JP4979925B2 - 遊技盤 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球機等の障害釘を打設する遊技機用の遊技盤に関する。
近年、遊技機用の遊技盤について、低発泡合成樹脂を用いることが提案されている(特許文献1〜5)。
特許文献1は、図6(A)に示す様に、発泡倍率1.5〜2.5倍で発泡させた発泡ポリスチレン製の板材を芯材101とし、0.5mm〜2.0mmの広葉樹単板102を、接着剤で貼り合わせたものをパチンコ機の遊技盤として用いることを提案している。
特許文献2は、図6(B)に示す様に、ポリエチレン製発泡層を芯103にして、その両面にポリエチレン製スキン層104を形成した板を用いて、発泡層103の両側のスキン層104,104に跨がるように障害釘105を打ち込んで遊技盤とすることを提案している。
特許文献3は、発泡ポリエチレン樹脂製の平板を遊技盤とすることを提案している。
特許文献4は、ポリスチレン樹脂製の硬質押出シートと、ABS樹脂製の発泡押出しシート(発泡倍率1.6倍)を、発泡押出しシート4枚を流れ方向が交差するように貼り合せた後、更に硬質押出しシートを上下に貼り合せたものを遊技盤とする実施例1を提案している。また、硬質押出シートに代えて、発泡倍率1.1倍のABS樹脂製の厚み1mmの発泡押出しシートを上下に貼り合わせる実施例2,3を提案している。さらに、表層厚み0.7mm、芯層厚み20mm(発泡倍率1.5倍)のABS樹脂製の3層押出しシートとする実施例4を提案している。
特許文献5は、ABS樹脂に、発泡剤を混練し、ガスカウンタープレッシャー法を用い、金型内のガス圧力を95kg/cm2 に保ち、 金型内にほぼ90%の樹脂を射出した段階で金型内のガスを脱気し、発泡させながら更に樹脂を100%まで射出することにより図6(C)に示すように、2〜3mm幅の発泡部106をA部の厚み方向中央にのみ発生させ、表裏面を平滑とした遊技盤を提案している。
特開平5−168746(0007〜0008、図1,図2) 実用新案登録第2565443号(0004,0007,図4) 特開平8−243216(0009) 特開2005−13589(0019〜0022) 特開平11−99244(0024,0025、図1)
特許文献1の技術は、ポリスチレン製の芯材に広葉樹単板を接着剤で貼り合わせたものであるため、釘を抜くだけでは再生プラスチック等として再利用することができず、リサイクルについて問題がある。
特許文献2の段落番号0008に記載される様に、ポリエチレン製板材は印刷性が悪く、熱処理を行う必要がある。従って、特許文献2の技術では、遊技盤の表面に絵や文字等を印刷するために熱処理工程が必要になるという問題がある。
特許文献3は、発泡ポリエチレン樹脂製の平板を用いるとよいことが一行だけ記載されているに過ぎず、その用い方や、当該平板の構造については一切記載がない。また、特許文献2の技術と同様に、ポリエチレンであることから、遊技盤の表面に絵や文字等を印刷するために熱処理工程が必要になるという問題がある。
特許文献4の実施例1は、種類の異なる樹脂を貼り合わせていることから、再生利用が困難である。また、実施例1〜3は、6枚のシートを貼り合わせるものであるから、製造工数が多くなるという問題がある。実施例4は、芯層も表層も同一種類の樹脂を用いているものの、重合方法とゴム成分量とが異なる2種類のABS樹脂を用いた積層構造となっている。従って、これも再生利用において、ゴム成分量がいくつのABS樹脂として再生できるかを容易に把握することができないため、クローズドリサイクルの再生利用という面では不十分である。
特許文献5の技術は、金型が複雑になることから、製造が容易ではないという問題がある。
そこで、本願は、低発泡樹脂を用いた遊技盤において、遊技盤として備えるべき機能を十分に備え、かつ、クローズドリサイクルとしての再生利用が容易で、しかもその製造も容易な低発泡樹脂製遊技盤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技盤は、障害釘を打設する基板を低発泡合成樹脂製とすると共に、さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする。
(1−1)前記低発泡合成樹脂製の基板が、表層から中心まで同一組成の低発泡スチレン系樹脂製の単板であって、単層押出成形によって製造され、その内部における気泡の分布を中心部に集中させることにより、中心ほど密度が低く、表層に近付くほど密度が高く形成されたものであること。
(1−2)前記低発泡スチレン系樹脂製の単板は、切削加工により遊技盤基板の形状に加工され、表面に直接印刷によって装飾がなされていること。
(1−3)前記直接印刷による装飾がなされた遊技盤基板には、障害釘をその先端が遊技盤基板の中心部を超えて裏面近くまで達する様に打ち込むと共に、コーナー飾りや役物等の装飾部品を取り付けたものであること。
また、本発明の遊技盤は、請求項1記載の遊技盤から、以下の手順によってリサイクルされて得られたものであることを特徴とする
(A)廃棄される遊技機から前記遊技盤を取り外し、コーナー飾りや役物等の装飾部品を取り外すと共に、障害釘を抜き取って基板の状態にする。
(B)次に、前記基板の状態とされた遊技盤を破砕機にかけて破砕し、ペレット化する。
(C)次に、破砕によって生成されたペレットに対し、洗浄機と洗浄剤とを用いて、インクを除去するための脱墨処理を実行する。
(D)次に、脱墨処理によってインクを除去したペレットを水槽に入れ、比重により不純物を分離して再生ペレットを得る。
(E)以上の様にして得られた再生ペレットに対して、バージン樹脂ペレットを加え、発泡剤を添加し、これらを溶融し、撹拌混合して得られた樹脂組成物を発泡させつつ単層押出成形により単板を成形する。
(F)こうして得られた低発泡樹脂製単板を、木工機械で加工して遊技盤基板とした後に、直接シルク印刷を実施して装飾を施し、釘打ち機で障害釘を打ち込み、役物等の装飾部品を取り付け、遊技機として組み立てる。
この場合、前記(A)〜(F)の手順により二回以上繰り返しリサイクルされた請求項2記載の遊技盤であって、二回目以降のリサイクル工程においては、前記(E)の手順におけるバージン樹脂ペレットの混合割合を前回リサイクル時よりも増加させることを特徴とする遊技盤。
本発明の遊技盤は、表層から中心までが同一組成である上に、直接印刷によって装飾がなされているから、役物などの取付部品を外し、障害釘を抜き取り、インキを脱墨処理して破砕してペレット化することで、再び遊技盤材料として再利用することができる。従って、クローズドリサイクルとしての再生利用が可能である。
また、表層から中心部まで同一組成で構成されるものの発泡倍率を、例えば1.3〜2.0倍とし、気泡の分布を中心部に集中させて、表層に近付くほど密度が高くなる様に構成することができる。表層は中心部に比べて滑らかな表面となり、しかも、硬度も十分に得られ、遊技球の衝突や擦過に対して損傷を受け難い。その一方、中心部は気泡が集中し、密度が低く構成されているので、障害釘を打設したときに、基板に割れ等を生じることなく、しっかりと障害釘を保持することができる。
なお、障害釘は、その先端が基板の中心部を超えて裏面近くまで打ち込む様にするとよい。こうすることで、障害釘に対して作用する軸を保持しようとする力が、釘先端で強く、徐々に弱くなった後再び徐々に強くなり、表層近くで最も強くなる。この様に、釘先端も十分な保持力を受けているので、遊技球が繰り返し衝突することによって障害釘が緩んでしまったり抜けてしまったりするといった問題を生じない。また、上述の様に中心部の保持力は弱くなっているから、軸方向に釘を抜くときの抵抗はそれ程大きくはならず、リサイクルに際しての障害釘の抜き取りをスムーズに実施することができる。
さらに、本発明の遊技盤は、表層から中心部まで同一組成で構成するものの、気泡の分布を中心部に集中させているので、1.3〜2倍に発泡させていても、表層は相対的に気泡が少なく密度が高い滑らかな面となるので、直接印刷による装飾が可能となっている。加えて、スチレン系樹脂であるから、エチレン系樹脂の様に印刷に先立っての加熱処理等が不要である。なお、ここで、直接印刷の方法としては、シルク印刷が大量生産に適する。
スチレン系樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS)、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体(AES)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)などを挙げることができる。
ここで、発泡倍率を2.0倍よりも大きくすると、気泡が大きくなり、比重も小さくなって、同じ板厚のときに、遊技盤に取り付けられる電子部品等の重量を支え難くなったり、変形したりするおそれがある。当該問題を解決する方法としては、板厚を大きくする方法もあるが、その場合、遊技盤を組み込む遊技機の奥行き寸法を大きくしなければならなくなり、既存のホール設備との関係から問題を生じるおそれがある。一方、発泡倍率を1.3倍よりも小さくすると、十分な発泡状態とならず、リサイクルに当たっての釘の抜き取りに多大な労力を要すると共に、釘を打ち込む際に遊技盤基板にクラックが入るおそれがある。こうした理由から、発泡倍率を1.3倍〜2.0倍とすることが望ましいのである。
なお、ABS樹脂製単板の板厚は、8mm〜19mmが望ましい。板厚19mmは、現状のベニヤ板を用いた場合と同じであるから、これ以内であれば、遊技機の奥行き寸法を大きくすることがない。よって、既存のホールへの設置という点で望ましい。一方、板厚を8mm未満とすると、障害釘の打ち込み深さの不足を招いたり、温度変化による変形という問題も生じえる。さらに、前述の様に、遊技盤においては、盤に取り付けられる役物の重さに耐える必要もある。加えて、遊技球の衝突による損傷・変形を受けないことも要求される。こうした観点から、板厚については、8mm〜19mmが望ましいのである。なお、より望ましくは、板厚は8mm〜12mmである。これは、19mmとした場合には、ホール設置の点では問題がないが、遊技機の高度電子化の中で、例えば液晶画面の大型化など、遊技機の奥行きに対する余裕が要望されるからである。また、資源保護の観点からいうと板厚を薄くした方がよいことにもよる。
この様に、板厚8mm〜12mmをより望ましい条件とすることを考慮した場合、発泡倍率は、1.3倍〜1.7倍とすることが望ましい。板厚を従来品よりも薄くすることが可能であり、かつ、電子部品等の重さに耐え、釘の保持が十分であるにも拘わらず、リサイクル時における抜き取り労力の低減という観点から、発泡倍率1.5倍を中心とする上記範囲がより望ましいのである。
ここで、本発明の遊技盤においては、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(2−1)前記低発泡スチレン系樹脂製の単板が低発泡ABS樹脂製の単板であること。
ABS樹脂は直接印刷に適すると共に、低発泡ABS樹脂製の単板は木工機械での切削加工が可能で、従来のベニヤ板を遊技盤として用いていたのと同じ手法で加工ができる。また、耐衝撃性、耐熱性に優れる。従って、遊技球の衝突や擦過に対して損傷を受け難い。また、低発泡ABS樹脂製の単板は、吸水による反りを生じ難いから、ベニヤ板の様な合板構造とする必要がなく、薄くすることができる。よって、遊技機の奥行き方向における寸法に余裕を取ることが可能になる。
また、低発泡ABS樹脂製の単板を用いた遊技盤においては、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3−1)前記気泡の直径が、前記低発泡ABS樹脂製の単板の中心部において、ほぼ0.12〜0.15mm程度であること。
気泡の直径を中心部においてほぼ0.12〜0.15mm程度とすることで、1.5〜2.0倍に発泡させた場合に、表層近くにはほとんど気泡をなくすることができ、上述した様な直接印刷が可能で、障害釘の保持力が良好であるにも拘わらず、リサイクルに当たっての釘の抜き取りが容易な遊技盤を構成することができる。
また、低発泡ABS樹脂製の単板を用いた遊技盤においては、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(4−1)前記ABS樹脂は、ゴムの添加量が10〜20重量%であること。
ゴムの添加量をこの様にすることで、遊技球の衝突や擦過を受ける遊技盤に要求される耐衝撃性を十分に発揮することができる。特に、15重量%前後のゴム添加量とするとよい。従って、より望ましくは、ゴム添加量を13〜17重量%とするとよい。これは、遊技球の繰り返し衝突・擦過といった使用環境にある遊技盤にとって、その耐久性を考えたときに、適すると考えられるからである。
既に述べた様に、本発明の遊技盤においては、前記低発泡スチレン系樹脂製の単板は、単層押出成形品として製造されている。
押出成形とすることで、発泡体でありながらも表面を滑らかな単板へと容易に仕上げることができ、直接印刷により適するものとすることができる。
また、押出成形においては、材料の混合を大きな混合容器で実施でき、気泡の分布等を精度よく仕上げるのに適する。また、リサイクル等の観点において、組成の面での均一性を図るのにも適する。
本発明によれば、低発泡樹脂を用いた遊技盤において、遊技盤として備えるべき機能を十分に備え、製造方法も容易であり、かつ、クローズドリサイクルとしての再生利用も容易となることから、遊技機の産廃処理問題に対しても大きな効果を発揮することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。実施形態はパチンコ機の遊技盤である。
遊技盤1の前面側には、図1に示す様に、障害釘21、始動入賞口22、図柄可変表示装置23、大型装飾部品24、特別入賞口25、案内車26、電飾装置27、アウト口28、普通入賞口29、通過口30等の部品が取り付けられている。これらの部品のうち、障害釘21を除く、始動入賞口22、大型装飾部品24、案内車26、電飾装置27、普通入賞口29、通過口30のような遊技盤1の表面から突出しており、遊技球の流下軌道に影響を与える可能性のあるものを役物という。また、遊技盤1の前面側には、これら障害釘21や役物等を取り囲む様に誘導レール31が取り付けられている。この誘導レール31により、遊技盤1の遊技領域が形成される。また、誘導レール31の外側を取り囲む様にコーナー飾り40が取り付けられる。
この遊技盤1は、図2に示す様に、遊技盤基板2に対して各種部品を取り付けることによって製造される。ここで、障害釘21は、釘打ち機により、遊技盤基板2に対して直に打ち込まれている。また、役物(始動入賞口22等)やコーナー飾り40は、遊技盤基板2に対してネジ止め固定されている。
本実施形態では、遊技盤基板2として、低発泡ABS樹脂製の単板を用いている。この低発泡ABS樹脂製単板3は、図3に示す様に、ABS原料に発泡剤を混入し、撹拌後成型過程で発泡させ、単層押出成形により厚さ10mmの板にしたものでる。
素材として用いるABS樹脂は、ゴムの添加量を15重量%としたものであって、発泡剤を加えずに成形した場合の物性値が表1となるものである。
本実施形態では、上記物性値を有するABS樹脂を、発泡倍率2.0倍に発泡させたものと、発泡倍率1.5倍に発泡させたものとを用いている。実施形態で採用した低発泡ABS樹脂製単板3は、いずれの発泡倍率においても板厚10mmとしており、単層押出成形を採用することで、樹脂組成が表層から中心まで同一組成となっている。さらに、この単板3は、その内部における気泡の分布を中心部に集中させることにより、中心ほど密度が低く、表層に近付くほど密度が高く形成されたものとなっている。また、単板3は、その内部の気泡の直径が、中心部においてほぼ0.12〜0.15mm程度となる様に製造されている。
また、発泡倍率2.0倍における単板3の物性値を表2に、発泡倍率1.5倍における単板3の物性値を表3に示す。
また、これらの低発泡ABS樹脂製単板3の表面粗度は、非発泡状態で押出成形によって製造したABS樹脂単板と比べたとき、10%前後粗くなっている。
ここで、実施形態の低発泡ABS樹脂製単板3の粗度の計測値は、以下の通りである。
(1)1.5倍発泡
算術平均粗さRa(表) 1.81
算術平均粗さRa(裏) 2.01
(2)2.0倍発泡
算術平均粗さRa(表) 4.40
算術平均粗さRa(裏) 3.98
この様に、表面粗度の実測値は十分に小さく、印刷面として十分に機能することが分かる。なお、実施形態の1.5倍発泡のものと2.0倍発泡のものでは、平均粗度が小さいこと、引っ張り強さ、曲げ強さ及びアイゾット衝撃値におけるタテ・ヨコの差が小さいことなどから、1.5倍発泡のものの方が、薄肉化等の観点から見たときにより優れているということが分かる。
こうして製造した低発泡ABS樹脂製単板3を、ベニヤ板の場合と同様に、遊技盤基板2の形状に加工し、釘打ち機で障害釘21を打つ。このとき、障害釘21は、図4(A)に示す様に、その先端21aが遊技盤基板2の中心部を超えて裏面近くまで打ち込む。こうすることで、障害釘21に対する基板2による保持力は、図4(B)に示す様に、釘先端21aで強く、徐々に弱くなった後再び徐々に強くなり、表層近くで最も強くなる。この様に、障害釘21は、基板2内に打ち込まれた部分において、両端を強く保持された状態となることから、その軸を保持しようとする力が両端で大きく作用することになる。従って、遊技球が繰り返し衝突しても障害釘21が緩んでしまったり抜けてしまったりするといった問題を生じない。また、上述の様に中心部の保持力は弱くなっているから、軸方向に釘を抜くときの抵抗はそれ程大きくはならず、リサイクルに際しての障害釘21の抜き取りをスムーズに実施することができる。
さらに、上述の様に、実施形態の遊技盤基板2は、表層から中心部まで同一組成で構成するものの、気泡の分布を中心部に集中させている。また、1.5倍及び2.0倍に発泡させていても、表層は相対的に気泡が少なく、非発泡状態で押出成形した場合のABS樹脂単板と比べて、10%程度しか粗度が大きくなっていない。従って、同一組成であり、平均蜜度は2.0倍発泡で0.54、1.5倍発泡で0.7となるものの、表面は蜜度が高い滑らかな面となる。この結果、シルク印刷法を用いて基板2に対して直接印刷による装飾が可能である。なお、本実施形態の遊技盤基板2は、印刷に先立っての加熱処理等は不要である。
また、本実施形態の低発泡ABS樹脂製単板3は、木工機械での切削加工が可能で、従来のベニヤ板を遊技盤として用いていたのと同じ手法で加工ができる。また、耐衝撃性、耐熱性に優れ、遊技球の衝突や擦過に対して損傷を受け難い。特に、本実施形態では、ゴムの添加量が15重量%のABS樹脂を素材として用いたので、遊技盤基板2は、遊技球の衝突や擦過を受ける遊技盤に要求される耐衝撃性を十分に発揮することができる。
さらに、本実施形態の低発泡ABS樹脂製単板3は、吸水による反りを生じ難いから、ベニヤ板の様な合板構造とする必要がなく、ベニヤ板では18.5〜19.0mmの板厚としていた遊技盤基板2を、板厚10mm前後と大幅に薄くすることができた。よって、遊技機の奥行き方向における寸法に余裕を取ることが可能になる。
また、本実施形態では、気泡の直径を中心部においてほぼ0.12〜0.15mm程度にすることで、1.5〜2.0倍に発泡させた場合に、表層近くにはほとんど気泡をなくすることができ、上述した様に直接印刷が可能であるにも拘わらず、障害釘21の保持力が良好である。また、保持力は中心部で弱くなっていることから、リサイクルに当たっての釘の抜き取りが容易である。
次に、本実施形態の遊技盤1のリサイクル方法について説明する。この遊技盤リサイクル方法では、図5に示す様に、廃棄される遊技機から遊技盤1を取り外し、まず、コーナー飾り40や役物22等を取り外す(S10)。これらの部品は、ネジ止め固定されているものは電動ドライバ等の手動工具を用いて容易に取り外しが可能である。また、接着剤で貼り付けてあるものは、溶剤を用いて接着剤を溶かして容易に剥がすことができる。さらに、案内車は固定用の釘を抜くことで取り外せる。
こうして障害釘21が残っているだけの状態にした遊技盤基板2から障害釘21を抜き取る(S20)。前述の様に、本実施形態の遊技盤基板2は、内部の気泡の分布が中心に集中した低発泡ABS樹脂製単板3を用いて、障害釘21の先端が中心部を越えて密度の高い部分まで打ち込まれているので、単板3中の両端の保持力が大きく、釘師による釘調整で作用する軸に直交する方向の力に対しては十分な保持力がある。しかし、中心部に気泡を集中させてあるので、軸方向の引き抜きに対しては大きな保持力とはならず、スムーズに抜き取ることができる。
こうして障害釘21を抜き取った後の遊技盤基板2は、印刷された低発泡ABS樹脂製単板3となる。この単板3を破砕機にかけて破砕し、ペレット化する(S30)。そして、このABS樹脂ペレットに付着しているインクを除去するために脱墨処理を実行する(S40)。この脱墨処理では、洗浄機と洗浄剤とを用いる。こうして洗浄によってインクを除去したABS樹脂ペレットを、水槽に入れ、比重により不純物を分離する(S50)。
以上の様にして得られた再生ABS樹脂ペレットは、単層押出成形によって製造した低発泡ABS樹脂板から得られたものであるから、ゴム添加量が15重量%の均一な組成のものである。このゴム添加量15重量%の再生ABS樹脂ペレットに対して、同じくゴム添加量15重量%のバージンABS樹脂ペレットを加え(S60)、さらに発泡剤を添加し、これらを溶融し、撹拌混合する(S70)。
こうして得られた樹脂組成物を、図3に示した様に、1.5倍〜2.0倍に発泡させつつ単層押出成形により厚さ10mmの板に成形する(S80)。この結果、廃棄された遊技盤1から、再び、低発泡ABS樹脂製単板3が得られる。
こうして得られた低発泡ABS樹脂製単板3を、木工機械で加工して遊技盤基板2とする(S90)。そして、直接シルク印刷を実施して装飾を施し(S100)、釘打ち機で障害釘21を打ち込み(S110)、役物22等の部品を取り付け(S120)、遊技機として組み立て(S130)、出荷(S140)、回収(S150)、分解(S160)を経て、再び、部品取り外し(S10)以下へと遊技盤1のクローズドリサイクルが完成する。
なお、再生ABS樹脂の混合割合を50重量%以上とすることで、リサイクル効率を高め、再生ABS樹脂の混合割合を80重量%以下とすることで、性能面での信頼性を確保するとよい。即ち、クローズドリサイクルシステムにおいては、再生ABS樹脂の混合割合を50〜80重量%として「良好なリサイクル効率」と「リサイクル製品の性能の信頼性」とを両立することができる。なお、本実施形態のクローズドリサイクル方法では、バージンABS樹脂の混合割合は、段階的に上昇させることにより(例えば、第1回目のリサイクルでは20重量%、第2回目のリサイクルでは25重量%、・・・等)、何度も繰り返しリサイクルしても、製品性能の信頼性を維持することができる。
また、樹脂製単板にて製造されている従来品(透明ポリスチレン樹脂製)の遊技盤を入手し、これと本実施形態の低発泡ABS樹脂製単板3を用いた遊技盤2とを比較した結果、実施形態の遊技盤2の方が、光沢性に優れ、部品の接着性も優れ、割れ難さにおいても優れていた。また、遊技球の衝突により傷が付くか否かという点においても、実施形態の遊技盤2の方が優れていた。さらに、リサイクルに当たっての障害釘21の抜き取り易さにおいても、実施形態の遊技盤2の方が優れており、クローズドリサイクルが容易なことから、リサイクル性も高いということができる。
この様に、本実施形態によれば、遊技盤として備えるべき機能を十分に備え、製造方法も容易であり、かつ、クローズドリサイクルとしての再生利用も容易である。よって、遊技機の産廃処理問題に対して大きな効果を発揮することができる。また、遊技盤の薄型化にも寄与し、遊技機の奥行きに余裕を持たせることもできる。
以上、発明を実施するための最良の形態としての一実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
例えば、素材として用いるABS樹脂としては、ゴム添加量を10重量%程度としても構わない。また、ゴム添加量を20重量%程度としても構わない。
また、実施形態ではシルク印刷で装飾を施したが、インクジェット方式の印刷としてもよい。この場合、UV硬化インクを用いると、インクを速やかに硬化・定着させることができるので、生産性性向上という点で望ましい。インクジェット方式の印刷とする場合は、印刷の前に遊技盤基板の表面に受理層を形成しておくとよい。
加えて、印刷の後にラミネートフィルムでコーティングをする様にしてもよい。
実施形態のパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。 実施形態のパチンコ機の遊技盤基板を一部断面で示す斜視図である。 実施形態における低発泡ABS樹脂製単板の製造方法を示す模式図である。 実施形態のパチンコ機の遊技盤基板に対する障害釘の打ち込み状態を示し、(A)は断面図、(B)は保持力の分布を示す模式図である。 実施形態におけるクローズドリサイクルの方法を示す流れ図である。 従来技術を示す断面図である。
1・・・遊技盤
2・・・遊技盤基板
3・・・低発泡ABS樹脂製単板
21・・・障害釘
22・・・始動入賞口
23・・・図柄可変表示装置
24・・・大型装飾部品
25・・・特別入賞口
26・・・案内車
27・・・電飾装置
28・・・アウト口
29・・・普通入賞口
30・・・通過口
31・・・誘導レール
40・・・コーナー飾り

Claims (3)

  1. 障害釘を打設する基板を低発泡合成樹脂製とすると共に、さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする遊技盤。
    (1−1) 前記低発泡合成樹脂製の基板が、表層から中心まで同一組成の低発泡スチレン系樹脂製の単板であって、単層押出成形によって製造され、その内部における気泡の分布を中心部に集中させることにより、中心ほど密度が低く、表層に近付くほど密度が高く形成されたものであること。
    (1−2) 前記低発泡スチレン系樹脂製の単板は、切削加工により遊技盤基板の形状に加工され、表面に直接印刷によって装飾がなされていること。
    (1−3) 前記直接印刷による装飾がなされた遊技盤基板には、障害釘をその先端が遊技盤基板の中心部を超えて裏面近くまで達する様に打ち込むと共に、コーナー飾りや役物等の装飾部品を取り付けたものであること。
  2. 請求項1記載の遊技盤から、以下の手順によってリサイクルされて得られたものであることを特徴とする遊技盤。
    (A)廃棄される遊技機から前記遊技盤を取り外し、コーナー飾りや役物等の装飾部品を取り外すと共に、障害釘を抜き取って基板の状態にする。
    (B)次に、前記基板の状態とされた遊技盤を破砕機にかけて破砕し、ペレット化する。
    (C)次に、破砕によって生成されたペレットに対し、洗浄機と洗浄剤とを用いて、インクを除去するための脱墨処理を実行する。
    (D)次に、脱墨処理によってインクを除去したペレットを水槽に入れ、比重により不純物を分離して再生ペレットを得る。
    (E)以上の様にして得られた再生ペレットに対して、バージン樹脂ペレットを加え、発泡剤を添加し、これらを溶融し、撹拌混合して得られた樹脂組成物を発泡させつつ単層押出成形により単板を成形する。
    (F)こうして得られた低発泡樹脂製単板を、木工機械で加工して遊技盤基板とした後に、直接シルク印刷を実施して装飾を施し、釘打ち機で障害釘を打ち込み、役物等の装飾部品を取り付け、遊技機として組み立てる。
  3. 前記(A)〜(F)の手順により二回以上繰り返しリサイクルされた請求項2記載の遊技盤であって、二回目以降のリサイクル工程においては、前記(E)の手順におけるバージン樹脂ペレットの混合割合を前回リサイクル時よりも増加させることを特徴とする遊技盤。
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