JP4982038B2 - 燃料電池が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給する燃料電池システムおよび燃料電池システム制御方法 - Google Patents

燃料電池が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給する燃料電池システムおよび燃料電池システム制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給することができる燃料電池システムおよび燃料電池システム制御方法に関する。特に本発明は、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に、水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵し、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータを用いて水素を燃料電池へ供給する、燃料電池システムおよび燃料電池システム制御方法に関する。
燃料電池を用いた分散型電源においては、燃料改質型の燃料電池システムが知られている。燃料改質型の燃料電池システムは、メタノールやガソリン等を燃料として水素を生成する改質器を備え、改質器が生成する水素を燃料電池に供給する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−272674号公報
しかし、現状の改質器は、生成する水素の量を変動させるには、数秒の時間を要する。このため、消費電力が急激に変化する場合に、燃料電池が必要とする量の水素を迅速に供給することができないため、改質器が生成する水素の量と、燃料電池が発電するために必要な水素の量とが異なり、燃料電池の発電する電力と消費電力との間で過不足が生じる場合があった。
また、改質器は、起動時に水素を生成するまでに数十分の時間を要する。したがって、燃料電池が発電していないときに改質器を停止していた場合には、燃料電池が発電を開始するときに必要な水素を迅速に供給することができなかった。
また、改質器の改質効率を上げるべく改質器が生成する水素の圧力を低くした場合、燃料電池が発電する電力が増加したときに、改質器が生成する水素の量が不足するおそれがある。逆に改質器が生成する水素の圧力を高めると、改質効率が悪化する。また、燃料電池に供給する水素の圧力を変動させると、燃料電池の反応膜が劣化する場合もあるので好ましくない。したがって、改質器の運転条件を変えずに、燃料電池に供給する水素の圧力を適切な値に保持することが望ましい。
このような課題を解決するために、本発明の第1の形態における燃料電池システムは、水素を生成する改質器と、改質器により生成された水素を貯蔵する水素貯蔵バッファと、水素により発電する燃料電池と、燃料電池に提供する水素の圧力を目的圧力以下に保ちつつ、水素貯蔵バッファに蓄積された水素を燃料電池に提供するレギュレータと、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に、水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵し、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータを用いて水素を燃料電池へ供給する制御部とを備えた。
制御部は、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に、水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵し、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータを用いて水素を燃料電池へ供給するので、燃料電池が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給することができる。
制御部は、改質器が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を下回った場合に、レギュレータを制御することにより水素を燃料電池へ提供する。このため、燃料ガスの圧力差による燃料電池の反応膜の歪みを未然に防ぎ、燃料電池の反応膜の歪みによる劣化を抑えることができる。
また本形態における燃料電池システムは、燃料電池から提供される電力により動作する負荷の消費電力を測定する電力測定装置を更に備え、制御部は、電力測定装置により測定された消費電力を燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器により生成される水素の量の方が少ない場合に、レギュレータを制御して水素を燃料電池へ提供する。このため、負荷が消費する電力を発電するために必要な量のみの水素を燃料電池に提供することができる。
制御部は、燃料電池の出力電圧が基準値よりも小さくなった場合に、レギュレータを制御して水素を燃料電池へ提供する。このため、消費電力が増加した場合に、燃料電池が発電する電力を増加させるべく、水素を燃料電池へ迅速に供給することができる。
また本形態における燃料電池システムは、改質器により生成された水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する水素ポンプを更に備え制御部は、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に、水素ポンプを用いて水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵する。このため、水素貯蔵バッファに水素を貯蔵する必要があるときに、改質器が生成する水素の圧力が、水素貯蔵バッファに水素を蓄積するための圧力より低い場合であっても、水素貯蔵バッファに水素を貯蔵することができる。また、改質器の出力を高く保ち、予め定めた効率より高い効率で改質器を駆動し続けることができる。
制御部は、燃料電池による水素の消費量の変動を、水素貯蔵バッファを用いて緩衝することにより、改質器の動作の変動を低減する。このため、改質器の出力を変動させるときに生じるエネルギーのロスを削減できる。制御部は、改質器が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を越えた場合に、水素ポンプを駆動することにより水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。このため、燃料電池に供給する水素の圧力を適切な値に保つことができる。また、改質器が生成する水素の圧力が高まることによる燃料電池の反応膜の歪みを未然に防ぎ、燃料電池の反応膜の歪みによる劣化を抑えることができる。
制御部は、電力測定装置により測定された消費電力を燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器により生成される水素の量の方が多い場合に、水素ポンプを駆動することにより水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。このため、負荷が消費する電力を発電するために必要な量のみの水素を燃料電池に提供することができる。
制御部は、燃料電池の出力電圧が基準値よりも大きくなった場合に、水素ポンプを駆動することにより水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。このため、消費電力が減少した場合に、燃料電池が発電する電力を減少させるべく、燃料電池に供給する水素の量を迅速に減少させることができる。
制御部は、改質器が生成した水素を、水素ポンプを用いて夜間に水素貯蔵バッファへ貯蔵する。このため、消費電力が少ない夜間であっても、改質器を高い効率で駆動し続けることができる。制御部は、改質器を停止することなく全日の間動作させ続ける。このため、改質器を起動するときに生じるエネルギーのロスを削減することができる。
また本形態における燃料電池システムは、自然エネルギーを用いて、水素を生成する水素還元装置を更に備え水素ポンプは、更に、水素還元装置により生成された水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。このため、改質器が生成する水素の全てを燃料電池が消費している場合でも、水素貯蔵バッファに水素を貯蔵できる。
水素還元装置は、更に、負荷の消費電力よりも燃料電池の発電する電力の方が大きい場合に、余剰電力を用いて再度、水素を生成する。このため、燃料電池が発電する電力を高く維持し、予め定めた発電効率より高い効率で燃料電池を駆動しつつ、水素を水素貯蔵バッファに貯蔵しておくことができる。
また本形態における燃料電池システムは、改質器が生成した水素を、水素貯蔵バッファを経由させずに燃料電池へ供給するバイパス配管を更に備えた。このため、水素の貯蔵および水素の放出のためにエネルギーを消費することなく、燃料電池に水素を供給することができる。
改質器は、時間あたりの最大の水素生成量が、燃料電池が消費する時間あたりの最大の水素消費量よりも小さい。このため、改質器を小型にすることができる。また、定格に近い出力領域で改質器を駆動することになるので、予め定めた効率よりも高い効率で改質器を駆動することができる。
本発明の他の形態における燃料電池システム制御方法は、改質器を用いて水素を生成するステップと、改質器により生成された水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵するステップと、レギュレータを用いて、燃料電池に提供する水素の圧力を目的圧力以下に保ちつつ、水素貯蔵バッファに蓄積された水素を燃料電池に提供するステップと、燃料電池を用いて、水素により発電するステップと、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵し、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータを用いて水素を燃料電池へ供給する制御ステップとを備えた。
制御ステップは、改質器が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を下回った場合に、レギュレータを制御することにより水素を燃料電池へ提供する。また本形態における燃料電池システム制御方法は、電力測定装置を用いて、燃料電池から提供される電力により動作する負荷の消費電力を測定するステップを更に備え、制御ステップは、電力測定装置により測定された消費電力を燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器により生成される水素の量の方が少ない場合に、レギュレータを制御して水素を燃料電池へ提供する。
制御ステップは、燃料電池の出力電圧が基準値よりも小さくなった場合に、レギュレータを制御して水素を燃料電池へ提供する。また本形態における燃料電池システム制御方法は、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に、水素ポンプを用いて水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵する。
制御ステップは、燃料電池による水素の消費量の変動を、水素貯蔵バッファを用いて緩衝することにより、改質器の動作の変動を低減する。制御ステップは、改質器が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を越えた場合に、水素ポンプを駆動することにより水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。制御ステップは、電力測定装置により測定された消費電力を燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器により生成される水素の量の方が多い場合に、水素ポンプを駆動することにより水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。
制御ステップは、燃料電池の出力電圧が基準値よりも大きくなった場合に、水素ポンプを駆動することにより水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。制御ステップは、改質器が生成した水素を、水素ポンプを用いて夜間に水素貯蔵バッファへ貯蔵する。制御ステップは、改質器を停止することなく全日の間動作させ続ける。
また本形態における燃料電池システム制御方法は、自然エネルギーを用いて、水素還元装置により水素を生成する水素還元ステップを更に備え、制御ステップは更に、水素還元装置により生成された水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する。
水素還元ステップは、更に、負荷の消費電力よりも燃料電池の発電する電力の方が大きい場合に、余剰電力を用いて再度、水素を生成する。また本形態における燃料電池システム制御方法は、改質器が生成する水素の量と燃料電池が消費する水素の量とを比較し、少ない方の水素の量を、水素貯蔵バッファを経由させずにバイパス配管を用いて燃料電池へ供給する。
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
本発明によれば、制御部は、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量よりも多い場合に水素を水素貯蔵バッファへ貯蔵し、改質器が生成する水素の量が、燃料電池が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータを用いて水素を燃料電池へ供給するので、燃料電池が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給することができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の開発手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システム30の構成の一例を示す図である。本実施形態は、燃料電池が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
燃料電池システム30は、例えば、住居毎に設置され、それぞれの住居に電力を供給する。
燃料電池システム30は、改質器40と、水素精製装置62と、水素ポンプ44と、水素貯蔵バッファ42と、レギュレータ46と、バイパス配管56と、燃料電池48と、負荷54と、電力測定装置52と、水素還元装置58と、自然エネルギー発電装置64と、制御部50とを備える。
改質器40は、水素を生成する。改質器40は、例えば各住居に供給される都市ガス、プロパンガス等を改質して、水素ガスを生成する。水素精製装置62は、改質器40が生成した水素の純度を高める。
改質器40が生成した水素ガスは、水素精製装置62を経由して、燃料電池48に供給される。このとき、燃料電池48に供給される水素の圧力は大気圧より20kPaから200kPa程度高く設定する。この圧力は、改質器40の運転条件により設定することができる。また、配管に絞りを入れて負圧を高めたり、ポンプで強制的に圧力を高めたりすることもできる。また、水素精製装置62の出口の圧力を調整して設定してもよい。
この圧力は限定されるものではないが、大気圧より20kPa程度高い圧力以下の場合は、燃料電池48の稼働率が高まったときに増加した水素消費量を補えなくなるおそれがある。また、大気圧より200kPa程度以上高い圧力では、余計なエネルギーを要するおそれがあり、また、改質器40の運転条件によってこの圧力を設定した場合には、改質反応において生成物の選択率が低下する場合がある。
改質器40が生成した水素は、PSA法、水素分離膜法、CO選択酸化法などの水素精製方法で精製して用いることができる。それぞれの水素精製方法は、規模や燃料電池48の性能などから適宜に選択される。このような水素精製方法を用いて水素の純度を高めると、燃料電池48の運転効率が上がるので有利である。
本実施例の水素精製装置62は、PSA法を用いることで水素の純度を高度に高める。PSA法で水素の純度を高度に高めた場合、燃料電池48からの排気ガスが減少するとともに、排気ガス中の水素を、燃料電池48の燃料として再度利用することもできる。
燃料電池48は、水素により発電する。燃料電池48は、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)である。
負荷54は、燃料電池48から提供される電力により動作する。電力測定装置52は、負荷54の消費電力を測定する。本実施例では、電力測定装置52は、電力測定装置としての電流測定装置である。
水素貯蔵バッファ42は、改質器40により生成された水素を貯蔵する。水素貯蔵バッファ42は、水素貯蔵合金を有する。本実施例の水素貯蔵合金は、例えば、Ti−Cr−V系合金よりなる。水素貯蔵バッファ42の水素貯蔵合金は、水素を選択的に吸着するので、水素の純度を高めることができる。
また、水素貯蔵バッファ42が水素を貯蔵するので、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が必要とする水素の量に比べて不足する場合であっても、水素貯蔵バッファ42に貯蔵された水素を用いて、燃料電池48が必要とする水素の量を供給できる。したがって、本実施例の改質器40は、時間あたりの最大の水素生成量が、燃料電池48が消費する時間あたりの最大の水素消費量よりも小さくてよい。これにより、改質器40を小型にすることができる。
水素ポンプ44は、改質器40により生成された水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積する。また、水素ポンプ44は、更に、水素還元装置58により生成された水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積する。これにより、改質器40が生成する水素の全てを燃料電池48が消費している場合でも、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵できる。
レギュレータ46は、燃料電池48に提供する水素の圧力を目的圧力以下に保ちつつ、水素貯蔵バッファ42に蓄積された水素を燃料電池48に提供する。
自然エネルギー発電装置64は、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用して発電する。
水素還元装置58は、自然エネルギーを用いて、水素を生成する。本実施例では、自然エネルギー発電装置64が発電した電力を利用して水素を生成する。これにより、改質器40が生成する水素の全てを燃料電池48が消費し、かつ、燃料電池48が発電する電力の全てを負荷54が消費している場合でも、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵できる。
また、水素還元装置58は、更に、負荷54の消費電力よりも燃料電池48の発電する電力の方が大きい場合に、余剰電力を用いて再度、水素を生成する。
一般に、燃料電池48は、発電する電力が高いほど発電効率が高い。したがって、負荷54が消費する電力が、予め定めた発電効率より高い効率で駆動するための電力よりも小さい場合でも、燃料電池48が発電する電力を高く維持して、予め定めた発電効率より高い効率で燃料電池48を駆動しつつ、余剰電力で水素還元装置58を駆動して水素を生成し、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵しておくことができる。
バイパス配管56は、改質器40が生成した水素を、水素貯蔵バッファ42を経由させずに燃料電池48へ供給する。これにより、水素の貯蔵および水素の放出のためにエネルギーを消費することなく、燃料電池48に水素を供給することができる。
制御部50は、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量よりも多い場合に水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵し、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータ46を用いて水素を燃料電池48へ供給する。このため、燃料電池48が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給することができる。
また、制御部50は、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量よりも多い場合には、水素ポンプ44を用いて水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵する。このため、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵する必要があるときに、改質器40が生成する水素の圧力が、水素貯蔵バッファ42に水素を蓄積するための圧力より低い場合であっても、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵することができる。
このように、制御部50は、燃料電池48による水素の消費量の変動を、水素貯蔵バッファ42を用いて緩衝することにより、改質器40の動作の変動を低減する。改質器40の動作の変動を低減させることで、改質器40を効率よく駆動できる。
一般に、改質器40が効率良く水素を生成するためには、改質器40は適切な温度を維持し、熱平衡状態を安定させる必要がある。改質器40が生成する水素の量を変えるには、改質器40に与える熱量を変える必要があるが、改質器40に与える熱量を変更すると、改質器40の内部の熱平衡状態がくずれ、温度の偏りが一時的に大きくなる。このため、再度、熱平衡状態が安定するまでの間、改質効率が低下する。
しかしながら、本実施形態の燃料電池システム30によれば、制御部50が、水素貯蔵バッファ42を用いて、改質器40の動作の変動を低減するので、改質器40の出力を変動させるときに生じるエネルギーのロスを削減できる。
図2は、改質器40における、出力と効率との関係の一例を示す図である。横軸は改質器40における定格に対する出力の割合であり、縦軸は改質効率である。一般に、改質器40の効率は、改質器40の出力に依存する。したがって、効率の下限となる基準効率を定めると、改質器40の効率を基準効率以上とするための、改質器40の出力の下限が定まる。
本実施例における改質器40は、時間あたりの最大の水素生成量が、燃料電池48が消費する時間あたりの最大の水素消費量よりも小さいので、より定格に近い出力領域で改質器40を駆動することになり、高い効率で改質器40を駆動することができる。
また、予め定めた効率より高い効率で改質器40を駆動すべく改質器40の出力を高く保った場合に、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量よりも多くなっても、制御部50が水素ポンプ44を制御して余剰の水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵できる。このように、燃料電池48による水素の消費量の変動を、水素貯蔵バッファ42を用いて緩衝できるので、改質器40の出力を高く保つよう改質器40を制御することで、燃料電池48が消費する水素の量が一時的に低くなった場合でも、予め定めた効率より高い効率で改質器40を駆動し続けることができる。
また、制御部50は、改質器40が生成した水素を、水素ポンプ44を用いて夜間に水素貯蔵バッファ42へ貯蔵するよう制御する。一般に、夜間は、昼間に比べて消費電力が少なく、燃料電池48が必要とする水素の量も昼間に比べて少ない。しかしながら、夜間に、改質器40を予め定めた効率よりも高い効率で駆動し続けたときに、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が必要とする水素の量よりも多い場合でも、改質器40が生産した余剰の水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵することができる。このように、消費電力が少ない夜間であっても、改質器40を高い効率で駆動し続けることができる。
また、制御部50は、水素を水素貯蔵バッファ42に貯蔵するか否かを、生成される水素の圧力で判定する。
図3は、水素を貯蔵するか否かを、生成される水素の圧力で判定する場合の、制御部50の動作の一例を示すフローチャートである。生成される水素の圧力と、基準圧力を比較する(S202)。S202における、生成される水素の圧力は、改質器40が生成する水素の圧力であってよい。また、S202における、生成される水素の圧力は、水素精製装置62が供給する水素の圧力であってもよい。
S202において、生成される水素の圧力が基準圧力を越える場合は、水素の圧力が基準圧力を越えないために水素貯蔵バッファ42に貯蔵すべき水素の量を計算する(S204)。S204で計算された貯蔵すべき量の水素に基づいて、水素ポンプ44を駆動して水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵し(S206)、処理を終了する。
S202において、生成される水素の圧力が基準圧力を下回る場合は、水素の圧力が基準圧力を下回らないために水素貯蔵バッファ42から供給すべき水素の量を計算する(S208)。S208で計算された供給すべき量の水素に基づいて、レギュレータ46を制御して水素貯蔵バッファ42から水素を供給し(S210)、処理を終了する。
また、S202の判断に用いる基準圧力として、基準圧力の上限および基準圧力の下限を定めてもよい。すなわち、S202において、生成される水素の圧力が、基準圧力の上限を越える場合は、S204およびS206を実行して、処理を終了する。また、S202において、生成される水素の圧力が、基準圧力の下限を下回る場合は、S208およびS210を実行して、処理を終了する。また、S222において、生成される水素の圧力が、基準圧力の下限以上であり、かつ、基準圧力の上限以下である場合は、処理を終了してよい。
このように、制御部50が、改質器40が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を下回った場合に、レギュレータ46を制御することにより水素を燃料電池48へ提供し、改質器40が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を越えた場合に、水素ポンプ44を駆動することにより水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積するので、燃料電池48に供給する水素の圧力を適切な値に保つことができる。
また、燃料電池48に供給する水素の圧力を適切な値に保つことで、燃料ガスの圧力差による燃料電池48の反応膜の歪みや、燃料電池48に供給される水素の圧力が高まることによる燃料電池48の反応膜の歪みを未然に防ぎ、燃料電池48の反応膜の歪みによる劣化を抑えることができる。
また、制御部50は、水素貯蔵バッファ42によって、燃料電池48に供給する水素の圧力を調整できるので、改質器40が生成する水素の生成物の選択率を高めるべく改質器40が生成する水素の圧力を低く維持しつつ、燃料電池48の稼働率が高まった場合にも、増加した水素の消費量を水素貯蔵バッファ42の水素で補うことができる。
また、制御部50は、電力測定装置52により測定された消費電力を燃料電池48が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器40により生成される水素の量の方が多い場合に、水素ポンプ44を駆動することにより水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積し、改質器40により生成される水素の量の方が少ない場合に、レギュレータ46を制御して水素を燃料電池48へ提供する。このとき、制御部50は、燃料電池48の出力電圧を判定して、水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵するか否かを決定する。
図4は、水素を貯蔵するか否かを、出力電圧で判定する場合の、制御部50の動作の一例を示すフローチャートである。燃料電池48が出力する電圧と、基準電圧を比較する(S222)。
S222において、燃料電池48が出力する電圧が基準電圧を越える場合は、電力測定装置52によって測定された消費電力に基づいて、余剰となる水素の量を計算する(S224)。S224で計算された余剰となる水素の量に基づいて、水素ポンプ44を駆動することにより水素貯蔵バッファ42へ水素を加圧蓄積し(S226)、処理を終了する。
S222において、燃料電池48が出力する電圧が基準電圧を下回る場合は、電力測定装置52によって測定された消費電力に基づいて、不足する水素の量を計算する(S228)。S228で計算された不足する水素の量に基づいて、レギュレータ46を制御して水素貯蔵バッファ42から燃料電池48に水素を供給し(S230)、処理を終了する。
また、S222の判断に用いる基準電圧として、基準電圧の上限および基準電圧の下限を定めてもよい。すなわち、S222において、燃料電池48が出力する電圧が基準電圧の上限を越える場合は、S224およびS226を実行して、処理を終了する。また、S222において、燃料電池48が出力する電圧が基準電圧の下限を下回る場合は、S228およびS230を実行して、処理を終了する。また、S222において、燃料電池48が出力する電圧が、基準電圧の下限以上であり、かつ、基準電圧の上限以下である場合は、処理を終了してよい。
このようにして、制御部50は、負荷54が消費する電力を発電するために必要な量のみの水素を燃料電池48に提供することができる。また、制御部50は、燃料電池48の出力電圧を判断して、負荷54が消費する電力が増加した場合に、燃料電池48が発電する電力を増加させるべく、水素を燃料電池48へ迅速に供給し、負荷54が消費する電力が減少した場合に、燃料電池48が発電する電力を減少させるべく、燃料電池48に供給する水素の量を迅速に減少させることができる。
一般に、改質器40が生成する水素の量を変動させるのに数秒の時間を要する。しかし、本実施形態の燃料電池システム30によれば、燃料電池48への水素の供給量の制御を、レギュレータ46または水素ポンプ44を用いて行うことができる。したがって、燃料電池48への水素の供給量を、改質器40が生成する水素の量を変動させる時間に比べて短い時間で制御することができる。
例えば、レギュレータ46を動作させることで、100ミリ秒以内の応答速度で燃料電池48に水素を供給することができる。改質器40の応答速度は数秒程度であるのに比較して、燃料電池48に供給する時間応答を大幅に向上させることができる。
一般に、負荷54が消費する電力は10ミリ秒程度で変動する。レギュレータ46の応答速度に比べて負荷54の消費電力の変動速度の方が速く、燃料電池48が発電する電力が不足する場合は、二次電池で電力の不足分を補ってもよい。このような場合であっても、水素貯蔵バッファ42を備えることで、二次電池の容量を大幅に小さくできる。
図5は、一日における水素の生成と消費の時間発展の一例を示す図である。横軸は時刻、縦軸は時間あたりに生成される水素量または時間あたりに消費される水素量である。
制御部50は、例えば、改質器40が生成する時間あたりの水素の量を、一日を通じて一定となるよう制御する。また、制御部50は、改質器40を停止することなく全日の間動作させ続ける。
すなわち、時刻t0から時刻t1の時間帯および時刻t4から時刻t5の時間帯は、改質器40が生成する時間あたりの水素の量が、燃料電池48が消費する時間あたりの水素の量を上回る。これらの時間帯では、制御部50は、燃料電池48が消費する水素の量を、バイパス配管56を用いて燃料電池48に供給しつつ、水素ポンプ44を制御して、余剰に生成される量の水素を水素貯蔵バッファ42に貯蔵する。
また、時刻t2から時刻t3の時間帯では、燃料電池48が消費する時間あたりの水素の量が、改質器40が生成する時間あたりの水素の量を上回る。これらの時間帯では、制御部50は、改質器40が生成する水素を、バイパス配管56を用いて燃料電池48に供給しつつ、レギュレータ46を制御して、不足する量の水素を水素貯蔵バッファ42から供給する。
また、時刻t1から時刻t2の時間帯および時刻t3から時刻t4の時間帯では、改質器40が生成する時間あたりの水素の量が、燃料電池48が消費する時間あたりの水素の量と同じである。これらの時間帯では、改質器40が生成する水素を、バイパス配管56を用いて直接燃料電池48に水素を供給する。
一般に、改質器40は、起動時に暖機運転させて改質器40を昇温させる必要がある。したがって、改質器40を停止させると、起動時に暖機運転に要するエネルギーが無駄になる。また、暖機運転には数十分の時間を要し、その期間には、改質器40は燃料電池48へ水素を供給することができない。
しかしながら、本実施形態の燃料電池システム30によれば、制御部50が、改質器40を停止することなく全日の間動作させ続けるので、改質器40を起動するときに生じるエネルギーのロスを削減することができる。また、改質器40を継続的に運転させることで、燃料電池48が水素を必要とするときに、改質器40から水素を供給できる。
図6は、制御部50が有するコンピュータ500の構成の一例を示す図である。本例において、コンピュータ500は、燃料電池システムを図1から図5において説明した、燃料電池システム30として機能させるプログラムを格納する。
コンピュータ500は、CPU700と、ROM702と、RAM704と、通信インターフェース706と、ハードディスクドライブ710と、フレキシブルディスクドライブ712と、CD−ROMドライブ714とを備える。CPU700は、ROM702、RAM704、ハードディスクドライブ710、フレキシブルディスク720、及び/又はCD−ROM722に格納されたプログラムに基づいて動作する。
例えば、燃料電池システム30を機能させるプログラムは、コンピュータ500を、図1から図5に関連して説明した制御部50として機能させ、燃料電池システムを機能させる。
通信インターフェース706は、例えば燃料電池48、改質器40、水素ポンプ44、レギュレータ46、および電力測定装置52と通信し、それぞれの状態等に関する情報を受信し、またそれぞれを制御する制御信号を送信する。格納装置の一例としてのハードディスクドライブ710、ROM702、又はRAM704は、設定情報、及びCPU700を動作させるためのプログラム等を格納する。また、当該プログラムは、フレキシブルディスク720、CD−ROM722等の記録媒体に格納されていてもよい。
フレキシブルディスクドライブ712は、フレキシブルディスク720がプログラムを格納している場合、フレキシブルディスク720からプログラムを読み取りCPU700に提供する。CD−ROMドライブ714は、CD−ROM722がプログラムを格納している場合、CD−ROM722からプログラムを読み取りCPU700に提供する。
また、プログラムは記録媒体から直接RAMに読み出されて実行されても、一旦ハードディスクドライブ710にインストールされた後にRAM704に読み出されて実行されてもよい。更に、上記プログラムは単一の記録媒体に格納されても複数の記録媒体に格納されても良い。また記録媒体に格納されるプログラムは、オペレーティングシステムとの共同によってそれぞれの機能を提供してもよい。例えば、プログラムは、機能の一部または全部を行うことをオペレーティングシステムに依頼し、オペレーティングシステムからの応答に基づいて機能を提供するものであってもよい。
プログラムを格納する記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD−ROMの他にも、DVD、PD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリー等を用いることができる。又、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の格納装置を記録媒体として使用してもよい。
以上の説明から明らかなように本実施形態によれば、制御部50は改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量よりも多い場合に水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵し、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量より小さい場合に、レギュレータ46を用いて水素を燃料電池48へ供給するので、燃料電池48が必要とする水素を過不足なく、迅速に供給することができる。制御部50は改質器40が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を下回った場合に、レギュレータ46を制御することにより水素を燃料電池48へ提供するので、燃料ガスの圧力差による燃料電池48の反応膜の歪みを未然に防ぎ、燃料電池48の反応膜の歪みによる劣化を抑えることができる。
制御部50は電力測定装置52により測定された消費電力を燃料電池48が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器40により生成される水素の量の方が少ない場合に、レギュレータ46を制御して水素を燃料電池48へ提供するので、負荷54が消費する電力を発電するために必要な量のみの水素を燃料電池48に提供することができる。制御部50は燃料電池48の出力電圧が基準値よりも小さくなった場合に、レギュレータ46を制御して水素を燃料電池48へ提供するので、消費電力が増加した場合に、燃料電池48が発電する電力を増加させるべく、水素を燃料電池48へ迅速に供給することができる。
制御部50は、改質器40が生成する水素の量が、燃料電池48が消費する水素の量よりも多い場合に、水素ポンプ44を用いて水素を水素貯蔵バッファ42へ貯蔵するので、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵する必要があるときに、改質器40が生成する水素の圧力が、水素貯蔵バッファ42に水素を蓄積するための圧力より低い場合であっても、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵することができる。また、改質器40の出力を高く保ち、予め定めた効率より高い効率で改質器40を駆動し続けることができる。
制御部50は、燃料電池48による水素の消費量の変動を、水素貯蔵バッファ42を用いて緩衝することにより、改質器40の動作の変動を低減するので、改質器40の出力を変動させるときに生じるエネルギーのロスを削減できる。制御部50は改質器40が生成する水素の圧力が予め定めた圧力を越えた場合に、水素ポンプ44を駆動することにより水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積するので、燃料電池48に供給する水素の圧力を適切な値に保つことができる。このため、改質器40が生成する水素の圧力が高まることによる燃料電池48の反応膜の歪みを未然に防ぎ、燃料電池48の反応膜の歪みによる劣化を抑えることができる。
制御部50は電力測定装置52により測定された消費電力を燃料電池48が発電するために必要な水素の量と比較して、改質器40により生成される水素の量の方が多い場合に、水素ポンプ44を駆動することにより水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積するので、負荷54が消費する電力を発電するために必要な量のみの水素を燃料電池48に提供することができる。
制御部50は燃料電池48の出力電圧が基準値よりも大きくなった場合に、水素ポンプ44を駆動することにより水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積するので、消費電力が減少した場合に、燃料電池48が発電する電力を減少させるべく、燃料電池48に供給する水素の量を迅速に減少させることができる。制御部50は改質器40が生成した水素を、水素ポンプ44を用いて夜間に水素貯蔵バッファ42へ貯蔵するので、消費電力が少ない夜間であっても、改質器40を高い効率で駆動し続けることができる。
制御部50は改質器40を停止することなく全日の間動作させ続けるので、改質器40を起動するときに生じるエネルギーのロスを削減することができる。水素ポンプ44は更に、水素還元装置58により生成された水素を水素貯蔵バッファ42へ加圧蓄積するので、改質器40が生成する水素の全てを燃料電池48が消費している場合でも、水素貯蔵バッファ42に水素を貯蔵できる。
水素還元装置58は更に、負荷54の消費電力よりも燃料電池48の発電する電力の方が大きい場合に、余剰電力を用いて再度、水素を生成するので、燃料電池48が発電する電力を高く維持し、予め定めた発電効率より高い効率で燃料電池48を駆動しつつ、水素を水素貯蔵バッファ42に貯蔵しておくことができる。バイパス配管56は改質器40が生成した水素を、水素貯蔵バッファ42を経由させずに燃料電池48へ供給するので、水素の貯蔵および水素の放出のためにエネルギーを消費することなく、燃料電池48に水素を供給することができる。
改質器40は時間あたりの最大の水素生成量が、燃料電池48が消費する時間あたりの最大の水素消費量よりも小さいので、改質器40を小型にすることができる。また、定格に近い出力領域で改質器40を駆動することになるので、高い効率で改質器40を駆動することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の実施形態に係る燃料電池システム30の構成の一例を示す。 改質器40における、出力と効率との関係の一例を示す。 水素を貯蔵するか否かを、生成される水素の圧力で判定する場合の、制御部50の動作の一例を示すフローチャートである。 水素を貯蔵するか否かを、出力電圧で判定する場合の、制御部50の動作の一例を示すフローチャートである。 一日における水素の生成と消費の時間発展の一例を示す。 制御部50が有するコンピュータ500の構成の一例を示す図である。
符号の説明
40・・・改質器、42・・・水素貯蔵バッファ、44・・・水素ポンプ、46・・・レギュレータ、48・・・燃料電池、50・・・制御部、52・・・電力測定装置、54・・・負荷、56・・・バイパス配管、58・・・水素還元装置、30・・・燃料電池システム

Claims (10)

  1. 水素を生成する改質器と、
    前記改質器により生成された水素を貯蔵する水素貯蔵バッファと、
    水素により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に提供する水素の圧力を目的圧力以下に保ちつつ、前記水素貯蔵バッファに蓄積された水素を前記燃料電池に提供するレギュレータと、
    前記改質器により生成された水素を前記水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する水素ポンプと、
    前記改質器が生成した水素を、前記水素貯蔵バッファ、前記水素ポンプおよび前記レギュレータを経由させずに前記燃料電池へ供給するバイパス配管と、
    前記燃料電池から提供される電力により動作する負荷の消費電力を測定する電力測定装置と、
    前記水素ポンプおよび前記レギュレータを用いて、前記電力測定装置により測定された消費電力を前記燃料電池が発電するために必要な量の水素を前記燃料電池に提供する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記電力測定装置により測定された消費電力を前記燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、前記改質器により生成される水素の量の方が少ない場合に、前記電力測定装置によって測定された消費電力に基づいて不足する水素の量を計算し、計算された水素の量に基づいて、前記レギュレータを制御して前記水素貯蔵バッファから前記燃料電池に不足する量の水素を提供し、前記電力測定装置により測定された消費電力を前記燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、前記改質器により生成される水素の量の方が多い場合に、前記電力測定装置によって測定された消費電力に基づいて余剰となる水素の量を計算し、計算された水素の量に基づいて、前記水素ポンプを駆動することにより前記水素貯蔵バッファへ余剰となる量の水素を加圧蓄積し、
    前記バイパス配管および前記水素貯蔵バッファから前記燃料電池に供給される水素の圧力が、前記制御部が前記水素ポンプおよび前記レギュレータを制御することによって調節される
    燃料電池システム。
  2. 前記負荷の消費電力よりも前記燃料電池の発電する電力の方が大きい場合に、余剰電力を用いて水素を生成する水素還元装置
    を更に備え、
    前記水素ポンプは、更に、前記水素還元装置により生成された水素を前記水素貯蔵バッファへ加圧蓄積する
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水素還元装置は、更に、自然エネルギーを用いて水素を生成する
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記レギュレータの応答速度に比べて前記負荷の消費電力の変動速度の方が速い場合に、前記負荷の消費電力に対する前記燃料電池の発電電力の不足分の電力を供給する二次電池
    を更に備える請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池システムは、複数の住戸のそれぞれに設置される
    請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 改質器を用いて、水素を生成するステップと、
    水素ポンプを用いて、前記改質器により生成された水素を水素貯蔵バッファへ加圧蓄積するステップと、
    レギュレータを用いて、燃料電池に提供する水素の圧力を目的圧力以下に保ちつつ、前記水素貯蔵バッファに蓄積された水素を前記燃料電池に提供するステップと、
    前記燃料電池を用いて、水素により発電するステップと、
    前記改質器が生成した水素を前記水素貯蔵バッファ、前記水素ポンプおよび前記レギュレータを経由させずに前記燃料電池へ供給するバイパス配管を介して、前記改質器が生成した水素を前記燃料電池へ供給するステップと、
    前記燃料電池から提供される電力により動作する負荷の消費電力を測定するステップと、
    前記水素ポンプおよび前記レギュレータを用いて、前記測定された消費電力を前記燃料電池が発電するために必要な量の水素を前記燃料電池に提供する制御ステップと
    を備え、
    前記制御ステップは、前記測定された消費電力を前記燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、前記改質器により生成される水素の量の方が少ない場合に、前記測定された消費電力に基づいて不足する水素の量を計算し、計算された水素の量に基づいて、前記レギュレータを制御して前記水素貯蔵バッファから前記燃料電池に不足する量の水素を提供し、前記測定された消費電力を前記燃料電池が発電するために必要な水素の量と比較して、前記改質器により生成される水素の量の方が多い場合に、前記測定された消費電力に基づいて余剰となる水素の量を計算し、計算された水素の量に基づいて、前記水素ポンプを駆動することにより前記水素貯蔵バッファへ余剰となる量の水素を加圧蓄積し、
    前記制御ステップで前記水素ポンプおよび前記レギュレータを制御することによって、前記バイパス配管および前記水素貯蔵バッファから前記燃料電池に供給される水素の圧力が調節される
    燃料電池システム制御方法。
  7. 前記負荷の消費電力よりも前記燃料電池の発電する電力の方が大きい場合に、前記燃料電池の余剰電力を用いて水素還元装置で水素を生成するステップと、
    前記水素還元装置により生成された水素を、前記水素ポンプを用いて前記水素貯蔵バッファへ加圧蓄積するステップと
    を更に備える請求項6に記載の燃料電池システム制御方法。
  8. 自然エネルギーを用いて、前記水素還元装置で更に水素を生成するステップ
    を更に備える請求項7に記載の燃料電池システム制御方法。
  9. 前記レギュレータの応答速度に比べて前記負荷の消費電力の変動速度の方が速い場合に、前記負荷の消費電力に対する前記燃料電池の発電電力の不足分の電力を二次電池から供給するステップ
    を更に備える請求項6から8のいずれか一項に記載の燃料電池システム制御方法。
  10. 前記改質器、前記水素ポンプ、前記水素貯蔵バッファ、前記レギュレータ、前記燃料電池、前記バイパス配管および前記負荷は、複数の住戸のそれぞれに設置される
    請求項6から9のいずれか一項に記載の燃料電池システム制御方法。
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