JP4967989B2 - 設計支援装置、設計支援方法、および設計支援プログラム - Google Patents
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Description
システムも知られている。そのようなシステムでは、ポインティングデバイスのような操作手段によってユーザ操作を受け付け、3次元モデルを変形する。このような3次元モデルは、一般に、ポリゴン、パッチ(ポリゴンそのもの、または、複数のポリゴンの組合せ)、サーフェイスと呼ばれる曲面等を組み合わせて形成される。
援装置は、少なくとも、隣接する2つの面要素の境界位置を滑らかに接続する。
本設計支援装置は、ポリゴンあるいはポリゴンを組み合わせたパッチによって構成されている立体モデルに対して、ポインティングデバイスのような操作手段によってユーザ操作を受け付け、3次元モデルを変形(モーフィング)する。立体モデルを構成するポリゴンは、曲面ポリゴンと呼ばれるものであり、ポリゴン面内に複数方向の法線ベクトルを有している。
提供する。すなわち、本設計支援装置は、ユーザからの実行依頼を受け付け、曲面ポリゴンの歪み除去処理を実行する。
力インターフェースに接続される外部記憶装置、表示装置、入力装置、通信装置等を有する。また、コンピュータプログラムは、複数のモジュールによって構成され、それぞれのモジュールがCPUで実行されることにより、本発明のそれぞれの手段を形成する。
)、DVD(Digital Versatile Disk)等の駆動装置を含む。さらに、外部記憶装置として、フラッシュメモリカードの入出力装置を用いてもよい。
図4から図10により、本設計支援装置が立体モデルの曲面を規定するときのデータ構造例を示す。図4は、3次ベジエ曲線を示している。一般に、n+1個の制御点を基に、多項式で規定される曲線をn次ベジエ曲線という。n次ベジエ曲線は、以下の一般式である数1によって与えられる。ここで、Qnは、制御点の位置ベクトルであり、tはパラメータであり、Pは、n次ベジエ曲線上の位置ベクトルである。
2(1−t)Q2+t3Q3で与えられる。
。このような四角形のベジエ曲面を接続することによって立体モデルの表面を形成できる。
本設計支援装置は、歪みの補正の前提として、曲面ポリゴン内の法線の角度の一致・不一致、法線の角度の変化率、サンプル点付近の複数の曲面ポリゴン間での法線の一致・不一致、それらの法線間の角度の変化率、およびサンプル点またはサンプル点近傍の稜線での曲率の変化率から、歪みの発生を検知することもできる。なお、本実施形態では、2以上の曲面ポリゴンの境界線を稜線と呼ぶ。
(1)曲面ポリゴン内の法線一致チェック
単一の曲面ポリゴンについては、その内部の複数の法線ベクトルは、いずれも一致するか、または、それらの法線ベクトル間の角度の相違は、所定の基準値(E1)以内の場合が多い。ここで、基準値は、本設計支援装置による3次元モデルの適用対象、設計対象に応じて、ユーザが適宜設定または選択できるようにすればよい。以下の他の基準値、限界値等も同様である。
(2)曲面ポリゴン間の法線一致チェック
曲面ポリゴン内での歪みの発生が検知されない場合であっても、曲面ポリゴン間の位置関係で歪みが発生する場合がある。通常、立体モデルの表面を被覆する隣接する曲面ポリゴンについては、本来稜線で不連続に傾きが変化した部分(面が折れ曲がった箇所)以外の箇所では、それぞれの曲面ポリゴンの法線ベクトルが一致するか、法線ベクトル間の角度の相違は、所定の基準値(E1)以内の場合が多い。一方、本来稜線で不連続に傾きが変化した部分では、それぞれの曲面ポリゴンの法線ベクトル間の角度の相違は、前記基準値E1より大きな基準値(E2)以上となることが多い。そこで、一般的な立体形状に関する経験則をコンピュータ上の処理に組み込む。
(3)稜線上の法線一致チェック
2つの曲面ポリゴンの境界に位置する稜線上で、曲面ポリゴンの法線を複数個求め、法線間の角度が所定の基準値(E1)以内か否かを判定する。処理手順は、法線を求める位置が稜線上にあること以外は、上記(1)と同様である。
(4)稜線の曲率解析
曲面パッチの境界線である稜線上で稜線の曲率を求める。そして、変形操作時に稜線の曲率を監視し、曲率が基準値より大きい点を検知する。あるいは、曲率の変化の大きな点(例えば、曲率方向の内積<0の点、すなわち、角度90度より大きな変化)を検知する。すなわち、曲率の変化として、1つの稜線上での曲率の方向の変化を検知してもよい。また、1つの稜線上の大きさの変化を検知してもよい。すなわち、稜線上で、曲率の方向が、極端に大きく変化し、あるいは、曲率の値が極端に大きく変化する点を検知してもよい。さらに、稜線上の変曲点の数の変化等を検出し、変曲点数が所定以上の稜線を歪みの検出された稜線としてもよい。さらにまた、稜線歪み判定手段が、稜線ごとに曲率を逐一記録しておき、前回判定時点と今回時点での曲率の差分を曲率の変化としてもよい。
(5)曲面ポリゴンの曲率解析
図13に、曲面ポリゴンの曲率解析の概念を示す図である。曲面ポリゴン、すなわち、パッチは、例えば、1以上のベジエ曲面で構成される。稜線と異なり、曲面ポリゴンでは、一般式による曲率解析(数7、数8参照)ができない。そこで、本実施形態の設計支援装置では、以下の手順で、曲面ポリゴンの曲率解析を実行する。
(a)解析の対象となる立体モデルの領域を特定する。これは、例えば、ユーザ操作によって対象となる解析領域の選択を受ければよい。
(b)上記解析領域に含まれる曲面ポリゴンの頂点、例えば、ベジエ曲面の外部制御点(稜線上の制御点)を抽出する。
(c)各頂点にて、法線ベクトルN(頂点ごとに区別する場合は、法線Nkという)を求める。
(d)各頂点に接続される稜線L(稜線ごとに区別する場合は、稜線Liという)を求める。また、頂点から所定距離のすべての稜線を選択してもよい。そして、頂点近傍での稜線Lの接線T(稜線ごとに区別する場合は、接線Tiという)を求める。
(e)稜線Lを頂点の法線Nと稜線Lの接線Tがなす平面に投影する。これによって、3次元空間上の稜線Lが平面上の投影線となる。この投影線上の曲率を数7、または数8によって算出する。さらに、投影線上の曲率の最大値R(稜線ごとに区別する場合は、曲率の最大値Riという)を求める。
(f)このような曲率の最大値のうち、解析領域内のすべての頂点について、それぞの頂点に接続されるすべての稜線に対して、(c)〜(e)を繰り返す。これによって、解析領域内での最大の曲率を求め、これを曲面ポリゴンの曲率とする。この曲面ポリゴンが所定の基準値E3を越えるか否かによって、歪みの発生を判定する。なお、(c)〜(e)を繰り返して得られた曲率Riをヒストグラムで表示して歪みの発生状況を表示してもよい。
(1)隣接パッチ間での歪みの修正
図14に、歪み補正の第1の課題として隣接パッチ間での歪み修正の概念を例示する。図14で、「修正」で示された矢印の上側に歪みの発生している曲面の断面図例を示す。この曲面は、隣接する2つの曲面パッチPAT1、PAT2からなる。第1の曲面パッチPAT1は、パッチ境界付近に法線ベクトルV1およびV2を有する。また、第2の曲面パッチPAT2は、パッチ境界付近に法線ベクトルV3およびV4を有する。2つの曲面パッチPAT1、PAT2の境界線近傍で、法線ベクトルV2とV3とは、所定の限界値以上に角度が相違している。このため、2つの曲面パッチPAT1、PAT2の境界線付近では、曲面の断面に不連続な変化、すなわち急峻な窪みが発生している。
(数9)
(ベクトルVC) =( (ベクトルV2)+(ベクトルV3))/2
ここで、(V)は、Vがベクトルであることを示す。また、(V1)+(V2)は、ベクトル各要素、例えば、3次元座標(x、y、z)それぞれの成分の和である。
)、改めて、3次元曲面パッチを求める手順を例示する。図15の中央の矢印の左側には、3つの頂点P1、P2、P3を含む3次元曲面パッチPATが描かれている。この曲面パッチPATは、それぞれのP1、P2、P3にて、法線ベクトルN1、N2、N3を有する。この法線ベクトルN1、N2、N3が同一(角度が一致)であれば、曲面パッチPATは、単なる平面にすぎない。図15の場合には、法線ベクトルN1、N2、N3は、互いに角度が異なる。このため、曲面パッチPATは、頂点P1、P2、P3近傍が曲がった曲面を有している。曲面の曲がりの程度は、法線ベクトルN1、N2、N3によって決定される。このような曲面パッチをPN triangleと呼ぶ。
(2)非隣接パッチを含む曲面全体での歪みの修正
図16−図19に、歪み補正の第2の課題を示す。図16は、隣接曲面パッチ間は滑らかであるが、非隣接曲面パッチ間で歪みが発生している曲面を模式的に例示する図である。上記隣接パッチの境界線近傍のそれぞれの法線ベクトルを一致させることによって、隣接パッチ間のなめらかさを向上し、面品質を維持できる。しかし、非隣接パッチを含む面全体については、必ずしも面品質の向上につながらない場合がある。すなわち、個々の隣接パッチ間では、滑らかな接続が実現できても、さらに広がる範囲については、面のしわ、凹凸、うねり等(これらを「よたり」ともいう)を除去できない場合がある。
っても、非隣接のパッチ間では、法線ベクトルの分布に大きなうねりが生じている。これは、隣接パッチ間が滑らかであっても、非隣接のパッチ間では、曲率の大きさと曲がり向きとが大きく異なる場合があることを示している。また、曲線の変化率が極端に大きいことを意味している。このような曲率の大きさ、曲線の変化率の大きさの上限値は、本設計支援装置が適用される設計対象に応じて、ユーザに適宜設定できる機能を提供すればよい。
は、曲面上の1の境界線に対して、交差する方向が含まれることをいう。2方向で法線ベクトルの補正を実行することで、補正の対象が2次元的に広がる。その結果、さらに面品質が向上する。そのような補正対象の曲面パッチ境界線を複数箇所設けることでさらに面品質が向上する。例えば、図22のような縦方向と横方向の境界線をそれぞれ複数本設定して、法線ベクトルを補正すればよい。
図24および図25に、本設計支援装置の非隣接法線補正処理フローを例示する。この処理は、CADを構成するコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現される。この処理では、設計支援装置は、法線ベクトル列Ni(i=1,K)の入力を受け付ける(S1)。ここで、入力を受け付けるとは、例えば、コンピュータ上で実行されるプログラムのサブルーチンが引数でデータを引き渡されることをいう。また、例えば、コンピュータ上で実行されるプログラムがファイル名で指定されたハードディスク上のファイルからデータを読み出すことをいう。
記述すればよい。すなわち、図4に示した制御点Qi(iは、1からn+1)として、n+1涸の法線ベクトルの先端(終点)を用いて、曲線上の点P(t)を記述すればよい。
図27−図31に、本設計支援装置による曲面の補正処理結果を示す。図27は、歪みの発生した曲面の例である。図27では、面内にシワ、たるみ、よたりと呼ばれる歪みがある。このため、隣接パッチ間の境界で、それぞれの曲面パッチの法線ベクトルN1とN2とが一致しない。また、非隣接パッチ間でも法線ベクトルの方向が不一致となっている。
上記実施形態では、図22および図26のように、曲面上の2方向の境界線に沿って、曲面の法線ベクトルを補正した。しかし、本設計支援装置の処理は、このような処理には限定されない。例えば、図20のように一方向の境界線に沿って、曲面の法線ベクトルを補正してもよい。また、それぞの方向で複数の境界線に沿って、曲面の法線ベクトルを補正してもよい。その手順は、例えば、図26に示したS21−S24の処理を繰り返せばよい。
が分布する法線ベクトルを選択した。
V1、V2、V3、V4、N1、N2 法線ベクトル
112 境界線
114 法線ベクトル
115 法線分布曲線
116 急変部分の頂点
117 補正曲線
Claims (6)
- 複数の頂点を含む境界線と前記境界線で取り囲まれた表面とを有する面要素の組合せによって形成される立体モデルの操作を支援する設計支援装置であって、
隣接する2つの面要素の境界位置でそれぞれの面要素の法線ベクトルを求める手段と、
前記隣接する2つの面要素の境界位置でのそれぞれの法線ベクトルが一致しないときに共通の補正法線ベクトルに置き換える手段と、
隣接しない複数の面要素を含む曲面上で、所定方向に配列された面要素の境界線をつないで構成される評価基準線上でそれぞれの面要素の法線ベクトルを抽出する手段と、
前記評価基準線上での前記法線ベクトルの先端の分布を示す第1の法線ベクトル分布曲線を求める手段と、
前記第1の法線ベクトル分布曲線に含まれる法線ベクトルから1以上の補正対象の法線ベクトルを除去することによって第2の法線ベクトル分布曲線を求める手段と、
前記補正対象の法線ベクトルの先端を前記第2の法線ベクトル分布曲線に直交する方向に移動することによって前記補正対象の法線ベクトルを補正する手段と、
前記補正された法線ベクトルによって前記面要素を補正する手段と、を備える設計支援装置。 - 前記補正対象の法線ベクトルは、前記法線ベクトル分布曲線の曲率または変化率が所定の限界値を超える曲線部分の分布に含まれる法線ベクトルから選択される請求項1に記載の設計支援装置。
- 複数の頂点を含む境界線と前記境界線で取り囲まれた表面とを有する面要素の組合せによって形成される立体モデルの操作を支援する設計支援方法であって、コンピュータが、
隣接する2つの面要素の境界位置でそれぞれの面要素の法線ベクトルを求めるステップと、
前記隣接する2つの面要素の境界位置でのそれぞれの法線ベクトルが一致しないときに共通の補正法線ベクトルに置き換えるステップと、
隣接しない複数の面要素を含む曲面上で、所定方向に配列された面要素の境界線をつないで構成される評価基準線上でそれぞれの面要素の法線ベクトルを抽出するステップと、
前記評価基準線上での前記法線ベクトルの先端の分布を示す第1の法線ベクトル分布曲線を求めるステップと、
前記第1の法線ベクトル分布曲線に含まれる法線ベクトルから1以上の補正対象の法線ベクトルを除去することによって第2の法線ベクトル分布曲線を求めるステップと、
前記補正対象の法線ベクトルの先端を前記第2の法線ベクトル分布曲線に直交する方向に移動することによって前記補正対象の法線ベクトルを補正するステップと、
前記補正された法線ベクトルによって前記面要素を補正するステップと、を実行する設計支援方法。 - 前記補正対象の法線ベクトルは、前記法線ベクトル分布曲線の曲率または変化率が所定の限界値を超える曲線部分の分布に含まれる法線ベクトルから選択される請求項3に記載の設計支援方法。
- 複数の頂点を含む境界線と前記境界線で取り囲まれた表面とを有する面要素の組合せによって形成される立体モデルの操作を支援する設計支援プログラムであって、コンピュータに、
隣接する2つの面要素の境界位置でそれぞれの面要素の法線ベクトルを求めるステップと、
前記隣接する2つの面要素の境界位置でのそれぞれの法線ベクトルが一致しないときに共通の補正法線ベクトルに置き換えるステップと、
隣接しない複数の面要素を含む曲面上で、所定方向に配列された面要素の境界線をつないで構成される評価基準線上でそれぞれの面要素の法線ベクトルを抽出するステップと、
前記評価基準線上での前記法線ベクトルの先端の分布を示す第1の法線ベクトル分布曲線を求めるステップと、
前記第1の法線ベクトル分布曲線に含まれる法線ベクトルから1以上の補正対象の法線ベクトルを除去することによって第2の法線ベクトル分布曲線を求めるステップと、
前記補正対象の法線ベクトルの先端を前記第2の法線ベクトル分布曲線に直交する方向に移動することによって前記補正対象の法線ベクトルを補正するステップと、
前記補正された法線ベクトルによって前記面要素を補正するステップと、を実行させる設計支援プログラム。 - 前記補正対象の法線ベクトルは、前記法線ベクトル分布曲線の曲率または変化率が所定の限界値を超える曲線部分の分布に含まれる法線ベクトルから選択される請求項5に記載の設計支援プログラム。
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