次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
前面枠16の下方側には、遊技球が貯溜される上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40がそれぞれ設けられている。上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。また、下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するためのスピーカ48が2個設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28(図2参照)の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26(図2参照)が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。上皿部18には、球貸しを要求するための球貸スイッチ156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、中央装置54と、始動口56Bと、ワープ入球口58と、多数の障害釘60と、風車63等と、がそれぞれ配設されている。
中央装置54は、遊技領域28の略中央部に配置されており、主として、第1液晶表示装置62と、第2液晶表示装置64と、ランプ装置66と、を備えている。
第1液晶表示装置62は、第1演出制御部110(図3参照)によって表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、演出図柄が変動表示される。具体的には、第1液晶表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。また、表示面62A上には、演出図柄とともに、現在の遊技状態(通常遊技状態、確率変動状態、時短遊技状態など)を示す背景図柄も表示される。
第1液晶表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置80に配設された後述の大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃う(停止表示される)ことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。なお、演出図柄は後述する特別図柄に対応するもので、特別図柄の変動表示および停止表示に連動して、演出図柄の変動表示および停止表示が行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
また、確率変動状態(いわゆる確変)は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
第2液晶表示装置64は、第1液晶表示装置62の上方に位置して設けられている。また、第2液晶表示装置64は、第2演出制御部112(図3参照)によって表示制御されており、略長方形状の表示面64Aを有している。この表示面64A上には、第1液晶表示装置62の表示面62Aでの演出図柄による遊技演出に付随する補助演出が実行される。
さらに詳細には、補助演出には、遊技者の演出ボタン40の操作等により表示面64Aで補助演出が開始される補助図柄演出の他に、第1液晶表示装置62の表示面62Aで実行中の演出図柄による遊技演出に対して予め対応付けた補助図柄演出(例えば、遊技演出に合わせて「ボタンを押せ」と表示する演出など)が含まれる。なお、前者である補助図柄演出は、遊技者によるボタン操作により開始されるものであり、選択的な補助演出といえる。また、後者である補助図柄演出は、第1液晶表示装置62の表示面62Aで実行される演出図柄による遊技演出に対して、予め対応付けた補助図柄演出であり、2次的な演出といえる。
また、補助演出は、第2液晶表示装置64の表示面64Aで実行される各補助図柄演出だけではなく、第2液晶表示装置64の表示面64Aで実行される各補助図柄演出に合わせて第2演出制御部112から出力される補助音演出などが含まれる。
また、遊技領域の左下方側には、主制御部102からのコマンドに基づいて特別図柄および普通図柄を表示制御する7セグ表示部(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示部68は、特別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた確変大当り図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた通常大当り図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
また、第1液晶表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示部68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、後述の大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄と、第1液晶表示装置62にて表示される演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、第1液晶表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、大入賞装置84を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
中央装置54の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主として、主制御部102と、払出制御部104と、サブ制御部106(第1副制御部)と、発射制御部108と、第1演出制御部110(第2副制御部)と、第2演出制御部112(第2副制御部)と、を備えている。各制御部は、機能毎に別々の基板に実装されるもので、相互に一方向または双方向に通信可能となるように直接または間接的に接続されている。各制御部は、主に、ROMやRAMを内蔵したワンチップのマイクロコンピュータ(CPU)や、種々の遊技動作の実行に必要となる各種データの入出力を行う入出力ポートなどを備えている。なお、第1実施形態では、第2副制御部は、相互に独立した第1演出制御部110と第2演出制御部112とで構成されており、両者が機能を分担して遊技演出及び補助演出を実行している。
図4に示すように、主制御部102は、CPU(主制御CPU)を主体として構成され、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。この主制御部102は、当否判定手段102Aと、変動時間(変動パターン)決定手段102Bと、コマンド出力手段102Cと、を備えている。
当否判定手段102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理を実行し、任意の乱数を用いて当否を判定する。変動時間(変動パターン)決定手段102Bは、当否判定手段102Aによる特別図柄の当否判定の実行に伴って、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。変動時間(変動パターン)決定手段102Bには、特別図柄の変動パターン(演出図柄の演出パターン)を決定するための変動パターン決定プログラムが記憶されており、これに従って特別図柄の変動パターンが決定される。この特別図柄の変動パターンの決定は、当否判定手段102Aによる乱数抽選(大当り抽選)の実行に伴って行われるもので、特別図柄および演出図柄の変動表示が開始されるときに、一の乱数値(変動パターン決定乱数)が取得される。そして、変動時間(変動パターン)決定手段102Bには、変動パターン決定乱数の値に複数の変動パターン(演出パターン)を対応付けた変動パターン決定テーブルが記憶されており、変動パターン決定乱数の一の乱数値が取得されると、この取得された乱数値に対応する変動パターンが変動パターン決定テーブルに基づいて決定される。
コマンド出力手段102Cは、当否判定の結果に基づいて所定の遊技状態を実現するための主制御コマンド(第1制御信号)をサブ制御部106に対して出力する。ここで、主制御コマンドの具体例としては7セグメント表示器70に表示される特別図柄の変動時間を規定する変動パターン指定コマンドの他に、7セグメント表示器70に停止表示される特別図柄を指定する特別図柄情報指定(判定結果指定)コマンド、特別図柄の変動表示の停止(停止表示)を指定する図柄停止コマンドなどがある。
この特別図柄の変動パターンは、7セグメント表示器70に表示される特別図柄の変動時間および第1液晶表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するものであり、7セグメント表示器70における特別図柄の変動表示開始時に決定される。そして、7セグメント表示器70における特別図柄の変動表示の開始に伴って、決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドがサブ制御部106に出力され、第1液晶表示装置62で演出図柄の変動表示が開始される。決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過して、図柄停止コマンドがサブ制御部106に出力されると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。
主制御部102は、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御部106や、盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御部104を直接的に制御する。
主制御部102は、中継端子118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御部102は、中継端子128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示部68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御部104は、中継端子136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御部104は、中継端子144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御部104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御部104は、中継端子150を介して、球貸表示部152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
球貸表示部152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御部104は、中継端子160を介して、払出モータ162と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御部104は、主制御部102と発射制御部108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図3に示すように、サブ制御部106は、演出制御部110との間でコマンドの双方向通信が可能となるように接続されている。また、サブ制御部106は、装飾駆動基板114と電気的に接続されている。なお、装飾駆動基板114は、ランプ装置66の発光を直接的に制御する。
サブ制御部106は、CPU(サブ制御CPU)を主体として構成されるものであり、主制御部102からの主制御コマンド(第1制御信号、以下同様)に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御部106は、図4に示すように、コマンド入力手段106Aと、コマンド解析手段106Bと、演出パターン決定手段106Cと、コマンド生成手段106D(演出指定信号生成手段)と、コマンド記憶手段106Eと、コマンド出力手段106Fと、補助演出発生判定手段106G(補助演出発生判定手段)と、演出関連性判定手段106H(演出関連性判定手段)と、チェックサム算出手段106Iと、を備えている。
コマンド入力手段106Aは、主制御部102のコマンド出力手段102Cから出力(送信)された主制御コマンドを入力(受信)する。ここで、主制御コマンドとして、遊技演出全体の演出パターン及び特別図柄の変動パターンを指定した図柄変動開始時コマンドが例示できる。
また、コマンド入力手段106Aは、第1演出制御部110から出力された後述の不適情報指定コマンドを入力(受信)する。ここで、不適情報指定コマンドは、サブ制御コマンドを構成する各コマンドによって実現される遊技演出のうち、不適な(誤った)遊技演出(不適遊技演出)を実行する不適な(誤った)コマンド(不適コマンド)が存在する場合に、第1演出制御部110のコマンド出力手段106Fからサブ制御部106に対して出力されるコマンドを意味する。なお、コマンド入力手段106Aは、主制御部102から出力されるコマンドを入力する主制御コマンド入力ポート(図示せず)と、第1演出制御部110から出力される演出制御コマンドを入力する演出制御コマンド入力ポート(図示せず)とから構成される。
コマンド解析手段106Bは、コマンド入力手段106Aに入力した主制御コマンドの内容を解析する。この解析処理では、入力のあった主制御コマンドに基づいて、大当り抽選の結果、特別図柄の変動時間、特別図柄の停止図柄などを指定した図柄変動開始時コマンドの内容が解析される。
演出パターン決定手段106Cは、コマンド解析手段106Bで解析した解析結果に基づいて、演出パターンを決定する。具体的には、主制御部102のコマンド出力手段102Cから出力された図柄変動開始時コマンド(図柄に関する変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドなど)に基づいて演出パターンが決定される。この演出パターンの内容として、第1液晶表示装置62の表示面62Aで変動表示される演出図柄の変動に関する演出パターン(演出図柄変動パターン)と、演出図柄の停止図柄の情報指定、第1液晶表示装置62の表示面62Aで変動表示される背景図柄の演出パターン(背景図柄変動パターン)、第2液晶表示装置64の表示面64Aで変動表示される予告図柄の演出パターン(予告図柄変動パターン)、音源を内蔵した第2演出制御部112から出力される予告音の演出パターン(予告音演出パターン)、などが含まれている。
コマンド生成手段106Dは、演出パターン決定手段Cにより決定された演出パターンに基づいてサブ制御コマンド(第2制御信号)と、このサブ制御コマンドに対応するチェックサムコマンドと、を生成する。具体的には、このサブ制御コマンドとして、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告音演出を指定するコマンドが含まれた演出開始時コマンドが例示できる。なお、このサブ制御コマンドとチェックサムコマンドは、サブ制御部106から第1演出制御部110に対して出力されるものである。
また、コマンド生成手段106Dは、発生タイミングとなる補助演出を指定する補助演出指定コマンドを生成する。具体的には、補助演出指定コマンドとして、第2液晶表示装置64の表示面64Aに変動表示される予告図柄表示演出を指定するコマンド、第2演出制御部112から出力される予告音演出を指定するコマンド、演出ボタン40の操作に伴い第2液晶表示装置64の表示面64Aに予告図柄の変動表示が開始されるボタン操作演出を指定するコマンドなど、変動中演出指定コマンドが例示できる。なお、この補助演出指定コマンドは、サブ制御部106から第2演出制御部112に対して出力されるものである。
コマンド記憶手段106Eには、コマンド生成手段106Dにより生成され、第1演出制御部110に対して出力されるサブ制御コマンド(演出開始時コマンド)やチェックサムコマンドが一時的に記憶されるもので、サブ制御コマンドが一時的に記憶されるサブ制御コマンド記憶領域と、チェックサムコマンドが一時的に記憶されるチェックサムコマンド記憶領域と、を有している。サブ制御コマンド記憶領域およびチェックサムコマンド記憶領域の記憶内容は、サブ制御コマンドやチェックサムコマンドが生成される毎に更新される。つまり、サブ制御コマンドやチェックサムコマンドが生成される毎に、その生成されたコマンドが、対応する記憶領域に更新記憶(上書き)される。
また、コマンド記憶手段106Eには、コマンド生成手段106Dにより生成され、第2演出制御部112に対して出力される補助演出指定コマンドが一時的に記憶される。コマンド記憶手段106Eは、補助演出指定コマンドが一時的に記憶される補助演出指定コマンド記憶領域を有している。補助演出指定コマンド記憶領域および補助演出指定コマンド記憶領域の記憶内容は、補助演出指定コマンドが生成される毎に更新される。つまり、補助演出指定コマンドが生成される毎に、その生成されたコマンドが、補助演出指定コマンド記憶領域に更新記憶(上書き)される。
コマンド出力手段106Fは、コマンド生成手段106Dで生成されてコマンド記憶手段106Eに格納されたサブ制御コマンド及びチェックサムコマンドを第1演出制御部110に対して出力する。ここで、サブ制御コマンドは、上述した通り、複数のコマンドで構成された演出開始時コマンドで構成されているが、この演出開始時コマンドを構成する複数のコマンドの全てが第1演出制御部110に対して出力される。
また、コマンド出力手段106Fは、コマンド生成手段106Dで生成されてコマンド記憶手段106Eに格納された補助演出指定コマンドを第2演出制御部112に対して出力する。ここで、補助演出指定コマンドは、上述した通り、予告キャラクタ表示演出を指定するコマンド、予告音演出を指定するコマンド、ボタン操作演出を指定するコマンドなどの変動中演出指定コマンドが該当する。
補助演出発生判定手段106Gは、補助演出の発生タイミングを検討する。具体的には、遊技者により演出ボタン40が押された場合は、補助演出の発生タイミングであると判断する。また、第1液晶表示装置62の表示面62Aで実行中の遊技演出に対応(関連)する補助演出が発生するときにも、補助演出の発生タイミングであると判断する。遊技演出に対応(関連)する補助演出は、演出パターン決定手段106Cにより決定されており、コマンド生成手段106Dで生成される演出図柄の演出パターンを指定するコマンドにこの対応関係を示すコマンドが含まれている。
演出関連性判定手段106Hは、コマンド入力手段106Aに入力した第1演出制御部110からの不適情報指定コマンドで特定される遊技演出の内容と、発生タイミングと判断された補助演出との関連性を判断する。関連性の有無については、コマンド記憶手段106Eに記憶されたテーブルに基づいて判断される。具体的には、演出開始時コマンドの中で予告を指定するコマンドが不適なコマンドであると仮定した場合には、変動中演出指定コマンド(補助演出指定コマンド)を構成する、予告音演出を指定するコマンドや予告キャラクタ表示演出を指定するコマンドとの関連性が認められることになる。
チェックサム算出手段106Iは、コマンド記憶手段106Eで格納されている演出開始時コマンドのチェックサムを算出する。この算出されたチェックサムは、チェックサムコマンドを生成するときの基礎になる。
次に、第1演出制御部110について説明する。第1演出制御部110は、第1液晶表示装置62と接続されており、第1演出制御部110が第1液晶表示装置62における表示を直接的に制御する。ここで、サブ制御部106と第1演出制御部110とは、双方向通信が可能であれば、同一の基板に実装されている構成でもよく、別々の基板に独立してそれぞれ実装されている構成でもよい。
図4に示すように、第1演出制御部110は、CPU(第1演出制御CPU)を主体として構成されるもので、コマンド入力手段110Aと、コマンド解析手段110Bと、コマンド生成手段110C(不適情報指定信号生成手段)と、コマンド出力手段110D(不適情報指定信号出力手段)と、コマンド記憶手段110Eと、音・画像出力手段(音源内蔵VDP)110F(遊技演出実行手段)と、チェックサム判定手段110Gと、コマンド適否判定手段110H(信号適否判定手段)と、コマンド削除手段110I(不適信号削除手段)と、チェックサム算出手段110Jと、を備えている。
コマンド入力手段110Aは、サブ制御部106のコマンド出力手段106Fから出力されたサブ制御コマンド及びチェックサムコマンドを入力(受信)する。
コマンド解析手段110Bは、コマンド入力手段110Aに入力したサブ制御コマンド及びチェックサムコマンドの内容を解析する。この解析処理では、入力のあったサブ制御コマンドに基づいて、大当り抽選の結果、特別図柄の変動時間、特別図柄の停止図柄、補助演出図柄の演出パターン(予告図柄の演出パターン及び予告音の出力パターン)、がそれぞれ特定される。
コマンド生成手段110Cは、コマンド解析手段110Bによる解析結果と後述のコマンド適否判定手段110Hによる判定結果とを基にして、不適情報指定コマンドを生成する。すなわち、不適情報指定コマンドは、サブ制御コマンドを構成する各コマンドによって実現される遊技演出のうち、不適な(誤った)遊技演出(不適遊技演出)を実行する不適な(誤った)コマンド(不適コマンド)が存在する場合に、その不適コマンド及び不適コマンドにより実行される不適な遊技演出を特定するものである。例えば、不適情報指定コマンドは、予告図柄演出及び予告音演出が不適な遊技演出と仮定した場合に、サブ制御コマンドの中に、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド及び予告音演出を指定するコマンドが存在する場合には、これらの不適コマンドと不適コマンドで実現される不適遊技演出が特定されたものになる。
コマンド出力手段110Dは、コマンド生成手段110Cにより生成された不適情報指定コマンドをサブ制御部106に対して出力する。
コマンド記憶手段110Eは、コマンド入力手段110Aに入力されたコマンドを一時的に記憶する。例えば、サブ制御部106から出力されたサブ制御コマンド及びチェックサムコマンドが入力された場合に、これらのコマンドがコマンド記憶手段110Eに格納される。
音・画像出力手段110Fは、サブ制御コマンドの内容に基づいて遊技演出を実行する。具体的には、サブ制御コマンドとして、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンドに基づいた遊技演出を実行する。例えば、第1液晶表示装置62の表示面62Aにおいて、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンドに基づいて演出図柄の変動表示が実行される。また、音・画像出力手段110Fは、音源を内蔵するものであり、演出図柄の変動に伴う音演出を指定するコマンドに基づいた音がスピーカ48から出力される。
チェックサム判定手段110Gは、入力があったチェックサムコマンドのチェックサムとチェックサム算出手段110Jにより算出したチェックサムとを比較する。
コマンド適否判定手段110Hは、サブ制御部106からのサブ制御コマンドの入力を受けて、サブ制御コマンドで特定される遊技演出のうち不適な遊技演出を指定するコマンドが存在するか否かを確認する。具体的には、このサブ制御コマンドとして、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告音演出を指定するコマンドの適否がそれぞれ判定される。例えば、予告に関する遊技演出が不適であると仮定すれば、予告図柄の演出パターンを指定するコマンドと予告音演出を指定するコマンドが不適なコマンドとして判断される。
コマンド削除手段110Iは、コマンド適否判定手段110Hにより不適と判定されたサブ制御コマンドを削除する。例えば、予告に関する遊技演出が不適な遊技演出であると判断されれば、予告図柄の演出パターンを指定するコマンドと予告音演出を指定するコマンドがそれぞれ削除される。
ここで、コマンド削除手段110Iにより削除されたコマンドに基づいた遊技演出は実行されることがない。例えば、サブ制御コマンドのうち、背景図柄の演出パターンを指定するコマンドが不適となり、このコマンドがコマンド削除手段110Iにより削除された場合には、背景図柄の演出パターンを指定するコマンドに基づいた遊技演出(演出図柄の背景図柄演出)が第1液晶表示装置62において実行されることはない。
チェックサム算出手段110Jは、入力があったサブ制御コマンド(演出開始時コマンド)のチェックサムを算出する。なお、このチェックサムの算出結果は、コマンド記憶手段110Eに格納される。
次に、第2演出制御部112について説明する。第2演出制御部112には、第2液晶表示装置64が接続されている。第2演出制御部112は、サブ制御部106側からのコマンドを一方的に受信するもので、第2液晶表示装置64における表示を直接的に制御する。ここで、サブ制御部106と第2演出制御部112との関係は、サブ制御部106側からのコマンドを第2演出制御部112に対して一方的に出力するものであるが、両者が同一の基板に実装されている構成でもよく、両者が別々の基板に独立してそれぞれ実装されている構成でもよい。
図4に示すように、第2演出制御部112は、CPU(第2演出制御CPU)を主体として構成されるもので、コマンド入力手段112Aと、コマンド解析手段112Bと、画像出力手段(VDP)112Cと、コマンド記憶手段112Dと、を備えている。
コマンド入力手段112Aは、サブ制御部106のコマンド出力手段106Fから出力された補助演出指定コマンドを入力(受信)する。補助演出指定コマンドの内容は上述した通りであるが、サブ制御部106のコマンド生成手段106Dにより生成されたコマンドであるため、適正な補助演出に関するコマンドになる。
コマンド解析手段112Bは、コマンド入力手段112Aに入力した補助演出指定コマンドの内容を解析する。この解析処理では、入力のあった補助演出指定コマンドに基づいて、補助演出(予告図柄及び予告音)の演出パターン、補助演出(予告図柄及び予告音)の実行時間が特定される。
画像出力手段(VDP)112Cは、コマンド解析手段106Bによる補助演出指定コマンドの解析結果を基にして、第1液晶表示装置62の表示面62Aに変動表示する演出図柄の変動パターンに合致(関連)した補助演出の画像(図柄)データ(描画データ)を生成し、そのデータを第2液晶表示装置64に対して出力する。これにより、第2液晶表示装置64の表示面64Aにて補助演出(例えば、予告図柄演出)の変動表示が行われる。
コマンド記憶手段112Dは、コマンド入力手段112Aに入力した補助演出指定コマンドの内容を一時的に記憶する。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機10のサブ制御部106(サブ制御CPU)が行う図柄変動開始時処理について、フローチャートに基づいて説明する。なお、以下では、主制御コマンドとして図柄変動開始時コマンド、サブ制御コマンドとして演出開始時コマンドを例に挙げて説明する。
図5に示すように、サブ制御部106のコマンド入力手段106Aに、主制御コマンドとしての図柄変動開始時コマンド(例えば、図柄演出パターン指定コマンド及び特別図柄情報指定コマンドなど)が入力されたか否かが判断される(S100)。この図柄変動開始時コマンドは、演出図柄変動が伴う遊技演出の内容を指定するものである。
図柄変動開始時コマンドが入力されたと判断された場合(S100:YES)には、コマンド生成手段106Dによりサブ制御コマンドとしての演出開始時コマンドが生成され、このコマンドがコマンド記憶手段106Eのサブ制御コマンド記憶領域に格納される(S110)。ここで、演出開始時コマンドは、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド、出力される予告音演出を指定するコマンドなど、各演出を実現するための複数のコマンド群で構成されている。なお、演出開始時コマンドは、図柄変動開始時コマンドを受けて生成されるものであり、その内容は、図柄変動開始時コマンドに基づいたものとなっている。
次に、コマンド記憶手段106Eで格納されている演出開始時コマンドのチェックサムがチェックサム算出手段106Iにより算出される(S120)。
次に、チェックサム算出手段106Iで算出されたチェックサムを基にして、チェックサムコマンドがコマンド生成手段106Dにより生成され、コマンド記憶手段106Eのチェックサムコマンド記憶領域に格納される(S130)。
次に、コマンド記憶手段106Eの各記憶領域に格納されている演出開始時コマンド、チェックサムコマンドが第1演出制御部110に対して出力される(S140)。ここで、演出開始時コマンドは、上述のように、複数のコマンドで構成されているが、全てのコマンドが第1演出制御部110に出力される。
そして、コマンド記憶手段106Eの各記憶領域に格納されている演出開始時コマンドを構成する全てのコマンド及びチェックサムコマンドの出力が完了すれば(S150:YES)、サブ制御部106の図柄変動開始時処理が終了する。なお、S100において、図柄変動開始時コマンドが入力されていないと判断された場合(S100:NO)には、そもそもコマンドがないので、サブ制御部106の図柄変動開始時処理が開始されずに終了する。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機10の第1演出制御部110(第1演出制御CPU)が行う図柄変動開始時処理について、フローチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、まず、サブ制御部106からの演出開始時コマンドがコマンド入力手段110Aに入力したか否かが判断される(S200)。そして、演出開始時コマンドが入力した場合(S200:YES)には、演出開始時コマンドを構成する全てのコマンド及びチェックサムコマンドがコマンド入力手段110Aに入力したか否かが判断される(S210)。
演出開始時コマンドを構成する全てのコマンド及びチェックサムコマンドの入力がある場合(S210:YES)には、入力した演出開始時コマンドのチェックサムがチェックサム算出手段110Jにより算出される(S220)。
次に、入力した演出開始時コマンドのチェックサムコマンドのチェックサムとS220において算出したチェックサムとがチェックサム判定手段110Gにより比較される(S230)。
両者のチェックサムが一致する場合(S240:YES)には、入力した演出開始時コマンドの中に、不適な演出を指定する不適なコマンドが存在するか否かがコマンド適否判定手段110Hにより判断される(S250)。例えば、上述したとおり、演出開始時コマンドの中には、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド、出力される予告音演出を指定するコマンドなど、が存在するが、これらのコマンドが適切な演出を実行するものか、不適な演出を実行するものかについて、コマンドの適・不適がコマンド適否判定手段110Hにより判断される。
入力した演出開始時コマンドの中に、不適なコマンドが存在すると判断された場合(S250:YES)には、その不適なコマンド(不適な演出)を特定する不適情報指定コマンドがコマンド生成手段110Cにより生成され、コマンド出力手段110Dからサブ制御部106に対して出力される(S260)。具体的に、演出開始時コマンドには、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド、出力される予告音演出を指定するコマンドなどが存在する。このうち、演出パターンを指定するコマンドにより特定される演出図柄の表示パターンに、予告図柄の演出パターンを指定するコマンドで特定される予告図柄の演出が含まれない(対応しない)場合には、この予告図柄の演出パターンを指定するコマンドが不適と判断され、その不適なコマンドを特定する情報(不適情報指定コマンド)が生成され、サブ制御部106に対して出力される。つまり、「不適なコマンド」とは、実行する必要の無い演出(実行不可の演出)を指定するコマンドを意味する。
次に、S250で特定された不適なコマンドがコマンド削除手段110Iにより破棄される(S270)。例えば、演出図柄の演出パターンを指定するコマンド、演出図柄の停止図柄を指定するコマンド、背景図柄の演出パターンを指定するコマンド、予告図柄の演出パターンを指定するコマンド、出力される予告音演出を指定するコマンドのうち、予告図柄の演出を実行するコマンドが不適なコマンドに該当するものであれば、予告図柄の演出を実行するコマンドが不適なコマンドとして破棄される。これにより、演出開始時コマンドの中から、不適なコマンド(例えば、予告図柄の演出を実行するコマンド)が削除される。
次に、遊技演出となる図柄変動演出表示が第1液晶表示装置62により開始される(S280)。この図柄変動演出表示は、演出開始時コマンドに基づいて実行され、第1液晶表示装置62の表示面62Aにおいて、演出図柄の変動により実行される。このとき、図柄変動演出表示は、不適なコマンドを除いたコマンドに基づいて実行される。その後、第1演出制御部110における図柄変動開始時処理が終了する。
一方、S200において入力した演出開始時コマンドの中に、不適なコマンドが存在しないとコマンド適否判定手段110Hにより判断された場合(S250:NO)には、不適なコマンドを特定する不適情報指定コマンドの生成及び出力はされず、S250の終了後、S280に移行する。そして、図柄変動演出表示が第1液晶表示装置62により開始される(S280)。このとき、図柄変動演出表示は、入力した演出開始時コマンドの中に不適なコマンドがもともと存在しないので、入力した演出開始時コマンドの全てに基づいて実行される。図柄変動演出表示の後、第1演出制御部110における図柄変動開始時処理が終了する。
なお、S200において演出開始時コマンドが入力していない場合(S200:NO)には、そもそもコマンドがないので、図柄変動開始時処理が開始されずに終了する。また、S240においてチェックサムが一致しない場合(S240:NO)には、異常時演出表示が第1液晶表示装置62により開始される(S290)。ここで、異常時演出表示は、第1液晶表示装置62の表示面62Aにおいて、所定の演出図柄が高速変動することにより実行される。異常時演出表示の後、第1演出制御部110における図柄変動開始時処理が終了する。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機10のサブ制御部106(サブ制御CPU)が行う図柄変動中処理について、フローチャートに基づいて説明する。なお、以下では、補助演出として変動中演出を、また、補助演出指定コマンドとして変動中演出指定コマンドを、それぞれ例に挙げて説明する。
図7に示すように、変動中演出の発生タイミングか否かが補助演出発生判定手段106Gにより判断される(S300)。ここで、変動中演出には、予告音演出、予告キャラクタ表示演出、演出ボタン押圧表示演出、などが含まれる。これらの変動中演出の発生タイミングは、予め演出開始時演出コマンドで決定されている場合と、遊技者が演出ボタン40の押圧したタイミングで生じる場合と、がある。
次に、変動中演出の発生タイミングであると判断された場合(S300:YES)には、第1演出制御部110からの不適情報指定コマンドの入力有無が判断される(S310)。
S310において不適情報指定コマンドが入力されたと判断された場合(S310:YES)には、S300で判断された今回発生予定の変動中演出と不適情報指定コマンドにより特定された不適な演出とが演出関連性判定手段106Hにより比較される(S320)。具体的には、今回発生予定の変動中演出と不適情報指定コマンドにより特定された不適な遊技演出とを比較して、両者の関連性の有無が判断される。
例えば、今回発生予定の変動中演出が不適情報指定コマンドにより特定された不適な演出に該当するものであれば、両者の関連性が認められる。具体的には、今回発生予定の変動中演出が「第2液晶表示装置64を用いた予告図柄表示に関する演出」であり、不適情報指定コマンドにより特定された不適な演出(演出開始時コマンドのうち不適と判断されたコマンドに対応する演出であって、実際には行われない演出)が、「第2液晶表示装置64を用いた予告図柄表示に関する演出が実行される旨を第1液晶表示装置62にて事前報知する予告演出」である場合には、両者の関連性が認められる。また、今回発生予定の変動中演出が不適情報指定コマンドにより特定された不適な演出に該当せず、全く別の遊技演出であれば、両者の関連性は認められない。具体的には、例えば、不適情報指定コマンドにより特定された不適な演出が、上述のような「予告図柄表示に関する演出が実行される旨を第1液晶表示装置62にて事前報知する予告演出」であり、今回発生予定の変動中演出が、「第1液晶表示装置62における背景図柄の変化演出(以下、単に背景図柄変化という)の実行に付随するスピーカ48からの音出力および第2液晶表示装置64における画像表示」である場合には、両者の関連性は認められない。
このようなS320の比較の結果、両者の関連性が認められない場合(S330:NO)には、今回発生予定の変動中演出の内容を指定する変動中演出指定コマンドが生成され、コマンド記憶手段106Eに格納される(S340)。この変動中演出指定コマンドとは、例えば、今回発生予定の変動中演出が、第1液晶表示装置62における背景図柄変化の実行に付随するスピーカ48からの音出力演出および第2液晶表示装置64における画像表示演出の場合には、その音の出力内容を指定するコマンドおよび第2液晶表示装置64における画像表示の内容を指定するコマンドになる。
そして、コマンド記憶手段106Eに格納された変動中演出指定コマンドがコマンド出力手段106Fから第1演出制御部110および第2演出制御部112に対して出力される(S350)。なお、ここでは、第1演出制御部110に対しては音の出力内容を指定するコマンドが出力され、第2演出制御部112に対しては画像表示演出の表示内容を指定するコマンドが出力される。これにより、第2液晶表示装置64において変動中演出(第1液晶表示装置62での背景図柄変化に付随する画像表示)が実行され、その変動中演出に対応(合致)した音がスピーカ48から出力される。その後、サブ制御部106における図柄変動中処理が終了する。
一方、S320における比較の結果、両者の関連性が認められた場合(S330:YES)には、S340の変動中演出指定コマンドの生成及び出力処理を経ることなく、サブ制御部106における図柄変動中処理が終了する。この場合には、今回発生予定の変動中演出が不適情報指定コマンドにより特定された不適な演出に関連することになり、図6のS270において第1演出制御部110により削除された不適遊技演出に対応するものである。そこで、今回発生予定の変動中演出の内容を指定する変動中演出指定コマンドを生成しないことにより、第2演出制御部112(第2液晶表示装置64)による不適な演出(例えば、第2液晶表示装置64における予告図柄表示)の実行を阻止することができる。この結果、第1演出制御部110により第1液晶表示装置62において不適な遊技演出となる演出図柄表示が実行されていないのに、第2演出制御部112により第2液晶表示装置64において不適な演出が実行され、第1演出制御部110(第1液晶表示装置62、スピーカ48)の演出と第2演出制御部112(第2液晶表示装置64)の演出との間で演出の整合性がとれない事態に至ってしまうことを阻止できる。
なお、S300において変動中演出の発生タイミングと判断されない場合(S300:NO)には、サブ制御部106における図柄変動中処理がそのまま終了する。また、S310において不適情報指定コマンドの入力が無いと判断された場合(S310:NO)には、S340に移行して、今回発生予定の変動中演出の内容を指定する変動中演出指定コマンドがコマンド生成手段106Dにより生成され、コマンド記憶手段106Eに格納される。そして、コマンド記憶手段106Eに格納された変動中演出指定コマンドがコマンド出力手段106Fから第2演出制御部112に対して出力される(S350)。この場合には、今回発生予定の変動中演出が常に実行されることになるが、そもそも演出開始時コマンドの中に不適な遊技演出が存在しないことから、第2演出制御部112による不適となる補助演出の実行も阻止される。また、第1演出制御部110及び第2演出制御部112において不適な演出が実行されないことから、第1演出制御部110の演出と第2演出制御部112の演出との間で演出の整合性がとれない事態に至ってしまうことを阻止できる。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機10の第2演出制御部112(第2演出制御CPU)が行う図柄変動中処理について、フローチャートに基づいて説明する。
図8に示すように、サブ制御部106からの変動中演出指定コマンドの入力有無が判断される(S400)。
変動中演出指定コマンドが入力されたと判断された場合(S400:YES)には、コマンド解析手段112Bによる変動中演出指定コマンドの解析結果に基づいて、変動中演出が画像出力手段112Cにより実行される(S410)。これにより、例えば、変動中演出が予告図柄表示演出に係るものであれば、第2液晶表示装置64の表示面64Aにおいて予告図柄表示が開始される。また、このとき、第1演出制御部110の音・画像出力手段110Fでは、第2液晶表示装置64の表示面64Aにおいて実行される変動中演出(予告図柄表示)に合致した音演出が実行されている。
一方、変動中演出指定コマンドが入力されていない場合(S400:NO)には、そもそもコマンドがないので、第2演出制御部112における図柄変動中処理がそのまま終了する。
以上のように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、サブ制御部106から第1演出制御部110に対して出力されるサブ制御コマンド(演出開始時コマンド)に不適な遊技演出を実行させる不適なコマンドが存在する場合には、その不適なコマンド及び遊技演出を指定した不適情報指定コマンドが第1演出制御部110からサブ制御部106に対してフィードバックされる。そして、サブ制御部106は、このフィードバックされた不適情報指定コマンドに基づいて、発生予定中の補助演出(予告演出)と不適な遊技演出との関連性を判断し、その結果、両者の演出が関連している場合には、発生予定中の補助演出(予告演出)を実行させるための補助演出指定コマンドの生成と第2演出制御部112に対する演出指定コマンドの出力が阻止される。これにより、第2演出制御部112(第2液晶表示装置64)において、不適な遊技演出と関連する補助演出の実行を阻止することができる。同時に第1演出制御部110において不適な遊技演出を実行するための不適なコマンドが削除されるため、第1演出制御部110において不適な遊技演出が実行されることがない。この結果、第1液晶表示装置62において変動表示される遊技演出に関する演出図柄と、第2液晶表示装置64において変動表示される補助演出に関する予告図柄と、の間で図柄不一致が生じることを防止でき、遊技演出と補助演出との間で図柄変動遊技の整合性をとることができる。
また、サブ制御部106からのサブ制御コマンド(演出開始時コマンド)に不適な遊技演出を実行する不適なコマンドが存在する場合には、サブ制御部106から不適な補助演出を実行させるための補助演出指定コマンドの送信処理、第1演出制御部110において補助演出指定コマンドの適否を判定する補助演出指定コマンド判定処理、第1演出制御部110における不適な補助演出指定コマンドのキャンセル処理などの処理の実行が不要になる。この結果、サブ制御部106及び第1演出制御部110における各処理を軽減することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機10と同様の構成には、同符号を付し、説明を適宜省略する。
図9及び図10に示すように、第2実施形態のパチンコ機は、補助演出(予告演出)が第1演出制御部110(第1液晶表示装置62、スピーカ48)により実行されるものである。このため、第2実施形態のパチンコ機では、第1実施形態の第2演出制御部112が不要となり、第1演出制御部62(第1液晶表示装置62)が遊技演出と共に補助演出も実行することになる。
また、図11に示すように、第2実施形態のパチンコ機は、第2演出制御部112が不要になることから、第2液晶表示装置64も設けられていない。このため、第1液晶表示装置62において遊技演出が変動表示されると共に、所定の発生タイミングに応じて補助演出(予告図柄表示)が実行される。また、第1演出制御部110の音・画像出力手段110Fにより補助演出として予告音出力が実行される。
第2実施形態によれば、図柄変動開始時処理及び図柄変動中処理は、図5乃至図7に示す処理と同様であるが、補助演出指定コマンドは、サブ制御部106から第1演出制御部110に対して出力される。そして、第1演出制御部110及び第1液晶表示装置62において演出図柄を用いた遊技演出と共に、予告図柄表示や予告音出力による補助演出が同時に実行される。
ここで、サブ制御コマンド(演出開始時コマンド)に基づく遊技演出に不適な演出が存在する場合には、不適情報指定コマンドが第1演出制御部110からサブ制御部106に対して出力される。そして、サブ制御部106において、発生予定中の補助演出(予告図柄表示及び予告音出力)と不適な遊技演出との関連性が判断され、関連性がある場合には、不適な遊技演出に対応する補助演出を指定する補助演出指定コマンドは生成されない。このため、第1演出制御部110及び第1液晶表示装置62、スピーカ48において、不適な遊技演出の実行と不適な遊技演出に対応した不適な補助演出(予告図柄演出及び予告音演出)の実行が阻止される。
これにより、第1液晶表示装置62において変動表示される遊技演出に伴う演出図柄と補助演出に伴う予告図柄との間で、図柄変動遊技における図柄不一致が生じることを防止できる。特に、第1演出制御部110の音・画像出力手段110Fから補助演出として予告音出力が実行されることになるが、「遊技演出に伴う演出図柄」と「補助演出に伴う予告図柄」と「補助演出に伴う予告音」との3つの要素で不一致が生じることを防止でき、遊技演出と補助演出(予告図柄表示及び予告音出力)との整合性をとることができる。