JP4958072B2 - 固体電解質 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質に関する。
従来から、燃料電池の電解質膜、全固体電池の電解質、各種センサー等へ応用することが可能な様々な固体電解質が研究されている。このような固体電解質においては、固体中をイオンが移動することによりイオン伝導性が発現するものと考えられている。そして、このような固体電解質は、比較的低温でイオン伝導性を示し、しかも薄膜等への成形性に優れる等の理由から、特に燃料電池の材料として注目されている。
このような固体電解質としては、例えば、特開2006−114277号公報(特許文献1)において、シリケート骨格を有する有機無機複合化合物であって、シリケート骨格中のケイ素原子に式:−(CHSOH[式中、pは1〜10を示す。]で表される基が結合したものが開示されている。また、特開2006−117873号公報(特許文献2)においては、式:(HOS−CH−CH−CH−SiO3/2(HS−CH−CH−CH−SiO3/2(SiO1−n−m[式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)で表されるシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質が開示されている。さらに、特開2003−263999号公報(特許文献3)においては、シリケート骨格中のケイ素原子にフェニル基等のアリール基が結合しており、前記アリール基にスルホン酸等のイオン交換能を有する官能基が結合しているシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質が開示されている。しかしながら、上記特許文献1〜2に記載のような従来の固体電解質は、耐水性が十分なものではなかった。また、上記特許文献3に記載のような従来の固体電解質は、低湿度条件下でのプロトン伝導度が必ずしも十分なものではなかった。
特開2006−114277号公報 特開2006−117873号公報 特開2003−263999号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分に高い耐水性を有するとともに、十分に優れたプロトン伝導性を有し、低湿度条件下においても十分に高いプロトン伝導度を発現させることが可能な固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、メソ細孔を有するシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質において、前記メソ細孔の細孔壁表面のケイ素原子に、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を介して、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合させることにより、十分に優れた耐水性を発揮でき、しかも低湿度条件下においても十分に高いプロトン伝導度が発現させることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の固体電解質は、メソ細孔を有するシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質であって、
前記シリカ系メソ多孔体が、前記メソ細孔の細孔壁表面のケイ素原子に、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を介して、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したものであること、及び
前記イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が前記2価の炭化水素基を介して結合したケイ素原子の含有比率が、前記シリカ系メソ多孔体中のケイ素原子の総量に対して2モル%以上30モル%未満の範囲にあること、
を特徴とするものである。
また、上記本発明にかかる芳香環含有基としては、前記芳香環含有基中の芳香環の数が1〜4であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、テトラセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クワドロフェニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、テトラフェニル基、ピレニル基及びトリフェニレニル基からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
また、上記本発明にかかるイオン交換能官能基としては、スルホン酸基、リン酸基及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。
さらに、上記本発明にかかる2価の炭化水素基としては、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、及び、炭素数2〜6のアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記本発明の固体電解質においては、前記シリカ系メソ多孔体のメソ細孔の中心細孔直径が1nm〜20nmの範囲にあることが好ましい。
また、上記本発明の固体電解質においては、前記シリカ系メソ多孔体の形状が薄膜状又は粒子状であることが好ましい。
なお、本発明の固体電解質によって、上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、従来の固体電解質が低湿度条件化で十分なプロトン伝導度を発現しない理由について検討したところ、細孔壁のケイ素原子にアルキル基を介してスルホン酸基が結合したシリカ系多孔体からなる従来の固体電解質においては、低湿度条件下において、細孔壁の表面のシラノール基(Si−OH)とスルホン酸基(−SOH)とが水素結合してプロトンパスが途絶えるため、プロトン伝導度が十分に発現しないということを見出した。また、細孔壁の表面のケイ素原子に直接フェニル基等のアリール基が結合し且つ前記アリール基にイオン交換能官能基が結合したシリカ系多孔体からなる従来の固体電解質においては、その固体電解質を製造する際に、前記ケイ素原子がアリール基上のπ電子を引き込むことでアリール基のπ電子密度が低下(求核性が低下)するため、細孔内に十分にイオン交換能官能基を導入することができず(例えば、イオン交換能官能基としてスルホン酸基を導入する場合にはスルホン化等が十分に進行しない)、プロトン伝導度を必ずしも十分に発現させることができないということを見出した。そして、このような知見に基づいて、本発明の固体電解質においては、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基を、前記2価の炭化水素基を介して細孔壁中のケイ素原子に結合させている。このように、本発明においては、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が前記2価の炭化水素基を介して、細孔壁中のケイ素原子に結合しているため、細孔壁の表面にあるシラノール基(Si−OH)と細孔内のイオン交換能官能基との間に、嵩高い有機基(前記芳香環含有基)が存在し、シラノール基(Si−OH)とイオン交換能官能基とが水素結合することが十分に抑制される。また、本発明においては、芳香環含有基と前記ケイ素原子との間に炭化水素基が存在し、その炭化水素基が電子供与性を示すことから、芳香環含有基のπ電子密度の減少が十分に抑制され、芳香環含有基にイオン交換能官能基を容易に導入することが可能となる。例えばイオン交換能官能基としてスルホン酸基を導入する場合に、スルホン化を容易に進行させることが可能となる。そのため、本発明においては、シリカ系メソ多孔体の細孔内に十分にイオン交換能官能基を配置することが可能となる。そして、本発明においては、シラノール基(Si−OH)とイオン交換能官能基とが水素結合により結合することを十分に抑制することが可能で、しかもシリカ系メソ多孔体の細孔内に十分にイオン交換能官能基を配置することができることから、十分に優れたプロトン伝導性を有し、低湿度条件下においても十分に高いプロトン伝導度を発現させることが可能となるものと本発明者らは推察する。また、本発明においては、細孔壁中のケイ素原子シラノール基(Si−OH)と細孔内のイオン交換能官能基との間に水素結合が生じることが十分に防止されているため、上述の特許文献1〜2に記載のような従来の固体電解質とは異なり、十分なプロトン伝導性を得るために高比率でイオン交換能官能基を導入する必要がなく、3次元架橋形成に寄与するケイ素原子の比率を向上させることができるため、十分な耐水性を得ることができる。そのため、本発明の固体電解質は、十分に優れたプロトン伝導性とともに十分に高い耐水性を有するものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、十分に高い耐水性を有するとともに、十分に優れたプロトン伝導性を有し、低湿度条件下においても十分に高いプロトン伝導度を発現させることが可能な固体電解質を提供することが可能となる。
本発明の固体電解質について説明する。すなわち、本発明の固体電解質は、メソ細孔を有するシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質であって、
前記シリカ系メソ多孔体が、前記メソ細孔の細孔壁表面のケイ素原子に、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を介して、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したものであることを特徴とするものである。
本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、ケイ素原子と酸素原子を必須成分としたケイ素酸化物からなるメソ細孔を有する多孔体である。ここで、本発明にいう「メソ細孔」とは、中心細孔直径が1.0〜20nmの細孔をいう。なお、中心細孔直径とは、シリカ系メソ多孔体の細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径を意味する。また、細孔分布曲線は、以下のようにして求めることができる。すなわち、先ず、シリカ系メソ多孔体を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガス吸着量をプロットし、吸着等温線を得る。次に、得られた吸着等温線を用いて、Cranston−Inklay法、Dollimore−Heal法、BJH法等を適用することにより、細孔分布曲線を求めることができる。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、メソ細孔の細孔壁表面のケイ素原子に前記2価の炭化水素基を介して、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したものである。
このような2価の炭化水素基は、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種である。このようなアルキレン基としては、炭素数が1〜6のものが好ましく、1〜4のものがより好ましい。また、このようなアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のものであってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられ、中でも、製造時に芳香環含有基のπ電子密度の減少を十分に抑制できるという観点から、エチレン基(−CH−CH−)、トリメチレン基が特に好ましい。
また、前記アルケニレン基としては、炭素数が2〜6のものが好ましく
、2〜4のものがより好ましい。また、このようなアルケニレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のものであってもよく、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基が特に好ましい。
さらに、前記アルキニレン基としては、炭素数が2〜6のものが好ましく、2〜4のものがより好ましい。このようなアルキニレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のものであってもよく、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基が特に好ましい。
また、本発明にかかるイオン交換能官能基は、イオン交換能を有する官能基である。このようなイオン交換能官能基によって、本発明の固体電解質にイオン伝導性が付与される。このようなイオン交換能官能基としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、スルホンイミド基が特に好ましい。
また、本発明にかかる芳香環含有基は、芳香環を少なくとも1つ有する基であればよく特に制限されないが、芳香環の数が1〜4のものが好ましく、芳香環の数が1〜3のものがより好ましい。このような芳香環の数が前記上限を超えると、規則的なメソ細孔が形成されない傾向にある。なお、このような芳香環含有基は、前記イオン交換能官能基以外の他の置換基を有していてもよい。
また、前記芳香環含有基としては、細孔壁の表面にあるシラノール基(Si−OH)とスルホン酸基(−SOH)とが低湿度条件下で結合することを十分に抑制でき、しかも規則的なメソ細孔を効率よく形成できるという観点から、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、テトラセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クワドロフェニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、テトラフェニル基、ピレニル基及びトリフェニレニル基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、中でも、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基が更に好ましく、製造効率等の観点からは、フェニル基が特に好ましい。
本発明にかかるシリカ系メソ多孔体としては、前記イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が前記2価の炭化水素基を介して結合したケイ素原子の含有比率が、前記シリカ系メソ多孔体中のケイ素原子の総量に対して2モル%以上30モル%未満の範囲にあることが好ましく、10モル%以上30モル%未満の範囲にあることがより好ましい。このようなイオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したケイ素原子の含有比率が、前記範囲にある場合には、シリカ系メソ多孔体中において3次元架橋形成に寄与するケイ素原子の比率が高くなるため、シリカ系メソ多孔体がより高度な耐水性を示す傾向にある。一方、前記ケイ素原子の含有比率が前記下限未満では、プロトン伝導性が十分なものとならない傾向にある。なお、このようなケイ素原子の含有比率は、シリカ系メソ多孔体の製造時のシリカ原料(モノマー)の仕込み量から、前記モノマーが過不足なく反応したと仮定した場合の組成式:
[A−X−R−SiO3/2[SiO
(式中、Aはイオン交換能官能基を示し、Xは芳香環含有基を示し、Rはアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を示し、mとnは、それぞれm+n=1となる数値を示す。)
を求めた後、前記組成式中のmとnの数値から、式:{m/(m+n)}×100(モル%)を計算することにより求めることができる。
また、このようなシリカ系メソ多孔体としては、細孔内に導入されたイオン交換能官能基中のHの量が、0.1mmol/g以上1.5mmol/g未満であることが好ましく、1.0mmol/g以上1.5mmol/g未満であることがより好ましい。このようなHの量が前記下限未満では、プロトン伝導性が十分なものとならない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、固体電解質の親水性が増し、水に溶解する傾向にある。なお、このようなHの量は、酸−塩基滴定法により測定することができる。
このようなシリカ系メソ多孔体においては、メソ細孔の中心細孔直径が1〜20nmの範囲にあるものが好ましく、1〜5nmの範囲にあるものがより好ましい。このような中心細孔直径の大きさが、前記下限未満では、細孔内の水が液体ではなく、固体としての挙動を示し、高プロトン伝導性を示さなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、低湿度でプロトンキャリヤーとなる水がメソ細孔内に凝縮しなくなる傾向にある。
また、このようなシリカ系メソ多孔体としては、細孔径分布曲線における中心細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれるものがより好ましい。このような条件を満たすシリカ系メソ多孔体は、細孔の直径が非常に均一である。
また、このようなシリカ系メソ多孔体の比表面積については特に制限はないが、100〜1000m2/g(より好ましくは300〜1000m2/g)の範囲であることが好ましい。なお、「比表面積」は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
さらに、このようなシリカ系メソ多孔体としては、そのX線回折パターンにおいて1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。X線回折ピークはそのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。
また、このようなシリカ系メソ多孔体が有する細孔は、多孔体の表面のみならず内部にも形成される。かかる多孔体における細孔の配列状態(細孔配列構造又は構造)は特に制限されないが、2d−ヘキサゴナル構造、3d−ヘキサゴナル構造又はキュービック構造であることが好ましい。また、このような細孔配列構造は、ディスオーダの細孔配列構造を有するものであってもよい。
ここで、多孔体がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が六方構造であることを意味する(S.Inagaki,et
al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,680,1993;S.Inagaki,et al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,69,1449,1996、Q.Huo,et al.,Science,268,1324,1995参照)。また、多孔体がキュービックの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が立方構造であることを意味する(J.C.Vartuli,et al.,Chem.Mater.,6,2317,1994;Q.Huo,et al.,Nature,368,317,1994参照)。また、多孔体がディスオーダの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が不規則であることを意味する(P.T.Tanev,et al.,Science,267,865,1995;S.A.Bagshaw,et al.,Science,269,1242,1995;R.Ryoo,et al.,J.Phys.Chem.,100,17718,1996参照)。また、前記キュービック構造は、Pm−3n、Im−3m又はFm−3m対称性であることが好ましい。前記対称性とは、空間群の表記法に基づいて決定されるものである。
また、このようなシリカ系メソ多孔体の形状としては特に制限されないが、薄膜状又は粒子状であることが好ましい。なお、「粒子状」とは、球状の他、円柱状、針状等の形状であってもよい。
なお、このようなシリカ系メソ多孔体からなる本発明の固体電解質は、燃料電池の電解質膜、全固体電池の電解質、各種センサー等に好適に応用することができ、特に、燃料電池等の電解質膜に用いることが好ましい。なお、本発明の固体電解質を燃料電池の電解質膜とする場合には、前記薄膜状のシリカ系メソ多孔体をそのまま電解質膜として用いてもよく、粒子状のシリカ系メソ多孔体を薄膜状に成形したものを電解質膜として用いてもよい。
以上、本発明の固体電解質について説明したが、以下、本発明の固体電解質を製造するための方法について説明する。
本発明の固体電解質を製造する方法としては特に制限されないが、溶媒中において、界面活性剤と、下記一般式(1):
(式中、Rは、低級アルコキシ基、ヒドロキシル基(−OH)、アリル基(CH=CH−CH−)、エステル基(好ましくは炭素数1〜5のエステル基(RCOO−))及びハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子)からなる群から選択される少なくとも一つの基を示し、Rはアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を示し、Xは芳香環含有基を示し、Yはイオン交換能官能基の前駆体を示す。)
で表される第一のシリカ原料及び第二のシリカ原料を含むシリカ原料の混合物とを混合し、シリカ中に前記界面活性剤が導入された多孔体前駆体を析出させる第1の工程と、
前記多孔体前駆体に含まれている前記界面活性剤を除去し、多孔体を得る第2の工程と、
前記多孔体中のシリカに導入されたイオン交換能官能基の前駆体となる有機基を、イオン交換能官能基に変換する処理を施して、シリカ系メソ多孔体を得る第3の工程と、
を含む方法を好適に採用することができる。以下、工程ごとに分けて説明する。
(第1の工程)
第1の工程は、溶媒中において、界面活性剤と、前記一般式(1)で表される第一のシリカ原料及び第二のシリカ原料を含むシリカ原料の混合物とを混合し、前記界面活性剤が導入された多孔体前駆体を析出させる工程である。なお、「析出」という用語は、反応溶液のX線回折測定により、メソ細孔の回折ピークが出現し始めた時を析出の開始時期とし、前記回折ピークが徐々に増加して一定値になった時を析出の終了時期として定義する。
前記一般式(1)中のRは、低級アルコキシ基、ヒドロキシル基(−OH)、アリル基(CH=CH−CH−)、エステル基(好ましくは炭素数1〜5のエステル基(RCOO−))及びハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子)からなる群から選択される少なくとも一つの基である。このようなRとしては、低級アルコキシ基が好ましく、反応性の観点から、炭素数が1〜4程度のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)がより好ましい。
また、前記一般式(1)中のRはアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基である。このような2価の炭化水素基は、上述の本発明の固体電解質において説明したものと同様のものである。
また、前記一般式(1)中のXは芳香環含有基である。このような芳香環含有基は、上述の本発明の固体電解質において説明したものと同様のものである。
さらに、前記一般式(1)中のYはイオン交換能官能基の前駆体である。このような前駆体は、イオン交換能官能基に変換させることが可能な官能基を有する有機基であればよく、例えば、クロロサルフォニル基、メルカプト基、シアノ基、フルオロサルフォニル基等が挙げられる。なお、ここにいうイオン交換能官能基とは、上述の本発明の固体電解質において説明したものと同様のものである。
従って、このような一般式(1)で表される第一のシリカ原料としては、例えば、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)−エチルトリエトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)−エチルトリメトキシシラン、2−(4−メルカプトフェニル)エチルトリエトキシシラン、2−(4−メルカプトフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−フルオロスルフォニルフェニル)−エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、前記第二のシリカ原料は、アルコキシ基を4個有するテトラアルコキシシラン、アルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、アルコキシ基を2個有するジアルコキシシラン等を用いることができる。このようなアルコキシシランが有するアルコキシ基が3又は2個である場合は、アルコキシシラン中のケイ素原子には、水酸基等が結合していてもよい。このような第二のシリカ原料としては特に制限されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。このような第二のシリカ原料は、単独で用いてもよく、あるいは、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記第一のシリカ原料及び第二のシリカ原料を加水分解させた場合には、シラノール基が生じ、生じたシラノール基同士が縮合してケイ素酸化物が形成される。ここで、ケイ素酸化物を形成させる際に、分子中のアルコキシ基の数が多いアルコキシシランを用いると、加水分解及び縮合で生じる結合が多くなる傾向にある。従って、前記第二のシリカ原料としては、アルコキシ基の多いテトラアルコキシシランを用いることが好ましい。このようなテトラアルコキシシランとしては、反応速度の観点からテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを用いることが特に好ましい。
また、前記第一のシリカ原料及び第二のシリカ原料を含むシリカ原料の混合物としては、混合物中における第一のシリカ原料の含有比率が、前記混合物の全量に対して2モル%以上30モル%未満であることが好ましく、10モル%以上30モル%未満であることがより好ましい。このような第一のシリカ原料の含有比率が前記下限未満では、得られる多孔体に十分な量のイオン交換能官能基を配置させることができず、十分なイオン伝導性が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、規則的なメソ細孔が形成されない傾向にあるばかりか、メソ多孔体の3次元架橋形成に寄与するシリカ原子の割合が低下して耐水性が低下する傾向にある。なお、混合物中の含有比率を前記範囲とすることで、得られるシリカ系メソ多孔体中のイオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したケイ素原子の含有比率を、その多孔体中のケイ素原子の総量に対して2モル%以上30モル%未満の範囲とすることが可能となるため、得られるシリカ系メソ多孔体により高い耐水性を発揮させることが可能となる。また、このような混合物の製造方法は特に制限されず、例えば、乾燥窒素気流中で第一のシリカ原料及び第二のシリカ原料を混合する方法を採用することができる。
また、第1の工程において用いられる界面活性剤は特に制限されず、シリカ系メソ多孔体を製造する際に用いることが可能な公知の界面活性剤を適宜用いることができ、例えば、下記一般式(2):
2n+1N(CH・Z (2)
(式中、nは2以上の整数であり、Zは塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化イオン、HSO又は酢酸イオン等の有機アニオンを示す。)
で表されるアルキルトリメチルアンモニウムハライド、アルキルアルコール、脂肪酸等が挙げられる。また、このような界面活性剤としては、炭素数が10〜26の長鎖アルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムハライドが好ましく、中でも、デシルトリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムハライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムハライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムハライド、エイコシルトリメチルアンモニウムハライド、ドコシルトリメチルアンモニウムハライドがより好ましい。
このような界面活性剤は、前記シリカ原料と共に溶媒中で複合体を形成する。複合体中のシリカ原料は反応によりケイ素酸化物へと変化するが、界面活性剤が存在している部分ではケイ素酸化物が生成しないため、界面活性剤が存在している部分に孔が形成されることになる。すなわち、界面活性剤はシリカ原料中に導入されて孔形成のためのテンプレートとして機能する。本発明において、界面活性剤は1種類もしくは2種類以上を組み合わせて用いることが可能であるが、上記のように界面活性剤はシリカ原料の反応生成物に孔を形成させる際のテンプレートとして働き、その種類は多孔体の孔の形状に大きな影響を与えるため、より均一な細孔径を有する多孔体を得るという観点からは、界面活性剤は1種類のみを用いることが好ましい。なお、前記界面活性剤は、粉末のままで添加してもよいが、少量の水に溶解させて添加してもよい。
また、前記溶媒としては、シリカ系メソ多孔体を製造する際に用いることが可能な公知の溶媒を適宜用いることができる。このような溶媒としては、アルコールの含有量が80容量%以下の水系溶媒を用いることが好ましい。また、前記多孔体前駆体を薄膜状とする場合には、前記シリカ原料中に前記水系溶媒を添加し、室温で数分ないし3時間程度攪拌した後に界面活性剤を添加することが好ましい。また、多孔体前駆体を薄膜状とする場合には、溶媒にpH調整剤として少量の酸を添加することが好ましく、pH値は1〜4の範囲に調整することが好ましい。このようにして酸を添加することで各成分が溶解し、均一な溶液が調製できる傾向にある。また、前記酸としては希塩酸(例えば2規定)、硝酸、硫酸等が挙げられ、希塩酸(例えば2規定)を好適に用いることができる。
また、前記多孔体前駆体を粒子状とする場合には、前記水系溶媒中の水とアルコールとの比率を変化させることにより、粒径の均一性を高水準に保持しつつ、得られるシリカ系メソ多孔体の粒径を容易に制御することができる。例えば、水の比率が高い場合は多孔体が析出し易くなるために粒径が小さくなり、逆にアルコールの比率が高い場合は大きい粒径の多孔体を得ることができる。なお、粒子状の多孔体を形成させる場合には、塩基性条件下でシリカ原料等を混合することが好ましい。このような塩基性条件下で反応させた場合には、酸性条件で反応させる場合と比較して、ケイ素原子の反応点が増加し、耐湿性や耐熱性等の物性に優れたケイ素酸化物を得ることができる傾向にある。このような塩基性条件としては、溶媒のpH値が7.5〜13であることが好ましい。
さらに、前記シリカ原料の混合物および前記界面活性剤を前記溶媒中で混合して多孔体前駆体を得る際には、界面活性剤の含有量を、前記混合物中のシリカ原料1モルに対して、0.1〜3モルとすることが好ましい。界面活性剤の含有量が前記上限を超えるとメソ多孔体の形成に寄与しない余剰の界面活性剤が試料中に混在する傾向にあり、他方、前記下限未満では、メソ多孔体の形成に寄与しない余剰のSiが混在し、また、シリカ層が厚くなり細孔容積が減少する傾向にある。
また、前述の第1の工程における反応条件(反応温度、反応時間等)は特に制限されず、反応温度としては、例えば−20℃〜90℃とすることが好ましい。また、前記多孔体前駆体を薄膜状とする場合には、10℃〜40℃とすることが好ましく、粒子状とする場合には0℃〜80℃(更に好ましくは10℃〜40℃)とすることがより好ましい。なお、具体的な反応条件は、用いるシリカ原料の種類や目的とする多孔体の形状等に基づいて適宜決定することが好ましい。
また、前記多孔体前駆体を薄膜状とする場合には、前記シリカ原料の混合物及び前記界面活性剤を前記溶媒中で混合して得られた溶液を基板上にコートして反応させることにより、全体を均一なまま固化させることができ、薄膜状の多孔体前駆体を得ることが可能となる。このような溶液を基板にコートする方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、スピンコート法、キャステイング法、ディップコート法等を採用することができる。
一方、前記多孔体前駆体を粒子状とする場合には、前記シリカ原料の混合物および前記界面活性剤を前記溶媒中で混合して得られた溶液を用いて、前記シリカ原料をそのまま反応させればよい。また、前記多孔体前駆体を粒子状とする場合には、反応は撹拌状態で進行させることが好ましい。
(第2の工程)
次に、第2の工程について説明する。第2の工程は、前記多孔体前駆体に含まれている前記界面活性剤を除去し、多孔体を得る工程である。
このような界面活性剤を除去する方法としては、例えば、有機溶媒で処理する方法、イオン交換法等を挙げることができる。このような有機溶媒で処理する方法を採用する場合においては、界面活性剤に対する溶解度が高い良溶媒中に多孔体前駆体を浸漬して界面活性剤を抽出する。イオン交換法を採用する場合においては、多孔体前駆体を酸性溶液(少量の塩酸を含むエタノール等)に浸漬し、例えば50〜70℃で加熱する。これにより、多孔体前駆体の孔中に存在する界面活性剤が水素イオンでイオン交換される。なお、イオン交換により孔中には水素イオンが残存することになるが、水素イオンのイオン半径は十分小さいため孔の閉塞の問題は生じない。
(第3の工程)
第3の工程は、前記多孔体中のシリカに導入されたイオン交換能官能基の前駆体を、イオン交換能官能基に変換する処理を施して、シリカ系メソ多孔体を得る工程である。
このようなイオン交換能官能基の前駆体をイオン交換能官能基に変換する方法としては、前記前駆体をイオン交換能官能基に変換することが可能な方法であればよく、特に制限されず、イオン交換能官能基の前駆体の種類及び変換するイオン交換能官能基の種類等に応じて様々な方法を採用することができ、前記前駆体を、スルホン酸、カルボン酸基等のイオン交換能官能基に変換させることが可能な公知の方法を適宜採用してもよい。
このようなイオン交換能官能基に変換する処理としては、例えば、イオン交換能官能基の前駆体の官能基がメルカプト基であり、これをスルホン酸基に変換する場合には、酸化剤を用いて酸化せしめる方法を採用することができる。このような酸化剤を用いて酸化する方法としては特に制限されず、酸化剤を用いてメルカプト基を酸化してスルホン酸基に変換することが可能な方法であればよい。また、前記酸化剤としては、メルカプト基を酸化してスルホン酸基に変換することが可能なものであればよく、特に制限されず、例えば、過酸化水素、硝酸、硫酸、クラウンエーテル等が挙げられる。このような酸化剤の中でも、反応性の高さ、細孔の保持等の観点から、過酸化水素が好ましい。また、このような酸化剤を用いて酸化する方法における反応温度、反応時間等の条件は特に制限されるものではないが、反応温度は100℃以下(より好ましくは10〜80℃)であることが好ましく、反応時間は30分〜6時間以内であることが好ましい。このような反応温度及び反応時間が前記下限未満では、メルカプト基の酸化が起こりにくく、メルカプト基を酸化してスルホン酸基に変換することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、シリカ系メソ多孔体の細孔が一部崩壊する傾向にある。
また、このようなイオン交換能官能基に変換する処理としては、イオン交換能官能基の前駆体の官能基がシアノ基であり、これをカルボン酸基に変換する場合においては、酸化剤を用いて酸化せしめる方法を採用することができる。このような酸化剤としては、シアノ基を酸化してカルボン酸基に変換することが可能なものであればよく、特に制限されず、例えば、硫酸、塩酸、酢酸、ギ酸等の酸や過酸化水素、クラウンエーテル等が挙げられる。このような酸化剤の中でも、反応性の高さ、細孔の保持等の観点から、硫酸が好ましい。また、このような酸化剤を用いて酸化する方法における反応温度、反応時間等の条件は特に制限されるものではないが、濃度が1mol/L以上の硫酸を用いる場合は、25〜150℃(より好ましくは50〜130℃)の温度条件で1〜24時間程度、加熱還流することが好ましい。
また、イオン交換能官能基の前駆体の官能基がクロロスルフォニル基であり、これをスルホン酸基に変換する場合には、前述の第2の工程において酸性溶液を用いて界面活性剤を抽出する際に、併せて前記酸性溶液によりクロロスルフォニル基をスルホン酸基に交換する方法を採用してもよい。
以上、本発明の固体電解質を製造するための好適な方法について説明したが、本発明の固体電解質を製造するための方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、細孔壁表面のケイ素原子に、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を介して、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したシリカ系メソ多孔体を製造することが可能な方法を適宜採用できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、下記一般式(3):
(式中、Meはメチル基を示す。)
で表される2−(4−クロロサルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン(CSPETMS)0.50gと、テトラメトキシシラン(TMOS)0.60gとを乾燥窒素気流中で予め混合して得られたシリカ原料(TMOSとCSPETMSのモル比:TMOS/CSPETMS=2.55)に、エタノール(5.0ml)を添加した後、更に、HO(993μl)と2規定のHCl(7μl)とを混合し、室温(25℃)条件下、200rpmの条件で1時間撹拌して、TMOS/CSPETMSゾル溶液を得た。次に、得られたTMOS/CSPETMSゾル溶液に対して、界面活性剤であるオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C18TMACl)0.81gと、エタノール(10ml)と、HO(0.1ml)と、2規定のHCl(10μl)との混合物を添加し、300rpmの条件で2時間撹拌し、混合溶液を得た。
次いで、4端子電極基板(縦40mm、横20mm、電極の種類:白金電極、電極2(c)と電極2(d)との間隔X:5mm、電極2(a)と電極2(b)との間隔Y:2mm、電極2(a)と電極2(d)との間隔Z:1mm、電極2(b)と電極2(c)との間隔W:1mm、電極2(c)の幅V:5mm、電極2(d)の幅U:5mm)に対して、ディップコート法により膜厚が300nmとなるようにして、前記混合溶液をコートし、コート膜積層基板を得た。次に、前記コート膜積層基板をオートクレーブに入れた後、コート膜に対してTMOS(150μl)を添加し、120℃の温度条件で2時間処理した。次いで、前記コート膜に対して、28容量%のNH水溶液(100μl)を添加し、100℃で2時間処理した後、薄膜を100℃の温度条件で1時間乾燥させて、界面活性剤が導入された多孔体前駆体からなる薄膜を得た。その後、エタノールで希釈した1質量%のHCl溶液を用いて、60℃の温度条件下において、前記多孔体前駆体から界面活性剤を抽出するとともに、細孔内のクロロスルフォニル基をスルホン酸基に交換せしめて、細孔表面のケイ素原子にエチレン基を介してフェニルスルホン酸基が結合した薄膜状のシリカ系メソ多孔体(本発明の固体電解質)を得た。なお、このような固体電解質薄膜が積層した4端子電極基板の模式図を図1に示す。図1中、符号1は基板を示し、符号2(a)〜(d)は白金電極を示し、符号3は固体電解質薄膜を示す。
なお、このようにして得られたシリカ系メソ多孔体においては、メソ多孔体中のケイ素原子の総量に対する、エチレン基を介してフェニルスルホン酸基が結合したケイ素原子の含有比率が28モル%であった。
(比較例1)
テトラメトキシシラン(TMOS)1.06gと、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)0.58gとを乾燥窒素気流中で予め混合して得られたシリカ原料(TMOSとMPTMSのモル比:TMOS/MPTMS=2.3)に、エタノール(5.0ml)を添加した後、更に、HO(993μl)と2規定のHCl(7μl)とを混合し、室温(25℃)条件下、200rpmの条件で1時間撹拌して、TMOS/MPTMSゾル溶液を得た。次に、得られたTMOS/MPTMSゾル溶液に対して、界面活性剤であるオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C18TMACl)1.01gと、エタノール(10ml)と、HO(0.1ml)と、2規定のHCl(10μl)との混合物を添加し、更に、H(30質量%水溶液)を5.0g加え、300rpmの条件で2時間撹拌し、混合溶液を得た。
次いで、実施例1で用いたものと同様の4端子電極基板に対して、ディップコート法により膜厚が300nmとなるようにして、前記混合溶液をコートし、コート膜積層基板を得た。次に、前記コート膜積層基板をオートクレーブに入れた後、コート膜に対してTMOS(150μl)を添加し、120℃の温度条件で2時間処理した。次いで、前記コート膜に対して、28容量%のNH水溶液(100μl)を添加し、100℃で2時間処理した後、薄膜を100℃の温度条件で1時間乾燥させて、界面活性剤が導入された多孔体前駆体からなる薄膜を得た。その後、エタノールで希釈した1質量%のHCl溶液を用いて、60℃の温度条件下において、前記多孔体前駆体から界面活性剤を抽出して、細孔表面のケイ素原子にプロピルスルホン酸基が結合した薄膜状のシリカ系メソ多孔体(比較のための固体電解質)を得た。なお、このような固体電解質薄膜が積層した4端子電極基板の形状は図1に示すものと同様のものである。
なお、このようにして得られたシリカ系メソ多孔体においては、メソ多孔体中のケイ素原子の総量に対する、プロピルスルホン酸基が結合したケイ素原子の含有比率が30モル%であった。
(比較例2)
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C18TMACl)16.665g(47.88mmol)、イオン交換水500g及び6NのNaOH水溶液40g(NaOH含有量:200mmol)を1000mlナス型フラスコに入れ、50〜60℃で攪拌して透明な溶液を得た。この溶液を室温(25℃)まで冷却した後、激しく攪拌しながら1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン(以下、「BTEB」という)20g(49.67mmol)を加え、さらにフラスコを手で揺らしながら20分間の超音波処理を行って溶液中にBTEBを分散させた。得られた反応混合物を95〜98℃で20時間静置したところ、白色沈殿が生成した。反応混合物を冷却せずに濾過して沈殿を回収し、界面活性剤を含有する多孔体前駆体8.22gを得た。
次に、得られた多孔体前駆体1gを、36質量%の塩酸を含有する塩酸−エタノール混合溶液250mlに分散し、70℃で8時間攪拌した。その後、濾過により沈殿を回収し、無水エタノール250mlを用いた洗浄、風乾、並びに室温、10−2〜10−3Torrでの真空乾燥を順次行い、メソ多孔体を得た。
次いで、得られたメソ多孔体と、パーフルオロスルホン酸(Nafion、du Pont社製)のエタノール溶液(パーフルオロスルホン酸の含有率:5質量%)とを、式:[メソ多孔体の配合量]/[メソ多孔体とパーフルオロスルホン酸との配合量の和]で表される混合比が質量換算で0.60となるようにして混合して、ペースト化し、これを乾燥した後、錠剤成型器で圧力1100kg/cmで成形し、直径10mmのペレットを得ることにより、細孔表面のケイ素原子に直接フェニルスルホン酸基が結合したシリカ系メソ多孔体(比較のための固体電解質)を得た。このようにして得られたシリカ系メソ多孔体中のスルホン酸基中のH量を、酸−塩基滴定法により測定したところ、細孔内に導入されたスルホン酸基中のH量は0.5mmol/gであることが確認され、十分なイオン伝導度を示すのに必要な量のスルホン酸基が細孔内に導入されていないことが分かった。このような結果から、細孔表面のケイ素原子に直接フェニルスルホン酸基が結合したシリカ系メソ多孔体を用いた場合には、プロトン伝導度が十分なものとはならないことが分かった。
[実施例1及び比較例1で得られた固体電解質の特性の評価]
〈XRD測定〉
実施例1で得られた固体電解質に対してX線回折(XRD)測定を行った。得られたXRDパターンのグラフを図2に示す。図2に示す結果からも明らかなように、XRDパターンにメソ細孔に帰属されるピーク(4.05nmのd値に相当する回折角度でのピーク)が確認されたことから、実施例1で得られた固体電解質薄膜がメソ細孔を有することが確認された。
また、比較例1で得られた固体電解質に対してもX線回折(XRD)測定を行ったところ、XRDパターンにメソ細孔に帰属されるピーク(d=3.78)が確認された。
〈透過型電子顕微鏡(TEM)による測定〉
実施例1で得られた固体電解質薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM)により観測した。得られた透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示す。図3に示す結果からも明らかなように、細孔構造は、いわゆる虫食い状であることが分かった。また、図3に示す結果から、平均細孔径が2.5nmであり、細孔壁の壁厚が1.5nmであることが確認された。
また、比較例1で得られた固体電解質薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM)により観測したところ、比較例1で得られた固体電解質薄膜においても、多孔体の平均細孔径が2.5nmであり、細孔壁の壁厚が1.5nmであることが確認された。
〈窒素吸着等温線の測定〉
実施例1で得られた固体電解質薄膜の窒素吸着等温線を測定した。すなわち、実施例1で得られた固体電解質薄膜を、液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガス吸着量をプロットした。得られた窒素吸着等温線を図4に示す。図4に示す結果からも明らかなように、窒素吸着等温線はメソ多孔体に特有のIV型を示すことが確認された。また、このような窒素吸着等温線から、実施例1で得られた固体電解質薄膜においては、多孔体のBET比表面積は187m/gであり、BJH法により算出して得られた多孔体の中心細孔直径は2.5nmであることが確認された。
また、同様にして、比較例1で得られた固体電解質薄膜の窒素吸着等温線を測定したところ、比較例1で得られた固体電解質薄膜においては、多孔体のBET比表面積は350m/gであり、多孔体の中心細孔直径は2.5nmであることが確認された。
〈導入されたスルホン酸基の量の測定〉
実施例1及び比較例1で得られた固体電解質の細孔内に導入されたスルホン酸基中のH量を酸−塩基滴定法により測定した。このような測定の結果、各固体電解質中のスルホン酸基の量は、それぞれ1.3mmol/g(実施例1)、1.5mmol/g(比較例1)であることが確認された。
〈プロトン伝導度の測定〉
実施例1及び比較例1で得られた固体電解質薄膜のプロトン伝導度を4端子直流法により測定した。このようなプロトン伝導度の測定に用いた装置の模式図を示す図5に示す。このようなプロトン伝導度の測定に際しては、実施例1及び比較例1で得られた固体電解質薄膜が積層した4端子電極基板1をそれぞれ用いて、基板1の両端の電極2(c)及び電極2(d)にピコアンメータ5を取り付け、0.5Vを印加した際の電流値を測定した。また、中央の2本の電極2(a)及び電極2(b)に電圧計6を取り付けて電圧を測定した。そして、測定された電流と電圧から抵抗値を算出し、プロトン伝導度を求めた。なお、このような測定は、各4端子電極基板をそれぞれガス流通管7中に配置し、30℃の温度条件下で1容量%のHを含むガス(窒素希釈)を流通させ、相対湿度を10〜90%の範囲で変更しながら行った。相対湿度と、プロトン伝導度との関係を示すグラフを図6に示す。
図6に示す結果からも明らかなように、細孔壁表面のケイ素原子にアルキル鎖(アルキレン基)を介して、ベンゼンスルホン酸基が結合したシリカ系メソ多孔体の薄膜からなる本発明の固体電解質(実施例1)は、十分に高度なプロトン伝導性を有し、しかも、低湿度側においても、細孔壁表面のケイ素原子にアルキルスルホン酸基が直接結合した薄膜状のシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質(比較例1)と比較して、十分に高いプロトン伝導度を示すことが確認された。このような結果から、本発明の固体電解質においては、低湿度条件下においても十分に高いプロトン伝導度を発現させることが可能であることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、十分に高い耐水性を有するとともに、十分に優れたプロトン伝導性を有し、低湿度条件下においても十分に高いプロトン伝導度を発現させることが可能な固体電解質を提供することが可能となる。したがって、本発明の固体電解質は、特に、燃料電池の固体電解質膜用の材料等として有用である。
実施例1で得られた固体電解質の薄膜が積層した4端子電極基板の模式図である。 実施例1で得られた固体電解質のXRDパターンのグラフである。 実施例1で得られた固体電解質薄膜の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 実施例1で得られた固体電解質薄膜の窒素吸着等温線を示すグラフである。 プロトン伝導度の測定に用いた装置の模式図である。 実施例1及び比較例1で得られた固体電解質薄膜のプロトン伝導度と、相対湿度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…4端子電極基板、2(a)〜(d)…白金電極、3…固体電解質薄膜、5…ピコアンメータ、6…電圧計、7…ガス流通管、A…ガスの流通方向、X…電極2(c)と電極2(d)との間隔、Y…電極2(a)と電極2(b)との間隔、Z…電極2(a)と電極2(d)との間隔、W…電極2(b)と電極2(c)との間隔、V…電極2(c)の幅、U…電極2(d)の幅。

Claims (7)

  1. メソ細孔を有するシリカ系メソ多孔体からなる固体電解質であって、
    前記シリカ系メソ多孔体が、前記メソ細孔の細孔壁表面のケイ素原子に、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種の2価の炭化水素基を介して、イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が結合したものであること、及び、
    前記イオン交換能官能基を有する芳香環含有基が前記2価の炭化水素基を介して結合したケイ素原子の含有比率が、前記シリカ系メソ多孔体中のケイ素原子の総量に対して2モル%以上30モル%未満の範囲にあること、
    を特徴とする固体電解質。
  2. 前記芳香環含有基中の芳香環の数が1〜4であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記芳香環含有基が、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、テトラセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クワドロフェニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、テトラフェニル基、ピレニル基及びトリフェニレニル基からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質。
  4. 前記イオン交換能官能基が、スルホン酸基、リン酸基及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の基であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の固体電解質。
  5. 前記2価の炭化水素基が、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、及び、炭素数2〜6のアルキニレン基からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の固体電解質。
  6. 前記シリカ系メソ多孔体のメソ細孔の中心細孔直径が1nm〜20nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の固体電解質。
  7. 前記シリカ系メソ多孔体の形状が薄膜状又は粒子状であることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の固体電解質。
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