JP4963214B2 - スチルベン誘導体、発光素子用材料、発光素子、発光装置及び電子機器 - Google Patents

スチルベン誘導体、発光素子用材料、発光素子、発光装置及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、新規材料に関する。特に、少なくとも一部に有機化合物を用いた発光素子への使用が好適な材料に関する。また、当該材料を備えた発光素子、発光装置及び電子機器に関する。
有機化合物を含む層を一対の電極間に有し、当該電極間に電流を流すことで発光する発光素子を用いた発光装置の開発が進められている。このような発光装置は、現在他の薄型表示装置と呼ばれる表示装置と比較して薄型軽量化に有利であり、自発光であるため視認性も良く、応答速度も速い。そのため、次世代の表示装置として盛んに開発が進められ、一部実用化もなされている。
発光素子の発光機構は、一対の電極間に電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化合物を含む層中の発光層で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光するといわれている。励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどちらの励起状態を経ても可能であると考えられている。
電極間に配置される有機化合物を含む層は、発光層一層でなる単層構造であっても、各々異なる機能を有する層からなる積層構造であっても良いが、後者のような機能分離型の積層構造が用いられていることが多い。このような機能分離型の積層構造の例としては、陽極として機能する電極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層の順に積層する構造などが代表的であり、それぞれの機能に特化した材料により各層は構成されている。なお、発光層と電子輸送層の両方の機能を備える層などこれらの機能を2種類以上兼ねる層や、キャリアブロッキング層などその他の機能を有する層が用いられていても良い。
上記機能層のうち、発光層はその構成から大きく2つに分類される。一つは、発光物質単独の膜により発光層が形成される構成である。もう一つはホスト材料中に発光物質を分散して発光層が形成される構成である。後者の構成の方が発光物質の結晶性や成膜特性に左右されずに発光物質を選択することが可能である。また、濃度消光が起こりにくい為有利な構成であると言うことができる。
このような、ホスト材料中に発光物質を分散して構成される発光層を用いる場合、ホスト材料のエネルギーギャップは発光物質のエネルギーギャップより大きいことが必要である。これは、励起された発光物質の励起エネルギーがホスト材料に移ってしまい、発光効率や発光色の変化が起こるのを防ぐと共に、励起されたホスト材料からスムーズに発光物質への励起エネルギーの移動が行われ、発光効率の向上を図る為に重要な要件である。
発光物質が発する光の色は当該発光物質が有するエネルギーギャップに依存する。エネルギーギャップの大きい発光物質より発される光ほど、発光波長の短い光となる。そのため、青の発光を呈する発光物質に対するホスト材料は非常に大きなエネルギーギャップを有する材料である必要がある。しかし、そのような材料は未だ多くない。(例えば特許文献1参照)さらに、紫色や紫外光領域の発光を呈する発光物質に対するホスト材料はさらに大きなエネルギーギャップを有することが求められる。
ところで、発光素子を上述のような機能分離型の積層構造を用いて作製する場合、各機能層は各々の機能に有利な材料により構成される。高性能の発光素子を得る為には、各々の機能層があらゆる面で優れた特性を有していなければいけない。しかし、正孔輸送層を構成する正孔輸送材料と比較して、電子輸送層を構成する為の電子輸送材料の報告は少なく、その開発が遅れているのが現状である。
例えば、電子輸送性材料として広く用いられているトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)は優れた電子輸送性、信頼性を有する。しかし、その発光色が緑色であることからも分かるようにエネルギーギャップが小さい。そのため、青色やそれより短い波長の光を発する発光素子において発光層と接する電子輸送層として用いることが困難である。これは、発光層における発光領域が電子輸送層側に偏っている場合に、エネルギーギャップの小さい電子輸送層側に発光物質やホスト材料の励起エネルギーが移動してしまうことに起因する。
この問題を回避するには、ホスト材料を電子輸送性の材料とし、発光層の発光領域を正孔輸送層側とすることが効果的である。しかし、先にも述べたように電子輸送性材料の報告は少なく、青色やそれより短い波長の光を発する発光素子におけるホスト材料として用いることが可能で電子輸送性を有するような材料は非常に少ない。
特開2005−132820号公報
そこで、本発明ではエネルギーギャップの大きい新規スチルベン誘導体を提供することを課題とする。また、本発明ではエネルギーギャップが大きく、特に発光層のホスト材料に好適な新規発光素子用材料を提供することを課題とする。また、本発明ではエネルギーギャップが大きく且つ電子輸送性を有する新規発光素子用材料を提供することを課題とする。
また、本発明では上記したスチルベン誘導体及び発光素子用材料のいずれかを含み、色純度又は発光効率が良好な発光素子を提供することを課題とする。
また、本発明では上記したスチルベン誘導体及び発光素子用材料のいずれかを含み、表示品質が高く、且つ消費電力が小さい発光装置を提供することを課題とする。
また、本発明では上記したスチルベン誘導体及び発光素子用材料のいずれかを含む発光装置を有し、該発光装置の消費電力が小さく、且つ表示品質が高い電子機器を提供することを課題とする。
本発明は下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体である。
Figure 0004963214
但し式中R、R、R、R、Rは水素又は下記構造式(2)で表される置換基を表し、R、R、R、R、Rのうち少なくとも1つは下記構造式(2)で表される置換基である。また、式中R、R、R、R、R10は水素又は下記構造式(2)で表される置換基を表し、R、R、R、R、R10のうち少なくとも1つは下記構造式(2)で表される置換基である。
Figure 0004963214
本発明は下記一般式(3)で表されるスチルベン誘導体である。
Figure 0004963214
但し、式中nは0以上2以下の整数を表し、mは1以上2以下の整数を表す。なお、n=1、m=1である場合が好ましい構成である。
本発明は下記構造式(4)で表されるスチルベン誘導体である。
Figure 0004963214
本発明は下記構造式(5)で表されるスチルベン誘導体である。
Figure 0004963214
本発明は、上記いずれか一に記載のスチルベン誘導体を含む発光素子用材料である。
本発明は、上記いずれか一に記載のスチルベン誘導体を含む発光素子である。
本発明は、上記いずれか一に記載のスチルベン誘導体を発光層のホスト材料とする発光素子である。
本発明は、上記記載の発光素子を有する電子機器である。
本発明のスチルベン誘導体はエネルギーギャップの大きい新規材料である。また、本発明のスチルベン誘導体は電子輸送性を有し且つエネルギーギャップの大きい新規材料である。また、本発明の発光素子用材料はエネルギーギャップが大きく、特に発光層のホスト材料に好適な新規発光素子用材料である。また、本発明の発光素子用材料はエネルギーギャップが大きく且つ電子輸送性を有する新規発光素子用材料である。
また、本発明の発光素子は、色純度又は発光効率が良好な発光素子である。
また、本発明の発光装置は、表示品質が高く又は消費電力も小さい発光装置である。
また、本発明の電子機器は発光装置を備え、消費電力が小さく又は発光装置の表示品質が高い電子機器である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では本発明のスチルベン誘導体について説明する。
本発明のスチルベン誘導体は下記一般式(1)で表される。
Figure 0004963214
式中R、R、R、R、Rは水素又は下記構造式(2)で表される置換基を表し、R、R、R、R、Rのうち少なくとも1つは下記構造式(2)で表される置換基である。また、式中R、R、R、R、R10は水素又は下記構造式(2)で表される置換基を表し、R、R、R、R、R10のうち少なくとも1つは下記構造式(2)で表される置換基である。
Figure 0004963214
なお、上記構造式(2)で表される置換基はさらに置換基を有していても良く、置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、ハロゲン基及びアリール基などが挙げられる。具体的にアルキル基としてはメチル基やエチル基、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基、アルコキシ基としてはメトキシ基、アシル基としてはアセチル基、アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、アシロキシ基としてはアセトキシ基、ハロゲン基としてはフルオロ基、アリール基としてはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
本発明のスチルベン誘導体は下記一般式(3)で表される。
Figure 0004963214
なお、式中nは0以上2以下の整数を表し、mは1以上2以下の整数を表す。この際、n=1、m=1である場合が好ましい構成である。
本発明のスチルベン誘導体は下記構造式(4)で表される。
Figure 0004963214
本発明のスチルベン誘導体は下記構造式(5)で表される。
Figure 0004963214
上記構成を有する本発明のスチルベン誘導体は、エネルギーギャップの大きい材料である。本発明のスチルベン誘導体を発光素子の有機化合物を含む層における発光層のホスト材料として用いることで、発光物質として青色発光を呈する物質を用いたとしても、当該発光物質からホスト材料への励起エネルギーの移動が起こらず、発光効率及び色純度の高い発光素子を作製することが可能となる。
また、上記構成を有する本発明のスチルベン誘導体は、電子輸送性を有する材料である。そのため、本発明のスチルベン誘導体を発光素子の有機化合物を含む層における発光層のホスト材料として用いることで、発光領域を材料の選択の幅が小さい電子輸送層側に偏らせずとも済むようになる。これによって、発光効率や色純度の高い発光素子の設計がしやすくなり、発光効率が高く色純度の高い発光素子を作製することが可能となる。
また、上記構成を有する本発明のスチルベン誘導体はエネルギーギャップが大きく且つ電子輸送性を有する材料である。本発明のスチルベン誘導体を発光素子の有機化合物を含む層における発光層のホスト材料として用いることで、発光物質として青色発光を呈する物質を用いたとしても、当該発光物質からホスト材料への励起エネルギーの移動が起こらず、発光素子の設計がしやすいことから発光効率及び色純度の高い発光素子を作製することが可能となる。
なお、上記構成を有する本発明のスチルベン誘導体は青色発光を呈する発光素子だけでなく、発光物質として赤色や緑色など青色より長い波長の光を呈する材料を用いた発光素子にも適用が可能である。但し、本発明のスチルベン誘導体の発光の波長域と発光物質の吸収の波長域とは重なりがあることが本発明のスチルベン誘導体から発光物質へのスムーズな励起エネルギーの移動が行われるためには好ましい。
また、本発明のスチルベン誘導体は、用いる発光物質のエネルギーギャップが実施の形態1に記載のスチルベン誘導体のエネルギーギャップより小さい範囲において、青色より短い波長域の光(紫色〜紫外光)を発する発光素子のホスト材料としても適用が可能である。本発明のスチルベン誘導体は非常に大きいエネルギーギャップを有することから紫色〜紫外光の波長域の発光を呈する発光物質に対するホスト材料としても好適に用いることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を用いた発光素子について説明する。
本発明における発光素子の構造は、一対の電極間に、有機化合物を含む層を有するものである。なお、素子構造については、特に制限はなく、目的に応じて、構造を適宜選択することができる。
図1に、本発明における発光素子の素子構成の一例を模式的に示す。図1に示す発光素子は、絶縁物100上に、第1の電極101と第2の電極103との間に有機化合物を含む層102を有する構成となっている。そして、有機化合物を含む層102は、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含んでいる。なお、本発明における陽極とは、発光物質を含む層に正孔を注入する電極のことを示す。また、本発明における陰極とは、発光物質を含む層に電子を注入する電極のことを示す。第1の電極101及び第2の電極103はそのどちらかが陽極であり、もう一方が陰極となる。
陽極としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)を含む酸化インジウム等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。その他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン:TiN)等を用いることも可能である。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、元素周期表の1族または2族に属する金属、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLiなど)、ユウロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。ただし、高い電子注入性を有する電子注入層を用いることにより、仕事関数の高い材料、すなわち、通常は陽極に用いられている材料で陰極を形成することもできる。例えば、Al、Ag、ITO等の金属・導電性無機化合物により陰極を形成することもできる。
有機化合物を含む層102には、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。なお、有機化合物を含む層102を形成する材料には、有機化合物材料のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。また、有機化合物を含む層は、通常正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、発光層、電子輸送層、電子注入層等、各々の機能を有する機能層を適宜組み合わせて構成されるが、それぞれの層の有する機能を2つ以上同時に有する層を含んでいても良い。本実施の形態では有機化合物を含む層として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の積層構造を用いることとする。なお、本実施の形態で発光層は、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体よりなるホスト材料中に発光物質を分散して形成する。このため、発光層を発光物質単独の膜により形成したときに比べ、濃度消光を防ぐことができる。
また、有機化合物を含む層102の形成には、蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法など、湿式、乾式を問わず、用いることができる。
実施の形態1に記載のスチルベン誘導体は、エネルギーギャップの大きい材料である。そして、本発明の発光素子は有機化合物を含む層102における発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む。そのため、発光物質として青色発光を呈する物質を用いたとしても、当該発光物質からホスト材料への励起エネルギーの移動が起こらない。これによって、本発明の発光素子を発光効率や色純度の高い発光素子とすることが可能となる。
また、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体は電子輸送性を有する。そして、本発明の発光素子は有機化合物を含む層102における発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む。そのため、発光領域を材料の選択の幅が小さい電子輸送層側に偏らせずとも済むようになる。これによって、発光効率や色純度の高い発光素子の設計がしやすくなり、本発明の発光素子を発光効率が高く色純度の高い発光素子とすることが可能となる。
また、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体はエネルギーギャップが大きく且つ電子輸送性を有する材料である。そして、本発明の発光素子は有機化合物を含む層102における発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む。そのため、発光物質として青色発光を呈する物質を用いたとしても、当該発光物質からホスト材料への励起エネルギーの移動が起こらず、発光素子の設計がしやすい。これによって、本発明の発光素子を、発光効率が高く色純度の高い発光素子とすることが可能となる。
なお、本発明の発光素子は青色発光を呈する発光素子だけでなく、発光物質として赤色や緑色など青色より長い波長の光を呈する材料を用いた発光素子にも適用が可能である。但し、ホスト材料の発光の波長域と発光物質の吸収の波長域とは重なりがあることがホスト材料から発光物質へのスムーズな励起エネルギーの移動が行われるためには好ましい。
また、本発明の発光素子は、用いる発光物質のエネルギーギャップが実施の形態1に記載のスチルベン誘導体のエネルギーギャップより小さい範囲において、青色より短い波長域の光(紫色〜紫外光)を発する発光素子においても適用が可能である。実施の形態1に記載のスチルベン誘導体は非常に大きいエネルギーギャップを有することから紫色〜紫外光の波長域の発光を呈する発光物質に対するホスト材料としても好適に用いることが可能である。
正孔注入層は、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や、これらに適当な有機化合物を混合した混合物を用いて形成することができる。あるいは、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)等を用いることができる。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)や、ポリアニリン(略称:PAni)などを用いることができる。正孔注入層は陽極に接して形成され、正孔注入層を用いることによって、キャリアの注入障壁が低減し、効率よくキャリアが発光素子に注入され、その結果、駆動電圧の低減を図ることができる。
正孔輸送層は、N,N’−ビス(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:BSPB)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N,N−ジ(m−トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m−MTDAB)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等の適当な材料を用いることができる。また、正孔輸送層は以上に述べた物質から成る層を二層以上組み合わせた多層構造の層であってもよい。
発光層は、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体よりなるホスト材料中に発光物質を分散して形成する。発光物質には発光効率が良好で、所望の発光波長の発光をし得る物質を用いればよい。例えば、赤色系の発光を得たいときには、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)やペリフランテン、1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−2,5−ジシアノベンゼン等、600nmから680nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また緑色系の発光を得たいときは、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等、500nmから550nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また、青色系の発光を得たいときは、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、9,10−ジ(2−ナフチル)−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−ガリウム(略称:BGaq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等、420nmから500nmに発光スペクトルのピークを有する発光を呈する物質を用いることができる。また紫色〜紫外光の波長域の発光を得たい場合は、TPD、m−MTDATA、4,4’−ビス[N−(ビフェニル−4−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BBPB)、2,2’,7,7’−テトラキス(N−ジフェニルアミノ)−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:spiro−TAD)、1,3,5−トリス[N,N−ビス(2−メチルフェニル)アミノ]ベンゼン(o−MTDAB)等を用いることができる。以上のように、蛍光を発光する物質の他、ビス[2−(3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(FIr(pic))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy))等の燐光を発光する物質も発光材料として用いることができる。発光物質はホスト材料中に0.001から50wt%、好ましくは0.03から20wt%の割合で添加することによって発光層を形成することができる。
電子輸送層を用いる場合、発光層と電子注入層との間に設置される。相応しい材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体が挙げられる。あるいは9,10−ジフェニルアントラセンや4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)ビフェニルなどの炭化水素系化合物なども好適である。あるいは、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリンやバソキュプロインなどのフェナントロリン誘導体を用いても良い。
電子注入層を形成する電子注入性材料としては、特に限定は無い。具体的には、フッ化カルシウムやフッ化リチウム、酸化リチウムや塩化リチウムなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが好適である。あるいは、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)やバソキュプロイン(略称:BCP)などの、いわゆる電子輸送性の材料にリチウムなどのドナー性化合物を添加した層も用いることができる。電子注入層は陰極に接して形成され、電子注入層を用いることによって、キャリアの注入障壁が低減し、効率よくキャリアが発光素子に注入され、その結果、駆動電圧の低減を図ることができる。
本発明の形態では、発光層のみからの発光が得られる発光素子の構造を示したが、発光層だけでなく、他の層、例えば電子輸送層やホール輸送層からの発光が得られるように設計しても構わない。例えば電子輸送層やホール輸送層に発光に預かるドーパントを添加することで、発光層だけでなく、輸送層からの発光も得られる。発光層と輸送層に用いる発光物質の発光色が異なれば、それらの発光が重なり合ったスペクトルが得られる。発光色が互いに補色の関係であれば、白色の発光が得られる。
なお、第1の電極101や第2の電極103の種類を変えることで、本実施の形態の発光素子は様々なバリエーションを有する。第1の電極101を光透過性とすることで、第1の電極101側から光を射出する構成となる。また、第1の電極101を遮光性(特に反射性)とし、第2の電極103を光透過性とすることで、第2の電極103の側から光を射出する構成となる。さらに、第1の電極101、第2の電極103の両方を光透過性とすることで、第1の電極側、第2の電極側の両方に光を射出する構成も可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の発光装置について図2、図3を参照し、作製方法を示しながら説明する。なお、本実施の形態ではアクティブマトリクス型の発光装置を作成する例を示したが、本発明はパッシブ型の発光装置についてももちろん適用することが可能である。
まず、基板50上に第1の下地絶縁層51a、第2の下地絶縁層51bを形成した後、さらに半導体層を第2の下地絶縁層51b上に形成する。(図2(A))
基板50の材料としてはガラス、石英やプラスチック(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホンなど)等を用いることができる。これら基板は必要に応じてCMP等により研磨してから使用しても良い。本実施の形態においてはガラス基板を用いる。
第1の下地絶縁層51a、第2の下地絶縁層51bは基板50中のアルカリ金属やアルカリ土類金属など、半導体膜の特性に悪影響を及ぼすような元素が半導体層中に拡散するのを防ぐ為に設ける。材料としては酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒素を含む酸化ケイ素、酸素を含む窒化ケイ素などを用いることができる。本実施の形態では第1の下地絶縁層51aを窒化ケイ素で、第2の下地絶縁層51bを酸化ケイ素で形成する。本実施の形態では、下地絶縁層を第1の下地絶縁層51a、第2の下地絶縁層51bの2層で形成したが、単層で形成してもかまわないし、2層以上の多層であってもかまわない。また、基板からの不純物の拡散が問題にならないようであれば下地絶縁層は設ける必要がない。
続いて形成される半導体層は本実施の形態では非晶質ケイ素膜をレーザ結晶化して得る。第2の下地絶縁層51b上に非晶質ケイ素膜を25〜100nm(好ましくは30〜60nm)の膜厚で形成する。作製方法としては、例えばスパッタ法、減圧CVD法またはプラズマCVD法などが使用できる。その後、500℃で1時間の加熱処理を行い、水素出しをする。
続いてレーザ照射装置を用いて非晶質ケイ素膜を結晶化して結晶質ケイ素膜を形成する。本実施の形態のレーザ結晶化ではエキシマレーザを使用し、発振されたレーザビームを光学系を用いて線状のビームスポットに整形し非晶質ケイ素膜に照射することで結晶質ケイ素膜とし、半導体層として用いる。なお、非晶質ケイ素膜のまま、半導体層として使用しても良い。
非晶質ケイ素膜の他の結晶化の方法としては、他に、熱処理のみにより結晶化を行う方法や結晶化を促進する触媒元素を用い加熱処理を行う事によって行う方法もある。結晶化を促進する元素としてはニッケル、鉄、パラジウム、スズ、鉛、コバルト、白金、銅、金などが挙げられる。このような元素を用いることによって熱処理のみで結晶化を行った場合に比べ、低温、短時間で結晶化が行われるため、ガラス基板などへのダメージが少ない。熱処理のみにより結晶化をする場合は、基板50を熱に強い石英基板などにすればよい。
続いて、必要に応じて半導体層にしきい値電圧をコントロールする為に微量の不純物添加、いわゆるチャネルドーピングを行う。要求されるしきい値電圧を得る為にN型もしくはP型を呈する不純物(リン、ボロンなど)をイオンドーピング法などにより添加する。
その後、図2(A)に示すように半導体層を所定の形状に加工し、島状の半導体層52を得る。島状の半導体層52への加工は、まず半導体層にフォトレジストを塗布し、所定のマスク形状を露光する。露光後、焼成して、半導体層上にレジストマスクを形成する。その後、このマスクを用いてエッチングをすることにより島状の半導体層52への加工が行われる。
続いて半導体層52を覆うようにゲート絶縁層53を形成する。ゲート絶縁層53はプラズマCVD法またはスパッタ法を用いて膜厚を40〜150nmとしてケイ素を含む絶縁層で形成する。本実施の形態では酸化ケイ素を用いて形成する。
次いで、ゲート絶縁層53上にゲート電極54を形成する。ゲート電極54はタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、クロム、ニオブから選ばれた元素、または元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶ケイ素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。
また、本実施の形態ではゲート電極54は単層で形成されているが、下層にタングステン、上層にモリブデンなどの2層以上の積層構造でもかまわない。積層構造としてゲート電極を形成する場合であっても前段で述べた材料を使用するとよい。また、その組み合わせも適宜選択すればよい。ゲート電極54の加工はフォトレジストを用いたマスクを形成し、このマスクを用いてエッチングすることにより行う。
続いて、ゲート電極54をマスクとして半導体層52に高濃度の不純物を添加する。これによって半導体層52、ゲート絶縁層53、及びゲート電極54を含む薄膜トランジスタ70が形成される。
なお、薄膜トランジスタの作製工程については特に限定されず、所望の構造のトランジスタを作製できるように適宜変更すればよい。
本実施の形態では、レーザ結晶化を使用して結晶化した結晶性シリコン膜を用いたトップゲートの薄膜トランジスタを用いたが、非晶質半導体膜を用いたボトムゲート型の薄膜トランジスタを画素部に用いることも可能である。非晶質半導体はケイ素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
続いて、ゲート電極54、ゲート絶縁層53を覆って絶縁膜(水素化膜)59を窒化ケイ素により形成する。絶縁膜(水素化膜)59を形成した後、480℃で1時間程度加熱を行って、不純物元素の活性化及び半導体層52の水素化を行う。
続いて、絶縁膜(水素化膜)59を覆う第1の層間絶縁層60を形成する。第1の層間絶縁層60を形成する材料としては酸化ケイ素、アクリル、ポリイミドやシロキサン、low−k材料等をもちいるとよい。本実施の形態では酸化ケイ素膜を第1の層間絶縁層として形成した。(図2(B))
次に、半導体層52に至るコンタクトホールを開口する。コンタクトホールはレジストマスクを用いて、半導体層52が露出するまでエッチングを行うことで形成することができる。コンタクトホールは、ウエットエッチング、ドライエッチングどちらでも形成することができる。なお、条件によって一回でエッチングを行ってしまっても良いし、複数回に分けてエッチングを行っても良い。また、複数回でエッチングする際は、ウエットエッチングとドライエッチングの両方を用いても良い。(図2(C))
そして、当該コンタクトホールや第1の層間絶縁層60を覆う導電層を形成する。当該導電層を所望の形状に加工し、接続部61a、配線61bなどが形成される。この配線はアルミニウム、銅、アルミニウムと炭素とニッケルの合金、アルミニウムと炭素とモリブデンの合金等の単層でも良い。また、基板側からモリブデン、アルミニウム、モリブデンの積層構造やチタン、アルミニウム、チタンやチタン、窒化チタン、アルミニウム、チタンといった構造でも良い。(図2(D))
その後、接続部61a、配線61b、第1の層間絶縁層60を覆って第2の層間絶縁層63を形成する。第2の層間絶縁層63の材料としては自己平坦性を有するアクリル、ポリイミド、シロキサンなどの塗布膜が好適に利用できる。本実施の形態ではシロキサンを第2の層間絶縁層63として用いる。(図2(E))
続いて第2の層間絶縁層63上に窒化ケイ素などで絶縁層を形成してもよい。当該絶縁層は、後の画素電極のエッチングにおいて、第2の層間絶縁層63が必要以上にエッチングされてしまうのを防ぐ為に形成する。そのため、画素電極と第2の層間絶縁層のエッチングレートの比が大きい場合には特に設けなくとも良い。続いて、第2の層間絶縁層63を貫通して接続部61aに至るコンタクトホールを形成する。
そして当該コンタクトホールと第2の層間絶縁層63(もしくは絶縁層)を覆って、導電層を形成する。その後、導電層を加工して薄膜発光素子の第1の電極64を形成する。ここで第1の電極64は接続部61aと電気的に接触している。(図3(A))
第1の電極64の材料としてはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)などの導電性を有する金属、又はアルミニウムとケイ素との合金(Al−Si)、アルミニウムとチタンとの合金(Al−Ti)、アルミニウムとケイ素及び銅の合金(Al−Si−Cu)等、それらの合金や、または窒化チタン(TiN)等の窒化物、インジウム錫酸化物(ITO:indium tin oxide)、酸化ケイ素を含有するITO(以下ITSOと示す)、酸化インジウムに2〜20[%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)等の金属化合物などの導電膜により形成することができる。
また、発光を取り出す方の電極は透明性を有する導電膜により形成すれば良く、ITO、ITSO、IZOなどの金属化合物の他、Al、Ag等金属の極薄膜を用いる。また、第2の電極の方から発光を取り出す場合は第1の電極は反射率の高い材料(Al、Ag等)を用いることができる。本実施の形態ではITSOを第1の電極64として用いた(図3(A))。
次に第2の層間絶縁層63(もしくは絶縁層)及び第1の電極64を覆って有機材料もしくは無機材料からなる絶縁層を形成する。続いて当該絶縁層を第1の電極64の一部が露出するように加工し、隔壁65を形成する。隔壁65の材料としては、感光性を有する有機材料(アクリル、ポリイミドなど)が好適に用いられるが、感光性を有さない有機材料や無機材料で形成してもかまわない。また、隔壁65の材料にチタンブラックやカーボンナイトライドなどの黒色顔料や染料を分散材などを用いて分散し、隔壁65を黒くすることでブラックマトリクス様に用いても良い。隔壁65の第1の電極に向かう端面は曲率を有し、当該曲率が連続的に変化するテーパー形状をしていることが望ましい(図3(B))。
次に、有機化合物を含む層66を形成し、続いて有機化合物を含む層66を覆う第2の電極67を形成する。これによって第1の電極64と第2の電極67との間に有機化合物を含む層66を挟んでなる発光素子93を作製することができ、第1の電極64に第2の電極67より高い電圧をかけることによって発光を得ることができる。第2の電極67の形成に用いられる電極材料としては第1の電極64の材料と同様の材料を用いることができる。本実施の形態ではアルミニウムを第2の電極67として用いた。(図3(C))
有機化合物を含む層66には、低分子系材料および高分子系材料のいずれを用いることもできる。また、本実施の形態の発光装置における、有機化合物を含む層66は、実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含んでいる。なお、有機化合物を含む層66を形成する材料には、有機化合物材料のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む材料も含めるものとする。また、有機化合物を含む層66の作製方法としては蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法など、湿式、乾式を問わず、用いることができる。また、有機化合物を含む層66は、通常正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、発光層、電子輸送層、電子注入層等、各々の機能を有する機能層を適宜組み合わせて構成されるが、それぞれの層の有する機能を2つ以上同時に有する層を含んでいても良い。本実施の形態では有機化合物を含む層として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の積層構造を用いることとする。本実施の形態における発光装置では、発光層として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を用いる。有機化合物を含む層66におけるその他の機能層については特に限定は無く、それらの材料については実施の形態2に記載したので繰り返しとなる説明を省略する。
その後、プラズマCVD法により窒素を含む酸化ケイ素膜をパッシベーション膜として形成する。窒素を含む酸化ケイ素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH、NO、NHから作製される酸化窒化ケイ素膜、またはSiH、NOから作製される酸化窒化ケイ素膜、あるいはSiH、NOをArで希釈したガスから形成される酸化窒化ケイ素膜を形成すれば良い。
また、パッシベーション膜としてSiH、NO、Hから作製される酸化窒化水素化ケイ素膜を適用しても良い。もちろん、パッシベーション膜は単層構造に限定されるものではなく、他のケイ素を含む絶縁層を単層構造、もしくは積層構造として用いても良い。また、窒化炭素膜と窒化ケイ素膜の多層膜やスチレンポリマーの多層膜、窒化ケイ素膜やダイヤモンドライクカーボン膜を窒素を含む酸化ケイ素膜の代わりに形成してもよい。
続いて発光素子93を水などの劣化を促進する物質から保護するために、表示部の封止を行う。対向基板を封止に用いる場合は、絶縁性のシール材により、外部接続部が露出するように貼り合わせる。対向基板と素子基板との間の空間には乾燥した窒素などの不活性気体を充填しても良いし、シール材を画素部全面に塗布しそれにより対向基板を貼り合わせても良い。シール材には紫外線硬化樹脂などを用いると好適である。シール材には乾燥剤や基板間のギャップを一定に保つための粒子を混入しておいても良い。続いて外部接続部にフレキシブル配線基板を貼り付けることによって、発光装置が完成する。
以上のように作製した発光装置の構成の1例を図4を参照しながら説明する。なお、形が異なっていても同様の機能を示す部分には同じ符号を付し、その説明を省略する部分もある。本実施の形態では、LDD構造を有する薄膜トランジスタ70が接続部61aを介して発光素子93に接続している。
図4(A)は第1の電極64が透光性を有する導電膜により形成されており、基板50側に有機化合物を含む層66より発せられた光が取り出される構造である。なお94は対向基板であり、発光素子93が形成された後、シール材などを用い、基板50に固着される。対向基板94と素子との間に透光性を有する樹脂88等を充填し、封止することによって発光素子93が水分により劣化することを防ぐ事ができる。また、樹脂88が吸湿性を有していることが望ましい。さらに樹脂88中に透光性の高い乾燥剤89を分散させるとさらに水分の影響を抑えることが可能になるためさらに望ましい形態である。
図4(B)は、第1の電極64と第2の電極67両方が透光性を有する導電膜により形成されており、基板50及び対向基板94の両方に光を取り出すことが可能な構成となっている。また、この構成では基板50と対向基板94の外側に偏光板90を設けることによって画面が透けてしまうことを防ぐことができ、視認性が向上する。偏光板90の外側には保護フィルム91を設けると良い。
本実施の形態においては、トップゲートの薄膜トランジスタを用いたが、ボトムゲートなどその他の形状の薄膜トランジスタを用いて発光装置を構成しても良い。
なお、表示機能を有する本発明の発光装置には、アナログのビデオ信号、デジタルのビデオ信号のどちらを用いてもよい。デジタルのビデオ信号を用いる場合はそのビデオ信号が電圧を用いているものと、電流を用いているものとがある。発光素子の発光時において、画素に入力されるビデオ信号は、定電圧のものと、定電流のものがある。ビデオ信号が定電圧のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。またビデオ信号が定電流のものには、発光素子に印加される電圧が一定のものと、発光素子に流れる電流が一定のものとがある。この発光素子に印加される電圧が一定のものは定電圧駆動である。また、発光素子に流れる電流が一定のものは定電流駆動である。定電流駆動は、発光素子の抵抗変化によらず、一定の電流が流れる。本発明の発光装置及びその駆動方法には、上記したどの駆動方法を用いてもよい。
このように、有機化合物を含む層66に実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む本発明の発光装置は、当該スチルベン誘導体のエネルギーギャップが大きいことから、発光物質からホスト材料への励起エネルギーの移動が起こらない。これによって本発明の発光装置を、消費電力が少なく表示品質を向上させた発光装置とすることが可能となる。また、本発明の発光装置は、当該スチルベン誘導体が電子輸送性を有するため発光効率や色純度の高い発光素子の設計がしやすくなり、本発明の発光装置を消費電力が少なく表示品質を向上させた発光装置とすることが可能となる。また、本発明の発光装置は、当該スチルベン誘導体が電子輸送性を有し且つエネルギーギャップが大きい材料であることから発光物質からホスト材料への励起エネルギーの移動が起こらず、発光素子の設計がしやすい。これによって本発明の発光装置を、消費電力が少なく表示品質を向上させた発光装置とすることが可能となる。
本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2の適当な構成と組み合わせて用いることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の発光装置であるパネルの外観について図5を用いて説明する。図5(A)は基板4001上に形成されたトランジスタおよび発光素子4011を対向基板4006との間に形成したシール材4005によって封止したパネルの上面図である。そして、図5(B)は図5(A)の断面図に相応する。また、このパネルに搭載されている発光素子の有する構成は、実施の形態2に示したような構成である。
基板4001上に設けられた画素部4002と信号線駆動回路4003と走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004の上に対向基板4006が設けられている。よって画素部4002と信号線駆動回路4003と、駆動回路4020と、走査線駆動回路4004とは、充填材4007と共に、基板4001とシール材4005と対向基板4006とによって密封されている。
また、基板4001上に設けられた画素部4002と信号線駆動回路4003と走査線駆動回路4004とは薄膜トランジスタを複数有している。図5(B)では信号線駆動回路4003に含まれる薄膜トランジスタ4008と、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010とを示す。
また、発光素子4011は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。
また、引き回し配線4014は画素部4002と信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とに、信号、または電源電圧を供給する為の配線に相当する。引き回し配線4014は、引き回し配線4015を介して接続端子4016と接続されている。接続端子4016はフレキシブルプリント配線基板4018が有する端子と異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
なお、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、ポリビニルクロライド、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラル、またはエチレンビニレンアセテートを用いることができる。
なお、本発明の発光装置は発光素子を有する画素部が形成されたパネルと、該パネルにICが実装されたモジュールとをその範疇に含む。
上記したような、信号処理回路である信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004及びICは発光素子の制御回路であり、これら制御回路を搭載した発光装置及び電子機器は、制御回路によって発光素子の点灯及び非点灯又は、輝度の制御が行われることによって様々な映像をパネルに映し出すことができる。なお、フレキシブルプリント配線基板4018を介して接続される外部回路基板に形成された信号処理回路も制御回路である。
以上のような本発明の発光装置は、画素部を構成する発光素子として、有機化合物を含む層に実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む実施の形態2に記載の発光素子を有している為、画素部の消費電力や表示品質が向上された発光装置である。また、本発明の発光装置は画素部を構成する発光素子として、有機化合物を含む層に実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む実施の形態2に記載の発光素子を有している為、消費電力や表示品質が向上された発光装置である。
本実施の形態は実施の形態1乃至実施の形態3の構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4で示したパネル、モジュールが有する画素回路、保護回路及びそれらの動作について説明する。なお、図2、図3に示してきた断面図は駆動用TFT1403と発光素子1405の断面図模式図となっている。
図6(A)に示す画素の構成は、列方向に信号線1410及び電源線1411、1412、行方向に走査線1414が配置される構成となっている。また、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、電流制御用TFT1404、容量素子1402及び発光素子1405を有する。
図6(C)に示す画素の構成は、駆動用TFT1403のゲート電極が、行方向に配置された電源線1412に接続される点が異なる以外は、図6(A)に示す画素と同じ構成である。つまり、図6(A)(C)に示す両画素は、同じ等価回路図を示す。ただし、行方向に電源線1412が配置される場合(図6(A))と、列方向に電源線1412が配置される場合(図6(C))とでは、各電源線は異なるレイヤーの導電膜で形成される。ここでは、駆動用TFT1403のゲート電極が接続される配線に注目し、これらを作製するレイヤーが異なることを表すために、図6(A)(C)として分けて記載する。
図6(A)(C)に示す画素の特徴として、画素内に駆動用TFT1403と電流制御用TFT1404が直列に接続されている。そして、駆動用TFT1403のチャネル長L(1403)、チャネル幅W(1403)、電流制御用TFT1404のチャネル長L(1404)、チャネル幅W(1404)は、L(1403)/W(1403):L(1404)/W(1404)=5〜6000:1を満たすように設定するとよい。
なお、駆動用TFT1403は、飽和領域で動作し発光素子1405に流れる電流値を制御する役目を有する。また、電流制御用TFT1404は線形領域で動作し発光素子1405に対する電流の供給を制御する役目を有する。両TFTは同じ導電型を有していることが作製工程上好ましい。本実施の形態では両TFTをnチャネル型TFTとして形成する。また駆動用TFT1403には、エンハンスメント型だけでなく、ディプリーション型のTFTを用いてもよい。上記構成を有する本発明の発光装置においては、電流制御用TFT1404が線形領域で動作するので、電流制御用TFT1404のVgsの僅かな変動は、発光素子1405の電流値に影響を及ぼさない。つまり、発光素子1405の電流値は、飽和領域で動作する駆動用TFT1403により決定することができる。上記構成により、TFTの特性バラツキに起因した発光素子の輝度ムラを改善して、画質の高い発光装置を提供することができる。
図6(A)〜(D)に示す画素において、スイッチング用TFT1401は、画素に対するビデオ信号の入力を制御するものである。スイッチング用TFT1401がオンとなると、画素内にビデオ信号が入力される。すると、容量素子1402にそのビデオ信号の電圧が保持される。なお図6(A)(C)には、容量素子1402を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、ビデオ信号を保持するための容量がゲート容量の容量値等で十分な場合には、容量素子1402を設けなくてもよい。
図6(B)に示す画素の構成は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図6(A)に示す画素の構成と同じである。同様に、図6(D)に示す画素の構成は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図6(C)に示す画素の構成と同じである。
TFT1406は、新たに配置された走査線1415によりオン又はオフが制御される。TFT1406がオンとなると、容量素子1402に保持された電荷は放電し、電流制御用TFT1404がオフとなる。つまり、TFT1406の配置により、強制的に発光素子1405に電流が流れない状態を作ることができる。そのためTFT1406を消去用TFTと呼ぶことができる。従って、図6(B)(D)の構成は、全ての画素に対する信号の書き込みを待つことなく、書き込み期間の開始と同時又は直後に点灯期間を開始することができる。そのため、デューティ比を向上することが可能となる。
図6(E)に示す画素には、列方向に信号線1410、電源線1411、行方向に走査線1414が配置される。また、当該画素は、スイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、容量素子1402及び発光素子1405を有する。図6(F)に示す画素の構成は、TFT1406と走査線1415を追加している以外は、図6(E)に示す画素の構成と同じである。なお、図6(F)の構成も、TFT1406の配置により、デューティ比を向上することが可能となる。
以上のように、本発明は、多様な画素回路を採用することができる。特に、非晶質半導体膜から薄膜トランジスタを形成する場合、駆動用TFT1403の半導体膜のサイズを大きくするのが好ましい。そのため、上記画素回路において、有機化合物を含む層からの光が封止基板側から射出する上面発光型とすると好ましい。
このようなアクティブマトリクス型の発光装置は、画素密度が増えた場合、各画素にTFTが設けられているため低電圧駆動できる点にメリットがあると考えられている。
本実施の形態では、一画素に各TFTが設けられるアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、パッシブマトリクス型の発光装置にも適用可能である。パッシブマトリクス型の発光装置は、各画素にTFTが設けられていないため、高開口率となる。発光が有機化合物を含む層の両側へ射出する発光装置の場合、パッシブマトリクス型の発光装置を用いると開口率が高まる。
続いて、図6(E)に示す等価回路を用い、走査線及び信号線に保護回路としてダイオードを設ける場合について説明する。
図7には、画素部1500にスイッチング用TFT1401、駆動用TFT1403、容量素子1402、発光素子1405が設けられている。信号線1410には、ダイオード1561と1562が設けられている。ダイオード1561と1562は、スイッチング用TFT1401又は駆動用TFT1403と同様に、上記実施の形態に基づき作製され、ゲート電極、半導体層、ソース電極及びドレイン電極等を有する。ダイオード1561と1562は、ゲート電極と、ドレイン電極又はソース電極とを接続することによりダイオードとして動作させている。
ダイオードと接続する共通電位線1554、1555はゲート電極と同じレイヤーで形成している。従って、ダイオードのソース電極又はドレイン電極と接続するには、ゲート絶縁層にコンタクトホールを形成する必要がある。
走査線1414に設けられるダイオードも同様な構成である。
このように、本発明によれば、入力段に設けられる保護ダイオードをTFTと同時に形成することができる。なお、保護ダイオードを形成する位置は、これに限定されず、駆動回路と画素との間に設けることもできる。
本実施の形態は実施の形態1乃至実施の形態4の構成と適宜組み合わせて用いることができる。
また、上記保護回路を組み合わせることによって、本発明の発光装置は信頼性を高めることが可能となる。
(実施の形態6)
図8(A)に本発明の発光装置の構成の一例を示す。図8(A)は順テーパー構造を有するパッシブマトリクス型の発光装置の画素部における断面図の一部である。図8(A)に示した本発明の発光装置は基板200、発光素子の第1の電極201、隔壁202、有機化合物を含む層203、発光素子の第2の電極204、対向基板207の構成を含む。
画素となる部分は、発光素子の第1の電極201と第2の電極204とに有機化合物を含む層203が挟まれている部分である。第1の電極201と第2の電極204とは互いに直交するストライプ状に形成され、交差部分に画素となる部分が形成される。隔壁202は第2の電極204と平行に形成され、画素となる部分は第1の電極201を同一とする他の画素となる部分と隔壁202によって絶縁されている。
本実施の形態において、第1の電極201、第2の電極204、有機化合物を含む層203からなる発光素子の具体的な材料及び構成については実施の形態2を参照すればよい。
その他、図8(A)における基板200、隔壁202、対向基板207は各々実施の形態3における基板50、隔壁65、対向基板94に対応し、それらの構成、材料及び効果については実施の形態3と同様であるので繰り返しとなる説明を省略する。実施の形態3の記載を参照されたい。
発光装置は水分などの侵入を防ぐ為に保護膜210が形成され、ガラス、石英、アルミナなどのセラミック材料又は合成材料などの対向基板207をシール用の接着剤211で固着する。また外部入力端子部には外部回路と接続する際に、異方性導電膜212を介してフレキシブルプリント配線基板213を用い接続をとる。保護膜210は、窒化ケイ素で形成するものの他、応力を低減しつつガスバリア性を高める構成として、窒化炭素と窒化ケイ素の積層体で形成しても良い。
図8(B)に、パネル10に外部回路を接続して形成された、モジュールの様子を示す。モジュールは外部入力端子部18、19にフレキシブルプリント配線基板25を固着して、電源回路及び信号処理回路が形成された外部回路基板29と電気的に接続する。また、外部回路の一つであるドライバIC28の実装方法は、COG法、TAB法のどちらでも良い。図8(B)に、外部回路の一つであるドライバIC28を、COG法を用いて実装している様子を示す。これら外部回路基板に形成された信号処理回路及びドライバIC28は発光素子の制御回路であり、これら制御回路を搭載した発光装置及び電子機器は、制御回路によって発光素子の点灯及び非点灯、又は輝度の制御が行われることによって様々な映像を画素部23に映し出すことができる。
なおパネルとモジュールは、本発明の発光装置の一形態に相当し、共に本発明の範疇に含まれることとする。
以上のような本発明の発光装置は、画素部を構成する発光素子として、有機化合物を含む層に実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む実施の形態2に記載の発光素子を有している為、画素部の消費電力や表示品質が向上した発光装置である。また、本発明の発光装置は画素部を構成する発光素子として、有機化合物を含む層に実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む実施の形態2に記載の発光素子を有している為、消費電力や表示品質が向上した発光装置である。
(実施の形態7)
本発明の電子機器の代表例を図9を参照して説明する。本発明に係る電子機器は、少なくとも実施の形態1に記載のスチルベン誘導体を含む発光素子もしくは実施の形態2で示した発光素子と、当該発光素子を制御する制御回路とを備えている。本発明の電子機器としては、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図9(A)は発光装置でありテレビ受像器やパーソナルコンピュータのモニターなどがこれに当たる。これらは、筐体2001、表示部2003、スピーカー部2004等を含む。本発明の発光装置は表示部2003にエネルギーギャップが大きく又は電子輸送性を有する実施の形態1で示したスチルベン誘導体を含む発光素子を含む為、消費電力が少なく表示品質が向上された発光装置である。画素部にはコントラストを高めるため、偏光板、又は円偏光板を備えるとよい。例えば、封止基板へ1/4λ板、1/2λ板、偏光板の順にフィルムを設けるとよい。さらに偏光板上に反射防止膜を設けてもよい。
図9(B)はテレビ視聴も可能な携帯電話である。これは、本体2101、筐体2102、表示部2103、音声入力部2104、音声出力部2105、操作キー2106、アンテナ2108等を含む。本発明の携帯電話は表示部2103にエネルギーギャップが大きく又は電子輸送性を有する実施の形態1で示したスチルベン誘導体を含む発光素子を含む為、消費電力が少なく表示品質が向上された携帯電話である。
図9(C)はコンピュータである。これは、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明のコンピュータは表示部2203にエネルギーギャップが大きく又は電子輸送性を有する実施の形態1で示したスチルベン誘導体を含む発光素子を含む為、消費電力が少なく表示品質が向上されたコンピュータである。図9(C)ではノート型のコンピュータを例示したが、本発明はデスクトップ型のコンピュータなどにも適用することが可能である。
図9(D)はモバイルコンピュータである。これは、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明のモバイルコンピュータは表示部2302にエネルギーギャップが大きく又は電子輸送性を有する実施の形態1で示したスチルベン誘導体を含む発光素子を含む為、消費電力が少なく表示品質が向上されたモバイルコンピュータである。
図9(E)は携帯型のゲーム機である。これは、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403、操作キー2404、記録媒体挿入部2405等を含む。本発明の携帯型ゲーム機は表示部2402にエネルギーギャップが大きく、電子輸送性を有する実施の形態1で示したスチルベン誘導体を含む発光素子を含む為、消費電力が少なく表示品質が向上された携帯型ゲーム機である。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
本実施の形態は実施の形態1乃至実施の形態6の構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(合成例1)
3,3’−ジ(フェナントレン−9−イル)スチルベン(DPNS)の合成方法
下記構造式(4)で表される本発明のスチルベン誘導体である3,3’−ジ(フェナントレン−9−イル)スチルベン(DPNS)の合成方法について説明する。
Figure 0004963214
[ステップ1]3−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドの合成
3−ブロモベンジルブロミド25.0g(100.0mmol)、アセトン100mLを200mL三角フラスコに入れ、トリフェニルホスフィン27.6g(105.0mmol)を加えた後、室温で約24時間撹拌した。反応後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収し、目的物である3−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドの白色粉末を45.57g、収率89%で得た。以下に3−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドの合成スキームを示す。
Figure 0004963214
[ステップ2]3,3’−ジブロモスチルベンの合成
ステップ1で合成した3−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド22.6g(44.08mmol)、3−ブロモベンズアルデヒド9.79g(52.90mmol)を500mL三口フラスコに入れ窒素置換をした。続いてその三口フラスコにテトラヒドロフラン(THF)150mLを入れた。その後この混合物にTHF50mLに溶かしたtert−ブトキシカリウム5.94g(52.90mmol)を氷水で冷やしながら滴下して加えた。その後、室温で約12時間撹拌し、反応させた。反応後、反応混合物を水で洗浄した。そして、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をメタノールで洗浄し、メタノール懸濁液を吸引ろ過により固体回収した結果、目的物である3,3’−ジブロモスチルベンの白色固体を5.90g、収率40%で得た。以下に3,3’−ジブロモスチルベンの合成スキームを示す。
Figure 0004963214
[ステップ3]DPNSの合成
ステップ2で合成した3,3’−ジブロモスチルベン1.75g(5.19mmol)、9−フェナントレンボロン酸2.63g(11.8mmol)、酢酸パラジウム0.023g(0.103mmol)、トリス(o−トリル)ホスフィン0.221g(0.727mmol)を100mL三口フラスコへ入れ窒素置換をした。さらにエチレングリコールジメチルエーテル40mL、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L) 8mLを加えた後、90℃で6時間撹拌し、反応させた。反応後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。ろ過後、ろ物をクロロホルム、ヘキサンにより再結晶した結果、白色固体を2.11g収率76%で得た。核磁気共鳴法(NMR)によって、得られた白色固体が目的物であるDPNSであることを確認した。
以下に得られたDPNSのH−NMRを示す。また、H−NMRチャートを図10に示す。
H−NMR(300MHz, CDCl);δ=8.80−8.72(m, 4H), 7.96−7.89(m, 4H), 7.72−7.43(m, 18H), 7.28(s, 2H)
またDPNSの合成スキームを以下に示す。
Figure 0004963214
なお、DPNSの分解温度(Td)を示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製、TG/DTA320型)により測定したところ、396.4℃であり、DPNSは高いTdを示すことが分かった。
DPNSのトルエンを溶媒とした溶液状態での吸収スペクトルを図11、薄膜状態での吸収スペクトルを図13に示す。また、DPNSのトルエン溶液状態での発光スペクトルを図12、薄膜状態での発光スペクトルを図14に示す。図11、図13において縦軸は吸収強度(任意単位)を、横軸は波長(nm)をそれぞれ表す。また、図12、図14において縦軸は発光強度(任意単位)を、横軸は波長(nm)をそれぞれ表す。DPNSの発光のピーク波長は、トルエンを溶媒とした溶液状態では355nm及び375nm(励起波長320nm)、薄膜状態では410nm(励起波長308nm)であり、青色の発光が得られることが分かった。
図13の吸収スペクトルデータを用い、taucプロットによりその吸収端を求め、その吸収端のエネルギーをエネルギーギャップとしてDPNSのエネルギーギャップを求めたところ、3.5eVであった。代表的な青色発光を呈する9,10−ジフェニルアントラセンのエネルギーギャップが2.9eVであることから、DPNSは非常に大きいエネルギーギャップを有することがわかった。また、薄膜状態におけるHOMO準位を大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、−5.9eVであった。HOMO準位とエネルギーギャップよりLUMO準位を求めると、−2.4eVであった。
なお、DPNSの基底状態における最適分子構造を、密度汎関数法(DFT)のB3LYP/6−311(d,p)により計算した。DFTは、電子相関を考慮しないハートリー・フォック(HF)法に比較して計算精度が良く、同レベルの計算精度である摂動法(MP)法よりも計算コストが小さいため、本計算で採用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)(SGI社製、Altix3700 DX)を用いて行った。この計算結果から得られたDPNSのHOMO準位の値は、−5.85eVであった。
また、DFTで構造最適化した分子構造において時間依存密度汎関数法(TDDFT)のB3LYP/6−311(d,p)を適用することにより、DPNSの一重項励起エネルギー(エネルギーギャップ)を算出したところ、一重項励起エネルギーは3.54eVと算出された。
(合成例2)
4,4’−ジ(フェナントレン−9−イル)スチルベン(DPNS2)の合成方法
下記構造式(5)で表される本発明のスチルベン誘導体である4,4’−ジ(フェナントレン−9−イル)スチルベン(DPNS2)の合成方法について説明する。
Figure 0004963214
[ステップ1]4−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドの合成
4−ブロモベンジルブロミド25.36g(101.5mmol)、アセトン100mLを200mL三角フラスコに入れ、トリフェニルホスフィン29.28g(111.6mmol)を加えた後、室温で約24時間撹拌した。反応後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収し、目的物である4−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドの白色粉末を50g、収率96%で得た。以下に4−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドの合成スキームを示す。
Figure 0004963214
[ステップ2]4,4’−ジブロモスチルベンの合成
ステップ1で合成した4−ブロモベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド48.05g(93.80mmol)、4−ブロモベンズアルデヒド20.83g(112.6mmol)を1L三口フラスコに入れ窒素置換をした。続いて、その三口フラスコにテトラヒドロフラン(THF)300mLを入れた。その後この混合物にTHF100mLに溶かしたtert−ブトキシカリウム12.63g(112.56mmol)を氷水で冷やしながら滴下して加えた。その後、室温で約12時間撹拌し、反応させた。反応後、反応混合物を水で洗浄した。そして、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をメタノールで洗浄し、メタノール懸濁液を吸引ろ過により固体回収した結果、目的物である4,4’−ジブロモスチルベンの白色固体を10.77g、収率34%で得た。以下に4,4’−ジブロモスチルベンの合成スキームを示す。
Figure 0004963214
[ステップ3]DPNS2の合成
ステップ2で合成した4,4’−ジブロモスチルベン0.80g(2.37mmol)、9−フェナントレンボロン酸1.2g(5.40mmol)、酢酸パラジウム0.0053g(0.024mmol)、トリス(o−トリル)ホスフィン0.050g(0.163mmol)を100mL三口フラスコへ入れ窒素置換をした。その後、さらにエチレングリコールジメチルエーテル15mL、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L) 3.5mLを加えた後、90℃で8時間撹拌し、反応させた。反応後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。ろ過後、ろ物をクロロホルム、ヘキサンにより再結晶した結果、白色固体を0.86g、収率68%で得た。核磁気共鳴法(NMR)によって、得られた白色固体が目的物であるDPNS2であることを確認した。
以下に得られたDPNS2のH−NMRを示す。また、H−NMRチャートを図15に示す。
H−NMR(300MHz, CDCl);δ=8.81−8.73(m, 4H), 8.02−7.91(m, 4H), 7.74−7.57(m, 18H), 7.34(s, 2H)
またDPNS2の合成スキームを以下に示す。
Figure 0004963214
なお、DPNS2の分解温度(Td)を示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製、TG/DTA320型)により測定したところ、416.6℃であり、DPNS2は高いTdを示すことが分かった。
DPNS2のトルエンを溶媒とした溶液状態での吸収スペクトルを図16、薄膜状態での吸収スペクトルを図18に示す。また、DPNS2のトルエン溶液状態での発光スペクトルを図17、薄膜状態での発光スペクトルを図19に示す。図16、図18において縦軸は吸収強度(任意単位)を、横軸は波長(nm)をそれぞれ表す。また、図17、図19において縦軸は発光強度(任意単位)を、横軸は波長(nm)をそれぞれ表す。DPNS2の最大発光波長は、トルエンを溶媒とした溶液状態では420nm(励起波長348nm)、薄膜状態では437nm(励起波長344nm)であり、青色の発光が得られることが分かった。
図18の吸収スペクトルデータを用い、taucプロットによりその吸収端を求め、その吸収端のエネルギーをエネルギーギャップとしてDPNS2のエネルギーギャップを求めたところ、3.2eVであった。代表的な青色発光を呈する9,10−ジフェニルアントラセンのエネルギーギャップが2.9eVであることから、DPNS2は非常に大きいエネルギーギャップを有することがわかった。また、薄膜状態におけるHOMO準位を大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、−5.9eVであった。HOMO準位とエネルギーギャップよりLUMO準位を求めると、−2.7eVであった。
なお、DPNS2の基底状態における最適分子構造を、先の合成例1と同様の手法にて計算した。この計算結果か得られたDPNS2のHOMO準位の値は、−5.59eVであった。
また、先の合成例1と同様の手法にてDPNS2の一重項励起エネルギー(エネルギーギャップ)を算出したところ、一重項励起エネルギーは3.34eVと算出された。
本実施例では、DPNSを発光層のホスト材料として用いた発光素子の作製方法とその特性について述べる。
発光素子は、ガラス基板上に形成され、ガラス基板側から順に第1の電極としてITSOが110nmの膜厚で形成されている。前記ITSOはスパッタリング法によって成膜した。なお、本発明において第1の電極の形状は2mm×2mmの正方形状に加工した。次に第1の電極上に発光素子を形成するための前処理として、多孔質の樹脂(代表的にはPVA(ポリビニルアルコール)製、ナイロン製など)で基板表面を洗浄した。さらに、200℃で1時間熱処理を行い、UVオゾン処理を370秒行った。
次に、正孔注入層としてCuPCを20nm、続いて正孔輸送層としてBSPBを40nm成膜した。これらの積層膜上に、発光層としてDPNSとTBPの共蒸着膜を30nmの膜厚で形成した。DPNSとTBPの重量比は1:0.01とした。さらに電子輸送層としてAlqを30nm、電子注入層としてはフッ化カルシウム(CaF)を1nm形成した。最後に第2の電極としてAlを200nmの膜厚で成膜し、素子を完成させた。なお、正孔注入層から第2の電極に至る膜は、いずれも抵抗加熱による真空蒸着法によって行った。
作製した素子の電流密度―輝度特性を図20に、輝度特性―電流効率を図21に、電圧―輝度特性を図22にそれぞれ示した。これらの結果から、本発明のスチルベン誘導体であるDPNSを用いた発光素子は、低電圧で十分な輝度を有し、効率よく電流を光に変換していることがわかる。すなわち、本発明のスチルベン誘導体であるDPNSを用いた発光素子は、良好な特性を有するといえる。また、作製した素子の発光はCIE色度座標(x,y)=(0.15,0.20)の良好な青色であった。
なお、電子輸送層として発光層に接して、エネルギーギャップがDPNSより小さいAlq(発光は緑色)を用いている。しかし、CIE色度座標が(x,y)=(0.15,0.20)と良好な青色を示していることから、Alqは発光していないことが分かる。これより、DPNSが正孔を輸送していないこと、すなわち電子輸送性であることが分かる。
このように本実施例の発光素子は発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体であるDPNSを用いており、DPNSのエネルギーギャップが大きいことから発光材料であるTBPの発光を効率良く得ることができ、色純度の良い青色発光素子とすることができた。
また、本実施例の発光素子は発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体であるDPNSを用いており、DPNSが電子輸送性を有していることから、電子輸送層としてAlqを使用した素子であってもAlqからの発光が現れることがなく、良好な色純度の青色発光素子とすることができた。
本実施例では、DPNS2を発光層のホスト材料として用いた発光素子の作製方法とその特性について述べる。
発光素子は、ガラス基板上に形成され、ガラス基板側から順に第1の電極としてITSOが110nmの膜厚で形成されている。前記ITSOはスパッタリング法によって成膜した。なお、本発明において第1の電極の形状は2mm×2mmの正方形状に加工した。次に第1の電極上に発光素子を形成するための前処理として、多孔質の樹脂(代表的にはPVA(ポリビニルアルコール)製、ナイロン製など)で基板表面を洗浄した。さらに、200℃で1時間熱処理を行い、UVオゾン処理を370秒行った。
次に、正孔注入層としてCuPCを20nm、続いて正孔輸送層としてBSPBを40nm成膜した。これらの積層膜上に、発光層としてDPNS2とTBPの共蒸着膜を30nmの膜厚で形成した。DPNS2とTBPの重量比は1:0.01とした。さらに電子輸送層としてAlqを30nm、電子注入層としてはフッ化カルシウム(CaF)を1nm形成した。最後に第2の電極としてAlを200nmの膜厚で成膜し、素子を完成させた。なお、正孔注入層から第2の電極に至る膜は、いずれも抵抗加熱による真空蒸着法によって行った。
作製した素子の電流密度―輝度特性を図23に、輝度―電流効率特性を図24に、電圧―輝度特性を図25にそれぞれ示した。これらの結果から本発明のスチルベン誘導体であるDPNS2を用いた発光素子は、低電圧で十分な輝度を有し、効率よく電流を光に変換していることがわかる。すなわち、本発明のスチルベン誘導体であるDPNS2を用いた発光素子は、良好な特性を有するといえる。また、作製した素子の発光はCIE色度座標(x,y)=(0.15,0.22)の良好な青色であった。
なお、電子輸送層として発光層に接して、エネルギーギャップがDPNS2より小さいAlq(発光は緑色)を用いている。しかし、CIE色度座標が(x,y)=(0.15,0.22)と良好な青色を示していることから、Alqは発光していないことが分かる。これより、DPNS2が正孔を輸送していないこと、すなわち電子輸送性であることが分かる。
このように本実施例の発光素子は発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体であるDPNS2を用いており、DPNS2のエネルギーギャップが大きいことから発光材料であるTBPの発光を効率良く得ることができ、色純度の良い青色発光素子とすることができた。
また、本実施例の発光素子は発光層のホスト材料として実施の形態1に記載のスチルベン誘導体であるDPNS2を用いており、DPNS2が電子輸送性を有していることから、電子輸送層としてAlqを使用した素子であってもAlqからの発光が現れることがなく、良好な色純度の青色発光素子とすることができた。
本発明の発光素子を表す図。 本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明のアクティブマトリクス型発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明のアクティブマトリクス型発光装置の断面図。 本発明の発光装置の上面図及び断面図。 本発明の発光装置の画素回路の一例を示す図。 本発明の発光装置の保護回路の一例を示す図。 本発明のパッシブマトリクス型発光装置の上面図及び断面図。 本発明が適用可能な電子機器の例示した図。 DPNSのNMRチャート。 DPNSの溶液状態における吸収スペクトル。 DPNSの溶液状態における発光スペクトル。 DPNSの薄膜状態における吸収スペクトル。 DPNSの薄膜状態における発光スペクトル。 DPNS2のNMRチャート。 DPNS2の溶液状態における吸収スペクトル。 DPNS2の溶液状態における発光スペクトル。 DPNS2の薄膜状態における吸収スペクトル。 DPNS2の薄膜状態における発光スペクトル。 DPNSを用いた素子の電流密度―輝度特性。 DPNSを用いた素子の輝度―電流効率特性。 DPNSを用いた素子の電圧―輝度特性。 DPNS2を用いた素子の電流密度―輝度特性。 DPNS2を用いた素子の輝度―電流効率特性。 DPNS2を用いた素子の電圧―輝度特性。
符号の説明
100 絶縁物
101 電極
102 層
103 電極

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるスチルベン誘導体。
    Figure 0004963214
    (但し式中R、R、R、R、Rは水素又は下記構造式(2)で表される置換基を表し、R、R、R、R、Rのうち少なくとも1つは下記構造式(2)で表される置換基である。また、式中R、R、R、R、R10は水素又は下記構造式(2)で表される置換基を表し、R、R、R、R、R10のうち少なくとも1つは下記構造式(2)で表される置換基である。)
    Figure 0004963214
  2. 下記一般式(3)で表されるスチルベン誘導体。
    Figure 0004963214
    (但し、式中nは0以上2以下の整数を表し、mは1以上2以下の整数を表す。)
  3. 下記構造式(4)で表されるスチルベン誘導体。
    Figure 0004963214
  4. 下記構造式(5)で表されるスチルベン誘導体。
    Figure 0004963214
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体を含む発光素子用材料。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体を含む発光素子。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体を発光層のホスト材料とする発光素子。
  8. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスチルベン誘導体を含む発光素子を有する電子機器。
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