JP4981747B2 - ナノファイバ製造装置、および製造方法 - Google Patents
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Description
前記放出された原料液から空中で生成された繊維状物質を表面に堆積して収集するための繊維状物質収集用部材と、
ブラシ状電極もしくは前記収集用部材を前記原料液と逆極性に帯電させる前記ブラシ状電極を含む収集用部材帯電手段と、を備え、
前記収集用部材は、前記空中で生成された繊維状物質を一方の面に堆積して収集するように配設されたシート状の部材であり、
前記ブラシ状電極が、前記収集用部材の他方の面と接触、または近接して配置されている。
前記収集用部材をその長手方向に送る送り機構を備えるのも好ましい。
また、前記基材の長手方向が前記収集用部材の送りの方向と略垂直になるように配設されるのも好ましい。
また、前記ブラシ状電極が、前記収集用部材の幅の内側に収まるように配設されるのも好ましい。
前記原料液を放出させる放出孔を有し、前記原料液を一時的に保持する、少なくとも前記放出孔の開口部が導体から形成される、接地された容器と、
前記原料液の前記放出孔からの放出を補助する力を前記原料液に加えるように動作する力印加機構と、を含むのも好ましい。
前記誘導電極に電圧を印加するための電源と、を備えるのも好ましい。
また、前記原料液放出手段が、
前記原料液を放出させる放出孔を有し、前記原料液を一時的に保持する、少なくとも前記放出孔の開口部が導体から形成された容器と、
前記原料液の前記放出孔からの放出を補助する力を前記原料液に加えるように動作する力印加機構と、を含むのも好ましい。
また、前記容器の前記放出孔と対向して配設される、接地された被誘導電極を備えるのも好ましい。
また、前記ブラシ状電極に電圧を印加するための電源を備えるのも好ましい。
また、前記容器は、少なくとも一端が塞がれた円筒形状を有しており、
前記放出孔は、前記容器の周壁に形成されており、
前記力印加機構は、前記原料液が遠心力により前記放出孔から放出されるように前記容器を回転する回転駆動機構から構成されるのも好ましい。
また、前記容器は、1つの面に前記放出孔が形成された箱形状を有しており、
前記力印加機構は、前記原料液が前記放出孔から放出されるように前記原料液を加圧する加圧機構から構成されるのも好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明のナノファイバ製造方法は、
(a)高分子材料を含む原料液を帯電させる工程、
(b)前記帯電させた原料液を空中に放出する工程、
(c)静電爆発により、前記放出された原料液から繊維状物質を空中で生成する工程、
(d)ブラシ状電極もしくは、前記空中で生成された繊維状物質を一方の面に堆積して収集するように配設されたシート状の繊維状物質収集用部材を、前記ブラシ状電極を含む収集用部材帯電手段により、前記ブラシ状電極を、前記収集用部材の他方の面と接触、または近接して配置することで、前記原料液と逆極性に帯電させる工程、並びに
(d)前記空中で生成された繊維状物質を前記帯電させた収集用部材の前記一方の面に堆積して収集する工程、
を含む。
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1に係るナノファイバ製造装置の概略構成を示す、一部を断面にした側面図である。図2は、図1の一部の拡大図である。
図1および図2に示す製造装置は、導体からなる概略円筒形状の、接地された容器2を備えている。容器2は、ナノファイバの原料である高分子材料を分散または溶解してなる原料液Fを一時的に保持するものであり、周壁に原料液Fを外部に放出するための多数の細孔からなる放出孔2aを有している。また、容器2の周囲には、環状電極(誘導電極)3が、内周面を容器2の外周面と一定の距離をおいて対向するように同軸に配設されている。環状電極3は、一方の端子が接地された高電圧電源7の他方の端子(図示例では、負極)と接続されており、これにより容器2の周面には、環状電極3とは逆極性の電荷(図示例では、正電荷)が誘導される。
また、環状電極3には、電源7から1〜200kVの電圧(図示例では負電圧)を印加するのが好ましい。より好ましくは、10kV以上の高電圧を印加するのがよい。特に、容器2と環状電極3との間の電界強度が重要であり、1KV/cm以上の電界強度になるように印加電圧や誘導電極の配置を行うことが好ましい。これにより、容器2と環状電極3との間に均等且つ強い電界を発生させることができる。
一般的には、収集用部材21は、絶縁性材料から構成されるが、これに限定するものではなく、長尺のシート状の部材の中に、カーボンナノファイバ等の導電性材料を混合し、収集用部材21に導電性を持たせるようにして、ブラシ状電極24から収集用部材21に電荷が移動できるようにしてもよい。
また、ブラシ状電極24は、長手方向が収集用部材24の送りの方向と垂直になるように配するとともに、その長手方向が収集用部材24の幅の範囲内に収まるように配設するのがよい。ブラシ状電極24が収集用部材24の幅方向にはみ出てしまうと、はみ出した部分に繊維状物質F1が直接に堆積してしまうからである。
原料液供給配管15を通して原料液Fが内部に供給された容器2をモータ13により回転させることで、原料液Fに、放出孔2aからの放出を補助するような遠心力が働く。また、電源7により環状電極3に高電圧を印加することで、容器2の少なくとも放出孔2aの開口部に環状電極3に印加される電圧とは逆極性の電荷が誘導される。
これにより、容器2と環状電極3との間で電界が発生し、環状電極3に印加された電圧により容器2に誘導された電荷により原料液Fは帯電される。この電界により、帯電した原料液Fに対して環状電極3に向かわせる力が生じる。
次に、本発明の実施の形態2を説明する。本実施の形態2は、実施の形態1を改変したものであり、以下、実施の形態1とは異なる部分のみを説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係るナノファイバ製造装置の概略図である。実施の形態2のナノファイバ製造装置は、送風機4が省略されるとともに、1つの面(図の下面)に図示しない複数の放出孔が形成された箱状の導体からなる容器2Gを備えている。容器2Gは、上記1つの面が収集用部材21と対向するように配設されるとともに、その内部には、原料供給用配管15Gを介して所定圧力で原料Fが供給され、これにより原料液Fの上記放出孔から収集用部材21に向けての放出が補助されている。
ここで、ブラシ状電極24Gは、図4に示すように、基材24a1の幅(収集用部材21の送りの方向の長さ)が実施の形態1におけるよりも大きく、基材24a1が平板状に形成されている。また、繊維状導体24bは、基材24a1の一方の面に幾筋かのラインを形成するように植設される。
次に、本発明の実施の形態3を説明する。本実施の形態3は、実施の形態1を改変したものであり、以下、実施の形態1とは異なる部分のみを説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係るナノファイバ製造装置の概略図である。同図に示すように、実施の形態3のナノファイバ製造装置においては、実施の形態1における環状電極3が省略されている。また、実施の形態1のブラシ状電極24に代えて、実施の形態2と同様のブラシ状電極24Gが、収集用部材21の他方の面に常に接触するように配置され、そのブラシ状電極24Gが、正極端子が接地された高電圧電源7の負極端子に接続されている。なお、ブラシ状電極24Gを高電圧電源7の負極端子に接続し、高電圧電源7の正極端子を接地するものとしてもよい。
このように、環状電極(誘導電極)3ではなく、ブラシ状電極24Gに高電圧を印加することによっても、容器2に電荷を誘導することが可能であり、これによって、ナノファイバ製造装置の部品数を減少させることが可能となる。
また、図6では、容器2を接地し、ブラシ状電極24Gに負の高電圧を印加したが、容器2の接地を止めて、正の高電圧電源7を接続し、容器2とブラシ状電極間に高電圧を印加するようにしても、同様の効果は得られる。
次に、本発明の実施の形態4を説明する。本実施の形態4は、実施の形態2を改変したものであり、以下、実施の形態2とは異なる部分のみを説明する。図8は、本発明の実施の形態4に係るナノファイバ製造装置の概略図である。
実施の形態4においては、図8に簡略化して示すように、スイッチ17が省略され、箱状の容器2Fは低電圧電源7Gと常に接続されるとともに、原料Fの放出孔にノズル16が設けられている。
なお、ブラシ状電極24、24Gの収集用部材21の送り方向の幅は、所定の幅に変更することができ、広範囲にブラシ状電極を形成することで、その上を移動する収集用部材上に繊維状物質を広範囲に安定して堆積させることができる。
2a 放出孔
3 環状電極
4 送風機
5 コレクタ
7 電源
13 モータ
21 収集用部材
22 送り機構
23 収集用部材帯電機構
24 ブラシ状電極
24a 基材
24b 繊維状導体
Claims (17)
- 高分子材料を含む原料液から静電爆発により繊維状物質を生成するように、前記原料液を帯電させて空中に放出する原料液放出手段と、
前記放出された原料液から空中で生成された繊維状物質を表面に堆積して収集するための繊維状物質収集用部材と、
ブラシ状電極もしくは前記収集用部材を前記原料液と逆極性に帯電させる前記ブラシ状電極を含む帯電手段と、を備え、
前記収集用部材は、前記空中で生成された繊維状物質を一方の面に堆積して収集するように配設されたシート状の部材であり、
前記ブラシ状電極が、前記収集用部材の他方の面と接触、または近接して配置されているナノファイバ製造装置。 - 前記収集用部材が、長尺帯状であり、
前記収集用部材をその長手方向に送る送り機構を備える請求項1記載のナノファイバ製造装置。 - 前記ブラシ状電極が、棒状の基材に多数の繊維状導体を植設して構成される請求項1または2記載のナノファイバ製造装置。
- 前記基材の長手方向が前記収集用部材の送りの方向と略垂直になるように配設される請求項3記載のナノファイバ製造装置。
- 前記ブラシ状電極が、平板状の基材に多数の繊維状導体を植設して構成される請求項1または2記載のナノファイバ製造装置。
- 前記ブラシ状電極が、前記収集用部材の幅の内側に収まるように配設される請求項2〜5のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。
- 前記原料液放出手段が、
前記原料液を放出させる放出孔を有し、前記原料液を一時的に保持する、少なくとも前記放出孔の開口部が導体から形成される、接地された容器と、
前記原料液の前記放出孔からの放出を補助する力を前記原料液に加えるように動作する力印加機構と、
を含む請求項1〜6のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。 - 前記容器の前記放出孔と対向して配設される誘導電極と、
前記誘導電極に電圧を印加するための電源と、
を備える請求項7記載のナノファイバ製造装置。 - 前記原料液放出手段が、
前記原料液を放出させる放出孔を有し、前記原料液を一時的に保持する、少なくとも前記放出孔の開口部が導体から形成された容器と、
前記原料液の前記放出孔からの放出を補助する力を前記原料液に加えるように動作する力印加機構と、を含み、
前記容器に電圧を印加するための電源を備える請求項1〜6のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。 - 前記容器の前記放出孔と対向して配設される、接地された被誘導電極を備える請求項9記載のナノファイバ製造装置。
- 前記ブラシ状電極が接地されている請求項1〜10のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。
- 前記ブラシ状電極に電圧を印加するための電源を備える請求項1〜10のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。
- 前記放出孔から放出された原料液を、前記収集用部材の方向に移送するための気流を発生させる気流発生手段を備える請求項1〜12のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。
- 前記容器は、少なくとも一端が塞がれた円筒形状を有しており、
前記放出孔は、前記容器の周壁に形成されており、
前記力印加機構は、前記原料液が遠心力により前記放出孔から放出されるように前記容器を回転する回転駆動機構から構成される請求項1〜13のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。 - 前記誘導電極または前記被誘導電極が、前記容器の周囲に同軸に配された円筒状部材から構成される請求項14記載のナノファイバ製造装置。
- 前記容器は、1つの面に前記放出孔が形成された箱形状を有しており、
前記力印加機構は、前記原料液が前記放出孔から放出されるように前記原料液を加圧する加圧機構から構成される請求項1〜12のいずれかに記載のナノファイバ製造装置。 - (a)高分子材料を含む原料液を帯電させる工程、
(b)前記帯電させた原料液を空中に放出する工程、
(c)静電爆発により、前記放出された原料液から繊維状物質を空中で生成する工程、
(d)ブラシ状電極もしくは、前記空中で生成された繊維状物質を一方の面に堆積して収集するように配設されたシート状の繊維状物質収集用部材を、前記ブラシ状電極を含む帯電手段により、前記ブラシ状電極を、前記収集用部材の他方の面と接触、または近接して配置することで、前記原料液と逆極性に帯電させる工程、並びに
(d)前記空中で生成された繊維状物質を前記帯電させた収集用部材の前記一方の面に堆積して収集する工程、
を含むナノファイバ製造方法。
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