JP4962352B2 - 液滴吐出ヘッド - Google Patents

液滴吐出ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP4962352B2
JP4962352B2 JP2008047564A JP2008047564A JP4962352B2 JP 4962352 B2 JP4962352 B2 JP 4962352B2 JP 2008047564 A JP2008047564 A JP 2008047564A JP 2008047564 A JP2008047564 A JP 2008047564A JP 4962352 B2 JP4962352 B2 JP 4962352B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
throttle
chamber
plate
pressure chamber
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008047564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009202454A (ja
Inventor
敦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2008047564A priority Critical patent/JP4962352B2/ja
Publication of JP2009202454A publication Critical patent/JP2009202454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4962352B2 publication Critical patent/JP4962352B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、液滴をノズル孔から吐出する液滴吐出ヘッドに関するものである。
従来から、オンディマンド型のインクジェットヘッドにおいては、特許文献1に開示されているように、複数個のノズル孔を備えたノズルプレートと、この各ノズル孔毎の圧力室を備えたベースプレートと、外部のインク供給源からのインクを溜めたのち圧力室にインクを供給する共通インク室を備えたマニホールドプレートを積層したキャビティプレートなどのプレートを積層してキャビティユニットを構成し、キャビティユニットの背面に各圧力室毎に駆動させる圧電アクチュエータを接合してなる積層型のインクジェットヘッドにおいて、共通インク室から圧力室に連通するインク通路の箇所に流通断面が小さく、流路抵抗を大きくした絞り部を形成するために、マニホールドプレートとノズルプレートとの間に、3枚のスペーサプレートを介挿させて積層している。そして、マニホールドプレートの上面に積層する下側スペーサプレートには、共通インク室に連通する導入孔が板厚方向に貫通させて設けられている。ノズルプレートの下面に積層する上側スペーサプレートには、連通路が同じく板厚方向に貫通させて設けられている。上記上下側スペーサプレートの間に位置する中間スペーサプレートには、断面積の小さい絞り部が平面視で圧力室の延びる方向に平行状に形成されている。この絞り部の一端(上流側端)と導入孔と共通インク室が連通しており、絞り部の他端(下流側端)と連通路と圧力室の上流側端とが連通するように構成されている。
この構成により、圧電アクチュエータの駆動により、圧力室の容積を変化させて、インク滴の噴射する場合に、前記絞り部のインク流の抵抗により、圧力室から共通インク室へのインクの戻り量を少なくしてインク滴の噴射(吐出)を安定して発生させると共に、インク滴噴射後に前記絞り部を経由して共通インク室から圧力室へ速やかにインクを供給して、ノズル孔部分におけるメニスカスを短時間で復帰させようとしている。
他方、特許文献2に開示されている液体噴射ヘッドのように、圧力発生室(圧力室)が形成された流路形成基板とリザーバ(共通インク室)が形成されたリザーバ形成基板との間に、板厚さの厚い圧力発生室底板と、板厚さの薄いインク供給口形成基板の2枚を介挿積層する。そして、圧力発生室底板には圧力発生室のインク流路上流側端に連通する比較的大きい断面積の供給連通孔が板厚を貫通するように設けられている。厚さ150μm でジルコニア製のインク供給口形成基板はリザーバ形成基板の一面を塞ぎ、このインク供給口形成基板には、リザーバ(共通インク室)及び上記供給連通孔に連通する断面積の小さいインク供給口(絞り部に相当)が板厚を貫通するように設けられている。
特開2004−167974号公報 特開2004−42559号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、絞り部を形成するために、圧力室(圧力発生室)が形成されたベースプレート(流路形成基板)と共通インク室(リザーバ)が形成されたマニホールドプレート(リザーバ形成基板)との間に3枚乃至2枚のプレートを、ベースプレート(流路形成基板)及びマニホールドプレート(リザーバ形成基板)の広巾面全体にわたるように介挿させているので、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)の全体の高さ寸法をコンパクトにできないという問題があった。また、上記3枚乃至2枚のプレートをベースプレート(流路形成基板)及びマニホールドプレート(リザーバ形成基板)の広巾面全体にわたるように介挿させると、圧力室(圧力発生室)からノズル孔までのインク流路の一部を、上記3枚乃至2枚のプレートにも形成しなければならないので、インク流路の全長が長くなり、流路抵抗が大きくなってしまう。従って、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)の高密度化、アクチュエータの低電圧化を図ることができない。
他方、製法としては、上記介挿させる3枚乃至2枚のプレートには、その各々の単独のプレートの状態で、絞り部の孔、連通孔などの孔を穿設したのち、1枚ずつ接着剤で順に積層して接合していくので、接合の手間が掛かると共に、絞り部の孔、連通孔と圧力室(圧力発生室)と共通インク室(リザーバ)とが丁度連通するように位置合わせする手間も掛かる。
さらに、特許文献2の場合、絞り部の孔を有するプレートと連通孔を有するプレートとを接着剤にて接合するとき、絞り部の孔に接着剤が進入(充填)して、絞り部の孔の断面積が縮小したり、詰まるなど、トラブルが発生するという問題もあった。
本発明は、これらの従来技術の問題を解決し、絞り部としての必要な流路抵抗を確保することができ、且つコンパクトで駆動電圧の低下が可能な液滴吐出ヘッドを提供することを目的とするものである。
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明の液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズル孔と、この各ノズル孔と液体流路を介して連通する複数の圧力室と、液体供給源からの液体を前記各圧力室に供給する共通液室と、前記各圧力室における液体流れ方向上流側の端部と前記共通液室とを連通する絞り部と、を有するキャビティユニットと、前記圧力室毎に選択的に駆動可能な活性部を有して液滴を吐出させるエネルギー発生手段とが備えられた液滴吐出ヘッドであって、前記キャビティユニットは、前記圧力室を有する圧力室プレートと、前記共通液室を有する共通液室プレートと、前記圧力室プレートおよび前記共通液室プレートとの間に介挿された前記絞り部を有する絞り部プレートとを含む、複数枚のプレートの積層体であり、前記絞り部プレートは、互いに積層された少なくとも2層の第1および第2の絞り部形成層を有し、前記各絞り部形成層には、前記絞り部の一部を形成する第1および第2の絞り部形成孔がそれぞれ設けられ、前記第1の絞り部形成層は、前記第2の絞り部形成孔の周辺を覆って、前記各圧力室内または前記共通液室内のいずれか一方に収容された状態で前記第2の絞り部形成層に部分的に積層されていて、前記第2の絞り部形成孔よりも開口面積の小さい前記第1の絞り部形成孔が形成され、前記第1の絞り部形成孔は、前記絞り部における前記液体の流れの下流側に縮径するテーパ形状であり、前記第1の絞り部形成孔は前記各圧力室に対して1ずつ配置され、前記液滴が外部から前記各共通液室に供給される部位に設けられたフィルタ体よりも下流側に前記第1の絞り部形成孔が形成されているものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記第1の絞り部形成孔は、前記各圧力室内に位置するように配置されているものである。
請求項1に記載の発明によれば、ノズル孔と、この各ノズル孔と液体流路を介して連通する圧力室と、共通インク室と、各圧力室の液体流れ方向上流側の端部に連通する絞り部とを有して複数枚のプレートの積層体で構成されたキャビティユニットと、液滴をを吐出させるエネルギー発生手段とが備えられた液滴吐出ヘッドであって、圧力室を有する圧力室プレートと、共通液室を有する共通液室プレートとの間に、絞り部を有する絞り部プレートとを介挿されていて、絞り部プレートは、互いに積層される少なくとも2層の第1および第2の絞り部形成層を有し、絞り部の一部をそれぞれ形成する第1および第2の絞り部形成孔が設けられ、前記第1の絞り部形成層が、前記第2の絞り部形成孔の周辺を覆って、前記各圧力室内または前記共通液室内のいずれか一方に収容された状態で、前記第2の絞り部形成層に部分的に積層されていて、前記第2の絞り部形成孔よりも開口面積の小さい前記第1の絞り部形成孔が形成されているものである。
従って、少なくとも2層からなる絞り部プレートにおける第1の絞り部形成層が、各圧力室内または前記共通液室内のいずれか一方にのみに収容された状態で第2の絞り部形成層に部分的に積層されているため、複数枚のプレートの積層体で構成されたキャビティユニットにおいて、第1の絞り部形成層の厚み分を圧力室からノズル孔までの液体流路の長さを短くすることができる。その結果、液体流路内を流れる液体の流路抵抗を小さくすることができるため、液滴吐出のためのエネルギー発生手段の駆動電圧を低めにすることができる。また、絞り部として必要な流路抵抗を確保しながらも、液滴吐出ヘッドの全体の厚さ寸法も薄くすることができ小型化に寄与できる。
第1の絞り部形成層を圧力室内に位置するように配置すれば、第2の絞り部形成孔よりも開口面積が小さく流路抵抗が高い第1の絞り部形成孔が圧力室内に液体が流れ込む下流側に位置することになるから、短い距離で圧力室から共通液室への液体の戻り量を少なくして、他のノズル孔に対するクロストークを少なくし、液滴の噴射(吐出)を安定して発生させることができる。よって、液滴噴射(吐出)後に絞り孔を経由して共通液室から圧力室へ速やかに液体を供給して、ノズル孔におけるメニスカスを短時間で復帰させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、第1の絞り部形成孔は、前記絞り部における前記液体の流れの下流側に縮径するテーパ形状であるため、圧力室から共通液室へ伝播する圧力波などの干渉成分を抑制しやすい。
以下に、本発明の液滴吐出ヘッドの一例としてインクを記録媒体に吐出して所望の文字や画像等と記録(印刷)するプリンタに用いられるインクジェットヘッド1に具体化した実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1はインクジェットヘッド1の斜視図である。インクジェットヘッド1は、複数のノズル孔5(図2及び図3参照)を外部に開口させ内部にインク流路を有するキャビティユニット2と、キャビティユニット2内のインク(液体)に吐出圧力を与えるアクチュエータ(請求項のエネルギー発生手段)3とが積層されて構成されていて、アクチュエータ3には、アクチュエータ3に駆動信号を出力するフレキシブル配線材4がさらに積層配置される構造をしている。インクジェットヘッド1は、図示しないキャリッジを兼ねるヘッドホルダに搭載され、キャリッジが一方向に往復走査しながら、インクを吐出孔から吐出しつつ、図示しない搬送機構により、インクジェットヘッド1よりも下方で記録用紙が移動することで記録用紙にインクを記録することができる。なお、以下の説明では、キャビティユニット2のノズル孔5が開口された側を下面とし、アクチュエータ3が積層されている側を上面とする。図1〜図3では、下面側に開口するノズル孔5から、下向きにインクが吐出される。また、インクジェットヘッド1が往復走査する走査方向を図1のY方向とし、走査方向と直角する副走査方向を図1のX方向とする。
キャビティユニット2は、図2に示すように、ノズルプレート11、スペーサプレート12、ダンパープレート13、2枚のマニホールドプレート14a、14b(請求項の共通液室プレートに相当)、二層の材料からなるベースプレート15(請求項の絞り部プレートに相当)、及びキャビティプレート16(請求項の圧力室プレートに相当)の合計7枚の薄いプレートを、その各広幅面同士が対向するように積層し接着剤等により接合した構造となっている。
各プレート11〜16のうち、最下層のノズルプレート11は、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製のフィルム材で、20〜40μm程度の厚さである。なかでも、ポリイミド材料は、インクにアタック(浸食)されにくく、且つインクをアタックしにくい。また、インクを吐出する側の表面にインク滴が付着しにくい撥水膜を塗布するが、その塗布密着性も良い。残りのプレート12、13、14a、14b、16はSUSや42%ニッケル合金鋼板製である。その厚みが40〜150μm程度の厚さを有している。
そして、ベースプレート15は、150μm程度の厚さの42%ニッケル合金鋼板製またはSUS等の金属材料で形成された金属層(請求項の第2の絞り部形成層)15aと、20〜40μm程度の厚さのポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料で形成された樹脂層(請求項の第1の絞り部形成層)15bの二層の材料からなる。樹脂層15bは、あとで詳しく説明するが、金属層15aの一部分にのみに積層されている。なお、ベースプレート15は、予め金属層と樹脂層とを貼り合わせたり、印刷されたり、蒸着されたり、薄膜を形成する方法で一体化されている市販品を用いても良いし、別々に用意した金属層と樹脂層とを貼り合わせたりして用いてもよい。また、本実施形態では金属層と樹脂層の二層の材料からなるベースプレート15を用いているが、さらに複数の層材料からなっていてもよい。
キャビティユニット3には、図2にあるように長手方向(X方向)の一端側に、インク供給孔29が4つY方向に並んで形成されている。インク供給孔29は、例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ等の複数の色を有するインクが保持されたサブタンク(図示しない)にそれぞれ接続されるように色ごとにインク供給孔29が設けられていて、これらインク供給孔29に連通したマニホールド流路26(マニホールド形成孔26a、26b)とが設けられ、さらに、マニホールド流路26から分岐して、絞り部53、及び、圧力室21を介して、インク流路22およびノズル孔5に至る個別インク流路が多数設けられている。よって、インク供給孔29からキャビティユニット3内に供給されたインクは、マニホールド流路26、絞り部53、圧力室21およびインク流路22を介してノズル孔5まで供給される。なお、キャビティプレート16のインク供給口29上には、図示しないサブタンクから供給されたインク中の異物を除去するためのフィルタ体31(図1)が接着剤等で一括して貼着されている。
最上層に位置するキャビティプレート16には、複数の圧力室21が貫通形成されている。各圧力室21は、図2に示すように、平面視細長形状でその長手方向がY方向に沿うようにしてキャビティプレート16の板厚を貫通して形成されていて、その下側にベースプレート15(金属層15a)と上側にアクチュエータ3とが積層されて上下面を覆うことにより圧力室21が形成される。そして、複数の圧力室21は、X方向に配列されて、Y方向に5列の圧力室列をなしている。なお、5列の圧力室列のうち、2列は使用頻度の最も高いブラックインクが供給される圧力室21の列であり、残りの3列は、例えば、イエロー、シアン、マゼンタなどのカラーインクがそれぞれ供給される圧力室21の列である。各圧力室21の長手方向(Y方向)の一端(圧力室21内のインク流れの上流側端側、図3(B)の左側)は、ベースプレート15の絞り部53(第1絞り部形成孔51と第2絞り部形成孔52)を介してマニホールド室26に連通している。ベースプレート15、金属層15aおよび絞り部53(第1および第2絞り部形成孔51、52)については、後で詳細に説明する。また、各圧力室21の長手方向の他端(下流側端側、図3(B)の右側)は、前述したインク流路22に接続し、ノズル孔5に連通している。また、キャビティプレート16のX方向の一端部(図2における手前側の端部には、インク供給孔31となるインク供給孔29がY方向に4つインク色ごとに並んで形成されている。
ベースプレート15は、前述したように金属層15aと樹脂層15bからなる二層材で形成されたプレートで、前述した圧力室21の一端と共通インク室26とを連通する絞り部53が形成されている。絞り部53は、樹脂層15bに形成された第1絞り部形成孔51と、金属層15aに形成された第2絞り部形成孔52とが連通してなる。なお、図3のように、樹脂層15bが、圧力室21内に配置されていて、第1絞り部形成孔51が絞り部53を流れるインクの流れの下流側に、第2絞り部形成孔52が上流側にある場合と、図4のように樹脂層15bが、マニホールド室26内に配置されていて、逆の配置の場合とがある。ベースプレート15、金属層15a、樹脂層15b、第1および第2絞り部形成孔51、52については、後で詳しく説明する。
2枚のマニホールドプレート14a、14bには、X方向に沿って長い5つの共通インク室(請求項の共通液室)26になるべき溝状のマニホールド形成孔26a、26bが板厚を貫通して略平行状に形成されている。マニホールド形成孔26a、26bは、2枚のマニホールドプレート14a、14bを積層し上下に重なった状態で、且つその上面をベースプレート15(金属層15a)にて覆い、下面をダンパープレート13にて覆うことにより、共通インク室26が形成される。尚、キャビティユニット3に設けられた5つの共通インク室26のうち、2つはブラックインク用の2列の圧力室列に対応し、残り3つの共通インク室26は、カラーインク用の3列の圧力室列に対応している。また、図2に示すように、マニホールド流路26を形成する2種類のマニホールド形成孔26a,26bは、ベースプレート15のインク供給孔30と重なる位置まで延設されて、インク供給孔31に連通している。さらに、マニホールドプレート14a、14bには、ノズル5まで連通するインク流路22の流路孔22aが形成されている。
ダンパープレート13の下面には、平面視で各共通インク室26と位置及び形状が重なる位置にはダンパ室28となる窪み部がハーフエッチングにより凹設されている。その窪み部を下面側から覆うようにスペーサプレート12とダンパープレート13とが接合されると、窪み部は密閉されたダンパ室28として形成される。窪み部と対向するダンパープレート13の上側の部分は、弾性変形により自由に振動可能なダンパ壁27として形成される。なお、ダンパープレート13の上面にダンパ室28となる窪み部が凹設され、マニホールドプレート14aの下面とダンパープレート13の上面との間に図示しないスペーサプレートを介挿し互いに接合することにより、窪み部を密閉しても良い。また、窪み部は、各共通インク室26の平面形状を一致させた平面形状でなくてもよく、さらに複数に区画された形状でもよい。また、ダンパプレートには、マニホールドプレートのインク流通孔22aに連通する貫通孔22aが形成されている。
圧力室21から共通インク室26に伝播した圧力波の後退成分によりダンパ壁27が変位することで、その圧力変動を吸収減衰させ、圧力変動が他の圧力室21へ伝播するクロストークを抑制する。
最下層のノズルプレート11には、微小径(20μm程度)のインク吐出用のノズル孔5がX方向に沿って微小間隔で配列して穿設されており、Y方向に5列設けられている(図2参照)。ノズルプレート11の各ノズル孔5は、圧力室21にそれぞれ個別にインク流路22を介して連通している。
これらの7枚のプレート11〜16をこの順で積層した状態で接着剤により接合されることにより、キャビティユニット2には、インクが、インク供給口29を経て共通インク室26に流入し、絞り孔53を経由して圧力室21に至り、さらにインク流路22を経てノズル孔5に至るインク流路が形成されている。
[ベースプレート15の構成]
次に、ベースプレート15の構成について詳しく説明する。ベースプレート15は、金属層15aと樹脂層15bからなる2層材のプレートで、予め樹脂層15bが金属層15aの広幅面に対して全面に積層された状態のベースプレート15になるべきプレートに対して、後述するようにエッチングされることにより、金属層15aの上面(図3)または下面(図4)に所定の形状で所定の箇所に部分的に積層されている。また、ベースプレート15には、圧力室21とマニホールド室26とを連通する絞り部53が穿設されている。樹脂層15bには、ノズル孔5と同じ程度の開口面積を有する微小径の第1絞り部形成孔51(例えば15〜20μm)が加工精度の良いレーザ加工やプレス加工により穿設され、金属層15aには、第1絞り部形成孔51よりも開口面積の大きい第2絞り部形成孔52(例えば100〜150μm)が金属層15aを厚さ方向にエッチングやプレス加工により貫通するように形成され、第2絞り部形成孔52と第1絞り部形成孔51が連通して絞り部53をなしている。また、金属層15aには、圧力室21からノズル孔5に連通するインク流路22となる貫通孔がエッチングやプレス加工によって、第2絞り部形成孔52と同時に貫通形成されている。第1絞り部形成孔51は、ノズル孔5と同じ程度の開口面積を有する非常に小径の貫通孔で、実質的に第1絞り部形成孔51が、キャビティユニット2に必要な流路抵抗を有する絞り部となって、第1絞り部形成孔51より大きな径を有する第2絞り部形成孔52は、第1絞り部形成孔51と連通し、マニホールド室26と圧力室21とを連通する連通孔となっている。
第1実施形態では、図3に示すように、樹脂層15bは金属層15aの上面側に積層されていて、後述する方法により金属層15aの第2絞り部形成孔52を覆う程度に小さく部分的に形成されて積層されるため、樹脂層15bは、キャビティプレート16とマニホールドプレート14bとの間に介挿されてキャビティユニット2を積層接合されたときに、圧力室21内に収容される。具体的には、樹脂層15bは、圧力室21の個所ごとに対応する位置で第2絞り部形成孔52を覆って島状(図3(B)参照)に形成していて、ここで島状は、樹脂層15bの平面視で、圧力室21の幅方向(X方向、短手側)の寸法より小さい矩形状(四角状)、円形状、楕円状等の任意である。よって、実質的な絞り部としての流路抵抗を有する第1絞り部形成孔51がインク流れの下流側(圧力室21側)に位置し、第2絞り部形成孔52は上流側(マニホールド室26側)に位置することになり、第1実施形態のように、樹脂層15bを圧力室21内に位置するように配置すれば、短い距離で、圧力室21に対するインクの戻り量を少なくして、インク絞り効果を向上させることができる。よって、他のノズル孔5に対するクロストークを少なくし、インクの吐出を安定させる。さらに、インク吐出後に絞り孔を経由してマニホールド室26から圧力室21へ速やかにインクを供給して、ノズル孔5におけるメニスカスを短時間で復帰させることができる。
また、ベースプレート15は、キャビティプレート16とマニホールドプレート15bとの間に介挿されているが、樹脂層15bが金属層15aに部分的に形成されて各圧力室21内に収容された状態であるため、ベースプレート15の金属層15aの広幅面のみがキャビティプレート16とマニホールドプレート14bとの間に積層接合されてキャビティユニット2が形成される。そのため、圧力室21からノズル孔5までを連通するインク流路22は、樹脂層15bを介さないため、樹脂層15bの厚み分インク流路22の長さを短くすることができる。その結果、インク流路22内を流れるインクの流路抵抗を小さくすることができ、インク吐出のためのアクチュエータの駆動電圧を低めにすることができる。また、絞り部として必要な流路抵抗を確保しながらも、インクジェットヘッドの全体の厚さ寸法も薄くすることができ小型化に寄与できる。
また、第1絞り部形成孔51は、マニホールド室26から圧力室21にインクが流れる方向の上流側から下流側に縮径するテーパ形状である。従って、小径側が圧力室21内にインクが流れ込む下流側に位置することになるから、第1絞り部形成孔51のインク流の抵抗により、圧力室21からマニホールド室26へのインクの戻り量を少なくしてインク絞り効果を向上させることができる。なお、樹脂層15bは、第2絞り部形成孔52を覆う程度に小さいため、圧力室21内に収容されていても、圧力室21内のインク流れの干渉をする程度ではない。
図4に第2実施形態を示す。ただし、第1実施形態と同様の構成については、同じ符合を付し適宜説明を省略し、異なっている点を説明する。第2実施形態では、図4に示すように、樹脂層15bはマニホールド室26内に収容されるように設けられている。マニホールド室26は、ノズル孔5の列の延びる方向(X方向)に沿って長く形成されていて、第1および第2の絞り部形成孔51、52もX方向に複数個並んで形成されているので、第1実施形態のように樹脂層15bを島状に配置してもよいが、樹脂層15bはマニホールド室26内にてその長手方向に沿って長い短冊状(図4(B)の二点鎖線参照)に形成しても良く、1つの短冊状の樹脂層15bに複数の第1絞り部形成孔51を適宜間隔で複数穿設してマニホールド室26に連通するように構成することができる。したがって、第2実施形態では、第1絞り部形成孔51が絞り部53を流れるインク流れの上流側(マニホールド室26側)に位置し、第2絞り部形成孔52は下流側(圧力室21側)に位置することになる。第2実施形態のように、樹脂層15bをマニホールド室26内に位置するように配置しても、短い距離で圧力室21に対するインク絞り効果を向上させることができる。さらに、第2絞り部形成孔52が、圧力室21と連通しているため、圧力室21から圧力波やインク流れを第2絞り部形成孔52内で分散させて減衰する効果が期待される。
また、図4では、第1絞り部形成孔51は、マニホールド室26から圧力室21にインクが流れる方向の下流側から上流側に縮径するテーパ形状である。これは、後述するレーザー加工によって第1絞り部形成孔51を形成した場合、レーザー加工の性質上、上記の形状となるが、プレス加工で形成すれば、上流側から下流側に縮径するテーパ形状に形成することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、樹脂層15bは、第2絞り部形成孔52を覆う程度に小さいため、マニホールド室26内に収容されていても、マニホールド室26内のインク流れの干渉をするほどではない。
[絞り孔51及び流路孔52を備えたベースプレート15の製造方法]
次に、上記2層材料からなるベースプレート15における樹脂層15b、金属層15a、第1絞り部形成孔51および第2絞り部形成孔52の製造方法について、図5を参照しながら説明する。図5(A)に示すごとく、ベースプレート15は、金属製の薄いシートである金属層15aの片面に、合成樹脂製の薄いシートである樹脂層15bを図示しない接着剤等で接合して一体化された2層材料で、樹脂層15bは金属層15aよりその厚みが薄い。ベースプレート15は、予め金属層15aの片面に樹脂層15bが印刷等で形成されてあってもよいし、金属層15a上に樹脂製の薄膜を形成して樹脂層15bとしてもよい。また、本実施形態では樹脂層15bと金属層15aの二層となっているが、二層以上であってもよい。次に、金属層15aの、樹脂層15bが形成されていない下面にレジスト膜54を塗布し、また、樹脂層15bの上面にもレジスト膜53を塗布する(図5(B)参照)。次いで、所望の穴パターンを有するマスク(図示せず)を重ね、感光性のレジスト膜53に露光することで、図5(C)に示すように、マニホールド室26内または圧力室21内に収容される樹脂層15b部分に相当する感光個所55aとなるレジストパターン55を形成し、その後現像液を噴射し、水洗い、エッチングを実行すると、上記感光個所55aの下方の樹脂製シート15bの領域が残り、その他のレジスト膜53が除去される(図5(D)参照)。このとき、残される樹脂層15bは、マニホールド26または圧力室21内に収容され、かつ、後で形成される第2絞り部形成孔52を覆う程度の大きさ、位置、形状となるよう形成する。また、残される樹脂層15bは、上述したようにあとでキャビティユニット2として積層されたときに圧力室26内またはマニホールド室26内のどちらかに収容されて積層されるかによって、ノズル孔5の数と同じ数の複数の第1絞り部形成孔51に対応して、ノズル列に沿って複数の島状に形成されてあってもよいし、連続した短冊状に形成してもよい。
同様にして、金属層15aの下面側のレジスト膜54の表面に所望の穴パターン56a、56bを有するマスク56を重ねる(図5(D)参照)。穴パターン56aは上記残された樹脂層15bに対応する位置であって、第2絞り部形成孔52が形成される箇所に相当する個所であり、穴パターン56bは、インク流路22が形成される箇所に相当する個所である。
次いで、エッチングにて、図5(D)に示すごとく、金属層15aに第2絞り部形成孔52及びインク流路22が穿設される。インク流路22は、金属層15aを貫通して形成する。その後、レジスト膜54を除去することで、残された樹脂層15bの個所に対面してノズル孔5の数と同じ数の複数の第2絞り部形成孔52が形成され、同時にノズル孔5の数と同じ数のインク流路22を金属層15aが形成される(図5(F)参照)。
次いで、レーザ加工により、残された樹脂層15bに、第2絞り部形成孔52よりも開口面積の小さい第1絞り部形成孔51を穿設する。その場合、樹脂層15bとは反対側の金属層15aの面側から、第2絞り部形成孔52を介して、レーザ光を照射する。これにより、第2絞り部形成孔52と第1絞り部形成孔51とが連通した絞り部53をベースプレート15に形成することができる。また、第1絞り部形成孔51の断面形状は、レーザ光の入射側(第2絞り部形成孔52側に開口している側)で大径となり、レーザ光の出口側で小径となる円錐状のテーパ形状に形成される(図5(G)参照)。
上記製造方法では、ベースプレート15は、実質的に絞り部としての流路抵抗を有する第1絞り部形成孔51が形成される層が金属層であっても第1絞り部形成孔51を形成することは可能である。本実施形態のように樹脂層であると、絞り部としての流路抵抗を有する程度に小径の貫通孔であっても、容易にレーザ加工によって精度良く加工形成することができ、より好ましい。また、第2絞り部形成孔52は、第1絞り部形成孔51と連通する連通孔であるため、加工精度があまり必要とされないため、エッチングで容易に形成できる。
また、別の製造方法として、樹脂層15bを金属層15aに部分的に残して形成した後に、金属層15aと樹脂層15bの両層に対して、加工精度良くプレス加工を行うことによって一度に、互いに連通する第2絞り部形成孔52と第1絞り部形成孔51とを貫通形成することもできる。その場合、樹脂層15bが圧力室21またはマニホールド室26内のどちらに配置されている場合でも、第1絞り部形成孔51が、絞り部53における流れの下流側に縮径するテーパー形状となるように形成するのがよく、圧力室21からマニホールド室26へのインクの戻りの抑制が期待できる。この製造方法の場合においても、第1絞り部形成孔51が形成される層が金属層であっても第1絞り部形成孔51を加工形成することは可能である。
そして、上記の製造方法にて製作されたベースプレート15を、マニホールドプレート14bとキャビティプレート16との間に介挿して積層接合する。その場合、残された樹脂層15bをキャビティプレート16における圧力室21内に臨ませるように配置すると、図3の実施形態となり、逆に樹脂層15bをマニホールドプレート14bにおけるマニホールド室26内に臨ませるように配置すると、図4の実施形態となる。
なお、各貫通孔や凹部があらかじめ形成されたベースプレート15をはじめ、他のプレートが積層接合してキャビティユニット2が形成されるとき、各プレートには、接着剤が塗布されるが、ベースプレート15に塗布する接着剤は、金属層15aの樹脂層15bが設けられている側とは反対側の面に塗布するのがよい。具体的には、実質的に絞り部としての流路抵抗をなす第1絞り部形成孔51が形成されている側とは反対側の面に接着剤を塗布する。例えば、図3の実施形態の場合、ベースプレート15の接着剤の塗布面は、下面側(マニホールドプレート14b側)になり、ベースプレート15に接着剤を塗布する工程において、樹脂層15bが工程を阻害することがないし、さらに、この接着面を下向きにして接合することで、ベースプレート15とキャビティプレート16またはマニホールドプレート14bとの間からはみ出したりした余剰の接着剤が第1絞り部形成孔51内に浸入して孔をふさいだり、孔径が縮小するなど流路抵抗を阻害するトラブルを抑制することができる。
本発明の製造方法は、液滴を吐出する複数のノズル孔5と、この各ノズル孔5にインク流路22を解して連通する複数の圧力室21と、インクカートリッジなどのインク供給源からのインクを複数の圧力室21に供給するマニホールド室26と、各圧力室21のインク流れ方向上流側の端部とマニホールド室26とを連通する絞り孔53とを有する複数枚のプレートを積層してなるキャビティユニットと、圧力室21毎に選択的に駆動可能な活性部を有してインクを吐出させるアクチュエータ3とが備えられた液滴吐出ヘッドの製造方法であって、絞り部53の一部をそれぞれ形成する第1および第2の絞り部形成孔51、52が設けられるべき少なくとも2層の金属層15aと合成樹脂層15bからなるベースプレート15を、樹脂層15bを第2の絞り部形成孔52が設けられるべき位置の周辺のみを覆うように、エッチングによって一部を残す工程と、樹脂層15bには、第2の絞り部形成孔52よりも開口面積の小さい第1の絞り部形成孔51を穿設し、金属層15aには、第2の絞り部形成孔52を穿設する工程と、圧力室21となるべき圧力室孔が形成されたキャビティプレート16と、マニホールド室26となるべきマニホールド孔が形成されたマニホールドプレート14bとの間に、ベースプレート15を、樹脂層15bが各圧力室21内またはマニホールド室26内のいずれか一方に収容された状態で介挿して複数枚のプレートを積層してキャビティユニットを形成する工程とを有する。
この方法により製造されたインクジェットヘッドでは、少なくとも2層からなるベースプレート15を、その樹脂層15bが、第2の絞り部形成孔52が設けられる位置の周辺のみを覆うように一部分だけ第2の絞り部形成層に残して形成され、第1および第2の絞り部形成孔を穿設した後に、キャビティプレート16とマニホールドプレート14b間に介挿して積層するだけで、樹脂層15bが圧力室21またはマニホールド室26内のいずれか一方に収容されて、1枚のベースプレート15で絞り部53として必要な流路抵抗を確保しながらも、樹脂層15b分だけの厚み寸法を少なくすることができるので、小型化可能なインクジェットヘッドを製造することができる。また、さらに、複数枚のプレートの積層において、樹脂層15bの厚さ分だけ、圧力室21からノズル孔5までのインク流路22の長さを短くすることができるので、その結果、インク吐出のためのアクチュエータ3の駆動電圧を低めにすることができて、省エネルギー化に寄与できる。また、樹脂層15bを、マニホールド室26内か圧力室21内のどちらに配置させる場合でも、同じ製造方法にて絞り部プレートが形成でき、樹脂層15b面を、絞り部プレートの裏表のどちらかに向けて積層するだけでよいので容易にキャビティユニット2を形成することができる。
また、複数枚のプレートを積層して絞り部を形成する場合と比べて、プレート積層枚数を減らして小型化できるだけでなく、流路抵抗の最も高くなる小さい孔の第1の絞り部形成孔の加工したときに、加工精度の良いものだけを選定して絞り部プレートとして接合させることができるため、製品の歩留りを向上させることができる。
本発明の方法では、第2絞り部形成孔52はエッチングにて形成され、第1絞り部形成孔51はレーザ加工により形成されるので、大径の第2絞り部形成孔52を容易に形成できる一方、実質的に絞り部としての流路抵抗を満たすだけの小径である第1絞り部形成孔51の、加工精度を向上させて形成させることができる。また、レーザー加工により加工精度良く形成できるため、樹脂層15bの厚みが薄くてもよく、絞り部53としての距離を短く形成でき、また、圧力室21内またはマニホールド室26内のいずれか一方に収容させやすい。さらに樹脂層15bは第2の絞り部形成孔52を覆う程度に小さくできるため、圧力室21内またはマニホールド26内に収容されていたとしてもその部屋内での圧力波やインク流れの干渉が小さくてすむ。そして、レーザ光の照射方向を第2絞り部形成孔52側から実行することにより、第1絞り部形成孔51の出口側の直径を小さくするテーパー形状とすることができ、絞り効果を向上させることができる。また、第1絞り部形成孔51が設けられる層が樹脂層であるため、レーザ加工による精度向上がより期待できる。第2の絞り部形成孔52が形成される層が、金属層であるため、キャビティユニットとしての剛性を確保することができるとともに、樹脂層をエッチングにより容易に部分的に残すことが出来、また、絞り部プレートの取り扱いがしやすい。
本発明の方法では、樹脂層15bを部分的に残し、第1絞り部形成孔51、第2絞り部形成孔52が予め形成されたベースプレート15を、圧力室21を有するキャビティプレート16と、マニホールド室26を有するマニホールドプレート14bとの間に、介挿して接着剤を塗布して接合するものであるから、従来と同様にして複数枚のプレートを順次積層接合する方法を採用できる。また、ベースプレート15の接着剤を樹脂層15bを備えた側とは反対側の金属層15aの面に塗布して積層接合することで、第1絞り部形成孔51内への接着剤の浸入を防ぎ、流路抵抗を阻害しない。
金属層15aに樹脂層15bの第1絞り部形成孔51よりも開口面積の大きい第2絞り部形成孔52が形成される一方、樹脂層15bを圧力室21内に位置するように配置すれば、第2の絞り部形成孔52よりも開口面積が小さく流路抵抗が高い第1の絞り部形成孔51が圧力室21内にインクが流れ込む下流側に位置することになるから、短い距離で圧力室21からマニホールド室26へのインクの戻り量を少なくして、他のノズル孔に対するクロストークを少なくし、液滴の噴射(吐出)を安定して発生させることができる。よって、液滴噴射(吐出)後に絞り孔を経由して共通液室から圧力室へ速やかに液体を供給して、ノズル孔におけるメニスカスを短時間で復帰させることができる。また、樹脂層15bを、マニホールド室26内に位置するように配置すれば(図4参照)、圧力室21と、開口面積が大きい第2の絞り部形成孔52が連通しているため、圧力室21からの圧力波や液体流れを第2の絞り部形成孔52内で分散して減衰する効果も期待される。
なお、アクチュエータ3としては、公知の圧電方式、静電気により振動板を駆動する方式、電気発熱素子による方式などを適用することができる。ここではアクチュエータ3は、特開2005−322850号公報等に開示された公知のものと同様に、全ての圧力室21にわたる大きさを有する扁平形状で、扁平な方向と直交する方向に積層される複数の圧電セラミックス層41(例えばPZT)を備えている(図2及び図3参照)。その複数のセラミックス層41間に圧力室21毎に設けた複数の個別電極42と複数の圧力室21に共通なコモン電極43とが介挿されている。この構成において、セラミックス層41の積層方向の個別電極42に挟まれた部分が活性部(圧力発生部)となる。この構成により、個別電極42コモン電極43との間に選択的に電圧を印加することで、対応する圧力室21に対して活性部は圧電歪みを発生し、圧力室21内のインクに噴射エネルギーを与え、この圧力室21内のインクがノズル孔5から液滴状に吐出して、所定の印字が行われる。
また、個別電極42およびコモン電極43は、セラミックス層41を貫通したスルーホール内の導電材にてアクチュータ3の最上面の外部電極44(図1及び図2参照)と電気的に接続されている。そして、外部電極44とフレキシブル配線材4の電極パターン(図示せず)とが接合されている。
そして、上記のように構成することにより、アクチュエータの駆動にて、圧力室21の長手方向(インクの流れ方向)にインクの圧力波が生じる。このとき、圧力室21からマニホールド室26へのインクの戻りを規制するための流路抵抗の最も大きい部分である第1絞り部形成孔絞り孔51の開口面積を適切に設定することにより、マニホールド室26側から圧力室21側へのインク流れに抵抗を与える絞り作用(インク流れの絞り抵抗値)を適切になるようにきめ細かく設定できる。
また、上記のように樹脂層15bの厚さが薄くても、レーザ加工することにより、絞り孔51の圧力室21側の小さい開口部の値を所望値に形成することが容易にできる。
本発明の実施の形態による圧電式のインクジェットヘッドを示す分解斜視図である。 キャビティユニットの分解斜視図である。 図1の III−III 線矢視で示す第1実施形態の圧力室と流通路と絞り部の一部拡大断面図である。 他の実施形態の圧力室と流通路と絞り部の一部拡大断面図である。 (A)〜(G)は製造方法を示す説明図である。
1インクジェットヘッド
2キャビティユニット
3アクチュエータ
5ノズル孔
11ノズルプレート
13ダンパプレート
14a、14bマニホールドプレート
15ベースプレート
15a金属層
15b樹脂層
16キャビティプレート
21圧力室
22インク流路
26マニホールド室
51第1絞り部形成孔
52第2絞り部形成孔

Claims (2)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、この各ノズル孔と液体流路を介して連通する複数の圧力室と、液体供給源からの液体を前記各圧力室に供給する共通液室と、前記各圧力室における液体流れ方向上流側の端部と前記共通液室とを連通する絞り部と、を有するキャビティユニットと、
    前記圧力室毎に選択的に駆動可能な活性部を有して液滴を吐出させるエネルギー発生手段とが備えられた液滴吐出ヘッドであって、
    前記キャビティユニットは、
    前記圧力室を有する圧力室プレートと、前記共通液室を有する共通液室プレートと、前記圧力室プレートおよび前記共通液室プレートとの間に介挿された前記絞り部を有する絞り部プレートとを含む、複数枚のプレートの積層体であり、
    前記絞り部プレートは、
    互いに積層された少なくとも2層の第1および第2の絞り部形成層を有し、前記各絞り部形成層には、前記絞り部の一部を形成する第1および第2の絞り部形成孔がそれぞれ設けられ、
    前記第1の絞り部形成層は、
    前記第2の絞り部形成孔の周辺を覆って、前記各圧力室内または前記共通液室内のいずれか一方に収容された状態で前記第2の絞り部形成層に部分的に積層されていて、前記第2の絞り部形成孔よりも開口面積の小さい前記第1の絞り部形成孔が形成され、
    前記第1の絞り部形成孔は、前記絞り部における前記液体の流れの下流側に縮径するテーパ形状であり、
    前記第1の絞り部形成孔は前記各圧力室に対して1ずつ配置され、
    前記液滴が外部から前記各共通液室に供給される部位に設けられたフィルタ体よりも下流側に前記第1の絞り部形成孔が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記第1の絞り部形成孔は、前記各圧力室内に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
JP2008047564A 2008-02-28 2008-02-28 液滴吐出ヘッド Active JP4962352B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008047564A JP4962352B2 (ja) 2008-02-28 2008-02-28 液滴吐出ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008047564A JP4962352B2 (ja) 2008-02-28 2008-02-28 液滴吐出ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009202454A JP2009202454A (ja) 2009-09-10
JP4962352B2 true JP4962352B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=41145212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008047564A Active JP4962352B2 (ja) 2008-02-28 2008-02-28 液滴吐出ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4962352B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6334727B2 (ja) 2014-10-31 2018-05-30 京セラ株式会社 インクジェットヘッド及びプリンタ
JP7268451B2 (ja) * 2019-04-01 2023-05-08 ブラザー工業株式会社 液体吐出ヘッド

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05345413A (ja) * 1992-06-17 1993-12-27 Sharp Corp インクジェット記録ヘッド装置
JP2006305767A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009202454A (ja) 2009-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100738102B1 (ko) 압전 방식의 잉크젯 프린트헤드
JP6209671B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP4720917B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びこれを含む記録装置の製造方法、並びに、液体吐出ヘッド及び記録装置
JP4069864B2 (ja) インクジェットヘッド
JP2007268867A (ja) インクジェットヘッド
JP4720916B2 (ja) 記録装置
JP4314981B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4224822B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2006198903A (ja) インクジェットヘッド
JP6334727B2 (ja) インクジェットヘッド及びプリンタ
WO2016133117A1 (ja) 流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッドならびに記録装置
JP2008018662A (ja) 液滴噴射装置、液体移送装置、フィルタ及びフィルタの製造方法
JP2009241318A (ja) 液滴噴射ヘッド及びその製造方法
JP4595659B2 (ja) 液滴噴射装置及びその製造方法
JP4235819B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド
JP5024543B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2008200951A (ja) 流路形成体
JP4962352B2 (ja) 液滴吐出ヘッド
JP2009202338A (ja) 液滴噴射装置及び液滴噴射装置の製造方法
JP2009178893A (ja) 液体移送装置及び液体移送装置の製造方法
WO2016143162A1 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP4640367B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4924339B2 (ja) 液滴吐出ヘッド用のキャビティユニット
JP5569047B2 (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
US7600860B2 (en) Liquid ejection head and image forming apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4962352

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3