿装置7の加湿量に対して5%〜30%の範囲内に設定されていることが望ましく、そのためには配管40に設置された流量調整を行う弁42を開度調整して、循環水の抜き出し量を制御することにより実現できる。
その結果、加湿装置7の循環水のpHは4.5〜5.0の範囲に維持でき、この循環水が供給される加湿装置7および周辺機器に使用する材料として高価なステンレス鋼を用いなくても、例えばボイラの過熱器や再熱器に用いられるSTBA24やSTBA26などの比較的安価な低合金鋼が利用できるので、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備の建設コストを低減できる。
また、配管40に設置した循環水の浄化を行う水質浄化装置41の動作に伴う損失水量は、加湿装置7での高圧空気への加湿量に対して0.5%〜3%の量に節約でき、比較例と比べて水質浄化装置41の設備容量と運転コストを低減できるだけでなく、水回収装置17で回収した回収水を加湿装置7の循環水として有効に利用することができ、補給水タンク70から水回収装置17に供給する補給水を低減できるため、環境への負荷を低減できる。
また、水質浄化装置41の設置に伴う本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備の発電効率の低下は0.03pt%〜0.16pt%に抑制できるので、ガスタービン設備に供給する燃料を有効に利用できるだけでなく、ガスタービンから排出する排ガスから環境に放出される窒素酸化物、二酸化炭素などの量を減らすことができ、環境への負荷を低減できる。
なお、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備では、水回収装置17の構成としてスプレイ式の水回収装置17を例示したが、スプレイ式に代えて充填物式、又は伝熱管方式の水回収装置17を採用しても同様の機能を発揮することが可能である。
尚、スプレイ式の水回収装置17では、排ガス13側の圧力損失を小さくできる特徴があるが、湿分の凝縮性能を高めるためには、排ガスやスプレイ液滴の流量配分の均一化などが求められる。
また、充填物式の水回収装置17では、排ガス13側の流量配分の均一化が比較的容易であるが、排ガス13側の圧力損失が大きくなる傾向がある。
また、伝熱管式の水回収装置17では、冷却水が得られない場合に空冷式で排ガスから湿分を回収できる特徴があるが、伝熱面積を多く取る必要があり大型化する傾向がある。
また、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備では加湿装置7の構成として充填物を使用したものを想定したが、空気に対して水をスプレイするスプレイ式の加湿装置7を採用することも可能である。
スプレイ式の加湿装置7では、空気と、スプレイの流量配分の均一化が必要であり、スプレイミストの捕集も重要となってくるが、充填物方式のように垂直流れである必要が無いため配置が自由となり、充填物方式よりもコンパクトに加湿装置7を構成できる可能性がある。
また、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備では、水質浄化装置41に供給する循環水は連続処理する内容の説明としたが、循環水の処理は連続処理ではなくバッチ処理でも同様の効果が得られる。
また、図4に加湿装置の循環水の不純物イオン濃度について経過時間を示したように、循環水の水質変化の速度は数時間のオーダーであるので、循環水を浄化する水質浄化装置41の運転の周期を2〜3時間とすることができる。
この場合、水質浄化装置41のイオン交換樹脂の再生中に水質浄化処理を停止しても、ガスタービンを運転することが可能となるメリットがある。
但し水質浄化装置41による循環水の処理がバッチ式の場合は、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備の運転期間中に加湿装置7の循環水の水質がステップ状に変動することになる。
さらに、本実施例の高湿分空気利用ガスタービン設備では、水回収装置17から排出される排ガスをそのままスタックから大気へ排出することを想定したが、白煙防止のために水回収装置17の下流側に排ガス再加熱器を設置しても良い。
白煙の正体は水蒸気であり環境への影響は無いが、景観の保全上、白煙を防止したい要求がある場合には排ガス再加熱器の設置が有効である。
その場合には、水回収装置17の下流の排ガス出口側に排ガス再加熱器を設置する。
その際、加湿装置7からエコノマイザ16に導かれる高温の循環水を供給する配管66は、エコノマイザ16の上流側で迂回させて前記排ガス再加熱器を経由するように配設して高温の循環水をこの排ガス再加熱器に供給して該排ガス再加熱器を流下する排ガスを高温の循環水によって加熱し、前記排ガス再加熱器を経た循環水をエコノマイザ16に流入させるように構成したものである。
このようにすれば、水回収装置17から排出される排ガスに含まれる水分は露点以上に加熱されるので、大気中に排ガスを放出した際に白煙の発生を防止することが可能となる。
上記した本発明の実施例によれば、高湿分空気利用ガスタービンで排ガスから湿分を回収して加湿装置の循環水として再利用する場合に、循環水の水質浄化の際に生じる損失水量と熱損失量の低減を可能にした高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法が実現できる。
本発明は高湿分空気利用ガスタービン及び高湿分空気利用ガスタービンの運転方法に利用可能である。
本発明の一実施例である高湿分空気利用ガスタービンの構成を示す概略系統図。 図1に示した実施例の高湿分空気利用ガスタービンを構成する水質浄化装置の概略図。 図1に示した本発明の実施例である高湿分空気利用ガスタービンによる水回収循環水の水質変化予測図。 図1に示した本発明の実施例である高湿分空気利用ガスタービンで水質浄化しなかった場合の加湿装置循環水の水質変化予測図。 図1に示した本発明の実施例である高湿分空気利用ガスタービンで水質浄化した場合の加湿装置循環水の水質変化予測図。 図1に示した本発明の実施例である高湿分空気利用ガスタービンの水質浄化装置による処理水量と発電効率、損失水量、水質変化予測を夫々示す図。
符号の説明
1:タービン、4:ガスタービン燃焼器、2:圧縮機、7:加湿装置、12:再生熱交換器、16:エコノマイザ、17:水回収装置、21:空気冷却器、31,32:経路、40、64、65、67、68、75:配管、41:水質浄化装置、42:弁、61、63、69:ポンプ、70:補給水タンク。

Claims (8)

  1. 空気を圧縮して高圧空気を吐出する圧縮機と、圧縮機から吐出された高圧空気を加湿する加湿装置と、燃焼用空気と燃料とを混合燃焼して燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器と、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスによって駆動するタービンと、タービンから排出された排ガスを熱源として前記加湿装置で加湿された加湿空気を加熱する再生熱交換器を備え、再生熱交換器で加熱された加湿空気を前記ガスタービン燃焼器の燃焼用空気として供給する高湿分空気利用ガスタービンにおいて、
    前記再生熱交換器を流下した排気ガスから水分を回収する水回収装置を設置し、
    前記水回収装置は排気ガスに含まれる湿分を凝縮させた水を回収する回収水容器を備え、
    前記水回収装置の前記回収水容器に回収された回収の一部を加湿装置の循環水として供給する第一の配管系統と、加湿装置から抜き出した循環水の一部を水回収装置の回収水容器に供給する第二の配管系統とを配設し、前記第二の配管系統に該第二の配管系統を流下する循環水を浄化する水質浄化装置を設置したことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービン。
  2. 請求項1に記載した高湿分空気利用ガスタービンにおいて、前記第二の配管系統に加湿装置から水質浄化装置に供給される循環水の流量を調節する流量調節手段を設置したことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載した高湿分空気利用ガスタービンにおいて、前記圧縮機から吐出された加湿装置に導く高圧空気を該加湿装置の循環水の一部で冷却する空気冷却器を設置し、前記再生熱交換器を流下した燃焼ガスを熱源として前記加湿装置の循環水を加熱するエコノマイザを設置したことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービン。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載した高湿分空気利用ガスタービンにおいて、前記水回収装置の前記回収水容器に補給水を供給する補給水タンクを設置したことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービン。
  5. 圧縮機によって空気を圧縮して高圧空気を吐出し、圧縮機から吐出された高圧空気に加湿装置によって加湿して加湿空気を生成し、加湿装置で加湿された加湿空気をタービンから排出した排ガスから熱を回収する再生熱交換器によって加熱し、再生熱交換器で加熱した加湿空気を燃焼用空気として供給してガスタービン燃焼器によって燃料と混合燃焼させて燃焼ガスを生成し、ガスタービン燃焼器で生成した燃焼ガスを駆動流体として前記タービンを駆動するように構成した高湿分空気利用ガスタービンの運転方法において、
    前記再生熱交換器の下流側に設置された水回収装置によってタービンから排出した排気ガスから該排気ガスに含まれた水分を凝縮させて前記回収水容器に備えた回収水容器に回収し、前記水回収装置の該回収水容器に回収された回収の一部前記回収水容器から前記加湿装置に至るように配設した第一の配管系統を通じて前記加湿装置に循環水として供給し、前記加湿装置に溜まった循環水の一部を加湿装置から引き出して水回収装置の前記回収水容器に至るように配設した第二の配管系統を流下させ、この第二の配管系統に設置された水質浄化装置によって該第二の配管系統を流下する循環水を浄化し、浄化された循環水を前記水回収装置の前記回収水容器に供給するようにしたことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービンの運転方法。
  6. 請求項5に記載の高湿分空気利用ガスタービンの運転方法において、前記第二の配管系統に設置された流量調節手段によって第二の系統を流下して前記水質浄化装置に供給する循環水の流量は、前記加湿装置によって高圧空気を加湿する加湿量の5〜30パーセントに設定するように制御していることを特徴とする高湿分空気利用ガスタービンの運転方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載した高湿分空気利用ガスタービンの運転方法において、前記圧縮機から吐出された高圧空気は加湿装置から供給された循環水で冷却する空気冷却器によって冷却して該加湿装置に導き、前記加湿装置の循環水はタービンから排出された燃焼ガスを熱源とするエコノマイザによって加熱して該加湿装置に供給するようにしたことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービンの運転方法。
  8. 請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載した高湿分空気利用ガスタービンの運転方法において、前記水回収装置の前記回収水容器には補給水タンクから補給水を供給するようにしたことを特徴とする高湿分空気利用ガスタービンの運転方法。
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