JP4971994B2 - 増大した少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶を製造するプロセス - Google Patents

増大した少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶を製造するプロセス Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2004年12月22日に出願された仮出願番号No.60/639,154の優先権を主張するものであり、この仮出願は、参照することによって、全体がここに含まれるものとする。
[政府所有権の表示]
本発明は、ONR契約No.N00014−02−C−0302に基づいて開発された。政府は、本発明に一定の権利を有する。
[発明の分野]
本発明は、炭化珪素結晶を製造するプロセスに関し、さらに詳細には、増大した少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶の製造に関する。
半導体装置は、破損することなく高電流および/または高電圧に適応することがますます必要とされている。多くの高パワー用途では、スイッチオンの時には大電流を導通させ、スイッチオフの時には高電圧を阻止することが必要とされる半導体スイッチの使用が望まれている。珪素(Si)は、多くの半導体用途に対する最適な材料とされてきたが、その基本的な電子構造と特性によって、特定の限界を超える利用が阻まれている。従って、パワーデバイスに対する興味は、珪素から他の材料、例えば、炭化珪素(SiC)に切り替わってきている。
炭化珪素は、半導体に有用な種々の物理的および電子的性質、例えば、広バンドギャップ、高熱伝導率、低誘電率、高温安定性、および高電場絶縁破壊を有する。その結果、炭化珪素材料は、珪素から製造される装置よりも高温、高電力、および高周波数で作動することができる電子装置の製造を理論的に可能にするはずである。
一例として、SiCは、珪素と比べて広いバンドギャップによって、珪素よりも一桁大きい「臨界電場」、すなわち、絶縁破壊せずに耐えることができる材料のピーク電場を呈することができる。これは、極めて高いドーピングを可能とし、極めて薄いドリフト層であっても所定の阻止電圧を可能とし、その結果、極めて低い固有のオン抵抗をSiC基装置にもたらすことができる。しかし、SiCは、珪素よりも極めて高い破壊電場を有するが、空孔および電子の移動度が低く、少数キャリアライフタイムが短い。これは、電圧が高くなると、装置の阻止電圧に悪影響を及ぼす可能性がある。
従来から、半導体用途向けの結晶性炭化珪素を形成するのに、大きく分けて、2つの技術が用いられている。これらの技術の1つは、適切な反応ガスをシステムに導入し、適切な基板上に炭化珪素結晶を形成することによって、炭化珪素結晶をエピタキシャル成長させる方法である。エピタキシャル成長したSiC結晶は、一般的に、種々のパワーデバイス用途に適する少数キャリアライフタイムを呈することができる。このようなパワーデバイスの操作電圧の要求が、例えば、約10キロボルト(kV)付近、さらにそれ以上まで大きくなると、パワーデバイスは、その破損を防ぐのに不可欠な阻止電圧をもたらすために、ますます厚い炭化珪素層を必要とする。しかし、適切な厚みのエピタキシャル成長SiC結晶の製造は、現状では、費用効率が低い。さらに、エピタキシャル成長は、このような結晶を製造するのに多大の時間を必要とするので、望ましくない。
SiC材料を製造する他の主要な技術は、炭化珪素原料(通常は、粉末)が出発材料として用いられる物理的気相成長法(PVT)とも呼ばれる昇華成長法である。炭化珪素出発材料は、昇華するまで、坩堝内で加熱される。昇華した材料は、強制的に凝縮され、所望の結晶を生成する。この方法は、炭化珪素の種結晶を坩堝内に導入し、坩堝を原料の温度よりも低い温度に加熱することによって、達成されてもよい。このような種結晶を導入する昇華技術を用いて、半導体用途の結晶性炭化珪素を生成する方法を記載する先駆的な特許として、1989年9月12日に発行されたデービス(Davis)らに付与された米国特許第4,966,005号が挙げられる。この特許は、米国特許第Re.34,861号として、1995年2月14日に再発行されている。これらの特許は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
種結晶が導入される昇華技術を用いるSiCの製造は、エピタキシャル成長SiCと比べて、コストと時間の利点をもたらすことができる。しかし、前述したように、バルクSiC単結晶は、比較的短い少数キャリアライフタイムを有することがある。従って、これらの材料は、典型的には、一部の用途、例えば、パワーデバイスへの使用には適していない。
従って、このような材料を含む半導体装置の大規模な製造を容易にするために、費用効率と時間効率の良い手法によって、増大した少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶を製造することが、必要とされている。
本発明は、増大した少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素を製造するプロセスを含む。本発明のこのプロセスは、炭化珪素結晶内に存在する多くの固有欠陥、その結果として生じる深準位状態を、「成長されたまま」の炭化珪素結晶と比較して、制御して減少させる。深準位状態は、半導体材料内において、少数キャリア再結合中心として作用する可能性がある。本発明者らは、本発明のプロセスによって結晶内の少数キャリア再結合中心の濃度を減少させることによって、増大した少数キャリアライフタイムを有する材料が得られることを見出している。
本発明は、少数キャリア再結合中心の第1の濃度を有する炭化珪素結晶を加熱するステップを含む。一般的に、この加熱ステップは、不活性雰囲気内において、この結晶をその成長温度よりも高い温度で約1時間以下にわたって加熱することを含む。有利には、この結晶は、約2400℃から約2700℃の範囲の温度、最も有利には、約2600℃に加熱される。
その後、加熱された結晶は、充分に緩慢な速度で冷却され、これによって、第1の濃度よりも低い濃度の少数キャリア再結合中心を冷却された結晶内にもたらす。この冷却ステップは、例えば、加熱された炭化珪素結晶を約2℃/分以下の速度で約1400℃から約1000℃、有利には、約1200℃に冷却し、次いで、約2℃/分から約10℃/分の速度で室温に冷却することを含むことができる。本発明のどのような記述または理論をも制約するものではないが、本発明者らは、現状では、結晶をこのように加熱し、緩慢に冷却することによって、結晶内に存在する少数キャリア再結合中心の少なくとも一部をなくすことができる、と確信している。また、本発明は、このプロセスによって作製される炭化珪素結晶も含む。得られる炭化珪素結晶、特に、昇華技術によって製造されたバルク炭化珪素単結晶は、「成長されたまま」の結晶と比較して、増大した少数キャリアライフタイムを呈することができる。本発明の結晶は、例えば、少なくとも約1μ秒(マイクロ秒)、少なくとも約4μ秒、および少なくとも約30μ秒、さらにそれよりも長い少数キャリアライフタイムを呈することができる。
本発明は、増大した少数キャリアライフタイムを呈する炭化珪素結晶を含むパワーデバイスのような半導体装置を製造するプロセスをさらに含む。また、本発明は、2003年10月16日に「ブール(boule)成長した炭化珪素によるドリフト層を用いてパワー半導体デバイスを形成する方法および該方法によって形成されるパワー半導体デバイス」の表題で出願された本譲渡人に譲渡された同時係属中の出願番号No.10/686,795(代理人ドケット番号No.5308−286)に記載されているような、処理された炭化珪素結晶を少なくとも1つの要素として備える装置も含む。この特許は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
以上、本発明を一般的な用語で説明したが、以下、添付の図面について説明する。なお、これらの図面は、必ずしも縮尺通りではない。
以下、本発明の実施形態の全てではないが、いくつかの実施形態が示される添付の図面を参照して、本発明をさらに充分に説明する。実際、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、ここに述べる実施形態に制限されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示内容が適用される法的要件を満足するように、提供されるものである。全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を指すものとする。
ここで用いられると共に当技術分野においても知られている「少数キャリア再結合中心」という用語は、固有欠陥またはその関連物の存在によって、成長プロセス中に、炭化珪素結晶内に生成される再結合中心を指す。固有欠陥は、バルク成長した炭化珪素材料内およびエピタキシャル成長した炭化珪素材料内に生じる可能性がある。固有欠陥は、当技術分野において、「点欠陥」とも呼ばれ、少なくとも1つの固有の成分、例えば、格子間欠陥、空孔、アンチサイト(anti-site)欠陥、およびこれらの複合欠陥、並びにこれらと残留不純物との複合欠陥を含む全ての欠陥を含む。
ここで用いられる「結晶」という用語は、ブール、バルク単結晶、ウエハ、基板、およびエピタキシャル層、例えば、制限はされないが、CVD技術、HTCVD技術、LPE技術、およびハライドCVD技術によって作製されるエピタキシャル層を含む。
本発明のプロセスは、少数キャリア再結合中心の第1の濃度を有する炭化珪素結晶を高温に加熱することを含む。一般に、炭化珪素結晶は、その結晶が成長する温度よりも高い温度に加熱される。一例として、この結晶を、適切な原料ガスから炭化珪素をエピタキシャル成長させるのに必要とされる温度よりも高い温度に加熱することができる。他の例として、この結晶を、典型的なPVT成長条件下で炭化珪素を昇華させるのに必要な温度よりも高い温度に加熱することができる。
次いで、本発明のプロセスは、加熱された結晶を、冷却された結晶内の少数キャリア再結合中心の濃度を第1の濃度よりも低下させるのに充分に緩慢な速度で、通常は、室温に近い温度まで冷却することを含む。換言すると、このプロセスは、加熱された結晶を、欠陥(加熱ステップによって生じたものを含む)が充分に移動して結晶内に再焼鈍される温度範囲内に滞在する時間を増大させるのに充分に緩慢な速度で、室温に近い温度まで冷却し、これによって、このように加熱および冷却されない同じように成長した炭化珪素結晶における点欠陥に関連する深準位状態の濃度よりも低いこのような状態の濃度を有する炭化珪素結晶を生じさせるステップを含む。
このように、本発明は、炭化珪素内の少数キャリア再結合中心の濃度を充分に減少させるので、通常の半導体処理および装置製造の後、その残留している濃度に依存して、この材料は、所望の増大した少数キャリアライフタイムを呈する。炭化珪素の性質に精通している者であれば、この要件を満たすような特定の数、すなわち、特定濃度の少数キャリア再結合中心が存在しないことを認めるだろう。それに代わって、本発明の目的は、SiC格子における少数キャリア再結合中心の濃度を最小限に抑え、これによって、得られる材料の少数キャリアライフタイムを増大させることにある。
出発結晶として、高純度のものが有利であり、このような結晶は、米国特許第RE34,861号(米国特許第4,866,005号として再発行)に記載されているような種結晶が導入される昇華技術によって製造することができる。代替的に、出発原料は、当技術分野において周知のエピタキシャル成長によって製造されるエピタキシャル層であってもよい。ここで用いられる「高純度」という用語は、比較的低レベルのドーパントを含む出発炭化珪素結晶、例えば、1E17(1×1017)cm-3未満のドーパント濃度を有する出発炭化珪素結晶を指す。
有利には、結晶がバルク成長炭化珪素単結晶の形態にあるとき、この結晶は、大気圧下で、少なくとも約2400℃、例えば、約2400℃から約2700℃、有利には、約2600℃の温度に加熱される。一般的に、この結晶は、その所望の性質が実質的に損なわれるかまたは劣化する温度を超えて加熱されることはない。温度の上限は、変動し得るが、大気圧下で作動する比較的標準的な機器を用いるときには、一般的に約2700℃である。この分野において通常の技術を有する者であれば、珪素と炭素の雰囲気で覆うような付加的な機器および技術、または所望の結晶特性の劣化がさらに一層高温度で統計的に著しく生じるのを妨げる他の高圧技術を用いることによって、過度の実験を行なうことなく、より高温での加熱を実施することができるだろう。他の例として、結晶が1つまたは複数の炭化珪素エピタキシャル層の形態にあるとき、この結晶も、所望の特性が実質的に損なわれるかまたは劣化する温度を超えて加熱されない限り、その成長温度よりも高い温度、例えば、1600℃を超える温度、有利には、約1600℃から約2700℃の範囲内、さらに有利には、約2600℃に加熱される。
温度を少なくとも約2400℃以上に上昇させる目的を、熱力学的に説明することが可能である。本発明のどのような説明をも制約するものではないが、成長したままの結晶内の固有欠陥およびその複合物が、少数キャリアの再結合中心として作用すると、現状では考えられている。また、これらの状態にある結晶の加熱によって、結晶性構造内の固有欠陥が効果的に改変され、その結果、複合欠陥のより小さい動きやすい成分への破断によって、少数キャリア再結合中心の濃度が改変されると、現状では考えられている。一例として、この結晶を、固有欠陥および/または固有欠陥の複合物を結晶構造内で自由に動き回れるように解離するのに充分な高い温度に加熱することができる。本発明によってこの加熱された結晶を適切に冷却することによって、解離された欠陥が再結合するのを最小限に抑えるかまたは防ぐことができる。得られた結晶は、低濃度の固有欠陥、従って、低濃度のキャリア再結合中心を有するので、増大した少数キャリアライフタイムを呈することができる。
冷却ステップは、重要な意味を有する。何故なら、結晶が中間温度範囲、例えば、約1400℃を超える温度で充分な時間にわたって滞在することによって、この結晶は、所望の焼鈍過程を受け、これによって、結晶構造が規則化するにつれて、固有欠陥状態が消滅する(または機能的に無視できる数に低減される)平衡状態または近平衡状態に達することができると、考えられるからである。これは、得られた結晶に所望の特性をもたらすために、重要である。何故なら、一般的に、欠陥を解離するのに充分な温度に結晶を加熱すると、少なくとも当初において、熱力学の法則によって、より不規則な結晶構造が生じると共に、エントロピーがこれらの高温において大きくなるからである。加熱された結晶を余りにも急速に冷却すると、解離した欠陥が結晶格子内において規則正しく定置する前により不規則な状態で固結することによって、より不規則な結晶が生じることになる。
加熱ステップ中、結晶は、結晶内に所望の数の欠陥状態をもたらす所望の熱平衡または近熱平衡を得るのに充分な時間にわたって、高温で保持される。前述したように、固有欠陥の全濃度は、高温において増加しがちであるが、複合欠陥が破断する可能性も増加するので、その結果、少数キャリア再結合中心を低減させる。これは、低温では生じることがないであろう。結晶は、言葉の最も適切なまたは限定された意味での完全な平衡に至ることを必要とされていないが、この用語は、結晶が所定の温度に達し、所望の数の欠陥状態を低減するのに充分な時間にわたってその温度に保持される状態を述べるために、ここでは用いられる。一般的に、結晶は、高温において少なくとも約1時間にわたって保持される。
結晶は、当技術分野において周知の誘導電気加熱炉のような炭化珪素結晶を加熱するどのような適切な装置を用いて、加熱されてもよい。誘導電気加熱炉内で加熱されるとき、結晶を冷却するステップは、誘導コイルへの電力を低減させることを含んでもよい。誘導電気加熱炉および半導体製造におけるこの誘導電気加熱炉の操作方法は、当技術分野において一般的によく知られ、過度な実験をすることなく、本発明に含まれる。従って、特定の誘導電気加熱炉は、本発明にとって不可欠ではないので、ここでは、これ以上詳細には述べない。加えて、他の種類の加熱も、過度の実験をすることなく、当業者によって用いられてもよい。
結晶は、固有欠陥の所望の状態をもたらすように選択された温度で所望の期間にわたって加熱された時点で、欠陥が消失するかまたは再焼鈍されて結晶格子内に規則正しく配置されるのに充分な程度の移動が可能な所望の温度範囲内において、充分な期間にわたって滞在することが可能となるように、冷却される。例えば、有利には、結晶は、約2℃/分以下の速度で、約1400℃から約1000℃の間の温度、有利には、約1200℃に冷却され、次いで、約2℃/分から約10℃/分の速度で、室温に冷却される。
熱力学および材料、特に、比較的高温時の材料の加熱および冷却に精通する者にとっては、冷却の速度が冷却プロセスの全体を通して一定である必要もなく、正確である必要もないことが理解されるだろう。換言すれば、結晶が冷却される間、特に、結晶が著しい速度で再焼鈍が生じる温度範囲内で冷却される間、冷却速度は、望ましくは、約2℃/分以下であるべきである。一般的によく知られている熱力学的な理由から、放熱、従って、冷却速度は、結晶が最高温度から冷却されるときに最も急速である傾向にあり、結晶がより低温に近づいて到達するときに緩やかになる傾向にある。特に、いったん結晶が大きい比率で再焼鈍が生じる温度範囲よりも低い温度に冷却されたなら、冷却速度が速くなっても、どのような機能的な欠点も生じることがない。従って、個々の結晶を冷却するとき、その結晶が冷却される速度を、本発明のプロセスの利点を活かしながら、前述の範囲内において変更することができる。
充分に緩慢な冷却速度によって、結晶は、固有欠陥が焼鈍されて結晶が充分に規則化される温度範囲において、充分に長い時間にわたって滞在し、これによって、欠陥状態の数を、所望の少数キャリアライフタイムをもたらすのに必要な数よりも小さい数に減少させることができる。過度に急速な冷却速度は、極めて不規則な結晶性構造を有する材料を作製する可能性がある。このような材料は、増大した少数キャリアライフタイムを必要とする本発明の用途には、望ましくない。
本発明の冷却ステップは、受動的なステップと能動的なステップの両方を含むことができる。第1のステップとして、加熱炉への電力を低減する。結晶が加熱された比較的高温では、最初の放熱は、輻射によるものである。温度が低くなると、伝導冷却機構および対流冷却機構がより重要になる。従って、冷却速度をさらに促進し、かつ制御するために、不活性ガス、典型的には、アルゴンを加熱室に流入させてもよい。加えて、結晶およびその結晶が接触して置かれている材料の熱質量が、冷却速度の制御を補助するために用いられてもよい。従って、冷却速度を、誘導コイル(または抵抗加熱のような当技術分野でよく知られている他の関連する加熱機構)への電力を調整し、冷却ガスを炭化珪素結晶の周囲および真上に流し、結晶およびその周辺、すなわち、ヒートシンクの熱質量を調整することによって、制御することができる。これらは、熱力学的な条件なので、本発明によって決定的に重要な意味を有しない多数の異なる方法で対処されてもよく、過度の実験をすることなく、当業者によって実施されてもよい。
本発明は、成長したエピタキシャル層を有するかまたは有していない基板ウエハまたは単結晶ブールに対して実施される。本発明によって処理された結晶をさらに加工することによって、例えば、処理されたブールを薄切りにして炭化珪素ウエハを得て、この薄切りされたウエハに所望の用途に適した材料の1つまたは複数の付加的な層を堆積させることによって、所望の装置を製造する。代替的に、このプロセスは、単結晶ブールを薄切りにして炭化珪素ウエハを得て、この薄切りされたウエハを前述したように加熱および冷却するステップを含むこともできる。得られた薄切りウエハをさらに加工し、例えば、薄切りされたウエハに所定の用途に適する材料の1つまたは複数の付加的な層を堆積させることによって、所望の装置を製造するようにしてもよい。代替的に、このプロセスは、エピタキシャル層に適用されてもよい。
本発明のプロセスによって処理される結晶は、当技術分野において知られている種結晶が導入される昇華および化学蒸着を含む炭化珪素結晶を製造する技術のいずれを用いて準備されてもよい。有利には、結晶は、種結晶が導入される昇華プロセスを用いて製造される。
炭化珪素の成長に用いられる種結晶が導入される昇華の一般的な態様は、長年にわたって、ほぼ充分に確立されている。さらに、結晶の成長、特に、炭化珪素のような種々の材料系における結晶の成長に精通する者であれば、所定の技術の詳細が、通常、関連する状況に応じて、意図的に変更し得ることを認めるだろう。従って、ここでの説明は、当業者であれば、過度の実験をすることなく、ここに開示された内容に基づいて本発明を実施することができることを前提として、一般的かつ概念的な意味において最も適切になされている。
一般的に、バルク炭化珪素単結晶を製造する昇華プロセスでは、所望のポリタイプを有する炭化珪素の種結晶と炭化珪素原料が、昇華坩堝内に導かれる。炭化珪素源は、典型的には、炭化珪素粉末であるが、当技術分野において周知の他の原料が、本発明に従って用いられてもよい。加えて、当技術分野において周知のドーパントが、周知の技術によって坩堝内に導かれてもよい。
炭化珪素の種結晶は、炭化珪素結晶の成長を促進するのに適する少なくとも1つの表面を有する。種結晶は、成長面が蒸発される炭化珪素原料に露出するように昇華坩堝内に配置され、これによって、炭化珪素の原料が、所望のバルク結晶の成長を促進するのに充分な形態で成長面に凝縮することができる。
種結晶と炭化珪素原料を昇華坩堝内に導いた後、炭化珪素原料の温度を原料から炭化珪素を昇華させるのに充分な温度に上昇される。原料の温度が上昇すると、種結晶の成長面の温度が、同様に、典型的には原料の温度に近いが原料の温度よりも低い温度に上昇し、原料から昇華した種(species)の種結晶への凝縮を促進する。非制限的な例として、原料は、約2200℃から約2500℃の温度に加熱され、種結晶は、わずかに低い温度に加熱される。反応状態が炭化珪素の昇華と凝縮を所望の炭化珪素結晶の生成を促進するように選択される限り、これらの温度よりも低い温度または高い温度も有益である。坩堝内の他のプロセス条件、例えば、蒸気圧力、種結晶の成長面と原料との間の熱勾配、などが当技術分野において周知の手順に従って、制御されてもよい。
図1Aおよび図1Bは、従来の炭化珪素基板材料のマイクロ波光伝導減衰(PCD)率(図1A)と、本発明によって処理された炭化珪素材料のPCD率(図1B)とをグラフで示している。PCD解析は、炭化珪素のような半導体材料内の少数キャリアの伝導率を監視する当技術分野において周知の技術である。PCD解析は、特定波長の放射線(ここでは、266nmの波長を有するレーザ)を試料材料に照射するステップと、マイクロ波場に対するその応答の結果として生じる伝導状態を監視するステップとを含む。図1Aに示されるように、レーザが取り除かれると、バルク成長炭化珪素内の残留少数キャリアは、急速に再結合し、比較的短い期間内に、典型的には、10ナノ秒(ns)未満の内に消滅する。対照的に、図1Bは、本発明のプロセスによって処理された炭化珪素材料の増大した少数キャリアライフタイムを示している。図1Bに示されるように、少数キャリアのライフタイムは、30マイクロ秒(μs)にまで著しく延長し、かつ高い光応答値を保っている。本発明者らは、本発明のプロセスが、少なくとも約1μs、少なくとも約4μs、さらに30μsおよびそれを超える高い少数キャリアライフタイム(図1B)を有する、前述したような昇華技術によって製造されたバルク炭化珪素結晶をもたらすことができることを、見出している。
図2は、深準位過渡分光法を用いて測定した、本発明によって処理された炭化珪素材料の減少した欠陥準位を明示している。深準位過渡分光法(DLTS)は、半導体技術によって一般的によく知られ、半導体内の深準位を研究するのに用いられる高感度の方法である。この方法は、ダイオードに順バイアスパルスを印加した後に逆バイアスを印加したときに、深準位がそれらの捕獲しているキャリアを放出することによるダイオードの容量電荷の変化に基づいている。放出速度は、温度に依存し、欠陥の種類に特徴的である。放出速度の温度依存性を用いて、深準位の活性エネルギーを測定することができる。例えば、ASTM国際試験No.F978−02「過渡容量技術によって半導体深準位を特徴付ける標準的な試験方法」を参照されたい。
図2において、ラインa)は、前述した種結晶が導入される昇華技術を用いて作製された従来のバルク成長高純度半導体炭化珪素材料を表している。ラインb)は、2000℃、すなわち、本発明の高温処理よりも低い温度で焼鈍した、ラインa)と同様のバルク成長材料を表している。ラインd)は、従来のエピタキシャル炭化珪素結晶を表している。ラインc)は、本発明による方法によって処理された、ラインa)と同様のバルク成長炭化珪素材料を表している。
各プロットライン、例えば、ラインa),b),c),d)の各々の高さは、材料内の深準位状態の濃度と比例している。約500〜550Kにおける結晶試料a),b)のより高い値は、試料c),d)と比べて、深準位の濃度がより大きいことを表している。結晶内の深準位状態は、少数キャリアライフタイムを減少させる少数キャリア再結合中心として作用すると考えられるので、深準位が減少した本発明の試料c)は、増大した少数キャリアライフタイムを呈することができる。この例において特に興味深いのは、ラインc)が、本発明によって処理された炭化珪素材料ではZ1/Z2準位が存在しない、ことを示している点である。これらのZ1/Z2準位は、グラフの左端におけるプロットa),b)の増大した高さによって示されるように、試料a),b)内に存在すると考えられる。繰り返して述べると、本発明のどのような記述をも制約するものではないが、本発明の材料内にZ1/Z2準位が存在しないことは、このような準位が炭化珪素結晶における少数キャリアライフタイムを制限する因子であり得ることを示している。
図3は、電子ビーム誘起電流(EBIC)解析を用いて実験した、本発明によって処理された炭化珪素結晶における減少した少数キャリア再結合中心をさらに示している。EBIC解析も当業者にはよく知られている。この例では、電子ビームを本発明によって処理された炭化珪素材料を含むショットキー・ダイオードを横切って走査させ、これによって、電子−空孔対を生じさせる。生成した電荷をダイオードによって収集し、得られた電流を検出する。電子−空孔対の生成または再結合に影響を及ぼす欠陥は、検出される電流にも影響を及ぼす。この例では、本発明者らは、65μmの比較的長い少数キャリア拡散長さ(MCDL)を観察したが、これは、装置における炭化珪素材料の増大した少数キャリアライフタイムを示している。
本発明は、ブールまたは薄切りされたウエハの形態のいずれであってもよい本発明によって処理された炭化珪素結晶、および本発明のプロセスによって形成されたウエハを含む装置をさらに含む。本発明は、特定の装置と共に用いられるように制限されるものではないが、p-nダイオード、PiNダイオード、および他のバイポーラ装置(サイリスタ、IGBTなど)のようなダイオードを含む高電圧デバイスまたはパワーデバイスの部品として特に有用である。当技術分野において知られているように、PiNダイオードは、P型層(領域)とN型層(領域)とを隔てる真性層を含む3層半導体ダイオードである。半導体装置に精通している者であれば、これらの装置の例が、制限するものでもなく、他を排除するものでもないことを認めるだろう。しかし、これらの装置の例は、ここに記載されると共に特許請求範囲に開示される本発明によってもたらされる利点を、反映するものである。
図4は、本発明によって処理された炭化珪素を含む例示的なPiNダイオード10の概略的な断面図である。PiNダイオード10は、p型層12とn型層14を備え、「真性領域」または「i領域」と呼ばれる低ドープ領域16がそれらの間に挟まれている。PiNダイオード10は、2つの端末、すなわち、アノード(+)18およびカソード(−)20をさらに備えている。
PiNダイオードは、パワー回路用途として広く用いられている。動作中においては、順伝導中に、電子と空孔がPiNダイオードに注入され、これによって、通電中の非ドープ真性領域16の抵抗率が低減するので、ダイオードは、高電流密度を通すことができる。しかし、逆方向の阻止電圧が、例えば、10kVを超えて大きくなると、順方向操作において導電調整(および低順電圧)、さらに他の特性を呈すると共に逆方向操作において必要不可欠な阻止電圧を呈する装置を製造することが問題になる。
本発明者らは、PiNダイオード10のような装置における1つまたは複数の層、例えば、真性層(真性半導体層)16を製造するのに用いられる炭化珪素材料の少数キャリアライフタイムを増大させるのに、本発明を適用することによって、真性層の固有の微分オン抵抗をさらに減少させ、これによって、装置の順操作中の真性層をさらに伝導性にすることができることを見出している。
前述した本発明のキャリアライフタイムを増加させるプロセスを実証するために、実用的なPiNダイオードを、n型ドープされた4Hポリタイプのバルク高純度PVT成長SiC基板を装置のドリフト層として用いて、製造した。以下の手順、すなわち、図1Aに示されるような典型的に10ns以下のライフタイムを呈する単結晶ブールにここに述べたキャリアライフタイム増大プロセスを施す手順を用いた。このように処理した結晶から得られた300μm厚みの基板は、図1Bに示されるような20μsを超えるライフタイムを呈した。
この基板をPiNダイオードのドリフト層(図4の真性層16)として組み込んだ。装置の製造の後、装置の順方向の特性を図5(点線の曲線)に示されるように決定した。また、比較するために、本発明のライフタイム増大処理を施さない典型的な成長したままの基板を用いるPiNダイオードの順特性(実線の曲線)も示す。ライフタイムが増大したダイオードの電流対順電圧の曲線の非線形は、導電率変調がライフタイムが増大したPiNダイオードにおいて生じ、これによって、(100A/cm2における)操作順電圧を34.6Vから12.6Vまで22Vだけ低減させることを、示している。
図6は、ライフタイムが増大した装置において観察された導電率変調が、順電圧が増大するにつれて、ライフタイム増大処理が施されない場合のキャリア密度よりも略一桁大きい有効キャリア濃度に対応して大きくなる、ことを示している。本発明者らが知る限りでは、これは、バルクSiC基板を装置のドリフト層として含む実用的なPiNダイオードを最初に実証したものである。(順方向I−V特性の曲率である)この装置の微分オン抵抗は、図7に示されるように、略50mΩcm2の値で飽和している。
順方向I−V特性(図5の点線の曲線)から、装置におけるキャリアに対して両極性(アンビポーラー)のライフタイムを得ることができる。測定された装置の順電圧範囲(12V〜16V)内において、図8に示されるように、実用的な装置におけるキャリアライフタイムに対して、2〜3μsの両極性のライフタイムが決定される。実用的なPiN装置におけるキャリアライフタイムのこの得られた値は、ここで示唆されるライフタイム改良プロセスから得られるバルクSiC基板のドリフト層におけるキャリアライフタイムの改良を証明するものである。
図面および明細書において、特定の用語を用いて、本発明の好ましい実施形態について説明したが、これらの用語は、包括的かつ叙述的な意味でのみ用いられ、制限するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲において定義される。
従来の成長したままの炭化珪素材料のマイクロ波光伝導減衰(PCD)率を示すグラフである。 本発明によって処理された炭化珪素材料のPCD率を示すグラフである。 深準位過渡分光法(DLTS)を用いて測定された本発明によって処理された炭化珪素結晶内に存在する減少した深準位状態を示すグラフである。 電子ビーム誘起電流(ECIC)解析を用いて実験した本発明によって処理された炭化珪素結晶内に存在する増大した少数キャリア拡散長さ、従って、改良されたキャリアライフタイムを示すグラフである。 本発明によって処理された炭化珪素材料を含むPiNダイオードの概略的な断面図である。 本発明によって作製されたライフタイムが改良されたバルクSiC基板をドリフト層として含むPiNダイオードの低減した順電圧降下を示すグラフである。 本発明によって作製されたライフタイムが改良されたバルク基板を含む図5のPiNダイオードの増大した導電率変調を示すグラフである。 本発明によって作製されたライフタイムが改良されたバルクSiC基板を含む図5のPiNダイオードにおける順電圧の増加と共に減少する微分オン抵抗を示すグラフである。 本発明によって作製されたライフタイムが改良されたバルクSiC基板を含む図5のPiNダイオードにおいて観察される順電圧から得られる両極性のキャリアライフタイムを示す図である。

Claims (24)

  1. 増大した少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶を製造するプロセスにおいて、
    第1の少数キャリアライフタイムをもたらす第1の濃度の少数キャリア再結合中心を有する炭化珪素結晶を、前記炭化珪素結晶の成長温度よりも高い温度に加熱する加熱ステップと、
    前記加熱ステップの後に、前記加熱された炭化珪素結晶を、2℃/分以下の速度で1400℃から1000℃の温度に冷却して前記第1の濃度よりも低い第2の濃度の少数キャリア再結合中心を有する炭化珪素結晶をもたら、これによって、増大した少数キャリアライフタイムを有する材料をもたらす、冷却ステップと、
    を含むことを特徴とするプロセス。
  2. 前記加熱ステップは、不活性雰囲気において、前記炭化珪素結晶を少なくとも2400℃の温度に加熱し、前記加熱された炭化珪素結晶を少なくとも2400℃の温度で1時間以下にわたって保持するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記加熱ステップは、不活性雰囲気において、前記炭化珪素結晶を2400℃から2700℃の範囲内の温度に加熱し、前記加熱された炭化珪素結晶を、2400℃から2700℃の範囲内の温度で1時間以下にわたって保持するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記加熱ステップは、不活性雰囲気において、前記炭化珪素結晶を2600℃の温度に加熱し、前記加熱された炭化珪素を、2600℃の温度で1時間にわたって保持するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記冷却ステップは、前記加熱された炭化珪素結晶を2℃/分以下の速度で1200℃の温度に冷却するステップを含むことを特徴とする請求項に記載のプロセス。
  6. 前記冷却ステップは、前記炭化珪素結晶を2℃/分から10℃/分の速度で1200℃から室温まで冷却するステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載のプロセス。
  7. 前記加熱ステップは、バルク炭化珪素単結晶を加熱するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記加熱ステップは、1つまたは複数のエピタキシャル炭化珪素層を加熱するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記加熱ステップは、1×1017cm-3以下の量のドーパントを含む炭化珪素結晶を加熱するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記加熱ステップおよび前記冷却ステップは、第1の少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶を、加熱および冷却された結晶の少数キャリアライフタイムを増大させ、これによって、前記加熱ステップおよび前記冷却ステップ前の前記結晶と比べて高電圧阻止装置として用いられるのにより適する材料をもたらすのに十分な条件下で、加熱および冷却するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記加熱ステップおよび前記冷却ステップは、炭化珪素結晶を、少なくとも1マイクロ秒(μs)以上の少数キャリアライフタイムを呈する炭化珪素結晶をもたらすのに充分な条件下で、加熱および冷却するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記加熱ステップおよび前記冷却ステップは、炭化珪素結晶を、少なくとも4マイクロ秒(μs)以上の少数キャリアライフタイムを呈する炭化珪素結晶をもたらすのに充分な条件下で、加熱および冷却するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のプロセス。
  13. 炭化珪素結晶を、少なくとも30マイクロ秒(μs)以上の少数キャリアライフタイムを呈する炭化珪素結晶をもたらすのに充分な条件下で、加熱および冷却するステップを含むことを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
  14. 加熱および冷却の結果、第1の濃度の少数キャリア再結合中心よりも小さい第2の濃度の少数キャリア再結合中心を有するため、少なくとも20マイクロ秒(μs)の少数キャリアライフタイムを示すバルク炭化珪素単結晶。
  15. 前記結晶は、少なくとも30マイクロ秒(μs)の少数キャリアライフタイムを有することを特徴とする請求項14に記載の炭化珪素単結晶。
  16. 加熱および冷却の結果、第1の濃度の少数キャリア再結合中心よりも小さい第2の濃度の少数キャリア再結合中心を有するため、少なくとも20マイクロ秒(μs)の少数キャリアライフタイムを示すバルク炭化珪素単結晶を含む半導体装置。
  17. 前記結晶は、少なくとも30マイクロ秒(μs)の少数キャリアライフタイムを有することを特徴とする請求項16に記載の装置。
  18. 前記装置は、パワーデバイスであることを特徴とする請求項16に記載の装置。
  19. 前記装置は、p-nダイオード、PiNダイオード、サイリスタ、およびIGBTからなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の装置。
  20. 前記炭化珪素結晶を装置に組み込むステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
  21. 前記組み込むステップは、前記炭化珪素結晶をパワーデバイスに組み込むステップを含むことを特徴とする請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記組み込むステップは、前記炭化珪素結晶をp-nダイオードに組み込むことを含むことを特徴とする請求項21に記載のプロセス。
  23. 前記組み込むステップは、前記炭化珪素結晶をPiNダイオードに組み込むことを含むことを特徴とする請求項21に記載のプロセス。
  24. 前記加熱ステップおよび前記冷却ステップは、第1の少数キャリアライフタイムを有する炭化珪素結晶を、前記結晶の前記少数キャリアライフタイムを前記加熱および冷却された結晶の導電率変調を増大させるのに充分なレベルに増大させ、これによって、前記加熱ステップおよび前記冷却ステップの前の前記結晶と比べて高電圧阻止デバイスとして用いられるのにより適する材料をもたらすのに充分な条件下で、加熱および冷却するステップを含むことを特徴とする請求項21に記載のプロセス。
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