JP4975952B2 - Ss−ケトン化合物を含む開始剤系および該開始剤系により製造された接着用組成物 - Google Patents

Ss−ケトン化合物を含む開始剤系および該開始剤系により製造された接着用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、重合を開始させることができる系に関する。より詳しくは、本発明は錯化開始剤および錯体分解剤を含む開始剤系に関する。本発明は重合を開始させるためのこれらの開始剤系の使用、ならびにキット、接着用組成物、および接着用組成物により製造された重合済み組成物、および被覆基材ならびに被覆基材から調製された接着品に更に関連する。
接着剤組成物を製造するためのモノマーの重合を開始させる系は技術上知られている。例えば、スコールチ(Skoultchi)らによる米国特許第5,106,928号、同第5,286,821号および同第5,310,835号には、アクリルモノマーの重合を開始させるための二部分開始剤系が記載されている。これらの二部分系の第1の部分は安定なオルガノボランアミン錯体を含み、第2の部分は活性剤を含む。活性剤はアミン基を除去することによりオルガノボラン化合物を遊離し、よってオルガノボラン化合物が重合プロセスを開始させることを可能にする。活性剤は、時によって遊離剤または錯体分解剤とも呼ばれる。
スコールチ(Skoultchi)による米国特許第5,286,821号には、オルガノボラン化合物を遊離させるために適する活性剤が一般構造
R−(CHO)x
を有するアルデヒドを含むことが記載されている。式中、Rは炭素原子1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基であり、xは1〜2である。例には、ベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、2,4−ジクロロベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒドおよび3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドが挙げられる。
米国特許第5,310,835号および同第5,106,928号には、オルガノボラン化合物を遊離させるために適する活性剤が構造
R−COOH
を有する有機酸も含むことが記載されている。式中、Rは、H、炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルケニル基である。例には、アクリル酸、メタクリル酸、安息香酸およびp−メトキシ安息香酸が挙げられる。
フジサワ(Fujisawa)、イマイ(Imai)およびマシュハラ(Mashuhara)も、メチルメタクリレートの重合を開始させる系を記載している(医療および歯科工学研究所の報告書(Reports of the Institute for Medical and Dental Engineering)」,vol.3,page64(1969)を参照すること)。この系は、トリアルキルボランアミン錯体とメタクリル酸またはn−ブタンスルホン酸の塩化物、テレフタル酸塩化物、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸塩化物、ベンゼンスルホン酸塩化物、メタンスルホン酸塩化物、トルエンジイソシアネート、アジピン酸塩化物、o−トリルイソシアネート、塩化アセチルおよび無水酢酸などの活性剤とを含む。この開始剤系は歯科用途のために速硬樹脂を提供する際に有用である由である。
しかし、前述した幾つかの活性剤の一つの欠点は、活性剤および活性剤が中で用いられる組成物の比較的ひどい臭気である。さらに、これらの幾つかの活性剤のもう一つの欠点は、得られた接着剤中の比較的高いレベルの移動性活性剤−アミン反応生成物(すなわち、活性剤−アミン成分)である。典型的には、活性剤は、アミンに結合(共有結合またはイオン結合のいずれか)して活性剤−アミン成分を形成することによりオルガノボラン化合物を遊離させる。殆どの活性剤−アミン成分は、重合済み接着剤自体に導入されない移動性成分として接着剤組成物中に残る。一般に、接着剤組成物中の移動性成分は、例えば、接着剤の表面に移行し、よって接着層界面を乱す時に性能問題を引き起こす場合がある。移動性成分は溶媒による浸食にも影響を受けやすく、よって溶媒にさらされることが不可避である用途のために接着剤組成物をより適さなくさせる。
最近、特定の活性剤が、こうした活性剤により重合された接着剤組成物中の移動性成分のレベルを低下させるために有用であることが開示された。例えば、国際公開第97/07171号パンフレットには、同じ分子中に少なくとも一個のラジカル重合性基および少なくとも一個のアミン反応性基、好ましくはイソシアネート基を好ましくは含む二反応性錯体分解剤が開示されている。二反応性錯体分解剤は、アクリルモノマーとオルガノボランアミン錯体のアミン部分の両方と共有結合を形成することが可能である。従って、この錯体分解剤は、系において遊離されたアミンに共有結合することが可能であり、反応して接着剤自体に入り込むことも可能である。
国際公開第97/17383号パンフレットには、少なくとも一個の酸無水物基を含む錯体分解剤が開示されている。好ましい酸無水物は構造
Figure 0004975952
の一方を有する。
式中、R1およびR2は独立して脂肪族基、脂環式基または芳香族基であってもよく、R3は酸無水物基によって環式構造を完成させる二価有機基である。錯体分解剤−アミン反応生成物がアクリルモノマーと共有結合を形成できるとともに、重合された接着剤自体に導入されうるように、錯体分解剤がアクリルモノマーと共有結合を形成できる少なくとも一個のラジカル重合性基を含むことがさらに好ましい。
国際公開第99/64475号パンフレットには、オルガノボラン化合物を遊離させるために適する活性剤が構造
Figure 0004975952
を有するカルボン酸も含むことが報告されている。
式中、R1は、水素、一価有機基および多価有機基からなる群から選択され、
2は多価有機基であり、
3は、水素および一価有機基からなる群から選択され、
Rは炭素原子数少なくとも9、好ましくは少なくとも15のアルキル基を含む一価有機基であり、
mは0〜2の整数であり、
nは1以上の整数である。
例えば、カルボン酸、カルボン酸塩化物、無水カルボン酸、酸無水物、イソシアネートおよび塩化スルホニルを含む以前に報告された錯体分解剤は、腐食性材料、刺激性材料または加水分解不安定性材料でありうる。さらに、前に開示されたこれらの錯体分解剤は、一般に、オルガノボラン−アミン錯体と迅速に反応し、よってラジカル重合を開始させるためにオルガノボランを迅速に遊離させる。ラジカル重合の迅速な開始は接着用組成物の好ましくない短い作用寿命につながりうる。前述したことに鑑みて、好ましくはオルガノボラン−アミン錯体とゆっくり反応し、ラジカル重合の開始のためにオルガノボランをゆっくり遊離し、より長い接着用組成物作用寿命を与える実質的に腐食性も刺激性もない貯蔵安定性の錯体分解剤が必要とされている。
本発明の開始剤系は、錯化開始剤(例えばオルガノボランアミン錯体)とβ−ケトン化合物錯体分解剤の両方を含む。本発明の開始剤系は、作用寿命が長い接着用組成物を調製するために特に適する。
一実施形態において、本発明は、
錯化開始剤と
式(1)
Figure 0004975952
(式中、
1は水素または有機基であり、
2は有機基であり、
2は、−O2C−、−(CO)−、−HN(CO)−および−NR3(CO)−(ここで、R3は有機基である)からなる群から選択された電子求引性基であり、
4は原子価nを有する有機基であり、
nは0より大きい整数である。)
または式(2)
Figure 0004975952
(式中、
1は水素または有機基であり、
2は有機基であり、
1は、NC−およびH2N(CO)−からなる群から選択された電子求引性基である。)
によって表される構造を有するβ−ケトン化合物錯体分解剤と
を含む開始剤系を提供する。
もう一つの実施形態において、β−ケトン化合物錯体分解剤はアセトアセテートまたはアセトアセトアミドとして記載してもよい。アセトアセテート錯体分解剤は、式
Figure 0004975952
を有し、
アセトアセトアミド錯体分解剤は、式
Figure 0004975952
を有し、
式中、種々の置換基は上で記載された通りである。
β−ケトン化合物錯体分解剤の代表的な例には、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、2−メタクリロイルオキシエチルアセトアセテート、ジエチレングリコールビス(アセトアセテート)、ポリカプロラクトントリス(アセトアセテート)、ポリプロピレングリコールビス(アセトアセテート)、ポリ(スチレン−co−アリルアセトアセテート)、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルアセトアセトアミド、アセトアセトアニリド、エチレンビス(アセトアセトアミド)、ポリプロピレングリコールビス(アセトアセトアミド)、アセトアセトアミドおよびアセトアセトニトリルが挙げられる。
もう一つの実施形態において、開始剤系は第2の錯体分解剤をさらに含む。第2の錯体分解剤は、例えば、もう一種のβ−ケトン化合物錯体分解剤であってもよいか、または例えば酸無水物錯体分解剤であってもよい。好ましい酸無水物錯体分解剤は、無水メタクリル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸および無水ヘキサヒドロフタル酸である。
もう一つの実施形態において、
(1)少なくとも一種の重合性モノマーおよび
式(1)または式(2)(上で記載したもの)によって表される構造を有するβ−ケトン化合物錯体分解剤
を含む重合性組成物と
(2)錯化開始剤(好ましくは、錯化オルガノボラン開始剤)と
を含む接着用組成物を提供する。
接着用組成物は金属塩調整剤を任意に含んでもよい。金属塩の代表的な例には、臭化銅(II)、塩化銅(II)、銅(II)2−エチルヘキサノエート、臭化鉄(III)、臭化バナジウム(III)、臭化クロム(III)、臭化ルテニウム(III)、テトラフルオロ硼酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、ナフテン酸銅(II)、臭化銅(I)、臭化鉄(II)、臭化マンガン(II)、臭化コバルト(II)、臭化ニッケル(II)、臭化アンチモン(III)および臭化パラジウム(II)が挙げられる。
β−ケトン化合物錯体分解剤は、重合性組成物(錯体分解剤および少なくとも一種の重合性モノマーを含む)および重合性組成物を重合させるための開始剤成分(錯化開始剤および任意の希釈剤を含む)を含むキット中で有用である。こうしたキットは、低表面エネルギー基材を接着させるために有用である。被着の容易さのために、キットは多部分ディスペンサーをさらに含むことが可能である。一旦キットの部分が合わせて混合されると、接着用組成物が得られる。接着用組成物は、基材、好ましくは低表面エネルギー基材上に少なくとも部分的に被覆することが可能である。一旦重合されると、重合された組成物が得られる。重合された組成物は、接着品中で第1の基材と第2の基材を互いに接着させるために用いることが可能である。
本明細書で用いられる「一価有機基」および「多価有機基」とは、有効原子価が炭素原子上にある有機部分を意味する。一価有機基は1の有効原子価を有する。従って、多価有機基は1より多い有効原子価を有する。
本明細書で用いられる「有機基」は脂肪族基または環式基であることが可能である。本発明の文脈において、「脂肪族基」という用語は、飽和または不飽和、直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基を包含するために用いられる。「アルキル基」という用語は、一価、飽和、直鎖または分岐の炭化水素基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミルまたは2−エチルヘキシル基など)を意味する。「アルキレン基」という用語は、多価で飽和の直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。「アルケニル基」という用語は、一個以上の炭素−炭素二重結合を有する一価で不飽和の直鎖または分岐の炭化水素基を意味する(例えば、ビニル基)。「アルキニレン基」という用語は、一個以上の炭素−炭素二重結合を有する多価で不飽和の直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。「アルキニル基」という用語は、一個以上の炭素−炭素三重結合を有する一価で不飽和の直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。「アルキニレン基」という用語は、一個以上の炭素−炭素三重結合を有する多価で直鎖または分岐の炭化水素基を意味する。
「環式基」という用語は、脂環式基、芳香族基または複素環基として分類される閉環炭化水素基を意味する。「脂環式基」という用語は、脂肪族基の特性に似た特性を有する環式炭化水素基を意味する。「芳香族基」または「アリール基」という用語は、一核芳香族炭化水素基または多核芳香族炭化水素基を意味する。
本明細書で用いられる有機基または有機連結基は、複素環基の場合のようにヘテロ原子(例えば、O、NまたはS原子)、および官能基(例えばカルボニル基)を含むことが可能である。
本発明は重合を開始させることができる開始剤系を提供する。より詳しくは、本発明は、(1)錯化開始剤(例えばオルガノボランアミン錯体)および(2)β−ケトン化合物錯体分解剤を含む「開始剤系」を提供する。錯体分解剤上でβ−ケトン官能基を用いることにより、前に報告された錯体分解剤と比べて、本発明の錯体分解剤は、典型的には錯化開始剤とよりゆっくり反応し、より長い接着用組成物作用寿命を与える。
本発明の一態様において、開始剤系は多部分キットの一部である。こうしたキットは少なくとも第1の部分(すなわち、重合性組成物)と重合性組成物の重合を開始させるための第2の部分(すなわち開始剤成分)を含む。より好ましくは、使用の容易さのために、キットは二部分のみを含む。キットの二部分は便利に容易に組み合わせてもよく、商業的に有用であり、多部分ディスペンサーにより容易に使用できるように1:10以下、より好ましくは1:4、1:3、1:2または1:1の整数混合比である。こうしたディスペンサーは米国特許第4,538,920号および同第5,082,147号に示されており、「ミックスパック(MIXPAC)」という商品名で、コンプロテック(ConProTec Inc.)(ニューハンプシャー州セーレム(Salem,NH))によって販売されている。キットの部分は容易に混合して、ポリマー、例えば接着剤に容易に重合する接着用組成物を形成させることが可能である。
「重合性組成物」は、典型的には、少なくとも一種のβ−ケトン化合物錯体分解剤および少なくとも一種の重合性モノマーを含む。任意に、錯体分解剤のもう一つの種類、例えば、カルボン酸、カルボン酸塩化物、無水カルボン酸、酸無水物、イソシアネートおよび塩化スルホニルも重合性組成物中に含めてよい。より好ましくは、錯体分解剤は比較的低い臭気の錯体分解剤である。
「低臭気錯体分解剤」は、メチルメタクリレートより少ない臭気を有する分解剤である。臭気は例えば、ASTM D4339−95「接着剤の臭気の決定のための標準試験法(Standard Test Method for Determination of the Oder of Adhesives)」などの既知法を用いて定量的に測定することが可能である。
「開始剤成分」は、典型的には、少なくとも一種の錯化開始剤(例えばオルガノボランアミン錯体)および任意の希釈剤を含む。重合性組成物と混合された時、重合性組成物中の錯体分解剤はコンプレクサ(例えばアミン)から開始剤(例えばオルガノボラン)を遊離させ、モノマーの重合を開始させることを可能にする。
「接着用組成物」は重合性組成物と開始剤成分の混合から生じる組成物である。接着用組成物は、ポリマー、木材、セラミック、コンクリートおよび金属を含む様々な基材を接着させるために有用である。接着用組成物は低表面エネルギー基材を接着させるために特に有用である。
「低表面エネルギー基材」は、45mJ/m2未満、より典型的には40mJ/m2未満または35J/m2未満の表面エネルギーを有する基材である。ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンは、こうした材料の中に含まれる。本発明の組成物により有用に接着されうる多少より高い表面エネルギーの他のポリマーには、ポリカーボネートおよびポリメチルメタクリレートが挙げられる。しかし、本発明はそのように限定されない。本組成物は、あらゆる熱可塑性樹脂ならびに木材、セラミック、コンクリートおよび下塗された金属などを接着させるために用いてもよい。
「重合された組成物」(ポリマーとも呼ぶ)は、重合性組成物中のモノマーの実質的にすべてが当業者に対して認識できるような典型的に未重合の量を除き、重合される接着用組成物である。本発明による重合された組成物は、接着剤として結合材料、シーラント、塗料および射出成形樹脂を含み、様々なやり方で用いてもよい。重合された組成物は、ガラス、炭素、樹脂トランスファー成形運転において用いられるものなどの金属繊維マットと合わせてマトリックス樹脂として用いてもよい。重合された組成物は、電気部品およびプリント基板などの製造におけるように封入剤および注型封入化合物としてさらに用いてもよい。
錯体分解剤
「錯体分解剤」という用語は、開始剤のコンプレクサ(例えばアミン)から開始剤(例えばオルガノボラン)を遊離させることができ、よって重合プロセスの開始を可能にする化合物を意味する。錯体分解剤は、時には「活性剤」または「遊離剤」とも呼ばれる。本明細書で用いられるこれらの用語の各々は同じ意味を有する。
本発明において、錯体分解剤は、オルガノボランアミン錯体のアミン部分と共有結合を形成して、オルガノボラン化合物を遊離させることができるβ−ケトン基を有する。以後、こうした錯体分解剤をβ−ケトン化合物錯体分解剤と呼ぶ。こうしたβ−ケトン化合物錯体分解剤の例には、単一β−ケトン基を含む分子(式2参照)および二個以上のβ−ケトン基を含む分子(式1参照)が挙げられる。本発明において有用なβ−ケトン化合物錯体分解剤は、式(1)
Figure 0004975952
(式中、
1は水素または有機基、好ましくは水素であり、
2は有機基、好ましくは脂肪族基、より好ましくはメチル基であり、
2は、−O2C−、−(CO)−、−HN(CO)−および−NR3(CO)−からなる群から選択された電子求引性基であり、好ましくは、W2は、−O2C−、−HN(CO)−および−NR3(CO)−からなる群から選択され、ここで、R3は有機基であり、
4は原子価nを有する有機基であり、
nは0より大きい整数である。)
または式(2)
Figure 0004975952
(式中、
1は水素または有機基、好ましくは水素であり、
2は有機基、好ましくは脂肪族基、より好ましくはメチル基であり、
1は、NC−およびH2N(CO)−からなる群から選択される電子求引性基である。)
によって表すことが可能である。
好ましいβ−ケトン化合物錯体分解剤は、アセトアセテートおよびアセトアセトアミドとして記載することが可能である。好ましいアセトアセテート錯体分解剤は、式
Figure 0004975952
を有し、好ましいアセトアセトアミド錯体分解剤は、式
Figure 0004975952
を有する。
式中、種々の置換基は上で記載された通りである。
好ましいβ−ケトン化合物は約550グラム/モル未満のβ−ケトン当量を有する。すなわち、単一β−ケトン部分を保有する好ましいβ−ケトン化合物錯体分解剤(式2参照)は約550グラム/モル未満の分子量を有し、「n」個のβ−ケトン基を保有する好ましいβ−ケトン化合物錯体分解剤(式1参照)は約550× nグラム/モル未満の分子量を有する。
式(1)の特定のβ−ケトン化合物には、例えば、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、2−メタクリロイルオキシエチルアセトアセテート、ジエチレングリコールビス(アセトアセテート)、ポリカプロラクトントリス(アセトアセテート)、ポリプロピレングリコールビス(アセトアセテート)、ポリ(スチレン−co−アリルアセトアセテート)、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルアセトアセトアミド、アセトアセトアニリド、エチレンビス(アセトアセトアミド)およびポリプロピレングリコールビス(アセトアセトアミド)が挙げられる。
式(2)の特定のβ−ケトン化合物には、例えば、アセトアセトアミドおよびアセトアセトニトリルが挙げられる。
本発明の開始剤系および重合性組成物は、任意に二種以上のタイプの錯体分解剤を含んでもよい。例えば、開始剤系および重合性組成物は、β−ケトン開始剤錯体分解剤に加えて、上述した錯体分解剤および/または国際公開第97/17383号パンフレットで報告されたような少なくとも一個の酸無水物基を含む錯体分解剤などの他の錯体分解剤の一種以上を含んでもよい。国際公開第97/17383号パンフレットで報告された錯体分解剤の中で、特に有用な酸無水物には、無水メタクリル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸および無水グルタル酸、無水イタコン酸および無水ヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。好ましくは、β−ケトン化合物錯体分解剤は、用いられる全錯体分解剤の少なくとも約10重量%を構成する。最も好ましくは、β−ケトン化合物錯体分解剤は、用いられる全錯体分解剤の少なくとも約50重量%を構成する。
開始剤系がオルガノアミン錯体を含む時、錯体分解剤は、アミンと反応し、よってアミンによる錯体(complexation)からオルガノボランを除去することによりオルガノボランのアミン錯体からオルガノボランを遊離させる。従って、錯体分解剤は有効量(すなわち、オルガノボランのアミン錯体からオルガノボランを遊離させることにより重合を促進するが、最終重合済み組成物の材料特性に悪影響を及ぼさない有効な量)で用いられる。
当業者に対して認識できるように、より多い量の錯体分解剤は、重合があまりに迅速に進むことを可能にすることができ、接着剤の場合、得られた材料は低エネルギー表面への不適切な粘着力を示しうる。しかし、十分でない錯体分解剤が用いられる時、重合の速度はあまりにも遅い場合があり、得られたポリマーは特定の用途のために適切な分子量のポリマーではない場合がある。しかし、少ない量の錯体分解剤は、重合の速度が速すぎる場合、重合の速度を遅くする際に有用である場合がある。従って、これらのパラメータ内で、オルガノボランアミン錯体開始剤の場合、錯体分解剤は、典型的には、錯体分解剤中のアミン反応性基(例えば、β−ケトン基、酸基または酸無水物基)対アミン基の比が0.5:1.0〜10.0:1.0の範囲内、好ましくは1.0:1.0〜7.0:1:0の範囲内であるような量で供給される。アミン基の数が第一アミン基と第二アミン基の両方を含むことが注意されるべきである。
錯化開始剤
オルガノボランは、接着用組成物、例えば、アクリル接着剤として有用でありうるポリマーを形成するために重合性モノマーのラジカル重合を開始させる。オルガノボラン開始剤は、一般式
Figure 0004975952
によって表すことが可能である。
式中、R5は炭素原子数1〜約10のアルキル基であり、R6およびR7は同じかまたは異なってもよく、炭素原子数1〜約10のアルキル基およびアリール基から独立して選択される。好ましくは、R5、R6およびR7は炭素原子数1〜約5のアルキル基から独立して選択される。従って、R5、R6およびR7はすべて異なってもよく、また、R5、R6およびR7の2つ以上が同じであってもよい。R5、R6およびR7が結合される硼素原子Bに加えてR5、R6およびR7は合わせて開始剤を形成する。特定のオルガノボラン開始剤には、例えば、トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリ−n−ポリボラン、トリイソプロピルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリイソブチルボランおよびトリ−s−ブチルボランが挙げられる。
好ましくは、オルガノボラン開始剤は錯化剤で錯化され、一般式
Figure 0004975952
によって表すことが可能である。
式中、R5、R6およびR7は上で記載された通りであり、Cxは錯化剤である。
錯化剤
有用な錯化剤(Cx)には、例えば、アミン、アミジン、ヒドロキシドおよび/またはアルコキシドが挙げられる。錯体中の硼素原子対錯化剤(Cx)の比は「v」によって表され、好ましくは、錯化剤と硼素原子の効果的な比をもたらすように選択される。錯体中の硼素原子対錯化剤の比は、好ましくは約1:1である。1:1より大きい硼素原子対錯化剤の比であるなら、発火性の傾向をもつ材料である遊離オルガノボランを残す可能性がある。
アミン錯化剤
アミン錯化剤(Cx)は、異なるアミンのブレンドを含む、少なくとも一個のアミン基を有する様々な材料によって提供してもよい。アミン錯化剤はポリアミン(すなわち、2〜4個のアミン基などの、二個以上のアミン基を有する材料)であってもよい。
一実施形態において、アミン錯化剤は、構造
Figure 0004975952
によって表されるアミンなどの第一モノアミンまたは第二モノアミンであってもよい。
式中、R8およびR9は、水素および有機基、好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基、アミン基がアリール構造に直接結合されていないアルキルアリール基、およびポリオキシアルキレン基からなる群から独立して選択される。あるいは、R8およびR9は、R8およびR9が結合される窒素原子と合わせて結合され、4員〜7員複素環を形成することが可能である。これらのアミンの特定の例には、アンモニア、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジンおよびポリオキシアルキレンモノアミン(例えば、M715およびM2005などの、ハンツマン・ケミカル・カンパニー(Huntsman Chemical Company)製の「ジェファーミンズ(JEFFAMINES)」)が挙げられる。
もう一つの実施形態において、アミンは、構造
9HN−R11−NHR9
によって表現されるものなどのポリアミンであってもよい。
式中、R9は上で定義された通りであり、R11は有機基、好ましくは、二価のアルキレン、アリーレンまたはアルキルアリーレン基である。分岐または直鎖であってもよく一般構造
Figure 0004975952
を有するアルカンジアミンは、これらの材料の中で好ましい。
式中、xは1以上、より好ましくは約2〜12の整数であり、各R12は独立して水素またはアルキル基である。アルカンジアミンの特に好ましい例には、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミンおよびこれらの材料の異性体が挙げられる。アルカンジアミンが好ましい一方で、トリエチレンテトラアミンおよびジエチレントリアミンなどの他のアルキルポリアミンを用いてもよい。
有用なポリアミンは、ポリオキシアルキレンポリアミンによって提供してもよい。本発明のために錯体を製造する際に適するポリオキシアルキレンポリアミンは、構造
2NR13(R14O)w−(R15O)x−(R14O)y−R13NH2
(すなわち、ポリアルキレンジアミン)または
[H2NR13−(R14O)wz−R16
から選択してもよい。
式中、R13、R14およびR15は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、同じかまたは異なってもよい。好ましくは、R13は、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレンまたはイソブチレンなどの炭素原子数2〜4のアルキレン基である。好ましくは、R14およびR15は、エチレン、n−プロピレンまたはイソプロピレンなどの、炭素原子数2または3のアルキレン基である。R16はポリオキシアルキレンポリアミンを調製するために用いられたポリオールの残基(すなわち、ヒドロキシル基が除去される場合に残る有機構造)である。R16は分岐または直鎖および置換または非置換であってもよい(但し、置換基はオキシアルキル化反応を妨げるべきではない)。
wの値は1以上、より好ましくは約1〜150であり、最も好ましくは約1〜20である。xおよびyの値は両方とも0以上である。zの値は2より大きい、より好ましくは3または4(それぞれポリオキシアルキレントリアミンおよびポリオキシアルキレンテトラアミンを提供するために)である。得られた錯体の取り扱いおよび混合を単純化するので得られた錯体が室温(「室温」とは約20〜25℃の温度を本明細書で意味する)で液体であるようにw、x、yおよびzの値を選択することが好ましい。通常、ポリオキシアルキレンポリアミン自体は液体である。ポリオキシアルキレンポリアミンのために、約5,000未満の分子量を用いてもよい。但し、約1,000以下の分子量がより好ましく、約140〜1,000の分子量が最も好ましい。
特に好ましいポリアルキレンポリアミンの例には、ポリエチレンオキシドジアミン、ポリプロピレンオキシドジアミン、ポリプロピレンオキシドトリアミン、ジエチレングリコールジプロピルアミン、トリエチレングリコールジプロピルアミン、ポリテトラメチレンオキシドジアミン、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ジアミンおよびポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)トリアミンが挙げられる。
適する市販ポリオキシアルキレンポリアミンの例には、D、EDおよびEDRシリーズジアミン(例えば、D−400、D−2000、D−5000、ED−600、ED−900、ED−2001およびEDR−148)およびTシリーズトリアミン(例えば、T−403)などのハンツマン・ケミカル・カンパニー(Huntsman Chemical Company)製の種々の「ジェファーミンズ(JEFFAMINES)」)ならびにディキシ・ケミカル・カンパニー(Dixie Chemical Company)製のDCA−221が挙げられる。
その開示は本明細書に引用して援用する米国特許第5,616,796号(ポシウス(Pocius)ら)で報告されたように、ポリアミンは、二第一アミン末端材料(すなわち、二個の末端基は第一アミンである)と第一アミンと反応性の少なくとも二個の基を含む一種以上の材料の縮合反応生成物も含んでよい。
ヒドロキシド/アルコキシド錯化剤
ヒドロキシドおよび/またはアルコキシド錯化剤(Cx)は国際公開第01/32716号パンフレット(モレン(Moren))で報告されている。この開示は本明細書に引用して援用する。好ましいヒドロキシドおよび/またはアルコキシド錯化剤は、式
(-)O−R17n(m+)
によって表すことが可能である。
式中、R17は、水素または有機基(例えば、アルキル基またはアルキレン基)から独立して選択され、
(m+)は対イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、テトラアルキルアンモニウムまたはそれらの組み合わせ)を表し、
nは0より大きい整数であり、
mは0より大きい整数である。
アミジン錯化剤
アミジン錯化剤(Cx)は国際公開第01/32717号パンフレット(モレン(Moren))で報告されている。この開示は本明細書に引用して援用する。好ましいアミジン錯化剤は、式
Figure 0004975952
によって表すことが可能である。
式中、R18は、水素または有機基、好ましくは水素またはアルキル基あるいはアルキレン基であり、
19およびR20は独立して一価有機基または環式構造の一部であり、
w、xおよびyは整数を構成し、好ましくは、wは1であり、xは約3以下である。
特に好ましいアミジン錯化剤は、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリンおよび4−(N,N−ジメチルアミノ)−ピリジンからなる群から選択された錯化剤が挙げられる。
オルガノボラン錯体は、既知の技術を用いて容易に調製することが可能である。典型的には、錯化剤は、ゆっくり攪拌しながら不活性雰囲気(酸素100ppm未満の環境に至るまで窒素でフラッシュされたグローブボックス)中でオルガノボランと組み合わされる。オルガノボランは、カップリング剤が前に秤量供給されていたフラスコに均圧滴下漏斗から添加することが可能である。発熱が観察されることが多く、従って混合物の冷却が推奨される。発熱を制御するために、オルガノボランの添加は適度にしてもよい。原料が高い蒸気圧を有する場合、反応温度を約70℃〜80℃より低く保つことが望ましい。一旦材料がよく混合されてしまうと、錯体は放置して室温に冷却される。錯体を冷暗所で蓋付き容器内で保管することが好ましいけれども、特別な貯蔵条件は必要ではない。錯体の結晶塊を油浴および窒素環境の外で加熱して(例えば、約55℃に)錯体を液化し、窒素でフラッシュすることができる貯蔵バイアルへの錯体の移送を促進することが可能である。
オルガノボランは、所望の最終用途のために十分高い分子量のアクリルポリマーを得るためにアクリルモノマーの重合が容易に起きることを可能にするのに十分に多い量である有効量で用いられる。オルガノボランの量が少なすぎる場合、重合は不完全でありうるか、または接着剤の場合、得られた組成物の粘着力は劣りうる。他方、オルガノボランの量が多すぎる場合、重合はあまりに迅速に進んで、得られた組成物の効果的な混合および使用を見込むことができない。
大量のオルガノボランは、本発明の接着用組成物によって形成された結合を潜在的に弱めうる。有用な重合速度は組成物を基材に被着させる方法に応じてある程度異なる。従って、ハンドアプリケータで組成物を被着させることによるか、または組成物を手動で混合することによるのでなく、高速自動化工業用接着剤アプリケータを用いることにより、より速い重合速度に対応してもよい。
これらのパラメータ内で、オルガノボランの有効量は、好ましくは約0.003〜約1.5重量%の硼素、より好ましくは約0.008〜約0.5重量%の硼素、最も好ましくは約0.01〜約0.3重量%の硼素を提供する量である。組成物中の硼素の重量%は、組成物の全重量から充填剤、非反応性希釈剤および他の非反応性材料を除いたものを基準とする。従って、重合性モノマー、ビニル芳香族化合物および有機増粘剤(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)またはコアシェルポリマー)が存在するなら、それらは含められるが、引抜性水素原子も不飽和もない原料は含められない。組成物中の硼素の重量%は、式
(組成物中のオルガノボランの重量)×(オルガノボラン中の硼素の重量%)/(組成物の全重量から非反応性成分を除いたもの)
によって計算してもよい。
希釈剤
開始剤成分は、アジリジン官能性材料(例えば、国際公開第98/17694号パンフレット参照)、1,4−ジオキソ−2−ブテン官能性材料(例えば、米国特許第6,252,023号参照)またはビニル芳香族化合物(例えば、国際公開第01/68783号パンフレット参照)などの適するいずれかの希釈剤または希釈剤の組み合わせも含有してよい。
一般に、希釈剤は錯体に向けて反応性であるべきでなく、錯体のための増量剤として機能する。有利なことに、希釈剤は、一般に開始剤成分の自然発火温度を上げる場合もある。
希釈剤は、一般に、キットの部分を容易に混合できるように重合性組成物に含まれるモノマーに可溶性である。「可溶性」とは、室温で甚だしい相分離の証拠が裸眼に見えないことを意味する。同様に、オルガノボランアミン錯体も希釈剤に可溶性であるのがよい。但し、錯体と希釈剤の混合物を若干暖めると、室温で錯体と希釈剤の溶液を形成する際に役立つ場合がある。従って、好ましくは、希釈剤を用いる場合、希釈剤は室温または室温近辺(室温から約10℃以内)で液体であるか、または室温または室温近辺でオルガノボランアミン錯体と合わせて液体溶液を形成する。
希釈剤は有効量で用いられる。これは、接着用組成物の全重量を基準にして一般には約50重量%以下、好ましくは約25重量%以下、より好ましくは約10重量%以下の量である。
モノマー
前述したように、本発明の開始剤系は、適するあらゆるモノマーの重合を開始させるために用いることが可能である。広くは、重合性組成物は、ラジカル重合ができる少なくとも一種のエチレン系不飽和モノマーを含む。エチレン系不飽和を含む多くの化合物を重合性組成物中で用いることが可能である。好ましくは、組成物は、少なくとも一種の(メタ)アクリルモノマー、最も好ましくはメタアクリルモノマーを含む。本明細書で用いられる用語「(メタ)アクリレート」および「(メタ)アクリル」およびそれらの複数形態は、指定化合物のアクリレート化学種とメタクリレート化学種の両方を含むことを意味する。例えば、「エチル(メタ)アクリレート」という用語は、エチルアクリレートおよびエチルメタクリレートを包含することを意味する。エステルおよび/または(メタ)アクリルアミドを含む誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体は特に好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートおよびエチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの、一価アルコール、特に炭素原子数1〜12のアルカノールの(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびトリメチロールプロパンなどの、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、グリセリンのジ(メタ)アクリル酸エステルおよびモノ(メタ)アクリル酸エステル、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコールおよびペンタプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ならびにエトキシル化ジフェニロールプロパンまたはプロポキシル化ジフェノールプロパンのジ(メタ)アクリル酸エステルは適する。
酢酸ビニル、塩化ビニル、弗化ビニル、臭化ビニルなどのビニルハロゲン化物、スチレンおよびジビニルベンゼンなどの重合性モノマーも基本的に適する。しかし、これらの化合物は、重合性組成物中で補助的な量でのみ一般に用いられる。
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−(アクリロイル)モルホリン、N−(アクリロイル)ピペリジンおよび類似化合物などの(メタ)アクリルアミドはさらに適する。
一般に、分子中に一個または二個のオレフィン二重結合、好ましくは一個のオレフィン二重結合を有するモノマーを中心とする。より高次の不飽和成分の追加的使用を排除しないが、それらの存在が重合された組成物の脆化につながりうることに留意しなければならない。
添加剤
本発明の接着用組成物は任意の添加剤も含んでよい。こうした添加剤は、キットの重合性組成物中または開始剤成分中に存在してもよい。かくして、重合性組成物および開始剤成分は種々の任意の添加剤をさらに含んでもよい。
特に有用な一種の添加剤は、接着用組成物の全重量を基準にして約50重量%までの量で一般に導入してもよい中(約40,000)分子量ポリブチルメタクリレートなどの増粘剤である。増粘剤は、得られた接着用組成物の粘度をより容易に被着された粘性シロップ様粘性度に高めるために用いてもよい。
特に有用なもう一種の添加剤はゴム弾性材料である。これらの材料は、これらの材料と合わせて製造された接着用組成物の破壊靱性を改善することができ、それは、例えば、硬くて高降伏強度の材料(例えば、可撓性高分子基材などの、他の材料ほどには容易にエネルギーを機械的に吸収しない金属基材)を接着させる時に有益であることが可能である。こうした添加剤は、一般に、接着用組成物の全重量を基準にして約50重量%までの量で導入することが可能である。
接着用組成物の展着(spreading)特性および流動特性を調整するために、コアシェルポリマーも接着用組成物に添加することが可能である。これらの強化された特性は、シリンジ型アプリケータから分配すると好ましくない「糸ひき」を残す接着用組成物に関する低い傾向、あるいは垂直面に被着された後の垂れまたは落下に関する低い傾向によって証明されうる。従って、接着用組成物の全重量を基準にして約20重量%より多いコアシェルポリマー添加剤の使用は、改善された垂れ−落下抵抗を達成するために望ましい場合がある。
ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびトリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩などの少量の禁止剤は、例えば、貯蔵中にモノマーの劣化を防ぐか、または減らすために重合性組成物中で用いてもよい。禁止剤は、重合の速度も禁止剤と合わせて製造されたポリマーの最終特性も著しく低下させない量で添加してもよい。従って、禁止剤は、重合性組成物中のモノマーの全重量を基準にして約100〜10,000ppmの量で一般に有用である。
可能な他の添加剤には、非反応性着色剤および充填剤(例えば、カーボンブラック、中空ガラス/セラミックビーズ、シリカ、二酸化チタン、中実ガラス/セラミック球およびチョーク)などが挙げられる。種々の任意の添加剤は、いかなる量でも用いられるが、一般に重合プロセスにも添加剤と合わせて製造されたポリマーの所望特性にも著しく悪い影響を及ぼさない量で用いられる。
なお他の添加剤には、例えば、本明細書と同日出願の米国特許出願第6,734,268号(代理人整理番号57382US002「接着用組成物のための金属塩調整剤(Metal Salt Modifiers For Bonding Compositions)」(モレン(Moren)))で報告されたものなどの金属塩調整剤が挙げられる。金属塩は、例えば、接着用組成物の硬化速度論を調整するとともに長い接着用組成物作用寿命および強度構築のより速い速度の好ましいバランスを提供するために有用である場合がある。好ましい金属塩には、一般式
[Ma+n][X-ma/m
に適合する金属塩が挙げられる。
式中、
Mは二つの化学的接近性酸化状態および正電荷aを有する金属カチオンであり、aは1〜6の範囲の整数であり、
Xは電荷−mを有する対イオンであり、mは1〜3の範囲の整数であり、
Lは、共有結合された配位子であり、
nは、金属カチオンに共有結合された配位子の数を表す0〜10の範囲の整数である。
金属塩は、一般に、接着用組成物の全重量を基準にして60〜20,000ppmの量で有用である。金属塩の代表的な例には、臭化銅(II)、塩化銅(II)、銅(II)2−エチルヘキサノエート、臭化鉄(III)、臭化バナジウム(III)、臭化クロム(III)、臭化ルテニウム(III)、テトラフルオロ硼酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、ナフテン酸銅(II)、臭化銅(I)、臭化鉄(II)、臭化マンガン(II)、臭化コバルト(II)、臭化ニッケル(II)、臭化アンチモン(III)および臭化パラジウム(II)が挙げられる。
接着用組成物
キットの部分(すなわち、重合性組成物および開始剤成分)は、こうした材料により作業する時に通常は行われるようにブレンドされる。開始剤成分は、接着用組成物を使用することが必要になる直前に重合性組成物に添加される。
接着用組成物を形成するために一旦キットの部分が組み合わされてしまうと、モノマー、開始剤成分の量、金属塩調整剤の存否および種類(identity)、接着を行おうとする温度、架橋剤の存否、および希釈剤を用いるか否かに応じて有効なポットライフが短い場合があるので、組成物は迅速に用いるべきである。好ましくは、接着を改善するために、温度を約40℃より低く保つことが望ましい。
接着用組成物は、接着しようとする一方または両方の基材に被着され、その後、基材は、接着剤層から過剰の接着用組成物を押し出すために圧力で互いに接合される。これは、空気にさらされてしまい、酸化を開始してしまいうる接着用組成物を押し退ける利点も有する。一般に、結合は、基材に接着用組成物が被着された直後、好ましくは約60分以内に行われるべきである。典型的な接着剤層厚さは約0.1〜0.3ミリメートルである。
接着層は、約2〜6時間以内にこうした接着された物品を取り扱うことを可能にするために妥当なグリーン強度に至るまで硬化(すなわち重合)してもよい。完全な接着強度は、一般に周囲条件下で24時間より短い時間後に達せられる。しかし、熱によるポスト硬化を必要ならば用いてもよい。
好ましい一実施形態において、接着用組成物は低表面エネルギー基材上に被覆される。好ましいもう一つの実施形態において、接着品は、本発明による接着用組成物の層によって互いに接着的に結合された第1の基材と第2の基材(好ましくは、それらの少なくとも一方は低表面エネルギー高分子材料である)とを含む。
以下の非限定的な実施例を参照すると、本発明はより完全に理解されるであろう。
これらの実施例は、単に例証目的のみのためであり、添付したクレームの範囲について限定しようとするものではない。実施例および残りの明細書におけるすべての部、百分率、比などは、特に指示がない限り重量による。
Figure 0004975952
接着剤試験方法
重なり剪断接着強度試験方法
各接着用組成物を2.5cm×10cm×0.3cm(1インチ×4インチ×0.125インチ)の未処理試験パネル上に直接被着させ、重なり部分が1.3cm×2.5cm(0.5インチ×1インチ)になるように第2の未処理パネルを第1の試験パネル上の接着用組成物に向けて直ちに置いた。クランプを重なり部分に被着させた。試験パネルは高密度ポリエチレン(HDPE)(ミネソタ州ミネアポリスのミネソタ・プラスチックス(Minnesota Plastics(Minneapolis,MN)))であった。接着用組成物の少量を重なり部分から押し出し、残ることを可能にした。
接着層を放置して22℃で少なくとも48時間にわたり硬化させた。その後、クランプを取り除いた。1.27cm/分(0.5インチ/分)のクロスヘッド速度で引張試験器で重なり接着層の剪断(OLS)を試験した。重なり剪断値は、ポンド/平方インチで記録し、メガパスカル(MPa)に換算した。重なり剪断値は3回の反復試験の平均を表す。
作用寿命の試験方法
この試験は、接着層形成の前に接着剤空気暴露時間の関数として重なり剪断接着強度を測定する。剥き出しの第2の試験パネルを接着剤付きの第1の試験パネルに直ちに押し付けず、そうでなく各接着用組成物を未処理試験パネル上に直接被着させ、アセンブリを放置して実施例において指定されたオープン時間にわたって空気中に静置し、その後、未処理の第2の試験パネルを第1の試験パネル上で空気で熟成された接着用組成物に向けて置いて、重なり部分を形成したことを除き、上の「重なり剪断接着強度試験方法」に従った。1)接着層破壊のない基材降伏または2)接着剤の100%凝集破壊を示す接着層破壊のいずれかをもたらすとともに、上の「重なり剪断接着強度試験方法」により測定された重なり剪断値の少なくとも95%である重なり剪断値をもたらすオープン時間は接着剤の作用寿命(「WL」とも呼ぶ)を定義する。重なり剪断値は2回の反復試験の平均を表す。
重なり剪断接着強度増加速度の試験方法
この試験は、硬化時間の関数として、部分的に硬化した接着用組成物の重なり剪断接着強度を測定する。接着層を放置して22℃で少なくとも48時間にわたり硬化させずに、そうでなく接着層を放置して22℃で実施例において規定された時間にわたり硬化させたことを除き、上の「重なり剪断接着強度試験方法」に従った。その後、クランプを取り除いた。重なり接着層の剪断を試験した。50psi(0.34MPa)の重なり剪断強度に達する時間をグラフで推定し、「T50」として記録した。重なり剪断値は2回の反復試験の平均を表す。
熱水浸漬重なり剪断接着強度保持試験方法
この試験は熱水浸漬後の重なり剪断接着強度を測定する。接着層を22℃で少なくとも48時間にわたり硬化させた直後に試験しなかったことを除き、上の「重なり剪断接着強度試験方法」に従った。そうでなく接着層を放置して22℃で少なくとも48時間にわたり硬化させ、クランプを取り除き、接着層を70℃の水に6日にわたり浸漬し、その後、重なり接着層の剪断を試験した。
剥離接着強度試験方法
各接着用組成物を厚さ0.8mm(30ミル)の未処理高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム(ミネソタ州ミネアポリスのカディラック・プラスチックス(Cadillac Plastics(Minneapolis,MN)))上に直接被着させた。第2の未処理HDPEフィルムを接着用組成物に押し付け、重さ1.2kg(2.7lb)のガラス板を用いて接触して保持した。幅2.5cm(1インチ)×長さ5cm(2インチ)の最小接着層寸法をもたらすのに十分な接着用組成物を第1のフィルムに被着させた。
接着された被着物を放置して22℃で24時間にわたり硬化させた。サンプルを覆わず、放置して22℃でさらに少なくとも24時間にわたり硬化させ、その後、10.2cm/分(4インチ/分)のクロスヘッド速度に設定された引張試験器を用いてT−剥離モードで接着強度を試験した。一方の自由端は上方顎内で、一方の自由端は下方顎内で、サンプルの二つの重なり自由端を引張試験器の顎中で締め付けた。その後、接着剤の少なくとも2.5cm(1インチ)が露出するまで、または被着物破壊が観察されるまで顎を引き離した。接着剤が最初に露出した後、実験中に平均力/幅をポンド/インチで剥離強度として記録し、ニュートン/cm(N/cm)に換算した。
β−ケトン官能性オリゴマーおよびポリマーの合成
合成実施例S1−ポリ(スチレン−co−アリルアセトアセテート)の合成
ARCAL SAA100(57.80グラム、0.20当量OH)およびt−ブチルアセトアセテート(31.60グラム、0.20モル)を組み合わせ、200℃エンドポイントに加熱した。t−ブチルアルコールを蒸留し、集めた(14.35グラム、理論の97%)。ポリ(スチレン−co−アリルアセトアセテート)製品は、透明硬質ガラスに対して冷えた。この付加体を以後「p(Sty−AAcAc)」と呼ぶ。
合成実施例S2〜S5
表1に示したようにARCAL SAA100の代わりに種々のポリオールを用いたことを除き、合成実施例S1を繰り返した。t−ブチルアルコールの回収は各場合に理論の95%を上回った。合成実施例S2〜S5アセトアセテート官能性オリゴマー製品は中程度に粘性の液体であった。
Figure 0004975952
α−メチルスチレン官能性オリゴマーの合成
合成実施例S6
TMI(120.60グラム、0.60モル)およびJeffamine D2000(600.00グラム、0.60当量NH2)を組み合わせ、放置して外部温度制御なしで反応させた。室温で一晩静置後、赤外線分光分析によると、2265cm-1イソシアネート帯域の消失によって完全な反応が示された。α−メチルスチレン官能性オリゴマー製品を以後「AMSPU2400」と呼ぶ。
メタクリレート末端ポリウレタンの合成
合成実施例S7
2,4−トリレンジイソシアネート末端ポリプロピレングリコール(493.00グラム、1.00イソシアネート当量)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(143.14グラム、1.10モル)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.06グラム)およびジブチル錫ジラウレート(0.30グラム)を逐次組み合わせ、放置して外部温度制御なしで1時間にわたり反応させ、その後、4時間にわたり70℃に加熱した。赤外線分光分析によると、2265cm-1イソシアネート帯域の消失によって完全な反応が示された。メタクリレート末端ポリウレタン製品を以後「PUMA1250」と呼ぶ。
実施例1〜15
開始剤成分A
モル比2:1のトリエチルボランと1,6−ヘキサンジアミンの錯体(32.00グラム)をAMSPU2400(168.00グラム)に溶解させた。開始剤成分中で気泡を放置して上昇させ、逃がした。この開始剤成分を以後「開始剤成分A」と呼ぶ。
重合性組成物
Blendex360(187.50グラム)、THFMA(442.50グラム)、DBI(56.25グラム)およびAMSPU2400(37.50グラム)を含有するスラリーを放置して70℃で2時間にわたり静置した。得られた不透明分散液を放置して冷却し、その後、ペンシルバニア州リーディングのプレミア・ミル・コーポレーション(Premier Mill Corporation(Reading,PA))によって販売されている実験室分散機の鋸歯型羽根で激しく剪断した。Z−Light W1600(15.00グラム)を温分散液に添加し、よく混合した。この重合性組成物を以後「モノマーブレンドA」と呼ぶ。
モノマーブレンドAの一部を表2に記載されたMAEAcAcまたは他のβ−ケトン錯体分解剤と組み合わせた。真空下で短時間攪拌することにより気泡を重合性組成物から除去した。
接着剤
各重合性組成物および開始剤成分Aを体積比10:1の二重シリンジアプリケータ(MixPac System50、キット番号MP−050−10−09、ニューハンプシャー州セーレムのコンプロテック(ConProTec(Salem,NH))によって販売されている)中で包装し、より大きいシリンダーは重合性組成物を入れ、より小さいシリンダーは開始剤成分を入れた。長さ10cm(4インチ)の17段静的混合ノズル(製品番号MX4−0−17−5、コンプロテック(ConProTec))を通した同時押出によって、二部分を組み合わせた。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表3にまとめている。表4において、50psi(0.34MPa)HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例1〜15について推定した。
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
実施例16〜18
Blendex360(187.50グラム)、THFMA(442.50グラム)、DBI(56.25グラム)およびPUMA1250(37.50グラム)を含有するスラリーを放置して70℃で2時間にわたり静置した。得られた不透明分散液を放置して冷却し、その後、実験室分散機の鋸歯型羽根で激しく剪断した。その後、Z−Light W1600(15.00グラム)を温分散液に添加し、よく混合した。この重合性組成物を以後「モノマーブレンドB」と呼ぶ。
モノマーブレンドBをモノマーブレンドAの代わりに用い、用いた種類(identity)および量を表5に示しているβ−ケトン錯体分解剤を用いたことを除き、実施例1〜15のように重合性組成物を調製した。
Figure 0004975952
上の各重合性組成物を実施例1〜15の開始剤成分Aに向き合わせて包装した。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表6にまとめている。表7において、50psi(0.34MPa)HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例16〜18について推定した。
Figure 0004975952
Figure 0004975952
熱水浸漬重なり剪断接着強度保持
実施例1および実施例18の接着剤を「熱水浸漬重なり剪断接着強度保持試験方法」に記載されたように試験した。結果を表8にまとめている。
Figure 0004975952
実施例19〜28
重合性組成物
Blendex360(202.50グラム)、THFMA(511.50グラム)およびAMSPU2400(19.50グラム)を含有するスラリーを放置して70℃で2時間にわたり静置した。得られた不透明分散液を放置して冷却し、その後、ペンシルバニア州リーディングのプレミア・ミル・コーポレーション(Premier Mill Corporation(Reading,PA))によって販売されている実験室分散機の鋸歯型羽根で激しく剪断した。Z−Light W1600(16.50グラム)を温分散液に添加し、よく混合した。この重合性組成物を以後「モノマーブレンドC」と呼ぶ。
ジメチルアクリルアミド(4.00グラム)中の臭化銅(II)(4.00グラム)のスラリーを加熱して、均質黒色溶液を生じさせた。この臭化銅(II)溶液を以後「金属塩溶液A」と呼ぶ。幾つかの実施例において、第2の臭化銅(II)溶液「金属塩溶液B」を用いた。0.20グラムの金属塩溶液Aを0.80グラムのジメチルアクリルアミドと組み合わせることにより金属塩溶液Bを調製した。
各実施例を調製するために、モノマーブレンドCをMAEAcAcおよび金属塩溶液Aまたは金属塩溶液Bの一部と組み合わせて、実施例9に記載されたように重合性組成物を生じさせた。真空下で短時間攪拌することにより気泡を重合性組成物から除去した。
接着剤
各重合性組成物および開始剤成分Aを10:1体積比の二重シリンジアプリケータ(MixPac System50、キット番号MP−050−10−09、ニューハンプシャー州セーレムのコンプロテック(ConProTec(Salem,NH))によって販売されている)中で包装し、より大きいシリンダーは重合性組成物を入れ、より小さいシリンダーは開始剤成分を入れた。長さ10cm(4インチ)の17段静的混合ノズル(製品番号MX4−0−17−5、コンプロテック(ConProTec))を通した同時押出によって、二部分を組み合わせた。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表10〜12に提示している。表13において、0.34MPa HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例19〜28について推定した。
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
実施例29〜51
上の実施例19〜28に提示された金属塩溶液調製の説明により表14に記載されたように異なる金属塩溶液を調製した。すべての金属塩は、マサチューセッツ州ニューベリーポートのストレム・ケミカル・カンパニー(Strem Chemical Company(Newburyport,MA))によって販売されている。
Figure 0004975952
種々の量の金属塩溶液C〜Sを金属塩溶液Aの代わりに用いたことを除き、実施例19〜28のように重合性組成物を調製した。各重合性組成物を実施例19〜28のように開始剤成分Aに向き合わせて包装した。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表16〜20にまとめている。表11において、0.34MPa(50psi)HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例29〜51について推定した。
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
実施例52〜55
異なる重合性組成物および開始剤成分を用いたことを除き、実施例19〜28のように実施例52〜55を調製し、評価した。
二種の開始剤成分を調製した。
開始剤成分B
ポリ(ブチルメタクリレート−co−メチルアクリレート)(アルドリッチ(Aldrich)#47,403−7、分子量150,000)(4.00グラム)およびマレイン酸ジブチル(6.00グラム)を組み合わせ、加熱して溶液を生じさせた。モル比2:1のトリエチルボランと1,6−ヘキサンジアミンの錯体(1.90グラム)を冷却したポリマー溶液に添加し、その後、窒素雰囲気下で穏やかに加熱して、均質溶液を生じさせた。気泡を放置して上昇させ、逃がした。この溶液を以後「開始剤成分B」と呼ぶ。
開始剤成分C
Blendex360(18.05グラム)およびマレイン酸ジブチル(33.51グラム)を含有するスラリーを放置して70℃で2時間にわたり静置した。得られた不透明分散液を放置して冷却し、その後、ペンシルバニア州リーディングのプレミア・ミル・コーポレーション(Premier Mill Corporation(Reading,PA))によって販売されている実験室分散機の鋸歯型羽根で激しく剪断した。モル比2:1のトリエチルボランと1,6−ヘキサンジアミンの錯体(1.90グラム)およびこの分散液の一部(10.00グラム)を組み合わせ、窒素雰囲気下で穏やかに加熱して、均質溶液を生じさせた。気泡を放置して上昇させ、逃がした。この溶液を以後「開始剤成分C」と呼ぶ。
重合性組成物
Blendex360(58.41グラム)およびTHFMA(161.59グラム)を含有するスラリーを放置して70℃で2時間にわたり静置した。得られた不透明分散液を放置して冷却し、その後、ペンシルバニア州リーディングのプレミア・ミル・コーポレーション(Premier Mill Corporation(Reading,PA))によって販売されている実験室分散機の鋸歯型羽根で激しく剪断した。このモノマーブレンドを以後「モノマーブレンドD」と呼ぶ。表20に示した成分を用いて実施例19〜28のように二種の重合性組成物を調製した。
Figure 0004975952
実施例19〜28に記載された方法を用いて重合性組成物AおよびBの各々を表21に示した開始剤成分BおよびCの各々に向き合わせて包装した。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表21〜23にまとめている。表24において、0.34MPa HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例52〜55について推定した。
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
実施例56〜59
表25に示した種々の錯体分解剤を用いたことを除き、実施例19〜28のように重合性組成物を調製した。各重合性組成物を実施例19〜28のように開始剤成分Aに向き合わせて包装した。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表27〜29に示している。表30において、0.34MPa HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例38〜44について推定した。
Figure 0004975952
実施例60〜68
ジメチルアクリルアミド(15.00グラム)中の臭化銅(II)(5.00グラム)のスラリーを加熱して、均質黒色溶液を生じさせた。この臭化銅(II)溶液を以後「金属塩溶液T」と呼ぶ。
ヘキサヒドロ無水フタル酸(10.00グラム)をTHFMA(15.00グラム)に溶解させた。実施例47〜58を調製するためにこの溶液を用いた。
異なる錯体分解剤(ヘキサヒドロ無水フタル酸)を用い、表26に示したような金属塩溶液Tを金属塩溶液Aの代わりに用いたことを除き、実施例1〜10のように重合性組成物を調製した。各重合性組成物を実施例19〜28のように開始剤成分Aに向き合わせて包装した。試験片を調製し、上で概説した「試験方法」により試験した。結果を表27〜29に示している。表30において、0.34MPa HDPE OLSまでの時間(T50)、作用寿命(WL)およびT50/WL比を実施例47〜58について推定した。
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
Figure 0004975952
本明細書で引用した特許、特許文書および刊行物の完全な開示は、各々が個々に援用されたかのように全体的に引用して援用する。本発明の種々の修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱せずに当業者に対して明らかになるであろう。本発明が本明細書に記載された例証的な実施形態および実施例によって不当に限定されるような意図がなく、こうした実施例および実施形態が例のみとして提示され、本発明の範囲が本明細書に記載されたクレームによってのみ限定されるように意図されていることが理解されるべきである。

Claims (3)

  1. オルガノボラン錯体である錯化開始剤と、
    式(1)
    Figure 0004975952
    (式中、
    1は水素または有機基であり、
    2は有機基であり、
    2は、−O2C−、−(CO)−、−HN(CO)−および−NR3(CO)−(ここで、R3は有機基である)からなる群から選択された電子求引性基であり、
    4は原子価nを有する有機基であり、
    nは0より大きい整数である。)
    または式(2)
    Figure 0004975952
    (式中、
    1は水素または有機基であり、
    2は有機基であり、
    1は、NC−およびH2N(CO)−からなる群から選択された電子求引性基である。)
    によって表される構造を有するβ−ケトン化合物錯体分解剤と、
    を含む開始剤系。
  2. (1)少なくとも一種の重合性モノマーおよび式(1)
    Figure 0004975952
    (式中、
    1は水素または有機基であり、
    2は有機基であり、
    2は、−O2C−、−(CO)−、−HN(CO)−および−NR3(CO)−(ここで、R3は有機基である)からなる群から選択された電子求引性基であり、
    4は原子価nを有する有機基であり、
    nは0より大きい整数である。)
    または式(2)
    Figure 0004975952
    (式中、
    1は水素または有機基であり、
    2は有機基であり、
    1は、NC−およびH2N(CO)−からなる群から選択された電子求引性基である。)
    によって表される構造を有するβ−ケトン化合物錯体分解剤を含む重合性組成物と、
    (2)オルガノボラン錯体である錯化開始剤を含む開始剤成分と、
    を含むキット。
  3. (1)少なくとも一種の重合性モノマーおよび式(1)
    Figure 0004975952
    (式中、
    1は水素または有機基であり、
    2は有機基であり、
    2は、−O2C−、−(CO)−、−HN(CO)−および−NR3(CO)−(ここで、R3は有機基である)からなる群から選択された電子求引性基であり、
    4は原子価nを有する有機基であり、
    nは0より大きい整数である。)
    または式(2)
    Figure 0004975952
    (式中、
    1は水素または有機基であり、
    2は有機基であり、
    1は、NC−およびH2N(CO)−からなる群から選択された電子求引性基である。)
    によって表される構造を有するβ−ケトン化合物錯体分解剤を含む重合性組成物と、
    (2)オルガノボラン錯体である錯化開始剤と、
    を含む接着用組成物。
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