JP4963121B2 - 重錘形圧力天びん自動比較校正装置 - Google Patents

重錘形圧力天びん自動比較校正装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧力標準器として広く用いられている重錘形圧力天びんを自動で校正するための、圧力の高精度発生機能を備えた自動比較校正装置に関するものである。
重錘形圧力天びん(Pressure Balance)は、圧力を安定に発生させることができる装置であり、圧力標準器として用いられていることが多い。図1に、従来の重錘形圧力天びんの概略図を示す。重錘形圧力天びんの構成要素として重要なのは、ピストン1、シリンダ2及び重錘3である。シリンダは支柱4に取り付けられる。
精密に質量が決定された重錘3とピストン1による力をピストン1に作用させ、その負荷されたピストン1を平衡位置に浮上させるのに必要な圧力Pは次の式で表される。
P =W/A
ここで、Wは力、Aはピストン・シリンダにより決定される有効断面積である。
発生圧力の安定度は、機器の精度、圧力範囲により異なるが、良いものでは相対的に10−6のオーダ以下である。通常、ピストン1とシリンダ2の間の機械的接触を避けるために、ピストン1、又はシリンダ2を図示していないモータ、又は作業者の手回しにより回転させる。
より正確には、非特許文献1、2に記載されているように、重錘形圧力天びんによる圧力基準面における発生圧力Pは次式で表される(非特許文献1、2参照)。
P=(W/A)+(ρf−ρa)・g・h (1)
ここで、(ρf−ρa)・g・h はヘッド差補正であり、ρf は圧力媒体の密度、ρaは空気密度、gは局所重力加速度、hはピストンの下端面と圧力基準面の鉛直距離である。
Wは、ピストン、重錘による重力と圧力媒体の表面張力によりピストンに働く力を含んだ力であり、次式で表される。
W =M・g・(1−ρa/ρm)+γ・C (2)
ここでMはピストン質量を含んだ重錘の質量、ρmはピストンと重錘の密度、γは圧力媒体の表面張力、Cはピストンの円周長である。
重錘形圧力天びんの発生圧力を正確に決定するためには、式(1)における有効断面積Aの決定が特に重要である。一般的に、Aは圧力と温度の関数であり、その評価方法はピストン・シリンダの構造によって異なる。
図1は、典型的なピストン・シリンダの構造である単純型のピストン・シリンダの概略図である。単純型のピストン・シリンダの有効断面積は圧力に対する線形性を仮定して次式で表される。
A(P,t)= A(0,tr)・(1+λ・P)・{1+αs・(t−tr)} (3)
ここでA(P,t)は圧力P、温度t℃でのピストン・シリンダの有効断面積A(0,tr)は圧力0Pa、参照温度tr℃での有効断面積、λは有効断面積の圧力変形係数、αsはピストンとシリンダの線膨張係数αpとαcの和である。
有効断面積 A(0,tr)は、上位標準器との比較校正、またはピストン・シリンダの直径・真円度・円筒度等の形状測定から精密に決定される。
重錘形圧力天びんの校正と特性評価のためには、2台の重錘形圧力天びんの比較校正(クロスフロート)法が広く用いられている。2台の圧力天びんの発生圧力が等しいか否かを判断するために、いくつかの方法が提案されてきているが、代表的な方法は圧力天びんのピストンの降下速度を観測する方法である。降下速度はピストン浮上位置の時間変化から得られる。比較校正の概略図を図2に示す。比較校正により、発生圧力が既知の標準用重錘形圧力天びん10を用いて、被校正用重錘形圧力天びん20の未知の発生圧力を校正することができる。
通常の比較校正では、はじめに、両重錘形圧力天びん10、20に目的の圧力発生に必要な質量の重錘を積載し、遮断弁5を開き、圧力ポンプ6によって両重錘形圧力天びんと接続配管内を加圧する。圧力ポンプ6の調整により両重錘形圧力天びんのピストンを適正位置に浮上させた状態で遮断弁5を閉じ、ピストンを回転させた状態でその圧力における各圧力天びん固有のピストン自然降下速度を測定する。各ピストン浮上位置の測定は、ピストン浮上位置測定器 11、21を用いて行う。
その後、遮断弁5を開け圧力ポンプ6の調整により、ピストンを適正位置に浮上させた後、ピストンを回転させた状態で各圧力天びんのピストン降下速度を測定する。もし、各降下速度が上記の各自然降下速度と異なる場合には、2台の圧力天びんの発生圧力は非平衡であるので、いずれかの圧力天びんに微小分銅を負荷し発生圧力を調整する。以上の測定を各降下速度が一致するまで繰り返す。各降下速度が各自然降下速度と一致したとき、平衡状態が得られており両圧力天びんの発生圧力が等しいと見なせる。
平衡状態が得られたときの、両圧力天びんのピストン浮上位置はピストン浮上位置測定器 11、21を用いて、ピストン・シリンダ温度はピストン・シリンダ温度測定器 12、22を用いて、大気密度は温湿度計と大気圧計等からなる環境測定器 7により測定可能である。被校正用重錘形圧力天びん20の発生圧力は、既知の標準用重錘形圧力天びん10のパラメータと校正中に測定したパラメータから、上記した式(1)、(2)、(3)を用いて計算可能であり、この圧力点での校正値である発生圧力値が求まる。
他の圧力点での校正が必要な場合、上記校正手順を繰り返す。なお、標準用重錘形圧力天びんを用いて、被校正用重錘形圧力天びんの発生圧力を比較校正する置換比較法はすでに紹介されている(非特許文献3参照)。
JIS7610−1,−2,−3, 重錘形圧力天びん (2000) 小畠時彦、圧力標準の開発と信頼性確保、高圧力の科学と技術、第14巻第2号、2004 T. Kobata and D. A. Olson, "Accurate Determination of Equilibrium State between Two Pressure Balances using a Pressure Transducer," Metrologia, 42-6, S231-S234, 2005.
上記した従来の比較校正手段では、校正作業者が、重錘の加除、圧力印可、そして、2台の圧力天びんの発生圧力が等しいか否かの判断を行っていた。しかし、これらの作業を滞りなく実施し、平衡状態実現の判断を的確にするためには、校正作業者の技術力・熟練度が必要であり、それらが十分でない場合、測定結果の信頼性が確保されない場合があった。
改善策として、重錘形圧力天びんの比較校正に必要な作業を自動化することが挙げられる。
本発明は、重錘形圧力天びんの従来の比較校正において、作業者が行っていた重錘の加除、圧力印可、校正2台の圧力天びんの発生圧力が等しいか否かの判断作業を作業者の技術力や熟練度に依らずに、自動的に行えるようにする重錘形圧力天びん自動比較校正装置を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、標準用重錘形圧力天びんを用いて、被校正用重錘形圧力天びんの発生圧力を自動で比較校正できる自動比較校正装置であって、圧力発生器、高精度圧力計、標準用重錘形圧力天びんと圧力発生器の間を遮断する第1の遮断弁、被校正用重錘形圧力天びんと圧力発生器の間を遮断する第2の遮断弁、及び計測制御部を備えていることを特徴とする自動比較校正装置を提供する。
前記第1の遮断弁及び第2の遮断弁は、それぞれ弁開閉により内部の容量が変化しない定容積弁であることが好ましい。
前記圧力発生器は、容量微調整が可能であることが好ましい。
前記計測制御部は、圧力発生器、第1の遮断弁及び第2の遮断弁を制御可能な制御回路と、高精度圧力計による圧力値を測定する計測回路とを有することが好ましい。
前記計測制御部は、高精度圧力計の測定信号を入力し、圧力発生器、第1の遮断弁及び第2の遮断弁を制御するための信号を出力することが可能な外部接続インターフェイスを有していることが好ましい。
前記圧力発生器は、標準用重錘形圧力天びん及び被校正用重錘形圧力天びんのピストンの浮上位置を調整するとともに、ピストン浮上位置測定器で測定して得られたピストン浮上位置信号を前記インターフェイスを通じて前記計測制御部に入力し、該入力されたピストン浮上位置信号に基づいて前記計測制御部がフィードバック制御によりピストンの浮上位置を調整することが好ましい。
前記計測制御部は、被校正用重錘形圧力天びんの発生圧力を自動で比較校正できるように事前に校正に必要なパラメータを設定可能な専用プログラムが搭載されていることが好ましい。
以上のような構成から成る本発明に係る重錘形圧力天びん自動比較校正装置によれば、次のような効果がある。
(1)重錘形圧力天びんの比較校正を校正作業者の技術力や熟練度に依らずに定まった時間内に高精度に実現することができる。即ち、重錘形圧力天びんの従来の比較校正において、作業者が行っていた重錘の加除、圧力印可、校正2台の圧力天びんの発生圧力が等しいか否かの校正する作業を作業者の技術力・熟練度に依らずに、自動比較校正装置により実施可能である。
(2)校正系全体の圧力の増減が圧力発生器によって調整可能であり、また、標準用重錘形圧力天びんと被校正用重錘形圧力天びんの発生圧力がある程度、非平衡であっても比較校正を自動で実施できる。
(3)本発明で使用される2つの遮断弁は、弁開閉により内部の容量が変化しない定容積弁であり、弁開閉によるピストン位置の変化を小さく抑えることができるとともに、ピストン位置の微細な調整が可能である。そして、圧力発生器は、容量微調整が可能である。
(4)圧力発生器と2つの遮断弁を制御する制御回路、高精度圧力計による圧力値を測定する計測回路を有する計測制御部を備え、計測制御部は、外部計測装置の測定信号を入力し、外部制御装置を制御するための信号を出力することが可能な外部接続インターフェイスを有しているから、比較校正に必要な計測・制御を計測制御部により一元的に管理できる。
(5)外部接続インターフェイスを通じて計測制御部は、標準用と被校正用の両重錘形圧力天びんのピストン・シリンダ温度、ピストンの浮上位置・回転速度等の信号を取得し、重錘を交換するための外部装置等を制御することができ、ピストン浮上位置の調整を圧力発生器により行うが、ピストン浮上位置信号をインターフェイスを通じて取得しフィードバック制御により位置調整することができるので、高精度にピストン浮上位置が制御可能である。
(6)自動比較校正装置は、事前に校正に必要なパラメータを設定可能な専用プログラムにより、自動で比較校正を実施でき、しかも、一連の校正作業に必要な内容を事前に決定できるので、校正作業を無人で全自動で実施できる。
従来の重錘形圧力天びんの概略図である。 従来の圧力天びんの校正方法を示した説明図である。 本発明に係る自動比較校正装置の実施例を説明する図である。 実施例の自動比較校正装置による校正例の結果を示す図である。 実施例の自動比較校正装置による特性評価例を示す図である。
符号の説明
1 ピストン
2 シリンダ
3 重錘
4 支柱
5 遮断弁
6 圧力ポンプ
7 環境測定器
10 標準用重錘形圧力天びん
11 ピストン浮上位置測定器 (標準用重錘形圧力天びん用)
12 ピストン・シリンダ温度測定器 (標準用重錘形圧力天びん用)
13 重錘自動交換器 (標準用重錘形圧力天びん用)
20 被校正用重錘形圧力天びん
21 ピストン浮上位置測定器 (被校正用重錘形圧力天びん用)
22 ピストン・シリンダ温度測定器 (被校正用重錘形圧力天びん用)
23 重錘自動交換器 (被校正用重錘形圧力天びん用)
30 圧力発生器
40 高精度圧力計
50 第1の定容量遮断弁
51 弁制御器 (第1の定容量遮断弁用)
60 第2の定容量遮断弁
61 弁制御器 (第2の定容量遮断弁用)
70 インターフェイス
80 計測制御部
本発明に係る重錘形圧力天びん自動比較校正装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。なお、ここでは、前記従来の比較校正と異なる部分のみ詳細に説明し、その他の従来例と同様の動作を行うものは、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3は、本発明装置の1実施例の構成図である。本構成により、発生圧力が既知の標準用重錘形圧力天びん10を用いて、被校正用重錘形圧力天びん20の未知の発生圧力を校正することができる。本発明の主体は自動比較校正の構成にあるので、各重錘形圧力天びん10、20の電子、機構系の説明は省略する。また、校正中の各重錘形圧力天びんのピストンの回転は、図示しないモータにより制御される。
圧力調整は、圧力発生器30を用いて行う。圧力発生器30は、重錘形圧力天びん10、20のピストン位置を適正な位置に浮上させるために容量微調整機能を持つ。圧力発生器30は計測制御部80から制御可能である。
発生圧力の測定は、高精度圧力計40を用いて行う。高精度圧力計40の測定値は計測制御部80に送られる。
標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20のピストン浮上位置は、ピストン浮上位置測定器11、21からインターフェイス70を通じて計測制御部80に入力される。
標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20のピストン・シリンダ温度は、ピストン・シリンダ温度測定器12、22からインターフェイス70を通じて計測制御部80に入力される。
標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20のそれぞれにおける重錘の加除は重錘自動交換器13、23を利用して行うことができる。本発明の主体は自動比較校正装置の構成にあるので、重錘自動交換器13、23の説明は省略する。
準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20の重錘自動交換器13、23は、インターフェイス70を通じて、計測制御部80から制御可能である。
発生圧力が等しいか否かの判定は、標準用重錘形圧力天びん10と高精度圧力計40の間の遮断弁50、及び被校正用重錘形圧力天びん20と高精度圧力計40の間の遮断弁60を用いて、高精度圧力計40を比較器として使用する置換比較方法(前掲の非特許文献3参照)により行う。この置換比較方法による本発明に係る自動比較校正装置の作用については、後記する。
遮断弁50、60は、弁の開閉により内部容量が変化しない定容量遮断弁であり、計測制御部80から弁制御器51、61に制御信号を送ることで、その開閉を制御可能である。
環境状態の測定信号(大気の温度、相対湿度、及び大気圧)は、環境測定器7からインターフェイス70を通じて計測制御部80に入力される。
(作用)
以下、本発明に係る自動比較校正装置の作用を、この装置を用いた校正の手順を通して説明する。
はじめに、計測制御部80にある測定プログラムに、校正に必要なパラメータ、例えば、校正を行う圧力点とその順番(圧力天びんの精度等級に応じた試験圧力の値及び分割数、比較試験における圧力変更方法の詳細は、JIS B 7610−2 重錘形圧力天びん−第2部:試験方法 7.2試験要件bに記載されている。)、およびそれらの校正の繰り返し回数(複数の圧力点にそれぞれ1回の校正を行う結果、複数圧力点に複数回の校正をおこうが、この複数回の回数)、また、校正時のピストン浮上位置とその許容値等を設定する。
プログラムの開始により、設定された手順及びパラメータに従って校正作業がはじまる。
まず、標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20が最初の校正圧力を発生するために必要な重錘がプログラムにより計算され、その制御信号が計測制御部80からインターフェイス70を通じて重錘自動交換器13、23により送られる。これにより、両重錘自動交換器13、23は、標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20に必要な重錘を載せる。
次に、標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20を含む校正装置全体の圧力を調整するため、2つの遮断弁50、60を開き、圧力発生器30で圧力を変化させる。この際、圧力の調整は、圧力発生器30に内蔵された圧力計、又は高精度圧力計40の信号をフィードバックすることにより行う。
上記の圧力調整により、校正系全体の圧力がほぼ目的の値に達した後は、圧力発生器30と2つの遮断弁50、60を制御しながら、各圧力天びんの発生圧力を交互に高精度圧力計40で測定する。この具体的な方法について以下に述べる。
はじめに、標準用重錘形圧力天びん10と圧力発生器30の間を遮断する第1の遮断弁50を開き、被校正用重錘形圧力天びん20と圧力発生器30の間を遮断する第2の遮断弁60を閉じる。この状態で、標準用重錘形圧力天びん10のピストン浮上位置を、圧力発生器30の容量微調整機能によって調整可能である。ピストン浮上位置の調整は、ピストン浮上位置信号をフィードバックすることにより行うので高精度な位置決めが可能である。
前記の状態で標準用重錘形圧力天びん10の発生圧力が、高精度圧力計40に印加されている。位置調整後、圧力が十分に安定した後、高精度圧力計40による標準用重錘形圧力天びん10の発生圧力の測定値Irを取得する。また、標準用重錘形圧力天びん10のピストン・シリンダ温度、ピストン浮上位置、環境状態の測定を行う。これらの測定値は全て、計測制御部80に送られる。
次に、2つの遮断弁50、60の開閉をそれぞれ切り替える。この状態で、被校正用重錘形圧力天びん20のピストン浮上位置を、圧力発生器30の容量微調整機能によって調整可能である。
前記の状態で被校正用重錘形圧力天びん20の発生圧力が、高精度圧力計40に印加されている。位置調整後、圧力が十分に安定した後、高精度圧力計40による被校正用重錘形圧力天びん20の発生圧力の測定値Itを取得する。また、標準用重錘形圧力天びん10のピストン・シリンダ温度、ピストン浮上位置、環境状態の測定を行う。これらの測定値は全て、計測制御部80に送られる。
圧力発生器30と2つの遮断弁50、60を制御しながら、標準用重錘形圧力天びん10に対するピストン位置調整手順と各種データの測定手順、被校正用重錘形圧力天びん20に対するピストン位置の調整手順と各種データの測定手順を事前に設定された回数繰り返す。
上記した測定手順は、高精度圧力計40を比較器とした置換比較法に基づいている。置換比較法を用いた測定では、2台の圧力天びんの発生圧力が別々に測定されるので、発生圧力の安定度を個別に評価できる。さらに、両圧力天びんの発生圧力が、ある程度非平衡であっても、その間の差圧を高精度で推定可能であるというメリットがある。
上記した置換比較法を用いて、得られた測定結果から、2台の圧力天びん間の差圧ΔPを例えば、次式から推定可能である。
ΔP=(Ita−Ira)/f (4)
ここで、Ita、Iraは、それぞれ測定から得られたIt、Irの平均値である。fは使用した高精度圧力計40のスケーリングファクターであり、事前校正、または、校正中のデータから算出可能である。スケーリングファクターの評価を含めたΔPの算出式に関しては、前掲の非特許文献3に詳しく記載されているのでここでは、省略する。
上記の測定から得られた2つの重錘形圧力天びん間の発生圧力の差圧と既知である標準用重錘形圧力天びん10の発生圧力から、被校正用重錘形圧力天びん20の発生圧力を次式により、校正可能である。
Pt=Pr+ΔP (5)
ここで、Pt、Prは、それぞれ被校正用、標準用重錘形圧力天びんの発生圧力を表している。Prは、式(1)から(3)により、計算可能である。
上記の置換比較測定終了後、この校正圧力点での終了処理を次のように行う。
はじめに、標準用重錘形圧力天びん10と圧力発生器30の間を遮断する第1の遮断弁50を開き、被校正用重錘形圧力天びん20と圧力発生器30の間を遮断する第2の遮断弁60を閉じる。この状態で、標準用重錘形圧力天びん10のピストン浮上位置を、圧力発生器30の容量微調整機能によって、浮上ゼロの位置に調整する。
次に、2つの遮断弁50、60の開閉をそれぞれ切り替える。この状態で、被校正用重錘形圧力天びん20のピストン浮上位置を、圧力発生器30の容量微調整機能によって浮上ゼロの位置に調整する。
次に両重錘形圧力天びんを含む校正装置全体の圧力を等しくするため、2つの遮断弁50、60を開く。
以上で、一つの校正点での校正は終了である。
プログラムに設定された次の校正圧力点での校正手順に移行する。以後、必要な校正圧力点で、上記校正手順を繰り返す。
全ての校正圧力点での校正手順が終了したとき、プログラムの終了処理を次のとおり行う。即ち、圧力発生器30で校正系全体の圧力を圧力ゼロの状態に戻す。標準用重錘形圧力天びん10及び被校正用重錘形圧力天びん20に積載されている重錘の組み合わせを、重錘自動交換器13、23により、プログラム開始時の状態に戻す。
以上で校正は終了である。また、以上の校正に必要な制御・測定・計算は、専用プログラムにより全自動で実施可能である。
(校正例)
図4は、上記実施例の自動比較校正装置による校正例を示す図である。本校正例では、本発明に係る重錘形圧力天びん自動比較校正装置により、はじめに10MPaから100MPaまで、10MPaステップで校正を実施しながら圧力を上昇させ、その後、同様に、100MPaから10MPaまで10MPaステップで圧力を下降させたときの結果を示している。
図4(a)は、校正系全体の圧力を経過時間の関数として示している。校正系全体の圧力は、各校正圧力点において、置換比較測定を実施した間の高精度圧力計40による測定圧力を時間平均した値から得られた。この図から自動運転により、一定の時間間隔で自動校正が行われていることを確認できる。
図4(b)と図4(c)は、各校正圧力点において、置換比較測定を実施した間の標準用重錘形圧力天びん10と被校正用重錘形圧力天びん20の各ピストン・シリンダ温度とピストン位置の時間平均値を示している。各ピストン・シリンダ温度は、本校正中、±0.1℃程度で安定であることが確認できる。これは、校正作業を無人で全自動で実施しているため、校正作業者の体温等による温度上昇の影響を校正系が受けないことが主な理由である。
また、本校正例に使用した両重錘形圧力天びんのピストンの可動範囲は約±5 mmであるが、高精度校正のためには、ピストン位置を約±0.5mm以下に制御する必要がある。本発明装置においては、各ピストン位置は、圧力発生器30と2つの遮断弁50、60の操作により制御されるが、フィードバック制御により、±0.2mmの以内で制御されていることが、図4(c)から確認でき、高精度校正に必要なピストン位置制御が可能となっていることがわかる。
図4(d)は、本発明装置の自動運転で得られた被校正用重錘形圧力天びん20の校正圧力値を公称圧力からの偏差で示した図である。偏差量はppm(×10−6)で示した。同図から、各校正点での校正値が、経過時間とともに得られていることがわかる。従来の校正では、校正作業者による一連の校正作業が全て終了した後に解析により校正値が算出されていたが、本校正装置においては校正を実施している間、各校正点の測定後直ちに、その点の校正値を算出することができる。
本発明に係る自動比較校正装置は、通常の校正だけでなく、重錘形圧力天びんの特性評価にも使用することができる。例えば、標準用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置は変化させずに、被校正用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置を変化させながら比較校正を繰り返すことにより、被校正用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置による発生圧力への影響を明らかにすることができる。同様にピストン回転の速さによる発生圧力への影響も評価可能である。
図5は、上記実施例の自動比較校正装置により得られた、被校正用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置による発生圧力への影響を評価した結果を示す図である。図5(a)は校正系全体の圧力、図5(b)は標準用重錘形圧力天びん10と被校正用重錘形圧力天びん20の各ピストン位置、図5(c)は両重錘形圧力天びんの間の差圧の相対変化量を、それぞれ経過時間の関数として示している。
この例では、上記実施例の自動比較校正装置により、はじめに10 MPaにおいて、標準用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置はほぼ一定に保ちながら、被校正用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置を+1.0mmから−1.0mmまで0.5mmステップで5段階に変化させ比較校正を繰り返し、その後、校正系の圧力を10 MPaステップで、100MPaまで上昇させながら、各校正圧力において同様の測定を繰り返している。これらの測定は事前のプログラムにより、全自動で実施される。
図5(a)と図5(b)から、各校正圧力において、標準用重錘形圧力天びん10のピストン位置はほぼ0 mmの位置に保ちながら、被校正用重錘形圧力天びん20のピストン位置を5段階に制御できていることが確認できる。
図5(c)には、各発生圧力とピストン位置の組み合わせ毎に両重錘形圧力天びんの間の差圧の相対変化量が示されているが、比較しやすいように各校正圧力において被校正用重錘形圧力天びん20のピストン位置がほぼ0mmのときの変化量を0ppm(×10−6)としている。
図5(c)から圧力の変化量が被校正用重錘形圧力天びん20のピストン位置に依存していること、また、その変化量は、±5ppm程度の微小な変化であることがわかる。
以上の校正例のとおり、本発明装置により、被校正用重錘形圧力天びんのピストン浮上位置による発生圧力への影響等の特性評価が精度良く実施可能である。
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る自動比較校正装置は、以上のような構成であるから、校正に使用する媒体が、気体の場合でも、液体の場合でも適用できる。また、基準圧力が、大気圧のゲージ圧力校正でも、真空の絶対圧力校正でも適用できる。
被校正用重錘形圧力天びんとして、隙間制御型重錘形圧力天びんを用い、その隙間制御圧力を変化させながら比較校正を繰り返すことにより、隙間制御圧力による発生圧力への影響も評価可能である。この場合、隙間制御圧力の制御のために、圧力発生器を追加する必要がある。

Claims (4)

  1. 標準用重錘形圧力天びんを用いて、被校正用重錘形圧力天びんの発生圧力を自動で比較校正できる自動比較校正装置であって、
    圧力発生器、高精度圧力計、標準用重錘形圧力天びんと圧力発生器の間を遮断する第1の遮断弁、被校正用重錘形圧力天びんと圧力発生器の間を遮断する第2の遮断弁、及び計測制御部を備え、
    前記計測制御部は、圧力発生器、第1の遮断弁及び第2の遮断弁を制御可能な制御回路と、高精度圧力計による圧力値を測定する計測回路とを有し、かつ、前記高精度圧力計の測定信号を入力し、前記圧力発生器、第1の遮断弁及び第2の遮断弁を制御するための信号を出力することが可能な外部接続インターフェイスを有し、
    前記圧力発生器は、標準用重錘形圧力天びん及び被校正用重錘形圧力天びんのピストンの浮上位置を調整するとともに、ピストン浮上位置測定器で測定して得られたピストン浮上位置信号を前記インターフェイスを通じて前記計測制御部に入力し、該入力されたピストン浮上位置信号に基づいて前記計測制御部がフィードバック制御によりピストンの浮上位置を調整することを特徴とする自動比較校正装置。
  2. 前記第1の遮断弁及び第2の遮断弁は、それぞれ弁開閉により内部の容量が変化しない定容積弁であることを特徴とする請求項1に記載の自動比較校正装置。
  3. 前記圧力発生器は、容量微調整が可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動比較校正装置。
  4. 前記計測制御部は、被校正用重錘形圧力天びんの発生圧力を自動で比較校正できるように事前に校正に必要なパラメータを設定可能な専用プログラムが搭載されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の自動比較校正装置。
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