以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る画像処理装置において入出力される画像の記録処理について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における画像処理装置を含む基本的な画像処理システムの構成図である。
図1において、複合機1001は、原稿を読み取り、複写したりプリントしたり、さまざまな装置に画像を送信したり、さまざまな装置から画像を受信する装置である。データベース/メールサーバ1003は、複合機1001が読み取ったデータを格納するアプリケーションサーバが動作しているコンピュータである。クライアントコンピュータ1004は、データベースサーバ/メールサーバ1003に接続し、格納されているデータをダウンロードして表示するコンピュータである。クライアントコンピュータ1004は、必要なプリント指示を複合機1001に対して行うことができる。
ストレージサーバ1005は、複合機1001が入出力した全ての画像データを蓄積する監査用のストレージデバイスである。履歴管理サーバ1006は、複合機1001における複写や送信ジョブの履歴(例えば、ストレージデバイスに格納された画像への参照情報等)を記録する履歴管理サーバである。チェイシングサーバ1009は、ストレージサーバ1005や履歴サーバ1006のデータを吸い上げてまとめるサーバである。本画像処理システムでは、複数の複合機やストレージサーバ、履歴サーバが存在する環境下において、チェイシングサーバを置くことにより、セキュリティ管理のデータを一元管理することが可能となる。
ネットワーク1007は、複合機1001、データベース/メールサーバ1003、クライアントコンピュータ1004、ストレージサーバ1005、履歴管理サーバ1006、チェイシングサーバ1009が接続されるイーサネット(登録商標)等のネットワークである。
複合機1010は原稿を読み取り、複写したりプリントしたり、さまざまな装置に画像を送信する装置である。複合機1010には、ストレージサーバ1005や履歴管理サーバ1006と同等の機能が組み込まれており、複合機1010が入出力した全ての画像データを蓄積する監査用のストレージデバイスを有し、複合機1010における複写や送信ジョブの履歴を記録する履歴記録デバイスを有している。
クライアントコンピュータ1011は、複合機1010に接続し、プリント出力指示やIFAX(インターネットFAX)指示を行う。ネットワーク1012は、複合機1010、クライアントコンピュータ1011が接続されるイーサネット(登録商標)等のネットワークである。ファクシミリ1002は、複合機1010の複合機が読み取ったデータを、公衆回線1008を介して受信しプリントするファクシミリ装置である。また、ファクシミリ1002は、公衆回線1008を介して複合機1010に画像データを送信することも可能である。イーサネット(登録商標)等のネットワーク1007とネットワーク1012は、WAN1020(Wide Area Network:広域通信網)によって接続されている。
図2は、本発明の第1の実施形態における画像処理システムにおける複合機1001や複合機1010に実装されるシステムの細部構成を示すブロック図である。
図2において、コントローラユニット(Controller Unit)2000は、画像入力デバイスであるスキャナ2070や画像出力デバイスであるプリンタ2095と接続し、一方ではLAN2011や公衆回線(WAN)2051に接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。
コントローラユニット2000において、CPU2001は、システム全体を制御するコントローラである。RAM2002は、CPU2001が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM2003は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD2004は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、画像データを格納する。操作部I/F2006は、タッチパネルを有した操作部(UI)2012とのインターフェース部であり、操作部2012に表示する画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部I/F2006は、操作部2012から本システム使用者が入力した情報を、CPU2001に伝える役割をする。
Network I/F2010は、LAN2011に接続し、情報の入出力を行う。Modem2050は、公衆回線2051に接続し、情報の入出力を行う。以上のデバイスがシステムバス2007上に配置される。
Image Bus I/F2005は、システムバス2007と画像データを高速で転送する画像バス2008を接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバス又はIEEE1394で構成される。
画像バス2008上には以下のデバイスが配置される。ラスターイメージプロセッサ(RIP)2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部2020は、画像入出力デバイスであるスキャナ2070やプリンタ2095とコントローラユニット2000を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部2080は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転部2030は、画像データの回転を行う。画像圧縮部2040は、多値画像データについてはJPEG、2値画像データについてはJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行う。
IC Card Slot2100は、ICカードメディアによるユーザ認証を行う。このユーザ認証によりジョブ実行時のユーザを特定する。また、ICカードメディアを挿入した後に適切なPIN(Personal Identifier Number)コードを入力することにより、暗号・復号に用いる鍵の入出力を行うことが可能となる。暗号・復号処理部2110は、IC Card Slot2100の鍵やデバイス固有の鍵を用いてデータの暗号化・複合化処理を行うハードウェアアクセラレータボードである。OCR・OMR処理部2111は、画像データに含まれる文字情報や2次元バーコードを解読して文字コード化する処理を行う。
図3は、本発明の第1の実施形態における複合機1001が画像データをストレージサーバ1005へ、履歴レコードを履歴管理サーバ1006へ書き込む場合の構成例を示す図である。図3に示す構成例では、イーサネット(登録商標)を利用し、複合機1001からストレージサーバ1005への画像データ格納には、SOAP(Simple Object Access Protocol)を利用しているが、その他既存のデータ転送可能なプロトコルであればいずれでも構わない。また、必要に応じてSSLを用いる等暗号処理を施しても構わない。さらに、ストレージサーバ1005内のデータを暗号処理等の加工処理を施して保存しても構わない。
また、図3に示す構成例では、複合機1001から履歴管理サーバ1006への履歴レコード書き込みにもSOAPを利用しているが、これについても既存のロギングプロトコルでも構わない。また、必要に応じてSSLを用いる等暗号処理を施しても構わない。履歴管理サーバ1006内のデータを暗号処理して保存しても構わない。
さらに、本実施形態では、複合機1001、ストレージサーバ1005、履歴管理サーバ1006がそれぞれ別体の構成となっているが、いずれか、又は全てが組み合わされている構成であっても構わない。これらのストレージサーバ1005、履歴管理サーバ1006へアクセスするために必要な設定情報は、複合機1001のシステム管理者のみが設定可能なように保護されている。
図4及び図5は、履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードの一例を示す図である。図4において、4001から4021で示される各行がそれぞれの項目であり、項目の説明が項目列にある。タグ名列は、データを識別するための項目毎のタグ名である。
4001はジョブ種類の項目であり、COPYやFAXやPDLといったジョブの種類を示す。タグ名は[JobKind]となる。4002はジョブ名の項目であり、実行されたジョブのジョブ名を示す。タグ名は[JobName]である。4003はジョブ依頼者の項目であり、実行されたジョブのユーザ名を示す。タグ名は[ClientName]である。4004は文字コード情報の項目であり、当レコードで使用している文字コード情報を示す。タグ名は[CharacterCode]である。
4005は部門コードの項目であり、ユーザが所属している部門番号を示している。タグ名は[SectionNo]である。4006はジョブ開始時刻の項目であり、当ジョブの開始時刻を示す。タグ名は[StartTime]である。4007はジョブ終了時刻の項目であり、当ジョブの終了時刻を示す。タグ名は[EndTime]である。4008はジョブ終了結果の項目であり、OKやCanceled等の当ジョブの終了結果内容を示す。タグ名は[Result]である。4009は1部あたりの枚数の項目であり、何ページのジョブかを示す。タグ名は[ResourceCount]である。4010は部数の項目であり、何部出力する設定かを示す。タグ名は[Copies]である。
4011は通信方法の項目であり、通信方法の種類を示す。タグ名は[Protocol]である。4012は通信種別の項目であり、送信か受信かを示す。タグ名は[ComType]である。4013は使用回線番号の項目であり、使用している電話番号等を示す。タグ名は[LineInfo]である。4014は送受信相手先アドレスの項目であり、相手先のアドレスや電話番号を示す。タグ名は[NoticeAddress]である。4015は送受信相手先名称の項目であり、ジョブの相手先の名称を示す。タグ名は[ComAbbreviation]である。
4016はサブジェクトの項目であり、e−mailジョブ等におけるサブジェクトを示す。タグ名は[Subject]である。4017は画像パス名の項目であり、画像格納ジョブにおける画像格納先を示す。タグ名は[PathName]である。4018はデバイス名の項目であり、機器につけられている名称を示す。タグ名は[DeviceName]である。4019はデバイスシリアルナンバーの項目であり、機器固有のシリアル番号を示す。タグ名は[DeviceSerialNo]である。4020はデバイスアドレスの項目であり、機器のIPアドレス等を示す。タグ名は[DeviceAddress]である。
4021は文書IDの項目であり、ジョブが扱う文書を特定するためのものである。複数の文書IDを並べることにより、複数文書の表現が可能である。タグ名は[DocumentID]である。文書IDは、"デバイスシリアルナンバー"(10桁ASCII)+"ドキュメント生成時刻yymmddhhmmss"(12桁ASCII)+"機器がジョブ毎にインクリメントするシリアル番号(10桁ASCII)" の合計32桁のASCII文字列で表現される。これらの4001から4021の項目は全て使用するとは限らず、使用しない場合は内容が無い項目として記録される。
図5に示す項目も図4と同様であり、5001から5021の各行が4001から4021の各行に相当する。4001や5001で示されるジョブ種類が例1、例2、例3異なっているが、このようにジョブ種類等に応じて使用される項目も異なることになる。例えば、例3のFAXジョブでは、項目5013の使用回線番号には自機の電話番号が、項目5014の送受信相手先アドレスには、相手先電話番号が記録される。
図6は、本発明の第1の実施形態におけるジョブ種類毎のデータフローを説明するための図である。図6において、COPYジョブ6001は、スキャナ6002から読み込んだ画像を一時的にHDD6004に記録し、プリンタ6003に出力する。ジョブ実行時に、図4や図5で説明した履歴レコードとスキャナ6002から読み込んだ画像をセキュリティユニット6005に記録する。尚、ここで述べているセキュリティユニットとは、ストレージサーバ1005と履歴管理サーバ1006の総称である。
また、PDLプリントジョブ6101は、ホストコンピュータ6102から送られてきたPDLデータをRIPして画像を作成する。RIP後の画像を一時的にHDD6104に記録し、プリンタ6103に出力する。ジョブ実行時に、図4や図5で説明した履歴レコードとRIP後の画像をセキュリティユニット6105に記録する。
さらに、SCANジョブやBOX格納ジョブ6201は、スキャナ6202から送られてきた画像や、ホストコンピュータ6023から送られてきたPDLデータをRIPした画像をHDD6204に記録する。ジョブ実行時に、図4や図5で説明した履歴レコードと入力された画像をセキュリティユニット6205に記録する。このジョブでHDD6204に記録された画像は、後からプリントや送信等が可能である。
さらにまた、FAX受信ジョブやI−FAX受信ジョブ6301は、相手先のFAX等6302から送られてきた画像をHDD6304に記録する。ジョブ実行時に、図4や図5で説明した履歴レコードと相手先のFAX等6302から受けた画像をセキュリティユニット6305に記録する。このジョブでHDD6304に記録された画像は、後からプリントや送信等が可能である。
尚、原稿画像を読み取ってFAX・I−FAX送信したり、e−mailやFTP,SMBといったプロトコルで画像送信したりするジョブを実行する場合においては、外見上は単一のFAX・I−FAX送信ジョブあるいはSENDジョブであるが、本実施形態において内部的にSCANジョブとFAX・I−FAX送信/SENDジョブの2種類のジョブから構成されているものとして取り扱う。
FAX・I−FAX送信ジョブやSENDジョブ6401は、ジョブ6201、6301で格納されたHDD6404に存在している画像を読み出し、相手先の機器6403に送信する。ジョブ実行時に、図4や図5で説明した履歴レコードと相手先の機器6403に送信した画像の参照情報をセキュリティユニット6405に記録する。ここで、セキュリティユニット6405への記録の際に実画像を記録せず、以前にセキュリティユニット6205、6305で記録した画像への参照情報を記録することにより、同じ画像を何度も記録せず、処理の高速化と記録量の削減を図っている。尚、ここでいうSENDジョブとは、e−mailやFTP,SMBといったプロトコルで画像送信されるジョブの総称である。
さらにまた、受信プリントジョブやBOXプリントジョブ6501は、ジョブ6201、6301で格納されたHDD6504に存在している画像を読み出しプリンタ6503に出力する。ジョブ実行時に、図4や図5で説明した履歴レコードとプリンタ6503に出力した画像の参照情報をセキュリティユニット6505に記録する。ここで、セキュリティユニット6505への記録の際に実画像を記録せず、以前セキュリティユニット6205、6305で記録した画像への参照情報を記録することにより、同じ画像を何度も記録せず、処理の高速化と記録量の削減を図っている。
これらのジョブを組み合わせることにより、FAX受信した文書のプリントや、SCANジョブで読み込んだスキャン画像をFAX送信する等のことが可能となる。
図7は、ジョブ種類毎のセキュリティユニットへの画像格納方法を示す図である。図7においては、ジョブ種類7001の列が、COPYやPDLプリントといったジョブ種類を表す。また、ジョブタイプ7002の列が、画像の入力ジョブか出力ジョブかといったジョブタイプを表す。さらに、実画像の記録7003の列が、セキュリティユニットに実画像を記録するジョブか、実画像への参照情報のみで実画像を記録しないジョブかの設定を表す。
ここで、COPYジョブ7101は、ジョブタイプ7002が画像入力を伴う"入力ジョブ"7102である。そのため実画像の記録7003が"する"7103になる。
また、PDL−PRINTジョブ7201は、ジョブタイプ7002が画像入力を伴う"入力ジョブ"7202である。そのため実画像の記録7003が"する"7203になる。
さらに、SCANジョブ/BOX格納ジョブ7301は、ジョブタイプ7002が画像入力を伴う"入力ジョブ"7302である。そのため実画像の記録7003が"する"7303になる。
さらにまた、受信ジョブ7401は、ジョブタイプ7002が画像入力を伴う"入力ジョブ"7402である。そのため実画像の記録7003が"する"7403になる。
さらにまた、送信ジョブ7501は、ジョブタイプ7002が画像入力を伴わない画像出力のみの"出力ジョブ"7502である。(FAX・I−FAX送信/SEND時の原稿読み取り動作はSCANジョブとして取り扱う。)そのため実画像の記録7003が"しない"7503になる。したがって、送信ジョブ7501は、実画像の代わりに、画像の参照情報を記録することになる。
さらにまた、BOXプリントジョブ・受信プリントジョブ7601は、ジョブタイプ7002が画像入力を伴わない画像出力のみの"出力ジョブ"7602である。そのため実画像の記録7003が"しない"7603になる。したがって、BOXプリントジョブ・受信プリントジョブ7601は、実画像の代わりに、画像の参照情報を記録することになる。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムにおけるジョブ実行時の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、ジョブが開始されると、ジョブ開始時のログ記録を行う(ステップS801)。ここでは、ログ記録に必要な領域を確保し、履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードのうち現時点で確定している項目の書き込みを行う。特に、文書ID4021の項目は重要であり、ストレージサーバ1005へ格納される画像を文書単位で特定するための情報となる。例えば、ジョブタイプが入力ジョブであるジョブ種に関しては新規文書となるため、新たに文書IDを生成する。現時点で不定である項目はジョブ終了時に書き込み処理を行う。また、ジョブ終了時に書き込む領域もここで確保しておく。
次に、ログが記録できたかどうかの判断を行う(ステップS802)。その結果、ログ記録ができなかったり、必要な領域が確保できなかったりした場合(No)は、ジョブの実行を継続せず、ジョブの終了処理を行う(ステップS811)。そして、ジョブの終了処理が終わると本フローチャートを抜ける。一方、ステップS802の判断において必要領域の確保及びログ記録が正常に行えたと判断した場合(Yes)は、ステップS803へ進む。
ステップS803では、画像データの入力待ちを行い、1ページ分の画像が入力されるとステップS804へ進む。尚、ジョブタイプ7002が出力ジョブの場合は、ここでの入力はHDD2004からの画像読み出しになる。
ステップS804では、ジョブタイプ7002が入力ジョブかどうかの判断を行う。その結果、ジョブタイプ7002がCOPYジョブやBOX格納ジョブや受信ジョブ等の入力ジョブである場合(Yes)は、ステップS805へ進む。一方、ジョブタイプ7002が送信ジョブやBOXプリントジョブ等の出力ジョブである場合(No)は、ステップS812に進む。尚、第1の実施形態においては、画像の参照情報は文書単位で管理するため、ステップS813では特に処理は行わない。そこで、出力ジョブでは実画像の記録は行わず、以前に実行した同じ文書を処理した入力ジョブがストレージサーバ1005へ格納した文書ID4021と同じIDをステップS801でログ記録することで文書の参照情報を記録する。このことにより、出力ジョブで処理した画像の特定が可能となる。ステップS813の処理が終わると、次にステップS806へ進む。
ステップS805では、ジョブタイプ7002が入力ジョブの処理を行う。すなわち、ステップS803で入力を受けた画像をストレージサーバ1005へ格納する。この際、ページ毎にユニークとなる画像IDを付加する。さらに、必要に応じて、解像度変換やカラー画像を白黒化する等のカラーモード変換を行い、画像データサイズの圧縮を図ることも可能である。尚、画像IDは、"デバイスシリアルナンバー"(10桁ASCII)+"画像記録時刻yymmddhhmmss"(12桁ASCII)+"機器が画像記録毎にインクリメントするシリアル番号(10桁ASCII)" の合計32桁のASCII文字列で表現される。
次に、ステップS806では、ストレージサーバ1005に格納できたかどうかの判断を行う。その結果、格納できた場合(Yes)はステップS807へ進み、格納できなかった場合(No)はステップS813へ進む。ステップS813では、ジョブのキャンセル処理を行い、ステップS809へ進む。この処理により、ストレージサーバ1005に格納できなかった画像が送信されたり、プリント出力されたりすることを防止できる。
ステップS807では、ステップS803で入力された画像をHDD2004へ格納する。BOX格納ジョブやSCANジョブ、受信ジョブはHDD2004への格納だけで処理が終わるが、COPYジョブやPDLプリントジョブの場合はプリンタ2095へのプリント出力処理を行う。また、送信ジョブの場合は、Network I/F2010やMODEM2050を使用した送信処理が行われる。
ステップS806でストレージサーバ1005への画像格納を確認しているため、プリントや送信される画像は必ずセキュリティユニットに格納され、後から容易に調査可能となる。ステップS807での処理が終わると、ステップS808へ進む。ステップS808では、ステップS803で受けた画像が最終ページかどうかの判断を行う。その結果、最終ページであった場合(Yes)はステップS809へ進み、最終ページではなかった場合(No)はステップS803に戻って次の画像の入力を待つ。
ステップS809ではジョブの終了待ちを行う。そして、ステップS810では、ジョブ終了結果4008等の、ステップS801の時点では不定で書き込めなかった項目のログ記録処理を履歴管理サーバ1006に対して行う。そして、ログ記録が終わると、このフローチャートを抜ける。
図9は、本発明の第1の実施形態における履歴管理サーバ1006とストレージサーバ1005への書き込み例を示す図である。図9において、入力ジョブ9001は、ジョブタイプ7002が入力ジョブ、例えばBOX格納ジョブ7301である。また、出力ジョブ9101は、ジョブタイプ7002が出力ジョブ、例えばBOX−PRINTジョブ7601である。すなわち出力ジョブ9101は、入力ジョブ9001で入力した画像を出力するジョブである。
図9に示すように、入力ジョブ9001は、履歴レコード9002を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル9010をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード9002は、文書ID9003を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル9010は、文書ID9011と各画像データ9020、9030、9040から構成される。文書ID9011と文書ID9003により、文書ファイル9010と履歴レコード9002のリンクが行われ、対応関係が表現される。画像データ9020は、ステップS805でストレージサーバ1005へ書き込まれ、画像ID9021、画像属性9022、画像9023から構成される。画像IDは、実画像毎にユニークなIDであり、画像属性9022は、画像9023の画像フォーマット等である。画像9023は、画像イメージそのものである。ストレージサーバ1005内では、1つの文書は1ファイルから構成され、複数のページ(画像)を持つことが可能である。そして、1つの文書に対して1つのユニークな文書ID9011が存在する。
出力ジョブ9101は、履歴レコード9102を履歴管理サーバ1006へ記録する。出力ジョブにおいて記録される文書ファイルは存在せず、文書ID9103が以前入力ジョブで記録した文書ID9011と同じ値を記録することにより、出力ジョブ9101で出力した文書を表現する。この方式により、出力時にストレージサーバ1005への画像記録を伴わないため、記録量の削減及びジョブ実行速度の低下防止を図ることができる。
以上説明したように、文書単位での参照情報管理を行う第1の実施形態に係る画像処理システムの構成及び処理によって、いつ、どこで、だれが、どのような処理をしたかを効率よく記録することができ、ジョブ実行時の速度低下を最低限に抑え、かつ、セキュリティユニットに大量のジョブ実行記録を行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明するが、第2の実施形態での基本的なシステム構成図、及び基本的なシステムブロック図、及びセキュリティユニットの構成、履歴レコードの記録内容、ジョブ種類毎のデータフロー図、画像格納方法については、前述した第1の実施形態で説明した図1から図7で示される各図と同様であり、その説明は省略する。
以下、第2の実施形態に係るジョブ実行時の処理手順について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ジョブが開始されると、ジョブ開始時のログ記録を行う(ステップS801)。第2の実施形態では、ログ記録に必要な領域を確保し履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードのうち現時点で確定している項目の書き込みを行う。特に、文書ID4021の項目は重要であり、ストレージサーバ1005へ格納される画像を文書単位で特定するための情報となる。ジョブタイプが入力ジョブであっても、出力ジョブであっても新たに文書IDを生成する。現時点で不定な項目はジョブ終了時に書き込み処理を行う。ジョブ終了時に書き込む領域もここで確保しておく。
次に、ログが記録できたかどうかの判断を行う(ステップS802)。その結果、ログ記録ができなかったり、必要な領域が確保できなかったりした場合(No)は、ステップS811へ進み、ジョブの実行を継続せずに、ジョブの終了処理を行う。そして、ジョブの終了処理が終わると本フローチャートを抜ける。一方、ステップS802の判断で必要領域の確保及びログ記録が正常に行うことができたと判断した場合(Yes)は、ステップS803へ進む。
ステップS803では、画像データの入力待ちを行い、1ページ分の画像が入力されるとステップS804へ進む。尚、ジョブタイプ7002が出力ジョブの場合は、ここでの入力はHDD2004からの画像読み出しになる。
ステップS804では、ジョブタイプ7002が入力ジョブかどうかの判断を行う。その結果、ジョブタイプ7002がCOPYジョブやBOX格納ジョブや受信ジョブ等の入力ジョブである場合はステップS805へ進み、ジョブタイプ7002が送信ジョブやBOXプリントジョブ等の出力ジョブである場合はステップS812へ進む。第2の実施形態において、画像の参照情報は画像単位で管理するため、ステップS813では前述した第1の実施形態と異なり、以前に実行した同じ画像を入力処理した入力ジョブがストレージサーバ1005へ格納した画像の画像IDと同じIDをストレージサーバ1005に記録する。このことにより、出力ジョブで処理した画像の特定が可能となる。そして、ステップS812の処理が終わるとステップS806へ進む。
ステップS805では、ジョブタイプ7002が入力ジョブの処理を行う。すなわち、ステップS803で入力を受けた画像をストレージサーバ1005へ格納する。この際、ページ毎にユニークとなる画像IDを付加する。さらに、必要に応じて解像度変換やカラー画像を白黒化する等のカラーモード変換を行い、画像データサイズの圧縮を図ることも可能である。
次に、ステップS806でストレージサーバ1005に格納できたかどうかの判断を行う。その結果、格納できた場合(Yes)はステップS807へ進み、格納できなかった場合はステップS813へ進む。ステップS813では、ジョブのキャンセル処理を行い、ステップS809へ進む。この処理により、ストレージサーバ1005に格納できなかった画像が送信されたり、プリント出力されたりすることを防止することができる。
ステップS807では、ステップS803で入力された画像をHDD2004へ格納する。BOX格納ジョブやSCANジョブ、受信ジョブの場合はHDD2004への格納だけで処理が終わるが、COPYジョブやPDLプリントジョブの場合はプリンタ2095へのプリント出力処理を行う。送信ジョブの場合は、Network I/F2010やMODEM2050を使用した送信処理が行われる。ステップS806でストレージサーバ1005への画像格納を確認しているため、プリントや送信される画像は必ずセキュリティユニットに格納され、後から容易に調査可能となる。
ステップS807の処理が終わると、ステップS808へ進む。ステップS808では、ステップS803で受けた画像が最終ページであるかどうかの判断を行う。その結果、最終ページであった場合(Yes)はステップS809へ進み、最終ページでなかった場合(No)はステップS803に戻って次の画像の入力を待つ。
ステップS809ではジョブの終了待ちを行う。そして、ステップS810では、ジョブ終了結果4008等のステップS801の時点では不定であって書き込めなかった項目のログ記録処理を履歴管理サーバ1006に対して行う。そして、ログ記録が終わるとこのフローチャートを抜ける。
図10は、本発明の第2の実施形態における履歴管理サーバ1006とストレージサーバ1005への書き込み例を示す図である。図10において、入力ジョブ9501はジョブタイプ7002が入力ジョブ、例えばBOX格納ジョブ7301である。出力ジョブ9601は、ジョブタイプ7002が出力ジョブである。例えば、BOX−PRINTジョブ7601である。すなわち、出力ジョブ9601は、入力ジョブ9501で入力した画像を出力するジョブである。
入力ジョブ9501は、履歴レコード9502を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル9510をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード9502は文書ID9503を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル9510は、文書ID9511と各画像データ9520、9530、9540から構成される。文書ID9511と文書ID9503により、文書ファイル9510と履歴レコード9502のリンクが行われ、対応関係が表現される。
画像データ9520は、ステップS805でストレージサーバ1005へ書き込まれ、画像ID9521、画像属性9522、画像9523から構成される。画像IDは、ページ毎にユニークなIDであり、画像属性9522は、画像9523の画像フォーマット等である。画像9523は画像イメージそのものである。ストレージサーバ1005内では、1つの文書は1ファイルから構成され、複数のページ(画像)を持つことが可能である。そして、1つの文書に対して1つのユニークな文書ID9511が存在する。
出力ジョブ9601は、履歴レコード9602を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル9610をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード9602は、文書ID9603を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル9610は、文書ID9611と各画像データ9620、9630、9640から構成される。文書ID9611と文書ID9603により、文書ファイル9610と履歴レコード9602のリンクが行われ、対応関係が表現される。
画像データ9620は、ステップS812でストレージサーバ1005へ書き込まれ、画像ID9621、画像属性9622から構成され、画像9523のような実画像は存在しない。画像ID9621は実画像毎にユニークなIDである画像ID9521と同じ値を示し、そのことで出力した実画像が画像9523であることを表している。画像属性9622は、画像9523の画像フォーマット等である。出力時に画像9523に対して変更された属性、例えば、綴じ代量、ヘッダやフッタ情報等を記録することも可能である。
画像ID9621と画像ID9521による画像の参照情報記録という方式により、出力時にストレージサーバ1005への画像記録を伴わないため、記録量の削減及びジョブ実行速度の低下防止が図れる。また、画像属性9622へ出力ジョブ9601実行に伴い、変更された画像の属性を記録することで、入力ジョブ9501の画像9523から変更された綴じ代等のレイアウト情報やヘッダやフッタ等の付加情報を表現できる。
以上説明したように、画像単位での参照情報管理という第2の実施形態の構成及び処理により、いつ、どこで、だれが、どのような処理をしたかを効率よく記録することができ、ジョブ実行時の速度低下を最低限に抑え、かつ、セキュリティユニットに大量のジョブ実行記録を行うことが可能となる。また出力時に変更されたレイアウト情報やヘッダやフッタ等の付加情報の表現が可能となり、より正確な記録を残すことができる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、Nin1と呼ばれる出力形態をとるジョブの処理内容に関して説明する。Nin1とはNページの入力画像を1ページにレイアウトして出力することである。この際、必要に応じて画像の縮小処理も行われる。尚、第3の実施形態での基本的なシステム構成図、及び基本的なシステムブロック図、及びセキュリティユニットの構成、履歴レコードの記録内容、ジョブ種類毎のデータフロー図、画像格納方法については、前述した第1の実施形態で説明した図1から図7で示される各図と同様であり、その説明は省略する。また、第3の実施形態に係るジョブタイプ7002が入力ジョブであるジョブ実行時の処理手順については、上記第1及び第2の実施形態で図8に示すフローチャートと同じであり、その説明は省略する。
図11は、本発明の第3の実施形態におけるNin1の出力形態をとるジョブ実行時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ジョブが開始されると、ジョブ開始時のログ記録を行う(ステップS1101)。ここでは、ログ記録に必要な領域を確保し、履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードのうち現時点で確定している項目の書き込みを行う。特に、文書ID4021の項目は重要であり、ストレージサーバ1005へ格納される画像を文書単位で履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードと関連付けるための情報となる。尚、現時点で不定な項目はジョブ終了時に書き込み処理を行う。また、ジョブ終了時に書き込む領域もここで確保しておく。
次に、ログが記録できたかどうかの判断を行う(ステップS1102)。その結果、ログ記録ができなかったり、必要な領域が確保できなかったりした場合(No)は、ジョブの実行を継続せず、ジョブの終了処理を行う(ステップS1112)。そして、ジョブの終了処理が終わるとフローチャートを抜ける。一方、ステップS1102の判断で必要領域の確保及びログ記録が正常に行うことができたと判断した場合(Yes)は、ステップS1103へ進む。
ステップS1103では、画像データの入力待ちを行い、画像が入力されるとステップS1104へ進む。第3の実施形態で説明しているNin1ジョブは出力ジョブであるため、ここでの入力はHDD2004からの画像読み出しになる。ステップS1104では、Nin1に必要なN分の画像が揃ったかどうかの判断を行う。レイアウトに必要な画像が揃った場合(Yes)はステップS1105へ進み、まだ揃っていない場合(No)はステップS1103に戻って次の画像入力を待つ。
ステップS1105では、Nin1のレイアウト処理を行う。この処理では、Nページ分の画像を1ページにレイアウトする。そして、レイアウト処理が終わるとステップS1106へ進む。
ステップS1106では、レイアウト処理した画像の参照情報をストレージサーバ1005へ格納する。第3の実施形態において、画像の参照情報は画像単位で管理するため、以前に実行した同じ画像を入力処理した入力ジョブがストレージサーバ1005へ格納した画像の画像IDと同じIDをストレージサーバ1005に記録する。Nin1ジョブにおいては、複数の画像から1つの画像が作成されることになるため、ステップS1105でレイアウト処理した画像を構成する複数の画像を示すそれぞれの画像IDを列挙し記録する。このことにより、Nin1出力ジョブで処理した画像の特定が可能となる。この際に、どの画像をどこにレイアウトしたかといった情報を画像属性として一緒に記録する。この属性情報により、後から同じレイアウト構成の画像が容易に再現可能となる。ステップS1106での処理が終わると、次にステップS1107へ進む。
ステップS1107では、ストレージサーバ1005に格納できたかどうかの判断を行う。その結果、格納できた場合(Yes)はステップS1108へ進み、格納できなかった場合(No)はステップS1113へ進む。ステップS1113では、ジョブのキャンセル処理を行って、ステップS1110へ進む。この処理により、ストレージサーバ1005に格納できなかった画像が送信されたり、プリント出力されたりすることを防止することができる。
ステップS1108では、ステップS1105でレイアウト処理された画像の出力処理をする。例えば、実行しているジョブがプリントジョブの場合は、プリンタ2095へプリント出力処理を、送信ジョブの場合はNetwork I/F2010やMODEM2050を使用した送信処理が行われる。ステップS1107でストレージサーバ1005への画像格納を確認しているため、プリントや送信される画像の参照情報及び画像属性は必ずセキュリティユニットに格納され、後から容易に調査可能となる。
ステップS1108の処理が終わると、ステップS1109へ進む。ステップS1109では、ステップS1108で出力した画像が最終ページであるかどうかの判断を行う。その結果、最終ページであった場合(Yes)はステップS1110へ進み、最終ページでなかった場合(No)はステップS1103に戻って次の画像の入力を待つ。
ステップS1110では、ジョブの終了待ちを行う。そして、ステップS1111では、ジョブ終了結果4008等のステップS1101の時点では不定であって書き込めなかった項目のログ記録処理を履歴管理サーバ1006に対して行う。そして、ログ記録が終わった後、このフローチャートを抜けることとなる。
図12は、第3の実施形態における履歴管理サーバ1006とストレージサーバ1005への書き込み例を示す図である。
図12において、入力ジョブ30001は、ジョブタイプ7002が入力ジョブであり、例えばBOX格納ジョブ7301である。出力ジョブ30101は、ジョブタイプ7002が出力ジョブであり、例えばBOX−PRINTジョブ7601である。すなわち、出力ジョブ30101は、入力ジョブ30001で入力した画像を出力するジョブである。
入力ジョブ30001は、履歴レコード30002を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル30010をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード30002は、文書ID30003を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル30010は、文書ID30011と各画像デーた30020、30030から構成される。文書ID30011と文書ID30003により、文書ファイル30010と履歴レコード30002のリンクが行われ、対応関係が表現される。画像データ30020は、ステップS805でストレージサーバ1005へ書き込まれ、画像ID30021、画像属性30022、画像30023から構成される。画像IDはページ毎にユニークなIDであり、画像属性30022は、画像30023の画像フォーマット等である。画像30023は画像イメージそのものである。画像データ30030及び、画像ID30031、画像属性30032、画像30033に関しても、30020から30023の説明と同様である。
ストレージサーバ1005内では、1つの文書は1ファイルから構成され、複数のページ(画像)を持つことが可能である。1つの文書に対して1つのユニークな文書ID30011が存在する。
出力ジョブ30101は、履歴レコード30102を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル30110をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード30102は、文書ID30103を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル30110は、文書ID30111と各画像データ30120から構成される。文書ID30111と文書ID30103により、文書ファイル30110と履歴レコード30102のリンクが行われ、対応関係が表現される。
画像データ30120は、ステップS1106でストレージサーバ1005へ書き込まれるが、画像ID30121、画像ID30122、画像属性30123から構成され、画像30023や画像30033のような実画像は存在しない。画像ID30121及び画像ID30122は、実画像毎にユニークなIDである画像ID30021及び画像ID30022と同じ値を示し、そのことで出力した実画像が画像30023及び画像30033から構成されることを表している。画像属性30123は、画像30023及び画像30033の画像フォーマット等である。
図11のフローチャートで説明したNin1のレイアウト処理が行われると、画像30023及び画像30033の2つの画像が1ページにレイアウトされ出力されることになる。そして、そのレイアウト情報も画像属性30123に記録する。画像ID30121及び画像ID30122と画像ID30021及び画像ID30031による画像の参照情報記録という方式により、出力時にストレージサーバ1005への画像記録を伴わないため、記録量の削減及びジョブ実行速度の低下防止を図ることができる。また、画像属性30123へ出力ジョブ30101実行にともないNin1にレイアウト変更された画像の属性を記録することで、入力ジョブ30001の画像30023及び画像30033から変更された画像の縮小情報やレイアウト情報を表現できる。
以上説明したように、画像単位での参照情報管理という第3の実施形態の構成及び処理により、いつ、どこで、だれが、どのような処理をしたかを効率よく記録でき、ジョブ実行時の速度低下を最低限に抑え、かつ、セキュリティユニットに大量のジョブ実行記録を行うことが可能となる。また出力時に変更されたレイアウト情報の表現が可能となり、より正確な記録を残すことができる。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、1toNと呼ばれる出力形態をとるジョブの処理内容に関して説明する。1toNとは1ページの入力画像をNページに分割レイアウトして出力することである。この際、必要に応じて画像の拡大処理も行われる。尚、第4の実施形態での基本的なシステム構成図、及び基本的なシステムブロック図、及びセキュリティユニットの構成、履歴レコードの記録内容、ジョブ種類毎のデータフロー図、画像格納方法については、前述した第1の実施形態で説明した図1から図7で示される各図と同様であり、その説明は省略する。また、第4の実施形態に係るジョブタイプ7002が入力ジョブであるジョブ実行時の処理手順については、上記第2の実施形態で図8に示すフローチャートと同じであり、その説明は省略する。
図13は、本発明の第4の実施形態における1toNの出力形態をとるジョブ実行時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ジョブが開始されると、ジョブ開始時のログ記録を行う(ステップS1301)。ここでは、ログ記録に必要な領域を確保し履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードのうち現時点で確定している項目の書き込みを行う。特に、文書ID4021の項目は重要であり、ストレージサーバ1005へ格納される画像を文書単位で履歴管理サーバ1006に保存される履歴レコードと関連付けるための情報となる。尚現時点で不定な項目はジョブ終了時に書き込み処理を行う。また、ジョブ終了時に書き込む領域もここで確保しておく。
次に、ログが記録できたかどうかの判断を行う(ステップS1302)。その結果、ログ記録ができなかったり、必要な領域が確保できなかったりした場合(No)は、ステップS1312へ進み、ジョブの実行を継続せずに、ジョブの終了処理を行う。そして、ジョブの終了処理が終わるとフローチャートを抜ける。一方、ステップS1302の判断で必要領域の確保及びログ記録が正常に行うことができたと判断した場合(Yes)は、ステップS1303へ進む。
ステップS1303では画像データの入力待ちを行い、画像が入力されるとステップS1304へ進む。第4の実施形態で説明している1toNジョブは、出力ジョブであるため、ここでの入力はHDD2004からの画像読み出しになる。
ステップS1304では、1toNの分割処理を行う。この処理では、1ページ分の画像をNページに分割レイアウトする。ここでは一度にNページ分に分割せず、分割後のページにおいて1ページ分ずつ分割処理する。そして、分割後のページが1ページできた後にステップS1305へ進む。
ステップS1305では、分割レイアウト処理した1ページ分の画像の参照情報をストレージサーバ1005へ格納する。第4の実施形態において、画像の参照情報は画像単位で管理するため、以前に実行した同じ画像を入力処理した入力ジョブがストレージサーバ1005へ格納した画像の画像IDと同じIDをストレージサーバ1005に記録する。1toNジョブにおいては、1つの画像から複数の画像が作成されることになるため、ステップS1303で入力した画像を示す画像IDを記録する。この際、ステップS1304での分割レイアウト情報を画像属性として一緒に記録する。この属性情報により、該当画像の1toN情報が記録でき、後から同じ分割レイアウト構成の画像が容易に再現可能となる。このことにより、1toN出力ジョブで処理した画像の特定が可能となる。ステップS1305の処理が終わると、次にステップS1306へ進む。
次に、ステップS1306でストレージサーバ1005に格納できたかどうかの判断を行う。その結果、格納できた場合(Yes)はステップS1307へ進み、格納できなかった場合(No)はステップS1313へ進む。ステップS1313では、ジョブのキャンセル処理を行って、ステップS1310へ進む。この処理により、ストレージサーバ1005に格納できなかった画像が送信されたり、プリント出力されたりすることを防止することができる。
ステップS1307では、ステップS1304で分割レイアウト処理された画像の出力処理をする。実行しているジョブがプリントジョブの場合は、プリンタ2095へプリント出力処理を、送信ジョブの場合は、Network I/F2010やMODEM2050を使用した送信処理が行われる。ステップS1306でストレージサーバ1005への画像格納を確認しているため、プリントや送信される画像の参照情報及び画像属性は、必ずセキュリティユニットに格納され、後から容易に調査可能となる。ステップS1307の処理が終わると、ステップS1308へ進む。
ステップS1308では、ステップS1303で入力した画像についてステップS1304での分割処理が全て実行されたかどうかの判断を行う。その結果、所定の分割が完了している場合(Yes)はステップS1309へ進み、完了していない場合(No)はステップS1304へ戻って分割処理を継続する。
ステップS1309では、ステップS1307で出力した画像が最終ページかどうかの判断を行う。そして、最終ページであった場合(Yes)はステップS1310へ進み、最終ページではなかった場合(No)はステップS1302へ戻って次の画像の入力を待つ。
ステップS1310では、ジョブの終了待ちを行う。次いで、ステップS1311では、ジョブ終了結果4008等のステップS1301の時点では不定で書き込めなかった項目のログ記録処理を履歴管理サーバ1006に対して行う。そして、ログ記録が終わるとこのフローチャートを抜ける。
図14は、第4の実施形態における履歴管理サーバ1006とストレージサーバ1005への書き込み例を示す図である。図14において、入力ジョブ40001は、ジョブタイプ7002が入力ジョブであり、例えばFAX受信ジョブ7401である。出力ジョブ40101は、ジョブタイプ7002が出力ジョブであり、例えば受信プリントジョブ7601である。すなわち、出力ジョブ40101は入力ジョブ40001で入力した画像を出力するジョブである。
入力ジョブ40001は、履歴レコード40002を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル40010をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード40002は、文書ID40003を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル40010は、文書ID40011と各画像データ40020から構成される。文書ID40011と文書ID40003により、文書ファイル40010と履歴レコード40002のリンクが行われ、対応関係が表現される。画像データ40020はステップS805でストレージサーバ1005へ書き込まれ、画像ID40021、画像属性40022、画像40023から構成される。画像IDは、ページ毎にユニークなIDであり、画像属性40022は、画像40023の画像フォーマット等である。画像40023は、画像イメージそのものである。
ストレージサーバ1005内では、1つの文書は1ファイルから構成され、複数のページ(画像)を持つことが可能である。1つの文書に対して1つのユニークな文書ID40011が存在する。
出力ジョブ40101は、履歴レコード40102を履歴管理サーバ1006へ記録し、文書ファイル40110をストレージサーバ1005へ記録する。履歴レコード40102は、文書ID40103を含む図4で説明した項目により構成される。文書ファイル40110は、文書ID40111と各画像データ40120、40130、40140から構成される。文書ID40111と文書ID40103により、文書ファイル40110と履歴レコード40102のリンクが行われ、対応関係が表現される。
画像データ40120は、ステップS1305でストレージサーバ1005へ書き込まれる。尚、画像データ40120は、画像ID40121、画像属性40122から構成され、画像40023のような実画像は存在しない。画像ID40121は、実画像毎にユニークなIDである画像ID40021と同じ値を示す。画像属性40122は、画像40023の画像フォーマット等である。図13のフローチャートで説明した1toNの分割レイアウト処理が行われると、画像40023がNページに分割レイアウトされ出力されることになる。その分割レイアウト情報も画像属性40122に記録する。尚、本実施形態では、FAX受信ジョブ7401で受けた長尺1ページ画像を受信プリントジョブ7601で3分割してプリントした例となる。画像データ40120は、画像40023を3分割した後の1つ目の画像を示すことになる。
以下同様に、画像40023を3分割した後の2つ目の画像データが40130であり、3つ目の画像データが40140である。画像ID40131と画像ID40141は画像ID40021と同じ値を示す。画像属性40132及び画像属性40142は、画像40023の画像フォーマット情報とともに、ステップS1304で分割処理時に作成した分割レイアウト情報を記録する。
画像ID40121及び画像ID40131及び画像ID40141と画像ID40021による画像の参照情報記録という方式により、出力時にストレージサーバ1005への画像記録を伴わないため、記録量の削減及びジョブ実行速度の低下防止を図ることができる。また、画像属性40122及び画像属性40132及び画像属性40142へ出力ジョブ40101の実行に伴い、1toNにレイアウト変更された画像の属性を記録することで、入力ジョブ40001の画像40023から変更された画像の拡大情報や分割レイアウト情報を表現できる。
以上説明したように、画像単位での参照情報管理という第4の実施形態の構成及び処理により、いつ、どこで、だれが、どのような処理をしたかを効率よく記録でき、ジョブ実行時の速度低下を最低限に抑え、かつ、セキュリティユニットに大量のジョブ実行記録を行うことが可能となる。また出力時に変更されたレイアウト情報の表現が可能となり、より正確な記録を残すことができる。
<その他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、これらは、従来技術に比べて画像の保管に必要な記録容量が削減できるため、コストパフォーマンスが向上する。さらに、同一画像情報をリンク情報として保持するため、検索の容易性が向上する。画像や画像の参照情報とともに記録する画像の属性情報にレイアウト情報を記録するため、拡大や縮小や合成や分割といったレイアウト変更が行われても後から出力時の画像を再現可能となり、より正確な記録を残すことができる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。