JP4978652B2 - 現像液リサイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光体に供給されずに現像液担持体上に残った現像液を回収して再利用する現像液リサイクル装置に関する。
従来、現像液リサイクル装置として、所定濃度の現像液を感光体に供給する現像ローラ(現像液担持体)を有する現像装置と、感光体に供給されずに現像ローラ上に残った現像液を回収する回収機構と、回収した現像液の濃度を所定濃度に調整する濃度調整機構と、濃度調整された現像液を現像装置に供給する供給機構とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
具体的に、濃度調整機構は、回収機構から送られてくる現像液を収容する濃度調整容器と、濃度調整容器内の現像液の濃度を検出する濃度センサと、キャリア液を収容するキャリア液タンクと、前記所定濃度よりも高濃度の現像液を収容する高濃度タンクとを備えている。さらに、供給機構は、濃度調整機構から送られてくる所定濃度の現像液を一時的に貯留する一時貯留タンク(リザーブタンク)を備えている。
そして、この現像液リサイクル装置では、回収機構から濃度調整容器内に回収された現像液の濃度が濃度センサで検出され、この検出した濃度に基づいてキャリア液タンクや高濃度タンクから適宜キャリア液や高濃度の現像液が濃度調整容器に供給されることで、濃度の調整が行われる。また、濃度調整が完了した後は、濃度調整容器内からすべての現像液が一時貯留タンクへ補給され、この一時貯留タンクから現像液が少しずつ現像装置に供給されるようになっている。
特開2008−268917号公報
ところで、現像ローラから感光体に供給される現像液中のトナー粒子(現像剤)は、印字面積率(感光体に形成される静電潜像の面積率)が大きい程多く供給され、小さい程少なく供給される。そのため、濃度調整容器に回収される現像液の濃度は、印字面積率に応じて大きく変化する。
しかしながら、このように回収した現像液の濃度の変動幅が大きいと、この変動幅に対応するように濃度センサの検出範囲を広く設定しなければならないので、濃度センサの分解能が下がり、高精度な濃度検出を行うことが難しかった。
そこで、本発明は、高精度な濃度検出を行うことができる現像液リサイクル装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る現像液リサイクル装置は、キャリア液に現像剤を混合させてなる所定濃度の現像液(キャリア液と現像剤を一定の重量比で混合させてなる現像液)を貯留する貯留部と、現像液を担持して感光体に供給する現像液担持体と、前記貯留部内の現像液を前記現像液担持体に供給する供給手段と、前記感光体に供給されずに前記現像液担持体上に残った現像液を回収する回収手段と、前記回収手段で回収した現像液の濃度調整を行うための濃度調整容器と、前記濃度調整容器で濃度調整された現像液を前記貯留部に送る第1送液手段と、キャリア液を収容するキャリア液タンクと、前記キャリア液タンク内のキャリア液を前記濃度調整容器に送る第2送液手段と、前記所定濃度よりも高濃度の現像液を収容する高濃度タンクと、前記高濃度タンクから前記濃度調整容器に前記高濃度の現像液を送る第3送液手段と、前記濃度調整容器内の濃度を検出する濃度センサと、前記貯留部内の液量が所定値以下となった場合に、前記濃度調整容器内の現像液の濃度を前記濃度センサで検出する濃度検出動作と、検出した濃度に基づいて前記第2送液手段および前記第3送液手段の少なくとも一方を制御することで前記濃度調整容器内の現像液を前記所定濃度に調整する濃度調整動作と、調整後に前記第1送液手段を制御して前記所定濃度の現像液を前記貯留部に送る補給動作とを一連の処理として実行する制御装置とを備え、前記補給動作完了した時点において、前記濃度調整容器内に一定量以上の現像液が残るように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、補給動作が完了した後は濃度調整容器内に所定濃度の現像液が残るので、その後、回収手段で回収されてくる濃度不明の現像液は、濃度調整容器内の所定濃度の現像液と混ざることになる。これにより、濃度不明の現像液の濃度を所定濃度に近付けることができるので、濃度検出動作時の現像液の濃度の変動幅を小さくすることができ、濃度センサの検出範囲を狭く設定することができる。そして、このように濃度センサの検出範囲を狭く設定することで、濃度センサの分解能が上がるので、高精度な濃度検出を行うことができる。
本発明によれば、回収手段で回収する濃度不明の現像液を濃度調整容器内に残した所定濃度の現像液と混ぜることで、濃度検出動作時の現像液の濃度の変動幅を小さくすることができるので、濃度センサの分解能を上げて高精度な濃度検出を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る現像液リサイクル装置を備えたカラープリンタの全体構成を示す構成図である。 現像液リサイクル装置を示す構成図である。 制御装置の動作を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、濃度検出動作、濃度調整動作および補給動作時における各容器内の現像液の状態を示す説明図である。 濃度調整容器の変形例を示す断面図である。 濃度調整容器の変形例を示す断面図である。 比較例のデータを示す表(a)と、実施例1のデータを示す表(b)である。
<カラープリンタの全体構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明においては、まず、図1によりカラープリンタの全体構成を簡単に説明し、その後、本発明の特徴部分について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、方向は、カラープリンタを使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体10内に、給紙ユニット30と、4つの露光ユニット40と、4つの画像形成ユニット50と、転写ユニット60と、定着ユニット70とを主に備えている。
本体筐体10の上部には、本体筐体10から排出された用紙Sが載置・積層される排紙トレイ12が設けられている。
給紙ユニット30は、本体筐体10内の下部に設けられ、用紙Sを収容する給紙トレイ31と、給紙トレイ31から用紙Sを転写位置(中間転写ベルト63と2次転写ローラ65との間)に搬送する給紙機構32とを主に備えている。給紙トレイ31内の用紙Sは、給紙機構32によって1枚ずつ分離されて転写位置に搬送される。
露光ユニット40は、感光体の一例としての感光体ドラム101に対向して配置され、先端に図示しない複数の発光部(LED)が感光体ドラム101の軸方向(左右方向)に配列されている。この露光ユニット40は、画像データに基づいて発光部を明滅させることで、感光体ドラム101の表面を露光する。
画像形成ユニット50は、給紙ユニット30の上方で前後に並んで配置され、感光体ユニット100と、現像ユニット200とを備えて構成されている。
感光体ユニット100は、後述する中間転写ベルト63と接する感光体ドラム101と、感光体ドラム101の表面を一様に帯電させる帯電器102とを主に備えている。
現像ユニット200は、感光体ドラム101に対して所定濃度の現像液DLを供給する装置である。ここで、現像液DLは、パラフィンオイルやシリコーンオイルなどの不揮発性のキャリア液に、エポキシやポリエステルなどの樹脂や顔料および荷電制御剤からなるトナー粒子(現像剤)を混合させることで生成されている。また、「濃度」とは、現像液DL中におけるトナー粒子の濃度、すなわち固形分濃度を意味する。
そして、各現像ユニット200は、その内部で収容する現像液DL中のトナー粒子の色が相違するのみであり、略同一の構造となっている。なお、この現像ユニット200は、後述する現像液リサイクル装置RMの一部を兼ねるため、詳細な構造は後で説明する。
転写ユニット60は、画像形成ユニット50の上方に設けられ、駆動ローラ61と、従動ローラ62と、駆動ローラ61および従動ローラ62の間に張設された無端状の中間転写ベルト63と、中間転写ベルト63を介して感光体ドラム101と対向配置された4つの1次転写ローラ64と、中間転写ベルト63を介して駆動ローラ61と対向配置された2次転写ローラ65とを主に備えている。
このような画像形成ユニット50および転写ユニット60では、感光体ドラム101の表面が、帯電器102により一様に帯電された後、露光ユニット40によって露光されることで、感光体ドラム101上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ユニット200から感光体ドラム101の静電潜像に現像液DL中のトナー粒子が供給される。
これにより、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム101上にトナー像が形成される。各感光体ドラム101上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト63上に順次重ね合わせて転写される。そして、給紙ユニット30から搬送された用紙Sが、中間転写ベルト63と2次転写ローラ65の間の転写位置を通過することで、中間転写ベルト63上のトナー像が用紙Sに転写される。
定着ユニット70は、転写ユニット60の後側上方に設けられ、加熱ローラ71と、加熱ローラ71と対向配置されて加熱ローラ71を押圧する加圧ローラ72と、定着後の用紙Sを本体筐体10の外部に排出する排出ローラ73とを備えている。定着ユニット70では、トナー像が転写された用紙Sが、加熱ローラ71と加圧ローラ72との間を通過することでトナー像が熱定着され、排出ローラ73によって本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ12上に載置・積層される。
<現像液リサイクル装置の構造>
次に、図2を参照して現像液リサイクル装置RMについて説明する。
図2に示すように、現像液リサイクル装置RMは、現像ユニット200、回収手段の一例としての回収装置300、濃度調整容器310、キャリア液タンク320、高濃度タンク330、一時貯留タンク340および制御装置350を主に備えている。
現像ユニット200は、貯留容器201と、供給手段の一例としての供給ローラ202および中間ローラ203と、現像液担持体の一例としての現像ローラ204とを主に備えている。ここで、貯留容器201と一時貯留タンク340は、貯留部の一例である。
貯留容器201は、現像(現像ローラ204から感光体ドラム101へのトナー粒子の供給)に使用される所定濃度の現像液DLを貯留する容器であり、供給ローラ202による現像液DLの汲み上げを良好にするべく、浅めに形成されている。
すなわち、貯留容器201を深め(底面が供給ローラ202から大きく離れるように)に形成した場合には、供給ローラ202よりも下にある現像液DLの量が多くなってしまい、供給ローラ202に現像液DLを汲み上げて送る他のローラを追加する必要がある。これに対し、本実施形態のように供給ローラ202に近接した位置に底面が位置するように貯留容器201を浅めに形成することで、他のローラを追加することなく供給ローラ202で現像液DLの汲み上げを良好に行うことが可能となっている。
そして、この貯留容器201には、その内部の現像液DLの液量が常に所定範囲内に収まるように、2つの液量センサE1,E2が設けられている。具体的には、一方の液量センサE1では、前記所定範囲の下限値に相当する液量を検知し、他方の液量センサE2では、前記所定範囲の上限値に相当する液量を検知している。
なお、本実施形態では、液量センサE1,E2(後述する他の液量センサも同様)として、発光部E11,E21から出射した光を受光部E12,E22で受光するか否かで液面の位置が所定位置よりも下に位置するか否かを検出するセンサを用いることとする。すなわち、この液量センサでは、光を受光している間はON信号を制御装置350に出力し、光が現像液DLで遮断されているときにはOFF信号を制御装置350に出力する。そして、この制御装置350は、OFF信号を受信しているときには液面の位置が所定位置以上の位置に位置すると判断し、ON信号を受信しているときには液面の位置が所定位置よりも下に位置すると判断する。また、液量センサE1,E2は、発光部E11,E21から受光部E12,E22へ出射される光がローラや軸その他の部材で遮られないように、ローラや軸その他の部材を避けた位置に設けられている。
供給ローラ202は、貯留容器201内の現像液DLを表面で担持する金属製のローラである。この供給ローラ202は、その一部(下部)が貯留容器201内の現像液DL中に浸かった状態で回転することで、表面で担持した現像液DLを上方の中間ローラ203に汲み上げるように搬送する。
中間ローラ203は、供給ローラ202から送られてくる現像液DLを表面に形成された溝内で担持する金属製のローラであり、供給ローラ202との間に所定の小さな隙間を空けて配置されている。そして、前述した供給ローラ202から中間ローラ203上に供給された現像液DLは、中間ローラ203の回転により金属製の液量規制ブレード205に到達すると、この液量規制ブレード205で一部すりきられて一定の液量に規制され、その後現像ローラ204に供給される。なお、液量規制ブレード205ですりきられた現像液DLは、重力により貯留容器201に戻される。
現像ローラ204は、中間ローラ203から送られてくる現像液DLを表面で担持するローラであり、導電性を有するウレタンゴムで形成されている。この現像ローラ204は、中間ローラ203に圧接された状態で回転することで、中間ローラ203から供給された現像液DLを感光体ドラム101に搬送する。
なお、この現像ローラ204上の現像液DLは、中間ローラ203から感光体ドラム101に搬送されるまでの間に、コンパクション用帯電器206から電界が印加されることによって、そのトナー粒子が現像ローラ204上に押し付けられる(凝集される)。その後、現像ローラ204上の現像液DLが感光体ドラム101に到達すると、感光体ドラム101上に形成された静電潜像に現像液DL中のトナー粒子が移動するとともに、現像液DL中のキャリア液の一部も感光体ドラム101に付着する。なお、静電潜像の無い領域(非画像部)では、コンパクションの効果(コンパクション用帯電器206による効果)によりトナー粒子が現像ローラ204上に残り、主にキャリア液が現像ローラ204から感光体ドラム101に付着する。
そのため、感光体ドラム101上に形成される静電潜像の面積率が大きい場合には、多くのトナー粒子が移動することで、回収装置300で回収される現像液DLの濃度は薄く、かつ、その量も少なくなる。これに対し、静電潜像の面積率が小さい場合には、トナー粒子の移動量が少なくなることで、回収装置300で回収される現像液DLの濃度は濃く、かつ、その量も多くなる。
回収装置300は、回収ブレード301、受け皿部302、回収タンク303および2つのポンプP5,P6を備えて構成されている。
回収ブレード301は、現像ローラ204の表面に摺接しており、感光体ドラム101に供給されずに現像ローラ204上に残った現像液DLを受け皿部302に掻き落としている。
受け皿部302は、回収ブレード301で掻き取った現像液DLを一時的に貯留する液溜め部であり、配管T1を介して回収タンク303と連通している。そして、配管T1には、受け皿部302から回収タンク303への現像液DLの送液またはその送液の停止を行うポンプP5が設けられている。
なお、本実施形態では、現像液DLが溜まる各液溜め部に対して、便宜上、受け皿部、容器およびタンクの名称を付けているが、これらの各液溜め部は、1つの容器として形成されていてもよいし、本体筐体10等のフレームの一部として形成されていてもよい。
回収タンク303は、受け皿部302から送られてくる現像液DLを一時的に貯留しておくタンクであり、配管T2を介して濃度調整容器310と連通している。そして、配管T2には、回収タンク303から濃度調整容器310への現像液DLの送液またはその送液の停止を行うポンプP6が設けられている。
濃度調整容器310は、前述した回収装置300で回収した現像液DLの濃度調整を行うための容器である。この濃度調整容器310には、現像液DLを撹拌するための撹拌翼311と、撹拌翼311を回転させているときに撹拌翼311の回転軸に加わるトルクを検出するトルクセンサFEと、現像液DLの温度を検出する温度センサTEと、現像液DLの液量を検出する調整容器液量センサCEとが設けられている。
そして、この濃度調整容器310では、現像液DLが所定量であるときに、撹拌翼311を回転させ、そのときのトルクと温度を検出することで、現像液DLの濃度が検出されるようになっている。すなわち、本実施形態では、前述した撹拌翼311、トルクセンサFE、温度センサTEおよび調整容器液量センサCE(発光部CE1および受光部CE2)によって、濃度センサが構成されている。
キャリア液タンク320は、キャリア液CLを収容するタンクであり、配管T3を介して濃度調整容器310と連通している。そして、配管T3には、キャリア液タンク320から濃度調整容器310へのキャリア液CLの送液またはその送液の停止を行う第2送液手段の一例としての第2ポンプP2が設けられている。
高濃度タンク330は、現像に使用される所定濃度の現像液DLよりも高濃度の現像液DL(以下、「原液NL」ともいう。)を収容するタンクであり、配管T4を介して濃度調整容器310と連通している。そして、配管T4には、高濃度タンク330から濃度調整容器310への原液NLの送液またはその送液の停止を行う第3送液手段の一例としての第3ポンプP3が設けられている。
一時貯留タンク340は、濃度調整容器310から送られてくる所定濃度の現像液DLを一時的に貯留するタンクであり、配管T5を介して濃度調整容器310に連通するとともに、配管T6を介して貯留容器201に連通している。そして、配管T5には、濃度調整容器310から一時貯留タンク340への現像液DLの送液またはその送液の停止を行う第1送液手段の一例としての第1ポンプP1が設けられている。
また、配管T6には、一時貯留タンク340から貯留容器201への現像液DLの送液またはその送液の停止を行う第4ポンプP4が設けられている。さらに、一時貯留タンク340には、その内部の現像液DLの液量を検出する貯留部液量センサRE(発光部RE1および受光部RE2)が設けられている。
制御装置350は、CPU、ROM、RAM、通信機器などの公知のハードウェアを有しており、ROMに記憶しているプログラムや前述した各液量センサE1,E2,CE,REからの信号に基づいて各ポンプP1〜P6等の制御を実行する。具体的に、この制御装置350は、主に、カラープリンタ1の電源ON中において図3に示すフローチャートを繰り返し実行する。
図3に示すように、制御装置350は、まず、貯留部液量センサREからの信号に基づいて、一時貯留タンク340内の液量Lrが所定値L1以下になったか否かを判断する(S1)。具体的には、制御装置350は、貯留部液量センサREからON信号が出力されたか否かで、液量Lrが所定値L1以下になったか否かを判断する(S1)。
そして、図4(a)に示すように、一時貯留タンク340内の現像液DLの液面が所定位置よりも下に下がることで貯留部液量センサREからON信号が出力されると、制御装置350は、ステップS1において液量Lrが所定値L1以下になったと判断する(Yes)。その後、制御装置350は、ポンプP6を停止することで、濃度調整容器310内への現像液DLの回収を停止させる(S2)。
ステップS2の後、制御装置350は、図4(b)に示すように、第3ポンプP3の駆動を開始することで、高濃度タンク330から濃度調整容器310への原液NLの送液(注ぎ足し)を開始する(S3)。ステップS3の後、制御装置350は、調整容器液量センサCEからの信号に基づいて、濃度調整容器310内の液量Lcが所定量L2になったか否かを判断する(S4)。具体的には、制御装置350は、調整容器液量センサCEからOFF信号が出力されたか否かで、液量Lcが所定量L2になったか否かを判断する(S4)。
ステップS4において液量Lcが所定量L2になった場合には(Yes)、制御装置350は、第3ポンプP3を停止することで、原液NLの注ぎ足しを停止させる(S5)。ステップS5の後、制御装置350は、撹拌翼311を回転させるとともに、トルクセンサFEおよび温度センサTEで、そのときのトルクと温度を検出することで、濃度調整容器310内の現像液DLの濃度を検出する(S6:濃度検出動作)。
ステップS6の後、制御装置350は、図4(c)に示すように、検出した濃度に基づいて第2ポンプP2および第3ポンプP3の少なくとも一方を制御することで濃度調整容器310内の現像液DLを所定濃度に調整する(S7:濃度調整動作)。すなわち、制御装置350は、検出した濃度が所定濃度よりも薄ければ、第3ポンプP3を駆動して原液NLを注ぎ足し、検出した濃度が所定濃度よりも濃ければ、第2ポンプP2を駆動してキャリア液CLを注ぎ足す。なお、原液NLおよびキャリア液CLのいずれか一方の供給によって現像液DLの濃度を所定濃度にすることはできるが、濃度調整容器310内の液量が所望する量に満たない場合には、第2ポンプP2および第3ポンプP3の両方を制御して原液NLとキャリア液CLとを所定の割合で供給すればよい。
ステップS7の後、制御装置350は、図4(d)に示すように、第1ポンプP1を所定の設定時間の間だけ駆動させることで、濃度調整容器310内にて所定濃度に調整された現像液DLの一部を一時貯留タンク340に送る(S8:補給動作)。これにより、補給動作の完了時には、濃度調整容器310内には現像液DLが残る。
ここで、本実施形態では、第1ポンプP1を所定の設定時間の間だけ駆動させることで、常に一定量の現像液DLを一時貯留タンク340に送っている。一方、濃度調整時に追加する原液NLやキャリア液CLの量は、濃度検出動作により検出した濃度によって異なるため、濃度調整容器310内に残っている現像液DLの量は、濃度調整時に追加する原液NLやキャリア液CLに応じて変化する。
そのため、補給動作後に濃度調整容器310内に確実に現像液DLを残すためには、検出した濃度に対応して所定範囲で変動する濃度調整後の濃度調整容器310内の現像液DLの総量の下限値よりも、一時貯留タンク340へ供給する現像液DLの量の方が小さくなるように第1ポンプP1の駆動時間(設定時間)を設定すればよい。
ステップS8の後(第1ポンプP1の駆動を停止した後)、制御装置350は、2つのポンプP5,P6の双方を駆動させることで、現像液DLの回収を再開(S9)して、本制御を終了する。
なお、制御装置350は、前述のフローチャートに従った制御とは別に、貯留容器201内の液量が少なくなったら、第4ポンプP4を駆動することで、一時貯留タンク340内の現像液DLを貯留容器201に注ぎ足す制御も行っている。すなわち、制御装置350は、液量センサE1からの信号に基づいて、貯留容器201内の液量が前述した下限値以下となったか否かを判断し、下限値以下となった場合に第4ポンプP4を駆動して一時貯留タンク340内の現像液DLを貯留容器201に送る。その後、液量センサE2からの信号に基づいて、貯留容器201内の液量が前述した上限値以上になったか否かを判断し、上限値以上となった場合に第4ポンプP4を停止して現像液DLの供給を停止させる。
そして、このように前述のフローチャートに従った制御とは別に一時貯留タンク340内の現像液DLを貯留容器201に注ぎ足す制御が行われることにより、図4(a)〜(c)の間、一時貯留タンク340内の現像液DLは、徐々に減っていく。そのため、濃度検出動作を開始する前に、一時貯留タンク340に残しておく現像液DLの量(ステップS1の所定値L1)は、貯留部液量センサREで現像液DLの量が所定値L1になったと検知してから(S1;Yes)、補給動作(S8)が開始されるまでの時間の間に現像ユニット200で消費される現像液DLの量よりも多い量に設定しておく。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
補給動作が完了した後は濃度調整容器310内に所定濃度の現像液DLが残るので、その後、回収装置300で回収されてくる濃度不明の現像液DLは、濃度調整容器310内に溜まっている所定濃度の現像液DLと混ざることになる。これにより、濃度不明の現像液DLの濃度を所定濃度に近付けることができるので、濃度検出動作時の現像液DLの濃度の変動幅を小さくすることができ、濃度センサ(トルクセンサFE等)の検出範囲を狭く設定することができる。そして、このように濃度センサの検出範囲を狭く設定することで、濃度センサの分解能が上がるので、高精度な濃度検出を行うことができる。
第1ポンプP1を所定の設定時間の間だけ駆動させることで濃度調整容器310内に現像液DLが残るようにしたので、例えば、濃度調整容器310または一時貯留タンク340に新たな液量センサを設け、この液量センサの検出値に基づいて濃度調整容器310内に現像液DLを残すように第1ポンプP1を制御する構造に比べ、コストを低減することができる。
一時貯留タンク340内の液量Lrが所定値L1以下になった場合には(S1;Yes)、濃度検出動作、濃度調整動作および補給動作(S6〜S8)が実行されるので、一時貯留タンク340内が空になる前に一時貯留タンク340内に所定濃度の現像液DLを補給することができる。また、このように、現像液DLを簡略な制御で補給することができる。また、一時貯留タンク340内の液量Lrを貯留部液量センサREで監視することで、一時貯留タンク340の容量を最小限に抑えることができるので、装置の小型化も図ることができる。
貯留部を2つの容器(貯留容器201と一時貯留タンク340)で構成したので、一方の貯留容器201を浅めに形成して供給ローラ202での現像液DLの汲み上げを良好に行うことができる。また、他方の一時貯留タンク340の容量を大きくして、濃度調整容器310からの現像液DLの補給動作の頻度を少なくすることができる。
なお、原液NLの送液開始(S3)時点で、回収された現像液DLの回収量が少なく、所定の量L2になるまでに多くの液を追加しなければならない場合は、印字面積率が大きい場合である。このとき、現像液DLの濃度は、所定濃度より薄くなっている。そのため、前記実施形態のように濃度調整容器310内に原液NLを供給することで、キャリア液CLを供給するのに比べて、所定濃度に近付けることができる。印字面積率が小さい場合は、回収された現像液DLの回収量が多い。このとき、現像液DLの濃度は、所定濃度より濃くなっているが、ステップS3で追加する原液NLの量は少ないので、濃度調整容器内の現像液の濃度変化に与える影響は少ない。この結果、濃度検出後の濃度調整に要する現像液(原液NL・キャリア液CL)の量が不要に多くなるのを防止できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、第1ポンプP1を制御することで濃度調整容器310内に現像液DLを残すようにしたが、本発明はこれに限定されず、濃度調整容器の底面よりも高い位置に、当該濃度調整容器内から第1送液手段に現像液を排出させるための排出口を形成してもよい。
具体的には、図5に示すように、濃度調整容器410の側壁411のうち底面412よりも高い位置に、排出口413を形成し、この排出口413に配管T5を接続してもよい。また、図6に示すように、濃度調整容器510の底面512を上下に段差の付いた形状に形成し、底面512のうち高い位置に位置する部位512Aに、配管T5が接続される排出口513を形成してもよい。
このような構造によれば、制御装置によって第1ポンプによる送液量を特別に制御しなくても、濃度調整容器内に所定量の現像液を残すことができる。
前記実施形態では、第1ポンプP1の駆動時間である設定時間を一定の時間としたが、本発明はこれに限定されず、例えば濃度調整時に注ぎ足すキャリア液CLや原液NLの量に基づいて設定時間を適宜算出するようにしてもよい。
具体的には、例えば、濃度調整時に注ぎ足すキャリア液CLや原液NLの量(すなわち所定量L2の現像液DLに追加される余剰分の液の量)を、第2ポンプP2や第3ポンプP3の駆動量に基づいて算出する。次に、この算出した液量と、所定量L2とを足して、濃度調整容器310で調整された所定濃度の現像液DLの総量を算出する。
その後は、算出した総量から濃度調整容器310内に残す現像液DLの量(一定量)を引くことで一時貯留タンク340への現像液DLの供給量を算出する。そして、この供給量に基づいて第1ポンプP1の駆動時間(設定時間)を算出すればよい。この場合には、前記実施形態とは逆に、一時貯留タンク340への現像液DLの供給量が一定とならずに、濃度調整容器310内に残る現像液DLの量が一定となる。
また、供給量と、濃度調整容器310内に残る現像液DLとを、ともに一定量にしてもよい。具体的には、例えば、濃度調整後の濃度調整容器310内の現像液DLの総量が常に一定となるように、濃度調整時に注ぎ足すキャリア液CLや原液NLの量を制御すればよい。
前記実施形態では、貯留部を2つの容器(貯留容器201と一時貯留タンク340)で構成したが、本発明はこれに限定されず、貯留容器201のみで構成してもよいし、3つ以上の容器で構成してもよい。
前記実施形態では、液量センサとして発光部から出射した光を受光部で受光するか否かで液面の位置が所定位置よりも下に位置するか否かを検出するセンサ、すなわち液面の位置を1箇所だけしか検出できないセンサを採用したが、本発明はこれに限定されず、任意の液面の位置を検出できるセンサを採用してもよい。このセンサとしては、例えば現像液で遮断されることにより変化する光の面積を検出することで液面の位置を光の径の範囲内で任意に検出することができるセンサや、液圧を検出することで液面位置を検出するセンサなどを採用することができる。
前記実施形態では、現像液担持体や供給手段や感光体としてローラ状のものを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状のものを採用してもよい。
前記実施形態では、回収手段として、回収ブレード301、受け皿部302、回収タンク303および2つのポンプP5,P6を備えた回収装置300を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば前述した回収装置300から回収タンク303やポンプP6を取り除いた装置などを採用してもよい。
前記実施形態では、送液手段としてポンプを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、重力により送液するような方式であれば、送液手段としてバルブを採用してもよい。
前記実施形態では、キャリア液タンク320を各色ごとに設けたが、本発明はこれに限定されず、キャリア液タンクを各色共通で1つだけ設けてもいい。
前記実施形態では、濃度センサとして、トルクセンサFEや温度センサTE等で構成されるセンサを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば受光する光の強度の違いから濃度を検出する光学式の濃度センサなどを採用してもよい。また、このような光学式の濃度センサを設けた場合には、原液NLを所定量L2になるまで注ぎ足す処理(S3〜S5)を省いてもよい。
前記実施形態では、液量Lrが所定値L1以下になったか否かを判断するステップS1を設けたが、本発明はこれに限定されず、ステップS1の処理はなくてもよい。すなわち、制御装置が貯留部液量センサにより貯留部内の液量が所定値以下になったことを検出した場合に、前述したステップS2〜S9の処理を開始するようにしてもよい。
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
以下に、補給動作完了時に濃度調整容器内に現像液を残す実施例1を、濃度調整容器内に現像液を残さない比較例と比較して説明する。なお、比較例および実施例1では、現像に使用する現像液の濃度(所定濃度)を30%、原液の濃度を40%として実験を行った。ここでいう濃度は、現像液中の現像剤の重量%である。また、この実施例1では、現像液の量(体積)を、重量で測定した。
<比較例>
比較例の各種条件の詳細は、図7(a)に示す通りである。
なお、図7(a)に示す表において、「回収現像液の量」とは、濃度調整容器に回収した現像液の量を示し、「原液の量」とは、濃度検出のために濃度調整容器内の現像液を所定量にするために注ぎ足す原液の量を示す。また、「調整用キャリア液の量」とは、濃度調整時に追加するキャリア液の量を示し、「濃度検出前の濃度」とは、前述した回収現像液と原液を足し合わせた量(41g:太枠内の量を足し合わせた量)の現像液の濃度を示す。
そして、この比較例では、濃度調整容器内が空の状態で印字を用紙数枚分行い、このときに回収される用紙数枚分の回収現像液に対して原液を混ぜて、濃度検出前の濃度を検出した。この濃度検出前の濃度を検出する実験は、印字面積率を0〜100%の間で数段階に分けて複数回行った。
この実験によると、印字面積率が0%のときに濃度検出前の濃度が最大値(36.3%)となり、印字面積率が75%のときに濃度検出前の濃度が最小値(32.6%)となることが確認された。以上により、濃度検出前の濃度の変動幅が、36.3%〜32.6%、すなわち3.7%分の幅であることが確認された。
なお、濃度検出前の濃度が最大値(36.3%)となる場合には、調整用キャリア液を8.6g入れれば、所定濃度30%になることが確認された。また、濃度検出前の濃度が最小値(32.6%)となる場合には、調整用キャリア液を3.6g入れれば、所定濃度30%になることが確認された。
<実施例1>
実施例1では、図7(b)に示すように、前述した比較例の条件に加え、濃度調整容器に59gの現像液を残す条件を追加した。具体的に、実施例1では、濃度調整容器内に所定濃度(30%)の現像液を59g残した状態で印字を比較例と同じ用紙数枚分行い、このときに回収される用紙数枚分の回収現像液に対して原液を混ぜて、濃度を検出した。
なお、比較例と実施例1では、濃度調整容器から一時貯留タンクに送る現像液の供給量を同一にしている。すなわち、比較例と実施例1とを良好に比較できるように、調整用キャリア液、原液および回収現像液の量が比較例と実施例1とで同一となるように設定した。なお、このようにすることで、実施例1では、濃度検出のために濃度調整容器内に溜める現像液の総量(太枠内の原液、回収現像液および残した現像液の量を足し合わせた量)を、100gとしている。
この実施例1によれば、例えば印字面積率が0%のときには、濃度調整容器内に残っている59gの現像液に対して、40.3gの回収現像液と0.7gの原液が加えられることで、その濃度(濃度検出前の濃度)が32.6%となることが確認された。また、印字面積率が75%のときには、濃度検出前の濃度が31.1%になることが確認された。
以上により、濃度検出前の濃度の変動幅が、32.6%〜31.1%、すなわち1.5%分の幅であることが確認された。したがって、比較例と実施例1とを比較すると、濃度検出前の濃度の変動幅が、3.7%から1.5%まで小さくなったことが確認された。
101 感光体ドラム
200 現像ユニット
201 貯留容器
202 供給ローラ
203 中間ローラ
204 現像ローラ
300 回収装置
301 回収ブレード
302 受け皿部
303 回収タンク
310 濃度調整容器
311 撹拌翼
320 キャリア液タンク
330 高濃度タンク
340 一時貯留タンク
350 制御装置
CE 調整容器液量センサ
CL キャリア液
DL 現像液
FE トルクセンサ
NL 原液
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
P3 第3ポンプ
RM 現像液リサイクル装置
TE 温度センサ

Claims (3)

  1. キャリア液に現像剤を混合させてなる所定濃度の現像液を貯留する貯留部と、
    現像液を担持して感光体に供給する現像液担持体と、
    前記貯留部内の現像液を前記現像液担持体に供給する供給手段と、
    前記感光体に供給されずに前記現像液担持体上に残った現像液を回収する回収手段と、
    前記回収手段で回収した現像液の濃度調整を行うための濃度調整容器と、
    前記濃度調整容器で濃度調整された現像液を前記貯留部に送る第1送液手段と、
    キャリア液を収容するキャリア液タンクと、
    前記キャリア液タンク内のキャリア液を前記濃度調整容器に送る第2送液手段と、
    前記所定濃度よりも高濃度の現像液を収容する高濃度タンクと、
    前記高濃度タンクから前記濃度調整容器に前記高濃度の現像液を送る第3送液手段と、
    前記濃度調整容器内の濃度を検出する濃度センサと、
    前記貯留部内の液量が所定値以下となった場合に、前記濃度調整容器内の現像液の濃度を前記濃度センサで検出する濃度検出動作と、検出した濃度に基づいて前記第2送液手段および前記第3送液手段の少なくとも一方を制御することで前記濃度調整容器内の現像液を前記所定濃度に調整する濃度調整動作と、調整後に前記第1送液手段を制御して前記所定濃度の現像液を前記貯留部に送る補給動作とを一連の処理として実行する制御装置とを備え、
    前記補給動作完了した時点において、前記濃度調整容器内に一定量以上の現像液が残るように構成されていることを特徴とする現像液リサイクル装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記補給動作の完了時において前記濃度調整容器内に現像液が残るように、前記第1送液手段を設定時間の間だけ駆動させることを特徴とする請求項1に記載の現像液リサイクル装置。
  3. 前記濃度調整容器の底面よりも高い位置に、当該濃度調整容器内から前記第1送液手段に現像液を排出させるための排出口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像液リサイクル装置。
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