JP4980940B2 - プラスチックキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、螺子係合式のプラスチックキャップに関するものであり、より詳細には、キャップのスカート状側壁の内面に、容器口部壁と螺子係合する螺条が形成されており、この螺子係合により容器口部に保持される螺子係合式プラスチックキャップに関する。
螺子係合式のプラスチックキャップは、種々の用途に使用されているが、特に炭酸飲料、果実飲料、お茶類などの飲料類が充填された容器のキャップとして、汎用されている。
このような螺子係合式のキャップは、キャップ頂板部の周縁から降下したスカート状側壁の内面に、容器口部壁の外面に形成されている螺条と係合する螺条を有しているが、内容液を充填後、キャッピング行程が完了するまでの間に容器内容液がこぼれてしまい、容器口部壁の外面側に付着していることがある。このような状態でキャップを容器に締結すると、所謂シュガーセメントの発生などにより、キャップの開栓トルクが上昇してしまい、開栓が困難となってしまうことがある。特に容器口部壁外面の螺条に液が付着していると、このような開栓トルクの上昇傾向が著しい。また、内容液が糖分を含まないようなものであったとしても、キャップを開栓したとき、容器口部壁の外面に茶渋などが残り、容器の外観を損ねてしまうなどの問題も生じる。また、衛生性の点でも好ましくない。このため、スカート状側壁の上方部分には、洗浄用のスリットを形成し、容器口部壁にキャップが締結された状態で洗浄液を侵入させ、該スリットを通して、キャップのスカート状側壁と容器口部壁の外面との間に洗浄液を流し込むことにより、容器口部壁の外面に付着した内容液を除去することが行われている(特許文献1、2参照)。
特開平11−208693号 特開2005−255233号
しかしながら、最近では、容器のヘッドスペースが小容積となるように、多量の内容液が容器内に充填され、内容液の液面が容器口部壁の上端もしくはその近傍にまで上昇していることが多く、キャップを締結するまでの工程或いはキャップを締結する際に内容液のこぼれを生じ易く、比較的多量の内容液が容器口部壁の外面(特に螺子部の外面)に付着していることが多く、スカート状側壁に洗浄用のスリットを設けたとしても、容器口部壁の外面に付着した内容液を十分に除去できないという問題があった。
従って、本発明の目的は、キャップのスカート状側壁の内面に容器口部壁との係合用の螺条が設けられている螺子係合式キャップが設けられている螺子係合式プラスチックキャップについて、その洗浄性をさらに高め、容器口部壁の外面への内容液の付着残存を確実に防止することが可能なキャップを提供することにある。
本出願人は、先にスカート状側壁の内面に、洗浄用のスリットが形成されている部分を通過する縦リブを設けることにより、洗浄性が高められたプラスチックキャップを提案した(特願2007−337126)。本発明は、この縦リブが所定の傾斜面を有するような形状とすることにより、洗浄性を一層高めることに成功したものである。
本発明によれば、頂板部と、頂板部周縁から降下したスカート状側壁とを備え、該スカート状側壁の内面には、容器口部壁の外面と螺子係合する螺条が形成されているプラスチックキャップにおいて、
前記スカート状側壁には、前記螺条よりも上方に位置する部位において周方向に延びているスリットが、周方向に間隔をおいて複数形成されているとともに、
前記スカート状側壁の内面には、上方から下方に向かって延びている縦リブが所定の間隔をおいて複数形成されており、各スリットが形成している空間部分には、少なくとも1本の縦リブが延びていると共に、
前記縦リブを上方からみたとき、その少なくとも一方の側面が、該縦リブの付け根部の中心とキャップの中心軸とを結ぶ基準面から遠ざかる方向に、前記スカート状側壁の内面から傾斜して延びている傾斜面となっていることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
本発明においては、
(1)前記縦リブの傾斜面の前記基準面に対する傾斜角θは、10乃至80度の範囲に設定されていること、
(2)前記縦リブの両側面が前記傾斜面となっていること、
ことが好適である。
本発明のキャップにおいては、洗浄液をキャップ外面から侵入させて洗浄を行ったとき、スカート状側壁に設けられる複数のスリットから洗浄液がキャップの内部に導入されて流れ落ち、容器口部壁の螺条もしくはその上部に付着した内容液を除去できるのであるが、このようなスリットを設けると同時に、スカート状側壁の内面に、各スリットの内面側の開口部を通るように延びている縦リブが形成されているものであり、この縦リブの少なくとも一方の側面が、該縦リブの付け根部の中心とキャップの中心軸とを結ぶ基準面から遠ざかる方向に、前記スカート状側壁の内面から傾斜して延びている傾斜面となっていることが重要な特徴である。
即ち、洗浄用のスリットを設けただけでは、十分に洗浄を行うことができない。この理由は明確に解明されていないが、おそらく表面張力などの作用により、洗浄用のスリットから流入した洗浄液が十分に流れ落ちず、洗浄スリットが形成されている部分の近傍の空間部分に滞留してしまうためではないかと考えられる。しかるに、本発明にしたがい、スリットの内面側の開口を通るように縦リブを設け、しかも、この縦リブが上記のような傾斜面を有しているときには、この縦リブが洗浄用のスリットから導入された洗浄液の案内として著しく高い効果を発揮し、このため、洗浄液の滞留が効果的に防止され、洗浄液がキャップ内部へとスムーズに流れ落ちるようになり、洗浄力が一層高められ、容器口部壁の外面部分に付着した内容液を確実に除去することができるのである。
例えば、上記のような縦リブを設けず、単にスリットを設けただけのキャップを、87℃の熱水が充填され且つネジ部にウーロン茶が吹き付けられた350mlのPETボトルキャップに巻締めてサンプルボトルを作製し、通常採用されている条件で熱水シャワーでの洗浄を20分程度行い、乾燥を行ったものでは、ほぼ全部に、ボトルのネジ部での液付着が観察される。しかるに、上記のような傾斜面を有していない縦リブが洗浄用スリットの空間部分に延びているキャップを用いて同様の実験を行うと、ボトルのネジ部分に液付着が観察されるものは、半分程度に改善されることになる。さらに、本発明にしたがい、一方の側面が傾斜角θが45度の傾斜面を有している縦リブを形成したキャップを用いた場合には、ボトルのネジ部分に液付着が観察されるのは、更に減り、洗浄性が著しく向上するのである。
即ち、熱水の入った容器にキャップを逆さにしてスリットの上部まで漬けて熱水の浸入する様子を観察すると、上記のような傾斜面を有する縦リブが形成されている本発明のキャップでは、スリットからキャップ内に導入された熱水は、縦リブの上記傾斜面側から一気にキャップ内に流れ込んでいくことが観察されることから、この傾斜面が、洗浄液をキャップ内に導入する案内として大きく寄与していることが判る。従って、本発明では、上方から見たとき、縦リブの両側面が、上記のような傾斜面となっているときに洗浄液の案内としての機能が最も大きく、洗浄性を最も高めることができるものと考えられる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
図1は、本発明のプラスチックキャップの半断面側面図であり、
図2は、図1のキャップのI−I平断面図であり、
図3は、図1のキャップの要部側断面を、容器口部壁とともに示した図であり、
図4は、図1のキャップの要部側断面の拡大図であり、
図5は、図2のキャップの要部の拡大平断面図であり、
図6は、本発明のプラスチックキャップの別の形態を示す図2に対応した平断面図であり、
図7は、図6のキャップの図4に対応した要部の拡大側断面図であり、
図8は、図6のキャップの図5に対応した要部の拡大平断面図であり、
図9は、本発明のプラスチックキャップのさらに別の形態を示す図2に対応した平断面図であり、
図10は、図9のキャップの図5に対応した要部の拡大平面断面図である。
図1乃至図3を参照して、本発明のプラスチックキャップは、頂板部1と、頂板部1の周縁部から垂下しているスカート状側壁3とから構成されている。
頂板部1の内面には、スカート状側壁3とは間隔を置いて下方に延びているインナーリング5が形成されており、このインナーリング5の外側には、インナーリング5よりも背の低いアウターリング7が形成されている。また、アウターリング7の内面の付け根部分には、内方に突出した基部8が形成されており、さらにインナーリング5とアウターリング7との間の部分には、周状の小突起9が形成されている。
一方、スカート状側壁3の内面には、螺条(雌螺子)11が形成されており、この螺条11には、キャップの高さ方向に延びている切欠き部12が適当な間隔で形成されている。この切欠き部12は、後述する洗浄液の流路となる。
また、螺条11の下側部分には、外面からの切り込み(カッティング)により、複数のブリッジ13を残すようにして破断用スリット15が形成されている。即ち、この破断用スリット15は、全周にわたって形成されており、これにより、スカート状側壁の下部には、タンパーエビデントバンド17が形成され、このタンパーエビデントバンド17は、上記のブリッジ13によってスカート状側壁3に連なったものとなっている。また、このタンパーエビデントバンド17の内面には、適当な間隔で上向きのフラップ片19が設けられている。
また、図3に示されているように、上記キャップが締結される容器の口部壁50の外面には、スカート状側壁3に設けられている螺条(雌螺子)11と螺子係合する螺条(雄螺子)51が設けられており、さらに、螺条51の下側には顎部53が形成されている。
即ち、上記のキャップは、容器口部壁50に被せられ、閉栓方向に回転すると、螺条11と螺条51との螺子係合により締結され、容器口部壁50の上端部分が、インナーリング5とアウターリング7との間の空間に侵入し、インナーリング5の外面が容器口部壁50の内面に密着することによりシールが確保される。また、アウターリング7の内面は、容器口部壁50の外面の上端部分に密着しており、このため、キャップの閉栓或いは開栓に際して、インナーリング5とアウターリング7とは同心円状に回転することとなり、インナーリング5と容器口部壁50との密着(即ちシール性)が有効に保持される。即ち、閉栓状態においては、安定にシール性を確保することができ、開栓に際しては、キャップの回転により直ちにシール破壊が生じることはなく、ある程度回転した後にシール破壊を生じることになり、以下に述べるタンパーエビデントバンド17の機能を十分に発揮させることができる(ブリッジの破断に先立ってのシール破壊を防止するようにすることができる)。尚、上記のような構造のキャップにおいて、上部から偶発的に外力が加わったときには、周状小突起9が容器口部壁50の上端に衝突することとなり、この結果、上部からの外力が緩和され、キャップの変形を有効に回避できるようになっている。
タンパーエビデントバンド17は、いわゆるタンパーエビデント(開封履歴証明)機能を有するものであり、いたずら防止や内容物の品質保証などのために利用される。即ち、容器口部壁50に締結されているキャップを開栓方向に回転すると、該キャップは容器口部壁50に沿って上昇するが、その上昇に伴って、タンパーエビデントバンド17の内面に設けられているフラップ片19は、容器口部壁50の外面に形成されている顎部53の下面に係止し、従って、タンパーエビデントバンド17の上昇は制限される。この結果、キャップの開栓方向への回転を続けていくと、タンパーエビデントバンド17を連結しているブリッジ13が破断し、タンパーエビデントバンド17がキャップから引き剥がされることとなる。この結果、タンパーエビデントバンド17が引き剥がされているキャップは、開封済みのものであること或いは既にシール破壊が生じたものであることを示し、一般の需要者は、開封履歴を認識することができるのである。
また、スカート状側壁3には、周方向に延びている洗浄用のスリット20が、周方向に間隔を置いて複数個(この例では、図2に示されているように6個)設けられており、キャップの上方からシャワーなどによる加熱された洗浄液の吹き付けにより、容器口部壁50に締結されているキャップの内部に洗浄液が導入され、容器口部壁50の外面及びキャップの内面の洗浄が行なわれることとなる。
本発明においては、洗浄用のスリット20は、螺条(雌螺子)11よりも上部に設けられていればよいが、特にアウターリング7の下端よりも上方に位置していることが好ましい。
即ち、内容液が充填されている容器では、その口部壁50の外面には、内容液がこぼれ出て付着してしまっていることがあり、このような容器にキャップを締結すると、キャップのスカート状側壁3の内面との間、特に螺条11,51間に付着した内容液が存在しているとシュガーセメントなどの生成により、開栓が困難となってしまうこともある。特に、最近では、容器内にヘッドスペースを残さないように内容液を多量に充填する傾向があるため、キャップ締結時に内容液がこぼれてしまい、このような内容液の付着を生じ易い。従って、上記のような洗浄用のスリット20を設け、キャップが締結された状態で上方から加熱された洗浄液(例えばシャワー温水)をキャップに吹き付け、洗浄用のスリット20からキャップの内部(容器口部壁50とスカート状側壁3との間)に洗浄液を流し込み、付着している内容液を洗い流すわけである。この洗浄液は、螺条11、51間を通り、螺条11に形成されている切欠き部12を通り、下方に流れ出る。このようにして洗浄を行った場合、螺条11,51間の洗浄は十分に行われるとしても、特にアウターリング7の下端の近傍部分(例えば容器口部壁50に形成されている螺条51の最上部の上面付近)の洗浄が不十分となりやすい。アウターリング7の下端部分には凹部が形成され、洗浄液が十分に行き渡らないためである。しかるに、アウターリング7の下端よりも上方に洗浄用のスリット20を設けておけば、このような部分に付着している内容液も確実に洗浄除去することが可能となるのである。
上記のスリット20の大きさや数は、キャップの強度を低下させることなく、十分な量の洗浄液がキャップの内部に均等に導入されるように形成され、通常、その高さ方向の幅d(図4参照)が0.01乃至0.10mm程度とされ、さらにその周方向幅A(図5参照)は、2.0乃至5.0mm程度とし、且つ隣り合うスリット20の間隔D(図2参照)が5.0乃至20.0mm程度の範囲となるように、4乃至8個程度の数でスカート状側壁3の周方向に均等に形成させることが好適である。
本発明では、スリット20の位置を、上記のようにアウターリング7の下端よりも上方に設定することにより、アウターリング7の下端近傍に十分に洗浄液を行き渡らせることを可能とするものであるが、このような位置にスリット20を設けると同時に、要部の拡大図である図4及び図5にも示されているように、スカート状側壁3の内面に、各スリット20の内面側の開口を通るように縦リブ30が設けられる。
既に述べたように、スリット20を設けただけでは、スリット20の近傍部分の空間に洗浄液が滞留してしまい、この結果、十分な量の洗浄液が流れ落ちず、洗浄力の向上は十分でない。しかるに、上記のように、各スリット20のそれぞれについて、その内面側の開口部分を通過するように縦リブ30を設けておくことにより、縦リブ30がスリット20から導入された洗浄液の案内として機能するために、洗浄液が滞留せずにスムーズに流れるため、洗浄効果が高められるわけである。
本発明のプラスチックキャップに形成されている上記の縦リブ30において、図5に示されているように、スカート状側壁3の内面から延びている縦リブ30の一方の側面は、縦リブ30の付け根部の中心Oとキャップの中心軸とを結ぶ基準面Xから遠ざかる方向に、スカート状側壁3の内面から傾斜して延びている傾斜面30aとなっている。この傾斜面30aの基準面Xに対する傾斜角θは、10乃至80度の範囲にあることが好ましく、特に、30乃至60度の範囲にあることが好ましい。このような傾斜面30aにより、洗浄スリット20から導入された洗浄液の案内として機能が著しく高められるために、洗浄液が安定してスムーズに流れ落ちることとなり、洗浄性が一層高められる。
例えば、このような傾斜面30aを有していない縦リブ30(即ち、角θがほぼ0度である縦リブ)を設けた場合には、縦リブ30を設けていないものと比較すれば、洗浄性は向上するのであるが、本発明のように縦リブ30に傾斜面30aを設けた場合には、その洗浄性は一層高められ、洗浄液のキャップ内での滞留が一層効果的に防止され、洗浄液の流れが一層スムーズになり、容器口部壁50の外面部分に付着した内容液を更に除去することができ、シュガーセメントなどによる開栓性の低下等を一層効果的に防止することができるのである。
尚、上記のような縦リブ30の他方の側面30bは、傾斜面となっているが、前記基準面Xに近づく側に傾斜してスカート状側壁3の内面から延びているものであるため、スカート状側壁3の内面とで形成される接続部の空間が広く形成されることとなる。即ち、傾斜面30aとスカート状側壁3の内面とで形成される接続部の空間は狭く形成されるため、スリット20の内面側の開口まで達した洗浄液がこの狭い空間に誘導され、これに起因して洗浄液が連続的にキャップの内部に流し込むように作用するが、傾斜面30b側では、傾斜面30bとスカート状側壁3の内面とで形成される接続部の空間が広いため、スリット20の内面側の開口まで達した洗浄液がこの広い空間に誘導され難いため、洗浄液のキャップの内部への流れ込みが傾斜面30a側と比べると乏しいためではないかと考えられる。
本発明において、上記の縦リブ30は、傾斜面aが各スリット20の内面側の開口部分と連結している限り、その大きさや数は特に制限されるものではないが、
通常、該縦リブ30は、頂板部1の内面から延びていること(その上端が頂板部1の内面に連続していること)が好ましい(図4等参照)。即ち、縦リブ30の上端と頂板部1の内面との間に空間が形成されてしまうと、キャップ成形時の型抜きがしにくくなるおそれがある。
上記の縦リブ30の下端位置は、図4等に示されているように、スリット20よりも若干下方にまで延びていれば、十分な洗浄効果を発揮させることができる。
また、縦リブ30の長さw(図5参照)は、特に制限されるものではないが、一般に、その径方向長さL(図4参照)が0.3mm以上、特に0.5mm以上とするのがよい。この長さLがあまり短いと液案内効果が低下する傾向があるからである。尚、この長さLは、w・cosθ(θ:前記傾斜面30aの傾斜角)に相当する。
さらに、図1〜図5の例では、縦リブ30とアウターリング7の外面との間に空間が形成されているが、その径方向長さLを十分大きくし、図6〜図8の他の形態を示す図に示されているように、この縦リブ30とアウターリング7の外面とが連なるようなものとすることも可能である。ただし、縦リブ30とアウターリング7とが連なっていると、アウターリング7の外方への変形が抑制されるため、キャップを容器口部に締結する際の閉栓トルク或いは開栓する際の開栓トルクが若干増大してしまうことがある。従って、閉栓性や開栓性の観点からは、図1〜図5に示されているように、縦リブ30がアウターリング7の外面には連なっていないことが好適である。
ところで、上述したスリット20は、キャップを成形した後、成形されたキャップを回転させながらカッターを用いての後加工(カッティング)により形成される。このため、スリット20の内面側の開口部を通るように縦リブ30が形成されているようにするために、傾斜して延びている縦リブ30を周方向に間隔をおいて等間隔に複数個形成するとともに、下記式(1)で規定される条件:
A≧B+C (1)
式中、Aは、各洗浄用のスリット20の周方向幅を示し、
Bは、隣り合う縦リブ30の間隔を示し、
Cは、各縦リブ30の付け根部の幅を示す、
を満足するようにスリット20、縦リブ30を設定しておくことが最適である。即ち、予め縦リブ30をこのような間隔、大きさで周方向に均等に配置しておけば、どのような位置から後加工を開始した場合にも、縦リブ30は、スリット20の内面側の両端部ではなく、中間部分を通ることとなり、縦リブ30の洗浄液案内効果が最大限に発揮されるからである。
また、上述した図1〜図5及び図6〜図8の例では、縦リブ30は、全体として一方側に傾斜して延びており、このような形状に由来して、縦リブ30の一方側の側面が傾斜面30aとなっているが、さらに別の形態を示す図9の平断面図及び図10の要部の拡大平面断面図に示されているように、縦リブ30の平断面形状をスカート状側壁3の内面側(付け根部側)を上底とし、キャップ内方側を下底とする台形形状とすることもできる。このような形状の縦リブ30では、縦リブ30の両側面が図1〜8に示す形態の傾斜面30aとなっており、スリット20から導入された洗浄液は、2つの傾斜面30aとスカート状側壁3の内面とで形成される接続部の狭い空間に誘導されて案内されるため、その洗浄効果はさらに向上することとなる。
また、上述した各種の具体例では、キャップの頂板部1の内面にインナーリング5とアウターリング7とが形成され、これらリング5,7の間に容器口部壁50が挿入されてシールされるワンピースタイプのキャップが示されているが、本発明は、このようなワンピースキャップに制限されるものではなく、例えばキャップのスカート側壁の内面に螺条が形成され、螺子係合により容器口部が装着される限り、頂板部の内面にライナー或いは中栓が設けられたツーピースキャップに本発明を適用することも可能である。
本発明の優れた効果を、次の実験例で説明する。
(実施例キャップ)
図4、図5に示す形状の呼び径28mmのポリプロピレン製樹脂キャップを圧縮成形にて成形した。その後、スリット形成行程にてキャップスカート状側壁にスリット形成用カッターで後加工にてスリットを形成した。スリットは、キャップ頂板部天面から下方に2.5mmの高さ位置に、スリット周方向幅A:4.0mm、軸方向幅d:0.1mm(最小幅0.01mm)の寸法にて、周方向に均等間隔で6箇所配置され、また、縦リブは周方向幅:0.5mm、径方向幅L:0.5mm、傾斜角度θ:45°、軸方向長さ:0.1mm(スリット下端から下方に延びる長さ)で周方向に均等間隔で15個配置されている。
(比較例キャップ)
比較例キャップ1は、上記実施例におけるリブ形状のみ異なっており、縦リブが周方向幅:0.5mm、径方向幅:0.3mm、軸方向長さ:0.1mmで周方向に均等間隔で30個配置されている。実施例との違いは縦リブが径方向内方に傾斜して延びていない点である(即ち、角θがほぼ0度である縦リブ)。比較例キャップ2は、縦リブ自体が全く存在しない形状であり、その他は実施例と全て同じである。
(評価方法)
各キャップのスリットからの洗浄液の浸入量を測定した。まず、予めTEバンドを除去したキャップを87℃熱水を充填した350mlPETボトルに被嵌し、キャッピングマシンにて巻締める。次にキャップスカート状側壁内面と容器口部外面との空間を下方から覆う樹脂製カバーを取り付け、加熱した洗浄液による熱殺菌シャワー工程(76℃−3.5分→50℃−4.2分→40℃−4分→35℃−5.9分→30℃−2.5分)を施した。その後サンプルを取りだし、樹脂製カバー内に回収されたスリットからの洗浄液浸入量を測定した。評価本数は、各5本とし、その平均を表1に示す。
Figure 0004980940
本発明のプラスチックキャップの半断面側面図。 図1のキャップのI−I断面図。 図1のキャップの要部側断面を、容器口部壁とともに示した図。 図1のキャップの要部側断面の拡大図。 図2のキャップの要部の拡大平断面図。 本発明のプラスチックキャップの別の形態を示す図2に対応した平断面図。 図6のキャップの図4に対応した要部の拡大側断面図。 図6のキャップの図5に対応した要部の拡大平断面図。 本発明のプラスチックキャップのさらに別の形態を示す図2に対応した平断面図。 図9のキャップの図5に対応した要部の拡大平断面図。
符号の説明
3:スカート状側壁
5:インナーリング
7:アウターリング
11:キャップの螺条
20:スリット
30:縦リブ
30a:縦リブの傾斜面
50:容器口部壁
51:容器口部壁の螺条

Claims (3)

  1. 頂板部と、頂板部周縁から降下したスカート状側壁とを備え、該スカート状側壁の内面には、容器口部壁の外面と螺子係合する螺条が形成されているプラスチックキャップにおいて、
    前記スカート状側壁には、前記螺条よりも上方に位置する部位において周方向に延びているスリットが、周方向に間隔をおいて複数形成されているとともに、
    前記スカート状側壁の内面には、上方から下方に向かって延びている縦リブが所定の間隔をおいて複数形成されており、各スリットが形成している空間部分には、少なくとも1本の縦リブが延びていると共に、
    前記縦リブを上方からみたとき、その少なくとも一方の側面が、該縦リブの付け根部の中心とキャップの中心軸とを結ぶ基準面から遠ざかる方向に、前記スカート状側壁の内面から傾斜して延びている傾斜面となっていることを特徴とするプラスチックキャップ。
  2. 前記縦リブの傾斜面の前記基準面に対する傾斜角θは、10乃至80度の範囲に設定されている請求項1に記載のプラスチックキャップ。
  3. 前記縦リブの両側面が前記傾斜面となっている請求項1または2に記載のプラスチックキャップ。
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