JP4974225B2 - アクチュエータ - Google Patents

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この発明は、回転弁や直動弁など流体の流量を規制する流量規制機構を駆動するアクチュエータに関するものである。
従来より、この種のアクチュエータは、流量制御用のバルブや風量制御用のダンパなどの流量規制機構に組み付けられて用いられている。このアクチュエータでは、モータの回転力を減速機構を介して駆動軸へ伝達することにより、トルクを増加させてバルブやダンパなどの流量規制機構の開度制御を行う。なお、アクチュエータには、駆動軸にリターンスプリングを設けたタイプ(スプリングリターン型アクチュエータ)と、リターンスプリングの無いタイプ(ノンスプリングリターン型アクチュエータ)がある。スプリングリターン型アクチュエータでは、停電などによりアクチュエータへの電源が遮断された場合、モータと減速機構との間に設けられた電磁クラッチが切れ、リターンスプリングの復帰力によって強制的に駆動軸が回転され、流量規制機構が全閉又は全開とされる。
図8に従来のスプリングリターン型アクチュエータを備えた電動弁の一例を示す(例えば、特許文献1参照)。同図において、1は駆動軸、2は駆動軸1に付設されたリターンスプリング、3は減速機構、4は電磁クラッチ、5はモータ、6’は制御部、7は駆動軸1の動作位置に応じて流体の流量を規制する弁体(流量規制機構)、8は駆動軸1の動作位置を弁体7の現在の開度θpvとして検出する開度センサである。
この電動弁100’において、制御部6’は電源(例えば、AC24V)の供給を受けて動作し、モータ5に正転指令や逆転指令を送る。また、電磁クラッチ4へは制御部6’への電源が分岐して常時供給され、クラッチ接となり、モータ5の出力軸を減速機構3を介して駆動軸1に常時回転結合する。
これにより、モータ5の回転力が電磁クラッチ4および減速機構3を介して駆動軸1に伝達され、弁体7の開度制御が行われる。この場合、制御部6’は、弁体7の現在の開度θpvを指示される開度指令値(設定開度)θspに一致させるように、モータ5に正転指令や逆転指令を送る。なお、正転指令や逆転指令を受けた後、モータ5が停止すると、モータ5の保持トルクにより、駆動軸1は現在の動作位置を維持する。
停電などにより、電動弁100’への電源の供給が遮断されると、電磁クラッチ4への電源も断たれる。このため、電磁クラッチ4が断となり、モータ5のトルクが駆動軸1へ伝達されなくなり、リターンスプリング2の復帰力によって駆動軸1が閉方向あるいは開方向に動作し、弁体7が強制的に全閉(θ0 )あるいは全開(θ100 )とされる。この機能をスプリングリターン機能と呼んでいる。
この電動弁100’では、設定開度を指示した後に、一定時間経過しても実開度θpvが開度指令値θspに到達しないという現象が生じることがある。以下、この現象を「開度不一致」と呼ぶ。この開度不一致の原因としては、「異物噛み込み」、「弁固着」、「モータ駆動不良」などが考えられる。
例えば、「異物噛み込み」が生じた場合、途中まで動くが、閉方向か開方向のどちらかにおいて、実開度θpvが開度指令値θspに到達しない状態となる。このような現象を「故障A(第1の故障)」と呼ぶことにする。また、弁固着が生じたような場合、動作不能となり、閉方向と開方向の両方において、実開度θpvが開度指令値θspに到達しない状態となる。このような現象を「故障B(第2の故障)」と呼ぶことにする。故障Aや故障Bはモータ駆動不良によって生じることもある
このような「開度不一致」に対し、例えば、特許文献2では、弁体が全閉位置または全開位置とならない場合を異常と検知するようにしている。また、特許文献3では、電動弁内の異物噛み込みを過トルク検出スイッチで検知するようにしている。また、特許文献4では、「開度不一致」に類似する異常動作検出後に、開度調整動作を緊急停止を行うようにしている。
特開2002−174269号公報 特開2003−307280号公報 特開平5−106754号公報 特開平09−159047号公報
しかしながら、特許文献4では、異常動作が検出されると、開度調整動作が緊急停止されてしまう。すなわち、上述した故障A(第1の故障)のように、運用に耐え得る動作範囲が残されている状態である場合でも、即座に開度調整動作が停止されてしまい、開度制御を続けることができない。
また、特許文献2や特許文献3では、何れも正常でない状態を一律に異常と判断するのみで、上述した故障A(第1の故障)や故障B(第2の故障)の区別がなされず、現場に出向かないと故障種別の特定ができない。また、異常が生じてから本格的な対応処置までの応急処置としては、全ての異常に対して一律の応急処置しかとれない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、故障と診断されても、残されている運用可能な動作範囲を利用して、開度制御を続けることができるアクチュエータを提供することにある。
また、正常でない状態を一律に異常と診断するのではなく、故障の種別を区別して診断することができ、残されている運用可能な動作範囲を利用して、開度制御を続けることができるアクチュエータを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、流体の流量を規制する流量規制機構と、この流量規制機構の実開度を検出する実開度検出手段と、この実開度検出手段が検出する実開度を開度指令値に一致させるように流量規制機構の開度を制御する制御部とを備えたアクチュエータにおいて、制御部に、開度指令値への流量規制機構の開度制御の開始から終了までの所要の動作時間以上の所定時間経過後、流量規制機構の現在の実開度を故障診断動作開度としてチェックし、この故障診断動作開度が開度指令値の許容範囲内に到達していれば正常と診断し、開度指令値の許容範囲内に到達しておらず、開度制御の開始時の開度と故障診断動作開度との開度差が所定の開度幅を超えていた場合には、故障診断動作開度より先には動かない状態あるいは動作速度が遅くなり開度指令値に到達する前に前記所定時間が経過した状態として定義される第1の故障と診断し、所定の開度幅を超えていなかった場合には、現時点より閉方向にも開方向にも動作しない状態として定義される第2の故障と診断する故障診断手段と、故障診断手段が第1の故障と診断した場合にその時の故障診断動作開度を開度指令値の方向への限界値として流量規制機構の開度制御範囲を変更する開度制御範囲変更手段とを設けたものである。
この発明によれば、例えば、設定開度θspが変更されると、制御部は、変更指示された開度指令値θspnew への流量規制機構の開度制御を開始し、開度制御の開始から終了までの所要の動作時間(変更前の流量規制機構の開度θSTを開度指令値θspnew に合わせ込むまでに必要とされる動作時間)以上の所定時間TX経過後、流量規制機構の現在の実開度θpvを故障診断動作開度θXとしてチェックする。ここで、故障診断動作開度θXが開度指令値θspの許容範囲内に到達していれば、正常と診断する。開度指令値θspの許容範囲内に到達しておらず、開度制御の開始時の開度θSTと故障診断動作開度θXとの開度差Δθ(Δθ=|θX−θST|)が所定の開度幅θwを超えていた場合には、故障診断動作開度より先には動かない状態あるいは動作速度が遅くなり開度指令値に到達する前に所定時間TXが経過した状態として定義される第1の故障(故障A)と診断し、所定の開度幅θwを超えていなかった場合には、現時点より閉方向にも開方向にも動作しない状態として定義される第2の故障(故障B)と診断する。第1の故障(故障A)と診断した場合、制御部は、その時の故障診断動作開度θXを開度指令値θspnew の方向への限界値として流量規制機構の開度制御範囲を変更する。これにより、第1の故障である場合、すなわち運用に耐え得る動作範囲が残されている故障Aである場合、その残されている運用可能な動作範囲を利用して、開度制御を続けることが可能となる。
なお、本発明では、通常の開度制御において、流量規制機構の設定開度が変更される毎に、故障診断結果を得るようにしてもよいし、外部より故障診断指令を与え、その時の開度指令値を100%としたり、0%とするなどして、上述した診断結果を得るようにしてもよい。
本発明によれば、開度指令値への流量規制機構の開度制御の開始から終了までの所要の動作時間以上の所定時間(TX)経過後、流量規制機構の現在の実開度を故障診断動作開度としてチェックし、この故障診断動作開度が開度指令値の許容範囲内に到達していれば正常と診断し、開度指令値の許容範囲内に到達しておらず、開度制御の開始時の開度と故障診断動作開度との開度差(Δθ)が所定の開度幅(θw)を超えていた場合には、故障診断動作開度より先には動かない状態あるいは動作速度が遅くなり開度指令値に到達する前に所定時間(TX)が経過した状態として定義される第1の故障(故障A)と診断し、所定の開度幅(θw)を超えていなかった場合には、現時点より閉方向にも開方向にも動作しない状態として定義される第2の故障(故障B)と診断し、第1の故障と診断した場合にその時の故障診断動作開度を開度指令値の方向への限界値として流量規制機構の開度制御範囲を変更するようにしたので、正常でない状態を一律に異常と診断するのではなく、故障Aまたは故障Bというように故障の種別を区別して診断することができ、故障Aである場合、残されている運用可能な動作範囲を利用して、開度制御を続けることができるようになる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るアクチュエータの一実施の形態を含む電動弁故障診断システムの概略を示す図である。同図において、図8と同一符号は図8を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
この実施の形態において、アクチュエータを備えた電動弁100の制御部6は、図8に示した従来の電動弁100’の制御部6’とはその機能が一部異なっており、ネットワーク200を介して接続される遠隔監視装置300との通信機能を備えている。
また、この実施の形態において、電動弁100の流量規制機構である弁体7の通常の開度制御範囲は全閉(θ0 )〜全開(θ100 )までの開度範囲とされ、フェールセーフ方向を全閉方向とし、全閉位置θ0 がフェールセーフ位置θFSとされている。また、全閉位置θ0 がリターン動作終点位置θSRとして定められている。
なお、全閉位置θ0 よりも下位の位置にリターン動作終点位置θSRを定めたり、全開位置θ100 がフェールセーフ位置θFSとされたり、全開位置θ100 をリターン動作終点位置θSRとしたり、また、全開位置θ100 よりも上位の位置にリターン動作終点位置θSRを定めたりすることもある。
本実施の形態では、フェールセーフ位置θFS(リターン動作終点位置θSR)に弁体7の到達したことを検知するリミットスイッチLS1を設け、このリミットスイッチLS1の検知信号を制御部6へ送るようにしている。なお、全開位置θ100 をリターン動作終点位置θSRとしたり、フェールセーフ位置θFSとする場合には、全閉位置θ100 に弁体7が到達したことを検知するリミットスイッチ(図示せず)を設ける。
図2に電動弁100における制御部6のハードウェア構成の概略を示す。同図において、6−1はCPU、6−2はRAM、6−3はROM、6−4はAC/DC変換器、6−5〜6−8はインターフェイス、6−9はEEPROMなどの再書き込みが可能な不揮発性のメモリである。AC/DC変換器6−4は、電磁クラッチ4やモータ5への電源(AC24V)を分岐入力とし、この電源を直流電圧に変換して、CPU6−1,RAM6−2,ROM6−3,インタフェース6−5〜6−8、不揮発性のメモリ6−9に供給する。
CPU6−1は、RAM6−2や不揮発性のメモリ6−9にアクセスしながら、ROM6−3に格納されたプログラムに従って動作し、モータ5へ正転指令や逆転指令を送り、電磁クラッチ4にON指令やOFF指令を送る。ROM6−3には、本実施の形態特有のプログラムとして、故障診断プログラムが格納されている。
〔実施の形態1〕
以下、故障診断プログラムに従う故障診断処理動作の第1例(実施の形態1)について、図3および図4に分割して示したフローチャートを参照して説明する。なお、この故障診断処理動作に入る前の状態として、CPU6−1は、電磁クラッチ4をクラッチ接の状態として、弁体7の開度θpvを設定開度(前回の開度指令値)θspに一致させているものとする。
CPU6−1は、設定開度θspが所定幅以上変更されると(図3に示すステップ101のYES)、弁体7の現在の開度θpvを変更前の開度θSTとし(ステップ102)、また変更指示された開度指令値θspをθspnew とし(ステップ103)、変更前の開度θSTと変更指示された開度指令値θspnew との関係から開度指令値θspnew への弁体7の開度制御の開始から終了までの所要の動作時間TS以上の所定時間TXを定める(ステップ104)。この例では、所要の動作時間TSに一定時間αをプラスした時間を所定時間TXとする。
次に、CPU6−1は、弁体7の現在の開度θpvを開度指令値θspnew へ一致させるように、モータ5に正転指令や逆転指令を送る(ステップ105)。これにより、モータ5の回転力が電磁クラッチ4および減速機構3を介して駆動軸1に伝達され、弁体7の開度指令値θspnew への開度制御が開始される。
また、CPU6−1は、この弁体7の開度指令値θspnew への開度制御の開始と同時に、タイマの計時を開始する(ステップ106)。そして、このタイマのタイマ時間TMがステップ104で定めた所定時間TXを超えた時点で(ステップ107のYES)、すなわち弁体7の開度指令値θspnew への開度制御の開始から所定時間TX経過後、その時の弁体7の開度θpvを故障診断動作開度θXとして読み取る(ステップ108)。
そして、この読み取った故障診断動作開度θXと開度指令値θspnew との差の絶対値が開度指令値θspnew を中心とした開方向及び閉方向の許容範囲β以下であるか比較し(ステップ109)、この条件を満たしていれば(ステップ109のYES、図5に示す矢印(1)参照)、「正常」と診断し(ステップ110)、故障診断処理を終了する。
一方、ステップ109の条件を満たしていなければ(ステップ109のNO)、開度指令値θspnew が変更前の開度θSTより大きいか比較し(ステップ111)、この条件を満たす場合(ステップ111のYES)、ステップ112に進み、θspnew −θXが許容範囲βを超えているか比較する。
ステップ112の条件を満たさない場合(ステップ112のNO)は、故障診断動作開度θXが開度指令値θspnew を中心とした開方向の許容範囲βを超えてオーバーシュートした場合であるので(図5に示す矢印(4)参照)、「正常」とは区別して「オーバーシュート」と診断し(ステップ113)、故障診断処理を終了する。ただし、この「オーバーシュート」は制御パラメータ等が不適切で生じたものであって、制御パラメータを適切に調節することで容易に「正常」に復帰させることが可能であり、また、開度指令値θspnew には到達したのであるから、故障扱いにする必要はない。
一方、ステップ112の条件を満たす場合は、CPU6−1は「開度不一致」と判断し、後述のステップ116に進む。
遡って、ステップ111の条件を満たさない場合(ステップ111のNO)は、ステップ114に進み、θX−θspnew が許容範囲βを超えているか比較する。
ステップ114の条件を満たさない場合(ステップ114のNO)は、故障診断動作開度θXが開度指令値θspnew を中心とした閉方向の許容範囲βを超えてオーバーシュートした場合であるので、「正常」とは区別して「オーバーシュート」と診断し(ステップ115)、故障診断処理を終了する。ただし、この「オーバーシュート」は制御パラメータ等が不適切で生じたものであって、制御パラメータを適切に調節することで容易に「正常」に復帰させることが可能であり、また、開度指令値θspnewには到達したのであるから、故障扱いにする必要はない。
一方、ステップ114の条件を満たす場合は、CPU6−1は「開度不一致」と判断し、後述のステップ116に進む。
なお、「開度不一致」の原因としては、「異物噛み込み」、「弁固着」、「モータ駆動不良」などが考えられ、その故障の種別として「故障A(第1の故障)」と「故障B(第2の故障)」が挙げられる。故障Aでは、弁体7は途中まで動くが、実開度θpvが開度指令値θspnew に到達しない。故障Bでは弁体7が殆ど動かない。
そこで、本実施の形態では、故障Aと故障Bとを区別するための所定の開度幅θwを定め、この開度幅θwと開度制御の開始時の開度θSTと故障診断動作開度θXとの開度差Δθ(Δθ=|θX−θST|)とを比較する(ステップ116)ことにより、「開度不一致」の状態が故障Aであるのか、故障Bであるのかを判断するようにする。
この場合、CPU6−1は、開度差Δθが所定の開度幅θwを超えていれば(ステップ116のYES、図5に示す矢印(2)参照)、「故障A」と診断し、その診断結果をインタフェース6−8を介し、ネットワーク200を経由して、遠隔監視装置300へ通知する(ステップ117)。
これに対し、開度差Δθが所定の開度幅θwを超えていなければ(ステップ116のNO、図5に示す矢印(3)参照)、CPU6−1は、「故障B」と診断し、その診断結果をインタフェース6−8を介し、ネットワーク200を経由して、遠隔監視装置300へ通知する(ステップ118)。
これにより、遠隔監視装置300側では、電動弁100の「開度不一致」の状態を故障Aと故障Bに区別して知ることができ、その状況に応じた対処をすることが可能となる。
〔故障Aと診断した場合〕
CPU6−1は、故障Aと診断すると(ステップ116のYES)、その診断結果を遠隔監視装置300へ通知するとともに(ステップ117)、その時の故障診断動作開度θXを開度指令値θspnew の方向への限界値として弁体7の開度制御範囲を変更する(図4に示すステップ119)。
例えば、開度指令値θspnew が開方向への指令値であった場合、CPU6−1は、その時の故障診断動作開度θXを開方向への限界値とし、全閉位置θ0 から故障診断動作開度θXまでの開度範囲を弁体7の開度制御範囲とする(図6(a)参照)。開度指令値θspnew が閉方向への指令値であった場合、CPU6−1は、その時の故障診断動作開度θXを閉方向への限界値とし、全開位置θ100 から故障診断動作開度θXまでの開度範囲を弁体7の開度制御範囲とする(図6(b)参照)。
なお、開方向、閉方向ともに故障Aと診断された場合には、図6(c)に示すように、開方向の故障診断動作開度θX1と閉方向の故障診断動作開度θX2とによって、弁体7の開度制御範囲が規制される。
CPU6−1は、開度制御範囲を変更した場合、その開度制御範囲内における設定開度の指定については、通常通り弁体7の開度制御を行う。これに対し、開度制御範囲外における設定開度の指定については、弁体7を動作させないことで、モータ5の電力消費を抑える。
本実施の形態において、故障Aと診断される状態として、次の2つの場合がある。
(1)異物により故障診断動作開度θXより先には全く動かず、開度指令値θspnew に到達しない場合.
(2)動いているのだが、異物により動作速度が遅くなり、開度指令値θspnew に到達する前に所定時間TXが経過する場合.
上記(1),(2)の何れの状態においても、運用に耐え得る動作範囲が残されている状態であるので、緊急停止や強制全閉/全開動作をさせる状況に至っていない。本実施の形態では、故障Aと診断した場合、即時に緊急停止や強制全閉/全開をするのではなく、開度制御範囲を変更することにより、残されている運用可能な動作範囲にて、現状保持する能力を最大限に利用する。
開度制御範囲を変更した後、CPU6−1は、不揮発性のメモリ6−9から故障Aの発生回数NAを読み出し、この故障Aの発生回数NAを1カウントアップし(ステップ120)、このカウントアップした故障Aの発生回数NAを不揮発性のメモリ6−9に更新保持する(ステップ121)。なお、この場合、不揮発性のメモリ6−9には、工場出荷段階で故障Aの発生回数NAとして0が格納されているものとする。これにより、故障Aの発生回数NAをメンテナンス情報として、定量的に取り扱うことが可能となる。
〔故障A解消動作〕
図3および図4に分割して示したフローチャートでは、開度指令値θspnew への開度制御の開始から所定時間TX経過後に故障診断動作開度θXを読み取り、この読み取った故障診断動作開度θXが開度指令値θspnew に到達しておらず(ステップ112のYESまたはステップ114のYES)、その時の開度差Δθが所定の開度幅θwを超えていれば(ステップ116のYES)、故障Aと診断し、直ちにその診断結果を遠隔監視装置300に通知するようにした。
しかし、故障Aの場合、例えば異物を取り除くことによって、その異常状態が解消されることがある。そこで、別の方法として、故障Aと診断した場合、一旦制御動作方向と逆に動作させて再度制御方向へ動作させることにより、故障Aの解消を図るように試みるようにすることが考えられる。
例えば、図7に矢印(0)で示すように、最初の制御動作により故障Aと診断された場合、開度指令値θspnew への方向とは逆方向に弁体7をある一定量戻す(矢印(1))。その後、再度、開度指令値θspnew へ向けて制御動作を開始する。再度、故障Aと診断される場合は、開度指令値θspnew への方向とは逆方向に弁体7をある一定量戻す(矢印(2))。このような動作をn回まで繰り返す。
ここで、弁体7を開度指令値θspnew の方向とは逆方向へ動作させることを「解消動作」と定義した場合、最大n回の解消動作における解消動作時間(逆方向へ動作させる時間)をそれぞれ設定可能とし、故障Aの状況に応じてn種類の解消動作を試みる。この解消動作によって、異物が動いたり、異物が粉砕されたりして、故障Aが解消されることがある。この解消動作によって、故障Aが解消された場合には、効果があったことを不揮発性のメモリ6−9に記録する。効果が現れず、故障Aの状態が継続する場合には、弁体7の開度制御範囲を変更する。
〔故障Bと診断した場合〕
本実施の形態において、異物噛み込み、弁固着、モータ駆動不能(断線)などにより、現時点より閉方向にも開方向にも動作しない場合、故障Bと診断される。
この場合は、アクチュエータがスプリングリターン型であれば、スプリングリターン動作をさせることによって、弁体7を動かすことが可能な場合がある。また、アクチュエータがノンスプリングリターン型の場合は別途駆動装置を用意して、この駆動装置により強制動作させることで弁体7を動かすことが可能な場合がある
CPU6−1は、故障Bと診断すると(ステップ116のNO)、その診断結果を遠隔監視装置300へ通知するとともに(ステップ118)、先ず、フェールセーフ方向にモータ5を駆動する(ステップ122)。
この駆動によって、モータ5が回転し、弁体7が動き、フェールセーフ位置θFSに達すると、リミットスイッチLS1がONとなる。この場合、CPU6−1は、リミットスイッチLS1がONとなった時点で(ステップ123のYES)、モータ5への電源の供給を遮断する(ステップ128)。これにより、モータ5の駆動が停止され、以降の電力の無駄な消費が防がれる。
これに対し、ステップ122でモータ5を駆動しても、弁体7が動かなければ、所定時間T1が経過してもリミットスイッチLS1がONとならないことを確認して(ステップ124のYES)、電磁クラッチ4を断とする(ステップ125)。なお、この場合、アクチュエータはスプリングリターン型であるとする。これにより、モータ5のトルクが駆動軸1へ伝達されなくなり、スプリングリターン動作が開始される。
このスプリングリターン動作によって、弁体7が強制的に動かされ、リターン動作終点位置θSR(フェールセーフ位置θFS)に達すると、リミットスイッチLS1がONとなる。この場合、CPU6−1は、リミットスイッチLS1がONとなった時点で(ステップ126のYES)、モータ5への電源の供給を遮断する(ステップ128)。これにより、モータ5の駆動が停止され、以降の電力の無駄な消費が防がれる。
スプリングリターン動作の開始後、所定時間T2が経過してもリミットスイッチLS1がONとならない場合(ステップ127のYES)、CPU6−1は、弁体7を動かすことは困難であると判断し、モータ5への電源の供給を遮断する(ステップ128)。これにより、モータ5の駆動が停止され、以降の電力の無駄な消費が防がれる。
なお、この実施の形態では、リターン動作終点位置θSRとフェールセーフ位置θFSとを同じとしたが、リターン動作終点位置θSRとフェールセーフ位置θFSとが異なる場合もあり、この場合はそれぞれの位置を検出するためのリミットスイッチを設けて、上述したと同様の処理動作を行わせるようにする。
また、故障Aや故障Bと診断された場合、その時の故障診断動作開度θXと開度指令値θspnew を対応して不揮発性のメモリ6−9に記録するようにしてもよい。これにより、故障Aと診断した際の動作方向を把握したり、故障Aや故障Bの履歴を確認したりすることができる。
また、上述した実施の形態1では、設定開度θspが所定幅以上変更される毎に故障診断を行うようにしたが、遠隔監視装置300から故障診断指令を電動弁100へ与え、その時の開度指令値を100%としたり、0%とするなどして、故障診断結果を得るようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、所要の動作時間TSに一定時間αをプラスした時間を所定時間TXとして定めたが、所要の動作時間TSを所定時間TXとして定めるようにしてもよく、弁体7の開度を全閉位置θ0 から全開位置θ100 とするまでに要する最大動作時間を所定時間TXとして定めたりするようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、電磁クラッチ4を断とし、リターンスプリング2の復帰力によって、弁体7をリターン動作終点位置θSRに戻すようにしたが、リターンスプリング2の復帰力ではなく、例えば油圧や空気圧などによって弁体7をリターン動作終点位置θSRに戻すようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、電動弁100の故障診断を行うものとして説明したが、油圧によって弁体を駆動する油圧弁、空気圧によって弁体を駆動する空気圧弁、回転弁や直動弁など、流体の流量を規制する弁体を駆動する多種多様のアクチュエータについて、同様にして故障診断を行うことが可能である。
また、上述した実施の形態1では、電動弁100をネットワーク200を介して遠隔監視装置300と接続した構成としたが、電動弁100に表示部を設け、この表示部に故障診断結果を表示するようにしてもよい。
本発明に係るアクチュエータの一実施の形態を含む電動弁故障診断システムの概略を示す図である。 この電動弁故障診断システムにおける電動弁の制御部のハードウェア構成の概略を示す図である。 この電動弁の制御部が実行する故障診断プログラムに従う故障診断処理動作の第1例(実施の形態1)を示すフローチャートである。 図3に続く故障診断処理動作を示すフローチャートである。 実施の形態1の故障診断処理動作において故障Aと故障Bとが区別して診断される様子を示す図である。 故障Aと診断された場合の開度制御範囲の変更例を示す図である。 故障Aと診断された場合の故障A解消動作を説明する図である。 従来の電動弁の一例を示す図である。
符号の説明
1…駆動軸、2…リターンスプリング、3…減速機構、4…電磁クラッチ、5…モータ、6…制御部、6−1…CPU、6−2…RAM、6−3…ROM、6−4…AC/DC変換器、6−5〜6−8…インターフェイス、6−9…不揮発性のメモリ、7…弁体、8…開度センサ、100…電動弁、200…ネットワーク、300……遠隔監視装置。

Claims (1)

  1. 流体の流量を規制する流量規制機構と、この流量規制機構の実開度を検出する実開度検出手段と、この実開度検出手段が検出する実開度を開度指令値に一致させるように前記流量規制機構の開度を制御する制御部とを備えたアクチュエータにおいて、
    前記制御部は、
    前記開度指令値への前記流量規制機構の開度制御の開始から終了までの所要の動作時間以上の所定時間経過後、前記流量規制機構の現在の実開度を故障診断動作開度としてチェックし、この故障診断動作開度が前記開度指令値の許容範囲内に到達していれば正常と診断し、前記開度指令値の許容範囲内に到達しておらず、前記開度制御の開始時の開度と前記故障診断動作開度との開度差が所定の開度幅を超えていた場合には、前記故障診断動作開度より先には動かない状態あるいは動作速度が遅くなり前記開度指令値に到達する前に前記所定時間が経過した状態として定義される第1の故障と診断し、所定の開度幅を超えていなかった場合には、現時点より閉方向にも開方向にも動作しない状態として定義される第2の故障と診断する故障診断手段と、
    前記故障診断手段が前記第1の故障と診断した場合にその時の前記故障診断動作開度を前記開度指令値の方向への限界値として前記流量規制機構の開度制御範囲を変更する開度制御範囲変更手段と
    を備えることを特徴とするアクチュエータ。
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