以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
(1)実施例の構成
図1は、本発明の実施例1に係る撮像装置を示すブロック図である。この撮像装置1は、所望の被写体の撮像結果をデータ圧縮して記録媒体に記録し、また所望の伝送対象に送出する。
ここでこの撮像装置1において、レンズ2は、ユーザーによる操作に応動してズーム倍率、絞りを可変して撮像素子3の撮像面に入射光を集光する。光学ローパスフィルタA1は、このレンズ2の出射光より空間周波数の高い成分を抑圧し、続く色補正フィルタA2は、光学ローパスフィルタA1から出射される出射光の色温度を補正して出射する。
撮像素子3は、例えばCMOS固体撮像素子により形成され、図示しない駆動部から出力される各種タイミング信号により動作して、撮像面に形成された光学像を各画素により光電変換して撮像信号S1を出力する。この処理において、撮像素子3は、後段のデータ圧縮手段における符号化処理の順序に対応する順序により、各画素の撮像結果を出力する。具体的に、この実施例においては、画像圧縮部5においてラインベース型ウエーブレット変換処理によりライン単位で符号化処理することにより、撮像素子3は、全画素ライン順次によりライン単位で撮像結果を出力する。これによりこの実施例では、後段の処理回路における撮像結果の処理単位毎に撮像結果を出力して、後述するように、この撮像信号S1の処理に供するメモリ回路の構成を簡略化できるようになされている。
アナログディジタル変換回路(AD)4は、この撮像信号S1をアナログディジタル変換処理して画像データD1を出力する。この撮像装置1は、図示しない信号処理回路によりこの画像データD1を画素補間処理、色空間変換処理、エッジ強調処理、ノイズ除去処理等した後、画像圧縮部8に入力する。
画像圧縮部5は、この画像データD1をデータ圧縮して符号化処理し、その処理結果による符号化データD2を記録系、伝送系に出力し、これによりこの撮像装置1では、この記録系により所定の記録媒体に符号化データD2を記録し、またこの伝送系により符号化データD2を外部機器に伝送するようになされている。画像圧縮部5は、ウエーブレット変換の手法を適用してこのデータ圧縮の処理を実行する。
すなわちこの画像圧縮部5において、ウエーブレット変換部6は、順次入力される画像データD1をウエーブレット変換処理し、その処理結果による変換係数データD3を出力する。ここでウエーブレット変換部6は、いわゆるラインベース型ウエーブレット変換処理によりライン単位でウエーブレット変換の処理を実行する。
ここで1段階の帯域分割処理を図2に示すように、ウエーブレット変換部6は、垂直方向に所定タップ数を有するローパスフィルタ6A及びハイパスフィルタ6Bにより画像データD1を2つの帯域成分VL、VHに帯域制限した後、各帯域成分VL、VHを水平方向に所定タップ数を有するローパスフィルタ6C及びハイパスフィルタ6D、ローパスフィルタ6E及びハイパスフィルタ6Fにより帯域成分してサブバンドLL〜HHを生成する。これによりウエーブレット変換部6は、各帯域分割処理に係る入力段のローパスフィルタ6A及びハイパスフィルタ6Bのタップ数の分だけ、ラインバッファ7により帯域分割処理に供する入力画像データD1を一時保持して出力するようになされている。
ウエーブレット変換部6は、図3に示すように、このような帯域分割の処理を3段階により実行するようになされ、これにより各帯域分割処理によりウエーブレット変換係数HH〜LLLLLLを続く後段の処理回路により処理するようにして、これら各帯域分割処理の入力段にそれぞれ対応するラインバッファ7A〜7Cが設けられ、先頭段のラインバッファ7Aにアナログディジタル変換回路4から出力される画像データが直接入力されるようになされている。
またこれらの処理により、これらラインバッファ7A〜7Cには、図4に示すようにウエーブレット変換係数のデータが蓄積されることになり、画像データD1に係る1枚のフレームの処理を開始した後、これらラインバッファ7A〜7Cにデータが蓄積されると、それぞれ対応する係数データを出力するようになされている。
すなわち図3において、1フレームの処理を開始してライン順次により先頭段のラインバッファ7Aに画像データD1を入力して、このラインバッファ7Aに続く垂直フィルタのタップ数に係る画像データD1が蓄積されると、このラインバッファ7Aから垂直フィルタのタップ数による画像データD1の同時並列的な出力がライン順次により開始され、これにより続く垂直フィルタ6AA、6BAで垂直方向に係る帯域制限の処理、ダウンサンプリングの処理がライン順次により開始される。これによりウエーブレット変換部6においては、垂直フィルタ6AA、6BAからライン数を約1/2に低減してなるライン順次により垂直方向の帯域制限に係る変換係数データが出力され、この変換係数データが水平方向のローパスフィルタ及びハイパスフィルタに入力される。
ここでウエーブレット変換部6においては、この水平方向のローパスフィルタ及びハイパスフィルタにおいて、各ラインで、これらフィルタのタップ数の分だけ、係数変換データが各フィルタに入力されると、正しい変換係数データによる水平方向への帯域制限の処理、ダウンサンプリングの処理が開始され、この正しい変換係数データによる帯域制限の処理がこのラインの末尾側、フィルタのタップ数に係るサンプリング数まで継続される。これによりこの1段目の帯域制限の処理にあっては、ラインを単位にして順次実行される。
またこのようにして得られる1段目の帯域制限処理による変換係数データのうち、水平方向及び垂直方向に周波数の低い側の変換係数データLLが2段目の帯域制限処理に係るラインバッファ7Bに入力され、ここでもこのラインバッファ7Bに続く垂直フィルタのタップ数に係る変換係数データが蓄積されると、このラインバッファ7Bからの同時並列的な変換係数データの出力により、続く垂直フィルタ6AB、6BBで正しい変換係数データに係る帯域制限の処理、ダウンサンプリングの処理がライン順次により開始され、さらにライン数を約1/2に低減してなるライン順次により垂直方向の帯域制限に係る変換係数データが出力され、この変換係数データが水平方向のローパスフィルタ及びハイパスフィルタに入力される。この2段目の水平方向のローパスフィルタ及びハイパスフィルタにおいても、各ラインにおいて、これらフィルタのタップ数の分だけ、係数変換データが各フィルタに入力されると、正しい変換係数データによる水平方向への帯域制限の処理、ダウンサンプリングの処理が開始され、これによりこの2段目の帯域制限の処理にあってもラインを単位にして順次実行される。
またこの2段目の帯域制限処理による変換係数データのうち、水平方向及び垂直方向に周波数の低い側の変換係数データLLLLが3段目の帯域制限処理に係るラインバッファ7Cに入力されて、続く垂直フィルタのタップ数に係る変換係数データが蓄積されると、このラインバッファ7Cからの同時並列的な変換係数データの出力により、続く垂直フィルタ6AC、6BCで正しい変換係数データに係る帯域制限の処理、ダウンサンプリングの処理がライン順次により開始され、さらにライン数を約1/2に低減してなるライン順次により垂直方向の帯域制限に係る変換係数データが出力され、この変換係数データが水平方向のローパスフィルタ及びハイパスフィルタに入力される。この3段目の水平方向のローパスフィルタ及びハイパスフィルタにおいても、各ラインにおいて、これらフィルタのタップ数の分だけ、係数変換データが各フィルタに入力されると、正しい変換係数データによる水平方向への帯域制限の処理、ダウンサンプリングの処理が開始され、これによりこの3段目の帯域制限の処理にあってもラインを単位にして順次実行される。
これらによりこの実施例において、ウエーブレット変換部6は、ライン単位により画像データを処理して、各分割処理の入力側に設けるメモリ回路であるラインバッファの容量を小型化して全体構成を簡略化するようになされている。
量子化部8は、このようにしてウエーブレット変換部6から出力される変換係数データD3を順次量子化処理して出力し、エントロピー符号化部9は、この量子化部8の出力データを順次エントロピー符号化処理して出力する。レート制御部10は、このエントロピー符号化部9の出力データをレート制御して符号化データD2を出力する。これらの処理において、量子化部8、エントロピー符号化部9は、上述したようにしてウエーブレット変換部6のラインバッファ7A〜7Cに変換係数データが蓄積されて対応する係数データが出力されるタイミングで、ウエーブレット変換部6から出力される係数データD3を順次処理し、これによりこの実施例においては、量子化部8、エントロピー符号化部9においても、ライン単位により処理を実行して、量子化部8、エントロピー符号化部9の構成を簡略化するようになされている。
しかしてこれらにより画像圧縮部5は、全体としてライン単位で画像データD1をデータ圧縮処理するようになされ、撮像素子3においては、このような画像圧縮部5のライン単位の処理に対応してライン単位により撮像結果を出力するように、さらには各ラインにおいては、画像圧縮部5の処理順序により撮像結果を出力するようにして、直接、アナログディジタル変換回路4から出力される画像データD1を画像圧縮部5に入力するようになされ、これによっても全体構成を簡略化することができるようになされている。
図5は、この撮像装置1に適用される集積回路の一部を示す断面図である。ここでこの集積回路51は、撮像素子3と周辺回路とを一体化して形成され、この実施例においては、この一体化に係る周辺回路に、撮像素子3の駆動回路、アナログディジタル変換回路4、画像圧縮部5が適用される。これによりこの実施例に係る撮像装置においては、全体構成を簡略化するようになされている。
集積回路51は、画素部をマトリックス状に配置して撮像素子部が形成され、この撮像素子部により撮像素子3が形成される。またこの撮像素子部の周囲に周辺回路部が形成される。これにより図5は、この撮像素子部と周辺回路部との一部を示す断面図である。
集積回路51は、10〜20〔μm〕程度の厚さのシリコン(Si)層により素子層52が形成され、画素部においては、この素子層52に、画素単位の光電変換処理に係るフォトダイオード53が形成され、周辺回路部においては、この素子層52の下層側に、周辺回路を構成するMOSFET等の各回路素子が形成される。
集積回路51は、この素子層52の上層に、順次、シリコン酸化(SiO2)膜54、遮光膜55、シリコン窒化膜(SiN)56、色フィルタA27、マイクロレンズ58が積層される。またこの素子層52の下層に、フォトダイオード53、周辺回路の回路素子を配線する配線層59が形成され、この配線層59の下層側に、全体を保持する基板支持材60が設けられる。これにより集積回路51は、受光面とは逆側に配線層59が設けられるようになされ、配線層を受光面側に設ける場合の種々の不具合を一挙に解決して配線の自由度を格段に向上するようになされている。なおこのように配線層を受光面側に設ける不具合にあっては、配線層を形成する配線による各画素への入射光量の減少、隣接画素へのクロストーク等がある。
なお集積回路51は、このように受光面とは逆側に配線層59が形成されることにより、厚さの薄い半導体基板を配線層59側より処理してフォトダイオード53、周辺回路の回路素子を形成した後、この半導体基板に配線層59、基板支持材60を順次形成し、その後、この半導体基板を裏返してCMPにより研磨して素子層52が完成し、遮光膜55、シリコン窒化膜(SiN)56、色フィルタA27、マイクロレンズ58を順次形成して作成されるようになされている。
これらによりこの撮像装置1は、撮像素子3と周辺回路とを一体に集積回路化することを前提に、このように受光面とは逆側に配線層59を形成して、配線の自由度が格段的に向上する点を有効に利用して、データ圧縮処理に対応する処理単位であるライン単位で、さらにはこのデータ圧縮処理に対応する順序より撮像素子3から撮像結果を出力して処理できるように配線し、全体構成を簡略化するようになされている。
(2)実施例の動作
以上の構成において、この撮像装置1では、レンズ2により撮像素子3の撮像面に被写体の画像が形成され、この画像の撮像結果が撮像素子3より出力されてアナログディジタル変換回路4により画像データD1に変換される。この画像データD1は、エッジ強調等の処理が実行された後、画像圧縮部8によりデータ圧縮されて符号化データD2に変換され、この符号化データD2が記録媒体に記録され、さらには外部機器に伝送される。これにより撮像装置1では、撮像結果をデータ圧縮して記録し、また伝送するようになされている。
これら一連の処理において、画像データD1は、画像圧縮部8においてウエーブレット変換処理によりウエーブレット変換係数データD3に変換処理された後、このウエーブレット変換係数データD3が量子化処理、エントロピー符号化処理、レート制御されて符号化データD2により出力される。このとき撮像素子3から出力される撮像結果である撮像信号S1が、このような画像圧縮部5における処理単位毎に、順次出力され、これによりアナログディジタル変換回路4から出力される画像データD1においては、直接、画像圧縮部5に入力してデータ圧縮処理することができ、これにより全体構成を簡略化することができる。
しかしてCMOS固体撮像素子による撮像素子3においては、XYアドレス制御により撮像結果を出力することにより、撮像結果の読み出しに高い自由度を有し、これによりラインを単位にしたライン順次による撮像結果の出力のみならず、例えばコラム線を単位にした撮像結果の出力、所定ブロックを単位にした撮像結果の出力等、種々の形態により撮像手段の撮像結果を出力することができる。これによりこの実施例では、この撮像結果の出力を画像圧縮部5における処理単位毎により実行するようにし、CMOS固体撮像素子の特徴である撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、全体構成を一段と簡略化するようになされている。
より具体的に、この撮像装置1では、画像圧縮部5における処理単位がライン単位に設定されて、いわゆるラインベース型ウエーブレット変換処理によりライン単位でウエーブレット変換されて画像データがデータ圧縮処理され、またこれにより撮像素子3からライン単位により撮像結果を出力し、これにより撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、全体構成を簡略化するようになされている。
撮像装置1では、このようにして撮像結果を出力する撮像素子3と、この撮像素子3による撮像結果を処理する周辺回路である画像圧縮部5とを、アナログディジタル変換回路4と共に集積回路により一体化して構成され、これにより全体構成を小型化し、さらには構成を簡略化するようになされている。
しかしながら単にCMOSプロセスにより撮像素子と周辺回路とを一体化したのでは、撮像素子、周辺回路に係る配線パターンにより、種々の不具合が発生し、これにより撮像結果の読み出しに係る高い自由度を十分に発揮できなくなる。このためこの実施例においては、撮像手段の受光面とは逆側の面に配線層が形成されて、この配線層により撮像手段を構成する光電変換部と周辺回路とが接続されて一体に保持され、これにより撮像結果の読み出しに係る高い自由度を十分に確保できるように集積回路を構成して、撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して全体構成を簡略化することができるようになされている。
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、撮像手段の撮像面とは逆側の面に形成された配線層により撮像手段と画像圧縮手段とを接続して一体化するようにして、撮像手段から画像圧縮処理に係る処理単位により順次撮像結果を出力することにより、CMOS固体撮像素子の特徴である撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、全体構成を一段と簡略化することができる。
またこの画像圧縮処理が、ウエーブレット変換処理により、ライン単位で撮像結果をデータ圧縮する処理であるのに対し、ライン順次により複数の光電変換部による撮像結果を撮像素子から出力することにより、CMOS固体撮像素子の特徴である撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、全体構成を一段と簡略化することができる。
この実施例においては、実施例1について上述した撮像装置1において、ラインベース型ウエーブレット変換処理に代えて、タイルベース型ウエーブレット変換処理によりデータ圧縮する。これによりこの実施例に係る撮像装置においては、このウエーブレット変換部6、ウエーブレット変換部6に関連する構成が異なる点を除いて、実施例1に係る撮像装置1と同一に構成される。これにより以下の説明においては、図1を流用して実施例を説明し、またこの説明において、実施例1に係る撮像装置1と同一の構成については、重複した説明を省略する。
すなわちこの撮像装置において、ウエーブレット変換部6は、図6に示すように、撮像結果による画像を水平方向及び垂直方向にそれぞれ所定の分割数により分割したブロックであるタイルT0、T1、T2、……を処理単位に設定して、順次、ラスタ走査の順序によりタイルT0、T1、T2、……単位で画像データD1を入力してウエーブレット変換処理し、量子化部8は、このウエーブレット変換部6よりタイル単位で順次出力される変換係数データを順次量子化処理する。また続くエントロピー符号化部9は、同様のタイル単位により順次出力される量子化部8の出力データをエントロピー符号化処理し、レート制御部10は、このエントロピー符号化部9の出力データをレート制御して出力する。
なおこのタイルを単位にしたウエーブレット変換処理においては、2次元のフィルタにより帯域制限、ダウンサンプリングすることにより、実行される。これによりタイルベース型ウエーブレット変換処理においては、ラインベース型ウエーブレット変換処理に比して、各分割処理の入力段に設けるバッファメモリの容量を小さくすることができるようになされている。
これによりこの撮像装置において、画像圧縮部5は、タイルを処理単位にしてデータ圧縮の処理を実行するようになされ、これに対応して撮像素子3は、タイル単位により順次各光電変換部による撮像結果を出力するようになされている。
この実施例2の構成によれば、撮像手段の撮像面とは逆側の面に形成された配線層により撮像手段と画像圧縮手段とを接続して一体化するようにして、撮像手段から画像圧縮処理に係る処理単位により順次撮像結果を出力するようにし、画像圧縮手段によるデータ圧縮処理をタイル単位によるウエーブレット変換処理に適用して、撮像素子からタイル単位で撮像結果を出力することにより、タイル単位により画像データを処理する場合にあっても、CMOS固体撮像素子等の撮像素子の特徴である撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、全体構成を一段と簡略化することができる。
図7は、本発明の実施例3に係る撮像装置に適用される集積回路の一部を示す斜視図である。この実施例においては、この集積回路により実施例1、2に係る撮像装置を構成する。なおこの集積回路61において、実施例1について上述した集積回路51と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。
ここでこの集積回路61は、撮像素子3と周辺回路とを一体化して形成され、この周辺回路が実施例1、2に係る周辺回路と同一に形成され、これによりこの実施例に係る撮像装置においては、全体構成を簡略化するようになされている。
この集積回路61は、周辺回路部に撮像素子部を積層して形成され、周辺回路部は、所定の半導体素子製造プロセスにより、半導体基板62上に周辺回路を構成する半導体素子を形成した後、これら半導体素子の上層に配線層63を形成してこれら半導体素子を接続することにより形成されるようになされている。周辺回路部は、この配線層63の表層に撮像素子部との接続用の電極等が形成される。
撮像素子部は、実施例1について上述したと同様に、光電変換部(画素部)をマトリックス状に配置して形成され、10〜20〔μm〕程度の厚さのシリコン(Si)層により素子層52が形成される。撮像素子部は、この素子層52に、画素単位の光電変換処理に係るフォトダイオードが形成される。
撮像素子部は、この素子層52の上層に、順次、シリコン酸化膜、遮光膜、シリコン窒化膜、色フィルタA27、マイクロレンズ58が積層されて撮像面が形成されるのに対し、素子層52の下層に、配線層59が形成される。撮像素子部は、この配線層59の下層側に周辺回路部が設けられ、周辺回路部の配線層63と配線層59とが接続されて撮像素子と周辺回路とが一体に集積回路化されるようになされている。
これにより集積回路61は、受光面とは逆側に配線層59が設けられるようになされ、配線層59を受光面側に設ける場合の種々の不具合を一挙に解決して配線の自由度を格段的に向上するようになされている。またこのように受光面とは逆側に形成された配線層59を介して周辺回路を形成してなる周辺回路部と一体化されることにより、撮像素子部と周辺回路部とを異なるウエハプロセスにより作成して一体化できるようになされ、その分、撮像素子部と周辺回路部とをそれぞれに適したウエハプロセスにより作成して、全体として各種の性能を向上できるようになされている。
具体的に、周辺回路を形成してなる周辺回路部においては、各半導体素子、配線パターン幅を小さくして高密度に形成することにより、チップサイズを小型化して消費電力を削減することができる。しかしながら撮像素子部においては、画素サイズを小さくすると、その分、感度が低下し、また画素数に応じてチップ面積も大きくなる。これによりこの実施例のように撮像素子部と周辺回路部とを異なるウエハプロセスにより作成して一体化する場合にあっては、撮像素子部、周辺回路部の各々に適したウエハプロセスにより作成することができ、その分、全体としての性能を向上することができる。
なおこのように受光面とは逆側に形成された配線層59を介して周辺回路を形成してなる周辺回路部と一体化されることにより、この集積回路61は、実施例1について上述したと同様にして、厚さの薄い半導体基板を配線層59側より処理してフォトダイオードを形成した後、この半導体基板に配線層59を形成し、別工程により作成された周辺回路部が積層される。その後、集積回路61は、この半導体基板を裏返してCMPにより研磨して素子層52が完成し、遮光膜、色フィルタA27、マイクロレンズ58等を順次形成して作成されるようになされている。
このような異なるウエハプロセスによる半導体基板の積層による集積回路61においては、図8(A)に示すように、各画素出力を同時並列的に周辺回路に出力してアナログディジタル変換処理するように、撮像素子部と周辺回路との接続を構成することができる。またこれに代えて、図8(B)に示すように、コラム線を単位にして同時並列的に撮像結果を出力して周辺回路で処理することもでき、また図8(C)に示すように、ラインを単位にして同時並列的に撮像結果を出力して周辺回路で処理することもでき、これらにより格段的に撮像素子出力の自由度を一段と向上することができるようになされている。
これにより図9(A)に示すように、集積回路61においては、ライン単位による出力であるライン順次により、また図9(B)に示すように、コラム線を単位にした順序により撮像結果を出力するように、撮像素子部と周辺回路部とを接続することができ、また図9(C)に示すように、ブロックを単位にして撮像結果を出力するように、撮像素子部と周辺回路部とを接続することができるようになされている。
しかしてこの実施例に係る撮像装置において、実施例1について上述したライン単位による処理による撮像装置においては、図8(A)〜(D)の接続のうちの対応する接続により撮像結果を周辺回路に入力するようになされている。
さらにこの実施例において、集積回路61は、このような接続により撮像結果を同時並列的に複数系統により周辺回路に出力し、周辺回路においては、データ圧縮処理に係る画像圧縮部8が3系統の処理回路C1〜C3(図7)により形成されて、これら3系統の処理回路C1〜C3により複数系統による画像データを同時並列的に処理するようになされている。
この実施例においては、周辺回路を、撮像手段とは異なるウエハ処理プロセスにより形成することにより、撮像素子部と周辺回路部とをそれぞれに適したウエハプロセスにより作成して、種々の性能を向上するようになされている。
図10は、図1との対比により本発明の実施例4に係る撮像装置を示すブロック図である。この撮像装置71において、図1について上述した撮像装置1と同一の構成は、対応する符号を付して重複した説明は省略する。この撮像装置71は、実施例1又は実施例3について上述したと同様の集積回路化により、撮像素子73が、この撮像素子73の駆動回路、アナログディジタル変換回路4、画像圧縮部75による周辺回路と共に一体化されて集積回路により構成され、これにより種々の形態により撮像結果を周辺回路に出力できるように構成して、全体構成を簡略化、小型化できるようになされている。
しかして撮像素子73は、CMOS固体撮像素子により構成され、図示しない駆動回路による駆動により、図11に示すように有効画像領域ARによる撮像結果を画像圧縮部75の処理単位により順次出力し、これにより撮像信号S1を出力する。この処理において、撮像素子73は、各フレーム間で、この有効画像領域ARの一部領域ARA〜AREの撮像結果を事前に出力するようになされている。この実施例において、この一部領域ARA〜AREは、矩形の領域により複数個設定され、さらにこれら複数個の領域が有効画像領域ARの中央の領域ARC、4隅の領域ARA、ARB、ARD、AREに設定されるようになされ、これによりこれら有効画像領域ARに設定された一部領域ARA〜AREにより、有効画像領域AR全体のデータ圧縮に要する処理を大まかに把握できるようになされている。
画像圧縮部75は、このようにして得られる一部領域ARA〜AREの撮像結果をデータ圧縮して符号量を検出し、この検出した符号量に基づいたデータ圧縮率により、撮像素子73の撮像結果をデータ圧縮する。すなわちこの画像圧縮部75において、特定領域画像圧縮部76は、一部領域ARA〜AREに係る画像データD1をデータ圧縮し、その発生符号量を符号量割り当て制御部77に通知し、符号量割り当て制御部77は、この発生符号量に基づいて、有効画像領域AR全体で発生する符号量を予測し、この予測結果によりデータ圧縮率を決定する。なおこの実施例において、特定領域画像圧縮部76は、この一部領域ARA〜AREをタイルに相当する処理単位に設定してなるウエーブレット変換処理により、又はこの一部領域ARA〜AREを1つ又は複数のマクロブロックに設定してなるMPEG2によりデータ圧縮するようになされているものの、このデータ圧縮手法においては、種々の手法を広く適用することができる。
画像圧縮部78は、この符号量割り当て制御部77によるデータ圧縮率に応じて量子化スケールを可変して、有効画像領域ARによる画像データD1をデータ圧縮して出力し、レート制御部79は、この画像圧縮部78にダミデータを介挿する等によりレート制御の処理を実行して符号化データD2を出力する。なおここでこの実施例において、画像圧縮部78は、特定領域画像圧縮部76と同一のデータ圧縮手法によりデータ圧縮の処理を実行するようになされているものの、実用上十分にレート制御できる場合にあっては、特定領域画像圧縮部76と異なるデータ圧縮手法により画像データをデータ圧縮するようにしてもよい。
これらによりこの実施例においては、CMOS固体撮像素子等の撮像素子の特徴である撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、事前に、有効画像領域の一部領域でデータ圧縮処理による発生符号量を検出し、この発生符号量によりデータ圧縮率を可変して全体の撮像結果をデータ圧縮処理するようになされ、これらにより適切にデータ圧縮率を設定して従来に比してより適切にレート制御することができるようになされている。
すなわちこの一部領域による発生符号量をTSとおき、画像全体の目標符号量をTALLとおくと、残りの領域に割り当て可能な符号量TEは、TALL−TSにより表すことができる。これにより残りの領域をデータ圧縮して発生する符号量をTRと置くと、余分な符号量TExtaを(TR+TS)−TALLにより表すことができ、この余分な符号量TExtaを全体に分配するようにデータ圧縮率を設定すれば、目標符号量によりデータ圧縮処理することができ、残りの領域をデータ圧縮して発生する符号量TRを事前のデータ圧縮により発生する符号量TSにより予測して適切にデータ圧縮処理することができる。
符号量割り当て制御部77、レート制御部79は、このような事前の符号化処理による発生符号量により画像圧縮部78のデータ圧縮率を可変してレート制御の処理を実行する。
これらによりこの実施例においては、事前に、有効画像領域の一部領域でデータ圧縮処理による発生符号量を検出し、この発生符号量によりデータ圧縮率を可変して撮像結果をデータ圧縮処理することにより、CMOS固体撮像素子の特徴である撮像結果の読み出しに係る高い自由度を有効に利用して、従来に比して簡易な処理により、より適切にレート制御することができるようになされている。
またこの事前に検出した符号量に基づいたデータ圧縮率による撮像結果のデータ圧縮を、有効画像領域による撮像結果のデータ圧縮に適用することにより、実用上十分にレート制御できる場合にあっては、事前の処理に係るデータ圧縮手法とは異なるデータ圧縮手法により画像データをデータ圧縮することができ、これにより種々のデータ圧縮手法によりデータ圧縮する場合に広く適用することができる。
具体的に、データ圧縮率に対応する量子化スケールにより係数データを量子化処理する場合に適用して、簡易な処理によりレート制御することができる。
またこのような事前の処理に係るデータ圧縮とは別に改めて有効画像領域についてデータ圧縮することにより、実用上十分にレート制御できる場合にあっては、事前の処理に係るデータ圧縮手法とは異なるデータ圧縮手法により画像データをデータ圧縮することができ、これにより種々のデータ圧縮手法によりデータ圧縮する場合に広く適用することができる。
またこのような事前の処理に係るデータ圧縮手段と、この事前の処理によるデータ圧縮率によるデータ圧縮手段とを別系統により有することによっても、事前の処理に係るデータ圧縮手法とは異なるデータ圧縮手法により画像データをデータ圧縮することができ、これにより種々のデータ圧縮手法によりデータ圧縮する場合に広く適用することができる。
しかしてこれらの構成において、撮像手段による受光面とは逆側の面に形成された配線層によりこの配線層の下層に配置された周辺回路と接続することにより、事前に撮像手段から一部撮像結果を取得して発生符号量を検出して改めて符号化処理する場合にも、これら一連の処理に適するように撮像手段から周辺回路に撮像結果を出力することができる。
またこのようにして、周辺回路を、撮像手段とは異なるウエハ処理プロセスにより形成することにより、撮像素子部と周辺回路部とをそれぞれに適したウエハプロセスにより作成して、全体として各種の性能を向上するようになされている。
この実施例においては、実施例4の構成において、事前のデータ圧縮処理により検出した発生符号量により、残りの領域に係る発生符号量を制御してレート制御の処理を実行する。これにより撮像素子73は、事前のデータ圧縮処理に続いて、一部領域ARA〜AREを除く有効画像領域ARの撮像結果を出力し、符号量割り当て制御部77にあっては、この一部領域ARA〜AREを除く有効画像領域ARの撮像結果について、画像圧縮部78のデータ圧縮処理に係る量子化スケールを制御する。また撮像装置は、事前のデータ圧縮処理による符号化データを、この画像圧縮部78のデータ圧縮処理による符号化データと共に出力する。
またこのようなこの一部領域ARA〜AREを除く有効画像領域ARの撮像結果に係るデータ圧縮処理による発生符号量により、続く事前の処理に係る特定領域画像圧縮部76における量子化スケールを制御する。なおこれらによりこの実施例において、特定領域画像圧縮部76と画像圧縮部78とは同一の手法により画像データD1をデータ圧縮する。
この実施例においては、これら画像データD1の処理に係る構成が異なる点を除いて、実施例4に係る撮像装置と同一に構成される。
この実施例によれば、事前に、有効画像領域の一部領域でデータ圧縮処理による発生符号量を検出し、この発生符号量によりデータ圧縮率を可変して撮像結果をデータ圧縮処理するようにして、この検出した符号量に基づいたデータ圧縮率による撮像結果のデータ圧縮を、事前の処理に係る一部領域を除く領域による撮像結果のデータ圧縮に適用するようにしても、実施例4と同様の効果の得ることができる。
この実施例においては、実施例4又は実施例5の構成において、ユーザーにより選択される撮影モードに応じて、事前の処理に係る一部領域を変更する。なおこの実施例においては、この事前の処理に係る一部領域に関する処理が異なる点を除いて、実施例4又は実施例5の撮像装置と同一に構成される。
ここでこの実施例においては、このユーザーによる選択される撮影モードにおいて、最も重要とされる箇所が、事前の発生符号量を検出する領域に設定される。また最も重要とされる箇所を基準にして各部に適切に符号量を配分するように、この事前に検出された発生符号量による有効画像領域のデータ圧縮に係るデータ圧縮率が、撮影モードに応じて切り換えられる。
すなわち例えばユーザーにより選択された撮影モードが人物撮影モードの場合、人物に係る撮像結果が重要であり、この場合有効画像領域の中央に人物が位置する場合が多いことにより、この場合、事前の発生符号量を検出する領域を画面中央に設定する。またこの場合、この人物の背景、近景にあっては、人物ほど重要でないことにより、有効画像領域の周辺に比して中央側で符号量が多くなるように、事前に検出された発生符号量により有効画像領域のデータ圧縮に係るデータ圧縮率を設定する。
これに対して例えばユーザーにより選択された撮影モードが風景モードの場合、有効画像領域のほぼ全部が重要であることにより、事前の発生符号量を検出する領域を、図11について上述したように、有効画像領域の中央及び周辺の複数箇所に設定する。またこの場合、有効画像領域の全面でほぼ等しいデータ圧縮率になるように、事前に検出された発生符号量により有効画像領域のデータ圧縮に係るデータ圧縮率を設定する。
なおこの実施例においては、全体の動作を制御する演算処理手段であるシステムコントローラにより、ユーザーによる撮影モードの選択に応じて、撮像素子3より出力される撮像結果、画像圧縮手段の動作を制御してこれら一連の処理が実行される。
この実施例のように、事前に検出した発生符号量によるデータ圧縮率の設定を撮影モードにより切り換えることにより、さらには撮影モードにより事前に発生符号量を検出する領域を切り換えることにより、一段と適切にレート制御することができる。
この実施例においては、実施例6に係る撮影モードに応じて最も重要とされる一部領域が、撮影モードに応じて、撮像結果の色分布により自動的に設定される。なおこの実施例においては、この一部領域の自動設定に係る処理が異なる点を除いて、実施例6について上述した撮像装置と同一に構成される。
すなわちこの実施例において、ユーザーにより人物撮影モードが選択されると、1フレーム前の撮像結果により肌色の部分が検出され、この肌色の部分を含むように、又はこの肌色の部分の内側に、事前のデータ圧縮処理に係る一部領域を設定する。
これに対してユーザーにより接写モードが選択されると、この場合、同様の1フレーム前の撮像結果より画面中央、暖色の色相に係る領域を検出し、この領域を含むように、又はこの領域の内側に、事前のデータ圧縮処理に係る一部領域を設定する。
この実施例のように、撮像結果の色分布により事前の発生符号量の検出に供する領域を設定すれば、一段と適切にレート制御の処理を実行することができる。
またこの領域の設定を撮影モードに応じて切り換えることによっても、一段と適切にレート制御することができる。
なお上述の実施例4〜7においては、事前のデータ圧縮処理を別系統により実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、本来のデータ圧縮処理の系統により実行するようにしてもよい。
また上述の実施例においては、撮像手段にCMOS固体撮像素子を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、XYアドレス制御による種々の撮像素子を広く適用することができる。