JP4982289B2 - 高耐熱性吸音材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
まず、図1に、本発明の高耐熱性吸音材の一部断面図を示す。図1に示すように、高耐熱性吸音材1は、本体部2と耐熱層3と含浸層20とを備えている。本体部2は、軟質ポリウレタンフォーム製である。耐熱層3は、耐熱材料からなり、本体部2の表面に配置されている。本体部2と耐熱層3との間には、含浸層20が介在されている。含浸層20は、耐熱材料が軟質ポリウレタンフォームに含浸されてなる。
本発明の高耐熱性吸音材の製造方法は、含浸工程と硬化工程とを有する。以下、各工程について説明する。
本工程は、金属アルコキシド類と該金属アルコキシド類と反応可能な官能基を有するポリジメチルシロキサンとの混合物を含む液状の複合材料を、軟質ポリウレタンフォームからなる本体部の表面に接触させ、該複合材料の一部を該本体部へ含浸させる工程である。
本工程は、先の含浸工程で本体部の表面に接触、含浸させた複合材料を、加熱し硬化させる工程である。複合材料を加熱硬化させると耐熱材料となる。これにより、本体部の表面には耐熱層が形成され、本体部と耐熱層との界面付近には含浸層が形成される。ここで、複合材料の加熱は、温度を室温以上200℃以下とし、30分以上12時間以下行うとよい。
(a)試験片の作製
軟質ポリウレタンフォームからなる本体部の表面に、種類の異なる耐熱層を形成して複数の試験片を作製した。本体部は以下のように作製した。まず、ポリオール成分のポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン社製「S−0248」、平均分子量6000、官能基数3、OH価28mgKOH/g)100重量部と、架橋剤のジエチレングリコール(三菱化学社製)2重量部と、発泡剤の水2重量部と、テトラエチレンジアミン系触媒(花王社製「No.31」)1重量部と、シリコーン系整泡剤(日本ユニカ社製「SZ−1313」)0.5重量部と、カーボン系顔料(大日精化工業社製「FT−1576」)2重量部と、を配合し、プレミックスポリオールを調製した。次に、調製したプレミックスポリオールに、ポリイソシアネート成分のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASFINOACポリウレタン社製「NE1320B」、NCO=44.8wt%)を加えて混合した。ここで、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との配合比(PO:ISO)は、両者の合計重量を100%として、PO:ISO=78.5:21.5とした。その後、混合液を所定の金型に注入し、金型温度50℃、硬化時間5分として発泡、硬化させて、軟質ポリウレタンフォーム製の本体部を得た。
実施例1〜5の試験片を耐熱層側から加熱して、各試験片の耐熱性を評価した。また、比較のため、本体部のみ(以下、比較例1の試験片とする)についても加熱して、耐熱性を評価した。図2に、試験装置の断面図を示す。図2に示すように、試験装置5は、支持体50と鉄板51とアルミ箔52とを備えている。鉄板51は、矩形板状を呈し、支持体50により水平に支持されている。鉄板51は、図示しない加熱装置により225℃程度に加熱されている。アルミ箔52は、支持体の上面に配置されている。アルミ箔52の上面には、各々の試験片53が配置されている。試験片53は、いずれも耐熱層530を下にして配置されている。なお、図2では、試験片53の含浸層を省略して示す。
(a)試験片の作製
上記(1)(a)にて調製した実施例1の複合材料(ゾル液)に、無機フィラーとしてアルミニウム(Al)粉末(粒子径85〜100μm)を添加して、実施例6の複合材料とした。Al粉末の配合量は、ゾル液の重量を100重量%とした場合の10重量%とした。同様に、実施例2の複合材料(ゾル液)に、同じAl粉末を添加して、実施例7の複合材料とした。Al粉末の配合量は、ゾル液の重量を100重量%とした場合の30重量%とした。これらの複合材料を、各々、上記(1)(a)にて作製した本体部の表面に塗布、含浸させた。その後、温度150℃下で2時間加熱、硬化させ、実施例6、実施例7の各試験片を作製した。実施例6の試験片の耐熱層の厚さは約0.2mm、含浸層の厚さは約0.3mmであった。また、実施例7の試験片の耐熱層の厚さは約0.5mm、含浸層の厚さは約0.1mmであった。
先に作製した実施例2の試験片と、実施例6の試験片および実施例7の試験片に対して、耐熱層側から輻射熱を与え、各試験片の耐熱性を評価した。図3に、試験装置の断面図を示す。図3に示すように、試験装置6は、支持体60とルミネータ61と一対の熱電対62a、62bとを備えている。支持体60の上面には、試験片63が配置されている。試験片63は、耐熱層630を上にして配置されている。なお、図3では、試験片63の含浸層を省略して示す。試験片63の上方には、約110mm離間して、ルミネータ61が配置されている。ルミネータ61により、試験片63に対して輻射熱が放射される(図3中、白抜き矢印で示す)。試験片63の上面および下面の右端部には、一対の熱電対62a、62bが配置されている。一対の熱電対62a、62bにより、試験片63の上面(耐熱層630の表面)、および下面(本体部631の表面)の温度が測定される。
各試験片について、耐熱層および本体部の表面温度の経時変化を測定すると共に、耐熱層側の表面の状態を目視で観察した。図4に、表面温度の測定結果を示す。図4に示すように、耐熱層側(熱源側)、本体部側のいずれにおいても、耐熱層にAl粉末を含む実施例6、7の試験片の方が、同粉末を含まない実施例2の試験片よりも、表面温度は低くなった。また、実施例2の試験片では、試験開始から120秒で、耐熱層側の表面温度は約270℃に達した。また、試験開始から約180秒後には、軟質ポリウレタンフォーム製の本体部が溶融してしまった。一方、実施例6、7の試験片については、試験開始から120秒後の耐熱層側の表面温度は200℃以下であった。また、試験後においても、外観上は特に変化は見られなかった。このように、耐熱層にAl粉末を含有させることにより、輻射熱の遮蔽効果が向上することが確認された。
実施例1、2および比較例1の試験片の吸音率を測定した。吸音率の測定は、JIS A 1405の垂直入射吸音率法に準拠して行った。また、比較のため、本体部の表面に耐熱塗料(オキツモ社製「スタンダードシルバー505」)を塗布した試験片(以下、比較例2の試験片と称す)についても、吸音率を測定した。吸音率の測定結果を、図5、図6に示す。ここで、図5は、耐熱層側(表側)から音波を入射させた結果を示す。また、図6は、本体部側(裏側)から音波を入射させた結果を示す。
実施例1、2および比較例1、2の試験片における流れ抵抗を測定した。流れ抵抗の測定は、ISO9053のDC法(交流)に準拠して行った。流れ抵抗の測定結果を、図7に示す。なお、図7には、参考として、実施例2の試験片の耐熱層のみについての流れ抵抗の測定結果も示す。図7に示すように、耐熱塗料を塗布した比較例2の試験片と比較して、実施例1、2の試験片の流れ抵抗は小さい。この結果からも、本発明の高耐熱性吸音材によると、単に耐熱塗料を塗布した吸音材と比較して、通気性を阻害せずに耐熱性を向上できることがわかる。
5:試験装置
50:支持体 51:鉄板 52:アルミ箔 53:試験片 530:耐熱層
6:試験装置
60:支持体 61:ルミネータ 62a、62b:熱電対
63:試験片 630:耐熱層 631:本体部
Claims (8)
- 軟質ポリウレタンフォームからなる本体部と、
該本体部の表面の少なくとも一部に配置され、金属アルコキシド類と、該金属アルコキシド類と反応可能な官能基を有するポリジメチルシロキサンと、から合成された耐熱材料からなる耐熱層と、を備え、
該耐熱層の厚さは、0.1mm以上1mm以下であり、
該本体部は、該耐熱層との界面付近に、該耐熱材料が該軟質ポリウレタンフォームに含浸されてなる含浸層を有し、該含浸層の厚さは、0.05mm以上0.5mm以下であることを特徴とする高耐熱性吸音材。 - 前記耐熱材料は、さらに無機フィラーを含む請求項1に記載の高耐熱性吸音材。
- 前記無機フィラーは、アルミニウム粉末を含む請求項2に記載の高耐熱性吸音材。
- 請求項1に記載の高耐熱性吸音材の製造方法であって、
金属アルコキシド類と該金属アルコキシド類と反応可能な官能基を有するポリジメチルシロキサンとの混合物を含む液状の複合材料を、軟質ポリウレタンフォームからなる本体部の表面に接触させ、該複合材料の一部を該本体部へ含浸させる含浸工程と、
該複合材料を加熱し硬化させる硬化工程と、
を有することを特徴とする高耐熱性吸音材の製造方法。 - 前記金属アルコキシド類の含有量は、前記ポリジメチルシロキサンの100重量部に対して5重量部以上50重量部以下である請求項4に記載の高耐熱性吸音材の製造方法。
- 前記複合材料は、さらに無機フィラーを含む請求項4または請求項5に記載の高耐熱性吸音材の製造方法。
- 前記無機フィラーの含有量は、前記金属アルコキシド類と前記ポリジメチルシロキサンとの混合物の体積を100体積%とした場合の5体積%以上40体積%以下である請求項6に記載の高耐熱性吸音材の製造方法。
- 前記無機フィラーは、アルミニウム粉末を含む請求項6または請求項7に記載の高耐熱性吸音材の製造方法。
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