JP4975659B2 - 超音波処理およびオゾン含有マイクロバブル処理による食品材料における微生物の制御方法 - Google Patents
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(2)超音波処理工程において用いられる水性液が塩化セチルピリジニウムを溶解してなる水性液である、(1)記載の方法。
(3)超音波処理工程において用いられる水性液中の塩化セチルピリジニウムの濃度が1000ppm以上である、(2)記載の方法。
(5)オゾン含有マイクロバブル処理工程が、超音波処理工程後の食品材料を浸漬させてなる4〜10℃の水性液にオゾン含有マイクロバブルを30〜60分間にわたり発生させる工程である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(7)オゾン含有マイクロバブル処理工程の間、周波数が20〜30KHzの超音波を前記水溶液中に照射する、(6)記載の方法。
(8)食品材料が食肉である、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)食肉が食鳥肉である、(8)記載の方法。
本発明による処理の対象となる食品材料としては食肉、特に食鳥肉が挙げられる。
本発明において「水性液」とは水または水溶液を指す。水溶液には緩衝液も包含される。
超音波処理工程は、食品材料の表面上の微生物を水性液中に遊離させるのに十分な条件で行われる限り特に条件は限定されない。しかしながら以下の条件が特に好ましい。周波数が20〜30KHzである超音波を使用することが好ましい。超音波処理工程に用いる水性液の温度は25〜30℃であることが好ましい。超音波の照射時間は30〜60分間であることが好ましい。
オゾン含有マイクロバブル処理工程は、超音波処理工程後の食品材料を浸漬させてなる10℃以下、好ましくは4〜10℃の水性液にオゾン含有マイクロバブルを30〜60分間にわたり発生させる工程であることが好ましい。このような条件で処理を行うことにより、驚くべきことに、従来の方法では困難であった高濃度のオゾン溶液、具体的には25ppm以上のオゾン濃度を有する溶液が得られる。オゾン含有マイクロバブル処理工程で用いられる水性液中の溶存オゾン濃度として好ましいのは25〜35ppmである。
本発明の方法により制御される微生物としては、サルモネラ属に属する細菌、カンピロバクター属に属する細菌、腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオ菌、枯草菌、セレウス菌、大腸菌群、低温細菌などが挙げられる。本発明の方法により食品材料中の微生物数が減少される。
オゾンを吹き込む装置(マイクロバブル発生装置またはエアストーン)の違い、及び水温(4℃または18℃)の違いによる溶存オゾン濃度の差異を調べた。
水道水に、オゾン発生器(6g/h製造)から毎分2Lのオゾンガスをエアストーン又はマイクロバブル発生装置に接続し、4℃の水温で30分間オゾンを吹き込んだ後、鶏血清を0.1または0.5%添加し、経時的に溶存オゾン濃度を経時的に測定した。その結果、オゾン濃度は血清添加量に依存して急速に低下した(図2上段)。
実験室において、モモ肉を10℃に調整した40Lの水道水を満たした容器に浸漬し、(1)超音波処理、(2)マイクロバブル処理、(3)オゾン・マイクロバブル処理をそれぞれ60分間行い、処理前後の皮の表面の一般生菌数(25cm2)を測定した。結果を図3に示す。
実験室において、30℃に調整した40Lの水道水にモモ肉を入れ、28KHzの超音波を30分間肉の表面に当てた後、10℃以下に冷却した30Lの水道水にマイクロバブル(MB)発生装置を使ってオゾンを注入したオゾン・MB水を作製し、モモ肉を60分間浸漬させた。結果を図4に示す。
実験室において、30℃に調整した40Lの水道水にモモ肉を入れ、28KHzの超音波を30分間肉の表面に当てた後、10℃以下に冷却した30Lの水道水にマイクロバブル(MB)発生装置を使ってオゾンを注入したオゾン・MB水を作製し、超音波処理と併用してモモ肉を60分間浸漬させた。結果を図5に示す。
食鳥処理場において、脱羽後のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。処理前後のと体表面のムネと背の皮の表面の一般生菌数(25cm2)を測定した。結果を図6に示す。
その結果、処理前後で菌数がムネでは減少し、背中では増加した。
食鳥処理場において、チラー前のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。処理前後のと体表面のムネと背の皮の表面の一般生菌数(25cm2)を測定した。結果を図7に示す。
食鳥処理場において、脱羽後のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。その後、30Lの井水を満たした容器内でオゾン・MB水を作製し、4℃に冷却しながらと体を60分間浸漬させた。と体は15分おきに上下の向きを変えた。処理各段階での一般生菌数を測定した結果を図8に示す。
食鳥処理場において、脱羽後のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。その後、30Lの井水を満たした容器内でオゾン・MB水を作製し、4℃に冷却しながらと体を60分間浸漬させた。と体は15分おきに上下の向きを変えた。処理各段階での一般生菌数を測定した結果を図9に示す。
塩化セチルピリジニウム(CPC)粉末1gを1Lの10mMリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し、鳥モモ肉を浸漬させ、30℃で28KHzの超音波処理を30〜60分間行った。オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理は10℃で30〜60分間行った。鳥モモ肉には予めCampylobacter jejuni (C. jejuni)を付着させておき、以下の各条件において皮の表面の生菌数(25cm2)を測定し、殺菌効果を確認した。その結果を表1に示す。
処理2:オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理3:塩化セチルピリジニウム(CPC)浸漬を30分間実施した。
処理4:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間実施した。
処理5:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理6:CPC浸漬処理を30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理7:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理8: CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30分間行う工程を2回繰り返した。
処理9:水道水に60分間浸漬した。
塩化セチルピリジニウム(CPC)粉末1gを1Lの10mMリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し、鳥モモ肉を浸漬させ、30℃で28KHzの超音波処理を30〜60分間行った。オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理は10℃で30〜60分間行った。鳥モモ肉には予め Salmonella Enteritidisを付着させておき、以下の各条件において皮の表面の生菌数(25cm2)を測定し、殺菌効果を確認した。その結果を表2に示す。
処理2:オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理3:塩化セチルピリジニウム(CPC)浸漬を30分間実施した。
処理4:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間実施した。
処理5:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理6:CPC浸漬処理を30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理7:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理8: CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30分間行う工程を2回繰り返した。
処理9:水道水に60分間浸漬した。
Claims (9)
- 食品材料を浸漬してなる水性液中に超音波を照射する超音波処理工程と、超音波処理工程後の食品材料を、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる10℃以下で25 ppm以上のオゾン濃度を有する水性液中に浸漬するオゾン含有マイクロバブル処理工程とを含む、食品材料における微生物の制御方法。
- 超音波処理工程において用いられる水性液が塩化セチルピリジニウムを溶解してなる水性液である、請求項1記載の方法。
- 超音波処理工程において用いられる水性液中の塩化セチルピリジニウムの濃度が1000ppm以上である、請求項2記載の方法。
- 超音波処理工程が、食品材料を浸漬してなる25〜30℃の水性液中に周波数が20〜30KHzの超音波を30〜60分間照射する工程である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- オゾン含有マイクロバブル処理工程が、超音波処理工程後の食品材料を浸漬させてなる4〜10℃の水性液にオゾン含有マイクロバブルを30〜60分間にわたり発生させる工程である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- オゾン含有マイクロバブル処理工程において、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に超音波を照射することを更なる特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- オゾン含有マイクロバブル処理工程の間、周波数が20〜30KHzの超音波を前記水溶液中に照射する、請求項6記載の方法。
- 食品材料が食肉である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 食肉が食鳥肉である、請求項8記載の方法。
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