JPH06176107A - 距離画像処理方法及び装置 - Google Patents

距離画像処理方法及び装置

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JPH06176107A
JPH06176107A JP4325554A JP32555492A JPH06176107A JP H06176107 A JPH06176107 A JP H06176107A JP 4325554 A JP4325554 A JP 4325554A JP 32555492 A JP32555492 A JP 32555492A JP H06176107 A JPH06176107 A JP H06176107A
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JP
Japan
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edge
edge map
input
distance
map
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JP4325554A
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English (en)
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Yoshifumi Kitamura
喜文 北村
Takeo Kimura
岳男 木村
Haruo Shimizu
治夫 清水
Osamu Yoshizaki
修 吉崎
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体の形状を記述するために、少ないデータ
量で精度のよいポリゴンデータを得る。 【構成】 距離画像を入力する手段と、入力された距離
画像より、解像度の相異なる複数の距離画像を生成する
手段と、生成された複数の距離画像の各々につき、法線
ベクトルを計算する手段と、計算された法線ベクトルに
基づき、前記複数の距離画像の各々についてエッジマッ
プを作成する手段と、作成された前記複数の距離画像の
各々についてのエッジマップを合成して1つのエッジマ
ップを作成する手段と、合成されたエッジマップに基づ
き、入力された距離画像の表わす物体の表面形状を記述
するポリゴンデータを作成する手段とを具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された距離画像か
ら、この距離画像の表わす物体の表面形状を近似的に記
述するポリゴンデータを作成する距離画像処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を説明するにあたって、本願
発明に係わる用語の簡単な解説を行うことにする。
【0003】まず、「距離画像」とは、画素値として、
距離計測センサにより測定された物体表面の各点と基準
面との垂直距離を与えた画像である。データ形式として
は、正方2次元格子上の各点(X、Yにおいて、距離
(Z値が格納される。最近Computer Visi
onやComputer Graphics分野で利用
され始めたデータである。
【0004】次に、「ポリゴンデータ」とは、物体表面
形状を、それぞれが同一平面上にある多角形(ポリゴ
ン)の組み合わせで近似表現するためのデータである。
三角形の場合のポリゴンデータ構造の例を図10に示
す。このデータ構造は、大きく2つに分けられる。前半
部分はポリゴンを構成する頂点情報を指定する部分であ
り、この例では、各頂点につき、必須なデータである頂
点情報の(x、y、z)値のほか、オプションとして頂
点における法線ベクトル(Nx、Ny、Nz)値を持って
いる。後半は指定された頂点情報に対して、ポリゴンを
構成する稜線の接続情報を示すものであり、最初に各ポ
リゴンを構成する頂点数n(ここでは3)、そして各ポ
リゴンを構成するn個の頂点番号が続く。
【0005】従来の距離画像処理装置として、例えば、
物体の表面の3次元位置座標データを、レーザレンジフ
ァインダなどの3次元座標計測装置により入力し、得ら
れた距離画像を固定された等間隔の正方格子で一様に分
割し、隣接格子点を頂点として結んでできる正方形を1
単位として、この物体表面を近似するポリゴンデータを
作成するものが考案されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上記従来
の装置では、距離画像の全体で一様なポリゴンを利用す
るので、複雑な形状の物体に対して、近似精度を高めよ
うとすると、ポリゴン数が多くなり、データ量が多くな
ってしまうという問題点があった。
【0007】また、逆にデータ量をある程度まで抑えよ
うとすると、ポリゴン数を減らして1つのポリゴンの大
きさを大きくする必要があるので、近似の精度が悪くな
り、形状の細部が表現できなくなるという問題があっ
た。
【0008】また、距離画像から作成されたエッジマッ
プにおいて、閉じていないエッジが存在すると、ポリゴ
ンデータが作成できないという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明距離画像処理装置
は、上記課題を解決するために、距離画像を入力する入
力手段と、該入力手段より入力された距離画像より、解
像度の相異なる複数の距離画像を生成する生成手段と、
該生成手段により生成された複数の距離画像の各々につ
き、法線ベクトルを計算する計算手段と、該計算手段に
より計算された法線ベクトルに基づき、前記複数の距離
画像の各々についてエッジマップを作成するエッジマッ
プ作成手段と、該作成手段により作成された前記複数の
距離画像の各々についてのエッジマップを合成して1つ
のエッジマップを作成する合成手段と、該合成手段によ
り合成されたエッジマップに基づき、前記入力手段より
入力された距離画像の表わす物体の表面形状を記述する
ポリゴンデータを作成するポリゴンデータ作成手段とを
具える。
【0010】また、本発明の他の態様によれば、距離画
像処理装置に、解像度の異なる複数の距離画像それぞれ
に対するエッジマップを入力する入力手段と、該複数の
エッジマップのうち、低解像度のエッジマップの輪郭を
補正する補正手段と、該補正手段により補正された低解
像度のエッジマップと、前記入力手段より入力された高
解像度のエッジマップとを合成する合成手段とを具え
る。
【0011】また、本発明の他の態様によれば、距離画
像処理装置に、距離画像に関するエッジマップを入力す
る入力手段と、該入力手段より入力されたエッジマップ
を走査して、閉じていないエッジを検出する検出手段
と、該検出手段により検出された閉じていないエッジを
削除又は延長するエッジマップ整形手段とを具える。
【0012】
【作用】本発明は、かかる構成により距離画像を入力
し、入力された距離画像より解像度の相異なる複数の距
離画像を生成し、該生成された複数の距離画像の各々に
つき法線ベクトルを計算し、該計算された法線ベクトル
に基づき、前記複数の距離画像の各々についてエッジマ
ップを作成し、該作成された前記複数の距離画像の各々
についてのエッジマップを1つのエッジマップに合成
し、該合成されたエッジマップに基づき、入力された前
記距離画像の表わす物体の表面形状を記述するポリゴン
データを作成するものである。
【0013】また、本発明の他の態様によれば、解像度
の異なる複数の距離画像それぞれに対するエッジマップ
を入力し、該複数のエッジマップのうち低解像度のエッ
ジマップの輪郭を補正し、該補正された低解像度のエッ
ジマップと入力された高解像度のエッジマップとを合成
し、該合成の際に、合成される複数のエッジマップのう
ち、高解像度の距離画像のエッジマップの持つエッジを
保護する。
【0014】また、更に他の態様では、距離画像に関す
るエッジマップを入力し、該入力されたエッジマップを
走査して閉じていないエッジを検出し、該検出された閉
じていないエッジを削除又は延長する。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】図1は本実施例に係わる距離画像処理シス
テムの基本構成を示すブロック図である。
【0017】同図において、1は各種処理手順を記憶す
るためのプログラムメモリ、2は本システムの処理に必
要な情報、及び入出力データを記憶するためのデータメ
モリ、3はプログラムメモリ1に記憶されている処理手
順に従って各種処理を行い、装置各部を制御するための
CPUである。
【0018】4は本システムで得られたポリゴンデータ
に基づく形状モデルなど、各種データを表示したり、ユ
ーザからの指示をインタラクティブに表示する表示部で
あり、本実施例では、マルチウィンドウ形式の表示部で
あるとする。5はキーボード(KB)で、ユーザがプロ
グラムを作成したり、本システムに指令を入力するのに
使用される。6は表示部4の画面上で指示を入力するた
めのマウスである。7はレーザレンジファインダであ
り、物体表面の各点と基準面との垂直距離を測定し、距
離画像を入力する。本実施例では、このように距離画像
は、実際に測定を行って入力するものとするが、これに
限らず、例えば画像データベースに蓄積されたデータを
利用するようなものであってもよい。
【0019】また、本発明は、単体の装置に限らず、本
発明の機能が実行されるのであれば、複数の装置からな
るシステムにも適用可能であり、更に、装置あるいはシ
ステムにプログラムを供給することによって処理が行わ
れるシステムであっても適用できることは言うまでもな
い。
【0020】プログラムメモリ1において、11は一枚
の距離画像から複数の解像度の距離画像を作成する距離
画像作成プログラム、12は距離画像から画像各点の法
線ベクトルを計算する法線ベクトル計算プログラム、1
3は距離画像と法線ベクトルから物体のエッジを検出、
生成し、エッジマップを作成するエッジマップ作成プロ
グラム、14は複数の解像度のエッジマップを合成して
一枚のエッジマップを作成するエッジマップ合成プログ
ラム、15はエッジマップからポリゴンデータを作成す
るポリゴンデータ作成プログラム、16は距離画像、法
線ベクトル、及びエッジマップを表示する表示プログラ
ム、17はデータの入出力を行う入出力プログラムであ
る。
【0021】データメモリ2において、21はレーザレ
ンジファインダ7や、距離画像データベース等より入力
された、あるいは、距離画像作成プログラム11に基づ
き生成された距離画像、22は距離画像から計算された
法線ベクトル、23はエッジマップ作成プログラム13
に基づき作成されたエッジマップ、24はポリゴンデー
タ作成プログラム15により作成されたポリゴンデータ
である。
【0022】図2は本実施例の処理の流れを示す図であ
る。図において矢印はデータの流れの向きを示してい
る。本実施例では、まず、入力された一枚の距離画像か
ら複数の異なる解像度の距離画像を作成する(ステップ
S210)。この時、どの解像度の距離画像を作成する
かは、物体の形状を調べて決める。一般に、物体表面が
複雑な形状をしており、様々な曲率を持った曲面から構
成される物体では、多くの解像度の異なる距離画像を必
要とする。逆に、平面のみから構成される物体では、単
一解像度の距離画像があれば十分である。複数の解像度
の距離画像を作成するには、基本的に原距離画像を最高
解像度とし、これを平滑化したり、間引いたりすること
で低解像度の距離画像を作成することで行う。そして、
この時、平滑化の範囲や、間引く間隔を変えることで異
なる解像度の距離画像を作成する。
【0023】曲面の曲率、勾配と距離画像のサンプル点
間隔について、2次元平面内の曲線を例にして説明す
る。図3のように2次元平面内の曲線y=f(x)を考
える。この曲線上の点の接線ベクトルt、法線ベクトル
nは、
【0024】
【外1】 で与えられる。このとき、nがx軸の正方向となす角度
φは、
【0025】
【外2】 となる。さらに(1)式で表わされるφのxに対する変
化率
【0026】
【外3】 で与えられる。ここで、x軸方向に微小な幅w(x)を
とると、この両端の2点で生じる法線ベクトルの角度差
θ(x)は
【0027】
【外4】 である。一方曲線y=f(x)の曲率は、
【0028】
【外5】 で与えられるので、(4)式と(2)式を(3)式に代
入して、
【0029】
【外6】 の関係が導かれる。
【0030】つまり、法線ベクトルの角度差θ(x)を
生じさせる二点間の間隔は、その点の曲率k(x)と勾
配に応じて上式のw(x)で与えられる。
【0031】上で述べた曲線y=f(x)におけるサン
プル点間隔w(x)と、そこで生じる法線ベクトルの角
度差θ(x)の関係式(5)を次式のように変形する。
【0032】
【外7】 次式はこの関係式(6)を満たす1つの曲線である。
【0033】
【外8】
【0034】図4において、(a)は式(7)のw0
して、w1 、w2 、w3 (w1 <w2 <w3 )をもつ3
つの曲線を各区間A、B、Cにもつ曲線を組み合わせた
ものであり、それぞれの区間で一定のサンプル点間隔w
0 =w1 、w2 、w3 で生じる法線ベクトルの角度差が
どこでも一定値θt となる。(b)は(a)の曲線の曲
率を示したものである。ここで曲率k1 以下の曲率成分
を通過させ、それ以上の曲率成分を遮断する低域通過フ
ィルタを用いれば、Cの区間の曲線のみを残すことがで
きる。この結果にサンプル点間隔w3 をとれば、ここで
生じる法線ベクトルの角度差はθt となる。
【0035】次に、曲率k2 以下の曲率成分を通過さ
せ、それ以上の曲率成分を遮断する低域通過フィルタを
用いれば、BとCの区間の2種類の曲線を残すことがで
きる。この結果にサンプル点間隔w2 で法線ベクトルを
とれば、Cの区間ではw2 <w3 なので、法線ベクトル
の角度差はθt 未満となり、θt を稜線検出のしきい値
とした場合には稜線が検出されない。またBの区間で同
じくサンプル点間隔wをとれば、ここで生じる法線ベ
クトルの角度差はθ となる。
【0036】最後に元の曲線にサンプル点間隔w1 で法
線ベクトルをとれば、B、Cの区間ではw1 <w2 <w
3 なので、法線ベクトルの角度差はθt 未満となり、θ
t を稜線検出のしきい値とした場合には稜線が検出され
ない。またAの区間で同じようにサンプル点間隔w1
とれば、ここで生じる法線ベクトルの角度差はθt とな
る。
【0037】入力される距離画像のノイズを除去し、指
定の範囲の曲率成分を含む複数の解像度の距離画像を生
成するための低域通過フィルタの例として次式のGau
ssianフィルタを用いることができる。
【0038】
【外9】
【0039】Gaussianのパラメータσは、入力
される距離画像の高周波ノイズを除去し、2で述べた画
素間隔w0 (=2sとおく)よりも小さい曲率成分を除
去するため、σ=T/σf =2・(2s)=4sとして
選ぶ。ここでTはガウス窓の直径である。
【0040】次に、得られたそれぞれの解像度の距離画
像に対して法線ベクトルを計算する(ステップS221
〜S223)。
【0041】上で述べたGaussianフィルタを用
いた場合、各点の法線ベクトルnは、上式G(x、y)
のx方向とy方向の偏微分を距離画像Z(x、y)に畳
み込むことにより、
【0042】
【外10】 として求めることができる。
【0043】その後、各解像度の距離画像と、この法線
ベクトルからエッジマップを作成する(ステップS23
1〜S233)。このステップでは、例えば、本出願人
が先に出願した特願平4−198678号あるいは特願
平4−321636号にあるように、8近傍との距離の
差、法線ベクトルの角度差がしきい値を越えるもの(エ
ッジ)を見つける。そしてエッジマップには各画素から
見たエッジの存在する方向を示す。
【0044】法線ベクトルの計算、及び、エッジマップ
の作成は各解像度の画像毎に独立であり、システム構成
をマルチプロセッサシステムとして各プロセッサに割り
当てることで、この間、効率良く処理を行うことができ
る。
【0045】こうして得られた各解像度のエッジマップ
を、低解像度のものから順に、それまでの合成結果に新
たなエッジマップを合成して行き、最終的に一枚のエッ
ジマップにする(ステップS241〜S242)。この
間、それぞれの合成において、エッジマップの解像度
は、合成される二枚の内で高い方の解像度になり、最終
的には最高解像度のものになる。これと同時に、すべて
の解像度のエッジマップが持っていた特徴を集めたもの
になる。このステップの詳細は後述する。
【0046】そして、この一枚に合成されたエッジマッ
プからポリゴンデータを作成する(ステップS25
0)。
【0047】上の手順(ステップS241〜S242)
で得られた複雑な形状の多角形を、3次元空間での同一
平面性が保証される三角形の集まりに分割する。ここで
は、まずこの多角形を複数の凸多角形に分割した後、三
角形に分割する。そのために、図5の(a)のように、
各多角形の輪郭線上をたどって凹点を検出し、この点か
ら対辺に向かって稜線を引く。これによってすべての多
角形は(b)の様に凸の頂点を持つことになる。その結
果生成された凸多角形をさらに三角形に分割する。ここ
では左上の頂点からそれに隣あわない他の頂点へ稜線を
張ることによって、(c)の様に三角形に分割された稜
線マップを得る。ここで分割された一つの三角形に含ま
れる点の法線ベクトルの方向差は、最大でもθt であ
る。
【0048】続いて、2次元画像上のエッジマップか
ら、3次元世界での三角形パッチを作成する。まず上で
三角形に分割されたエッジマップを走査し、稜線の方向
が変化する屈折点と2つの稜線が接合する点を順次発見
する。次にこの座標値に対応する距離画像の値を参照し
て、三角形パッチの各頂点座標を読み込んでゆく。ここ
では、最も高解像度の距離画像データを利用する。この
とき、距離画像の計測誤差などのため、図6の(a)の
ように大きさが異なる三角形が接合する箇所で、再構成
された物体表面に3次元的な隙間が生じてしまう場合が
ある。そこで、稜線マップ上で2方向の稜線がT字接続
した頂点を見つけ、その距離値を次式によって図6の
(b)のように補正する。ただし図で、点A、B、Cの
三次元座標をそれぞれ(xA、yA 、zA )、(xB
B 、zB )、(xC 、yC 、zC )とする。
【0049】zC ={(xC −xA )(zB −zA )}
/(xB −xA )+zA (xA ≠xB のとき) zC ={(yC −yA )(zB −zA )}/(yB −y
A )+zA (xA =xB のとき)
【0050】なお、座標を補正する頂点の順序は、補正
すべき頂点の依存関係を示した有向グラフの強連結成分
を解いて求める。簡単な例を(c)に示す。ここで、頂
点5、6はT字接続であるので、3次元座標値の補正が
必要である。(d)は、発見されたT字接続点からその
両隣の頂点を加えて補正の依存関係を表わした有向グラ
フであり、グラフの葉にあたる頂点から補正することを
示している。この例では頂点3、7、10が既に座標値
の確定した頂点であり、頂点6、5の順に補正される。
【0051】こうして作成した三角形パッチの頂点の座
標値に加え、上で計算された各頂点の法線ベクトル情報
も読み込み、三角形パッチによる形状表現のデータファ
イルを作成する。例を図7に示す。
【0052】図8は本実施例と従来例によって同じ距離
画像からポリゴンデータを作った結果である。なお、体
積誤差は以下の式によって計算してある。体積誤差の単
位は%である。図9は実験に使用した原距離画像を、図
10はこの距離画像から本実施例により作成されたポリ
ゴンデータによって物体を再構成した結果を表示したも
の(CG)である。
【0053】物体の実体積:V ポリゴンによる再構成時の体積:A 体積差:B=|V−A| 体積誤差:B/A×100
【0054】図8によると、本実施例によれば、同じ解
像度において、同等以上の品質を保ちながら、ポリゴン
数を少なくすることができる。こうしてできたポリゴン
データはユーザの指示によりデータメモリ2へ格納する
ことで、CGなどへ利用できる。
【0055】次に、エッジマップの合成の詳細を説明す
る。
【0056】図11はエッジマップ合成処理の流れを示
す図である。
【0057】図12はエッジマップ合成処理のフローチ
ャート、図13はエッジマップの輪郭補正処理の流れを
示すフローチャート、図14はエッジマップの合成処理
の詳細な流れを示すフローチャート、図15はエッジマ
ップの合成処理の概念を示す模式図であり、同図におい
て、(a)、(b)がそれぞれ低解像度、高解像度の処
理前のエッジマップ、(c)が処理後のエッジマップの
状態を示した図である。
【0058】図12のフローチャートにつき、2枚の異
なる解像度のエッジマップを合成する処理を説明する。
全体の処理の流れとしては、まず、処理対象となる2枚
のエッジマップをデータメモリ2より取り出し(ステッ
プS121)、これらを表示装置に表示する(ステップ
S122)。次に低解像度のエッジマップの輪郭補正処
理を行う(ステップS123)。そして、高解像度のエ
ッジマップを走査し、走査が終了するまで、各エッジに
対して合成処理を行う(ステップS124〜S12
5)。走査が終了したならば、これを表示装置に表示し
(ステップS126)、キーボード5等からユーザの確
認を得て(ステップS127)、これをデータメモリ2
に格納して(ステップS128)処理を完了する。ま
た、必要に応じて、処理結果をそのままデータメモリ2
へ格納せずに、エッジマップ中の閉じていないエッジを
整形する処理を施してからデータメモリ2へ格納しても
良い。
【0059】ステップS123のエッジマップの輪郭補
正処理とは、エッジマップ中にある物体の輪郭に相当す
るエッジを取り除く処理である。一般に、高解像度側の
持つ輪郭は、低解像度側の持つものに比べて高精度であ
り、また、低解像度側のエッジは実際の輪郭よりも外側
に生成されることが少なくない。したがって、これらを
単純に合成すると、低解像度側の輪郭によって、精度の
良い高解像度側の輪郭が覆われてしまう場合がある。そ
こで、予め低解像度側の輪郭を取り除いておくことで、
合成時に高解像度側の輪郭を保護することができる。し
かし、輪郭に相当するすべてのエッジを取り除いてしま
うと情報を失い過ぎることもあるので、本実施例では、
その一部を残すようにする。
【0060】図13につき、輪郭補正処理を説明する。
処理の流れとしては、まず、エッジマップ中のエッジの
すべてが閉じた状態になるような整形処理を行う(ステ
ップS131)。この整形処理については後述する。次
に、エッジマップ中の輪郭を走査し、走査が終了するま
で、その輪郭に相当するエッジと、これに垂直に交わる
エッジを削除する(ステップS132〜S134)。
【0061】図12に戻り、ステップS125のエッジ
の合成処理を図14につき詳述する。この処理では、高
解像度のエッジマップを基準として、これを走査し、低
解像度のエッジマップとの論理和をとる。具体的には、
高解像度のエッジマップのもつ表面形状の細部情報を保
存するため、高解像度のエッジがある場合には、それを
保存し(ステップS141、S143)、ない場合に低
解像度のエッジがあれば保存する(ステップS142〜
S143)ようにして高低2つのエッジが矛盾する場合
には、図15のように高解像度のエッジを優先する。な
お、ここでは低解像度のサンプリング画素間隔は高解像
度のサンプリング画素間隔の整数倍である。また、合成
後のエッジマップの解像度は合成される2枚のうち高解
像度のものと同じになる。
【0062】図16は本実施例によるエッジマップ合成
処理例である。図中(a)は入力された低解像度のエッ
ジマップ、(b)は入力された高解像度のエッジマッ
プ、(c)は(a)と(b)を上記処理によって合成し
た結果である。
【0063】次にエッジマップ整形処理を図17〜図2
0に基づき説明する。
【0064】図17は本処理の流れを示すフローチャー
ト、図18はエッジマップの整形処理の詳細を示すフロ
ーチャート、図19、図20はエッジマップの整形処理
の概念を示す模式図であり(a)が処理前、(b)が処
理後のエッジマップの状態を示した図である。
【0065】全体の処理の流れとしては、まず、処理対
象となるエッジマップをデータメモリ2より取り出し
(ステップS171)、これを表示部4に表示する(ス
テップS172)。次に取り出したエッジマップを走査
し、走査が終了するまで(ステップS173)、各エッ
ジに対して整形処理を行う(ステップS174)。走査
が終了したならば、これを表示部4に表示し(ステップ
S175)、キーボード等からユーザの確認を得て(ス
テップS176)、これをデータメモリ2に格納して
(ステップS177)処理を完了する。
【0066】図18につき、エッジの整形処理の詳細な
処理を説明する。まず、走査したエッジが閉じていない
状態のエッジかどうかを調べる(ステップS181)。
閉じていないエッジとは図19の(a)において、円弧
のついたエッジであり、1つの円弧がエッジの1単位を
示している。閉じていないエッジを見つけたならば、こ
の形態を調べ(ステップS182)、もし、2単位以上
続く直線ならば、そのまま直線として、他のエッジに繋
がるか、あるいは、マップ外に出るまでこのエッジを延
長する(ステップS183)。延長した結果、これがマ
ップ外に出たならば、延長した部分と元の直線部分とを
合わせて削除する(ステップS184〜S185)。ス
テップS182において2単位以上の直線でない場合
も、同様にそのエッジを削除する。この結果、閉じてい
ないエッジは削除されるか、他のエッジと繋げられるよ
う延長されて閉じたエッジになる。図19の(b)にお
いて、破線で示されたエッジが削除されたエッジ、太線
で示されたエッジが延長されたエッジである。
【0067】なお、本実施例では、閉じていないエッジ
を削除するか、延長するかを、このエッジの形態から決
定したが、周囲のエッジとの関係からこれを決定するよ
うにしてもよい。
【0068】図20は本実施例による処理例であり
(a)が処理前、(b)が処理後のエッジマップの状態
を示した図である。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、複数の異なる解像度の
距離画像から生成したエッジマップを合成したエッジマ
ップからポリゴンデータを作成することにより、物体の
形状変化の緩やかな部分は、大きなポリゴンで、形状変
化の激しい部分は小さなポリゴンでの表面近似が行え
る。その結果、従来に比べ、同程度の精度ならばより少
ないデータ量で、また同じデータ量ならばより良い精度
のポリゴンデータを得ることができる。また、データ量
の削減により、ポリゴンデータの表示に要する時間の短
縮、保存スペースの削減といった効果がある。
【0070】さらに、合成するエッジマップの組合せを
制御することで、目的に応じた品質のポリゴンデータを
得ることができるという効果がある。
【0071】また、異なる解像度の複数のエッジマップ
を合成することで、様々な解像度のエッジマップがそれ
ぞれ持つ物体の特徴が互いに補い合われ、物体の特徴を
十分に表すことができる1枚のエッジマップを作ること
ができる。この時、高解像度側のエッジマップのエッジ
の積極的保護を行うことで精度の良いエッジマップを得
ることができる。また、1枚のエッジマップに合成する
ことで、物体の特徴のハンドリングが容易になる。
【0072】更に、エッジマップを使って、ポリゴンデ
ータを作成する場合に、エッジが閉じていることが保証
されるので、ポリゴンの切り出しが簡単に、しかも確実
にできるようになる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】距離画像処理システムの全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本実施例の処理の流れを示す図である。
【図3】曲率、勾配と解像度の関係を説明する図であ
る。
【図4】3種類の曲線を組合せた曲線の例を示す図であ
る。
【図5】三角形の生成過程を説明する図である。
【図6】頂点の3次元座標の補正を説明する図である。
【図7】ポリゴンデータの例を示す図である。
【図8】本実施例と従来の場合とのポリゴンデータの比
較結果を示す図である。
【図9】入力された距離画像の例を示す図である。
【図10】作成されたポリゴンデータによる物体の再構
成結果を示す図である。
【図11】エッジマップ合成の流れを示す図である。
【図12】エッジマップ合成処理のフローチャートであ
る。
【図13】輪郭補正処理のフローチャートである。
【図14】エッジマップ合成処理の詳細フローチャート
である。
【図15】エッジマップ合成処理の概念を示す模式図で
ある。
【図16】エッジマップ合成処理の結果を示す図であ
る。
【図17】エッジマップ整形処理のフローチャートであ
る。
【図18】エッジマップ整形処理の詳細フローチャート
である。
【図19】エッジマップ整形処理の概念を示す模式図で
ある。
【図20】エッジマップ整形処理の結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 プログラムメモリ 2 データメモリ 3 CPU 4 表示部 5 マウス 6 キーボード 7 レーザレンジファインダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉崎 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 距離画像を入力する入力手段と、 該入力手段より入力された距離画像より、解像度の相異
    なる複数の距離画像を生成する生成手段と、 該生成手段により生成された複数の距離画像の各々につ
    き、法線ベクトルを計算する計算手段と、 該計算手段により計算された法線ベクトルに基づき、前
    記複数の距離画像の各々についてエッジマップを作成す
    るエッジマップ作成手段と、 該作成手段により作成された前記複数の距離画像の各々
    についてのエッジマップを合成して1つのエッジマップ
    を作成する合成手段と、 該合成手段により合成されたエッジマップに基づき、前
    記入力手段より入力された距離画像の表わす物体の表面
    形状を記述するポリゴンデータを作成するポリゴンデー
    タ作成手段とを具えたことを特徴とする距離画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記生成手段が、前記入力手段より入力
    された距離画像を最高の解像度の距離画像とするととも
    に、当該距離画像より低解像度の距離画像を生成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の距離画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記合成手段が合成の際に、合成される
    複数のエッジマップのうち、高解像度の距離画像のエッ
    ジマップの持つエッジを保護することを特徴とする請求
    項1記載の距離画像処理装置。
  4. 【請求項4】 解像度の異なる複数の距離画像それぞれ
    に対するエッジマップを入力する入力手段と、 該複数のエッジマップのうち、低解像度のエッジマップ
    の輪郭を補正する補正手段と、 該補正手段により補正された低解像度のエッジマップ
    と、前記入力手段より入力された高解像度のエッジマッ
    プとを合成する合成手段とを有し、 該合成手段が合成の際に、合成される複数のエッジマッ
    プのうち、高解像度の距離画像のエッジマップの持つエ
    ッジを保護することを特徴とする距離画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段が、輪郭に相当するエッジ
    を除去することを特徴とする請求項4記載の距離画像処
    理装置。
  6. 【請求項6】 距離画像に関するエッジマップを入力す
    る入力手段と、 該入力手段より入力されたエッジマップを走査して、閉
    じていないエッジを検出する検出手段と、 該検出手段により検出された閉じていないエッジを削除
    又は延長するエッジマップ整形手段とを有することを特
    徴とする距離画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記整形手段が、2単位未満のエッジを
    削除することを特徴とする請求項6記載の距離画像処理
    装置。
  8. 【請求項8】 前記整形手段が、2単位以上のエッジを
    他のエッジに繋がるまで延長することを特徴とする請求
    項6記載の距離画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記整形手段は、前記2単位以上のエッ
    ジが、他のエッジに繋がる前にマップ外にでた場合に
    は、このエッジを削除することを特徴とする請求項8記
    載の距離画像処理装置。
  10. 【請求項10】 距離画像を入力し、 該入力された距離画像より、解像度の相異なる複数の距
    離画像を生成し、 該生成された複数の距離画像の各々につき、法線ベクト
    ルを計算し、 該計算された法線ベクトルに基づき、前記複数の距離画
    像の各々についてエッジマップを作成し、 該作成された前記複数の距離画像の各々についてのエッ
    ジマップを1つのエッジマップに合成し、 該合成されたエッジマップに基づき、入力された前記距
    離画像の表わす物体の表面形状を記述するポリゴンデー
    タを作成することを特徴とする距離画像処理方法。
  11. 【請求項11】 解像度の異なる複数の距離画像それぞ
    れに対するエッジマップを入力し、 該複数のエッジマップのうち、低解像度のエッジマップ
    の輪郭を補正し、 該補正された低解像度のエッジマップと、入力された高
    解像度のエッジマップとを合成し、 該合成の際に、合成される複数のエッジマップのうち、
    高解像度の距離画像のエッジマップの持つエッジを保護
    することを特徴とする距離画像処理方法。
  12. 【請求項12】 距離画像に関するエッジマップを入力
    し、 該入力されたエッジマップを走査して、閉じていないエ
    ッジを検出し、 該検出された閉じていないエッジを削除又は延長するこ
    とを特徴とする距離画像処理方法。
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