JP4956940B2 - 状態量測定装置 - Google Patents

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Description

この発明に係る状態量測定装置は、例えば車両(自動車)の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する車輪支持用転がり軸受ユニットに組み込んで、この車輪に加わる荷重の大きさを測定し、車両の安定運行の確保に利用する。
例えば、車両の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、転がり軸受ユニットを使用する。又、車両の走行安定性を確保する為に、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)等の車両の走行状態安定化装置が広く使用されている。これらABSやTCS等の走行状態安定化装置によれば、制動時や加速時に於ける車両の走行状態を安定させる事はできるが、より厳しい条件でもこの安定性の確保を図る為には、車両の走行安定性に影響するより多くの情報を取り入れて、ブレーキやエンジンの制御を行なう事が必要になる。
即ち、上記ABSやTCS等の従来の走行状態安定化装置の場合には、タイヤと路面との滑りを検知してブレーキやエンジンを制御する、所謂フィードバック制御を行なっている為、これらブレーキやエンジンの制御が一瞬とは言え遅れる。言い換えれば、厳しい条件下での性能向上を図るべく、所謂フィードフォワード制御により、タイヤと路面との間に滑りが発生しない様にしたり、左右の車輪の制動力が極端に異なる所謂ブレーキの片効きを防止する事はできない。
この様な問題に対応すべく、上記フィードフォワード制御等を行なう為には、懸架装置に対して車輪を支持する為の転がり軸受ユニットに、この車輪に加わるラジアル荷重とアキシアル荷重とのうちの一方又は双方を測定する為の荷重測定装置を組み込む事が考えられる。この様な場合に使用可能な荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニットとして従来から、特許文献1〜5に記載されたものが知られている。
このうちの特許文献1には、ラジアル荷重を測定自在な、荷重測定装置付転がり軸受ユニットが記載されている。この従来構造の第1例の場合には、非接触式の変位センサにより、回転しない外輪と、この外輪の内径側で回転するハブとの径方向に関する変位を測定する事により、これら外輪とハブとの間に加わるラジアル荷重を求める様にしている。求めたラジアル荷重は、ABSを適正に制御する他、積載状態の不良を運転者に知らせる為に利用する。
又、特許文献2には、転がり軸受ユニットに加わるアキシアル荷重を測定する構造が記載されている。この特許文献2に記載された従来構造の第2例の場合、外輪の外周面に設けた固定側フランジの内側面複数個所で、この固定側フランジをナックルに結合する為のボルトを螺合する為のねじ孔を囲む部分に、それぞれ荷重センサを添設している。上記外輪を上記ナックルに支持固定した状態でこれら各荷重センサは、このナックルの外側面と上記固定側フランジの内側面との間で挟持される。この様な従来構造の第2例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、車輪と上記ナックルとの間に加わるアキシアル荷重は、上記各荷重センサにより測定される。
又、特許文献3には、外輪の円周方向4個所位置に支持した変位センサユニットとハブに外嵌固定した断面L字形の被検出リングとにより、上記4個所位置での、上記外輪に対する上記ハブの、ラジアル方向及びアキシアル方向の変位を検出し、各部の検出値に基づいて、このハブに加わる荷重の方向及びその大きさを求める構造が記載されている。
又、特許文献4には、一部の剛性を低くした外輪相当部材に動的歪みを検出する為のストレンゲージを設け、このストレンゲージが検出する転動体の通過周波数から転動体の公転速度を求め、この公転速度から、転がり軸受に加わるアキシアル荷重を測定する方法が記載されている。
更に、特許文献5には、互いに逆方向の接触角を付与された転動体の公転速度が荷重の作用方向及び大きさにより変化する事を利用して、静止側軌道輪である外輪と、回転側軌道輪であるハブとの間に作用するラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方を求める構造が記載されている。
又、未公開ではあるが例えば特願2005−147642号には、回転側軌道輪に支持したエンコーダと静止側軌道輪に支持したセンサとにより、これら両軌道輪同士の間の変位を測定し、この変位から、これら両軌道輪同士の間に加わる荷重を求める構造が開示されている。この先発明に係る荷重測定装置は、上記回転側軌道輪の一部に、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させたエンコーダを、この回転側軌道輪と同心に支持している。又、上記センサは、検出部を上記被検出面に対向させた状態で、上記静止側軌道輪等の回転しない部分に支持され、この被検出面の特性変化に対応してその出力信号を変化させる。そして、演算器が、上記センサの出力信号に基づいて上記両軌道輪同士の間に作用する荷重を算出する様にしている。この為に、上記被検出面の特性が円周方向に関して変化するピッチ若しくは位相を、検出すべき荷重の作用方向に応じて連続的に変化させており、上記演算器は、上記センサの出力信号が変化するパターンに基づいて上記荷重を算出する機能を有する。
図11は、上記特願2005−147642号に開示された発明に即した構造の1例を示している。この先発明に係る構造は、懸架装置に支持された状態で回転しない静止側軌道輪である外輪1の内径側に、車輪を支持固定(結合固定)した状態でこの車輪と共に回転する、回転側軌道輪であるハブ2を、複数個の転動体3、3を介して回転自在に支持している。そして、このハブ2の中間部にエンコーダ4を外嵌固定すると共に、上記外輪1の軸方向中間部で複列に配置された上記各転動体3、3の間部分にセンサユニット5を、上記外輪1に形成した取付孔6を、この外輪1の径方向外方から内方に挿通する状態で設けている。上記センサユニット5の先端部でこの外輪1の内周面から突出した部分には1対のセンサ7a、7bを、この外輪1の軸方向(図11の左右方向)に離隔した状態で設けている。そして、これら両センサ7a、7bの検出部を、被検出面である上記エンコーダ4の外周面に近接対向させている。尚、これら両センサ7a、7bの検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込む事が適切である。
上記エンコーダ4は、支持板8と永久磁石9とを、この永久磁石9の厚さ方向(図11の上下方向)に積層して成る。即ち、上記支持板8は、軟鋼板等の磁性金属板を曲げ形成したもので、互いに同心である内径側の嵌合筒部10と外径側の支持筒部11との軸方向端縁同士を連続部12により連結し、断面クランク形で全体を円環状に形成して成る。上記永久磁石9は、この様な支持板8のうちの支持筒部11の外周面に、焼き付け、接着等により、全周に亙って支持固定している。又、上記嵌合筒部10を上記ハブ2の中間部に、締り嵌めで外嵌する事により、上記エンコーダ4をこのハブ2の中間部外周面に支持固定している。
又、上記エンコーダ4の被検出面である、上記永久磁石9の外周面には、N極に着磁した部分とS極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これらN極に着磁された部分とS極に着磁された部分との境界は、上記エンコーダ4の軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ4の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)、「く」字形となっている。
又、上記両センサ7a、7bの検出部が上記永久磁石9の外周面に対向する位置は、上記エンコーダ4の円周方向に関して同じ位置としている。言い換えれば、上記両センサ7a、7bの検出部は、上記外輪1の中心軸を含む同一仮想平面上に配置されている。又、この外輪1と上記ハブ2との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分との軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ7a、7bの検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材4、7a、7bの設置位置を規制している。この様に、上記境界の傾斜方向が変化する部分を上記中央位置に存在させる事で、内外輪の温度差や熱膨張等の変形による誤差(変位が生じていなくても内外輪の温度差によって位相差が生じる、所謂オフセット)を小さく抑えられる様にしている。
上述の図11に示した構造の場合には、エンコーダ4をハブ2の外周面中間部に外嵌すると共に、センサユニット5を外輪1の中間部に形成した取付孔6に挿入しているが、前記特願2005−147642号に開示された発明は、図12に示した構造で実施する事もできる。即ち、エンコーダ4aを構成する支持板8aの基端部に形成した嵌合筒部10aを、ハブ2の内端部に締り嵌めで外嵌固定すると共に、外輪1の開口端部に被着したカバー13に、センサユニット5aを保持固定する。そして、このセンサユニット5aを構成する1対のセンサ7a、7bの検出部を、上記エンコーダ4aを構成する永久磁石9の外周面に近接対向させる。
何れの構造でも、先発明の荷重測定装置の場合には、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用すると、上記両センサ7a、7bの出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用しておらず、これら外輪1とハブ2とが相対変位していない、中立状態では、上記両センサ7a、7bの検出部は、図13の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ7a、7bの出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。
これに対して、上記エンコーダ4(4a)を固定したハブ2に、図13の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用し(外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位し)た場合には、上記両センサ7a、7bの検出部は、図13の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ7a、7bの出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ4(4a)を固定したハブ2に、図13の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ7a、7bの検出部は、図13の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ7a、7bの出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に先発明の荷重測定装置の場合には、上記両センサ7a、7bの出力信号の位相が、上記外輪1とハブ2との間に加わるアキシアル荷重の方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ7a、7bの出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。従って、上記先発明に係る荷重測定装置の場合には、上記両センサ7a、7bの出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ2との間に作用しているアキシアル荷重の方向及び大きさを求められる。
尚、図11〜12は、エンコーダ4(4a)を構成する永久磁石9を、外周面を被検出面とした円筒状とし、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪1とハブ2との間のアキシアル方向の相対変位、更には、これら外輪1とハブ2との間に加わるアキシアル荷重を求める構造に就いて示している。これに対して、エンコーダを構成する永久磁石を円輪状とすると共に、この永久磁石の軸方向側面を被検出面とし、1対のセンサを、この被検出面のうちで径方向に離隔した2個所位置に近接対向させる構造を採用する事もできる。この様な構造を採用した場合には、上記両センサの検出信号同士の間に存在する位相のずれに基づいて、ラジアル方向の相対変位、更には、ラジアル荷重を求められる。
先発明に係る荷重測定装置を何れの構造で実施するにしても、各センサに達する磁束の密度が十分に高い事が、回転部材と静止部材との間に作用する荷重測定に関する信頼性を確保する為には重要である。一方、車輪支持用転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する為の装置を実施する場合、永久磁石を含むエンコーダの設置スペースは限られており、この永久磁石の被検出面の幅寸法をあまり大きくはできない。そして、この幅寸法が限られた条件で実施し、しかも、上記信頼性を確保する為には、上記各センサが永久磁石の被検出面の幅方向端部に対向した場合でも、これら各センサに達する磁束の密度が十分に高くなる様にする必要がある。この点に就いて、図14を参照しつつ説明する。
前述の特願2005−147642号に開示された先発明の構造を含め、従来から知られている、永久磁石を含んで構成するエンコーダの場合、図14の下部に示す様に、永久磁石9の厚さ寸法が、被検出面の幅方向に関して均一であった。一方、この永久磁石9の被検出面に存在するN極から出てS極に入る磁束の密度は、図14の上部に示す様に、この被検出面の幅方向中間部に存在する安定領域ではほぼ均一であるが、幅方向両端部では、端縁に向かうに従って急激に低下する。そして、上記永久磁石9の被検出面の幅寸法Wを小さくし、上記安定領域の幅wがそれに伴って小さくなると、検出すべき変位が大きくなった場合に、何れかのセンサの検出部が上記安定領域からはみ出し、当該センサの検出部に達する磁束の密度が極端に低下する可能性がある。この様な場合には、当該センサが十分に大きな信号を出力せず、この信号による変位、更には荷重の測定を行なえなくなる可能性がある。
この様な原因での測定の信頼性低下を防止する為には、上記エンコーダを構成する永久磁石として、希土類磁石等の磁気強度が強いものを使用したり、この永久磁石の厚さ寸法を大きくしたりして、この永久磁石の被検出面部分で出入りする磁束の密度を全体的に高くする事が考えられる。但し、この様な対策の場合、コストが嵩むだけでなく、被検出面の幅方向中間部の安定領域部分の磁束密度が過度に高くなって、センサの検出信号処理の為の閾値の設定が難しくなる等の問題を生じる可能性がある。
特開2001−21577号公報 特開平3−209016号公報 特開2004−3918号公報 特公昭62−3365号公報 特開2005−31063号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、永久磁石を含むエンコーダの被検出面部分で出入りする磁束の密度を、この被検出面の幅方向全体で十分に、しかも低コストで高くでき、センサによる上記エンコーダの挙動の測定を高い信頼性で行なえる、安価な構造を実現すべく発明したものである。
本発明の状態量測定装置は、エンコーダと、センサと、演算器とを備える。
このうちのエンコーダは、回転部材の一部に支持されて、この回転部材と共に回転するもので、この回転部材の回転中心と同心でこの回転部材の回転方向に対し直角方向をその幅方向とする被検出面を備える。そして、この被検出面にS極とN極とを交互に配置した永久磁石を含んで構成している。
又、上記センサは、検出部を上記エンコーダの被検出面に、このエンコーダの厚さ方向に対向させた状態で、静止部材に支持されている。
又、上記演算器は、上記センサの出力信号に基づいて、上記静止部材と上記回転部材との間で相対的に変化する状態量を求める機能を有する。
特に、本発明の状態量測定装置に於いては、円周方向に隣り合うS極とN極との境界の方向を、上記被検出面の幅方向に対し傾斜させていると共に、この幅方向に対する傾斜方向をこの被検出面の幅方向中間部を境に互いに逆方向としている。
又、上記被検出面の幅方向端部での上記永久磁石の厚さ寸法を、この被検出面の幅方向中央部でのこの永久磁石の厚さ寸法よりも大きくしている。
又、上記センサを、それぞれの検出部をこの被検出面のうちこの被検出面の幅方向中間部を挟んでこの幅方向に離隔した2個所位置に対向させた、1対のセンサとしている。
そして、上記演算器に、これら両センサの出力信号の位相のずれに基づいて、上記回転部材と上記静止部材との上記被検出面の幅方向に関する相対的変位を求める機能を持たせている。
上述の様に構成する本発明の状態量測定装置の場合には、上記永久磁石の厚さ寸法が、被検出面の幅方向端部で厚くなっている。この被検出面の幅方向端部は、それ以上先には永久磁石が存在しない事で、磁束密度が低くなる傾向になる。これに対して、この永久磁石の厚さ寸法を大きくした場合には、当該部分の磁束密度が高くなる傾向になる。この様に上記被検出面の幅方向端部は、面方向の広がりとの関係で磁束密度が低くなる代わりに、厚さ寸法が大きい事で磁束密度が高くなる傾向になる。そして、これら2通りの原因での磁束密度の変化が互いに打ち消しあって、上記被検出面の幅方向端部の磁束密度が、幅方向中間部の磁束密度よりも低くなる事を抑えられる。この結果、本発明によれば、永久磁石を含むエンコーダの被検出面部分で出入りする磁束の密度を、この被検出面の幅方向全体で十分に、しかも低コストで高くでき、センサによる上記エンコーダを支持した回転部材の挙動測定を高い信頼性で行なえる、安価な構造を実現できる。
更に、本発明の構造の場合、センサの検出部とエンコーダを構成する永久磁石の被検出面とが、この被検出面の幅方向に変位する事を前提として構成している。従って、この被検出面の幅寸法を徒に大きくする事なく、上記相対的変位の検出可能範囲を確保する為には、この被検出面の幅方向端部での磁束密度を確保する事の重要性が大きい。言い換えれば、本発明を適用する事により得られる効果が大きい。
本発明を実施する場合に、被検出面の幅方向端部で永久磁石の厚さ寸法を大きくする為の構造は、特に問わないが、例えば、請求項2〜3に記載した様に、エンコーダとして、磁性金属板製の支持板と永久磁石とを、この永久磁石の厚さ方向に積層して成るものを採用する事が、被検出面から出入りする磁束の密度を高くする面からは好ましい。
そして、請求項2に記載した構造の場合には、上記永久磁石の被検出面の断面形状を直線とする。これに対して、上記支持板のうちでこの永久磁石の幅方向端部を接合すべき部分を、幅方向中央部を接合すべき部分に比べて、上記被検出面からの距離が大きくなる方向に凹ませる。
一方、請求項3に記載した構造の場合には、上記支持板のうちで上記永久磁石を接合すべき部分の断面形状を直線とする。これに対して、この永久磁石の被検出面のうちの幅方向端部を幅方向中央部に比べて、上記支持板のうちでこの永久磁石を接合すべき部分からの距離が大きくなる方向に突出させる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、回転部材を、転がり軸受ユニットを構成して使用時に回転する回転側軌道輪とし、静止部材を、この転がり軸受ユニットを構成して使用時にも回転しない静止側軌道輪又はこの静止側軌道輪を支持固定する部材とする。そして、演算器に、この静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との相対変位に基づいて、これら両軌道輪同士の間に作用する荷重を求める機能を持たせる。
この様な構成を採用すれば、各種回転部材を支持した転がり軸受ユニット部分に加わる荷重を測定して、例えば自動車の走行安定性確保の為の制御、或いは各種工作機械や各種産業機械装置の適正な運転状態確保の為の制御を行なう為に必要な信号を得られる。
図1は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、エンコーダ14を構成する永久磁石15の被検出面である、この永久磁石15の外周面から出入りする磁束の密度を、この外周面の全幅に亙って均一にする為の構造にある。上記エンコーダ14を組み込んで、転がり軸受ユニットを構成する1対の軌道輪同士の間の相対的変位、更にはこれら両軌道輪同士の間に作用する荷重を求める為の構造及び作用に就いては、前述の図11に示した先発明に係る構造の場合と同様である。就いては、この先発明に係る構造と同様の部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の、上記エンコーダ14は、支持板16と、上記永久磁石15とを、この永久磁石15の厚さ方向に積層して成る。この支持板16は、軟鋼板等の磁性金属板を曲げ形成したもので、互いに同心である内径側の嵌合筒部17と外径側の支持筒部18との軸方向端縁同士を連続部19により連結し、断面クランク形で全体を円環状に形成して成る。上記支持筒部18は、軸方向中間部に断面形状が直線状である円筒面部20を、軸方向両端部に、この円筒面部20から離れる程外径寸法が小さくなる方向に、角度θだけ傾斜した、部分円すい筒面状の傾斜面部21、21を、それぞれ形成した、断面略台形状である。上記永久磁石15は、この様な支持板16のうちの支持筒部18の外周面に、焼き付け、接着等により、全周に亙って支持固定している。
この様にして、上記支持筒部18の外周面に支持固定した、上記永久磁石15の内周面形状は、この支持筒部18の外周面形状に見合う(凹凸が反転した)形状である。これに対して上記永久磁石15の外周面形状は、断面形状が直線状である、円筒面である。従って、上記永久磁石15の厚さ寸法は、上記円筒面部20の周囲部分では一定値T20であるのに対して、上記両傾斜面部21、21の周囲部分では、幅方向両端縁に向かうに従って漸次大きくなり、この幅方向両端縁で最大値TMAX(>T20)となっている。上記永久磁石15には、前述の図11〜14に示した先発明の構造の場合と同じパターンで着磁して、外周面にS極とN極とを交互に且つ等間隔で存在させると共に、円周方向に隣り合うS極とN極との境界を、それぞれ幅方向中央部が最も円周方向に突出した、「く」字形としている。
この様な構成を有する本実施例のエンコーダ14を含んだ状態量測定装置を構成する場合には、上記嵌合筒部17をハブ2(図11参照)の中間部に、締り嵌めで外嵌する事により、このハブ2の中間部外周面に支持固定する。そして、外輪1側に支持したセンサユニット5に組み込んだ1対のセンサ7a、7b(図11参照)の検出部を、上記永久磁石15の外周面のうちで、軸方向に離隔した2個所位置に近接対向させる。
上記エンコーダ14を構成する上記永久磁石15の厚さ寸法は、被検出面の幅方向端部である、このエンコーダ14の軸方向両端部で厚くなっている。この被検出面の幅方向端部は、それ以上先には永久磁石15が存在しない事で、磁束密度が低くなる傾向になる。これに対して、この永久磁石15の厚さ寸法を大きくした場合には、当該部分の磁束密度が高くなる傾向になる。この様に上記被検出面の幅方向端部は、面方向の広がりとの関係(幅方向に関してそれ以上外方に永久磁石が存在しない事)で磁束密度が低くなる代わりに、厚さ寸法が大きい事で磁束密度が高くなる傾向になる。そして、これら2通りの原因での磁束密度の変化が互いに打ち消しあって、上記永久磁石15の軸方向両端部の磁束密度が、軸方向中間部の磁束密度よりも低くなる事を抑えられる。
即ち、本実施例のエンコーダ14の場合には、図1の上部に記載した線図の様に、上記永久磁石15の外周面から出入りする磁束の密度が、この永久磁石15の全幅に亙ってほぼ均一になる。この永久磁石15の外周面から出入りする磁束の密度が低下し始めるのは、この永久磁石15の軸方向端縁から外方に外れた位置からである。従って、上記両センサ7a、7bがこの永久磁石15の外周面に実際に対向している限り、これら両センサ7a、7bの検出部に達する磁束の密度を十分に高くできる。本実施例で、前記支持筒部18の断面形状を台形とする事はプレス加工或いはローリング加工等の塑性加工により、この支持筒部18の外周面に上記永久磁石15を添着する事はモールド成形により、それぞれ容易に行なえる。この結果、本実施例の構造によれば、上記永久磁石15を含む上記エンコーダ14の被検出面部分で出入りする磁束の密度を、この被検出面の幅方向全体で十分に、しかも低コストで高くできる。そして、上記両センサ7a、7bによる上記エンコーダ14を支持したハブ2の挙動の測定を高い信頼性で行なえる、安価な構造を実現できる。
図2も、請求項1〜2に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、永久磁石15aと共にエンコーダ14aを構成する支持板16aの支持筒部18aの断面形状を山形としている。即ち、上述した実施例1の場合に軸方向中間部に設けていた円筒面部20(図1参照)を省略し、上記支持筒部18aを、互いに逆方向に傾斜した傾斜面部21a、21aのみで構成している。そして、この支持筒部18aの外径を、軸方向中央部で最も大きく、軸方向両端縁に向かう程次第に小さくしている。上記永久磁石15aの内周面形状は上記支持筒部18aの外周面形状に見合う形状とし、外周面形状は、単なる円筒面としている。従って、上記永久磁石15aの厚さ寸法は、軸方向中央部で最も小さく、軸方向両端縁に向かうに従って漸次大きくなっている。この様な永久磁石15aの外周面にも、外輪1側に支持したセンサユニット5に組み込んだ1対のセンサ7a、7bの検出部を近接対向させて、状態量測定装置を構成する。上記永久磁石15a及び上記支持筒部18aの断面形状が異なる点以外の構成及び作用は、上述した実施例1の場合と同様である。
図3も、請求項1〜2に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、永久磁石15bと共にエンコーダ14bを構成する支持板16bの支持筒部18bの幅方向両端部に形成した傾斜面部21b、21bを、凸円弧面としている。この支持筒部18bの幅方向中間部の円筒面部20aは、これら両傾斜面部21b、21bの接線方向に存在する。これら両傾斜面部21b、21bの断面形状が直線状から円弧状に変わった点以外の構成及び作用は、前述した実施例1の場合と同様である。
図4も、請求項1〜2に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、永久磁石15cと共にエンコーダ14cを構成する支持板16cの支持筒部18cの外周面全体を、凸円弧面としている。この支持筒部18cの幅方向中間部にも円筒面部は存在しない。この支持板部18cの外周面全体を凸円弧面状とした点以外の構成及び作用は、前述した実施例1の場合と同様である。
図5は、請求項1、3に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合には、永久磁石15dと共にエンコーダ14dを構成する支持板16dの支持筒部18dを、単なる円筒状に形成している。言い換えれば、この支持筒部18dの外周面を、軸方向に関して外径が変化しない、単なる円筒面としている。そして、上記永久磁石15dの被検出面のうちの幅方向両端部に、幅方向中央部に比べて径方向外方に突出する、傾斜凸部22、22を形成している。具体的には、この幅方向両端部を角度θだけ傾斜させてこれら両傾斜凸部22、22としている。これら両傾斜凸部22、22の外周面は、部分円すい状凹面である。本実施例の場合には、この構成により、上記永久磁石15dの厚さ寸法を、上記被検出面の幅方向中央部で均一にし、幅方向両端縁で、端縁に向かう程漸次大きくなる様にしている。上記永久磁石15d及び上記支持筒部18dの断面形状が異なる点以外の構成及び作用は、前述した実施例1の場合と同様である。
図6も、請求項1、3に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例の場合には、支持板16dと共にエンコーダ14eを構成する永久磁石15eの外周面を、V溝状に形成している。即ち、上述した実施例5の場合に軸方向中間部に設けていた、外径が変化しない円筒面部を省略し、上記永久磁石15eの外周面を、互いに逆方向に傾斜した傾斜面部のみで構成している。そして、この永久磁石15eの外径を、軸方向中央部で最も小さく、軸方向両端縁に向かう程次第に大きくしている。上記永久磁石15eの断面形状が異なる点以外の構成及び作用は、上述した実施例5の場合と同様である。
図7も、請求項1、3に対応する、本発明の実施例7を示している。本実施例の場合には、支持板16dと共にエンコーダ14fを構成する永久磁石15fの外周面の幅方向両端部に形成した傾斜凸部22a、22aの外周面を、凹円弧面状曲面としている。上記永久磁石15fの外周面の幅方向中間部の円筒面部は、上記両傾斜凸部22a、22aの外周面の接線方向に存在する。これら両傾斜凸部22a、22aの外周面の断面形状が直線状から円弧状に変わった点以外の構成及び作用は、前述した実施例5の場合と同様である。
図8も、請求項1、3に対応する、本発明の実施例8を示している。本実施例の場合には、支持板16dと共にエンコーダ14gを構成する永久磁石15gの外周面全体を、凹円弧面としている。この永久磁石15gの外周面の幅方向中間部にも円筒面部は存在しない。この永久磁石15gの外周面全体を凹円弧面状とした点以外の構成及び作用は、前述した実施例5の場合と同様である。
[参考例の第1例]
図9は、本発明に関連する参考例の第1例を示している。本参考例の場合には、回転側軌道輪であるハブ2の中間部外周面に第一のエンコーダ23を、同じく内端部{車両への組み付け状態で幅方向中央部になる端部で、図9の(A)の右端部}外周面に第二のエンコーダ24を、それぞれ締り嵌めにより、上記ハブ2と同心に外嵌固定している。このうちの第一のエンコーダ23が、永久磁石25の厚さ寸法を、この永久磁石25の被検出面である外周面の幅方向端部で幅方向中央部よりも大きくする構成を有している。
この為に本参考例の場合には、上記永久磁石25と共に上記第一のエンコーダ23を構成する支持板16として、前述の図1に示した実施例1のエンコーダ14を構成する支持板16と同様のものを使用すると共に、上記永久磁石25の外周面を、軸方向に亙り直径が変化しない、単なる円筒面としている。これら支持板16と永久磁石25との組み合わせにより、この永久磁石25の厚さ寸法を調節している点に関しては、上記第一のエンコーダ23と上記実施例1のエンコーダ14とは同じである。但し、本参考例に組み込む第一のエンコーダ23の場合には、上記永久磁石25の外周面に、円周方向に亙り交互に且つ等間隔で配置したS極とN極との境界の傾斜方向を、この外周面の全幅に亙り一定方向としている。この様な第一のエンコーダ23の外周面には、静止側軌道輪である外輪1に支持したセンサユニット5bの先端部に設けた1個のセンサ7cの検出部を、近接対向させている。
一方、上記第二のエンコーダ24は、上記外輪1の内端部内周面と上記ハブ2の内端部外周面との間を塞ぐ組み合わせシールリング26のスリンガ27の内側面に添着固定されている。上記第二のエンコーダ24は、全体を円輪状に形成されたもので、被検出面である内側面にS極とN極とを、円周方向に亙り、交互に、且つ、等間隔で配置している。円周方向に隣り合うS極とN極との境界は、上記第二のエンコーダ24の径方向に存在する。上記第一のエンコーダ23の外周面に存在するS極及びN極の数と、上記第二のエンコーダ24の内側面に存在するS極及びN極の数とは、互いに等しい。この様な第二のエンコーダ24の内側面には、上記外輪1を支持固定したナックル等の静止部材の一部に支持したセンサユニット5cの先端部に設けた、1個のセンサ7dの検出部を、近接対向させている。
本参考例の場合には、上記外輪1と上記ハブ2との間にアキシアル荷重が作用せず、これら外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位していない、中立状態では、上記両センサ7c、7dの検出信号が同時に(或いは所定の時間差で)変化する様にしている。同時に変化させる為には、上記中立状態で、上記センサ7dが上記第二のエンコーダ24の内側面に存在するS極とN極との境界に対向すると同時に、上記センサ7cが上記第一のエンコーダ23の外周面に存在するS極とN極との境界に対向する様に、各部材7c、7d、23、24の設置位置を規制する。
この様な本参考例の場合には、上記両センサ7c、7dの検出信号の位相のずれの有無、ずれがある場合にはその方向及び大きさにより、上記外輪1とハブ2とがアキシアル方向にずれていないか否か、ずれている場合にはその方向及び大きさを求められる。即ち、上記第二のエンコーダ24の内側面に対向している上記センサ7dの検出信号の位相は、上記アキシアル方向のずれの有無に関係なく、一定である(進んだり遅れたりする事はない)。これに対して、上記第一のエンコーダ23の外周面に対向している上記センサ7cの検出信号の位相は、上記アキシアル方向のずれ伴って、進んだり遅れたりする。従って、上記第二のエンコーダ24の内側面に対向している上記センサ7dの検出信号が変化するタイミングに合わせて、上記第一のエンコーダ23の外周面に対向している上記センサ7cの検出信号の位相を見れば、上記外輪1とハブ2とがアキシアル方向にずれていないか否か、ずれている場合にはその方向及び大きさを求められる。
[参考例の第2例]
図10は、本発明に関連する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、回転側軌道輪であるハブ2の内端部外周面にエンコーダ28を、締り嵌めにより、このハブ2と同心に外嵌固定している。このエンコーダ28が、永久磁石25の厚さ寸法を、この永久磁石25の被検出面である外周面の幅方向端部で幅方向中央部よりも大きくする構成を有している。この為に本参考例の場合には、上記永久磁石25と共に上記エンコーダ28を構成する支持板16eとして、この永久磁石25を支持する為の先端部の形状が、前述の図1に示した実施例1のエンコーダ14を構成する支持板16と同様のものを使用すると共に、上記永久磁石25の外周面を、軸方向に亙り直径が変化しない、単なる円筒面としている。
本参考例の場合には、上記エンコーダ28を上記ハブ2の内端部に、このハブ2よりも軸方向内方に突出する状態で外嵌固定する都合上、上記支持板16eの軸方向寸法を、上記実施例1のエンコーダ14を構成する支持板16よりも長くしている。上記支持板16eと永久磁石25との組み合わせにより、この永久磁石25の厚さ寸法を調節している点に関しては、上記エンコーダ28と上記実施例1のエンコーダ14とは同じである。但し、本参考例に組み込むエンコーダ28の場合には、上述した参考例の第1例の第一のエンコーダ23と同様に、上記永久磁石25の外周面に、円周方向に亙り交互に且つ等間隔で配置したS極とN極との境界の傾斜方向を、この外周面の全幅に亙り一定方向としている。
特に、本参考例の場合には、上述の様なエンコーダ28の外周面の上下両端部に、1対のセンサ7e、7fの検出部を近接対向させている。即ち、静止側軌道輪である外輪1の内端開口部に被着したカバー29の内周面の上下両端部に上記両センサ7e、7fを支持固定し、これら両センサ7e、7fの検出部を、上記エンコーダ28の外周面の上下両端部に近接対向させている。自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わるアキシアル荷重は、このハブ2に結合固定した車輪(タイヤ)の外周面と路面との接地面から入力される。この接地面は、上記外輪1及び上記ハブ2の回転中心よりも径方向外方に存在する為、上記アキシアル荷重はこれら外輪1とハブ2との間に、純アキシアル荷重としてではなく、これら外輪1及びハブ2の中心軸と上記接地面の中心とを含む(鉛直方向の)仮想平面内での、モーメントを伴って加わる。そして、このモーメントの大きさは、上記接地面から入力されるアキシアル荷重の大きさに比例する。そこで、このモーメントを求めれば、このアキシアル荷重を求められる事になる。
一方、上記ハブ2にモーメントが加わると、上記エンコーダ28の上端部が、軸方向に関して何れかの方向に、同じく下端部がこれと逆方向に、それぞれ変位する。この結果、上記エンコーダ28の外周面の上下両端部にそれぞれの検出部を近接対向させた、上記両センサ7e、7fの検出信号の位相が、それぞれ中立位置に対して、逆方向にずれる。そこで、これら両センサ7e、7fの検出信号の位相のずれの方向及び大きさに基づいて、上記アキシアル荷重の方向及び大きさを求められる。
本発明は、先に説明した様な、車輪支持用転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する場合に限らず、例えば、各種工作機械や各種産業機械装置の回転支持部の変位を測定し、この回転支持部に加わる荷重を測定する場合にも利用できる。又、変位や荷重を測定する場合に限らず、回転速度を検出する為の構造に本発明を適用する事もできる。即ち、永久磁石製のエンコーダを備えた回転速度検出装置に本発明を適用する事により、このエンコーダとして、被検出面の幅寸法が小さなものを使用しても、このエンコーダとセンサとの変位に拘らず、このセンサに達する磁束の密度を十分に確保し、信頼性の高い回転速度検出を行なえる様にできる。
本発明の実施例1の構造で、エンコーダの断面形状と、被検出面の特性変化の状態と、磁束密度の分布状態とを示す図。 本発明の実施例2を示す、図11のA部に相当する拡大断面図。 同実施例3を示す、図2と同様の図。 同実施例4を示す、図2と同様の図。 同実施例5を示す、図2と同様の図。 同実施例6を示す、図2と同様の図。 同実施例7を示す、図2と同様の図。 同実施例8を示す、図2と同様の図。 本発明に関連する参考例の第1例を示しており、(A)は全体構成を示す断面図、(B)は(A)の右側のエンコーダの被検出面の一部を(A)の右方から見た図。 参考例の第2例を示す断面図。 先発明に係る構造の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 先発明によりアキシアル方向の変位及びアキシアル荷重を求められる理由を説明する為の模式図。 本発明の必要性を説明する為の、図1と同様の図。
1 外輪
2 ハブ
3 転動体
4、4a エンコーダ
5、5a、5b、5c センサユニット
6 取付孔
7a、7b、7c、7d、7e、7f センサ
8、8a 支持板
9 永久磁石
10、10a 嵌合筒部
11 支持筒部
12 連続部
13 カバー
14、14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g エンコーダ
15、15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g 永久磁石
16、16a、16b、16c、16d、16e 支持板
17 嵌合筒部
18、18a、18b、18c 支持筒部
19 連続部
20、20a 円筒面部
21、21a、21b 傾斜面部
22、22a 傾斜凸部
23 第一のエンコーダ
24 第二のエンコーダ
25 永久磁石
26 組み合わせシールリング
27 スリンガ
28 エンコーダ
29 カバー

Claims (4)

  1. 回転部材の一部に支持されてこの回転部材と共に回転する、この回転部材の回転中心と同心でこの回転部材の回転方向に対し直角方向をその幅方向とする被検出面を備え、この被検出面にS極とN極とを交互に配置した永久磁石を含んで構成したエンコーダと、検出部をこのエンコーダの被検出面に、このエンコーダの厚さ方向に対向させた状態で、静止部材に支持されたセンサと、このセンサの出力信号に基づいてこの静止部材と上記回転部材との間で相対的に変化する状態量を求める演算器とを備えた状態量測定装置に於いて、
    円周方向に隣り合うS極とN極との境界の方向が、上記被検出面の幅方向に対し傾斜していると共に、この幅方向に対する傾斜方向がこの被検出面の幅方向中間部を境に互いに逆方向であり、この被検出面の幅方向端部での上記永久磁石の厚さ寸法を、この被検出面の幅方向中央部でのこの永久磁石の厚さ寸法よりも大きくしており、上記センサが、それぞれの検出部を上記被検出面のうちこの被検出面の幅方向中間部を挟んでこの幅方向に離隔した2個所位置に対向させた1対のセンサであり、上記演算器は、これら両センサの出力信号の位相のずれに基づいて、上記回転部材と上記静止部材との上記被検出面の幅方向に関する相対的変位を求める機能を有する事を特徴とする状態量測定装置。
  2. エンコーダが、磁性金属板製の支持板と永久磁石とを、この永久磁石の厚さ方向に積層して成るものであり、この永久磁石の被検出面の断面形状が直線であり、上記支持板のうちでこの永久磁石の幅方向端部を接合すべき部分が幅方向中央部を接合すべき部分に比べて、上記被検出面からの距離が大きくなる方向に凹んでいる、請求項1に記載した状態量測定装置。
  3. エンコーダが、磁性金属板製の支持板と永久磁石とを、この永久磁石の厚さ方向に積層して成るものであり、この支持板のうちでこの永久磁石を接合すべき部分の断面形状が直線であり、この永久磁石の被検出面のうちの幅方向端部が幅方向中央部に比べて、上記支持板のうちでこの永久磁石を接合すべき部分からの距離が大きくなる方向に突出している、請求項1に記載した状態量測定装置。
  4. 回転部材が転がり軸受ユニットを構成して使用時に回転する回転側軌道輪であり、静止部材が、この転がり軸受ユニットを構成して使用時にも回転しない静止側軌道輪又はこの静止側軌道輪を支持固定する部材であり、演算器は、この静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との相対変位に基づいて、これら両軌道輪同士の間に作用する荷重を求める機能を有する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した状態量測定装置。
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