JP4967254B2 - 電子機器用試験箱 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話などの電子機器の動作を試験する電子機器用試験箱に関する。
一般に、携帯電話などの電子機器は、製造後や修理後に、電子機器が正常に動作・機能するか否かについて、実際に無線電波による無線接続試験などを行う必要がある。
従来、このような無線接続試験を行う場合、電波無響室(電波暗室)と称される大型の特殊な部屋や、シールドボックス(電波遮蔽箱)と称される箱が使用されていた(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の電波無響室は、内部に試験設備、試験要員および試験対象である電子機器を配置しなければならないため、大規模な施設にならざるを得ず、また、試験中に電波無響室内へのアクセスが容易でなく、試験の効率(生産性)、試験要員の安全性に欠ける部分があった。また、電波無響室は、一般に、大型かつ特殊であるため、電波無響室自体が高価であり、その設置も困難であった。したがって、例えば、携帯電話の設計時や、製造後・修理後などに、携帯電話の動作を確認する際、簡便に無線接続試験を行うことは困難であった。
また、従来のシールドボックスは、箱の蓋を密閉した状態で無線接続試験を行うため、試験中にシールドボックス内部に手を挿入して、携帯電話などの電子機器を操作しながら試験することはできなかった。
そこで、このような問題を解決するため、アンテナと、このアンテナへの給電手段を備え、携帯電話を出し入れ自在に収納すると共に、透視性および柔軟性を有する電磁遮蔽材で、アンテナおよび携帯電話などの全外周部を覆う無線通話接続用電波遮蔽箱が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3097524号公報(段落番号0003、0008〜0010、図1、図5)
しかしながら、特許文献1に記載された電波遮蔽箱では、電子機器から放射された特定周波数の電波が箱内部で反射し、共振してしまう場合があった。その結果、その特定周波数での遮蔽性能を劣化させる欠点があった。したがって、電子機器を精密に試験することはできなかった。
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく、電子機器を操作するための開口部や換気用の通路があっても、電波の遮蔽性および吸収性を維持しつつ、電子機器の試験を精密に行うことが可能な電子機器用試験箱を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、内部に電子機器が入れられ、当該電子機器の動作を試験するための電子機器用試験箱であって、電波の遮蔽性、および、前記電子機器から放射された電波を吸収する電波吸収性を有する試験箱本体と、前記試験箱本体の外部と内部との空気の流通を確保しつつ、電波を遮蔽する電波遮蔽手段と、を備え、前記電波遮蔽手段は、前記試験箱本体の外部と内部を連通させるために当該試験箱本体に設けられると共に、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない導波管であり、前記導波管は手挿入用導波管であることを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、電波遮蔽手段によって、試験箱本体の外部と内部と間において、空気の流通性は確保されているため、電波遮蔽手段を介して、吸気、排気などをすることができる。また、電波遮蔽手段によって、試験箱本体の内部と外部との間において、電波を遮蔽することができる。したがって、試験箱本体内で、電子機器の試験を精密に行うことができる。
また、試験箱本体が電波の遮蔽性を有することにより、例えば、外部からの電波は、試験箱本体の内部に到達しない。さらに、試験箱本体が内部に配置された電子機器から放射された電波を吸収する電波の吸収性を有することにより、前記放射された電波は試験箱本体内部で吸収され、反射による共振は防止されている。
よって、このような電子機器用試験箱によれば、その内部に配置した電子機器に対して、無線接続試験などの各種試験を精密に行うことができる。
このような電子機器用試験箱は、導波管の中空部を介して、試験箱本体の内部と外部とは連通している。すなわち、導波管の中空部は、試験箱本体の内部と外部を連通する連通路である。また、導波管は、所定波長より長い波長の電波を伝播しないため、試験箱本体が有する電波の遮蔽性は良好に維持されている。
言い換えると、導波管により試験箱本体の内部と外部とは連通しているものの、導波管により、前記内部と前記外部との間での電波の遮断能力は高められている。これにより、例えば、試験に必要となる電波の、前記内部から前記外部への伝搬度を、30〜40dB程度に低下させることができる。
ここで、「所定波長より長い波長の電波を伝搬しない」とは、「導波管は、所定波長以下の波長の電波が減衰せずに、その内部を良好に伝搬可能とする仕様で設計される」ことを言い換えた意味である。また、本発明における導波管は、その外形が管状のものはもちろん、後記する図11、図12に示すように、その外形が板状、細長状等であってもよいとする。
したがって、このような電子機器用試験箱によれば、例えば、後記する実施形態で説明するように、導波管を手挿入用導波管とした場合、導波管の中空部を介して試験箱本体の内部に手を挿入し、電子機器を直接操作しながら、試験することができる
また、前記導波管は、内側に電波吸収性を有することを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、導波管の内側の電波吸収性により、導波管の中空部を伝搬しようとする前記所定波長より長い波長の電波を確実に吸収し、試験箱本体の電波の遮蔽性をさらに良好に維持することができる。
また、前記試験箱本体は、電波の遮蔽性を有する金属製の筺体を備えたことを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、導電性を有する金属製の筺体により、電波を確実に遮蔽することができる。また、金属製であることにより、筺体の剛性は高められ、その結果として、電子機器用試験箱の耐久性を高めることができる。
また、前記金属製の筺体は、複数の金属部材を組み付けて構成されており、当該複数の金属部材の隙間に介在した抵抗損失部材を、さらに備えたことを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、複数の金属部材を適宜に組み付けて、所望形状の筺体を容易に構成することができる。また、前記複数の金属部材の隙間に介在した、電波を遮蔽する抵抗損失部材により、筺体は好適な電波遮蔽性を有することができる。
ここで、抵抗損失部材とは、電波を吸収することで、遮蔽性を有する部材を意味する。
また、前記筺体および前記導波管の少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されたことを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、筺体および導波管の少なくとも一方を、軽量化するができる。
また、前記試験箱本体は、前記電子機器を視認可能な窓を有することを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、窓を介して、例えば、電子機器の動作状況を視認することができる。
また、前記窓は、電波の遮蔽性を有することを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、窓が電波の遮蔽性を有することにより、試験箱本体の遮蔽性を好適に維持することができる。
また、前記窓は、前記電子機器から放射される電波を反射し、反射した電波が前記試験箱本体で吸収可能な方向を向いていることを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、窓で反射した電波を試験箱本体で吸収させることができる。
また、前記試験箱本体は、開閉自在の扉を有することを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、扉を適宜に開閉させることで、例えば、電子機器を試験箱本体の内部に配置したり、試験箱本体から取り出すことができる。また、扉の縁部分であって、試験箱本体との当接部分には、扉の閉鎖時における電波の遮蔽性を高めるべく、枠状の抵抗損失部材を設けることが好ましい。
また、前記試験箱本体の内部に、前記電子機器との間で電波を授受するアンテナを、さらに備えたことを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、アンテナと電子機器との間で、電波を授受することができる。
また、前記試験箱本体は、電磁妨害を防止しつつ、外部から内部にケーブルを配線可能とするEMIダクトを、さらに備えたことを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、電磁妨害を防止しつつ、試験箱本体の外部から内部に、EMIダクトを介してケーブルを配線することができる。
また、前記EMIダクトを介して、外部から内部にケーブルが配線されており、当該ケーブルはノイズを吸収するノイズ吸収体に被覆されたことを特徴とする電子機器用試験箱である。
このような電子機器用試験箱によれば、ノイズ吸収体により、ケーブル内を導通するノイズを吸収することができる。なお、試験箱本体の外部から内部に配線されるケーブルとしては、例えば、アンテナに接続するケーブルや、内部に配置される電子機器の電源ケーブルなどが挙げられる。
本発明によれば、電子機器を操作するための開口部や換気用の通路があっても、電波の遮蔽性および吸収性を維持しつつ、電子機器の試験を精密に行うことが可能な電子機器用試験箱を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電子機器用試験箱について、図1から図6を適宜参照して詳細に説明する。
参照する図面において、図1は本実施形態に係る電子機器用試験箱の斜視図である。図2は、図1に示す電子機器用試験箱の分解斜視図である。図3は、図1に示す電子機器用試験箱のX−X断面図である。図4(a)は、図1に示す電子機器用試験箱の接合部分を示す拡大側断面図であり、図4(b)は図4(a)に示す絶縁抵抗フィルムの拡大図である。図5は、図1に示す手挿入用導波管の側断面図である。図6は、本実施形態に係る電子機器用試験箱の電波吸収構造による電波の擬似的な吸収状況を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電子機器用試験箱B1は、試験箱本体10の内部に携帯電話P(電子機器)を入れ、手挿入用導波管50から手を挿入し、携帯電話Pを手で直接操作しながら、アンテナ70(図3参照)との間で電波の授受を行い、窓13Aを介して、携帯電話Pの液晶モニタを視認し、無線電波接続試験などの各種試験するための試験箱である。
なお、本実施形態では、特許請求の範囲における電子機器を携帯電話Pとした場合について説明するが、本発明における電子機器の種類は、携帯電話Pに何ら限定されない。
以下、電子機器用試験箱B1の構成について説明する。
≪電子機器用試験箱の構成≫
図1に加えて、図2および図3に適宜示すように、電子機器用試験箱B1は、主として、試験箱本体10と、試験箱本体10の正面側に固定された2本の手挿入用導波管50、50(電波遮蔽手段)と、試験箱本体10の上面側に固定された排気用導波管60(電波遮蔽手段)と、試験箱本体10の内部に配置されたアンテナ70と、内部に配置される携帯電話Pに接続したケーブル73と、を備えている。すなわち、本実施形態に係る電子機器用試験箱B1は、外部と内部を連通させて空気の流通性を確保すると共に、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない導波管(電波遮蔽手段)として、2本の手挿入用導波管50、50と、同じく空気の流通性を確保する1本の排気用導波管60を備えており、これらの中空部が試験箱本体10の内部と外部とを連通する連通路となっている。
以下、説明の都合上、試験箱本体10、ケーブル73、アンテナ70、手挿入用導波管50、排気用導波管60の順で説明する。
<試験箱本体>
試験箱本体10は、筺体10Aと、筺体10Aの内側に設けられたλ/4型の電波吸収構造20(図3参照)とを備えて構成されている。図3に示す電波吸収構造20は、後記するように電波を吸収する特性を有する。したがって、試験箱本体10は、携帯電話Pから放射された電波を吸収する電波吸収性を有している。
なお、筺体10Aは、後記するように電波の遮蔽性を有する機能の他に、電波吸収構造20の一部を構成しているが、都合上分けて説明する。
[筺体]
筺体10Aは、金属製であり導電性を有している。したがって、筺体10Aは、電波の遮蔽性を有すると共に、所定の剛性を有している。
さらに説明すると、筺体10Aは、図2に示すように、主として、ボルト等により所定に組み付けられる複数の金属部材として、フレーム11、斜面パネル13、正面パネル14、背面パネル15、上面パネル16、底面パネル17、左側面パネル18および右側面パネル19と、これらフレーム11と各パネル13〜19との隙間に介在した絶縁抵抗フィルム31(抵抗損失部材、図4参照)と、背面パネル15に固定されたEMIダクト15A(図3参照)とを備えて構成されている。
(フレーム、各パネル)
フレーム11および各パネル13〜19を形成する金属の種類は、本発明では特に限定されず、純金属だけでなく、合金であってもよい。具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金(以下、アルミニウム等とする)が挙げられる。アルミニウム等からフレーム11、各パネル13〜19が形成された場合、所望の剛性を維持しつつ、筺体10Aが軽量化され、運搬等の取り扱いが容易となるだけでなく、アルミニウム等は独特の光沢を有するため、電子機器用試験箱B1全体は美観に優れたものとなる。
(絶縁抵抗フィルム)
絶縁抵抗フィルム31(抵抗損失部材)は、電波の遮蔽性を有しており、フレーム11と各パネル13〜19との隙間に介在している(例えば、図4(a)に示すフレーム11と背面パネル15と上面パネル16の接合部分を参照)。絶縁抵抗フィルム31は、図4(b)に示すように、導電層31bを、絶縁層31aと絶縁層31cとで挟んだ3層構造を有している。
これにより、金属製の筺体10Aはフレーム11および各パネル13〜19が組み付けられて構成されるものの、その電波の遮蔽性は良好に維持されている。言い換えると、絶縁抵抗フィルム31を介在させることで、複数の金属部材を組み付けて、所望形状の筺体10Aを構成することも容易となる。
このような電波の遮蔽性を有する絶縁抵抗フィルム31は、例えば、特開2000−59088号公報に記載されるように、カーボン抵抗シートなどの抵抗損失体を有する電磁遮蔽接合用シート体を使用することができる。より具体的には、絶縁抵抗フィルム31としては、例えば、東洋サービス社製のルミディオン(登録商標)IRなどを使用することができる。
(斜面パネル−窓)
斜面パネル13には、図2および図3に示すように、窓13Aが設けられている。窓13Aは、試験箱本体10の内部を視認可能な透明性を有すると共に、筺体10Aの電波の遮蔽性を維持すべく、窓13Aを介しての電波の往来を防止する電波の遮断性を有している。このような窓13Aは、例えば、ガラス板の片面にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムすず)膜を形成することで構成される。
また、窓13Aは、斜面パネル13に対して、開閉自在に設けられており、特許請求の範囲における扉としての機能を有している。したがって、窓13Aを適宜に開閉して、筺体10Aに対して、携帯電話Pを配置/取り出し容易となっている。さらに、窓13Aの縁部であって、窓13Aを閉じたときに斜面パネル13と当接する部分には、前記絶縁抵抗フィルム31と同様の材質を有する枠状のパッキン(抵抗損失部材)や導電性を有するパッキンが設けられており、筺体10Aの電波の遮蔽性は好適に確保されている。
さらにまた、窓13Aは、図3に示すように、携帯電話Pから放射された電波を電波吸収構造20に向けて反射し、電波吸収構造20で吸収可能となる方向を向いている。さらに説明すると、本実施形態において、底面パネル17に対する窓13Aの傾斜角度θ、つまり、斜面パネル13と底面パネル17との間の傾斜角度θは45°に設定されている。
(背面パネル−EMIダクト、ケーブル)
EMI(Electro Magnetic Interference:電磁妨害または電磁干渉)ダクト15Aは、電磁妨害を防止しつつ、ケーブル73などを筺体10Aの外部から内部に挿通可能とするダクトであり、図3に示すように、絶縁抵抗性を有するガスケット15Bを介して、背面パネル15に設けられている。したがって、EMIダクト15Aを介して、携帯電話Pに接続するケーブル73を筺体10Aの外部から内部に配線可能とすると共に、ケーブル73の挿通部分からの電磁妨害は防止され、筺体10Aの遮蔽性は確保されている。
また、図3に示すように、ケーブル73の所定長さ(例えば100mm以上)が、EMIダクト15A内を通るように、ケーブル73を配線することによって、前記電磁妨害を好適に防止可能となっている。
さらに、ケーブル73のEMIダクト15A内を通る部分および所定前後部分の外周面は、その内部を導通するノイズを吸収するノイズ吸収体75に被覆されており、携帯電話Pで授受される電波を、送受信機などにて高精度で制御/測定可能となっている。このようなノイズ吸収体75は、例えば、東洋サービス社製のEMIテープ「ルミディオン(登録商標)ET」により、ケーブル73を所定長さ(例えば300mm以上)にて巻回することで構成される。
また、正面パネル14には、図2に示すように、2つの手挿入用孔14a、14aが形成されており、上面パネル16には、排気用孔16aが形成されている。
<アンテナ>
アンテナ70は、携帯電話Pとの間で電波を授受するためのものであり、アンテナ台71を介して上面パネル16に垂設されている。アンテナ70に接続するケーブルは、上面パネル16に形成された貫通孔から、試験箱本体10の外部に引き出されており、送受信機(図示しない)に接続されている。そして、この送受信機により、アンテナ70と携帯電話Pとの間で授受される電波を制御・測定可能となっている。
[λ/4型の電波吸収構造]
λ/4型の電波吸収構造20について、図2、図3および図6を適宜参照して説明する。電波吸収構造20は、電波を吸収させる公知の一方式に基づく構造であり、筺体10Aの内周面を覆うように構築されており、携帯電話Pから放射された電波を擬似的に吸収させる構造である。言い換えると、電波吸収構造20は、携帯電話Pから放射された電波が、筺体10Aの内面で反射した電波の共振を防止し、携帯電話Pの試験精度の低下を防止する構造である。
電波吸収構造20は、主として、筺体10Aと、筺体10Aの内側に各パネル13〜19に対応して配置されたスペーサ23A、24A、25A、26A、27A、28A、29Aと、さらにその内側に配置され、電波の1/2を透過させる機能を有する抵抗膜シート23B、24B、25B、26B、27B、28B、29Bと、さらにその内側にそれぞれ配置された保護膜とを備えて構成されている。
なお、図3では保護膜を省略しており、図4および図6において背面パネル15側の保護膜25Cと上面パネル16側の保護膜26Cを、図5において正面パネル14側の保護膜24Cをそれぞれ描いている。
ここで、例えば、斜面パネル13側のスペーサ23A、抵抗膜シート23Bおよび保護膜の配置について説明すると、スペーサ23Aは、斜面パネル13の内側に貼り付けられており、その内側に、抵抗膜シート23B、保護膜の順番で貼り付けられている(図示参照)。また、「内側」とは、「筺体10Aの内部側」の意味である。他のスペーサ24A〜29A、抵抗膜シート24〜29B、保護膜についても同様である。
(スペーサ)
スペーサ23A〜29Aは、電波の透過性を有すると共に、抵抗膜シート23B〜29Bと、各パネル13〜19(筺体10A)との間隔を、λ/4に設定するためものであり、λ/4の厚みL1を有している(図6参照)。なお、ここでは、携帯電話Pなどから放射される電波W1の波長がλである場合を想定している。
このようなスペーサ23A〜29Aは、電波が通過可能あればどのような材料から形成されてもよく、例えば、発泡スチロールから形成することができる。発泡スチロールから形成した場合、スペーサ23A〜29Aの厚みL1を容易に調整可能となる。
(抵抗膜シート、保護膜)
抵抗膜シート23B〜29Bは、その表面抵抗値が自由空間のインピーダンス(376.7Ω)に略等しくなるように調整された薄いシートである。このような抵抗膜シートとしては、炭素導電性塗料を塗布したものや、ITO膜の抵抗値を調整して成膜したものなどを使用することができる。
保護膜(図4〜図6参照)は、抵抗膜シート23B〜29Bの内側にそれぞれ積層しており、抵抗膜シート23B〜29Bの表面を保護可能となっている。
ここで、図6を参照して、背面パネル15(筺体10Aの一部)と、背面パネル15の内側に順に積層したスペーサ25Aと、抵抗膜シート25Bと、保護膜25Cとからなる背面パネル15側の電波吸収構造20について、さらに説明する。なお、ここでは簡単とするために、保護膜25Cの垂直方向から電波が入射した場合について説明する。
携帯電話Pまたはアンテナ70から放射された電波W1は、保護膜25Cを通過した後、その1/2が抵抗膜シート25Bを透過し、1/2が反射する。ここで、透過した電波を電波W2、反射した電波を電波W3とする。電波W2は、スペーサ25Aの内部を進んだ後、遮蔽性を有する背面パネル15で反射し、電波W4となる。なお、反射の際に電波の位相はそれぞれ反転する。
そうすると、抵抗膜シート25Bに到達した電波W4は、抵抗膜シート25Bで反射した電波W3に対して、スペーサ25Aの厚みL1の2倍、つまり、「λ/4×2=λ/2」進んでおり、電波W3の位相と電波W4の位相が反転することになる。したがって、電波W3と電波W4とは相互に打ち消し合い、その結果として、抵抗膜シート25Bに入射した電波W1は擬似的に吸収されるようになっている。
<手挿入用導波管>
図1および図2に戻って、手挿入用導波管50、50について説明する。
2本の手挿入用導波管50、50は、試験箱本体10の内部に手を挿入するべく、試験箱本体10の内部と外部とを連通させると共に、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない特性を有している。手挿入用導波管50、50は、試験箱本体10の正面パネル14に、平面視で手の挿入側がやや開くように固定されている。また、手挿入用導波管50の一端は、試験箱本体10内に延びている(図3、図5参照)。
そして、図1、図2に加えて、図3、図5に示すように、各手挿入用導波管50は、手挿入用導波管本体51と、電波吸収シート52と、カバー53を備えて構成されている。なお、電波吸収シート52は、広いバンドで電波を吸収するため、広帯域吸収体と称される場合もある。
(手挿入用導波管本体)
本実施形態に係る手挿入用導波管本体51は、断面が矩形を呈し、アルミニウムなどから形成された金属製の筒体であり、電波の遮蔽性を有している。そして、手挿入用導波管本体51の中空部は、正面パネル14の手挿入用孔14aを介して、試験箱本体10の内部と連通しており、前記中空部を経由して、試験箱本体10の内部に手を挿入可能となっている。
また、手挿入用導波管本体51の矩形状の断面を構成する長辺aと短辺b(図2参照)は、手挿入用導波管本体51内を伝搬させない電波の波長に基づいて設定される。本実施形態に係る長辺aおよび短辺bは、所定波長よりも長い波長の電波が、手挿入用導波管本体51内を伝搬しないように設定されている。
したがって、手挿入用導波管本体51の中空部を介して、前記設定された波長より長い波長の電波の伝搬は防止されている。これにより試験箱本体10の遮蔽性を好適に維持されており、携帯電話Pの動作試験精度を確保可能となっている。
ただし、手挿入用導波管本体51の断面は、前記した矩形に限らず、その他に例えば、円形などであってもよい。
なお、一般に導波管は、その開口部の形状と寸法(長さ)が同一であれば、導波管が長くなる程、電波の遮蔽性能が高くなる。また、導波管の開口部の形状にも依存するが、開口部の面積が小さくなる程、導波管が遮蔽できる電波の限界周波数(所定の周波数)が高くなる。
(電波吸収シート)
電波吸収シート52は、手挿入用導波管本体51の内周面を被覆しており、手挿入用導波管本体51内部を伝搬しようとする、前記設定された波長より長い波長の僅かな電波も吸収し、所定に設定した手挿入用導波管本体51の非伝搬性を高めるシートである。この結果として、手挿入用導波管50は、その内側に電波を吸収する電波吸収性を有している。
このような電波吸収シート52としては、例えば、双極子型と称される電波吸収シートを使用することができる。双極子型の電波吸収シート52としては、(1)カーボン粉末、酸化チタンなどの化合物から形成され、この化合物が有する電界を利用(例えば、電子配置の変化)することで電波を吸収するシートや、(2)フェライト、カルボニル鉄などの化合物から形成され、この化合物が有する磁界を利用(例えば、磁界が変化)することで電波を吸収するシートや、(3)樹脂(例えばポリウレタン)と磁性体との複合体などが挙げられる。さらに具体的には、例えば、東洋サービス社製のルミディオン(登録商標)、日立金属社製のHTD−101などを使用することができる。
(カバー)
カバー53は、図2および図3に示すように、手挿入用導波管本体51の手の挿入側に蓋をするように固定されている。カバー53は、手を挿入可能な円形の手挿入孔53aを有しており、手挿入孔53aの直径は、電波吸収シート52で被覆された手挿入用導波管本体51の開口径よりも小さく設定されている。これにより、手挿入孔53aから挿入した手、腕、衣服などが、一般に高価な電波吸収シート52に直接接触し、摩擦による損傷が防止されている。また、手の挿入側から電波吸収シート52が視認しにくくなっており、美観が高められている。
<排気用導波管>
次に、図2、図3を参照して、排気用導波管60について説明する。
排気用導波管60は、携帯電話Pから放出された熱などを排気するべく、試験箱本体10の内部と外部とを連通させると共に、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない特性を有し、試験箱本体10に設けられた管である。排気用導波管60は、試験箱本体10の上面パネル16に固定されており、排気用導波管60の中空部は、上面パネル16の排気用孔16aと介して、試験箱本体10の内部に連通している。また、排気用導波管60の一端は、試験箱本体10内に延びている(図3参照)。
これにより、前記放出された熱は、排気用孔16a、排気用導波管60の中空部を介して、外部に排気可能となっており、試験箱本体10の内部が高温になることが防止されている。
このような排気用導波管60は、前記手挿入用導波管50と同様の仕様を有しており、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない特性を有しているが、ここでの説明は省略する。なお、図示していないが、排気用導波管60の内側に、電波吸収シートを設けてもよいことは言うまでもない。
したがって、このような電子機器用試験箱B1によれば、窓13Aを開いて携帯電話Pを試験箱本体10の内部に入れ、手挿入用導波管50から手を挿入し、携帯電話Pを直接操作しつつ、窓13Aを介して携帯電話Pの液晶モニタを視認しながら、アンテナ70との間で電波の授受を行い、携帯電話Pに対して、無線接続試験などの試験を精密に行うことができる。また、携帯電話Pなどから放射される熱は、排気用導波管60を介して、試験箱本体10の外部に排気されるため、試験箱本体10内が高温になることは防止される。
さらに、携帯電話P、アンテナ70か試験箱本体10の内周面に向かって放射された電波は、電波吸収構造20によって擬似的に吸収され、反射した電波による共振はせず、良好な試験状態が維持される。さらにまた、手挿入用導波管50、排気用導波管60は、所定波長より長い波長の電波を伝搬しないため、試験箱本体10の遮蔽性は低下せず、良好な試験条件を確保することができる。
以上、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下のような変更が可能である。
前記した実施形態では、導波管として、2本の手挿入用導波管50、50と、1本の排気用導波管60を備えたとしたが、導波管の数はこれに限定されず、適宜変更自由である。例えば、手挿入用導波管50をさらに設け、複数人で携帯電話Pを操作可能としてもよい。
また、試験箱本体10の内部と外部を連通させる導波管の用途は、手挿入用、排気用に限定されず、吸気用、配線用などその他の使用目的であってもよい。すなわち、例えば、電子機器用試験箱が、排気用導波管60と吸気用の導波管との双方を備える構成としてもよい。
前記した実施形態に係る電子機器用試験箱B1は、試験箱本体10の上面に1つの導波管として機能する筒状の排気用導波管60を備えたとしたが、排気用導波管60の形状、位置などは、これに限定されず適宜変更自由である。
例えば、排気用導波管60に代えて、図7(a)に示すように、試験箱本体10の背面側の背面パネル15に排気用導波管160を設けてもよい。排気用導波管160は、図7(b)に示すように、複数の細孔160aを有する金属製(例えばアルミニウム合金製)のハニカム体であり、「金属製ハニカム」とも称される。すなわち、複数の細孔160aを介して、試験箱本体10の内部と外部は連通しており、この複数の細孔160aを介して、熱を排気可能となっている。
さらに説明すると、排気用導波管160の各細孔160aは、周壁161に取り囲まれており、細孔160aの断面は正六角形を呈している。ただし、細孔160aの断面は正六角形に限らず、四角形などその他の形状であってもよい。
そして、この各細孔160aを取り囲む筒状の周壁161は、それぞれ導波管としての機能を備えている。すなわち、排気用導波管160は、1つの細孔160aを取り囲む筒状の周壁161からなる導波管が、複数集合し、束状となって構成されている。
また、排気用導波管160を取り付けるため、試験箱本体10に形成された貫通孔の開口径L1、排気用導波管160の長さL2(=排気用導波管160を構成する筒状の周壁161からなる各導波管の長さ)、六角形の細孔160aの開口径L3は、前記した手挿入用導波管本体51と同様に、排気用導波管160内を伝搬させない電波の波長に基づいて設定される(例えば、L1=79.5mm、L2=12.7mm、L3=3.18mm)。
さらに、排気用導波管160と、背面パネル15、スペーサ25A、抵抗膜シート25Bおよび保護膜25Cとの隙間に、前記した3層構造の絶縁抵抗フィルム31が介在されており、電波の遮蔽性は好適に維持されている。ただし、絶縁抵抗フィルム31に限らず、例えば、導電性を有するスポンジ状の発泡体を前記隙間に充填することによって、電波の遮蔽性を維持してもよい。
また、図8に示すように、前記した実施形態に係る排気用導波管60内であって、その長手方向の任意位置に、内排気用導波管61をさらに設けてもよい。内排気用導波管61は、前記した排気用導波管160(図7(a)、(b)参照)と同様に、金属製のハニカム体であり、複数の細孔61aを有しており、各細孔61aを取り囲む周壁が、導波管としての機能を備えている。すなわち、図8においては、試験箱本体10の上面パネル16に、内部に内排気用導波管61を有する排気用導波管60、つまり、二重構造の排気用導波管(多重導波管)が取り付けられた構成となっている。
したがって、外側の排気用導波管60の仕様(開口径、長さなど)と、内側の内排気用導波管61の仕様(詳細には内排気用導波管61の細孔61aの開口径や、細孔61aの長さ)とを別々に設定することにより、排気用導波管60内を伝搬させない電波と、内排気用導波管61の細孔61aを伝搬させない電波とを別々に設定することができる。そして、その結果として、排気用導波管60全体としての電波の遮蔽能力を高めることができる。
その他に、細孔61aの開口径や長さの異なる内排気用導波管61を、排気用導波管60内に、その長手方向に複数段で配置し、排気用導波管60の遮蔽能力をさらに高めてもよい(多段導波管)。また、内排気用導波管61の細孔61aの開口径、長さを適宜変化させて、数種類の仕様の細孔61aを有する内排気用導波管61としてもよい。さらに、細孔61a内に、さらに小さい排気用導波管を配置してもよい(三重構造の導波管)。
ただし、導波管の内側に、仕様の異なる導波管を、多重・多段で配置することは、排気用導波管60に限定されず、その他に例えば、手挿入用導波管50(図3参照)や、吸気用導波管や、配線用導波管などであってもよい。
なお、排気用導波管60と内排気用導波管61との隙間には、絶縁抵抗フィルム31を介在させて、遮蔽能力を高めることが望ましい。また、排気用導波管60の下流側である上端に排気ファン62を設けて、排気能力を高めることが好ましい(図8参照)。
前記した実施形態に係る電子機器用試験箱B1では、手挿入用導波管50、50は、試験箱本体10の正面側に配置されたとしたが、手挿入用導波管50、50の位置はこれに限定されず、例えば、図9に示すように、手挿入用導波管50、50が隣り合う面にそれぞれ設けられた電子機器用試験箱B2であってもよい。
前記した実施形態に係る電子機器用試験箱B1は、手挿入用導波管50、50および排気用導波管60を有するとしたが、図10に示すように、これらを有さない電子機器用試験箱B3であってもよい。
図10についてさらに説明すると、電子機器用試験箱B3は、その正面側に第1実施形態に係る窓13Aと同様の窓81Aを有する開閉自在の扉81を有しており、扉81が閉められた状態で、電子機器用試験箱B3は、略直方体を呈している。また、電子機器用試験箱B3の上面には、ケーブル配線用導波管83が設けられており、ケーブル配線用導波管83の中空部を介して、電子機器用試験箱B3の内部と外部は連通している。そして、ケーブル配線用導波管83の中空部を介して、内部に設けられたアンテナ(図示しない)や電子機器などにケーブルを好適に配線可能となっている。
前記した実施形態では、試験箱本体10は、金属製の筺体10Aを備え、その遮蔽性、剛性等を高める構成としたが、例えば、電波吸収性を有する板材で箱体を構成し、これを試験箱本体としてもよい。手挿入用導波管50についても同様であり、前記板材で筒体を構成し、これを手挿入用導波管としてもよい。
前記した実施形態では、λ/4の厚みL1を有するスペーサ23A〜29Aを設けたが、各パネル13〜29と抵抗膜シート23B〜29Bとの間隔をλ/4に設定可能ならば、スペーサ23A〜29Aを備えなくてもよい。ただし、各パネル13〜19と、抵抗膜シート23B〜29Bとの間は、電波が透過可能である必要がある。
前記した実施形態では、筺体10Aの内側に電波吸収構造20を設けることで試験箱本体10は電波吸収性を有するとし、手挿入用導波管本体51の内側に電波吸収シート52を設けることで、手挿入用導波管50は電波吸収性を有するとしたが、例えば、筺体10Aの内側に電波吸収シート52を設けて、試験箱本体10が電波吸収性を有するとしてもよい。
前記した実施形態では、筺体10Aは、フレーム11に、各パネル13〜19を組み付けて構成し、フレーム11と各パネル13〜19との隙間に、絶縁抵抗フィルム31を介在させて、筺体10Aの遮蔽性を高めたが、例えば、フレーム11と、各パネル13〜19とが溶接などにより良好に密着して接合している場合、絶縁抵抗フィルム31を介在させなくてもよい。
前記した実施形態では、窓13Aが斜面パネル13に対して開閉自在であることにより、特許請求の範囲における扉としての機能も奏するとしたが、窓13Aとは別に扉を設けてもよい。
前記した実施形態では、手挿入用導波管50の一端が試験箱本体10内に延びるように、手挿入用導波管50が正面パネル14に固定されたとしたが、その他に例えば、手挿入用導波管50の一端が正面パネル14に固定されたとしてもよい。排気用導波管60についても同様である。
前記した実施形態では、排気用導波管60から排気するとしたが、図11に示すように、背面パネル15に複数の排気孔15a(空気流通孔)を形成すると共に(図11(a)参照)、背面パネル15の外側に排気ファン91を取り付けて、複数の排気孔15aを介して排気するようにしてもよい。この場合、排気孔15aが所定波長より長い波長の電波を伝搬しない導波管として機能するように、排気孔15aの内径、長さを設定する(図11(c)参照)。すなわち、このように背面パネル15に複数の排気孔15aが形成された場合、排気孔15aが導波管の中空部に相当し、背面パネル15は前記導波管が束になって集合した導波管集合プレートである。具体的に例えば、厚さ10mmの背面パネル15に、直径3.0mmの排気孔15aが約100個にて形成される。ただし、このような複数の空気流通孔は排気用に限らず、吸気用であってもよいことは言うまでもない。
前記した背面パネル15に複数の排気孔15aを形成した場合に代えて(図11参照)、図12に示すように、背面パネル15に大きめの開口15bを形成し、この開口15bを電子機器用試験箱B1の内側から塞ぐように、複数の排気孔93aが形成されたプレート93を(図12(a)参照)、取付枠92を介して、背面パネル15に取り付けてもよい(図12(b)参照)。この場合、排気孔93aが、排気孔15aと同様に、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない導波管として機能するように、排気孔93aの内径、長さを設定する(図12(c)参照)。また、このように背面パネル15とは別のプレート93に排気孔93aを形成したことにより、電子機器用試験箱B1の内部と外部とを伝播させない電波の種類に対応して、プレート93を容易に取り替えることができる。
その他、図13に示すように、排気孔93aが形成されたプレート93に代えて、エクスパンドアルミとも称されるアルミニウム片フィルタ94(電波遮蔽手段)を使用してもよい(図13(a)参照)。アルミニウム片フィルタ94は、取付枠92に設けられたメッシュ92aと、取付枠95に設けられたメッシュ95aとで挟まれつつ、開口15bに蓋をするようにして、背面パネル15に固定されている(図13(b)、(c)参照)。アルミニウム片フィルタ94(金属製のフィルタ)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の小片(金属片)が集合して構成されたものであり、その内部に空気が流通する隙間を有している。そして、排気ファン91の電子機器用試験箱B1内の空気が、アルミニウム片フィルタ94の隙間を通って、外部に排出されるようになっている。
ここで、電波もアルミニウム片フィルタ94の隙間を通過しようとするが、アルミニウム片フィルタ94を構成するアルミニウム等の小片によって電波が回折損失し、電波が遮蔽されるようになっている。なお、電波の回折損失とは、電波が複数のアルミニウム等の小片によって反射し、この小片の背面側(電波の進行方向側)に電波が伝播しにくいことである。
また、このようなアルミニウム片フィルタ94に代えて、スチールウールや、メッシュが複数重ねられてなるメッシュ積層体を、電波遮蔽手段として使用することもできる。
本実施形態に係る電子機器用試験箱の斜視図である。 図1に示す電子機器用試験箱の分解斜視図である。 図1に示す電子機器用試験箱のX−X断面図である。 (a)は図1に示す電子機器用試験箱の接合部分を示す拡大側断面図であり、(b)は絶縁抵抗フィルムの拡大図である。 図1に示す手挿入用導波管の側断面図である。 本実施形態に係る電子機器用試験箱の電波吸収構造による電波の擬似的な吸収状況を示す断面図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の拡大側断面図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の拡大側断面図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の斜視図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の斜視図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の図であり、(a)は電子機器用試験箱内から背面パネルを見た図であり、(b)は背面外側から背面パネルを見た図であり、(c)は背面パネルの断面図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の図であり、(a)および(b)は電子機器用試験箱内から背面パネルを見た図であり、(c)は背面パネルの断面図である。 変形例に係る電子機器用試験箱の図であり、(a)および(b)は電子機器用試験箱内から背面パネルを見た図であり、(c)は背面パネルの断面図である。
符号の説明
B1、B2、B3 電子機器用試験箱
10 試験箱本体
10A 筺体
13A 窓(扉)
15A EMIダクト
20 電波吸収構造
23A、24A、25A、26A、27A、28A、29A スペーサ
23B、24B、25B、26B、27B、28B、29B 抵抗膜シート
31 絶縁抵抗フィルム(抵抗損失部材)
50 手挿入用導波管(電波遮蔽手段)
51 手挿入用導波管本体
52 電波吸収シート
60、160 排気用導波管(電波遮蔽手段)
61 内排気用導波管
70 アンテナ
73 ケーブル
75 ノイズ吸収体
81 扉
83 ケーブル配線用導波管
94 アルミニウム片フィルタ(電波遮蔽手段)

Claims (13)

  1. 内部に電子機器が入れられ、当該電子機器の動作を試験するための電子機器用試験箱であって、
    電波の遮蔽性、および、前記電子機器から放射された電波を吸収する電波吸収性を有する試験箱本体と、
    前記試験箱本体の外部と内部との空気の流通を確保しつつ、電波を遮蔽する電波遮蔽手段と、
    を備え
    前記電波遮蔽手段は、前記試験箱本体の外部と内部を連通させるために当該試験箱本体に設けられると共に、所定波長より長い波長の電波を伝搬しない導波管であり、
    前記導波管は手挿入用導波管である
    ことを特徴とする電子機器用試験箱。
  2. 前記導波管は、内側に電波吸収性を有することを特徴とする請求項に記載の電子機器用試験箱。
  3. 前記導波管は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されたことを特徴とする請求項1または請求項に記載の電子機器用試験箱。
  4. 前記試験箱本体は、電波の遮蔽性を有する金属製の筺体を備えたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電子機器用試験箱。
  5. 前記金属製の筺体は、複数の金属部材を組み付けて構成されており、当該複数の金属部材の隙間に介在した抵抗損失部材を、さらに備えたことを特徴とする請求項に記載の電子機器用試験箱。
  6. 前記筺体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されたことを特徴とする請求項または請求項に記載の電子機器用試験箱。
  7. 前記試験箱本体は、前記電子機器を視認可能な窓を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電子機器用試験箱。
  8. 前記窓は、電波の遮蔽性を有することを特徴とする請求項に記載の電子機器用試験箱。
  9. 前記窓は、前記電子機器から放射される電波を反射し、反射した電波が前記試験箱本体で吸収可能な方向を向いていることを特徴とする請求項または請求項に記載の電子機器用試験箱。
  10. 前記試験箱本体は、開閉自在の扉を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電子機器用試験箱。
  11. 前記試験箱本体の内部に、前記電子機器との間で電波を授受するアンテナを、さらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電子機器用試験箱。
  12. 前記試験箱本体は、電磁妨害を防止しつつ、外部から内部にケーブルを配線可能とするEMIダクトを、さらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子機器用試験箱。
  13. 前記EMIダクトを介して、外部から内部にケーブルが配線されており、当該ケーブルはノイズを吸収するノイズ吸収体に被覆されたことを特徴とする請求項12に記載の電子機器用試験箱。
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