JP4980275B2 - スライディングノズルプレートの再生方法 - Google Patents

スライディングノズルプレートの再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、製鋼プロセスにおいて溶鋼の排出制御及び流量調整に使用されたスライディングノズルプレートについて、耐用期間の延長を図る処理を行うスライディングノズルプレートの再生方法に関するものである。
スライディングノズル装置は、製鋼プロセスにおいて取鍋やタンディッシュなどの溶鋼容器から溶鋼を排出する際に、溶鋼の排出制御及び流量調整のために用いられる装置である。一般的なスライディングノズル装置100は、図3(a)に示すように、溶鋼容器の底部90の開口部に嵌め込まれた上ノズル101と、上ノズル101の底部に固定された固定プレート111と、固定プレート111に対して往復動または回転により摺動する摺動プレート112と、摺動プレート112が固定された下ノズル102とを具備している。そして、固定プレート111及び摺動プレート112にはそれぞれ貫通孔111h,112hが設けられており、固定プレート111の貫通孔111hは上ノズル101のノズル孔101pと、摺動プレート112の貫通孔112hは下ノズル102のノズル孔102pと位置が一致している。このような構成により、摺動プレート112の摺動によって、上ノズル101のノズル孔101pと下ノズル102のノズル孔102pとが連通または非連通に切り替えられ、溶鋼容器からの溶鋼の排出または排出停止が制御されると共に、固定プレート111の貫通孔111hと摺動プレート112の貫通孔112hが連通する部分の大きさの変化によって、溶鋼の流量調整が行われる。
なお、図3(a)では、スライディングノズル装置100が二枚のスライディングノズルプレート111,112を備える場合を例示したが、図3(b)のように、上ノズルに固定される上固定プレート121、下ノズルに固定される下固定プレート122、上固定プレート121と下固定プレート122との間で摺動する摺動プレート123の三枚のスライディングノズルプレートを備えるスライディングノズル装置も用いられている。
このように使用されるスライディングノズルプレートは、高温の溶鋼やスラグと接触することにより損傷が激しい。例えば、摺動プレート112では、図4に示すように、溶鋼の排出時に溶鋼を流通させる貫通孔112h周縁の部分Aでは、流動する溶鋼による物理的浸食に加えて、熱衝撃による剥離や亀裂が生じ易く、損傷が極めて著しい。また、溶鋼の排出停止時に溶鋼を受け止める部分Bでは、溶鋼による化学的浸食や組織内への溶鋼の浸入による構造的スポーリングが著しい。そして、摺動プレート112の摺動に伴って溶鋼との接触部が移動する部分Cも、部分A,Bよりは程度が軽いものの同様に溶鋼によって損傷する。更に、摺動面112sは、重力方向に大きな荷重を受けつつ固定プレートと摺り合わされることにより、損耗すると共に表面が粗いものとなる。そのため、スライディングプレートの耐用期間は短く、適宜新品と交換する必要があり、コストがかかると共に資源が無駄となっていた。
そこで、使用済みのスライディングノズルプレートについて、耐用期間の延長を図る処理を行う再生方法が提案されている。例えば、二枚のスライディングノズルプレートのうち一方を予め厚く設定しておき、使用後に厚い方のプレートの損傷面を研磨し、薄い方のプレートのみを新品に取り替えて使用する再生方法が提案されている(特許文献1参照)。或いは、図5に示すように、貫通孔205の周縁部が損傷した使用済みのスライディングノズルプレート201を(図5(a))、段階的に孔径が変化するように貫通孔周りを専用ビットで切削し(図5(b))、同心円柱型の筒体210を貫通孔に嵌合すると共に(図5(c))、もともと非摺動面201sであった面を研磨し新たな摺動面として使用する再生方法も提案されている(特許文献2参照)。
特許第3272345号公報 特開2003−181626号公報
しかしながら、特許文献1の再生方法は、予め一方のプレートが厚く設定されていなければ適用できないため、汎用性がないという問題があった。また、溶鋼により損傷したスライディングノズルプレートでは、組織が脆く粗くなっているため、機械的に研磨することにより亀裂や剥離が拡大してしまうという問題があった。特に、構造的スポーリングに対する耐性が高い等の利点から、近年スライディングノズルプレートに多用されているカーボン質耐火煉瓦では、酸化雰囲気下での使用により炭素分が失われて組織がポーラスとなるため、機械的な研磨による亀裂や剥離の問題は大きいものであった。
一方、特許文献2の再生方法は、筒体を貫通孔に接着することにより目地部が形成されるため、目地部を介して溶鋼が漏出してしまうおそれがあった。また、貫通孔周りの損傷部分は取り除かれるものの、図4を用いて説明した部分B,部分C等、他の損傷部分については何ら再生処理が行われないという問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、使用済みスライディングノズルプレートの損傷を全体的に修復して耐用期間の延長を図ることができると共に、汎用性を有するスライディングノズルプレートの再生方法の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるスライディングノズルプレートの再生方法は、「使用済みスライディングノズルプレートの耐火物層にタールまたはピッチを含浸させる含浸工程と、タールまたはピッチを含浸させた前記使用済みスライディングノズルプレートを加熱し、タールまたはピッチから揮発成分を除去する加熱工程とを」具備している。
「スライディングノズルプレート」は、上述のように、固定プレート及び摺動プレートの二枚で組み合わされるスライディングノズルプレートであっても、上固定プレート、摺動プレート、及び下固定プレートの三枚で組み合わされるスライディングノズルプレートであっても良い。また、摺動方向も、往復動及び回転の何れであっても良い。すなわち、相対的な摺動により、それぞれの貫通孔を連通または非連通とする構成のスライディングノズルプレートであれば、本発明を適用することができる。
使用済みスライディングノズルプレートの「耐火物層」としては、高アルミナ質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−マグネシア質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、アルミナ−スピネル−カーボン質、アルミナ−ジルコニア−カーボン質、ジルコニア質等の耐火煉瓦を例示することができる。
「タールまたはピッチ」としては、無水タール、石炭系ピッチ、石油系ピッチを例示することができる。ここで、石炭系ピッチはその軟化点により、軟ピッチ(軟化点約70℃以下)、中ピッチ(軟化点70〜85℃)、硬ピッチ(軟化点約85℃以上)に分類されるが、その何れであっても使用することができる。また、「タールまたはピッチの含浸」は、タールまたはピッチの含浸液に、使用済みスライディングノズルプレートを所定時間浸漬することにより行うことができる。このとき、含浸液の粘性が低いほど耐火物層の空隙内に含浸させ易いため、タールまたはピッチを加熱して粘度を低下させても良い。或いは、希釈剤を使用してタールまたはピッチの粘度を低下させることもできる。なお、タールまたはピッチの固定炭素の値が大きいほど、含浸後の組織の密度を高くすることができるが、一般的に固定炭素の値が大きいほど軟化点は高くなる。そのため、固定炭素の値が大きいピッチを使用する場合等は、含浸液をより高温まで加熱して含浸工程を行う。
「加熱工程」は、タールまたはピッチを含浸させたスライディングノズルプレートを加熱することにより、タールまたはピッチに含まれる揮発成分を除去する工程であるが、揮発成分を完全に除去することが要件とされるものではない。
上記の構成により、本発明によれば、高温の溶鋼やスラグとの接触により損傷し、組織が脆く粗くなった耐火物層中に、含浸工程においてタールまたはピッチが浸入する。その結果、損傷した部分にタールまたはピッチが充填されて修復され、耐火物層が緻密化すると共に、タールまたはピッチの粘結作用によって亀裂の進展や剥離の拡大が防止される。これにより、使用済みのスライディングノズルプレートの耐用期間を、延長させることができる。
また、タールまたはピッチの含浸は、スライディングノズルプレートごと含浸液に浸漬することによって行うことができるため、使用済みスライディングノズルプレートの全体に対して、損傷を修復する再生処理を施すことができる。これにより、本発明によれば、溶鋼を流通させる貫通孔の周縁部、溶鋼の排出停止時に溶鋼を受ける部分、及び、スライディングノズルプレートの摺動面における損傷を、同時に修復することができる。また、含浸工程及び加熱工程は、スライディングノズルプレートの種類やサイズに影響を受けないため、本発明は汎用性を有している。
本発明にかかるスライディングノズルプレートの再生方法は、「前記耐火物層は、炭素質耐火煉瓦である」ものとすることができる。
「炭素質耐火煉瓦」としては、アルミナ−カーボン質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、アルミナ−スピネル−カーボン質、アルミナ−ジルコニア−カーボン質等の耐火煉瓦を例示することができる。
炭素質耐火煉瓦は、耐熱衝撃性が大きい、熱膨張率が小さい、化学的浸食に対する耐性に優れる、溶融金属に対する濡れ性が小さい等の性質を有するため、過酷な環境下で使用されるスライディングノズルプレートを構成する耐火物層として適している。しかしながら、炭素質であるがゆえに、酸化雰囲気下で酸化し易いという短所を有している。加えて、製鋼工程では溶鋼の炭素含有率は極めて低いため、溶鋼との接触により炭素質耐火煉瓦から溶鋼中へ炭素が溶出する傾向もある。すなわち、酸化反応や溶出によって、炭素質耐火煉瓦中の炭素分が失われ、組織がポーラスとなることは避けにくい。従って、含浸工程において耐火物層中の空隙をタールまたはピッチで充填する本発明は、使用により組織がポーラスとなることが避けにくい炭素質耐火煉瓦を用いたスライディングノズルプレートを再生する方法として、極めて適している。
本発明にかかるスライディングノズルプレートの再生方法は、上記構成に加え、「前記加熱工程より後に行われる、前記使用済みスライディングノズルプレートの貫通孔の周縁部を切削し前記貫通孔を拡大させる孔縁切削工程を」具備する。ここで、本発明では、孔縁切削工程を経たスライディングノズルプレートは、拡大した貫通孔の大きさのまま、再使用に供される。
従来では、使用済みのスライディングノズルプレートを再生するために、損傷を受けた貫通孔の周縁部を切削した場合、貫通孔の大きさを元の大きさに戻そうとするのが、当業者の考え方であった(特許文献2参照)。これは、スライディングノズル装置において、上ノズルのノズル孔、下ノズルのノズル孔、及び、スライディングノズルプレートの貫通孔は、同一の径に設定されるのが通常であるからである。
このような当業者の常識に反し、本発明者らは、再生後の使用済みスライディングノズルプレートの貫通孔の大きさを、必ずしも元の大きさに戻す必要がないことに思い至った。すなわち、損傷を受けた周縁部を切削し貫通孔の大きさが拡大した場合、溶鋼の流量調整にあたり、重ね合わされたスライディングノズルプレートのそれぞれの貫通孔が連通する部分の大きさの調整の仕方は変化しても、溶鋼の流量調整自体は支障なく行うことができる。また、上ノズル及び下ノズルの一方を新品に交換する場合もあり、そのような場合には、再生後の使用済みスライディングノズルプレートを新品のスライディングノズルプレートと組み合わせ、再生後の使用済みスライディングノズルプレートを継続使用するノズル側に配置すると好適である。これにより、損耗により拡大したノズルの孔径と再生後のスライディングノズルプレートの孔径が合致し易くなる。
従って、本発明によれば、従来技術とは異なり、周縁部を切削した貫通孔に新たな筒体を嵌挿させ、貫通孔の大きさを元に戻す工程を要しないため、簡易な工程で手間や時間ををかけることなく、スライディングノズルプレートを再生することができる。また、周縁部の切削により拡大した貫通孔に筒体を嵌挿させる従来技術とは異なり、再生処理によって新たに目地部が形成されることがないため、目地部を介して溶鋼が漏出するおそれがあるという、従来技術の問題点を回避することができる。
以上のように、本発明の効果として、使用済みのスライディングノズルプレートの損傷を全体的に修復して耐用期間の延長を図ることができると共に、汎用性を有するスライディングノズルプレートの再生方法を提供することができる。
以下、本発明の最良の一実施形態であるスライディングノズルプレートの再生方法について、図1及び図2に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態のスライディングノズルプレートの再生方法の工程図であり、図2は図1の方法により再生された使用済みスライディングノズルプレートの使用を説明する説明図である。
本実施形態のスライディングノズルプレートの再生方法(以下、単に「再生方法」と称する)は、図1に示すように、使用済みスライディングノズルプレートをスライディングノズル装置から取り外して回収する回収工程S1と、回収された使用済みスライディングノズルプレートの耐火物層にタールまたはピッチを含浸させる含浸工程S2と、タールまたはピッチを含浸させた使用済みスライディングノズルプレートを加熱し、タールまたはピッチから揮発成分を除去する加熱工程S3と、加熱後の使用済みスライディングノズルプレートをブラスト処理するブラスト工程S4と、溶鋼やスラグとの接触により損傷した貫通孔の周縁部を切削し、貫通孔を拡大させる孔縁切削工程S5とを具備している。なお、以下では、スライディングノズルプレートを「SNプレート」と称して説明する。
より詳細に説明すると、回収工程S1では、耐用限界として設定している使用回数に至る前にSNプレートを回収する。SNプレートの損傷があまりに進行すると、本実施形態の再生方法の作用効果を十分に発揮させることができないからである。例えば、使用済みSNプレートを再生せずに廃棄する場合に、その使用条件での通常の耐用限界がnチャージと設定されている場合は、(2n/3)チャージ程度の使用後に回収すると好適である。具体的には、通常7〜8チャージ後に取り外して廃棄するSNプレートの場合、5〜6チャージで取り外して回収し、以下の処理を行う。
含浸工程S2では、タールまたはピッチの含浸液を用意し、その含浸液に使用済みSNプレートを所定時間浸漬する。ここで、SNプレートの耐火物層内にタールまたはピッチを含浸させ易くするため、タールまたはピッチの粘性を低下させる目的で、加熱しながら本工程を行うことができる。また、含浸液を加圧しながら含浸工程を行うことにより、タールまたはピッチを強制的に耐火物層に含浸させることができる。なお、含浸工程S2に先立ち、使用済みSNプレートを減圧し、空隙内を脱気する工程を付加することができる。これにより、耐火物層にタールまたはピッチがより含浸し易いものとなる。
加熱工程S3の加熱温度条件は、200〜400℃(いわゆるベーキング)、500〜700℃(いわゆるコーキング)とすることができる。本工程により、タールまたはピッチ中の揮発成分が除去され、スライディングノズル装置の使用中に、SNプレートから発煙することが防止される。
加熱工程S3で加熱された後には、タールまたはピッチの滓がSNプレートの表面に残留している。そこで、ブラスト工程S4で、ブラスト処理によって滓の除去を行なう。ブラスト処理における投射材の種類、粒子径、投射速度などの処理条件は、SNプレートを構成する耐火物の種類やタールまたはピッチの種類等に応じて、適宜設定することができる。
孔縁切削工程S5では、貫通孔の周縁部を切削するが、一般的に貫通孔の断面形状は略円形であるので、同心円状に切削する。貫通孔の周縁部は、貫通孔を介して溶鋼を排出させる際に、流通する溶鋼による物理的な浸食を受けると共に、溶鋼による化学的な浸食を受ける。また、溶鋼排出の開始時及び停止時に受ける熱衝撃によって、亀裂や剥離が生じ易い。更に、貫通孔の内壁から溶鋼が耐火物層内に浸入し、耐火物層が変質する構造的スポーリングに起因する亀裂や剥離も生じ易い。すなわち、SNプレートにおいて貫通孔の周縁部は、使用による損傷が非常に大きい部分である。従って、本工程で貫通孔の周縁部を切削することにより、損傷の著しい部分が取り除かれる。その結果、貫通孔の内壁は損傷のほとんどない新しい面となり溶鋼に対する耐性は回復するが、孔径は使用開始前に比べてひと回り大径になる。
上記の工程S1〜S5を経て再生された使用済みSNプレートは、再生後の使用済みSNプレート同士を組み合わせて使用することも、再生後の使用済みSNプレートの一枚と、新品のSNプレートの一枚とを組み合わせて使用することもできる。
例えば、同一の施設で複数種類のスライディングノズル装置を使用しており、それらの装置間で上ノズル及び下ノズルのノズル孔の径が相違している場合は、ノズル径が小さい方のスライディングノズル装置に使用されたSNプレートを再生し、ノズル径が大きい方のスライディングノズル装置に取り付けて再使用することができる。例えば、同一の施設で、ノズル孔の径が60mm,65mm,70mmの三種類のスライディングノズル装置を使用している場合は、60mm用のSNプレートを再生後に65mm用として使用し、65mm用のSNプレートを再生後に70mm用として使用することができる。このような場合は、上ノズル側のSNプレートと下ノズル側のSNプレートとの両方に、再生後の使用済みSNプレートを使用することができる。
あるいは、上ノズル及び下ノズルの一方を新品に交換すると共に、再生後の使用済みSNプレート1の一枚と、新品のSNプレート20の一枚とを組み合わせて使用することができる。例えば、図2に示すように、上ノズル11uは交換せずに継続使用し、新品の下ノズル12nと組み合わせて使用する場合、再生後の使用済みSNプレート1を上ノズル11u側に固定される固定プレートとして使用し、新品のSNプレート20は下ノズル12n側の摺動プレートとして使用すると好適である。これにより、損耗により拡大した上ノズル11uの孔径11pと再生後のスライディングノズルプレート1の孔径1hが合致し易くなる。
また、再生後の使用済みSNプレート1を新品のSNプレート20と組み合わせて使用する場合、それぞれの貫通孔1h,20hの径が相違することとなる。そのため、SNプレート1,20の相対的な摺動による溶鋼の流量調整にあたり、貫通孔1h,20h同士が連通する部分の大きさの変化のさせ方は、二枚のSNプレートの貫通孔の径が同一である場合とは異なるが、両者の径が著しく相違しない限りは(孔縁切削工程S5における切削が常識的な範囲であれば)、溶鋼の流量調整自体は支障なく行うことができる。
上記のように、本実施形態の再生方法によれば、使用済みSNプレートの耐火物層の脆く粗くなった組織内に、含浸工程S2でタールまたはピッチが充填される。その結果、耐火物層が再び緻密化すると共に、含浸したタールまたはピッチの粘結作用により、亀裂の進展や剥離の拡大が防止される。これにより、使用済みのSNプレートの耐用期間を延長させることができる。
また、含浸工程S2では、SNプレートごと含浸液に浸漬され、使用済みSNプレートの全体に対して、耐火物層の組織を修復する再生処理が行われる。これにより、溶鋼を流通させる貫通孔の周縁部、溶鋼の排出停止時に溶鋼を受ける部分、及び、SNプレートの摺動面における損傷を、同時に修復することができる。また、本実施形態の各工程S1〜S5は、何れもSNプレートの種類やサイズに影響を受けないため、本実施形態の再生方法は汎用性を有している。
また、本実施形態の再生方法は、従来技術とは異なり、孔縁切削工程S5で周縁部を切削した貫通孔に新たな筒体を嵌挿させる工程を具備しない。これにより、簡易な工程で手間や時間をかけることなく、SNプレートを再生することができる。また、拡大した貫通孔に筒体を嵌挿させる従来技術とは異なり、再生処理によって新たに目地部が形成されることがないため、目地部を介して溶鋼が漏出するおそれがあるという、従来技術の問題点を回避することができる。
加えて、本実施形態では、含浸工程S2及び加熱工程S3を経た後に孔縁切削工程S5を行っている。このように、損傷により脆く粗くなった耐火物層の組織を、ピッチの充填によって緻密かつ強固なものに修復してから機械的な切削を行うことにより、孔縁切削工程S5においてSNプレートの貫通孔の周縁部を、容易かつきれいに切削することができる。
以下、具体的な実施例について説明する。本実施例は、アルミナ−カーボン質耐火煉瓦で構成されたSNプレートについて、上記の再生方法を適用したものである。本実施例のSNプレート(新品)は、アルミナ質耐火材料にカーボン成分を添加した原料を、樹脂系の結合剤と共に混合・混錬し、成形した後、非酸化または弱酸化雰囲気で乾燥、焼成することにより製造した。また、本実施例のSNプレート(新品)は、焼成後にピッチを含浸させた後、ピッチの揮発成分を除去する加熱処理、及び、ピッチ滓を除去するブラスト処理を施したものである。
上記のように製造されたSNプレート(新品)を、200トンの溶鋼を収容する取鍋の底部に装着されたスライディングノズル装置において使用した。この取鍋では、通常の使用条件では7チャージ後にSNプレートを取り外し、廃棄することとなっている。本実施例では、5チャージ後に、二枚組みのSNプレートの12組を取り外し、回収した。
回収した12組の使用済みSNプレートについて、表1に示すように、半数の6組は本発明の再生方法に基づく再生処理を施すグループ、残りの6組は再生処理を施さないグループとし、両グループについて再使用回数及び物性を比較した。再生処理を施した6組については、まず、貫通孔周りに部分的に固着した溶鋼やスラグを除去し、劣化した裏面のックッション材を除去するクリーニングを行った後、固定炭素約40%のピッチを約250℃、約15気圧の条件で、約6時間含浸させた(含浸工程)。その後、200〜300℃の温度で約24時間ベーキングを行うことによりピッチの揮発成分を除去し(加熱工程)、更に、ピッチ滓を除去するブラスト処理を行った(ブラスト工程)。再生処理を施さない6組については、上記と同様のクリーニングのみを行った。
再生処理を施した6組、及び、再生処理を施さない6組のそれぞれについて、1組を以下の物性試験に供した。また、それぞれ残る5組については、裏面に新たなクッション材を貼着し、摺動面への潤滑材の塗布を行った後、再びスライディングノズル装置に取り付けて使用した。再生処理を施した組については、再使用できた回数は平均4.5チャージ、すなわち、総使用回数は9.5チャージであった。従って、本発明の再生方法による再生処理を施すことにより、耐用期間を約36%延長させることができた。これに対し、再生処理を施さなかった組では、再使用できた回数は平均2チャージであり、総使用回数は耐用期間として設定している回数と同じであった。
Figure 0004980275
<物性試験>
再生処理を施した使用済みSNプレート(A)及び再生処理を施さない使用済みSNプレート(B)のそれぞれについて、見掛け気孔率、平均気孔径、及び、圧縮強さの測定を行った。見掛け気孔率は、JIS R2205に基づいて測定した。平均気孔径は、直径10mm×高さ20mmのサイズに切り出した試験片の数個について、水銀圧入法を用いて気孔径分布を測定し、その結果からメディアン径(直径)として求めた。圧縮強さは、JIS R2206−1に基づいて測定した。その結果を、表2にまとめて示す。
Figure 0004980275
表2から明らかなように、再生処理を施すことにより、見掛け気孔率が大きく減少すると共に平均気孔径も一桁小さいものとなり、圧縮強さは約30MPa増大していた。これは、溶鋼やスラグとの接触、及び、SNプレート同士の相対的な摺動により損傷を受け、粗く脆くなった耐火物層にピッチが含浸することにより、空隙が充填されて組織が緻密化したと共に、ピッチの粘結作用によって微小な亀裂の進展や剥離の拡大が防止されたものと考えられた。そして、このような作用により、上記のように、耐用期間を延長する効果が得られたものと考えられた。
加えて、本実施例のSNプレートはアルミナ−カーボン質耐火煉瓦で構成されているため、酸化雰囲気下での使用により炭素分が失われ、気孔が増大することは避けられない。そのため、粘結作用を有するピッチで気孔を充填する含浸工程を備えた本再生方法によって、上記のように顕著な再生効果が得られたものと考えられた。
なお、上記の実施例において再生処理を施したグループと同様の条件で、加熱工程の温度条件のみを500〜600℃のコーキングに変更して実施した例では、再生後の見掛け気孔率は5〜8%、平均気孔径は0.05μm、圧縮強さは160〜200MPaであった。この結果は、加熱工程でベーキングを行った場合よりも効果は多少劣るものの、ピッチの含浸によって気孔が充填される作用効果が同様に得られたことを、示していると考えられた。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、使用済みSNプレートにおいて摺動面の損耗が激しい場合は、上記の工程に加えて、摺動面を1〜2mmの厚さ分研磨する工程を付加することができる。この場合は、摺動面とは反対側の面にクッション材を貼着した後、厚さ調整及び強度補強のための板材(例えば、ブリキ製、鉄製等)を更に貼着する。このようにすることにより、特許文献1のように元々のSNプレートを厚くしておかなくても、研磨により薄くなった使用済みSNプレートを再びライディングノズル装置に取り付け、支障なく使用することができる。
本発明の一実施形態のスライディングノズルプレートの再生方法の工程図である。 図1の方法により再生された使用済みスライディングノズルプレートの使用を説明する説明図である。 一般的なスライディングノズル装置を説明する構成図である。 スライディングノズルプレートが損傷を受け易い部分を説明する(a)平面図、及び、(b)縦断面図である。 従来のスライディングノズルプレートの再生方法を説明する説明図である。
符号の説明
S2 含浸工程
S3 加熱工程
S5 孔縁切削工程
1 使用済みスライディングノズルプレート
1h 使用済みスライディングノズルプレートの貫通孔

Claims (2)

  1. 使用済みスライディングノズルプレートの耐火物層にタールまたはピッチを含浸させる含浸工程と、
    タールまたはピッチを含浸させた前記使用済みスライディングノズルプレートを加熱し、タールまたはピッチから揮発成分を除去する加熱工程と
    前記加熱工程より後に行われる、前記使用済みスライディングノズルプレートの貫通孔の周縁部を切削し前記貫通孔を拡大させる孔縁切削工程と
    を具備することを特徴とするスライディングノズルプレートの再生方法。
  2. 前記耐火物層は、炭素質耐火煉瓦であることを特徴とする請求項1に記載のスライディングノズルプレートの再生方法。
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