JP3550949B2 - プレス成形解析用モデル作成方法 - Google Patents

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  • Control Of Presses (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形性を検討するためのプレス成形解析用モデルを比較的容易に作成することができるプレス成形解析用モデル作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高品質のプレス成形品が得られるようにするために、量産に入る前に金型形状の検討が行なわれている。
従来では、最適であると思われる金型を実際に製造し、この金型で実際に製品のプレスをし、プレス後の製品を三次元成型解析(形状不良の有無、欠けの有無、割れの有無)して金型の形状の修正をし、これを繰り返すことによって最良の形状の金型(高品質のプレス製品を得ることができる金型)で量産を行なうようにしている。
【0003】
ところが、プレス製品の解析及び金型形状の修正には非常に多くの時間と費用を要することから、量産体制がとれるまでには非常に多くの時間を要することになる。
このため、最近では、例えば特願平5−6442号公報、特願平5−312535号公報に開示されているように、実際に金型を製造する前に、シミュレーション(仮想の金型によって仮想の材料をプレスすること)によって、プレス成形時に発生する形状不良やその対策を事前に予測して、最適の金型形状を模索できる技術が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシミュレーションによれば、確かに金型を作成する必要はなくなるが、一方で、最適な金型の形状を作成するためのデータ入力に非常に時間を要するという問題がある。
【0005】
具体的には、金型形状を作成する場合には、理想的な成形品の線データから板成形解析用モデルデータ即ち、プレス成形用解析モデルを作成する必要がある(角部があると、成形過程で素材の流入を妨げて計算が正確に行なわれないから)が、そのモデルの作成には、入力した線データからは作成することができない滑らかなフィレット形状を既存の手法を用いて別に作成して、このフィレット形状を線データから作成されたプレス成形用解析モデルに付加することが要求される。したがって、線データにフィレット形状に関するデータが含まれていない場合には、フィレット形状の作成には非常に多くの時間を要することになる。
【0006】
このフィレット形状の作成時間は、成形品の形状が複雑になるほど、指数関数的に増加するので、成形品の形状によっては、従来のように金型を実際に製造して修正する方法と変わらなくなってしまうほど時間を要することもある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、線データから作成されたプレス成形解析モデルに対して、半径を入力するという簡単な操作によってフィレット面を形成することができるようにしたプレス成形解析用モデル作成方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、次のように構成される。
【0010】
請求項に記載の発明は、外部装置を介して入力した線データから成るプレス成形解析モデルから図形演算装置によってメッシュ状のプレス成形モデルを作成する第1段階と、当該図形演算装置によって当該メッシュ状のプレス成形モデルの角部を形成する稜線上の節点を抽出する第2段階と、前記図形演算装置によって当該抽出された稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを、当該稜線を共有する両面の法線ベクトルから算出する第3段階と、前記図形演算装置によって前記抽出された稜線上の節点を前記算出された法線ベクトルの方向に移動させる第4段階と、前記図形演算装置によって前記稜線から一定距離離れた前記稜線を共有する両面の内の一方の面上の節点から、前記移動した節点を通り前記稜線から一定距離離れた前記稜線を共有する他方の面上の節点まで、円弧が描かれるように、前記稜線から一定距離離れた前記稜線を共有する両面に存在する全ての節点を移動させる第5段階とから構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記第3段階は、前記図形演算装置によって前記稜線を共有する両面に含まれるメッシュからそれぞれのメッシュの法線ベクトルを算出する段階と、前記図形演算装置によって、前記算出された法線ベクトルに応じて、それぞれのメッシュに含まれる前記抽出された稜線上の節点を移動させる段階とから構成されることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記第4段階は、前記第5段階で形成される円弧の半径を前記外部装置を介して入力する段階と、前記図形演算装置によって、当該入力された半径に相当する距離に位置されるように、前記抽出された稜線上の節点を前記算出された法線ベクトルの方向に移動させる段階とから構成されることを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、外部装置を介して入力した線データから成るプレス成形解析モデルからメッシュ状のプレス成形モデルを作成する第1段階と、当該図形演算装置によって当該メッシュ状のプレス成形モデルの角部を形成する稜線上の節点を抽出する第2段階と、前記図形演算装置によって当該抽出された稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを、当該稜線を共有する両面の法線ベクトルから算出する第3段階と、前記外部装置を介して円弧の半径を入力し、前記図形演算装置によって、当該入力された半径に相当する距離に位置されるように、前記抽出された稜線上の節点を前記算出された法線ベクトルの方向に移動させる第4段階と、前記外部装置を介して入力された円弧の半径に基づいて、前記図形演算装置によって、前記稜線から前記稜線を共有する両面に存在する節点を移動させる範囲を算出する第5段階と、前記図形演算装置によって、前記稜線から前記算出された範囲内で前記稜線を共有する両面に存在する全ての節点を、前記移動した節点を通る円弧が描かれるように移動させる第6段階と、から構成されることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、メッシュ状のプレス成形モデルを作成し、その角部を形成する稜線上の節点を抽出し、稜線を共有する両面の法線ベクトルから抽出された稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを算出し、抽出された稜線上の節点をその法線ベクトルの方向に移動させ、その稜線から一定距離離れたその稜線を共有する両面の内の一方の面上の節点から、移動した節点を通りその稜線から一定距離離れたその稜線を共有する他方の面上の節点まで、円弧が描かれるように、その稜線から一定距離離れたその稜線を共有する両面に存在する全ての節点を移動させて、角部が除かれた滑らかな形状のプレス成形解析用モデルを作成するようにしたので、プレス成形解析用モデルが従来に比較して短時間で作成することができ、プレス成形性の解析が容易に行なえるようになる。
【0016】
請求項に記載の発明は、稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを、メッシュから算出するようにしているので、線データから角部が除かれた滑らかな形状のプレス成形解析用モデルを作成することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、外部装置から入力した半径に応じて円弧を描かせるようにしているので、半径を入力するという操作のみによって線データから角部が除かれた滑らかな形状のプレス成形解析用モデルを作成することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、メッシュ状のプレス成形モデルを作成し、その角部を形成する稜線上の節点を抽出し、稜線を共有する両面の法線ベクトルから抽出された稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを算出し、円弧の半径を入力し、その稜線上の節点を移動させる範囲を入力された半径に相当する距離に位置されるように算出された法線ベクトルの方向に移動させ、この移動した節点を通る円弧が描かれるようにその稜線から算出された範囲内でその稜線を共有する両面に存在する節点を移動させるようにしたので、外部装置から半径を入力するという操作のみによって線データから角部が除かれた滑らかな形状のプレス成形解析用モデルを、従来に比較して短時間で作成することができるようになり、プレス成形性の解析が容易に行なえるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の1実施形態を図面にしたがって詳細に説明する。
図1は、本発明方法を実施するために用いられる1装置構成を示したものである。
【0020】
この装置は、画像処理をすることができるコンピュータであり、入力されたデータに基づく画像処理は図形演算装置10によって行なわれる。後述するプレス成形モデルの線データやその角部に円弧を描かせるための半径の入力は、キーボード15によって行なわれる。図形演算装置10によって画像処理が施された後に得られるプレス成形解析用モデルは、表示装置(たとえば、CRT,LCD,プラズマディスプレイ等)20に表示される。
【0021】
図2に示すフローチャートは、本発明にかかるプレス成形解析用モデル作成方法の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの具体的な処理の説明の前に、図3を参照しながら本発明方法の概略の説明をする。
【0022】
キーボード15から線データ(ワイヤーフレームモデルのデータ)を入力し、図形演算装置10ではこのデータに基づいて図3(a)に示すようなメッシュ状の形状(線データから生成した有限要素メッシュ)を作成する。そして、このメッシュの交点を節点と定義する。次に、キーボード15から半径r(フィレットR値)が入力されると、この半径rの値に基づいて、同図(a)の図形の稜線に含まれる節点を、それらの節点の法線方向に移動する。この移動によって最終的に同図(b)に示すような図形を作成する。こうして作成された形状を滑らかにする(メッシュのR付けを行なう)ために、前述の稜線から一定距離にある全ての節点をそれぞれ異なる距離移動させて(ラプラシアン法による形状修正を反復的に行なう)、同図(c)に示すような図形を作成する。
【0023】
つまり、線データの稜線にフィレットR値を与えることでその稜線の節点の移動とメッシュの形状修正を反復的に行ない、線データから生成した有限要素メッシュに対して直接・簡易的に丸め処理を行なうのである。
【0024】
このように、有限要素メッシュに対して直接丸め処理を行なうようにしたため、面データやフィレット面を作成することなく、滑らかにしたい角部の半径を入力するという操作のみによって角のない滑らかな形状の図形を得ることができ、従来のように、角を取るためにその部分にはめ込むフィレット面を作成する必要がなくなり、複雑な形状のフィレット掛けをも容易かつ確実に処理することができるようになり、線データからプレス成形解析用モデルを比較的短時間でしかも容易に作成することができるようになる。
【0025】
次に、本発明にかかるプレス成形解析用モデル作成方法を、図4から図21の図面を参照しながら詳細に説明する。まず、キーボード15から線データ(ワイヤーフレームモデルのデータ)が入力されると、図形演算装置10は、この入力された線データ(形状の輪郭のみを表すためのデータ)に基づいて、図4に示すようなメッシュ状(有限要素メッシュ)の形状を作成する。そして、この図形において線と線との交点(たとえば図の黒丸部分)を節点として定義し、また、この図形の角(山折り部分、谷折り部分)を構成する部分の線を稜線として定義する。したがって、稜線上の節点は、図4の黒丸で示してあるような部分における山折り部分、谷折り部分の稜線に含まれている交点ということになる。
【0026】
稜線に含まれる節点を移動させるには、図5のように節点の移動方向を示す法線ベクトルを算出する必要がある。この法線ベクトルは、各節点について算出しなければならない。この算出をしないと、最終的に滑らかな形状のプレス成形解析用モデルを作成することができなくなるからである。
【0027】
この法線ベクトルは、具体的には次のようにして作成することになる。
この法線ベクトルは、図6に示すように、稜線(R稜線)を共有する両面の法線ベクトルまたはその稜線を共有する両面に含まれるメッシュの法線ベクトルn1を求め、この求めた法線ベクトルn1に、その稜線とメッシュの作る角度θ1を乗じたベクトルの和として求めている。すなわち、
【0028】
【数1】
Figure 0003550949
【0029】
次に、図7に示すように、稜線上の節点に対してその節点を持つメッシュの法線ベクトルNa,Nbからメッシュ間の角度αを求める。精度上は節点を持つ全てのメッシュから算出することが望ましいが、ここでは稜線間の2つのメッシュから求めている。すなわち、
【0030】
【数2】
Figure 0003550949
【0031】
以上のようにして、線データの稜線上の節点の法線ベクトルを周りのメッシュの角度から算出する処理が終了すると、キーボード15からフィレットR値としてフィレット半径rを入力し(S3)、この入力されたフィレット半径rを読み込んで、次のような演算を経て稜線上の節点を移動させる処理をする。
【0032】
この処理は、例えば図8に示すような形状の角部(凸稜線及び凹稜線の両方を含む)を図のように入力された半径の円弧形状に丸める処理を行なう前段階の処理である。
【0033】
なお、フィレットr半径は、図9に示すような有限要素メッシュの形状の角部を丸める場合には、稜線部分のフィレット半径rのみを入力し、図10に示すような有限要素メッシュの形状の角部を丸める場合には、稜線部分のフィレット半径rと、異なる法線ベクトルを持つ稜線の交点、即ち角部のフィレット半径rとを入力する必要がある。
【0034】
S2のステップで求めたメッシュ間の角度αと入力したフィレット半径rを用いて移動量Iを算出する。この場合の節点の移動方向は、例えば、図8に示す形状の場合、凸稜線は節点を図の裏側に移動させ、また、凹稜線は節点を図の表側に移動させる。節点の移動方向が求まると、S1のステップで算出した法線ベクトルの方向にそれぞれの節点を図12または図13に示すように移動する。
【0035】
その移動量Iは、次のようにして算出する。この算出方法を図11に基づいて説明する。
図に示すように、S2のステップで算出したメッシュ間の角度α、その稜線に対して入力したフィレット半径r、S1のステップで求めた法線ベクトルNvとし、移動前の節点の位置をPc、移動後の節点の位置をPnとすると、移動後の節点の位置Pnは、
Pn=Pc+I・Nv
また、sin(α/2)=r/(r+I)より、
I=[1−sin(α/2)]・r/sin(α/2)
として、移動量Iを求める。この移動量Iはそれぞれの節点について求められる。そして、求められた移動量だけ、節点をその法線ベクトルに沿って移動させる。この処理をフィレット半径を入力した全ての稜線の節点について行なうと、最終的には、図12または図13に示すようなメッシュの形状が得られる。
【0036】
このように、メッシュ形状の角部の稜線に位置する節点については、周りのメッシュから算出される節点のはさみ角αと入力したフィレット半径rを用いて移動量を演算し、それぞれの節点に対して求められた法線ベクトルの方向に沿って節点を移動させるという処理をする。
【0037】
また、角部の頂点を構成する節点については、上記のような方法では移動量Iを演算することができないので、この部分については、フィレット面生成手法の1つであるローリングボール手法の考え方にしたがって次のような演算で求める。これを図14を参照しながら説明する。
【0038】
まず、入力されたフィレット半径rにしたがって、角部の頂点の節点に対して周りの稜線が凹か凸かを調べる。これは、その節点をどちら側に移動したら良いのかが分からないからである。例えば、図8に示す形状の場合、凸稜線は節点を図の裏側に移動させないと丸め処理ができず、また、凹稜線は節点を図の表側に移動させないと丸め処理をすることができないからである。
【0039】
角部の頂点の節点の三次元座標状の移動量をI、これを左側(X座標)から見た場合の移動量をIb、これを右側(Y座標)から見た場合の移動量をIaとすると、移動量Iは、
【0040】
【数3】
Figure 0003550949
【0041】
ここで、Ia=r/tan(β/2)
Ib=[1−sin(γ/2)]・r/sin(γ/2)である。
【0042】
角部の頂点の節点は、この移動量Iだけ凸稜線については内側に、凹稜線については外側に節点を移動させる。このようにして角部と角部の頂点の節点を移動させ、後述する丸め処理を施すことによって、最終的なプレス成形解析用モデルが得られる(S4)。
【0043】
次に、角がとれた滑らかな形状にするいわゆる丸め処理を施すために、図15に示してあるように、メッシュの形状のどの範囲の節点を移動させるのかを示すフィレット幅(丸める領域)を演算する。この演算は、全ての角部、及び全ての角部の頂点に対して先に求めたメッシュ間の角度(はさみ角)α、入力されたフィレット半径rにもとづいて次のようにする。
【0044】
このフィレット幅hは、図16に示してあるように、
h=r/tan(α/2)によって算出される。
【0045】
したがって、この算出されたフィレット幅h内に存在する全ての節点、換言すれば、稜線からの距離がフィレット幅hよりも小さい節点は、該当する節点には次のラプラシアン法による形状修正の処理が施される(S5)。
【0046】
この形状修正(スムージング処理)は、次の式の演算を行なうことによって行なう。
【0047】
ここで、図17に示してあるように、i,j,kをそれぞれ1個の三角形の3頂点を表すものとし、Pi,Pj,Pkはこれらの3頂点の座標を表すものとし、また、nは、点iを共有する三角形の個数を表すものとすると、
【0048】
【数4】
Figure 0003550949
【0049】
この式は、点iをその点を頂点とする全ての三角形の面積の重心位置に移動させることを示している。なお、この式は、点iを共有するメッシュが全て三角形の場合であるが、四角形が存在する場合でも、その重心を求めて同様の計算をすれば良い。
【0050】
角部及び角部の頂点を滑らかな形状とするには、このスムージング処理を複数回繰り返し行なうことが好ましい。ここでは、この繰り返しの回数を、稜線の直交方向に対するフィレット幅h内に存在する節点の数をその因子として求めるのが好適であるとしている。この反復回数Itは、次の式で求める。
【0051】
It=A・Nh
ここで、Nhは、角部の稜線に対しては、Nh=稜線まわりの節点数/稜線上の節点数、角部の頂点の節点に対しては、Nh=頂点まわりの節点数/その頂点に集まる稜線の数であり、A及びBは経験的な係数である。
【0052】
具体的には、図18に示すようなメッシュ形状の場合、稜線上に存在する節点数は4個であり、フィレット幅内に存在する節点数は一方の面については12個であるから、この面についてのNhは、12/4=3となる。また、他方の面については存在する節点数は8個であるから、この面についてのNhは、8/4=2となる。これにA,Bの経験値を当てはめて計算すれば、丸め処理をするための反復計算回数が求められる。この反復回数だけ、フィレット幅内にある全ての接点の移動量を演算する。この演算を繰り返しすることによって、図18に示した図形が図19に示すような角のとれた滑らかな形状の図形となる。
【0053】
上述した丸め処理は、円弧を1つの半径に基づいて作成するものを示したが、稜線に入力されるフィレット半径は、稜線の節点に対して与えるようにしているので、図20のように、それぞれの節点に対して異なる半径を与えることによって、同図に示すような曲線に丸める処理をすることも可能である。このような処理を徐変フィレット処理というが、この徐変フィレット処理が指定された場合には、それぞれの稜線に与えたフィレット半径の内分比の値を算出して丸め処理をする。また、図21に示すようなS字状の曲線を描かせる処理を先行R処理と言うが、この先行R処理が指定された場合には、先にR付けをする稜線に対しては、通常の丸め処理をし、後にR付けをする稜線に対しては、メッシュの形状修正のみを行う。
【0054】
このように、「徐変フィレット処理」、「先行R処理」をすれば、さらに滑らかな形状を得ることができる(S6)。
【0055】
本発明方法を実施した結果得られたメッシュ状のプレス成形解析用モデルの一例を示せば、図22及び図23に示すようなものとなる。角部がとれて滑らかな形状となっていることがよくわかる。
【0056】
又、図24と図25は、入力した線データに基づいて作成されたメッシュ状のプレス成形モデルに対して本願発明方法を適用した結果どのような形状のプレス成形解析用モデルが得られるかを示したものである。角部がとれて滑らかな形状となっていることがよくわかる。
【0057】
このように、本願発明では、フィレット半径を入力するという操作のみで滑らかな形状のプレス成形解析用モデルを作成することができるので、モデルの作成に要する時間を大幅に短縮することができるようになる。実際に自動車のプレス部品に本願発明を適用した場合には、その部品の形状は非常に複雑なものが多いので、そのモデル作成の効率化の効果は計り知れないものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の概略構成図である。
【図2】本発明方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明方法の概略の手順を説明するための図である。
【図4】節点の移動処理を説明するための図である。
【図5】節点の移動処理を説明するための図である。
【図6】節点の移動処理を説明するための図である。
【図7】節点の移動処理を説明するための図である。
【図8】節点の移動処理を説明するための図である。
【図9】節点の移動処理を説明するための図である。
【図10】節点の移動処理を説明するための図である。
【図11】節点の移動処理を説明するための図である。
【図12】節点の移動処理を説明するための図である。
【図13】節点の移動処理を説明するための図である。
【図14】スムージング処理を説明するための図である。
【図15】スムージング処理を説明するための図である。
【図16】スムージング処理を説明するための図である。
【図17】スムージング処理を説明するための図である。
【図18】スムージング処理を説明するための図である。
【図19】スムージング処理を説明するための図である。
【図20】スムージング処理を説明するための図である。
【図21】スムージング処理を説明するための図である。
【図22】本発明方法で処理した後に得られる形状の一例を示す図である。
【図23】本発明方法で処理した後に得られる形状の一例を示す図である。
【図24】本発明方法の処理前の図形(入力図形)を示す図である。
【図25】図24の図形に本発明方法を適用した後の図形を示す図である。
【符号の説明】
10…図形演算装置、
15…キーボード、
20…表示装置。

Claims (4)

  1. 外部装置を介して入力した線データから成るプレス成形解析モデルから図形演算装置によってメッシュ状のプレス成形モデルを作成する第1段階と、
    当該図形演算装置によって当該メッシュ状のプレス成形モデルの角部を形成する稜線上の節点を抽出する第2段階と、
    前記図形演算装置によって当該抽出された稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを、当該稜線を共有する両面の法線ベクトルから算出する第3段階と、
    前記図形演算装置によって前記抽出された稜線上の節点を前記算出された法線ベクトルの方向に移動させる第4段階と、
    前記図形演算装置によって前記稜線から一定距離離れた前記稜線を共有する両面の内の一方の面上の節点から、前記移動した節点を通り前記稜線から一定距離離れた前記稜線を共有する他方の面上の節点まで、円弧が描かれるように、前記稜線から一定距離離れた前記稜線を共有する両面に存在する全ての節点を移動させる第5段階と、
    から構成されることを特徴とするプレス成形解析用モデル作成方法。
  2. 前記第3段階は、
    前記図形演算装置によって前記稜線を共有する両面に含まれるメッシュからそれぞれのメッシュの法線ベクトルを算出する段階と、
    前記図形演算装置によって、前記算出された法線ベクトルに応じて、それぞれのメッシュに含まれる前記抽出された稜線上の節点を移動させる段階とから構成されることを特徴とする請求項に記載のプレス成形解析用モデル作成方法。
  3. 前記第4段階は、
    前記第5段階で形成される円弧の半径を前記外部装置を介して入力する段階と、前記図形演算装置によって、当該入力された半径に相当する距離に位置されるように、前記抽出された稜線上の節点を前記算出された法線ベクトルの方向に移動させる段階とから構成されることを特徴とする請求項に記載のプレス成形解析用モデル作成方法。
  4. 外部装置を介して入力した線データから成るプレス成形解析モデルからメッシュ状のプレス成形モデルを作成する第1段階と、
    当該図形演算装置によって当該メッシュ状のプレス成形モデルの角部を形成する稜線上の節点を抽出する第2段階と、
    前記図形演算装置によって当該抽出された稜線上の節点を移動させるための法線ベクトルを、当該稜線を共有する両面の法線ベクトルから算出する第3段階と、
    前記外部装置を介して円弧の半径を入力し、前記図形演算装置によって、当該入力された半径に相当する距離に位置されるように、前記抽出された稜線上の節点を前記算出された法線ベクトルの方向に移動させる第4段階と、
    前記外部装置を介して入力された円弧の半径に基づいて、前記図形演算装置によって、前記稜線から前記稜線を共有する両面に存在する節点を移動させる範囲を算出する第5段階と、
    前記図形演算装置によって、前記稜線から前記算出された範囲内で前記稜線を共有する両面に存在する全ての節点を、前記移動した節点を通る円弧が描かれるように移動させる第6段階と、
    から構成されることを特徴とするプレス成形解析用モデル作成方法。
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