JP4965117B2 - 移調装置 - Google Patents

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Description

この発明は、楽曲の音階・コード・和音の移調情報を表示する移調装置に関する。
従来の移調装置は楽曲の音階・コード・和音を任意の設定値だけずらせた移調後の音階・コード・和音と対応させて表示する特許文献1のような装置があった。
実開 平3−89468この移調装置を用いることでアマチュアなどの初心者でも簡単に任意の移調を行うことができるものであった。
しかしながら特許文献1の実施形態においては任意の移調を簡単に行うことはできても、どれだけ移調すれば初心者に演奏しやすい音階・コード・和音に変換されるかは移調を行ってみないと分からなかった。一般的な12音階の場合移調は11通りあり、11通りの中から最適な移調を選ぶには、11回の移調作業を繰り返し行う必要があるため時間がかかり不便であった。例として下記の楽曲のギター伴奏を行う場合の移調作業を例示する。
楽曲例1 E (C#m) B7 (G#m) A
この楽曲例1を順次移調した移調楽曲例1−11を下記に示す。
移調例1 F Dm C7 Am (A#)
移調例2 (F#) (D#m) (C#7) (A#m) (B)
移調例3 G Em D7 (Bm) C
移調例4 (G#) (Fm) (D#7) (Cm) (C#)
移調例5 A (F#m) E7 (C#m) D
移調例6 (A#) (Gm) F7 Dm (D#)
移調例7 B (G#m) (F#7) (D#m) E
移調例8 C Am G7 Em F
移調例9 (C#) (A#m) (G#7) (Fm) (F#)
移調例10 D (Bm) A7 (F#m) G
移調例11 (D#) (Cm) (A#7) (Gm) (G#)
これらの記号のうち、括弧のついている音階・コード・和音はギター初心者には演奏しずらいものである。ここでAからG#までは12の音階を示し、無印(メジャー)、m(マイナー)、7(セブン)はコード・和音の種別を表す。
この11例の中で初心者がギターで伴奏できる移調楽曲は移調例8のみである。(すべての音階・コード・和音に括弧が付いていない)すなわち初心者は移調例8のように音階・コード・和音を移調することで、この楽曲例1を伴奏することができる。この例では8回、最悪11回移調作業を行わないと最適な移調が見つからず、演奏できる移調を行うまでに時間がかかることが分かる。そこで本発明は初心者が演奏できる移調を簡単に行えるようにすることを課題とする。
以上の課題を解決するために、第一発明は、楽曲で使用されている音階・コード・和音を表示する第1の表示手段と、前記音階・コード・和音を任意の音階だけ移調する移調手段と、移調後の楽曲の音階・コード・和音を表示する第2の表示手段と、移調後の楽曲の音階・コード・和音の演奏難易度を表示する手段を設けたことを特徴とする移調装置である。
また第二発明は、第一発明において演奏難易度を各音階ごとに、それぞれ複数のコード・和音種別ごとに設けた事を特徴とする移調装置である。
第一発明、第二発明によれば初心者が演奏できる移調を簡単に行えるようにすることがきる。
この発明の実施例について図面を用いて説明する。図1は第1の実施例の正面図である。難易度表示体1は移調後の音階とその音階ごとのコード・和音の演奏の難易度を色分けして表示している。図2に難易度表示体1の正面図を示す。ここで示す色分けは初心者の演奏のし易さに応じて行ってある。青は演奏できる事を示し、赤は演奏できない事を示す。演奏者の得て不得手に応じてカスタマイズしても良い。2は演奏する楽曲に使用されている音階・コード・和音を表示する可動体である。図3にその正面図を示す。使用される音階・コード・和音に対応する部分の窓3を開閉することで使用、不使用を表示する。ここでは使用する音階・コード・和音に対応する窓を開にする。この窓は厚紙等を材料とした可動体2の対応部分にコの字形の切り込みを入れ折り曲げることで実現できる。この難易度表示体1と可動体2は重ね合わせて音階方向に自在に可動するよう構成され、各音階のコード・和音の種別ごとに重なり合い、窓を開にすると対応する各音階のコード・和音の演奏の難易度を表す色が見える位置関係にある。図1は可動体2の窓を楽曲例1で使用するコード・和音に対応させて開にした状態で、移調していない状態を表している。実施例1を使用して楽曲例1を初心者の演奏可能な移調例8に移調する手順を詳細に説明する。
楽曲例1の最初のコード・和音 E に対応する可動体の窓を開にする。すなわち、音階 E の横線とコード種別 メジャー の縦線の交わる位置の窓を折り曲げて下の難易度表示体1が見えるようにする。同様に2から5番目のコード・和音に対応する窓を開にする。
可動体2を難易度表示体1の一番下に合わせ、窓から見える色を確認する。(図1の状態)赤い色が2ケ見えている。赤い色が一つでも見えれば演奏できないので、可動体2を一つ分上に移動させ同様に色を確認しすべて青色になるまで順次移動させる。8回移動させた時すべての窓の色が青になる。この状態を図4に示す。図4の位置に移動した可動体2と難易度表示体1を使用して移調作業を行う。楽曲例1の最初のコード E に対応する可動体2の E の音階の横線をたどり、矢印の先にある移調後の音階を見る。そこに C の音階があり E がメジャーコードであるので C に書き換える。同様に2から5番目までのコード・和音を書き換えて移調作業終了する。移調後のコード・和音には初心者が演奏できないコード・和音がないので初心者でも演奏可能となる。実施例1では移動体を直線的に可動させたが、回転体としても同様の構成が可能である。
次に実施例2について図面を用いて説明する。図5は第2の実施例の正面図である。本体11と回転体12は中心をハトメ13で回転自在に止められている。クリップ14から18は本体11の楽曲で使用する音階に対応したクリップ装着場所に装着されている。必要に応じてその数を増減する。クリップは2種類に色分けされており、14,15,16は青いクリップでメジャー、セブンコード・和音に対応し、17,18は赤いクリップでマイナーコード・和音に対応している。11の本体は演奏する楽曲で使用する音階・コード・和音のクリップ装着場所にクリップを装着することで表示する。回転体12は移調後の音階・コード・和音を表示し、また初心者の演奏し易さに応じて色分けしてある。青色はメジャー、セブンコード・和音、が演奏し易いことを表し、赤色はマイナーコード・和音が演奏し易いことを表している。図5の回転体12の色分けはA,D,Eのマイナーコード・和音が演奏し易く、赤色に色付けされ、A,C,D,E,F,Gのメジャー、セブンコード・和音が演奏し易く青色に色付けされている。実施例2を使用して楽曲例1を初心者に演奏し易い移調例8に移調する手順を詳細に説明する。
楽曲例1の最初のコード・和音 E に対応する本体11のEのクリップ装着場所にメジャーコードの種別を表す青色のクリップを取り付ける。同様に2から5番目の音階・コード・和音に対応するクリップを取り付ける。回転体の音階と本体の音階が同じになるよう回転体を回転させて合わせる。(図5の状態)クリップの色とそのクリップの装着された音階の矢印の先の回転体の音階の着色された色にクリップの色と同じ色があるかを確認する。一つでもクリップの色が回転体の対応する音階の枠に見えなければ演奏できないので、回転体12を一つ分右に回転させ同様に色を確認しすべて同じ色があるまで順次回転させる。8コマ分回転させた時すべて同じ色があることが確認できた。この状態を図6に示す。図6の状態で移調作業を行う。楽曲例1の最初のコード E に対応する本体11の E の音階の矢印の先にある移調後の音階を見る。そこに C の音階があり E がメジャーコードであるので C に書き換える。同様に2から5番目までのコード・和音を書き換えて移調作業終了する。移調後のコード・和音には初心者が演奏できないコード・和音がないので初心者でも演奏可能となる。実施例2ではコード・和音の種類を2種類に集約したが、実施例1のごとく3種類でも可能であり、マイナーコードのみの一種類でも簡易的には可能である。またクリップにより使用するコード・和音を表示したが本体11を厚紙等で構成し切り込みを入れ、折り返すことで表示するなどの方法でも良い。
続いて実施例3について図面を用いて説明する。図7はパーソナルコンピューター等の入力手段、処理手段、表示手段を含む装置で動作するプログラムのフローチャートである。本フローチャートを用いて、楽曲例1を初心者の演奏し易い順に移調コードをオリジナルコードと対応させて表示する手順をSTP1から順を追って詳細に説明する。
STEP1.初心者がギターのコード・和音を演奏する場合の一般的な難易度を事前に設定しておく。この設定した音階、コード・和音種別ごとの難易度表の表示例を図8に示す。ここで難易度1は演奏し易い事を、難易度2は演奏し難い事を、難易度3は演奏できない事を示す。たとえばBの音階であれば、コード・和音の種別ごとにそれぞれB(メジャー)は3なので演奏できない事を示し、Bm(マイナー)は2なので演奏し難い事を示し、B7(セブン)は演奏し易い事を示す。この難易度を演奏者それぞれに合わせてカスタマイズする場合はここで難易度を修正する。
STEP2.オリジナルの楽曲(移調前の楽曲)で使用している音階・コード・和音(オリジナルコード)を順次入力する。ここでは楽曲例1のE,C#m,B7,G#m,Aを順次入力する。
STEP3.オリジナルコードの難易度を図8の難易度表示画面の数値を用いて計算する。まず難易度3のコード・和音の個数を計算する。ここではC#mとG#mのみなので2とする。次に難易度2のコード・和音の個数を計算する。この個数を小数点以下の数として難易度3の個数の小数点以下に加える。ここでは2の難易度のコード・和音は無く0ケなので2.0となる。
STEP4.オリジナルコードからそれぞれのコード・和音を半音づつ高めた+1コードを作成する。ここではF、Dm、C7、Am、A#となる。+1移調コードの難易度を計算する。まず難易度3のコード・和音の個数を計算する。ここではA#のみなので1とする。次に難易度2のコード・和音の個数を計算する。この個数を小数点以下の数として難易度3の個数の小数点以下に加える。ここでは2の難易度のコード・和音は無く0ケなので1.0となる。
STEP5−14.STEP4と同様に+2から+11までの移調コードを作成し、同様に難易度を計算する。
STEP15.STEP2で入力されたオリジナルコードとSTEP3で計算された難易度を最初に表示し、次にSTEP4からSTEP14で作成、計算された移調コード、難易度を、難易度の易しい(ここでは数値の低い順)移調コードから順番にオリジナルコードと関連付けて表示する。この表示例を図9に示す。この表示例からオリジナルコードのEをCに、C#mをAmに、B7をG7に、G#mをEmに、AをFにそれぞれ移調する事で初心者でも演奏できる移調コードに変換された。さらに移調度数も参考に表示してある。
この発明の実施形態1の正面図である。 この発明の実施形態1の難易度表示体正面図である。 この発明の実施形態1の可動体正面図である。 この発明の実施形態1の移調後正面図である。 この発明の実施形態2の正面図である。 この発明の実施形態2の移調後正面図である。 この発明の実施形態3のフローチャートである。 この発明の実施形態3の難易度表示画面である。 この発明の実施形態3のオリジナルコード、移調コード表示画面である。
符号の説明
1 実施形態1の難易度表示体
2 実施形態1の可動体
3 実施形態1の窓
11 実施形態2の本体
12 実施形態2の可動体
13 実施形態2のハトメ
14−18 クリップ

Claims (1)

  1. 弦楽器の移調後の音階とその音階ごとのコード・和音の演奏難易度を表示した難易度表示体と、演奏する楽曲で使用されている音階・コード・和音に対応する部分の窓を開閉することで使用不使用を表示する可動体とを備え、前記難易度表示体と可動体を音階方向に自在に可動するよう重ね合わせ、前記窓を開にすることで移調後の楽曲で使用する音階のコード・和音の演奏難易度を表示することを特徴とする弦楽器のコード・和音移調装置。
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