JP4977958B2 - 空気入りタイヤ用ビード、空気入りタイヤ用ビードの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ用ビード、空気入りタイヤ用ビードの製造方法及び空気入りタイヤ Download PDF

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    • B29D30/50Covering, e.g. by winding, the separate bead-rings or bead-cores with textile material, e.g. with flipper strips

Description

本発明は、空気入りタイヤのビードコア部に用いるビードの改善、該ビードの製造方法、該ビードの製造装置、及び、ビードを改善した空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、ビードコア部に、ビード径を維持して、リムフランジに強固に固定するために、環状のビードが埋設されている。このビードコア部には、通常は、単線のスチールワイヤーを複数巻回したり、アラミド等の高弾性コードを用いたりしたビードが用いられているが、このビードの構造、材料はタイヤ性能に大きな影響を与える。
従来技術においては、このビードは、ビードワイヤーと呼ばれるスチールワイヤー等のコードをタイヤ周方向に環状に、複数列、複数層に巻き付けて環状体を形成し、このスチールワイヤーの束である環状体をプライで包んで製造している。
しかし、この製造方法で製造した環状体の一部を切断してビードワイヤーを円環状から開放すると、円環状のままとはならず、周方向に大きく開き、また、大きな捩れも生じる。例えば、この切断端部の周方向の開きは、元の円環形状から200mm以上にもなる場合もあり、また、捩れについても、切断端部のずれが、円環面に垂直な方向に50mm以上になる場合もある。
このようなビードワイヤーをビードコア部に用いて空気入りタイヤを製造する場合には、空気入りタイヤのビードコア部に配置した時に、このビードワイヤーの列及び層の乱れが発生し、ロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティに対する悪影響が生じるという問題がある。
この問題に関係して、カーカスプライをタイヤ円周方向に巻回するときの重なり部で生じるジョイントデントの発生を抑制するために、ビードワイヤーを並べることにより帯状化したビードプライをタイヤ周方向に複数回多層に巻回して形成し、その断面形状がテープを積層した形状となるテープビードコアを使用した空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、操縦安定性を維持しつつロードノイズ性能や乗り心地を改善するために、内部に液体又は気体を封止したチューブ体を巻回することによって形成し、液体を封入した場合にはロードノイズ性能に大きな効果が得られ、気体を封入した場合には、主に乗り心地が改善されるチューブコア部を有する空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−113018号公報 特開2003−205713号公報
本発明の目的は、空気入りタイヤにおいて、軽量化やコストダウンが可能で、ロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティを向上できる空気入りタイヤ用ビードと、この空気入りタイヤ用ビードの製造方法及び製造装置を提供することにある。
また、本発明の更なる目的は、軽量化やコストダウンが可能で、ロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティが向上した空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤ用ビードは、空気入りタイヤのビードコア部に用いるタイヤ用ビードであって、帯状部材を周方向に開口部を有するように幅方向に沿って丸めて筒状にした線状体を、前記帯状部材が複数積層するように円環状に巻回して構成される。
また、上記の空気入りタイヤ用ビードにおいて、前記筒状にした線状体の内部にコア部材を配置して構成される。
このビードは、厚さ0.1mm〜3mm程度の帯状部材を使用し、この帯状部材を内部に所定の断面形状を有する筒成形部を備えたダイスを通過させて、巾方向に関して丸めて所定の断面形状を有する筒状の線状体に成形し、この線状体を円環状に形成することで製造できる。また、この帯状部材としては、このビードが配置される空気入りタイヤの大きさや要求されるタイヤの特性に応じて、鉄やステンレス等の金属材料、金属繊維と樹脂、無機繊維と樹脂等の複合材料等を材料にした薄膜や薄板や織物等を使用できる。
このビードの構成により、従来技術のワイヤーコードを円環状に多数回巻回して形成するビードで発生するようなコードの捩じれが無くなるので、このビードを空気入りタイヤのビードコア部に配設した時に、空気入りタイヤのロードノイズや乗り心地やユニフォーミティが向上する。
また、筒状の断面形状を、容易に、円形状や楕円形状や多角形形状等の任意形状とすることができるようになるので、ビードに要求される所望の機械的性質を比較的簡単な加工で実現できるようになる。特に、筒状の断面形状を工夫することにより、容易に、タイヤ周方向とタイヤ巾方向とで異なる機械的性質を持たせることができる。
このビードは、ビードに要求される特性により、両端を完全に合わせずに、所定の寸法で開いて、この開いた部分で撓みを吸収させることにより、ビードにしなやかさを持たせることができる。これにより、ビードの横方向から作用する力を分散させることが可能となる。なお、開き具合を調整することにより、ビードのしなやかさを調整できる。また、線状体に強い剛性を持たせるために、この両端を溶接等で点接合したり、線接合することも容易にできる。
そして、筒状にした線状体の内部に線状のコア部材、例えば、要求性能を満足できるような材質や硬度のゴム等を配置して構成すると、ビードが潰れるのを防止でき、ビードの断面形状を大きくすることができる。また、ビードの機械的性質を、帯状部材の機械的性質に加えて、このコア部材の機械的性質によっても調整できるので、よりきめ細かく調整できるようになる。このコア部材の材料としては、ゴムの他、気体(不活性ガス)、液体(ゲル状)、樹脂等を用いることができ、単体のみならず、ワイヤー束等の集合材、ワイヤー束をゴム材で練り固めた混合材、巾の狭い帯状体を積層した部材、その他の集合部材等も使用できる。
また、この筒状の線状体の内側を空洞にしたり、軽量のコア部材を使用する場合には、ワイヤービードを巻回したビードに比較して著しく軽量化できる。更に、帯状部材の巾方向の両端を突き合わせ又は重ね合わせて、線状体の内側を密封可能に形成して、この内部に液体を封入すると、ロードノイズを著しく減少でき、また、気体を封入すると乗り心地性能を著しく向上できる。
そして、帯状部材を円環状に少なくとも一周以上巻回して、同一の帯状部材が筒状に複数層重なる部分を有するように構成すると、連続した筒状の線状体の先側が後側の内側に積層され、しかも、この内側の筒状部分は外側の筒状部分によって、断面における周方向に関してかしめられた状態になるので、タイヤ周方向に関して強固な円環を構成できる。この場合には、2周以上巻回することが好ましい。
この構成によれば、円環状の形状、即ち、タイヤ周方向に関する円形状を、より真円に近付けることができるので、この真円精度向上により、ロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティの改善を図ることができる。また、ビードの機械的性質を、帯状部材の材質や厚さ等に加えて、この巻き付け回数でも調整することができるようになる。
また、帯状部材を複数枚重ねて巾方向に丸めて筒状にして構成すると、ビードの機械的性質を、帯状部材の相互間で、材質や硬度等の機械的性質を変えたり、厚さや巾や枚数を変えることにより、断面形状が同心状の筒状体が積層した形状や、複数枚の板状の積層体を一層の筒状体で囲んだ形状や、複数枚の板状の積層体を複数の同心状の筒状体の積層体で囲んだもの等、多様な形状とすることができる。また、コア部材との組合せにより、より複雑な構成も可能となるので、ビードの機械的性質をよりきめ細かく調整できるようになる。
本発明の空気入りタイヤ用ビードの製造方法は、空気入りタイヤのビードコア部に用いるビードの製造方法であって、帯状部材をダイスを通過させる加工により周方向に開口部を有するように幅方向に沿って丸めることで筒状の線状体を形成し、該線状体を成形ドラムに一周以上巻回して円環状に成形し、該巻回した線状体を、その先端部分が前記帯状部材の後側に包み込まれるようにして該帯状部材と共に前記ダイスを通過させる方法として構成される。あるいは、複数積層した帯状部材をダイスを通過させる加工により幅方向に沿って丸めることで積層された筒状の線状体を形成し、該積層された線状体を成形ドラムに一周巻回して円環状に成形し、該巻回したそれぞれの線状体の先端部と後端部とを接合する方法として構成される。
そして、上記の空気入りタイヤ用ビードの製造方法において、前記帯状部材をコア部材と一緒にダイスを通過させる。
このダイスを通過させる加工としては、押出し加工や引抜き加工があり、また、熱間加工や冷間加工もあるが、これらを併用して、帯状部材用送り装置により帯状部材をヒーターで加熱しながらダイスに送り込みながら、ダイスから出てきた線状体を線状体送り装置により引き抜くような構成も考えられる。また、線状体を環状に成形する方法としては、成形ドラムを用いる方法や、ローラによる曲げ加工等がある。
これらの製造方法により、上記の空気入りタイヤ用ビードを容易に製造でき、しかも、ダイスの筒成形部の形状を変えることで、簡単に、ビードの断面形状を円形状だけでなく、楕円形状や多角形形状等の要求される機械的特性に対応した所定の断面形状に成形することができる。
また、線状体を、円環状に少なくとも一周以上巻回して、帯状部材を複数層重ねると、帯状部材の長手方向の前後の端部の接合処置をしなくても円環の形状を強固に維持できるようになる。また、複数の帯状部材を用いて、この帯状部材の配置を長手方向にずらして形成すると、円環状の線状体が成形されたときに、帯状部材の端部がずれるので、この場合も、帯状部材の長手方向の前後の端部の接合処置をしなくても円環の形状を強固に維持できるようになる。
そして、本発明の空気入りタイヤは、上記の空気入りタイヤ用ビードをビードコア部に用いて構成される。この構成により、ビードに所望の機械的性質を持たせることができ、また、円環形状において真円精度を高くすることができるので、ロードノイズ性能、乗り心地、ユニフォミティ等において優れた空気入りタイヤとなる。
本発明の空気入りタイヤ用ビードによれば、所望の機械的性質を容易に実現でき、また、ビードコア部の形状に応じて所望の形状に形成することが容易にできる。そして、円環形状の真円精度が高いので、このビードを用いた空気入りタイヤのロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティを向上できる。
また、線状体の内部を中空にする場合や、線状体の内部に軽量のコア部材を用いる場合には、ビードを軽量化でき、このビードを用いた空気入りタイヤの軽量化もできる。
そして、本発明の空気入りタイヤ用ビードの製造方法によれば、容易に、上記の空気入りタイヤ用ビードを製造でき、生産性を向上でき、製造設備の小型化が可能となる。
また、本発明の空気入りタイヤによれば、軽量化やコストダウンが可能となり、ロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティを向上させることができる。
以下、本発明の空気入りタイヤ用ビード、空気入りタイヤ用ビードの製造方法、及び、空気入りタイヤについて、図に示す実施の形態を参照しながら説明する。なお、図面における厚さや巾や断面形状や円環形状の半径等の諸寸法は見易くするため、実際の寸法の比率とは異ならせているので注意が必要である。
最初に、空気入りタイヤ用ビードと空気入りタイヤについて説明する。
この空気入りタイヤ用ビードは、図1及び図2に示すように、空気入りタイヤ1のビードコア部2を形成するビード10Aであり、カーカス3の両端側(図1は片側のみ図示)をそれぞれ固定し、内部空気圧を保持すると共に、空気入りタイヤ1がパンクした時に、タイヤ1がリム7から外れるのを防止している。
また、空気入りタイヤ1には、カーカス3をビード10Aの回りに巻き込む際に生じる空間にゴムを充填したビードフィラー4が設けられ、カーカス3をビード10Aに強固に固定すると共にこの部分の形状を整え、ビード部2全体の剛性を高めている。更に、カーカスコードによるチューブの損傷を防ぐために、カーカス3の内側にゴム層のインナライナ5が設けられ、カーカス3の外側には、サイドトレッド6が設けられている。
次に、図1〜図10に示すような本発明の参考例及び実施の形態のビード10A〜10Fについて説明する。なお、これらの実施の形態は例示であり、この例示以外の実施も可能である。また、このビード10A〜10Fの断面の大きさは、小型乗用車等の小型タイヤでは5mmφや5mm角程度であるが、建設車両用等の大型タイヤでは50mmφや50mm角程度にもなる。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の参考例のビード10Aは、帯状薄膜等の帯状部材11を巾方向Bに関して丸めて筒状にして線状体11Aを形成し、更に、この線状体11Aを円環状に形成して構成される。この帯状部材11は、鉄やステンレスや織物(樹脂を含浸したもの)等を材料とし、対象とする空気入りタイヤ1の大きさや要求される性能、特に機械的性質や加工特性に応じて、その厚さtは0.1mm〜3mm程度に形成される。
また、線状体11Aの断面形状も、要求される性能やビードコア部2の形状に応じて、図1及び図2に示す円形や、楕円形、長円形、正方形、長方形、多角形形状、その他の形状等の所定の形状に成形する。また、これらの断面形状は、図8に示すように、空気入りタイヤ1の中心面(水直面)から傾斜させてもよい。
このビード10Aは、図2に示すように、帯状部材11の巾方向Bの両端11a,11bを完全に合わせずに、所定の寸法開いた状態にして成形すると、この開いた部分Sで撓みを吸収できるようになるので、ビード10Aにしなやかさが備わり、横方向から作用する力を分散させることが可能となる。そして、この開き具合Sを調整することにより、ビード10Aのしなやかさを調整できる。
また、図3に示すように、帯状部材11の巾方向Bにおける両端11a,11bを合わせて筒状の線状体11A’に形成すると、断面において閉じた形状となるので、剛性を大きくすることができる。
このビード10A,10A’の円環状の円周方向R、即ち、タイヤの周方向Rに関しては、帯状部材11の長さを所定の円周長さにして切断して円環を形成した後、線状体11A,10A’の端部を溶接や接着などにより接合する。この第1の実施の形態では、ビード10A,10A’は一層の筒状体で形成されることになる。
本発明のの実施の形態のビード10Bは、図4に示すように、一枚の帯状部材11を円環状に少なくとも一周以上巻回して、帯状部材11が筒状に複数層重なる部分を有するようにして構成する。この構成では、同じ帯状部材11が一周以上、好ましくは2周以上巻回されて、連続した筒状の線状体11Aの先側が後側の内側に積層配置される構造となる。
この構成では、円環の周囲方向Rに筒状の線状体11Aが連続して巻回されており、しかも、内側の筒状部分が断面における周方向Rsに関してかしめられた状態になるので、強固な円環を形成できる。また、最内層において巾方向Bにおける両端が当接するように筒状の線状体11Aを成形すると、線状体11Aの剛性を高くして、円環の横方向に関する強度を強くすることができる。
なお、帯状部材11の巾を1周分毎に変化させることにより、成形された線状体11Aの各層毎に、巾方向Bにおける両端の開き具合を調整できる。また、全層において巾方向Bにおける両端が当接するようにすることもできる。
の実施の形態のビード10Cは、図5に示すように、複数枚(図5では3枚)の帯状部材11,12,13を用意し、この帯状部材11,12,13を複数枚重ねて、巾方向Bに丸めて筒状にして形成する。この断面は同心状の積層体となるが、その形状は、要求される性能や配置されるビードコア部2の形状に従って、所定の形状に形成される。
また、このビード10Cの円環状の円周方向Rに関しては、第1の参考例のビード10Aと同様に、図5(a)に示すように、ビード10Cの端部を揃えた場合はこの端部を溶接や接着などにより接合し、また、図5(b)に示すように、各帯状部材層11,12,13をずらして配置した場合は、1周以上巻き付けてラップさせ、隙間は樹脂等で埋めて構成する。この各帯状部材層11,12,13のラップ部(重なり部)は、例えば、円周方向Rを各帯状部材層11,12,13の枚数(図5では3枚)で分割した長さとし、等分となるように各帯状部材層11,12,13をずらして配置する。この第の実施の形態では、第の実施の形態のビード10Bとは異なり、ビード10Cは同心状の線状体11A,12A,13Aの複数層で形成されることになる。
この場合においても、帯状部材11,12,13の巾を適切に設定すると、巾方向Bにおける両端を合わせて筒状に形成したり、所定の寸法で開いて形成したりすることができるので、ビード10Bのしなやかさをきめ細かく調整できる。
この構成によれば、帯状部材11,12,13の相互間で、材質や硬度等の機械的性質を変えたり、厚さや巾や枚数を変えることにより、ビード10Cの機械的性質をよりきめ細かく調整できるようになる。
2の参考例のビード10Dは、図6に示すように、帯状部材11を巾方向Bに関して筒状にした線状体11Aの内部に線状のコア部材14を配置し、円環状に形成して構成される。この線状のコア部材14は、円環状の周方向Rの一周分の長さで切断される。この長手方向の端部は、必要に応じて、線状体11Aの端部処理と同様に、接着などにより接合する。また、コア部材14と帯状部材11の端部位置をずらして端部処理すると、周方向の機械的性質の不連続性を緩和できる。この第2の参考例では、ビード10Dはコア部材14とこのコア部材14を囲む帯状部材11の一層とで形成されることになる。
そして、この線状のコア部材14の材料としては、ゴム、合成樹脂、不活性ガス、ゲル、樹脂を含浸した繊維等があり、その形状や寸法は、ビードコア部2の形状や大きさと帯状部材11の厚さtにより決まる。そして、適度な硬度のコア部材14を配置すると、ビード10Dが潰れるのを防止できる。この構成によれば、ビード10Dの機械的性質を、帯状部材11の機械的性質に加えて、このコア部材14の機械的性質によっても調整できるので、よりきめ細かく調整できるようになる。
の実施の形態のビード10Eは、図7及び図8に示すように、第の実施の形態において、帯状部材11を巾方向Bに関して筒状にした線状体11Aの最内側に線状のコア部材14を配置し、この線状体11Aを円環状に形成して構成される。この第の実施の形態では、ビード10Eはコア部材14とこのコア部材14を囲む多層に形成された線状体11Aとで形成されることになる。この構成により、第の実施の形態の効果と共にコア部材14の配置による効果を同時に奏することができる。
の実施の形態のビード10Fは、図9に示すように、第の実施の形態において、複数枚の帯状部材11,12,13を巾方向Bに関して筒状にした線状体11A,12A,13Aの内部に線状のコア部材14を配置し、これを円環状に形成して構成される。この第の実施の形態では、ビード10Fはコア部材14とこのコア部材14を囲む多層の線状体11A,12A,13Aとで形成されることになる。この構成により、第の実施の形態の効果と共にコア部材14の配置による効果を同時に奏することができる。
なお、この第の実施の形態と第の実施の形態を合わせて、複数枚の帯状部材11,12,13を、一周以上巻回し、多層の筒状の線状体11A,12A,13Aで円環を構成してビードを形成することもでき、また、第の実施の形態と第の実施の形態を合わせて、コア部材14を中心にして複数枚の帯状部材11,12,13を、一周以上巻回し、多層の筒状の線状体11A,12A,13Aで円環を構成してビードを形成することもできる。これらの構成では、積層構造は、11A,12A,13A,11A,12A,13Aの繰り返しとなる。
そして、本発明のビードは、図4、5及び図7〜図10に例示した以外にも、コア部材14をゴム単体のみならず、ワイヤー束等の集合材、ワイヤー束をゴム材で練り固めた混合材、巾の狭い帯状体を積層した部材、その他の集合材や複合で形成すると、ビードの機械的性質をよりきめ細かく調整できるようになる。
また、一枚の帯状部材11の巾を変化させたり、複数枚の帯状部材11,12,13の各巾を変化させたりすることにより、ビード10の断面形状を同心状の筒状体が積層した形状のみならず、板状の積層体を一層の筒状体で囲んだ形状や、板状の積層体を同心状の筒状体の積層体で囲んだもの等、多様な形状とすることができる。
更に、コア部材と複数枚の帯状部材の組合せにより、より複雑な構成も可能となるので、ビードの機械的性質をよりきめ細かく調整できるようになる。
なお、帯状部材11(12,13)の巾方向Bの端部は、円環状に形成されたビード10において、内側のみならず、外側にも、また、円環の横側(タイヤの外側やタイヤの内側)等、任意な場所に配置することができる。
そして、これらの実施の形態のビード10B、10C、10E及び10Fは、特に図示していないが、金属表面のメッキ剥がれ防止、及び、金属とゴムとを付着させるために、その外側、更には、一層毎に、タイヤ部材とは異なるゴムがコーティングされる。
次に、上記のビード10A〜10F(総称する場合には、以下10とする)の製造方法及び製造装置について説明する。
図10及び図11に示すように、ビードの製造装置20は、帯状部材11を線状体11Aにして円環状の内側に丸めてビード10を製造する装置であり、帯状部材用リール21、ヒーター22、帯状部材用送り装置23、筒状化装置(筒状化手段)30、成形ドラム(成形手段)40、端部処理装置(図示しない)を備えて形成される。
また、このビードの製造装置20には、コア部材14を用いる場合には、コア部材14を供給するコアチューバー(コア部材供給装置等)24、コア部材用送り装置25、カッター26も備えられる。更に、ビード10を外側ゴム15でコーティングするためのインシュレーションゴムチューバー51とコーティング装置52が備えられる。
この帯状部材用リール21は、帯状部材11を予め巻き取ったリールであり、ヒーター22は、帯状部材11の材質、厚みによっては不要となる場合もあるが、この帯状部材用リール21から供給される帯状部材11を加熱して、筒状化装置30で塑性変形し易くするためのものである。また、帯状部材用送り装置23は、送りローラ等で構成され、ヒーター22の前又は後に配置され、加熱前又は加熱後の帯状部材11を筒状化装置30側に送る。コアチューバー24は、コア部材14を供給するための装置であり、コア部材14を成形しながら押し出したり、コア部材14を予め成形して巻き取ったリールから送り出したりする。このコア部材14は、送りローラ等で構成されるコア部材用送り装置25により、筒状化装置30に送り込まれる。
この筒状化装置30は、図12及び図13に示すように、内部に筒成形部31aを有するダイス31を備えて形成される。このダイス31は、押込み加工や引抜き加工等のダイスを通過させる加工で使用されるダイスであり、入口側から帯状部材11を導入して、筒成形部31aを通過させることにより、帯状部材11を巾方向Bに関して丸めて筒化し、筒状の線状体11Aを形成する。このダイス31は、線状体11Aの長手方向の端部処理や、筒成形部31aの掃除等のために、適宜開放できるように、上下方向や左右方向等に分割及び移動できるように構成される。
成形ドラム40は、図14に示すように、その内側に円形状に形成されたガイド溝41を有するドラムであり、線状体11Aとガイド溝41との間の摩擦を小さくするために、必要に応じて、ガイド溝41の底部(成形ドラム40に関しては外側)や側部にローラ((図示しない)を設けたり、潤滑剤を供給したりするように構成される。
このガイド溝41の内側に線状体用送り装置42を設け、線状体11Aがガイド溝41に送り込まれた状態で、成形ドラム40の円周方向Rに移動させるように構成する。この線状体用送り装置42は、例えば、図14に示すようなガイド溝41に対向する位置に設けた送りローラ等で構成できる。また、図示しないが、ガイド溝41の側面に対向して設けられた1対の送りローラによっても線状体用送り装置42を構成することができる。
また、線状体11Aを円環状に成形してビード10とした場合に、この円環状のビード10を取り出せるように、成形ドラム40は適宜分割可能に構成される。例えば、ガイド溝41の部分で中心の軸方向、即ち、円環面に垂直な方向に、分割及び移動できるように構成されたり、円周方向に分割し、外側方向に移動できるように構成される。なお、ダイス31やガイド溝41は、必要に応じて冷却機構が設けられ、ヒーター22で加熱された帯状部材11あるいは線状体11Aを冷却するように構成される。
そして、図14のように、成形ドラム40の内側にガイド溝41を設けた場合には、線状体11Aにおける帯状部材11の両端部分を上方(円環の外側)に設けることができない。このためには、図15に示すように、ガイド溝41Aを外側に形成した成形ドラム40Aを用いる。この成形ドラム40Aでは、線状体用送り装置42はガイド溝41の外側に設けられ、帯状部材用リール21Aは成形ドラム40Aの内側に配置される。また、筒状化装置30Aは、線状体11Aにおける帯状部材11の両端部分を上方(円環の外側)に設けることができるように、図16のような構造となる。
また、図示しないが、端部処理装置が設けられ、この装置により、帯状部材11の先端形状を成形したり、後端部を切断したり、線状体11の先端部を成形したり、線状体11の先端部と後端部を接合したりする。この端部処理装置は、ダイス31が分割されて移動し、線状体11Aの先端部と後端部がダイス31から開放された状態の時に、この部分に移動し、線状体11Aの先端部と後端部をカッター等により成形したり、接合装置により溶接や接着やかしめ等により接合する。
次に、ビード10の製造方法について説明する。この製造方法においては、最初に、帯状部材11の巾方向Bの両端の接合部や開口部がビード10の円環形状の内側になる場合について、内側にガイド溝41を有する成形ドラム40を用いた製造方法について説明する。
先ず、製造するビード10に合わせて予め設定された材質と巾の帯状部材11(あるいは、11,12,13)を帯状部材用リール21に巻回したものを用意する。次に、この帯状部材11をヒーター22を通して、ヒーター22と筒状化装置30の間に設けた、帯状部材用送り装置23により筒状化装置30に挿入する。
帯状部材用送り装置23により帯状部材11は筒状化装置30に押し込まれると、帯状部材11の先端部分が丸められて成形ドラム40のガイド溝41に押し出される。この押し出された先端部分を線状体用送り装置42がガイド溝41に押圧しながら、帯状部材用送り装置23と同期した動きで回転方向Rに送り、線状体11Aをダイス31から引き抜く。この引き抜かれた線状体11Aの先端部及び中間部は、順次、次の線状体用送り装置42のローラに送られる。そして、この線状体11Aは、線状体用送り装置42により、送られると同時に、ガイド溝41に成形ドラム40の内側から外側方向に押圧されるので、線状体11Aは円環形状に形成される。
そして、第1の参考例のビード10Aを製造する場合には、線状体11Aの先端部分がガイド溝41を略一周してダイス31の入口側の近傍に近付いた時に、ダイス31を分解移動し、端部処理装置をこの先端部分に移動させ、帯状部材11を所定の寸法で切断し、更に、線状体11Aの先端形状を成形し、接合装置により線状体11Aの先端部と後端部を溶接または接着等により接合する。この接合時においては、必要に応じて、線状体用送り装置42のローラを移動させて、ローラが線状体11Aをガイド溝41への押し付けるのを緩めて、線状体11Aの先端部と後端部を接合し易くする。
そして、第の実施の形態のビード10Bを製造する場合には、線状体11Aの先端部分が、ダイス31の近傍に近付いた時に、そのまま線状体11Aを送り出して、ダイス31に挿入する。図10〜図14の製造装置20や成形ドラム40では、外側(上側)から帯状部材11がダイス31に供給されるので、成形ドラム40を略一周した線状体11Aの先端部分が帯状部材11の内側(下側)に配置された状態となる。この状態で帯状部材用送り装置23と線状体用送り装置42が同期しながら作動すると、線状体11Aの前側の部分を線状体11Aの後側が包み込んだ状態でダイス31から出てくる。この時点で、線状体11Aは円環状に閉じた構成となる。
この線状体11Aは、更に、線状体用送り装置42によりガイド溝41内を移動させられる。この移動を進めるにつれて、積層部分が増加する。一周以上から二周で断面構造が二層となり、更に回転すると三層、四層、....となるので、所定の周回数に到達した時点で帯状部材用送り装置23と線状体用送り装置42を停止する。この所定の周回数を終了した状態で、端部処理装置により端部処理を行う。
この第の実施の形態のビード10Bでは、帯状部材11を切断して最後端部分を形成し、この最後端部分がダイス31に入ると、この最後端部分がダイス31内を通過する時に、内側の線状体11Aをかしめた状態となるので、改めて接合しなくても、そのまま接合した状態となる。なお、更に強固にするために、このかしめ状態に加えて溶接や接着等を行ってもよい。
また、ダイス31によるかしめによらずに、ダイス31を分解移動して、端部処理装置をこの先端部分に移動させて、この端部処理装置で、帯状部材11の後端部を所定の形状に切断し、接合装置で、溶接、接着、かしめ等により接合してもよい。
この第の実施の形態のビード10Bにおいては、端部処理時に、線状体11Aをガイド溝41に保持したままで、しかも、円環形状のまま端部処理を行うことができるので、真円精度を非常に高くすることができる。
そして、第の実施の形態のビード10Cを製造する場合には、帯状部材11,12,13を多層で用意し、ダイス31を通過させて、線状体11A,12A,13Aの先端部分が、成形ドラム40を略一周してダイス31の近傍に近付いた時に、ダイス31を分解移動し、端部処理装置をこの先端部分に移動させ、帯状部材11,12,13を所定の寸法で切断し、更に、線状体11A,12A,13Aの先端形状を成形し、端部処理装置の接合装置により線状体11A,12A,13Aの先端部と後端部を溶接または接着等により接合する。この接合時においては、線状体送り用装置42のローラが線状体11A,12A,13Aをガイド溝41への押し付けるのを緩めて、線状体11Aの先端部と後端部を接合し易くする。
なお、帯状部材11,12,13は、帯状部材用リール21に重ねた状態で巻き取って用意してもよいが、それぞれの帯状部材11,12,13を巻回した帯状部材用リール21を帯状部材11,12,13の数だけ用意してダイス31に挿入する直前で重ね合わせてもよい。また、各帯状部材11,12,13に対する加熱も、積層した状態でヒーター22を通して加熱してもよく、各帯状部材11,12,13毎にそれぞれヒーター22を設けて、個別に加熱してもよい。また、個別に予備加熱した後,積層した状態で更に加熱してもよい。
また、第の実施の形態のビード10Cを製造する別の方法として、次のような方法もある。帯状部材11,12,13をそれぞれ別の帯状部材用リール21で用意する。最初に、帯状部材11を一枚の状態でダイス31を通過させて、線状体11Aの先端部分が、成形ドラム40を略一周してダイス31の近傍に近付いた時に、帯状部材11を所定の寸法で切断する。これにより、線状体11Aは円環を成形する。
次に、帯状部材11の帯状部材用リール21を帯状部材12の帯状部材用リール21に変えて、帯状部材12をダイス31に送る。この帯状部材12は、線状体11Aを囲んで、その周囲に筒状の線状体12Aを形成する。この線状体12Aの先端部分が、成形ドラム40を略一周してダイス31の近傍に近付いた時に、帯状部材12を所定の寸法で切断する。これにより、線状体11Aと線状体12Aは積層状態で円環を成形する。
更に、帯状部材12の帯状部材用リール21を帯状部材13の帯状部材用リール21に変えて、帯状部材13をダイス31に送る。この帯状部材13は、線状体12Aを囲んで、その周囲に筒状の線状体13Aを形成する。この線状体13Aの先端部分が、成形ドラム40を略一周してダイス31の近傍に近付いた時に、帯状部材13を所定の寸法で切断する。これにより、線状体11Aと線状体12Aと線状体13Aは積層状態で円環を成形する。
この線状体12Aと線状体13Aの各積層時に、各線状体11A,12A,13Aの先端部分及び後端部分をタイヤ周方向Rにずらして置くことにより、それぞれがかしめられた状態となるので、特に、各線状体11A,12A,13Aの先端部分と後端部分の接合処理をしなくても、円環を形成できる。これにより、ダイス31の分解移動や接合作業の工程が不要になる。
なお、各線状体11A,12A,13Aの一周毎に、ダイス31を分解移動し、各線状体11A,12A,13Aの先端部分と後端部分を接合処理してより円環を強固にすることもできる。
そして、第2の参考例のビード10Dを製造する場合には、製造するビード10Dに合わせて予め設定された材質と巾の帯状部材11を帯状部材用リール21に巻回したものを用意すると共に、コア部材14を供給するためのコアチューバー24を用意する。
そして、帯状部材11をヒーター22を通して、帯状部材用送り装置23により筒状化装置30に供給する時に、コア部材14を共に供給する。そして、端部処理装置による線状体11Aの端部処理と同時にコア部材14の端部処理も行う。その他は、第1の実施の形態のビード10Aの製造方法と同じである。
そして、第の実施の形態のビード10Eを製造する場合には、製造するビード10Eに合わせて予め設定された材質と巾の帯状部材11を帯状部材用リール21に巻回したものを用意すると共に、コア部材14を供給するためのコアチューバー24を用意する。
そして、帯状部材11をヒーター22を通して、ヒーター22と筒状化装置30の間に設けた、帯状部材用送り装置23により筒状化装置30に供給する時に、コア部材14を共に供給する。そして、このコア部材14は、ビード10Eの円環状の一周分の長さに切断される。この切断は、線状体11Aがガイド溝41の一周近く形成された時に行ってもよく、コア部材14を挿入する前に予め行っておいてもよい。この線状体11Aの端部処理は、第2の実施の形態のビード10Bの製造方法と同様に行う。
そして、第の実施の形態のビード10Fを製造する場合には、製造するビード10Fに合わせて予め設定された材質と巾の帯状部材11,12,13を帯状部材用リール21に巻回したものを用意すると共に、コア部材14を供給するためのコアチューバー24を用意する。
そして、帯状部材11,12,13をヒーター22を通して、ヒーター22と筒状化装置30の間に設けた、帯状部材用送り装置23により筒状化装置30に供給する時に、コア部材14を共に供給する。そして、端部処理装置による線状体11Aの端部処理と同時にコア部材14の端部処理も行う。その他は、第の実施の形態のビード10Cの製造方法と同じである。
次に、帯状部材11の巾方向Bの両端の接合部や開口部をビード10の円環形状の横方向等にする場合には、ダイス31を有する筒状化装置30の向きを横方向等に変え、このダイス31の方向に合わせて、帯状部材用リール21を横方向(水平方向)等に設置することで対応できる。また、第2の実施の形態のビードや第5の実施の形態のビード10B,10E以外のビード10A,10C,10D,10Fにおいて、帯状部材11の巾方向Bの両端の接合部や開口部を上方向にする場合には、ダイス31を有する筒状化装置30の向きを下方向等に変え、このダイス31の方向に合わせて、帯状部材をダイス31の下側に供給することで対応できる。
そして、第の実施の形態のビードや第の実施の形態のビード10B,10Eにおいて、帯状部材11の巾方向Bの両端の接合部や開口部を上方向にする場合には、図10〜図14に示すようなビード製造装置20では、帯状部材11を先に形成された線状体11Aの内側に送り込むことが出来なくなる。
この場合には、図15及び図16に示したような外側にガイド溝41Aを有する成形ドラム40Aと筒状化装置30Aを備えた製造装置で対応することができる。つまり、帯状部材11を成形ドラム30Aの内側から供給すると、帯状部材11の巾方向Bの両端の接合部や開口部を上方向にした場合でも、帯状部材11を先に形成された線状体11Aの内側に送り込むことができるようになる。
なお、帯状部材11の長さが長くない場合には、成形ドラム40Aの内側に、予め必要な長さに切断した帯状部材11を巻回した帯状部材用リール21Aを用意し、ビード10B,10Eを1個から数個作成する毎に交換する。
また、1個のビード10B,10Eを製造するのに必要な長さの帯状部材用リール21Aが、大きくなって、成形ドラム40Aの内側に入らない場合には、帯状部材用リール21Aの円環面を、成形ドラム40Aの円環面から横方向にずらして配置し、案内リール等で帯状部材用リール21Aから巻き出される帯状部材11を徐々に成形ドラム40Aの円環面内に移動してから筒状化装置30Aに供給するように構成する。
そして、上記の製造装置20及び製造方法によって製造された空気入りタイヤ用ビード10によれば、筒状の断面形状を、容易に、円形状や楕円形状や多角形形状等の任意形状とすることができるようになり、ビード10における所望の機械的性質を比較的簡単な加工で実現できるようになる。特に、筒状の断面形状を工夫することにより、容易に、タイヤ周方向とタイヤ巾方向とで異なる機械的性質を持たせることができる。
このビード10は、通常は、帯状部材の両端を合わせて筒状に形成するが、ビード10に要求される特性により、両端を完全に合わせずに、所定の寸法で開いて、この開いた部分で撓みを吸収させることにより、ビード10にしなやかさを持たせることができる。また、開き具合を調整することにより、このしなやかさを調整できる。
そして、筒状にした線状体の内部に線状のコア部材14を配置して構成すると、ビード10D〜10Fが潰れるのを防止でき、ビード10D〜10Fの大きさや形状を大きくすることができる。また、ビード10D〜10Fの機械的性質を、帯状部材11(12、13)の機械的性質に加えて、このコア部材14の機械的性質によっても調整できるので、よりきめ細かく調整できるようになる。
また、この筒状の内側を空洞にしたり、軽いコア部材14を使用する場合には、従来技術のワイヤーを巻回したビードに比較して著しく軽量となる。更に、帯状部材11(12、13)の両端を突き合わせ又は重ね合わせて、密封可能に形成し、内部に液体を封入すると、ロードノイズを著しく減少でき、気体を封入すると乗り心地性能を著しく向上できる。
そして、帯状部材11を円環状に少なくとも一周以上巻回して、帯状部材11が筒状に複数層重なる部分を有するように構成したビード10B,10Eでは、筒状の線状体11Aの先側が後側の内側又は外側に積層されると共に、内側の筒状部分は断面における周方向に関してかしめられた状態になり、強固な円環を構成できるようになるので、円環状の形状を、より真円に近付けることができる。この、真円精度向上によるロードノイズ、乗り心地、ユニフォミティの改善を図ることができる。また、ビードの強さを、帯状部材の厚さ等に加えて、この巻き付け回数で調整することができる。
また、帯状部材11、12、13を複数枚重ねて巾方向に丸めて筒状にして構成すると、ビード10C,10Fの機械的性質を、帯状部材11、12、13の相互間で、材質や硬度等の機械的性質を変えたり、厚さや巾や枚数を変えることにより、ビードの機械的性質をよりきめ細かく調整できるようになる。
そして、本発明の空気入りタイヤ1は、図8に示すように、上記の構成のビード10B、10C、10E又は10Fをビードコア部2に配置することで形成される。このビード10B、10C、10E及び10Fは、従来技術のワイヤーコードを円環状に多数回巻回して形成するビードで発生するようなコードの捩じれ等が無いので、空気入りタイヤ1のビードコア部2に配設した時に、空気入りタイヤ1のロードノイズや乗り心地やユニフォーミティを向上させることができる。
本発明の第1の参考例の空気入りタイヤ用ビードを用いた空気入りタイヤの部分断面図である。 本発明の第1の参考例の空気入りタイヤ用ビードの構成を示す断面を含む部分斜視図である。 本発明の第1の参考例の空気入りタイヤ用ビードの他の構成を示す断面を含む部分斜視図である。 本発明の第1実施の形態の空気入りタイヤ用ビードの構成を示す断面を含む部分斜視図である。 本発明の第2実施の形態の空気入りタイヤ用ビードの構成を示す断面を含む部分斜視図で、(a)は円周方向に端部を揃えた場合を示す図であり、(b)は円周方向に端部をずらした場合を示す図である。 本発明の第2の参考例の空気入りタイヤ用ビードの構成を示す断面を含む部分斜視図である。 本発明の第3実施の形態の空気入りタイヤ用ビードの構成を示す断面を含む部分斜視図である。 本発明の第3実施の形態の空気入りタイヤ用ビードを用いた空気入りタイヤの部分断面図である。 本発明の第4実施の形態の空気入りタイヤ用ビードの構成を示す断面を含む部分斜視図で、(a)は円周方向に端部を揃えた場合を示す図であり、(b)は円周方向に端部をずらした場合を示す図である。 気入りタイヤ用ビードの製造装置の構成を示す側面図である。 気入りタイヤ用ビードの製造装置の構成を示す平面図である。 筒状化装置の構成を示す斜視図である。 筒状化装置の構成を示す正面図である。 成形ドラムの構成を示す側面図である。 成形ドラムの他の構成を示す側面図である。 図15の筒状化装置の構成を示す正面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア部
7 リム
10,10A〜10F ビード(空気入りタイヤ用ビード)
11,12,13 帯状部材
11A,11A’,12A,13A 線状体
14 コア部材
20 空気入りタイヤ用ビードの製造装置
21,21A 帯状部材用リール
30,30A 筒状化装置(筒状化手段)
31 ダイス
40,40A 成形ドラム(成形手段)
41,41A ガイド溝
B 巾方向
R 円環状の円周方向(タイヤの周方向)
Rs 断面における周方向
S 開口寸法
t 厚さ

Claims (9)

  1. 空気入りタイヤのビードコア部に用いるタイヤ用ビードであって、
    帯状部材を周方向に開口部を有するように幅方向に沿って丸めて筒状にした線状体を、前記帯状部材が複数積層するように円環状に巻回してなることを特徴とする空気入りタイヤ用ビード。
  2. 前記最内側の線状体の内部にコア部材を配置した請求項1に記載の空気入りタイヤ用ビード。
  3. 前記帯状部材が一枚であって、前記線状体を円環状に一周以上巻回した請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ用ビード。
  4. 前記帯状部材が複数枚であって、前記線状体をそれぞれ円環状に一周ずつ巻回した請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ用ビード。
  5. 空気入りタイヤのビードコア部に用いるビードの製造方法であって、
    帯状部材をダイスを通過させる加工により周方向に開口部を有するように幅方向に沿って丸めることで筒状の線状体を形成し、該線状体を成形ドラムに一周以上巻回して円環状に成形し、該巻回した線状体を、その先端部分が前記帯状部材の後側に包み込まれるようにして該帯状部材と共に前記ダイスを通過させることを特徴とする空気入りタイヤ用ビードの製造方法。
  6. 前記帯状部材をコア部材と一緒に前記ダイスを通過させる加工により周方向に開口部を有するように幅方向に沿って丸めることで前記コア部材を囲む筒状の線状体を形成し、前記コア部材を囲む線状体を成形ドラムに一周以上巻回して円環状に成形した後に該コア部材の後端部を切断し、前記巻回した線状体を、その先端部分が前記帯状部材の後側に包み込まれるようにして該帯状部材と共に前記ダイスを通過させる請求項5に記載の空気入りタイヤ用ビードの製造方法。
  7. 空気入りタイヤのビードコア部に用いるビードの製造方法であって、
    複数積層した帯状部材をダイスを通過させる加工により幅方向に沿って丸めることで積層された筒状の線状体を形成し、該積層された線状体を成形ドラムに一周巻回して円環状に成形し、該巻回したそれぞれの線状体の先端部と後端部とを接合することを特徴とする空気入りタイヤ用ビードの製造方法。
  8. 前記複数積層した帯状部材をコア部材と一緒にダイスを通過させる加工により幅方向に沿って丸めることで前記コア部材を囲む積層された筒状の線状体を形成する請求項7に記載の空気入りタイヤ用ビードの製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ用ビードをビードコア部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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