JP4966193B2 - D3受容体に対するアフィニティを有する化合物および医薬におけるその使用 - Google Patents

D3受容体に対するアフィニティを有する化合物および医薬におけるその使用 Download PDF

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Description

本発明は、ドーパミンD受容体のモジュレーターとして、特に抗精神病剤または薬剤依存の種々の態様を治療するための薬剤としての、新規化合物、その製造方法、製造方法において用いる中間体、新規化合物を含む医薬組成物およびその治療における使用に関する。
WO2002/40471(SmithKline Beecham)は、ドーパミンD受容体で活性を有する、ある種のベンゾジアゼピン化合物を開示している。この度、WO2002/40471の一般的な範囲に含まれるが、そこでは特定されていない新規な一群の化合物が、改善された薬物特性を示すことが見出された。これらの化合物は、D受容体の調節、特に拮抗/阻害が有用である症状の治療において、例えば抗精神病剤として、または薬剤依存の治療に有用である。
本発明は、式(I):
Figure 0004966193
[式中:
は、ハロゲン、C1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから選択される2または3個の置換基により置換されているピラゾリルであり;
は、水素またはメチルであり;
は、キノリニル、オキサゾリルまたはフェニルであり、これらは各々、1または2個のハロゲン、C1−4アルキルまたはハロC1−4アルキルにより置換されていてもよい]
で示される化合物またはその塩を提供する。
式(I)において、「−S−」は、チオ(硫黄)を意味する。
「C1−4アルキル」なる語は、すべての異性体形態での、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルを意味する。
「ハロゲン」およびその省略である「ハロ」なる語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を意味する。
「ハロC1−4アルキル」なる語は、1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されたC1−4アルキル基、例えばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ブロモエチルおよびトリフルオロプロピルを意味する。
本明細書中で使用される「塩」なる語は、無機もしくは有機酸または塩基から調製される本発明の化合物のいずれかの塩、4級アンモニウム塩および内部形成塩をいう。生理学上許容される塩は、親化合物に比して高い水溶性のために、特に、医学的用途に適当である。かかる塩は、明らかに、生理学上許容されるアニオンまたはカチオンを有さなければならない。本発明の化合物の適宜生理学上許容される塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸など、あるいは有機酸、例えば、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、カンファー硫酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(embonic)酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸、およびアリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸と形成される酸付加塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属および有機塩基、例えば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、リジンおよびプロカインと形成される塩基付加塩;および内部形成塩を包含する。生理学上許容されないアニオンまたはカチオンを有する塩は、生理学上許容される塩の製造のための、および/または非治療的、例えば、インビトロでの状況で用いるための有用な中間体として本発明の範囲内にある。
一の具体例において、Rは、ピラゾール−5−イルまたはピラゾール−3−イルである。
一の具体例において、Rは:
(a)式(i):
Figure 0004966193
[式中、Rは、水素またはハロゲン(例えば、クロロ)であり、Rは、C1−4アルキル(例えば、メチル)またはハロC1−4アルキル(例えば、CHCF)である]
で示される基;または
(b)式(ii):
Figure 0004966193
[式中、RおよびRは、独立して、C1−6アルキル(例えば、メチル)である]
で示される基である。
一の具体例において、Rは、1または2個のC1−6アルキル(例えば、メチル)および/または1または2個のハロゲン(例えば、フッ素)により置換されている、キノリニル(例えば、キノリン−8−イル)である。例えば、Rは、2−メチル−キノリン−8−イルである。他の具体例において、Rは、1または2個のCFまたはハロゲン(例えば、フッ素)により置換されているフェニルである。他の具体例において、Rは、1または2個のC1−6アルキル(例えば、メチル)により置換されているオキサゾリルである。
本発明の化合物の例としては:
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(1−メチル−3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−[3−({4−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}チオ)プロピル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
3−(3−{[5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
7−(4−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[5−(8−フルオロ−2−メチル−5−キノリニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−6−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
およびその塩が挙げられる。
医薬に用いるためには、本発明の化合物の塩が医薬上(すなわち、生理学上)許容されなければならないことは明らかだろう。適当な医薬上許容される塩は当業者にとって明らかであり、例えば、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸;および有機酸、例えばコハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸で形成される酸付加塩を包含する。医薬上許容されない他の塩、例えばシュウ酸塩も、例えば本発明の化合物の単離にて用いることができ、この塩も本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の溶媒和物、水和物、複合体およびプロドラッグも本発明の範囲内に含まれる。
本発明のある種の化合物は、1当量またはそれ以上の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明は可能性のあるすべての化学量論的および非化学量論的な形態をその範囲内に含むものである。本発明の特定の化合物は、1当量未満、または、1もしくはそれ以下の当量の酸との酸付加塩を形成することができる。本発明は、可能性のあるすべての化学量論的および非化学量論的な形態をその範囲内に含むものである。
また、医薬上許容される塩は、慣用的な方法を用いて、式(I)で示される化合物の、他の医薬上許容される塩を含む他の塩から調製することもできる。
多くの有機化合物が、化合物と反応するか、あるいは、化合物が沈殿または結晶化する溶媒と複合体を形成し得ることは、有機化学の当業者には明らかだろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は本発明の範囲内に含まれる。式(I)で示される化合物は、溶媒和物分子と関連して、結晶化または適当な溶媒の蒸発より容易に単離して、対応する溶媒和物を得ることができる。
加えて、プロドラッグもまた、本発明の範囲内に含まれる。本明細書で用いられる場合、「プロドラッグ」なる語は、例えば医薬効果を有するその活性形態に血中で加水分解することにより体内で変換される化合物を意味する。医薬上許容されるプロドラッグは、T. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、 Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987およびD. Fleisher, S. Ramon and H. Barbra 「Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs」, Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2) 115-130(それぞれ出典明示により本明細書に組み入れる)に記載されている。
プロドラッグは、かかるプロドラッグを患者に投与した場合に、インビボで構造式(I)で示される化合物を放出することができる共有結合した担体である。プロドラッグは、一般的に、日常的な操作またはインビボで修飾部が開裂して親化合物が得られるような方法で官能基を修飾することにより調製することができる。プロドラッグは、例えばヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が、患者に投与した場合、開裂して、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合している本発明の化合物を含む。かくして、プロドラッグの代表的な例としては、(限定するものではないが)構造式(I)で示される化合物のアルコール、スルフヒドリルおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体が挙げられる。さらに、カルボン酸(−COOH)の場合には、エステル、例えばメチルエステル、エチルエステル等を用いることができる。エステルは、それ自体活性であり、および/またはヒトの体内においてインビボ条件下で加水分解可能である。適当な医薬上許容されるインビボで加水分解可能なエステル基は、ヒトの体内で容易に崩壊して、親酸またはその塩となるものを含む。
さらに、構造式(I)で示される化合物の結晶形態は、多形体として存在することができ、これらは本発明に含まれる。
本発明の化合物またはその溶媒和物の製造において、望ましくない副反応を防止するために分子の1つまたはそれ以上の感受性基を保護することが必要および/または望ましいことは、当業者には明らかだろう。本発明において用いるのに適当な保護基は、当業者にはよく知られており、慣用的な方法で用いることができる。例えば、「Protective groups in organic synthesis」 T.W. Greene and P.G.M. Wuts(John Wiley & sons 1991)または「Protecting Groups」 P.J. Kocienski(Georg Thieme Verlag 1994)を参照のこと。適当なアミノ保護基の例としては、アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)およびアルキル型保護基(例えば、ベンジル、トリチル、クロロトリチル)が挙げられる。適当な酸素保護基の例としては、例えば、アルキルシリル基、例えばトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリル;アルキルエーテル、例えばテトラヒドロピラニルまたはtert−ブチル;またはエステル、例えばアセテートが挙げられる。
また、本発明は、同位体標識化化合物を含み、これは、式(I)で示される化合物であると同定されるが、実際には、1つまたはそれ以上の原子が、天然に通常見られる原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子により置換されている。本発明の化合物およびその医薬上許容される塩に組み入れることができる同位体の例としては、水素、炭疽、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが挙げられる。
上記した同位体および/または他の原子の同位体を含有する、本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される塩は、本発明の範囲内に含まれる。本発明の同位体標識化化合物、例えば、放射活性同位体、例えばH、14Cを含む化合物は、薬剤および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわちHおよび炭素−14、すなわち14C同位体は、調製および検出が容易であることから特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単光子放出断層撮影法)において特に有用であり、そしていずれも脳撮影に有用である。さらに、重同位体、例えばジュウテリウム、すなわちHでの置換は、代謝安定性が増加し、例えばインビボ半減期が増加し、あるいは必要容量が減少するというある種の治療的利点が得られ、従って、いくつかの状況において好ましい。同位体標識化された式Iで示されるおよび本発明の化合物は、一般的に、非同位体標識化剤を容易に入手できる同位体標識化剤に置き換えることにより、スキームおよび/または以下の実施例に記載の方法を行うことによって調製することができる。
本発明に含まれるある種の基/置換基は異性体として存在していてもよい。本発明は、その範囲内に、ラセミ体、エナンチオマー、互変異性体およびその混合物を含む、かかる異性体の全てを包含する。式(I)で示される化合物に含まれるある種の置換された芳香族複素環式環は一または複数の互変異性体形態にて存在してもよい。本発明は、その範囲内に、混合物を含め、かかる互変形態の全てを包含する。例えば、Rがメチルである場合、本発明は、以下の異性体形態:
Figure 0004966193
の両方を含む。
本発明の一の具体例において、化合物は、分子量が800以下である。他の具体例において、化合物は、分子量が600以下である。一般に、限定するものではないが、かかる化合物は、より大きな経口バイオアベイラビリティーを有していてもよく、しばしば、より高い溶解性および/または脳浸透性を有していてもよい。分子量は、溶媒和物を形成していない遊離塩基の化合物のものをいい、付加塩、溶媒(例えば、水)分子、インビボで切断されるプロドラッグ分子の部分などによって寄与されるいずれの分子量も除外される。
一般に、本発明の化合物または塩は、それ自体または水中で化学的にあまりに不安定な化合物(もし、存在するならば)を除外するものと解釈されるべきである。それらは、全ての投与経路、経口、非経口またはその他の経路による医学的使用に明らかに不適当である。かかる化合物は化学者に既知である。しかし、エクスビボで安定であり、哺乳動物(例えば、ヒト)の体内で本発明の化合物に変換可能なプロドラッグまたは化合物は包含される。
本発明の化合物は、例えばWO2002/40471に記載の方法を用いて調製することができる。かくして、また、本発明は、式(I)で示される化合物の製造方法であって:
(a)式(II):
Figure 0004966193
[式中、RおよびRは、式(I)の記載と同意義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(III):
Figure 0004966193
[式中、Rは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物と反応させること;または
(b)式(IV):
Figure 0004966193
[式中、Rは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を、式(V):
Figure 0004966193
[式中、Rは式(I)の記載と同意義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物と反応させること;または
(c)式(VI):
Figure 0004966193
[式中、RおよびRは、式(I)の記載と同意義であり、Wは、ハロゲンまたはペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基であるか、あるいはWは、ボロン誘導体(例えば、ボロン酸官能基B(OH))または金属官能基、例えばトリアルキルスタンニル(例えば、SnBu)、ハロゲン化亜鉛またはハロゲン化マグネシウムから選択されるM基である]
で示される化合物を、式(VII):
Pyr−W
(VII)
[式中、Pyrは、ハロゲン、C1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから独立して選択される2または3個の置換基により置換されているピラゾリルであり、WがM基である場合、Wはハロゲンまたはペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基であり、あるいはWがハロゲンまたはペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基である場合、Wは上記と同意義のM基である]
で示される化合物と反応させること;
および、工程(a)、(b)または(c)についで:
保護基を除去してもよく;および/または
塩を形成してもよく;および/または
式(I)で示される一の化合物を、別の式(I)で示される化合物に変換してもよいこと;
を含む方法を提供する。
工程(a)は、慣用的なチオエーテルの形成方法を用いて行うことができる。脱離基Lは、ハロゲン、例えば塩素でありうる。別法として、Lは、スルホニルオキシ基、例えばC1−4アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシ);またはAR’−スルホニルオキシ(式中、AR’は、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5−または6−員の芳香族ヘテロサイクリック基または置換されていてもよいビサイクリック基、好ましくは、置換されていてもよいフェニルであり、この場合、任意の置換基は、1個または2個のC1−2アルキル基である);例えば、パラ−トルエンスルホニルオキシであってもよい。Lがハロゲンである場合、反応は、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、水酸化リチウムのような塩基を用いて行うことができる。
工程(b)において、式(V)で示される化合物における脱離基Lは、例えばハロゲン、例えば塩素であってもよい。本発明の工程は、N−アルキル化の慣用的な工程を用いて行うことができる。例えば、Lがハロゲン、例えば塩素である場合、反応は、ヨウ化ナトリウムのようなヨウ素源の存在下、炭酸カリウムのような塩基を用いて、適当な溶媒、例えばDMF中、適当な温度、例えば約60℃で行うことができる。別法として、Lは、例えばスルホニルオキシ基、例えばC1−4アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシ);またはアリールスルホニルオキシ(ここに、アリールは、フェニルにより置換されていてもよい)、例えばパラ−トルエンスルホニルオキシでありうる。
工程(c)において、反応は、遷移金属、例えばパラジウム触媒、例えばビス−トリフェニルホスフィンパラジウムジクロライドまたはテトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)の存在下で行うことができる。Mがボロン酸官能基、例えばB(OH)である場合、反応は、塩基性条件下、例えば水性炭酸ナトリウムを用いて、適当な溶媒、例えばジオキサン中で行うことができる。Mがトリアルキルスタンニルである場合、反応物は、不活性溶媒、例えばキシレンまたはジオキサン中、所望により、LiClの存在下で行うことができる。Mがハロゲン化亜鉛またはマグネシウムである場合、反応は、非極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で行うことができる。置換基Wは、好ましくは、ハロゲン、例えば臭素またはスルホニルオキシ基、例えばトリフルオロメチルスルホニルオキシであり、Wは、好ましくは、M基、例えばトリアルキルスタンニルまたはB(OH)である。
式(I)で示される化合物は、ドーパミン受容体、特にD受容体に対してアフィニティーを示すことが見出され、薬物依存または精神病的症状などの、かかる受容体の調節を必要とする病態の治療にて有用であると考えられる。また、式(I)で示される化合物の多くは、ドーパミンD受容体よりもD受容体に対して大きなアフィニティーを有することが見出された。
現在利用可能な抗精神病剤(神経弛緩剤)の治療効果は、一般に、D受容体の遮断によって発揮されると考えられるが、この機構はまた、多くの神経弛緩剤に伴う望ましくない錐体外路副作用(eps)の原因であるとも考えられる。理論により拘束するつもりはないが、近年特徴付けられたドーパミンD受容体の遮断が有意なepsを伴うことなく有益な抗精神病活性をもたらしうることが示唆された(例えば、Sokoloff et al., Nature, 1990;347:146-151;およびSchwartz et al., Clinical Neuropharmacology, Vol 16, No.4, 295-314, 1993参照)。したがって、本発明の好ましい化合物は、ドーパミンD受容体よりもドーパミンD受容体に対して高いアフィニティー(例えば、10倍以上または100倍以上高い)を有するものである(かかるアフィニティーは、標準的な方法、例えば、クローン化ドーパミン受容体を用いて測定することができる(本明細書参照))。該化合物は、有利には、D受容体の選択的モジュレーターとして使用されうる。
本発明の化合物は、予想以上の有利な薬剤特性を有する。例えば、以下に示すいくつかの実施例化合物は、ヒト「ether−a−go−go」(hERG)カリウムチャンネルに対して低アフィニティを有することが示されている。hERGチャンネル阻害は、QT間隔に影響を与える能力を示すものとして用いられる(例えば、Kongsamut et al, European Journal of Pharmacology 450 (2002), 37-41参照)。
式(I)で示される化合物は、乱用薬物、例えば、ニコチン、アルコール、コカイン、アンフェタミン、メタンフェタミン、アヘン、ベンゾジアゼピン吸入の再発の防止およびその離脱症状の軽減およびオピオイドによって誘導される耐性の阻害を包含する薬物依存の全ての態様の治療に使用されうる。さらに、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩および溶媒和物は、渇望を減少させるために使用してもよく、したがって、薬物渇望の治療において有用であろう。薬物渇望は、以前に消費した向精神物質を自己投与したいという欲求として定義付けることができる。薬物渇望の発現および維持には、以下の3つの主要な要因が関与する:(1)薬物離脱の間の不快な状態が負の強化作因として機能して、渇望に至る;(2)薬物要求または渇望の制御中、薬物の影響に付随する環境刺激がより強力になる(増感);および(3)高揚作用を促進し、使用中止の間の不快な状態を緩和する薬物の能力の認識(記憶)。渇望は、個体が薬物乱用を止められないことの原因であり、したがって、薬物依存維持、および薬物探索および服薬行動の再発または回復に有意に寄与する。式(I)で示される化合物は、抗精神病剤として、例えば統合失調症、分裂−情動障害、心因性鬱病、偏執性および妄想性障害の治療において、使用できる可能性がある。さらには、該化合物はパーキンソン病の補助療法として、特に、L−DOPAおよび可能性のあるドーパミン作動性アゴニスト等の化合物を用いる治療において、長期にわたりこれらを使用して治療した場合に経験される副作用を減らすための補助療法としての有用性を有することができる(例えば、Schwartz et al., Brain Res. Reviews, 1998, 26, 236-242を参照のこと)。D受容体の局在性から、該化合物が、D受容体の関与が示唆された薬物乱用の治療に対する有用性も有することが考えられる(例えば、Levant、1997、Pharmacol. Rev., 49, 231-252を参照のこと)。かかる薬物乱用の例は、アルコール、コカイン、ヘロインおよびニコチン乱用を包含する。該化合物によって治療されうる他の病態は、パーキンソン病、神経弛緩薬誘導性パーキンソン症候群および遅発性ジスキネジアなどの異常運動障害(dyskinetic disorder);鬱病;不安症;記憶障害を包含する認識障害、例えば、アルツハイマー病;摂食障害;性的機能不全;睡眠障害;嘔吐;運動障害;強迫障害;健忘症;攻撃;自閉症;眩暈;認知症;概日リズム障害および胃運動性障害、例えば、IBSを包含する。
したがって、さらなる態様において、本発明は、ドーパミン受容体(特にドーパミンD受容体)の調節(特に拮抗/阻害)が有益な病態を治療する方法であって、治療の必要な哺乳動物(例えば、ヒト)に、有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上(すなわち、生理学上)許容される塩を投与することを含む方法を提供する。かかる病態は、特に、精神病/精神病的状態、例えば、統合失調症および薬物乱用および/または薬物依存を包含する。例えば、治療される症状は、乱用物質に対する渇望および/または薬物探索および服薬行動の再発でありうる。
また、本発明は、哺乳動物におけるドーパミン受容体(特にドーパミンD受容体)の調節(特に拮抗/阻害)が有益な病態の治療のための医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
また、本発明は、哺乳動物におけるドーパミン受容体(特にドーパミンD受容体)の調節(特に拮抗/阻害)が有益な病態の治療において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
一の具体例において、本発明のDアンタゴニストは、精神病、例えば、統合失調症の治療において、または薬物乱用および/または薬物依存の治療において使用される。
かくして、またさらなる態様において、本発明は、治療の必要な哺乳動物(例えば、ヒト)に、有効量の本明細書中に記載される式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む精神病的状態(例えば、統合失調症)または薬物乱用の治療法を提供する。
また、哺乳動物における精神病的状態(例えば、統合失調症)または薬物乱用および/または薬物依存の治療のための医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
また、哺乳動物における精神病的状態(例えば、統合失調症)または薬物乱用および/または薬物依存の治療において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
また、例えば本明細書中に記載の症状のいずれかの治療において用いるための、哺乳動物において活性治療物質として用いるための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
「治療」なる語は、関連する症状によって適宜、予防を包含する。
医薬における使用のために、本発明の化合物は、通常、標準的な医薬組成物として投与される。したがって、本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上(すなわち、生理学上)許容される誘導体および医薬上(すなわち、生理学上)許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、本明細書中に記載の症状のいずれかの治療において有用でありうる。
式(I)で示される化合物は、いずれかの有利な方法によって、例えば、経口、非経口(例えば、静脈内)、バッカル、舌下、経鼻、経直腸または経皮投与によって投与され、それに応じて適応させた医薬組成物であってもよい。
経口投与された場合に活性な式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩は、液体または固体、例えば、シロップ、懸濁液またはエマルジョン、錠剤、カプセルおよびロゼンジとして処方することができる。
液体処方は、一般に、適当な液体担体、例えば、水、エタノールまたはグリセリンなどの水性溶媒、またはポリエチレングリコールまたは油などの非水性溶媒中における該化合物またはその医薬上許容される塩の懸濁液または溶液からなる。該処方は、また、懸濁化剤、保存料、フレーバー剤または着色料を含有していてもよい。
錠剤形態の組成物は、固形処方の調製に慣用的に使用されるいずれか適当な医薬担体を用いて調製することができる。かかる担体の例には、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、ラクトース、シュークロースおよびセルロースが挙げられる。
カプセル形態の組成物は、慣用的なカプセル化手法を用いて調製できる。例えば、活性成分を含有するペレットを標準的な担体を用いて調製することができ、ついで、ハードゼラチンカプセル中に充填することができる。別法として、いずれか適当な医薬担体、例えば、水性ガム、セルロース、珪酸塩または油を用いて分散液または懸濁液を調製することができ、該分散液または懸濁液をついで、ソフトゼラチンカプセル中に充填することができる。
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油、またはゴマ油中における該化合物またはその医薬上許容される塩の溶液または懸濁液からなる。別法として、該溶液を凍結乾燥し、ついで、投与直前に適当な溶媒で復元することができる。
経鼻投与のための組成物は、好都合には、エアロゾル、滴剤、ゲルおよび散剤として処方してもよい。エアロゾル製剤は、典型的には、医薬上許容される水性または非水性溶媒中の活性物質の溶液または微細懸濁液を含み、通常、噴霧装置で使用するためのカートリッジまたはリフィルの形態をとることができる密封容器中の滅菌形態で単回投与量または複数回投与量で提供される。別法として、密閉容器は、容器の内容物が空になるとすぐに処分することが意図される単回投与鼻吸入器または計量バルブを備え付けたエアロゾルディスペンサーのような単一の投薬装置であってもよい。投薬形態がエアロゾルディスペンサーを含む場合、それは、圧縮空気のような圧縮ガスまたはフルオロクロロ炭化水素のような有機噴射剤であり得る噴射剤を含有するであろう。エアロゾル投薬形態はまた、ポンプ噴霧器の形態をとることもできる。
バッカルまたは舌下投与に適当な組成物は、活性成分がショ糖およびアラビアガム、トラガカントガム、またはゼラチンおよびグリセリンのような担体と共に処方されている錠剤、ロゼンジおよびトローチを包含する。
経直腸投与用組成物は、好都合には、ココア脂などの通常の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。
経皮投与に適する組成物は、軟膏、ゲルおよびパッチを包含する。
一の具体例において、該組成物は、単位投与形態、例えば、錠剤、カプセルまたはアンプルである。
経口投与のための各投薬単位は、例えば、1〜250mg(非経口投与の場合、例えば0.1〜25mgを含有する)の式(I)で示される化合物または遊離塩基として計算されたその医薬上許容される塩を含有する。
本発明の医薬上許容される化合物は、通常、例えば、式(I)で示される化合物または遊離塩基として計算されたその医薬上許容される塩の1mg〜500mg、例えば10mg〜400mg、例えば、10〜250mgの経口投与量、または0.1mg〜100mg、例えば0.1mg〜50mg、例えば、1mg〜25mgの静脈内、皮下または筋内投与量で、該化合物を1日に1〜4回投与する1日の投与計画(成人患者用)において投与されるであろう。適当には、該化合物は、連続的治療の期間、例えば、1週間以上投与されるであろう。
生物学的試験方法
クローン化ドーパミン(例えば、D、DおよびD)受容体に対する結合実験
本発明の化合物のヒトD/D/Dドーパミン受容体に対して選択的に結合する能力は、クローン化受容体との結合を測定することで明らかにすることができる。試験化合物の[125I]−ヨードスルピリドのヒトD/Dドーパミン受容体への結合および[H]−YM−09151のCHO細胞にて発現させたDドーパミン受容体への結合の置換についての阻害定数(Ki)を次のように測定した。細胞系は細菌、真菌およびマイコプラズマの汚染物を含まないことが明らかにされており、その各々のストックを液体窒素中で凍結貯蔵した。培養物を単層として、または標準細胞培地中に懸濁させて増殖させた。細胞を(単層より)こすり落とすか、(懸濁培養液から)遠心分離に付して回収し、リン酸緩衝セイラインに2回または3回懸濁させて洗浄し、続いて遠心分離で集めた。細胞ペレットを−80℃で凍結貯蔵した。粗細胞膜を均質化し、続いて高速遠心分離に付して調製し、そして得られたクローン化受容体を放射性リガンド結合により特徴付けた。
CHO細胞膜の調製:細胞ペレットを室温で穏やかに解凍し、約20倍の容量の氷冷抽出緩衝液に再懸濁させた;5mMのEDTA、50mMのトリズマ(Trizma)プレセット結晶(37℃でpH7.4)、1mMのMgCl、5mMのKClおよび120mMのNaCl。該懸濁液をウルトラ−ツーラックス(Ultra−Turrax)を用いて15秒間目一杯均質化させた。その均質物をソーバル(Sorvall)RC5C遠心分離機にて4℃で15分間18000rpmで遠心分離に付した。上澄を捨て、均質物を抽出緩衝液に再び懸濁させ、ついで遠心分離を繰り返した。最終ペレットを50mMのトリズマ・プレセット結晶(37℃でpH7.4)に再び懸濁させ、1mlのアリコート管中、−80℃で貯蔵した(D=3.0E+08細胞、D=7.0E+07細胞およびD=1.0E+08細胞)。蛋白含量をBCAプロトコルおよび標体としてウシ血清アルブミンを用いて測定した(Smith, P. K. et al., Measurement of protein using bicinchoninic acid. Biochem. 150, 76-85 (1985))。
結合実験:D/D細胞膜の粗製物を0.03nMの[125I]ヨードスルピリド(約2000Ci/ミリモル;アメルシャム、英国)と、Dを0.8nMの[H]−YM−09151(約85Ci/ミリモル;NEN、英国)と、50mMのトリズマ・プレセット結晶(37℃でpH7.4)、120mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgCl、0.3(w/v)ウシ血清アルブミンを含有する緩衝液中、試験化合物と一緒にインキュベートした。総容量は0.2mlであり、水浴中、37℃で40分間インキュベートした。インキュベーションの後、試料をキャンベラ・パッカード・フィルターメート(Canverra Packard Filtermate)を用いてGF/Bウルトラフィルターで濾過し、氷冷した50mMのトリズマ・プレセット結晶(37℃でpH7.4)で4回洗浄した。フィルターでの放射活性をキャンベラ・パッカード・トップカウント・シンチレーション計数器(Canberra Packard Topcount Scintillation counter)を用いて測定した。非特異的結合を10μMのSKF−102161(YM−09151)を用いて特定した。競合曲線については、10個の連続した対数濃度の競合冷却薬物を用いた(希釈範囲:10μM〜10pM)。競合曲線をエクセル(Excel)にてインフレクション(Inflexion)、反復曲線適合プログラムを用いて解析した。結果をpKi値として示す(pKi=−log10[Ki])。
裏付けられた化合物はドーパミンD受容体で7.5〜9.5の範囲内のpKi値を有する。pKiの結果は約±0.3〜0.5の範囲で正確であると推定されるにすぎない。
クローン化されたドーパミン受容体での機能活性
化合物のヒトDおよびヒトD受容体での機能活性(すなわち、作動作用または拮抗作用)を、サイトセンサー・マイクロフィジオメーター(Cytosensor Microphysiometer)を用いて測定され得る(McConnell HM et al., Science 1992 257 1906-1912)。マイクロフィジオメーター実験において、細胞(hD CHOまたはhD CHO)をウシ胎児血清(FCS)含有の培地にて300000細胞/キャップで12mmのトランスウェル(Transwell)インサート(Costar)に接種した。FCS不含培地に変える前に、該細胞を5%CO中37℃で6時間インキュベートした。さらに16〜18時間経過した後、キャップをサイトセンサー・マイクロフィジオメーター(Molecular Devices)のセンサーチャンバーにロードし、該チャンバーを100μl/分の流速で作動培地(2mMグルタミンおよび44mMのNaClを含有する重炭酸塩不含のダルベッコ修飾イーグル培地)を灌流させた。各ポンプサイクルを90秒間続けた。ポンプは最初の60秒間はオンの状態であり、酸性化速度を68秒と88秒の間であるとサイトソフト(Cytosoft)プログラムを用いて決定した。試験化合物を作動培地で希釈した。アゴニスト活性を決定する実験においては、細胞を半時間の間隔で増加する濃度の推定アゴニストに曝した(hDについては4.5分、hDについては7.5分)。7種の濃度の推定アゴニストを用いた。各推定アゴニスト濃度に対するピーク酸性化速度を測定し、Robofitを用いて濃度応答曲線に適合させた[Tilford, N.S., Bowen, W.P. & Baxter, G. S. 、Br. J. Pharmacol.(1995), Vol. 115、160P]。アンタゴニスト効能を測定する実験においては、細胞を30分間隔で5パルスの最大下濃度のキンピロール(quinpirole)(hD細胞の場合は100nM、hD細胞の場合は30nM)で処理し、最低濃度の推定アンタゴニストに曝した。次の30分間の間隔の最後に、細胞を(アンタゴニストを存在させたままで)再びキンピロールでパルス処理し、ついで次の最高アンタゴニスト濃度に曝した。全部で5種の濃度のアンタゴニストを各実験にて使用した。各アゴニスト濃度に対するピーク酸性化速度を測定し、Robofitを用いて濃度阻害曲線に適合させた。
hERGアッセイ
hERGでのアフィニティを、当業者に公知の方法により、例えばFicker, Eckhard; Jarolimek, Wolfgang; Kiehn, Johann; Baumann, Arnd; Brown, Arthur M. 「Molecular determinants of dofetilide block of HERG K+ channels.」 Circulation Research (1998), 82(3), 386-395;およびFicker, Eckhard; Jarolimek, Wolfgang; Brown, Arthur M. 「Molecular determinants of inactivation and dofetilide block in ether a-go-go (EAG) channels and EAG-related K+ channels.」 Molecular Pharmacology (2001), 60(6), 1343-1348に記載の方法により測定した。
実施例
本発明を、以下の非限定的実施例により説明する。
実施例1:7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
Figure 0004966193
3−(1,1−ジメチルエチル)−7−メチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3,7−ジカルボキシレート(1)
1,1−ジメチルエチル−7−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(30g)(合成法はWO/200240471に記載されている)、酢酸パラジウム(II)(0.51g)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1.25g)を、無水ジメチルホルムアミド(75ml)およびメタノール(68ml)中に窒素雰囲気下で溶解し、ついで、トリエチルアミン(22.74ml)に溶解した。この溶液を一酸化炭素で15分間パージし、一酸化炭素雰囲気下、70℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温にし、ついで、ジクロロメタン(300ml)および水(300ml)を加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、90%シクロヘキサン−酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(15g)を橙色油として得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.79(m,2H),7.18(m,1H),3.89(s,3H),3.57(m,4H),2.95(m,4H),1.48(s,9H)
1,1−ジメチルエチル−7−{(3E)−3−[{[(1,1ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}(メチル)ヒドラゾノ]ブタノイル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(2)
テトラヒドロフラン(80ml)中の1,1−ジメチルエチル1−メチル−2−(1メチルエチルイデン)−ヒドラジンカルボキシレート(18.2g)(中間体6)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(115ml、1M/テトラヒドロフラン)を、0.5時間にわたって、温度を5℃以下に保持して加えた。さらに1時間撹拌した後、反応混合物を、カニューレにより、無水テトラヒドロフラン(70ml)中の3−(1,1−ジメチルエチル)−7−メチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3,7−ジカルボキシレート(10g)(中間体1)の撹拌溶液に、0℃で窒素雰囲気下で加えた。撹拌を2時間続け、ついで、水(300ml)を加え、反応混合物を、酢酸エチル(800ml)で抽出した。有機相をブライン(400ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、70%シクロヘキサン−酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(12g)を白色固体として得た。
H−NMR(DMSO)δ:11.65(s,1H),7.67(d,1H),7.64(dd,1H),7.23(d,1H),5.90(s,1H),3.47(m,4H),3.10(s,3H),2.90(bm,4H),1.98(s,3H),1.41(s,18H)
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(3)
ジクロロメタン(5ml)中の1,1−ジメチルエチル−7−{(3E)−3−[{[(1,1ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}(メチル)ヒドラゾノ]ブタノイル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(0.5g)(中間体2)の溶液を、トリフルオロ酢酸(10ml)に、激しく撹拌しながら加えた。1時間後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水酸化ナトリウム(1N)を、約pH12になるまで加え、ついで、混合物を、ジクロロメタンで2回抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、標題化合物(0.26g)を得た。
H−NMR(DMSO)δ:7.2−7.1(m,3H),6.06(s,1H),3.73(s,3H),2.9−2.7(m,8H),2.5(3H)
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(4)
ジメチルホルムアミド中の7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(4g)(中間体3)の撹拌溶液に、室温にて、5−{5−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}−2−メチルキノリン(中間体8)(6.8g)、ヨウ化ナトリウム(3.06g)および無水炭酸カリウム(2.82g)を連続して加え、反応混合物を60℃に加温し、反応を24時間続けた。反応混合物を室温にし、水(70ml)を加え、反応混合物を酢酸エチル(50ml×2)で2回抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を、100〜95%ジクロロメタン−メタノールで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(3.3g)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:8.16(d,1H),8.10(d,1H),7.75(dd,1H),7.54(d,1H),7.3(d,1H),7.12(m,3H),6.03(m,1H),3.78(s,3H),3.43(t,2H),3.38(s,3H),2.95(bm,4H),2.74(s,3H),2.68(m,6H),2.26(s,3H),2.08(m,2H)
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド(実施例1)
ジクロロメタン(5ml)中の7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.5g)(中間体4)の撹拌溶液に、室温にて、塩酸を滴下した(1.18ml、1M/エーテル)。溶媒を蒸発させて、標題化合物(0.67g)を淡黄色固体として得た。
H−NMR(DMSO)δ:10.6(bs,1H),8.18(d,1H),8.12(d,1H),7.86(t,1H),7.74(d,1H),7.48(d,1H),7.29(m,3H),6.09(s,1H),3.7(s,3H),3.75−3.65(bm,2H),3.40(s,3H),3.4−3.2(m,6H),3.03(bm,4H),2.67(s,3H),2.24(m,2H),2.11(s,3H)
スキーム2:中間体中間体6の製造経路
1,1−ジメチルエチル1−メチルヒドラジンカルボキシレート(5)
無水テトラヒドロフラン(1.8L)中のメチルヒドラジン(100g)の溶液を、5℃に冷却し、機械的に撹拌し、無水テトラヒドロフラン(600ml)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(498g)の溶液を、温度で維持しながら0.5時間にわたって加えた。ついで、水(500ml)を加え、ついで、酢酸エチル(2L)を加えた。有機相を水(2L)、ブライン(1.6L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で蒸発させた後、標題化合物(230g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:3.84(ブロード,2H),3.02(s,3H),1.42(s,9H)
1,1−ジメチルエチル1−メチル−2−(1メチルエチルイデン)−ヒドラジンカルボキシレート(6)
ジエチルエーテル(2L)中の1,1−ジメチルエチル1−メチルヒドラジンカルボキシレート(179g)(中間体5)の撹拌溶液に、室温にて、アセトン(126ml)、氷酢酸(7.7ml)および酢酸ナトリウム(1.27g)を加えた。一晩撹拌した後、反応混合物を水でクエンチし、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて、標題化合物(182.38g)を無色の油として得た。
H−NMR(CDCl)δ:3.01(s,3H),2.01(s,3H),1.83(s,3H),1.42(s,9H)
スキーム3:中間体8の製造経路
4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン(7)
ヒドロキシベンゾトリアゾール(7.8g)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(11g)およびトリエチルアミンを、ジメチルホルムアミド(200ml)中の2−メチル−5−キノリンカルボン酸(10g)および4−メチル−3−チオセミカルバジド(6.1g)の撹拌溶液に、0℃で連続して加えた。添加後、反応混合物を室温にし、撹拌を一晩続け、ついで、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を、水酸化ナトリウム水溶液(500ml、0.5N)で処理し、混合物を80℃で3時間撹拌し、ついで、混合物を室温に冷却し、pHをpH6に塩酸(2M)により調節し、得られた沈殿を濾過し、減圧下で乾燥して、標題化合物(11g)を灰白色固体として得た。
H−NMR(DMSO)δ:14(ブロード,1H),8.17(dd,1H),8.15(dd,1H),7.89(m,1H),7.85(dd,1H),7.52(dd,1H),3.32(s,3H),2.70(s,3H)
5−{5−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}−2−メチルキノリン(8)
水素化ナトリウム(2.65g、油中60%)を、0℃で窒素雰囲気下、撹拌無水エタノールに滴下した。ついで、4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン(21.8g)(中間体7)を滴下し、反応混合物を室温にした。ついで、1−ブロモ−3−クロロプロパン(12.6ml)を10分にわたって加え、反応混合物を80℃にし、さらに1時間反応させ、ついで、反応混合物を室温にし、減圧下で濃縮した。粗生成物を、90%酢酸エチル−アセトンで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(14.18g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:8.16(dd,1H),8.09(dd,1H),7.76(dt,1H),7.54(dd,1H),7.31(dd,1H),3.75(t,1H),3.49(t,1H),3.40(s,3H),2.75(s,3H),2.38(m,2H)
実施例2:7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(1−メチル−3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
Figure 0004966193
3−[7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−1−ブタノール(9)
テトラヒドロフラン(5ml)中の7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.5g)(中間体3)の撹拌溶液に、室温にて、4−ヒドロキシ−2−ブタノン(0.22g)、氷酢酸(0.12ml)およびトリアセトキシボロヒドリドナトリウム(0.53g)を連続して加えた。一晩撹拌した後、混合物を、1Nの水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、70%シクロヘキサン−酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.25g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.30−7.20(m,3H),6.15(s,1H),3.89(s,3H),3.85−3.65(m,2H),3.15−2.90(m,5H),2.82(m,2H),2.68(m,2H),2.38(s,3H),2.09(m,1H),1.81(m,1H),1.03(d,3H)
3−(3−クロロ−1−メチルプロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(10)
クロロホルム(8ml)中の3−[7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−イル]−1−ブタノール(0.25g)(中間体9)の撹拌溶液に、室温にて、塩化チオニル(0.11ml)を滴下した。2時間後、飽和炭酸水素ナトリウム(5ml)を加え、反応混合物をジクロロメタン(15ml)で抽出し、有機相硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、80%シクロヘキサン−酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.23g)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.15−7.10(m,3H),6.04(s,1H),3.94(m,1H),3.82(m,1H),3.04(m,1H),3.05−2.85(m,6H),2.61(m,2H),2.39(s,3H),2.00(m,1H),1.32(m,1H),0.93(d,3H)
7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(1−メチル−3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
ジメチルホルムアミド(2ml)中の3−(3−クロロ−1−メチルプロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.10g)(中間体10)および4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン(0.093g)(中間体7)の撹拌溶液に、室温にて、ヨウ化ナトリウム(0.040g)および無水炭酸カリウムを連続して加えた。ついで、反応混合物を70℃に加温し、撹拌を3時間続け、ついで、混合物を室温にし、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を水(10ml)で処理し、酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を、100〜95%ジクロロメタン−メタノールで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(1−メチル−3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.040g)を淡黄色固体として得た。この生成物を、ジクロロメタン(2ml)中に溶解し、塩酸(0.072ml、1M/エーテル)を、室温にて滴下した。溶媒を蒸発させて、標題化合物(0.042g)を黄色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:10.58(bs,1H),8.50(bs,1H),8.27(d,1H),8.00(t,1H),7.89(d,1H),7.67(d,1H),7.28(m,3H),6.09(s,2H),3.7(s,3H),3.60(bm,2H),3.60−3.50(m,2H),3.55(m,1H),3.41(s,3H),3.40(m,1H),3.22(m,1H),3.15−2.95(m,4H),2.79(s,3H),2.45(m,1H),2.11(s,3H),2.00(m,1H),1.32(d,3H)
調製11:3−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール
Figure 0004966193
エチル−2−クロロアセトアセテート(1wt;1当量、1000g)を、ホルムアミド(0.68vol;約2.8当量)と撹拌し、得られた溶液を120℃に加熱した。5時間後、混合物を室温に冷却し、窒素雰囲気下で一晩静置した。混合物を、NaOH(3M、6vol、反応は中程度に発熱反応)で処理し、室温にて4時間撹拌した。酢酸エチル(6vol)を加え、相を分離した。有機層を廃棄し、水層を濃(32%)HClで、pH2に酸性化した(約2.0vol)。沈殿が形成し始めた。懸濁液をAcOEt(8vol)で処理し、沈殿が溶解するまで激しく撹拌した。水相をさらにAcOEtで2回(各6vol)で抽出し、合した有機層を少量に蒸留した(再び懸濁液となった)。新たなAcOEt(8vol)を加え、混合物を蒸発させて乾燥した。回収した固体を40℃のオーブンに一晩減圧下で置き、4−メチル−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸(498g、64.5%)を得た。この物質(498g、1wt)を乾燥テトラヒドロフラン(5vol)中に、窒素雰囲気下で加え、0℃に冷却した。DCC(1.62wt、1当量)を加え、ついで、HOBt(1.07wt、1当量)を加えた。混合物を、25±2℃に加温し、30分間撹拌した。4−メチル−3−チオセミカルバジド(0.83wt、1当量)を加え、混合物をさらに2時間25±2℃で撹拌した。混合物を濾過し、ケークを新たなテトラヒドロフラン(1vol)で洗浄し、数時間フィルター上で乾燥した。ケークを1MのNaOH(13vol)中に懸濁させ、70℃に30分間加熱した。ついで、混合物を25±2℃に冷却し、固体を濾過により除去した。ケークを1MのNaOH(10vol)で洗浄した。合した母液を0℃に冷却し、約pH5にHCl(水性、16%;NOTE:HClを添加する間温度を+10℃以下に保持した)で酸性化した。懸濁した生成物を濾過により単離し、水(2×3vol)で洗浄した。ケークを、高減圧下40℃で18時間乾燥して、4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン(それぞれ、その互変異性体;290g、37%)を得た。NaOEt(21%のEtOH中溶液、2.08vol、1.1当量)をEtOH(20vol)に窒素雰囲気下で加えた。4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン(それぞれ、その互変異性チア;290g、1wt)を一度に加え、得られた混合物を25±2℃で透明な溶液が得られるまで撹拌した。ついで、1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.54vol、1.1当量)を加え、溶液を40℃で24時間撹拌し、ついで、25℃に冷却した。濾過した後、水(20vol)を加え、エタノール相を減圧下で除去した(内部温度約40℃)。混合物をEtOAc(41vol)で抽出した。水層を除去し、有機相を蒸発させて乾燥した。ジクロロメタン(4vol)を加えた。有機溶液を、EtOAc(200vol)で溶出するショートシリカゲルカラム(18wtのシリカ)で精製して、標題化合物を固泡沫体として得た(267.64g、66%)。
NMR(H,CDCl):δ7.90(s,1H),3.70(s,5H),3.40(t,2H),2.52(s,3H),2.30(m,2H).MS(m/z):273[MH]
調製12:5−{5−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}−8−フルオロ−2−メチルキノリン
Figure 0004966193
WO2002040471に記載のように標題化合物を調製した。
MS(m/z):351[MH]
調製13:3−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール
Figure 0004966193
WO2002040471に記載のように標題化合物を調製した。
MS(m/z):333[MH]
調製14:3−[(3−クロロプロピル)チオ]−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール
Figure 0004966193
WO2002040471に記載のように標題化合物を調製した。
MS(m/z):304[MH]
調製15:3−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール
Figure 0004966193
WO2002040471に記載のように標題化合物を調製した。
MS(m/z):336[MH]
調製16:3−(3−クロロプロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
Figure 0004966193
乾燥THF(10ml)中の7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.5g)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.85ml)および1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.47mL)を加え、得られた混合物を7時間還流した。室温に冷却し後、酢酸エチル(30ml)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(20ml)で2回洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗物質を、cHex/EtOAc(8:2)で溶出するシリカ25M+カートリッジを用いるbiotageクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.57g)。
NMR(H,CDCl):δ=7.1(m,3H)6.05(s,3H),3.81(s,3H),3.64(t,2H),2.93(m,4H),2.66(m,6H),2.28(s,2H),1.97(m,2H).MS(m/z):318[MH]
調製17:7−(4−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
Figure 0004966193
DCM(5mL)中の7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(0.37g)およびトリエチルアミン(0.3mL)の撹拌溶液に、0℃で、無水トリフルオロ酢酸(0.26mL)を滴下した。氷浴を除去し、撹拌を4時間続け、ついで、飽和NaHCO水溶液(10mL)を加え、反応混合物をジエチルエーテル(10mL)で2回抽出し、有機相をNaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させて、対応するN−トリフルオロアセチルベンズアゼピン誘導体を0.5gの収量で得た。この生成物(0.11g)をDMF(1mL)中に溶解し、N−クロロスクシニミド(47mg)を加え、反応物を、50℃に加温し、1時間撹拌した。ついで、反応混合物を室温にし、水(4mL)を加え、混合物をエチルエーテル(5mL)で2回抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物を、MeOH(10mL)中に溶解し、水(10mL)中のKCO(0.36g)の溶液を加え、ついで、混合物を55℃に加温し、2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、DCM(10mL)で2回抽出し、有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させて、標題化合物(0.17g)を得た。
MS(m/z):276.1[MH]
調製18:5−(8−フルオロ−2−メチル−5−キノリニル)−4−メチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン
Figure 0004966193
WO2002040471に記載のように標題化合物を調製した。
MS(m/z):275.1[MH]
調製19:4−メチル−5−(2−メチル−6−キノリニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−チオン
Figure 0004966193
WO2002040471に記載のように標題化合物を調製した。
MS(m/z):257[MH]
実施例3:7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−[3−({4−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}チオ)プロピル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
Figure 0004966193
ジメチルホルムアミド(0.6mL)中の7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(80mg)の撹拌溶液に、室温にて、3−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール(133mg)、ヨウ化ナトリウム(60mg)および無水炭酸カリウム(55mg)を連続して加え、反応混合物を60℃に加温し、反応を24時間維持した。反応混合物を室温にして、水(2ml)を加え、反応混合物を酢酸エチル(4mL)で2回抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を、100〜95%ジクロロメタン−メタノールで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、99mgの標題化合物の遊離塩基を得た。ジクロロメタン(1mL)中のこの物質の溶液に、室温にて、HCl(EtO中1M、0.18mL)を加え、溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた物質をEtOでトリチュレートして、103mgの標題化合物を白色固体として得た。
NMR(H,DMSO):δ10.48(bs,1H),8.00(m,4H),7.30(m,3H),6.2(s,1H),3.76−3.68(2s,6H),3.70(bm,2H),3.50−3.20,3.10(bm,10H),2.24(クインテット.,2H),2.17(s,3H);MS(m/z):541.0[MH]
実施例4:3−(3−{[5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
Figure 0004966193
3−[(3−クロロプロピル)チオ]−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール(121mg)から、実施例3に記載の方法と類似の方法で標題化合物を99mgの収量で白色固体として得た。
NMR(H,DMSO):δ10.60(bs,1H),7.85(dt,1H),7.70−7.76(m,2H),7.35(m,3H),6.15(s,1H),3.76(s,3H),3.71(bm,2H),3.65(s,3H),3.40−3.20(m,6H),3.09(bm,4H),2.23(m,2H),2.17(s,3H);MS(m/z):509.0[MH]
実施例5:7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
Figure 0004966193
3−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール(100mg)から、実施例3に記載の方法と類似の方法で標題化合物を100mgの収量で白色固体として得た。
NMR(H,DMSO):δ10.25(bs,1H),8.59(s,1H),7.35(m,3H),6.15(s,1H),3.76(s,3H),3.71(s,3H),3.80−3.70(bm,2H),3.40−3.20(m,6H),3.09(bm,4H),2.40(s,3H),2.21(m,2H),2.17(s,3H);MS(m/z):509.0[MH]
実施例6:7−(4−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
Figure 0004966193
7−(4−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(55mg)および3−[(3−クロロプロピル)チオ]−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール(65mg)から、実施例3に記載の方法と類似の方法で標題化合物を24mgの収量で白色固体として得た。
NMR(H,DMSO):δ10.16(bs,1H),8.57(s,1H),7.36(m,3H),3.68(s,6H),3.80−3.70(bm,2H),3.26−3.11(m,10H),2.37(s,3H),2.19(m,2H),2.16(s,3H);MS(m/z):512.0[MH]
実施例7:7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[5−(8−フルオロ−2−メチル−5−キノリニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
実施例8:7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−6−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンヒドロクロライド
乾燥アセトニトリル(2ml)中の3−チオ−5−アリール−1,2,4−トリアゾール(0.126mmol)の溶液に、ポリスチレン(85mg、2.2mmol/g)担持、2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザ−ホスホリンを加え、得られた混合物を1時間室温にて振盪させ、ついで、3−(3−クロロプロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(40mg)を加え、得られた混合物を、70℃で3時間振盪させた。冷却した後、樹脂を濾過し、メタノール(2ml)で洗浄し、ついで、溶媒を減圧下で除去した。精製を、以下の条件:
Figure 0004966193
で、Waters XTerra Prep MS C1810μm、30×150mmカラムを用いる、マスディレクテッドHPLCを用いて行った。ついで、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物をギ酸塩として得た。残渣をメタノール(1ml)で溶解し、SCX SPEカートリッジ(1g)に充填し、メタノール(3ml)で洗浄し、メタノール中の2Nのアンモニア溶液(3ml)で溶出し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン(1ml)で溶解し、ジエチルエーテル中の1.0NのHCl溶液(0.126mmol)を加え、ついで、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物を塩酸塩として得た。
HPLC:分析
カラム:X Terra MS C185mm、50×4.6mm
移動相:A:NHHCO溶液、10mM、pH10;B:CHCN
勾配:1分間10%(B)、12分で10%(B)−95%(B)、3分間95%(B)
流速:1ml/分
UV波長域:210〜350nm;質量範囲:100〜900amu;イオン化:ES+
Figure 0004966193

Claims (12)

  1. 式(I):
    Figure 0004966193
    [式中:
    は、ハロゲン、C1−4アルキルおよびハロC1−4アルキルから独立して選択される2または3個の置換基により置換されているピラゾリルであり;
    は、水素またはメチルであり;
    は、キノリニル、オキサゾリルまたはフェニルであり、それらは各々、1または2個のハロゲン、C1−4アルキルまたはハロC1−4アルキルにより置換されていてもよい]
    で示される化合物またはその塩。
  2. が、ハロゲン、C 1−4 アルキルおよびハロC 1−4 アルキルから独立して選択される2または3個の置換基により置換されているピラゾール−5−イルまたはピラゾール−3−イルである、請求項1記載の化合物。
  3. が:
    (a)式(i):
    Figure 0004966193
    [式中、Rは水素またはハロゲンあり、RはC1−4アルキルたはハロC1−4アルキルある]
    で示される基;または
    (b)式(ii):
    Figure 0004966193
    [式中、RおよびRは、独立して、C1−6アルキルある]
    で示される基である、請求項2記載の化合物。
  4. が、1または2個のC1−6アルキルにより置換されていてもよいキノリニルである、請求項1記載の化合物。
  5. 7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
    7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(1−メチル−3−{[4−メチル−5−(2−メチル−5−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
    7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−[3−({4−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル}チオ)プロピル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
    3−(3−{[5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
    7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
    7−(4−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
    7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[5−(8−フルオロ−2−メチル−5−キノリニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
    7−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(3−{[4−メチル−5−(2−メチル−6−キノリニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
    である、請求項1記載の化合物またはその塩。
  6. 請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(II):
    Figure 0004966193
    [式中、RおよびRは請求項1の記載と同意義であり、Lは脱離基である]
    で示される化合物を、式(III):
    Figure 0004966193
    [式中、Rは請求項1の記載と同意義である]
    で示される化合物を反応させることを特徴とする方法。
  7. 請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(IV):
    Figure 0004966193
    [式中、R は請求項1の記載と同意義である]
    で示される化合物を、式(V):
    Figure 0004966193
    [式中、R は請求項1の記載と同意義であり、Lは脱離基である]
    で示される化合物と反応させることを特徴とする方法。
  8. 請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(VI):
    Figure 0004966193
    [式中、R およびR は請求項1の記載と同意義であり、Wは、ハロゲンまたはペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基であるか、あるいはWは、ボロン誘導体または金属官能基から選択されるM基である]
    で示される化合物を、式(VII):
    Pyr−W
    (VII)
    [式中、Pyrは、ハロゲン、C 1−4 アルキルおよびハロC 1−4 アルキルから独立して選択される2または3個の置換基により置換されているピラゾリルであり、WがM基である場合、W はハロゲンまたはペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基であり、あるいはWがハロゲンまたはペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基である場合、W は上記と同意義のM基である]
    で示される化合物と反応させることを特徴とする方法。
  9. 治療に用いるための請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
  10. 哺乳動物におけるドーパミンD3受容体の調節が有益である症状の治療に用いるための請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
  11. 薬物乱用および/または薬物依存の治療に用いるための請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
  12. 乱用物質に対する渇望および/または薬物探索および服薬行動の再発の治療に用いるための、請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
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