JP4962170B2 - 無線中継装置、無線中継装置の制御方法 - Google Patents
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Description
なお、ここではMCA(マルチアクセス無線システム)のように、直接に移動通信端末間で通信をすることなく、全てが制御局(基地局)を介して通信する場合や、携帯電話システムのようなセルラー方式の移動無線システムにおける基地局装置も無線中継装置に含むものとして説明し、移動通信端末には、これらのシステムの端末も含むものとする。
また、図6(b)に示すように、必要に応じて音声信号の送信を中断して、高速に通信データを送信する場合、二つの音声チャネルに代えて一つの高速情報チャネルFCHとして送信する機能を備えている。図に示す例では、四つの音声チャネルの全てを高速情報チャネルに置換しているが片方のみでもよい。
なお、このような機能を備えた移動通信端末の構成としては、例えば、特許文献1の図1に記載されたものが参考にできる。
例えば、無線中継装置103から移動通信端末102方向の下り回線の電界強度が十分に大きく、ビットエラー率が小さい(ビットエラーが少ない)状態であっても、移動通信端末101から無線中継装置103に至る上り回線の電界強度が弱く、その結果ビットエラー率が大きい場合は、このビットエラーが無線中継装置103において下り回線に転送され、結局的に移動通信端末102における受信信号のビットエラー率が劣化したものとなる。またこのとき下り回線にビットエラーが存在する場合は、その分も加算されることになるので、移動通信端末102における誤り訂正機能が働いたとしても、訂正能力を超えたビットエラーとなる場合は、訂正不可能となってしまうことがあった。
このような不具合は無線中継装置に限らず、セルラー系の基地局装置、MCAシステムにおける統制局装置等においても発生する可能性があり、特に、上下回線ともに無線通信手段を使用する場合には問題となっていた。
また本発明では、複数の音声チャネルを高速情報チャネルに置換したフレームを含む信号の無線中継における通信品質の劣化を防止することも一つの目的としている。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の無線中継装置において、上記受信装置が復号化した受信信号の誤り率を予め設定した閾値と比較する誤り率判断手段と、誤り率が閾値以下の場合には当該受信信号を記憶するとともに、この信号を変調信号として前記送信装置に供給し、誤り率が閾値を越えたと判断された場合には、上記記憶した受信信号または予め用意した無音の音声データを変調信号として上記送信装置に供給する送信信号切換え制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明において使用する移動通信端末の構成は、従来のものと何等異なる必要はなく、例えば、特許文献1の図1に記載された構成のものを参照することができるので詳細な説明は省略する。
図1(a)は、移動通信端末における符号化手順(エンコード手順)を示すもので、移動通信端末のマイクロホン等により電気信号に変換したアナログ音声信号を取得すると(S1)、音声の符号化処理(Voice Encode)を行った後(S2)、順方向誤り検出訂正(FEC)のエンコード処理を行うとともに(S3)、FEC処理したデータを所要の音声チャネルに設定して(S4)、他の情報信号とともに送信装置に変調信号として供給する。
なお、ボコーダは信号の符号化のうち、特に音声信号の符号化/復号化処理に関するもので、音声以外のアナログ信号をデジタル化し、あるいは、デジタルデータを符号化する場合と区別して考える必要があるが、ここでは少なくとも音声信号に関してFEC処理が施された場合を想定したもので、それ以外のデータ等に同様のFEC処理、あるいは他の誤り訂正が施された場合も含んでいるが、ここでは音声信号以外の符号化についての説明は省略する。
順方向誤り検出訂正(FEC)は、予めパケットにエラー訂正符号を付加しておき、転送途中でのパケット喪失が発生した場合であっても、失われたパケットを修正することができるもので、エラー訂正能力(強さ)は任意に設定可能で、変化させることもでき、最大で半分のパケットが失われた場合であっても修正可能であることが知られている。
図2において、無線中継装置は、受信した電波を所要レベルに増幅し、必要に応じて中間周波信号に変換後検波し、シンボルデータを取得するとともに、フレーム同期ワードを検出することによって、そのフレームの各チャネル情報や音声チャネル信号を取得する(S11)。この音声チャネルには上述したFECが付されているので、これを復号化(デコード)する(S12)。FECの復号化(デコード)によって、誤り率を検出し、その値が予め設定した閾値(規定値)より大きいか小さいかを判断する(S13)。閾値は、そのとき設定されているFECの誤り訂正能力値に関連し、それより小さくなるように設定されている。従って、誤り訂正率が、閾値より小さい場合(規定値より誤りが小さい場合)は、失われたビット値が修復可能であるので(S13、Yes)、そのときの音声チャネル信号(データ)に対し再度FEC処理(FEC Encode)を行って(S14)、無線送信フレームの所要部分の信号として送信装置の変調信号として供給する(S15)。なお、誤り訂正率が、閾値より小さい場合には、FEC復号化したデータ、または再符号化したデータをメモリに記憶しておく。
この処理によれば、無線中継装置において、一旦FECのデコード処理によって所定の誤り率の範囲で、失われたビット情報が再生修復されるので、下り回線にエラー情報が受け継がれることがなく、通信品質を良好に保持することができる。
この方法によれば、従来のように高速情報チャネルが削除された場合、不定のデータが音声チャネルVCH1乃至VCH4に設定されることによって発生するデータの誤りや、違和感のある音声の発生を防止して、通信品質の劣化を防ぐことが可能である。
この信号が、無線中継装置にて受信されたとき、上り回線におけるビットエラーX(Xbit error)が発生するものとすると、図3(b)に示すものとなる。このフレーム信号を上述した本発明に従い、無線中継装置においてFECデコード処理を行うことによって、誤りビットを修正すれば、図3(c)に示すようにビットエラーXは、削除される。なお、図3(c)の第一フレームにおける高速情報チャネルFCHは、中継する必要がないので、無線中継装置において削除されるとともに、その部分には、予め用意された無音のデータ、もしくは、記憶されているそれ以前の音声チャネルデータを設定する。
このフレーム信号は、無線中継装置から下り回線を介して他方の移動通信端末(デジタル無線機B)に伝達されるが、下り回線のビットエラーがYである場合は、図3(d)に示す通り、上り回線のビットエラーXは排除され、下り回線のビットエラーのみに留まる。また、高速情報チャネルFCHの部分では、不定データが含まれていないので、それらに基づく雑音やビットエラーの発生を伴うことがない。このように本発明を適用すれば、従来問題となっていた通信品質の劣化を防止することができる。
即ち、復号化した受信信号の誤り率を予め設定した閾値と比較する誤り率判断手段と、誤り率が閾値以下の場合には受信信号を記憶するとともに、この信号を変調信号として送信部16(送信装置)に供給し、誤り率が閾値を越えたと判断された場合には、その時の受信信号に代えて、記憶した受信信号または予め用意した無音の音声データを変調信号として送信部16(送信装置)に供給する送信信号切換え制御手段とを備えたもので、誤り率判断や切換え制御等は、制御部(Cont)15において行う。
また、第二の目的として説明したように、無線中継装置において高速情報チャネルを削除した場合に、代わりに音声チャネル用データとして供給する制御も、制御部15によって行う。なお、制御部15には、書き込み・読み出し自在のメモリを備えており、比較すべき閾値を記憶している。また、音声チャネルをFECデコード処理し、閾値と比較した結果、誤り訂正可能範囲であることが判断された場合に、誤り訂正後の音声チャネルデータも、制御部15内部のメモリに記録しておくことは上述した通りである。
例えば、無線中継装置の構成は例示したものに限定する必要はなく、従来から知られている各種のもの、あるいは、新規な構成のものにおいて、各特許請求の範囲に記載したように、上り回線の受信信号中の少なくとも音声信号についてFEC等の誤り訂正の復号化(デコード)処理を行うことによって上り回線において発生するビットエラーを可能な範囲で修復した上で、再び誤り訂正処理を施して、下り回線を介して再送信するものであればよい。
また、通信方式は、単信方式、復信方式、半複信方式、あるいは、それらの混合体であってもよい。更に、無線中継装置における誤り訂正復号化/再府号化処理を常に実行する例に限らず、必要に応じて行うものでもよい。即ち、無線中継装置において、上り回線信号のビット誤り率を監視しておき、その誤り率が非常に小さきときは、誤り訂正復号化/再府号化処理をおこなうことなく、直接に中継処理を行い、一定以上のビットエラーが含まれる場合にのみ誤り訂正復号化/再府号化処理を行うようにすれば、これらの処理に伴う若干の信号遅延をなくすことができる。
なお、プログラムを格納する記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよく、また、ロードしたプログラムを実行することにより上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することによって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
Claims (3)
- 所定のプロトコルに従って符号化されたフレーム信号を送信し又は受信する複数の移動通信端末であって、必要に応じてフレーム中の複数の音声チャンネルの代わりに高速情報チャネルとして送信する機能を有した移動通信端末を含む無線通信システムにおける無線中継装置において、
前記移動通信端末から送信される信号を受信する機能および、受信した符号化信号を復号化する機能を含む受信装置と、この受信装置の出力信号を前記プロトコルに従って再符号化する機能および、この再符号化信号を変調信号として移動通信端末に対して送信する機能を含む送信装置と、
前記移動通信端末から音声チャネルでないフレーム信号を受信した場合、当該フレーム信号に、無音の音声データまたはそれ以前に受信したフレームの音声データをフレームデータとして設定し、中継動作を行う機能を備えたことを特徴とする無線中継装置。 - 前記受信装置が、復号化した受信信号の誤り率を予め設定した閾値と比較する誤り率判断手段と、誤り率が閾値以下の場合には当該受信信号を記憶するとともに、この信号を変調信号として前記送信装置に供給し、誤り率が閾値を越えたと判断された場合には、前記記憶した受信信号または予め用意した無音の音声データを変調信号として前記送信装置に供給する送信信号切換え制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の無線中継装置。
- 所定のプロトコルに従って符号化されたフレーム信号を送信し又は受信する複数の移動通信端末であって、必要に応じてフレーム中の複数の音声チャンネルの代わりに高速情報チャネルとして送信する機能を有した移動通信端末を含む無線通信システムにおける無線中継装置の制御方法において、
前記移動通信端末から送信される信号を受信する機能および、受信した符号化信号を復号化する機能を含む受信処理と、この受信処理の出力信号を前記プロトコルに従って再符号化する機能および、この再符号化信号を変調信号として移動通信端末に対して送信する機能を含む送信処理と、
前記移動通信端末から音声チャネルでないフレーム信号を受信した場合、当該フレーム信号に、無音の音声データまたはそれ以前に受信したフレームの音声データをフレームデータとして設定し、中継動作を行う機能を備えたことを特徴とする無線中継装置の制御方法。
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