JP4976993B2 - データ処理装置及び通信装置 - Google Patents

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本発明は高速シリアルインタフェースと近接通信用インタフェースの双方の通信方式に対応するデータ処理装置に関し、例えばISO7816−2に準拠した外部端子を有するICカードに適用して有効な技術に関する。
ISO7816−2に準拠したインタフェース上で、ISO7816−3に準拠した通信を行う場合、C1端子,C2端子,C3端子,C5端子,C7端子をそれぞれ電源端子Vcc、リセット端子RST、クロック入力端子CLK、グランド端子GND、入出力端子I/Oとして使用するが、C4端子、C6端子およびC8端子は使用されないため、それらの端子をISO7816−3準拠の通信以外の通信に使用することができる。例えば、C4端子をD+、C8端子をD−として使用することにより、ISO7816−12に準拠したUSB(Universal Serial Bus)通信を行うことができる。USBインタフェースを有するICカードについては例えば特許文献1に記載がある。また、C4端子をSignal−Out、C8端子をSignal−Inとして使用することにより、ISO/IEC28361に準拠したNFC−WI(Near Field Communication Wired Interface)通信を行うことができる。NFC−WIインタフェースを有するICカードについては例えば特許文献2に記載がある。
特開2005−284323号公報 特開2005−18149号公報
前記ISO7816−3準拠の通信とUSB通信又はNFC−WI通信とは、使用端子が重複していないため、並列に使用することが可能である。しかしながら、端子数の制限から、USB通信とNFC−WI通信とを並列に行うことはできない。したがって、ISO7816−3準拠の通信で未使用端子とされるC4端子とC8端子を用いる場合でも、ICカードを接続する外部端装置に応じて、使用するインタフェースを切り替える必要がある。従来、ICカードのようなデータ処理装置においてはそのようなインタフェースの切換えについて考慮されたものは無かった。
本発明の目的は、USB通信等の高速シリアルインタフェース又はNFC−WI通信等の近接通信用インタフェースを共通の外部端子を用いて選択的に利用可能なデータ処理装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、USBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを共通の外部端子を用いて選択的に利用可能なICカードを通信端末に装着して利用することができる通信装置を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ICカードのようなデータ処理装置はマイクロコントローラを備え、マイクロコントローラは非接触インタフェースのためのフロントエンド回路にインタフェースされるNFC−WI制御回路のような近接通信用インタフェース制御回路とUSB制御回路のような高速シリアルインタフェース制御回路とを選択的に使用可能に備える。前記高速シリアルインタフェース制御回路と前記近接通信用インタフェース制御回路には第1外部端子及び第2外部端子が共通に割り当てられ、共通使用される第1外部端子および第2外部端子の初期状態を切換える切換え回路がデータ処理装置に搭載される。換え回路は、前記高速シリアルインタフェース制御回路の使用が指示されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子を高速シリアルインタフェース用の差動データ端子とするのに必要な初期状態とし、前記近接通信用インタフェース制御回路の使用が指示されるときは前記第1外部端子を信号入力端子とし前記第2外部端子を信号出力端子とするのに必要な初期状態とする。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、ICカードのようなデータ処理装置において、USB通信等の高速シリアルインタフェース又はNFC−WI通信等の近接通信用インタフェースを共通の外部端子を用いて選択的に利用可能になる。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕データ処理装置(100,100A,100B)は、非接触インタフェースのためのフロントエンド回路(501)にインタフェースされる近接通信用インタフェース制御回路(138)と高速シリアルインタフェース制御回路(136)とを選択的に使用可能に備えるマイクロコントローラ(130,130A)を有し、前記高速シリアルインタフェース制御回路と前記近接通信用インタフェース制御回路に共用される第1外部端子(116)及び第2外部端子(117)を有する。更に前記第1外部端子及び第2外部端子の初期状態を切換える切換え回路(120)をデータ処理装置は備える。前記切換え回路は、前記高速シリアルインタフェース制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子を高速シリアルインタフェース用の差動データ端子とするのに必要な初期状態とし、前記近接通信用インタフェース制御回路が使用されるときは前記第1外部端子を信号入力端子とし前記第2外部端子を信号出力端子とするのに必要な初期状態とする。
前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の何れが使用されるかに応じて切換え回路が第1外部端子及び第2外部端子を初期状態とするので、使用される前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路は外部のホスト装置との間で通信を確立するための初期化シーケンスを行うことができる。
第1外部端子と第2外部端子の2個の端子を前記高速シリアルインタフェース制御回路と前記近接通信用インタフェース制御回路に共通使用するから、前記高速シリアルインタフェース制御回路との間での差動による半二重通信と、前記近接通信用インタフェース制御回路との間でのシングルエンドによる全二重通信とを容易に実現することができる。
〔2〕項1のデータ処理装置において、例えば前記高速シリアルインタフェース制御回路はUSB制御回路であり、前記近接通信用インタフェース制御回路はNFC−WI制御回路である。
〔3〕項2のデータ処理装置において、前記切換え回路は、例えば前記第1端子を選択的にプルアップする第1スイッチ(222)、前記第1端子を選択的にプルダウンする第2スイッチ(224)、前記第2端子を選択的にプルダウンする第3スイッチ(226)、及びスイッチ制御回路(220)を有する。前記スイッチ制御回路は、前記高速シリアルインタフェース制御回路が使用されるとき第1スイッチ及び第3スイッチをオンとし第2スイッチをオフにし、前記近接通信用インタフェース制御回路が使用されるときは前記第2スイッチ及び第3スイッチをオンとし第1スイッチをオフにする。USB制御回路又はNFC−WI制御回路との間で初期化シーケンスを開始できる初期状態を容易に実現することができる。
〔4〕項1のデータ処理装置は更に、前記切換え回路及びマイクロコントローラに前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の使用を指示する指示信号(119)の入力に割り当てられた第3外部端子(115)を有する。データ処理装置が接続されるホスト装置側から高速シリアルインタフェース又は近接通信用インタフェースの使用を選択することができる。
〔5〕項1のデータ処理装置は更に外部端子として電源端子とグランド端子を有し、電圧検出回路(300)を有する。電圧検出回路は、前記電源端子とグランド端子から供給される動作電源の電圧に応じて、前記切換え回路及びマイクロコントローラに前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の使用を指示する指示信号(302)を供給する。高速シリアルインタフェースで使用される電源電圧と近接通信用インタフェースで使用される電源電圧が相違するとき、使用するインタフェースに応ずる電源電圧がホスト装置から供給される場合を考えると、供給される電源の電圧に応じて切換え回路による初期化状態を選択することができる。何れのインタフェースを使用するかを指示するために専用端子を割り当てることを要しない。
〔6〕項1のデータ処理装置は更に、前記切換え回路及びマイクロコントローラに前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の使用を指示する指示信号(401)を供給する外部選択スイッチ回路(400)を有する。何れのインタフェースを使用するかを指示するために専用端子を割り当てることを要しない。
〔7〕項1のデータ処理装置において、前記マイクロコントローラは更に調歩同期シリアルインタフェース制御回路(134)を有し、前記調歩同期シリアルインタフェース制御回路には前記第1外部端子及び第2外部端子以外の外部端子が割当てられる。これにより、UARTのような調歩同期シリアルインタフェースと共にUSBのような高速シリアル通信及びNFC−WIのような近接通信用インタフェースの併せて三種類の通信方式を持つICカードのようなデータ処理装置を実現することができる。
〔8〕項1のデータ処理装置において、前記外部端子は例えばISO7816に準拠する端子であり、このときマイクロコントローラはICカード用マイクロコンピュータとされる。
〔9〕通信装置は、無線通信のためのアナログフロントエンド(501)を有する通信端末(500)とこれに着脱可能なICカード(100,100A)とを有する。ICカードは、選択的に使用可能なUSB制御回路及びNFC−WI制御回路を備えると共にUART制御回路を有するマイクロコントローラと、前記USB制御回路及び前記NFC−WI制御回路に共用される第1外部端子及び第2外部端子と、前記第1外部端子及び第2外部端子の初期状態を切換える切換え回路とを有する。前記切換え回路は、USB制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子をUSB用の差動データ端子とするのに必要な初期状態とし、NFC−WI制御回路が使用されるときは前記第1外部端子を信号入力端子とし前記第2外部端子を信号出力端子とするのに必要な初期状態とする。
これにより、通信端末はUARTによってICカードを初期的に認識し、その後必要に応じて、USB又はNFC−WIを用いたインタフェースを選択することができる。特に、通信端末のアナログフロントエンドをICカードに利用させることが可能になる。
〔10〕項9の通信装置において、前記NFC−WI制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子は前記アナログフロントエンドに接続されればよい。
〔11〕項9の通信装置において前記ICカードは例えばサブスクライブ・アイデンティティ・モジュール・カードである。通信装置は移動体通信装置としての携帯電話器等に適用される。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1には本発明に係るデータ処理装置の一例が示される。同図に示されるデータ処理装置(CRD)100は例えばICカードの一つであるサブスクライブ・アイデンティティ・モジュール・カードあるいはセキュリティ機能付きのメモリカード等として実現されている。
データ処理装置はICカード用マイクロコンピュータとしてのマイクロコントローラ(MCON)130とインタフェース切換え回路(IFCHNG)120を有し、それらは、各回路または各回路の集まり毎に複数の半導体チップで構成してもよいし、1チップで構成してもよい。マイクロコントローラ130は代表的に示された中央処理装置(CPU)132、調歩同期シリアルインタフェースとしてのUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)制御回路(UARTCNT)134、高速シリアルインタフェース制御回路としてのUSB制御回路(USBCNT)136、近接通信用インタフェース制御回路としてのNFC−WI制御回路(NFC−WICNT)138、及び選択回路(SLCT)135等を有する。
UART制御回路134は、外部と調歩同期方式によるシリアル信号を制御する回路である。USB制御回路136は外部との間で2個の端子を用いて差動信号による半二重通信を制御する回路である。NFC−WI制御回路138はアナログフロントエンドとの間で2個の端子を用いて全二重通信を制御する回路であり、ISO/IEC28361に準拠したデータ通信を実現する回路である。選択回路135は外部インタフェースにUSB制御回路136又はNFC−WI制御回路138を選択的に利用可能にする構成を象徴的に表したものである。従って、実際に接続選択スイッチのようなハードウェア回路が設けられていてもよいし、或いはUSB制御回路136とNFC−WI制御回路138のコントロールレジスタに設けられた夫々に対応する動作イネーブルビットによって選択的にUSB制御回路136又はNFC−WI制御回路138を活性化する構成として実現されてもよい。活性化の制御は例えば動作クロックの供給/停止の制御、動作電源の供給/停止の制御等によって実現されればよい。
データ処理装置100は、ISO7816−2互換のインタフェースとして、電源端子(Vcc)110、リセット端子(RST)111、クロック入力端子(CLK)112、グランド端子(GND)113、データ入出力端子(I/O)114を有し、それらの端子はICカードやセキュティ機能付きメモリカード等の外部端子機能を実現するものである。
Vcc110は、データ処理装置100へ電源電圧を供給するための外部端子であり、ISO7816−2ではC1端子が割り当てられている。RST111は、データ処理装置100へリセット信号が入力される外部端子であり、ISO7816−2ではC2端子が割り当てられている。尚、RST111経由のリセットを外部リセットと呼ぶことにする。CLK112は、データ処理装置100がISO7816−3に準拠した処理を行うために必要なクロック信号を入力するための外部端子であり、ISO7816−2ではC3端子が割り当てられている。GND113は、データ処理装置100へグランド電位を供給する外部端子であり、ISO7816−2ではC5端子が割り当てられている。I/O114は、データ処理装置100とAPDU(Application Protocol Data Unitの略)即ちコマンドやレスポンス等のデータを送受信するための端子であり、ISO7816−2ではC7端子が割り当てられている。I/O114は前記UART制御回路134に接続され、マイクロコントローラ130はISO7816−3に準拠した通信処理をホスト装置としての外部端末若しくは通信端末(TRML)との間で行う。
UARTインタフェースは外部端末にICカードが接続された当初における通信確立のための通信処理に用いられることが多く、ICカードがUSB等の高速インタフェースを備える場合には、必要に応じて外部インタフェースをUSB等に切り替えて高速通信を行うことになる。データ処理装置100は前述の如く動作選択可能なUSB制御回路136とNFC−WI制御回路138を備える。
データ処理装置100の外部との間でUSB制御回路を用いたUSBインタフェースを行うにはVcc110とGND113の他に、差動入出力用のD+,D−の端子を必要とする。ISO7816−12の規格に準拠すればD+をC4端子116、D−をC8端子117に割り当てることになる。
一方、データ処理装置100の外部との間でNFC−WI制御回路138を用いたNFC−WIインタフェースを行うにはVcc100及びGND113の他に、コマンドやデータを転送する信号入力端子(NFCフロントエンドからの出力であるSignal-Outを受ける端子)と信号出力端子(NFCフロントエンドへの入力であるSignal-Inを出力する端子)を外部端子に割当てる必要がある。データ処理装置100においては、前記信号入力端子(Signal-Outを受ける端子)をC4端子116に、信号出力端子(Signal-Inを出力する端子)をC8端子117に割り当てる。即ち、C4端子116とC8端子117はUSBインタフェースとNFC−WIインタフェースに兼用される。尚、ISO7816−3準拠のインタフェース、USBインタフェース、NFC−WIインタフェースにおいて、どの端子がどのインタフェースに割当てられても、その割当てが明確であり、かつUSBインタフェースとNFC−WIインタフェースに使用する端子が兼用され他の端子機能と重複していなければ、端子割当ての具体例は上記に限定されない。
切換え回路120は、前記USB制御回路136が使用されるときはC4端子116及びC8端子117をUSBインタフェース用の差動データ端子D+,D−とするのに必要な初期状態を形成し、前記NFC−WI制御回路138が使用されるときは前記C4端子を信号入力端子(Signal-Outを受ける端子)とし、C8端子を信号出力端子(Signal-Inを出力する端子)とするのに必要な初期状態を形成する。図1の例では前記USB制御回路136を使用するかNFC−WI制御回路138を使用するかは空き端子であるC6端子115を介して外部から供給される指示信号119によって指示される。指示信号119はセレクタ135と切換え回路120に供給される。
図2には切換え回路120の具体例が示される。切換え回路120は、C8端子を選択的にプルダウンするスイッチ(SW3)226、C4端子を選択的にプルダウンするスイッチ(SW2)224、C4端子を選択的にプルアップするスイッチ(SW1)222、及びスイッチ制御回路(SWCNT)220を有する。尚、図2の構成はUSBインタフェースの通信速度がフルスピード・ハイスピードの場合の例である。USBインタフェースの通信速度がロースピードの場合はC8端子117にスイッチ(SW1)222を接続する構成となる。
スイッチ制御回路220は、C6端子115から入力される指示信号119の論理値応じて、スイッチ222,224,226の状態を切換える。C6端子115が論理値1の場合、NFC−WIインタフェースに適合するように、スイッチ222がオフ、スイッチ224及び226がオンにされる。C6端子115が論理値0の場合、USBインタフェースに適合するように、スイッチ222及び226がオン、スイッチ224がオフにされる。スイッチ222に接続する抵抗R1の値は、USBの仕様より1.5kΩである。また、スイッチ224に接続する抵抗R2及びスイッチ226に接続する抵抗R3の値は、スイッチ224及び226をオンにした際にC4端子116及びC8端子117の状態が論理値0(ローレベル)状態になるように例えば5kΩ程度とされる。尚、C4端子116及びC8端子117を選択的にロー状態にはスイッチ224及び226を用いたプルダウン以外の回路構成を採用してもよい。
それらのスイッチ状態によって得られるC4端子116及びC8端子117の状態は対応するインタフェース仕様にとって初期化シーケンスを行うために必要な初期状態になっている。
図3にはデータ処理装置100の起動時(パワーオンリセット時)におけるUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを選択して動作される場合の処理フローが例示される。
電源端子110から電源電圧が投入される前において、C8端子117の状態がロー状態にされていることにより、スイッチ222の初期状態はオフ(ノーマリ・オフ)、スイッチ224及び226の初期状態はオン(ノーマリ・オン)とされる(S1)。
外部端末からC1端子110に電圧が印加されると(S2)、切換え回路120は、印加された電源電圧が規定された動作電圧に達した後、C6端子115から入力される指示信号119の状態を確認する。C6端子115の状態が論理値1(ハイ)状態ならば、スイッチ222,224,226の状態を変更しない。反対に、C6端子115の状態がロー状態ならば、スイッチ222をオン、スイッチ224をオフに反転する(S3,S7)
C6端子115の状態がハイ状態の場合、マイクロコントローラ130はNFC−WI制御回路138の使用を選択し(S4)、切換え回路120はC4端子116およびC8端子117をNFC−WIインタフェースに必要な初期状態にする。NFC−WI制御回路138は、C1端子110の電源電圧が規定された動作電圧に達した後、C4端子116およびC8端子117を介して外部端末が図4に示されるNFC−WIの初期化シーケンスを行っているかを確認する(S5)。NFC−WIの初期化シーケンスが実施されていることを確認することによってNFC−WI制御回路138は、C4端子116およびC8端子117を用いてNFC−WIインタフェースの動作を行う(S6)。外部端末側からのNFC−WI初期化シーケンスが行われない場合にはC4端子116及びC8端子117は、USBインタフェースはもとよりNFC−WIインタフェースとして利用されない。NFC−WIの初期化シーケンスは図4に例示されるように、電源電圧(VCC)が規定された動作電圧に達した後、外部端末がC4端子116に、周波数13.56MHzのクロックを供給開し(時刻t1)、クロック供給後、データ処理装置100は50ms以内にC8端子117をハイ状態にする(時刻t2)という処理によって実現される。
一方図3において、C6端子115の状態がロー状態の場合、マイクロコントローラ130はUSB制御回路136の使用を選択し(S8)、切換え回路120はC4端子116およびC8端子117をUSBインタフェースに必要な初期状態にする。USB制御回路136は、C1端子110の電源電圧が規定された動作電圧に達した後、C4端子116およびC8端子117に対して外部端末が図5に示されるようなUSBの初期化シーケンスを行っているかを確認する(S9)。USBの初期化シーケンスが実施されていることを確認することによってUSB制御回路136は、C4端子116およびC8端子117を用いてUSBインタフェースの動作を行う(S10)。外部端末側からのUSB初期化シーケンスが行われない場合にはC4端子116及びC8端子117は、NFC−WIインタフェースはもとよりUSBインタフェースとして利用されない。USB初期化シーケンスは図5に例示される。即ち、電源電圧VCCが規定された動作電圧に達した後、外部端末がC4端子116およびC8端子117をロー状態にする(t1)。規定電圧に達する前のC4端子116およびC8端子117の状態は不定でよい。外部端末がロー状態にした後、20ms以内にデータ処理装置100がC4端子116をハイ状態にする(t2)。データ処理装置がC4端子116をハイ状態にした後、10ms以内に外部端末がC4端子116をロー状態にする(t3)。以上がUSB初期化シーケンスである。尚、図5は通信速度が、ハイスピードもしくはフルスピードの場合を示す。
以上説明したデータ処理装置100によれば、ISO7816−2互換の外部端子を持ちUARTによるシリアルインタフェースを行うことができる構成を基礎として、C6端子115からの指示に従って空き端子C4,C8を用いたUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを切換えることができる。従って、データ処理装置100はISO7816−2準拠の通信、USBによる通信、NFC−WIによる通信の3種類の通信方式を実現することができる。
図6にはUSBインタフェースとNFC−WIインタフェースの切換えに電源電圧検出回路による検出結果を用いるようにしたデータ処理装置100Aが例示される。
図1との相違点は、電圧検出回路(VLTMTR)300を有し、マイクロコントローラ130Aがレギュレータ(REGUL)310を備えた点である。電圧検出回路300は、前記電源端子とグランド端子から供給される動作電源の電圧に応じて、前記切換え回路120及びマイクロコントローラ130AにUSB制御回路136又はNFC−WI制御回路138の使用を指示する指示信号302を供給する。指示信号302によるセレクタ135の選択作用、切換え回路120のスイッチ動作は前記指示信号119の場合と同様である。USBインタフェースの規格によれば当該インタフェースで使用可能にされる電源電圧は1.8V、3V又は5Vである。一方NFC−WIの規格によれば当該インタフェースで使用可能にされる電源電圧は3Vである。このような相違があるとき、使用するインタフェースに応じて異なる電源電圧が外部端末から供給されることを考慮し、その電源の電圧レベルによって、使用されるべきインタフェースの種類を判別して、制御に用いようとするものである。但し、USBとNFC−WIで用いる電源電圧が相違されることを前提とする。例えばUSBインタフェースを用いる場合には電源電圧は1.8V又は5Vとされ、NFC−WIインタフェースを用いる場合には電源電圧は3Vとされる。電圧検出回路300は、電源電圧が1.8V又は5Vのとき指示信号を論値0(ロー状態)とし、電源電圧が3Vのとき指示信号を論値1(ハイ状態)とすることにより、切換え回路120及びセレクタ135が図1と同様に作用する。このデータ処理装置100AによればUSB又はNFC−WIの何れのインタフェースを使用するかを指示するための専用端子を要しない。前記レギュレータ310は数種類の外部電源電圧VCCに対してマイクロコントローラ130A内部の電源電圧を規定の電圧に保つための降圧若しくは昇圧動作を行う回路である。
図7にはデータ処理装置100Aの起動時(パワーオンリセット時)におけるUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを選択して動作される場合の処理フローが例示される。図3との相違点はステップS3Aの処理である。図3ではC6端子115の状態を判別したが、図7の場合にはC1端子の電圧を判別する。電圧検出回路300は、電源電圧が1.8V又は5Vのとき指示信号302を論値0(ロー状態)とし、電源電圧が3Vのとき指示信号302を論値1(ハイ状態)とする。その他のステップの処理は図3と同様であるからその詳細な説明は省略する。
図8にはUSBインタフェースとNFC−WIインタフェースの切換えに外部選択スイッチ回路の状態に応じて形成される指示信号を用いるようにしたデータ処理装置100Bが例示される。
図1との相違点は、外部選択スイッチ回路(EXTSW)400を備えた点である。外部スイッチ回路400はデータ処理装置の基板に配置され、手動にて論理値1又は論理値0の指示信号401を出力する回路である。切換え回路120は、C6端子115からの入力に代えて、外部選択スイッチ回路400から供給される指示信号の論理値1(ハイ状態)によってNFC−WIインタフェースの初期状態、指示信号の論理値0(ロー状態)によってUSBインタフェースの初期状態を選択する。その他の構成は図3と同様であるからその詳細な説明は省略する。図8のデータ処理装置100Bによれば、USB又はNFC−WIの何れのインタフェースを使用するかを指示するためにC6のような専用端子を割り当てることを要しない。
図9にはデータ処理装置100Bの起動時(パワーオンリセット時)におけるUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを選択して動作される場合の処理フローが例示される。図3との相違点はステップS3Bの処理である。図3ではC6端子115の状態を判別したが、図9の場合には外部選択スイッチ回路400の状態を判別する。外部選択スイッチ回路400の出力が論理値1のときはNFC−WIインタフェース選択指示、外部選択スイッチ回路400の出力が論理値0のときはUSBインタフェース選択指示とされる。その他のステップの処理は図3と同様であるからその詳細な説明は省略する。
図10にはデータ処理装置(CRD)100(100A)を適用した通信装置が例示される。アナログフロントエンド(AFE)501を有する携帯通信端末(TRML)500は例えばGSM(Global System for Mobile)等の移動体通信プロトコルを採用した携帯電話機であり、この携帯電話器に着脱自在に装着されたデータ処理回路100(100A)はサブスクライブ・アイデンティティ・モジュール・カードとされ、携帯通信端末の認証及びその他のセキュリティ処理に用いられる。これにより、携帯通信端末500はUARTによってICカードを初期的に認識し、その後必要に応じて、USB又はNFC−WIを用いたインタフェースを選択することができる。特に、携帯通信端末500のアナログフロントエンド501をデータ処理装置100,100Aに利用させることが可能になる。
特に図示はしないが、データ処理回路100(100A)はサブスクライブ・アイデンティティ・モジュール・カードへの適用に限定されず、クレジットカードやキャッシュカード等のICカードにも適用することができる。データ処理装置100(100A)はサブスクライブ・アイデンティティ・モジュール・カード又はICカードに適用されるとき、前記マイクロコントローラ130、130AはICカード用マイクロコンピュータと称される。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えばICカード用のマイクロコンピュータは認証機関による形式認定を受けていることを要しない。マイクロコントローラが保有する回路モジュールは上記接説明に限定されず適宜変更可能である。特に図示はしないが本発明をセキュリティ機能付きのメモリカードに適用する場合、データ処理装置はメモリカード用インタフェース端子を別に持ち、ICカード用インタフェース端子を介して特定のメモリ領域にアクセス可能にすることもできる。特別なメモリカード用インタフェース端子を持たずにUSBインタフェースをメモリインタフェースとして利用するようにしてもよい。
図1は本発明に係るデータ処理装置の一例を示すブロック図である。 図2は切換え回路の具体例を示す回路図である。 図3はデータ処理装置の起動時(パワーオンリセット時)におけるUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを選択して動作される場合の処理を示すフローチャートである。 図4はNFC−WIの初期化シーケンスを示すタイミングチャートである。 図5はUSB初期化シーケンスを示すタイミングチャートである。 図6はUSBインタフェースとNFC−WIインタフェースの切換えに電源電圧検出回路による検出結果を用いるようにしたデータ処理装置を例示するブロック図である。 図7は図6の電圧検出回路を用いてUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを選択して動作される場合の処理を例示するフローチャートである。 図8はUSBインタフェースとNFC−WIインタフェースの切換えに外部選択スイッチ回路の状態に応じて形成される指示信号を用いるようにしたデータ処理装置を例示するブロック図である。 図9は図8の外部選択スイッチ回路を用いてUSBインタフェース又はNFC−WIインタフェースを選択して動作される場合の処理を例示するフローチャートである。 図10はデータ処理装置を適用した通信装置を示すブロック図である。
符号の説明
100 データ処理装置(CRD)
130 マイクロコントローラ(MCON)
120 インタフェース切換え回路(IFCHNG)
132 中央処理装置(CPU)
134 UART制御回路(UARTCNT)
136 USB制御回路(USBCNT)
138 NFC−WI制御回路(NFC−WICNT)
135 選択回路(SLCT)
110 電源端子(Vcc)
111 リセット端子(RST)
112 クロック入力端子(CLK)
113 グランド端子(GND)
114 データ入出力端子(I/O)
116 C4端子
117 C8端子
115 C6端子
226 スイッチ(SW3)
224 スイッチ(SW2)
222 スイッチ(SW1)
220 スイッチ制御回路(SWCNT)
300 電圧検出回路(VLTMTR)
310 レギュレータ(REGUL)
400 外部選択スイッチ回路(EXTSW)
501 アナログフロントエンド(AFE)
500 携帯通信端末(TRML)

Claims (12)

  1. 非接触インタフェースのためのフロントエンド回路にインタフェースされる近接通信用インタフェース制御回路と高速シリアルインタフェース制御回路とを選択的に使用可能に備えるマイクロコントローラと、
    前記高速シリアルインタフェース制御回路と前記近接通信用インタフェース制御回路に共用される第1外部端子及び第2外部端子と、
    前記第1外部端子及び第2外部端子の初期状態を切換える切換え回路と、を有し、
    前記切換え回路は、前記高速シリアルインタフェース制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子を高速シリアルインタフェース用の差動データ端子とするのに必要な初期状態とし、前記近接通信用インタフェース制御回路が使用されるときは前記第1外部端子を信号入力端子とし前記第2外部端子を信号出力端子とするのに必要な初期状態とする、データ処理装置。
  2. 前記高速シリアルインタフェース制御回路はUSB制御回路であり、前記近接通信用インタフェース制御回路はNFC−WI制御回路である、請求項1記載のデータ処理装置。
  3. 前記切換え回路は、前記第1端子を選択的にプルアップする第1スイッチ、前記第1端子を選択的にプルダウンする第2スイッチ、前記第2端子を選択的にプルダウンする第3スイッチ、及びスイッチ制御回路を有し、
    前記スイッチ制御回路は、前記高速シリアルインタフェース制御回路が使用されるとき第1スイッチ及び第3スイッチをオンとし第2スイッチをオフにし、前記近接通信用インタフェース制御回路が使用されるときは前記第2スイッチ及び第3スイッチをオンとし第1スイッチをオフにする、請求項2記載のデータ処理装置。
  4. 前記切換え回路及びマイクロコントローラに前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の使用を指示する指示信号の入力に割り当てられた第3外部端子を有する、請求項1記載のデータ処理装置。
  5. 外部端子として電源端子とグランド端子を有し、
    前記電源端子とグランド端子から供給される動作電源の電圧に応じて、前記切換え回路及びマイクロコントローラに前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の使用を指示する指示信号を供給する電圧検出回路を有する請求項1記載のデータ処理装置。
  6. 前記切換え回路及びマイクロコントローラに前記高速シリアルインタフェース制御回路又は前記近接通信用インタフェース制御回路の使用を指示する指示信号を供給する外部選択スイッチ回路を有する請求項1記載のデータ処理装置。
  7. 前記マイクロコントローラは更に調歩同期シリアルインタフェース制御回路を有し、前記調歩同期シリアルインタフェース制御回路には前記第1外部端子及び第2外部端子以外の外部端子が割当てられる、請求項1記載のデータ処理装置。
  8. 前記外部端子はISO7816に準拠する端子であり、マイクロコントローラはICカード用マイクロコンピュータである、請求項1記載のデータ処理装置。
  9. 無線通信のためのアナログフロントエンドを有する通信端末とこれに着脱可能なICカードとを有する通信装置であって、
    ICカードは、選択的に使用可能なUSB制御回路及びNFC−WI制御回路を備えると共にUART制御回路を有するマイクロコントローラと、前記USB制御回路及び前記NFC−WI制御回路に共用される第1外部端子及び第2外部端子と、前記第1外部端子及び第2外部端子の初期状態を切換える切換え回路とを有し、
    前記切換え回路は、USB制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子をUSB用の差動データ端子とするのに必要な初期状態とし、NFC−WI制御回路が使用されるときは前記第1外部端子を信号入力端子とし前記第2外部端子を信号出力端子とするのに必要な初期状態とする、通信装置。
  10. 前記NFC−WI制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子は前記アナログフロントエンドに接続される、請求項9記載の通信装置。
  11. 前記ICカードはサブスクライブ・アイデンティティ・モジュール・カードである、請求項9記載の通信装置。
  12. 非接触インタフェースのためのフロントエンド回路にインタフェースされるNFC−WI制御回路とUSB制御回路とを選択的に使用可能に備えるマイクロコントローラと、
    前記USB制御回路と前記NFC−WI制御回路に共用される第1外部端子及び第2外部端子と、
    前記第1外部端子及び第2外部端子の初期状態を切換える切換え回路と、を有し、
    前記切換え回路は、前記USB制御回路が使用されるときは前記第1外部端子及び第2外部端子を差動データ端子とするのに必要な初期状態とし、前記NFC−WI制御回路が使用されるときは前記第1外部端子を信号入力端子とし前記第2外部端子を信号出力端子とするのに必要な初期状態とする、データ処理装置。
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