JP4982278B2 - 減光式感知器 - Google Patents
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Description
また、本発明を減光式反射型感知器に適用することになり、投光手段から反射手段に向けて信号光を投光させ、反射手段によって反射された信号光を受光手段に受光させることができる。
また、受光手段での信号光の光パワー密度を、投光手段が一つの場合と比較しておよそ4倍にすることができ、S/N比を大幅に向上させることができる。
また、投光手段の発光電流の調整のみならず、投光手段の駆動数によっても当該投光手段から投光させた信号光を調整することができ、受光手段に対して適切な強度の信号光を照射させることができる。これにより、減光式感知器の設置条件に対応した幅広く且つ細やかな信号光の光パワー密度の調整が可能となる。
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る減光式感知器は、火災に伴って発生する煙の検出を目的とするものである。
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
まず実施の形態1について説明する。この形態は、一つの受光手段にて受光可能なように信号光を投光する四つの投光手段を備えているとともに、増幅手段及び増幅度制御手段を備えている形態である。なお、本実施の形態1においては減光式反射型感知器を例として説明するが、同様の構成を減光式分離型感知器に適用することもできる。
まず、減光式感知器の構成を説明する。図1は実施の形態1に係る減光式感知器の斜視図、図2は減光式感知器の分解図、図3は減光式感知器の電気的構成を機能概念的に示すブロック図、図4はカバーおよびレンズカバーを取除いた減光式感知器の正面図である。
光学ユニット20は、減光式感知器1における煙の検出に用いられる光学系の機器を相互一体にユニット化したもので、例えば、投光部21、受光部22、照準器23、及び、レンズカバー24を有している。
表示部30は、減光式感知器1の動作状態(例えば、監視状態、障害状態、火災状態等)を表示するためのものであり、制御部50によって制御される。表示部30の具体的な構成は任意であり、各状態に対応した色(例えば、監視状態:緑、障害状態:黄、火災状態:赤)で発光する複数のLEDを用いてもよく、あるいは、液晶表示装置を用いて文字表示をさせてもよい。また、上記の動作状態として、投光部21の駆動数、受光部22の受光量、受光増幅度、あるいは各種案内表示等を表示させることもできる。
記憶部40は、減光式感知器1における処理に供される情報、例えば、受光部22での受光強度の履歴や、光学部材の汚損補償等に関する内部補正の履歴等を記憶するためのものである。
制御部50は、減光式感知器1における所定の処理を行うためのものである。制御部50は、図3に示すように、投光制御部51、受光制御部52、増幅度制御部53、及び、火災判定部54を備えている。
反射板2は、投光部21から投光された信号光を反射するためのものであり、特許請求の範囲における反射手段に対応する。この反射板2は、信号光の投光方向と対向し、且つ、当該投光方向と当該反射板2の表面とが略直交するように設置されている。反射板2の具体的な構成は任意であるが、入射した光が入射方向に反射する再帰反射板を用いることが望ましい。これにより、光学ユニット20から反射板2に信号光を照射させた場合、信号光は反射板2によって確実に光学ユニット20に向けて反射され、投光部21に近接して設置されている受光部22にて受光することが可能となる。
次に、減光式感知器1の動作について説明する。図5は反射板2によって反射され受光部22に照射された信号光の照射分布を概念的に示した平面図である。
次に、減光式感知器1を設置する場合において、投光部21での出力や受光部22での増幅度を設置条件に対応して調整するための初期調整処理の流れについて説明する。具体的には、投光部21に供給される発光電流の制御、及び、増幅部222における増幅度の制御等が制御部50によって実行される。
次に、ステップSA−3における発光電流調整処理について説明する。図8は発光電流調整処理の流れを示したフローチャートである。図8に示すように、増幅度制御部53は、発光電流調整処理が開始された時点での増幅部222による増幅度を維持する(ステップSB−1)。そして、受光信号のレベルが所定値と許容差の範囲内で一致している場合(ステップSB−2、Yes)、投光制御部51は各投光部21に通電させている発光電流のレベルを維持する(ステップSB−3)。受光信号のレベルが許容差の範囲外であった場合には(ステップSB−2、No)、投光制御部51は各投光部21に通電させる発光電流を変化させ、受光信号のレベルが所定値と許容差の範囲内で一致するように調整する(ステップSB−4)。
次に、ステップSA−4における受光増幅度調整処理について説明する。図9は受光増幅度調整処理の流れを示したフローチャートである。図9に示すように、受光信号のレベルが所定の範囲を超えている場合(ステップSC−1、Yes)、増幅度制御部53は増幅部222における増幅度が最小段階にあるか否かを確認する(ステップSC−2)。増幅度が最小段階ではない場合(ステップSC−2、No)、増幅度制御部53は増幅部222による増幅度を一段階低下させる(ステップSC−3)。増幅度が最小段階だった場合には(ステップSC−2、Yes)、増幅度制御部53は、光軸ずれや外乱光の入射等によって受光信号のレベルが飽和していると判定し、エラーを意味する信号を出力するとともに表示部30によってエラー表示をさせ(ステップSC−4)、初期調整処理を終了する。
このように実施の形態1によれば、減光式感知器1は一つの受光部22に対して複数の投光部21を備えており、各投光部21から同時に投光された信号光は、反射板2に対して重なり合って照射される。従って、反射板2で反射され、受光部22に達する信号光の光パワー密度を投光部21の数に比例して増大させることができ、S/N比を大幅に向上させることができる。また、各投光部21の大きさは従来の減光式感知器における投光部と同等、若しくは小さいため、減光式感知器1の奥行き寸法を従来の減光式感知器と同等、若しくは小さくすることができる。
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、設定手段を備えた形態である。
まず、減光式感知器の構成を説明する。図10は実施の形態2に係る減光式感知器の電気的構成を機能概念的に示すブロック図である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図10に示すように、本実施の形態2に係る減光式感知器1は、切替スイッチ60を備えている。切替スイッチ60は、駆動させる投光部21の数を設定するためのものであり、特許請求の範囲における設定手段に対応している。切替スイッチ60の具体的な構成は任意であり、例えば、ディップスイッチ等を切替スイッチ60として用いることで、駆動させる投光部21の数を手動操作により切替えることができる。あるいは、制御部50と投光部21とを接続している電気回路に切替スイッチ60を組み込み、制御部50に対する受光部22からの入力に基づいて制御部50によって切替スイッチ60を制御させることもできる。
次に、減光式感知器1を設置する場合における初期調整処理の流れ、及び、当該初期調整処理の中で行われる切替スイッチ60による投光部21の駆動数切替処理の流れについて説明する。なお、上述の説明では切替スイッチ60を手動により操作することもできると説明しているが、以下では、切替スイッチ60が制御部50によって制御される場合について説明する。
まず、初期調整処理の概要について説明する。図11は、初期調整処理の概略的な流れを示したフローチャートである。図11に示すように、所定の起動操作によって減光式感知器1が起動されると、若しくは初期設定開始スイッチ等の操作が行われると、投光制御部51は切替スイッチ60を制御し、第1の投光部21aのみを駆動可能とする(ステップSD−1)。続いて、投光制御部51は、所定の発光電流を初期発光電流として第1の投光部21aに通電させ、当該第1の投光部21aを駆動させる(ステップSD−2)。第1の投光部21aから投光された信号光が反射板2によって反射され、受光部22によって受光されると、受光部22での信号光の受光強度に対応した受光信号が制御部50に入力される。このときの受光信号のレベルが所定の範囲内であった場合(ステップSD−3、Yes)、増幅度制御部53は増幅度を固定し、投光制御部51は発光電流調整処理を実行する(ステップSD−4)。また、受光信号のレベルが所定の範囲外であった場合には(ステップSD−3、No)、増幅度制御部53及び投光制御部51によって増幅度調整・駆動数切替処理が実行され(ステップSD−5)、受光信号のレベルが所定の範囲内か否かが再度判断される(ステップSD−3)。
次に、ステップSD−5における増幅度調整・駆動数切替処理について説明する。図12は、増幅度調整・駆動数切替処理の流れを示したフローチャートである。図12に示すように、ステップSE−1からステップSE−6までの処理は、実施の形態1で説明した受光増幅度調整処理におけるステップSC−1からステップSC−6までの処理と同様であるので、説明を省略する。ステップSE−5において、増幅部222による増幅度が最大段階だった場合には(ステップSE−5、Yes)、投光制御部51は投光部21の駆動数が最大かを確認する(ステップSE−7)。投光部21の駆動数が最大ではなかった場合(ステップSE−7、No)、投光制御部51は投光部21の駆動数を一つ増加させ(ステップSE−8)、増幅度制御部53は増幅部222による増幅度を初期値にリセットする(ステップSE−9)。投光部21の駆動数が最大であった場合(ステップSE−7、Yes)、投光制御部51は光軸ずれ等により受光信号のレベルが不足していると判定し、エラーを意味する信号を出力するとともに、表示部30によってエラー表示をさせ(ステップSE−10)、初期調整処理を終了する。
このように実施の形態2によれば、切替スイッチ60によって投光部21の駆動数を切替えることができる。従って、投光部21の発光電流の調整のみならず、投光部21の駆動数によっても当該投光部21から投光させる信号光射出エネルギーを調整することができ、受光部22に対して適切な強度の信号光を照射させることができる。これにより、実施の形態1における基本的な効果に加えて、減光式感知器1の設置条件(例えば、減光式反射型感知器における投光部21と反射板2との距離等)に対応した幅広く且つ細やかな信号光射出エネルギーの調整が可能となる。
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、投光手段を直列接続と並列接続とを組み合わせて接続した形態である。以下の説明では、投光手段の駆動数の設定手段としての切替スイッチについて具体的に示す。
まず、投光部21の回路構成を説明する。図13は実施の形態3に係る投光部21における駆動回路の概略を示した回路図であり、図13(a)は四つの投光部21が全て直列接続されている場合、図13(b)は四つの投光部21が直列接続と並列接続とを組み合わせて接続されている場合を示す図である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
このように実施の形態3によれば、全ての投光部21が直列接続されているので、実施の形態1における基本的な効果に加えて、複数の投光部21を駆動させた場合でも消費電流の増大を防止することができ、電力ロスを低減することができる。
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、減光式感知器の奥行きを拡大しなければ所望のS/N比を得ることができない場合であっても、本願発明を適用することで従来より若干でもS/N比を向上できている限りにおいて、本願の課題が解決されている。
上述の各実施の形態では、減光式反射型感知器を例に挙げて説明したが、同様の構成を減光式分離型感知器に適用することもできる。減光式分離型感知器は、信号光を投光する投光部と、投光部に対して対向配置され信号光を受光する受光部とを備え、投光部と受光部とに挟まれた領域を監視領域としている。この減光式分離型感知器において、減光式反射型感知器の場合と同様に、一つの受光部に対して複数の投光部を設けることにより、受光部での信号光の光パワー密度を投光部の数に比例して増大させることができ、S/N比を大幅に向上させることができる。また、各投光部を、受光部の光軸を中心とした同一の円周上に配置するとともに、相互に同一の間隔を隔てて配置することにより、各投光部から同時に投光され受光部に照射された信号光を、受光部を中心として相互に均一に重なり合わせることができ、受光部での信号光の光パワー密度を著しく向上させることができる。
実施の形態2では、切替スイッチ60が制御部50によって制御される場合について説明したが、手動操作によって切替スイッチ60が切替えられるようにしてもよい。この場合において減光式感知器1を設置する際には、まず、当該減光式感知器1の監視距離に応じて切替スイッチ60を切替えることで投光部21の駆動数を決定した後、受光部22から出力される受光信号のレベルが所定の範囲内となるように増幅部222による増幅度を調整させることができる。
2 反射板
10 筐体
10a 筐体本体
10b カバー
20 光学ユニット
21 投光部
21a 第1の投光部
21b 第2の投光部
21c 第3の投光部
21d 第4の投光部
22 受光部
23 照準器
24 レンズカバー
30 表示部
40 記憶部
50 制御部
51 投光制御部
52 受光制御部
53 増幅度制御部
54 火災判定部
60 切替スイッチ
210 LED
211 レンズ
220 レンズ
221 受光素子
222 増幅部
230 照準孔
231 覗き孔
232 ミラー
Claims (5)
- 監視領域に対して投光手段から投光された信号光を受光手段にて受光し、当該受光手段から出力された情報に基づいて前記監視領域における所定の監視対象の有無を判定する減光式感知器であって、
一つの前記受光手段にて受光可能なように前記信号光を投光する、四つの前記投光手段と、
前記受光手段と、
前記信号光を投光する前記投光手段の数を設定する設定手段とを備え、
前記四つの投光手段の各々と前記受光手段とを、各投光手段による前記信号光の投光方向と前記受光手段による前記信号光の受光方向とが相互に略平行になる向きで、相互に一体に固定し、
前記四つの投光手段の各々によって投光された前記信号光であって、前記投光方向に対向して設置された反射手段によって反射された前記信号光を、前記受光手段にて受光可能としたこと、
を特徴とする減光式感知器。 - 前記設定手段によって前記信号光を投光するように設定された前記投光手段の全てが、相互に直列に接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の減光式感知器。 - 前記設定手段によって前記信号光を投光するように設定された前記投光手段の一部が並列接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の減光式感知器。 - 前記設定手段によって前記信号光を投光するように設定された前記投光手段の一部が相互に直列接続されて複数の系統を成し、該複数の系統がさらに並列接続されていること、
を特徴とする請求項1に記載の減光式感知器。 - 前記設定手段の動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記受光手段から出力された情報に基づいて、前記信号光を投光する前記投光手段の数を前記設定手段に設定させること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の減光式感知器。
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