JP4971627B2 - 基礎の補修方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コンクリートの中性化及び劣化を防止し、簡易に補修することのできる基礎の補修方法を提供することを目的としている。
前記基礎コンクリート1の劣化部を撤去する下地ハツリ工程と、
前記劣化部を撤去した前記基礎コンクリート1の表面にアルカリ付与剤4を塗布するアルカリ塗布工程と、
前記アルカリ塗布工程後に、プライマー6を塗布するプライマー塗布工程と、
プライマー塗布面に繊維が混入したモルタル7を塗り付けるモルタル塗り付け工程と、
モルタル塗り付け面に仕上げ材9を塗布する仕上げ材塗布工程とを備え、
前記モルタル塗り付け工程は、塗り付けるモルタル7の施工厚さの略半分の厚さまで前記モルタル7を塗り付けた後、モルタル塗り付け面に繊維シート(補強繊維ネット8)を貼り付け、さらに前記モルタル7を塗り付けることによって前記施工厚さとすることを特徴とする。
また、モルタル7を施工厚さの略半分の厚さまで塗り付けた後、繊維シート8を貼り付け、さらにモルタル7を塗り付けることによって施工厚さとするので、モルタル7内に繊維シート8を介在させることでモルタル7の剥落を防止できるとともに、基礎コンクリート1の補強性能を向上させることができる。
前記基礎コンクリート1にクラック部2が生じている場合に、
前記下地ハツリ工程後に前記クラック部2の周囲を切除して凹部3を形成し、前記アルカリ塗布工程後に前記凹部3に充填材(例えばメンテペースト5)を充填することを特徴とする。
前記基礎コンクリート1から露出した鉄筋に錆びが生じている場合に、
前記下地ハツリ工程後に、露出鉄筋の錆びを除去することを特徴とする。
前記アルカリ塗布工程後に、前記露出鉄筋の防錆処理を行うことを特徴とする。
塗り付ける前記モルタル7の施工厚さが20mm以下の場合には、前記繊維シート8を使用しないことを特徴とする。
図1(a)〜(e)は、基礎コンクリート1の補修方法を示す手順を模式的に表した平断面図である。
本発明の既設の基礎コンクリート1を補修する補修方法について順に説明する。
まず、基礎コンクリート1の劣化部(図示しない)を電動ハンマーや高圧洗浄機を使用して撤去する(下地ハツリ工程)。図1(a)に示すように、基礎コンクリート1に幅0.3mm以上のクラック部2が生じている場合には、図1(b)に示すように、クラック部2をその周囲を囲むようにサンダーを使用して切除し、平断面視U字型の凹部3を形成する。また、基礎コンクリート1に鉄筋(図示しない)が露出し、その露出鉄筋に錆びがある場合には金ブラシで錆びを丁寧に除去しておく。
また、このメンテペースト5を刷毛で露出鉄筋に塗布することによって露出鉄筋の防錆処理を行う。メンテペースト塗布後は、常温期で12時間、冬期で24時間以上、養生する。
モルタル7としては、繊維が混入したポリマーセメントモルタルを使用することが好ましく、ポリマーセメントモルタルをハンドミキサーによって練り混ぜておく。このようなモルタル7を塗布することにより、基礎コンクリート1の断面のかぶり機能を復旧し、耐力の向上を図ることができる。
補強繊維ネット8としては、繊維シートを使用でき、モルタル7の施工厚さが20mmを越える場合にモルタル7内に介在させることでモルタル7の剥落防止及び修復面の拘束を補強することができる。
なお、塗り付けるモルタル7の施工厚さが5〜20mmの場合には、一度の塗り付けで施工が可能であるから補強繊維ネット8を使用しなくて良い。そのため、施工の簡略化を図れる。
また、クラック部2が生じている場合に、クラック部2の周囲を切除して凹部3を形成し、凹部3にメンテペースト5を充填するので、クラック部2を確実に補修でき、補強性能の向上を図ることができる。
また、基礎コンクリート1から鉄筋が露出している場合には、下地ハツリ工程後に露出鉄筋の錆びを除去し、さらに、アルカリ塗布工程後に露出鉄筋の防錆処理を行うため、露出鉄筋の防錆が確実とる。
また、モルタル塗り付け工程においては、始めにモルタル7を施工厚さの略半分の厚さまで塗り付けた後、補強繊維ネット8を貼り付け、さらにモルタル7を塗り付けることによって施工厚さとするので、モルタル7内に補強繊維ネット8を介在させることでモルタル7の剥落を防止できるとともに、基礎コンクリート1の補強性能を向上させることができる。
例えば、基礎コンクリート1にクラック部2が生じていない場合には、クラック部2を切除して凹部3を形成し、凹部3にメンテペースト5を充填する工程を省略することができる。また、鉄筋が露出していない場合も、露出鉄筋に発生した錆びの除去や防錆処理を省略することができる。
2 クラック部
3 凹部
4 アルカリ付与剤
5 メンテペースト(充填材)
6 プライマー
7 モルタル
8 補強繊維ネット(繊維シート)
9 仕上げ材
Claims (5)
- 既設の基礎コンクリートを補修する基礎の補修方法であって、
前記基礎コンクリートの劣化部を撤去する下地ハツリ工程と、
前記劣化部を撤去した前記基礎コンクリートの表面にアルカリ付与剤を塗布するアルカリ塗布工程と、
前記アルカリ塗布工程後に、プライマーを塗布するプライマー塗布工程と、
プライマー塗布面に繊維が混入したモルタルを塗り付けるモルタル塗り付け工程と、
モルタル塗り付け面に仕上げ材を塗布する仕上げ材塗布工程とを備え、
前記モルタル塗り付け工程は、塗り付けるモルタルの施工厚さの略半分の厚さまで前記モルタルを塗り付けた後、モルタル塗り付け面に繊維シートを貼り付け、さらに前記モルタルを塗り付けることによって前記施工厚さとすることを特徴とする基礎の補修方法。 - 前記基礎コンクリートにクラック部が生じている場合に、
前記下地ハツリ工程後に前記クラック部の周囲を切除して凹部を形成し、前記アルカリ塗布工程後に前記凹部に充填材を充填することを特徴とする請求項1に記載の基礎の補修方法。 - 前記基礎コンクリートから露出した鉄筋に錆びが生じている場合に、
前記下地ハツリ工程後に、露出鉄筋の錆びを除去することを特徴とする請求項1に記載の基礎の補修方法。 - 前記アルカリ塗布工程後に、前記露出鉄筋の防錆処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の基礎の補修方法。
- 塗り付ける前記モルタルの施工厚さが20mm以下の場合には、前記繊維シートを使用しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の基礎の補修方法。
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