JP4955430B2 - 地下貯水システム用充填部材 - Google Patents

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Description

本発明は、地下貯水システム用充填部材に関する。
近年、雨水を地下に貯留して工業用水、農業用水、生活用水等に雨水を利用するため、あるいは大雨時の河川の氾濫を防止するために雨水を一時的に貯留するために、公園や駐車場等の地下に地下貯水システムが設けられている。
この地下貯水システムは、設置場所の地面を掘削して形成した凹所に、透水性シートおよび/または遮水性シートを敷き、シート上に複数個の充填部材を複数層に組み立てて充填部材組立て構造を形成すると共に、送水管や取水管を凹所に引き込み、充填部材組立て構造の周囲をシートにて被覆して土砂を埋め戻し、地上を公園や駐車場等に整備するといった手順により施工される。
この充填部材は、一般的に熱可塑性樹脂にて成形されており、地下貯水システムの貯水容量(空隙率)をできるだけ多く確保できること、施工(組み立て)が容易であること、充填部材組立て構造が規定以上の耐圧強度を確保できること等を考慮して各種形状のものが提案されている。
例えば、特許文献1には、複数個の孔部をそれぞれ有する底面と周側板からなる容器状充填部材が、前後左右上下に複数個組み立てられて充填部材組立て構造が形成される旨記載されている。
また、特許文献2および3には、断面形状が連続する略山形の充填部材であって、複数個の充填部材を稜線方向を同じにして複数列並列して一層目を形成し、一層目の稜線方向と交差する稜線方向で2層目の充填部材を複数列並列し、このように上下に隣接する充填部材層は稜線方向が交差するようにして複数層組み立てられることにより、充填部材組立て構造が形成される旨記載されている。
また、特許文献4の図12には、上付きおよび下付き嵌合凹部を有する下壁部材と、連結支柱とを備え、連結支柱の両端に上下段の下壁部材の嵌合凹部を嵌め込んで充填部材組立て構造を形成する旨記載され、図13には基板部の一面に4本の筒部が立設され、対角線上の2つの筒部先端面に凸部を有し、他の対角線上の筒部先端面に凹部を有する充填部材を備え、一対の充填部材の筒部同士を突合せて組み立てる充填部材組立て構造が記載され、図14には前記図12の連結支柱と下壁部材が一体となった充填部材が記載されている。
特開昭63−268823号公報 特開平11−36383号公報 特開2001−32334号公報 特開2004−52243号公報
このような従来の地下貯水システム用の充填部材は、形状が複雑であると成形する金型の作製に手間とコストがかかり、よって充填部材の作製コストが高くなるため、耐圧強度、空隙率および施工性を確保しつつ簡素な形状であることが望まれている。
本発明は、構造が簡素でありながら、耐圧強度に優れ、施工が容易な地下貯水システム用充填部材を提供するものである。
かくして、本発明によれば、地下貯水システムの貯水スペース内に、複数個組み立てられて用いられる充填部材であって、その充填部材は、比重が1.0以上の熱可塑性樹脂組成物からなり、他の充填部材に上載可能であると共に、互いに隣接して連結可能であり、かつ前記貯水スペース内の水を流通させる複数の通水開口を有する内部中空の柱型であり、前記柱型は、上壁部と、該上壁部の外周縁に沿って形成された周壁部と、該周壁部の下端縁に沿って形成された下壁部とで構成されて下方に開口しており、前記上壁部は、前記通水孔を有するプレート部と、該プレート部の内側下面に設けられたリブ構造部とで構成され、前記周壁部は、周方向に複数箇所が内側へ陥没して形成された脚部と、この脚部を除く残部を形成する前記通水開口を有する通水壁部とで構成され、前記周壁部の一部を構成する前記脚部は底部を有し、この底部は他の充填部材の上壁部に位置決めした状態で上載可能であり、前記下壁部は、隣接する他の充填部材の下壁部と連結可能な係合部を有し、さらに、前記充填部材が熱可塑性樹脂にて一体成形されてなる地下貯水システム用充填部材が提供される。
本発明の地下貯水システム用充填部材によれば、周壁部に脚部を一体化することで、簡素な構造でありながら、熱可塑性樹脂にて一体成形されたものであるため、地下貯水システムに必要な耐圧強度を十分確保しながら大きな空隙率を得ることができ、かつ低コストにて容易に製造することができる。
また、上下に組み立てられた状態において、上の充填部材は下の充填部材に位置決めした状態で上載するので、上の充填部材が下の充填部材に対して横滑りや回転するのを確実に防止でき、安定した組立状態を保持することができる。
<充填部材の構造の説明>
本発明の地下貯水システム用充填部材は、地下貯水システムの貯水スペース内に、複数個組み立てられて用いられる充填部材であって、その充填部材は、比重が1.0以上の熱可塑性樹脂組成物からなり、他の充填部材に上載可能であると共に、互いに隣接して連結可能であり、かつ前記貯水スペース内の水を流通させる複数の通水開口を有する内部中空の柱型であり、前記柱型は、上壁部と、該上壁部の外周縁に沿って形成された周壁部と、該周壁部の下端縁に沿って形成された下壁部とで構成されて下方に開口しており、前記上壁部は、前記通水孔を有するプレート部と、該プレート部の内側下面に設けられたリブ構造部とで構成され、前記周壁部は、周方向に複数箇所が内側へ陥没して形成された脚部と、この脚部を除く残部を形成する前記通水開口を有する通水壁部とで構成され、前記周壁部の一部を構成する前記脚部は底部を有し、この底部は他の充填部材の上壁部に位置決めした状態で上載可能であり、前記下壁部は、隣接する他の充填部材の下壁部と連結可能な係合部を有し、さらに、前記充填部材が熱可塑性樹脂にて一体成形されてなることを特徴とする
本発明において、前記脚部は、周壁部の一部が内側へ凹状に陥没することにより形成されたもの、例えば周壁部の一部を上下方向に延びる半円筒形、半楕円筒形、半長円筒形、半角筒形等の半筒形にへこませた形状とすることができ、それに加え、充填部材が多角形柱形の場合は周壁部のコーナー部を面取りすることにより内側へ陥没させて脚部とすることができる。このようすれば、充填部材に必要な鉛直圧縮強度および水平圧縮強度を確保しながら脚部を周壁部と同一の厚さに容易に形成することができる。また、脚部が内側へ陥没して形成されているので、複数の充填部材を上下に隣接して組み立てたときに上側の充填部材の脚部を下側の充填部材の上壁部の上面に載せる構造として合理的である。
さらにこの場合、周壁部は、上方へ向かうにつれて内側へ傾斜するテーパー状に形成されていてもよい。このように構成することにより、複数の充填部材をコンパクトに積み重ねることができ、複数個の充填部材を嵩張らずに保管、運搬することができる。
周壁部の鉛直線に対するテーパー角度としては0°超〜10°程度、好ましくは5°程度に設定でき、さらに凹状の脚部では3°程度が好ましい。周壁部および脚部のテーパー角度は、充填部材を射出成形する場合における金型からの抜き勾配、保管・運搬時の積み重ね性、使用する際の組み立て性、圧縮強度などを考慮して設定される。なお、充填部材をこのようにコンパクトに積み重ねることを考慮しない場合、製造上、周壁部のテーパ角度を0°にすることも可能である。
本発明において、下壁部は、上下に組み立てた上の充填部材を下の充填部材に対して横滑りや回転を防止して位置決めさせる機能の他、鉛直方向および水平方向からの圧縮力に対して周壁部を補強する機能、最下段の充填部材を安定して設置し、かつその上に組み立てられる充填部材や土砂などの荷重を支える土台となる機能、および複数の充填部材を前後左右に並べて敷設する際に、充填部材同士を当接させて連結するための機能を有する。
上記構成の充填部材において、上壁部および周壁部の形状、脚部の数および位置は、特に限定されるものではないが、例えば以下の(1)および(2)の立方体型あるいは(3)および(4)の六角柱型のように構成することができる。
(1)上壁部は、平面的に見て、正方形の一対の対角に相当する一対の角部と、前記正方形の他の一対の対角を直線または凹曲線状に面取りしたように形状された一対の面取り辺部とを有し、周壁部は、上壁部の前記一対の角部と連設する一対のコーナー部と、上壁部の前記一対の面取り辺部と連設する一対の面取り部とを有し、脚部は、前記一対のコーナー部の近傍位置であって各コーナー部を挟むように4箇所配置されており、下壁部は、平面視正方形であり、かつ前記一対の面取り部と連設する一対の水平壁部を有する。
このような充填部材によれば、下側の他の充填部材に対して垂直軸心廻りに90°回転した状態で組み立てられたときに前記他の充填部材の上壁部における一対の角部に前記一対の水平壁部が載るように構成され、組立状態がより安定し、かつ鉛直圧縮強度および水平圧縮強度をより高めることができる。
(2)上壁部は、平面的に見て、正方形の一対の対角に相当する一対の角部と、前記正方形の他の一対の対角を直線または凹曲線状に面取りしたように形状された一対の面取り辺部とを有し、前記周壁部は、上壁部の前記一対の角部と連設する一対のコーナー部と、上壁部の前記一対の面取り辺部と連設し通水開口を有さない一対の面取り部とを有し、前記脚部は、前記一対のコーナー部の近傍位置であって各コーナー部を挟むよう4箇所に配置された第1脚部と、前記一対の面取り部を含んでなる第2脚部とからなり、前記下壁部は、平面視正方形である。
このような充填部材によれば、一の充填部材を他の充填部材に対して垂直軸心廻りに90°回転した状態で重畳して組み立てたときに、前記一の充填部材の第1脚部および第2脚部の底部が、前記他の充填部材の上壁部における4つの辺および一対の角部に上載するように構成され、組立状態がより安定し、かつ鉛直圧縮強度および水平圧縮強度をさらに一層高めることができる。
(3)上壁部を正六角形とし、平面的に見て6つの辺のうち隣接しない3つの辺の部分(好ましくは辺の中央)に脚部を配置した構造とすることもできる。この場合、脚部は合計3本となり、充填部材を上下に組み立てる際は、下の充填部材に対して上の充填部材を垂直軸心廻りに60°回転させて組み立てる。このように構成しても、上の充填部材の脚部が下の充填部材の上壁部上面に載り、また上の充填部材の周壁部の下端縁に沿って設けられた下壁部が下の充填部材の周壁部と嵌合するため、上の充填部材の下の充填部材に対する横滑りや回転が防止され、上の充填部材の脚部が下の充填部材の上壁部上面に載った状態を位置決めすることができる。
(4)上壁部を正六角形とし、平面的に見て6つの角部のうち隣接しない3つの角部の両側近傍に脚部を配置した構造とすることもできる。この場合、脚部は合計6本となり、充填部材を上下に組み立てる際は、下の充填部材に対して上の充填部材を垂直軸心廻りに60°回転させて組み立てる。このように構成しても、前記(2)と同様の作用効果が得られる。
また、上壁部のリブ構造は、中央位置に配置された通水開口から放射状に延びたランナーリブを有しているものとすることが好ましい。このようにすれば、充填部材を射出成形する場合に、充填部材の射出成形時の放射状ランナー部分の樹脂が成形後に前記放射状のランナーリブとなり、ランナー部分の樹脂を製品の一部にできる。これによって多点ゲートでなく、放射状ランナーの中心を1点ゲートとする射出成形を行うことができる。
また、前記リブ構造には、充填部材を上下にコンパクトに積み重ねたときに、下の充填部材の上壁部の上面に当接可能な突出部を有することが好ましい。このようにすれば、リブ構造によって上壁部を補強する効果の他に、積み重ねた充填部材同士が強固に嵌まり込んで抜けなくなる不具合を回避でき、かつこのような不具合を防止するための周壁部へのエンボス加工を省略できる利点も得られる。
このような構成の充填部材は、厚みが0.5〜5mm程度の範囲に、かつほぼ均一な厚みで形成することができる。
<熱可塑性樹脂の説明>
本発明において、充填部材の材料である熱可塑性樹脂としては、比重が1.0以上の熱可塑性樹脂(組成物)が用いられ、具体的には、ポリ塩化ビニル(比重:1.45)、ポリエチレンテレフタレート(PET(比重:1.33〜1.34))、あるいはこれらの廃(再生)プラスチック等を用いることができ、省資源および環境保護の観点から廃プラスチックが好ましく、特に、近年大量に生産され、リサイクルが求められている廃PETを用いることが望ましい。なお、比重が1.0以上の熱可塑性樹脂(組成物)の使用が好ましい理由は、充填部材の組み上げの施工途中で敷設場所に雨水が溜まった場合の充填部材の浮き上りを防止することにある。
廃PETを用いる場合、廃PETを再生したPET再生樹脂のみでは充填部材として十分な耐圧強度(耐衝撃性)を得難いため、PET再生樹脂にポリエステル樹脂、結晶核剤および熱可塑性エラストマーを混合した熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
・PET再生樹脂
PET再生樹脂は、PETを成形して得られる飲料ボトル、すなわちPETボトルが、再度利用するために回収され、処理されたものが好ましい。この処理品は、通常、PET再生材やリサイクルPETと称されるものである。PETボトルは、近年大量に回収され、最も再生が望まれるものである。このPET再生樹脂は、繊維、フィルム又はコンテナー等の大型成形品等の製品として成形されたもの、実際に製品として使用されなくても、製品を製造する上で発生するフィルムの端材、射出成形品のゲート及びランナー部材等のPET樹脂を回収及び処理したものでも構わない。PET再生樹脂の形状は、特に限定されないが、成形時の溶融性を高めるためにできるだけ細かいことが好ましい。
・ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環式ジオール及びテトラメチレングリコール等のエーテル系ジオール等との縮合反応により得られるポリエステル樹脂及び、ポリエステル樹脂とラクトン類とを共重合したラクトン変性ポリエステル樹脂、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合樹脂等が用いられる。
これらの脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用してもよい。また、ジオール類においても2種以上を混合して使用することができる。なかでも好ましいポリエステル樹脂は芳香族ポリエステル樹脂であり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートである。
ポリエステル樹脂の分子量は、数平均分子量で1,000〜500,000、好ましくは5,000〜200,000、さらに好ましくは10,000〜100,000である。数平均分子量が1,000未満ではPET再生樹脂の成形加工性を改良する効果が不十分であり、また500,000より大きいとPET再生樹脂への溶融混練が困難となるので好ましくない。ここで示す数平均分子量とは液体クロマトグラフを用いて測定した数平均分子量である。
脂肪族及び芳香族ポリエステル樹脂は公知の方法で製造することができる。例えばジカルボン酸の低級アルコールエステルと過剰量のグリコールを触媒の存在下でエステル交換反応せしめ得られる反応生成物を重縮合する方法が挙げられる。あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールを触媒の存在下でエステル化反応せしめ得られる反応生成物を重縮合する方法が挙げられる。反応温度は好ましくは180〜290℃で、より好ましくは200〜280℃である。重縮合触媒としてはチタン化合物、アンチモン化合物、スズ化合物、カルシウム化合物、マンガン化合物等を挙げることができる。これらの触媒の使用量は、出発原料に対して、好ましくは0.1〜1,000ppm、より好ましくは0.5〜500ppmである。
・結晶核剤
結晶核剤は、PETに対する核剤作用を有するものを意味する。例えば、タルクのような無機微粒子、有機カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、及びカルボキシル基を有する有機重合体のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの結晶核剤は、単独又は2種以上併用してもよい。より具体的には、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、p−ブチル安息香酸ナトリウム、p−ブチル安息香酸カリウム、p−ブチル安息香酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸カルシウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸カルシウム、エチレン−メタクリル酸の共重合体のナトリウム塩、エチレン−メタクリル酸の共重合体のカリウム塩、エチレン−メタクリル酸の共重合体のカルシウム塩、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸リチウム等の有機カルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。
更に、α−オレフィンとα、β−不飽和カルボン酸塩とからなるイオン性共重合体の一価又は二価の金属塩、中性粘土類のタルク、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、硫酸塩又はケイ酸塩等が挙げられる。
更にまた、有機カルボン酸と一分子中に一個又は二個の水酸基をもつアルコール、あるいはアルコール誘導体との反応により得られるエステル化合物も使用できる。具体的には、長鎖の脂肪族カルボン酸と長鎖の脂肪族アルコールの反応物、例えばステアリン酸ノニル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル等の高沸点のエステル、炭素数7以上の芳香族又は脂肪族カルボン酸とポリアルキレングリコールとの反応物、例えばポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロック共重合体のジベンゾエート等が挙げられ、更に、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルモノグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノフェニルモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
これら以外にも、長鎖のアルキル基をもつアルコールのグリシジルエーテル又はポリオキシアルキレン鎖を含むモノグリシジルエーテル等のエポキシ化合物が挙げられる。これらの内、有機カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボキシル基を有する有機重合体のアルカリ金属塩が好ましい。
・熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ABS樹脂、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、ポリブタジエン、SBR、EPDM、EVA、ポリアクリル酸エステル、ポリイソプレン、水添イソプレン、アクリル系エラストマー、ポリエステル・ポリエーテルコエラストマー、PA系エラストマー、エチレン・ブテン1共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、エポキシ基含有オレフィン系共重合体、水素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、水添SEBSエラストマー、エチレン−αオレフィンコポリマー、プロピレン−αオレフィンコポリマー、エチレンメタクリル酸系特殊エラストマー、MBS系エラストマー等が挙げられる。これら熱可塑性エラストマーは2種以上混合してもよい。エチレン−アルキルアクリレート共重合体中、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げられる。また、エポキシ基含有オレフィン系共重合体としては、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
・各成分の配合量
(a)PET再生樹脂とそれ以外の成分の割合(重量部)は98〜2:2〜98、(b)ポリエステル樹脂と熱可塑性エラストマーの割合(重量部)は90〜10:10〜90、(c)結晶核剤の割合(重量部)はポリエステル樹脂と熱可塑性エラストマーの合計量を100重量部として0.1〜10とすることができる。
なお、(a)において、PET再生樹脂が98重量部より多いと、PET再生樹脂成形品の耐熱性等の改良効果が少なく、2重量部未満になると再生品を使用する効果がなくなるため好ましくない。PET再生樹脂を95〜10重量部配合することは、耐熱性を改良する点で特に効果的である。特に好ましくは、PET再生樹脂95〜20重量部に対して、それ以外の成分を5〜80重量部配合することである。
また、(b)において、熱可塑性エラストマーが10重量部未満では、PET再生樹脂成形品の衝撃改良の効果が低いので好ましくなく、90重量部より多いと、PET再生樹脂と熱可塑性エラストマーの相溶性が悪くなり、剥離が生じやすいので好ましくない。より好ましい配合割合は、ポリエステル樹脂80〜20重量部に対して、熱可塑性エラストマーを20〜80重量部である。
また、(c)において、結晶核剤が0.1重量部未満では、結晶化が促進されないので好ましくなく、10重量部より多くなると得られる成形品の物性低下が生じるので好ましくない。より好ましい配合割合は、ポリエステル樹脂と熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、0.3〜3重量部であり、特に好ましい配合割合は、0.5〜2重量部である。なお、原料のPET再生樹脂に結晶核剤が含まれている場合は、その量を考慮して新たに添加される結晶核剤の量を調整することが好ましい。
また、上述のPET再生樹脂、ポリエステル樹脂、結晶核剤および熱可塑性エアラストマーを用いたPET再生樹脂混合材料は、射出成形による成形品に所望される品質を損ねない程度に他の熱可塑性樹脂、樹脂添加剤、無機化合物等の他の成分を更に含んでいてもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリペンテン−1及びこれらの共重合体等を含むポリオレフィン樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイドやポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチック等の樹脂等を挙げることができる。
また、樹脂添加剤としては、安定剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、静電気防止剤、増量剤等が挙げられる。
さらに、無機化合物としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、黒鉛等を挙げることができる。
これら他の熱可塑性樹脂、樹脂添加剤及び無機化合物は、そのうちから選ばれる1種又は2以上を混合することができる。これら他の成分は、上記PET再生樹脂、ポリエステル樹脂、結晶核剤及び熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、1〜30重量部配合することがより好ましい。なお、樹脂添加剤及び無機化合物は、ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマーや他の熱可塑性樹脂に添加しておくこともできる。
・充填部材の成形方法
本発明の充填部材は、通常、公知の方法で製造される。例えば、PET再生樹脂、ポリエステル樹脂、結晶核剤、熱可塑性エラストマー、及び必要に応じて他の熱可塑性樹脂、樹脂添加剤及び無機化合物を、エクストルーダー、ニーダー、ロールあるいはバンバリーミキサー中で溶融混練し、射出成形機で成形する方法、あるいは、前記各成分を均一に機械的に混合したあと、直接射出成形機で溶融混練と同時に成形する方法等が挙げられる。
以下、本発明の充填部材の実施形態を図面を参照しながら詳説する。
(実施形態1)
図1は本発明の充填部材の実施形態1の斜視図であり、図2(a)は図1の充填部材の平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は底面図である。
この充填部材Fは、上壁部10と、この上壁部10の外周縁に沿って形成された周壁部20とを有する下方開口状であり、周壁部20は4本の脚部30を一体化して有している。
具体的に説明すると、この充填部材Fは、熱可塑性樹脂を材料として射出成形により、ほぼ均一な厚み(例えば3mm程度)で一体成形されたものである。
上壁部10は、複数の通水開口13を有するプレート部とその下面のリブ構造とを有してなり、プレート部は平面的に見て、正方形の一対の対角に相当する一対の角部11と、前記正方形の他の一対の対角を面取りしたように形状された一対の面取り辺部12とを有する。
上壁部10のリブ構造は、中央位置の通水開口13から十字状に延びる4本のランナーリブ14と、それら以外のリブ15とを有してなる。ランナーリブ14は、射出成形時のランナー部分の樹脂がそのまま残されたものであり、ランナーリブ14の十字の交点位置が射出成形時の1点ゲートの位置に相当している。
また、リブ15において、脚部30と接する部分は高さ67mm程度の突出部15aとなっており、他の部分よりやや高くなっている(図3(b)参照)。この突出部15aの機能については後述する。
周壁部20は、上壁部10の前記一対の角部11と連設する一対のコーナー部21と、上壁部10の前記一対の面取り辺部12と連設する一対の面取り部22とを有し、全体的に上方へ向かって内側へ傾斜するテーパー状に形成されている。周壁部20の鉛直線に対するテーパー角度θ1は約5°である。
脚部30は、周壁部20の一部が内側へ凹状に陥没することにより半筒形に形成されており、その下端には底部31を有すると共に、上端は開口部32となっている。したがって、上壁部10は、脚部30が配置された部分が開口部32によって内側へ切り欠かれた形状となっている。脚部30の鉛直線に対するテーパー角度θ2は約3°である。
4本の脚部30は、前記一対のコーナー部21の近傍位置であって各コーナー部21を挟むように4箇所に配置されている。また、周壁部20における4本の脚部30を除く領域は、複数の矩形スリット状の通水開口23を有する通水壁部となっている。
また、周壁部20は、下端縁に沿って下壁部40を有している。この下壁部40は、図4に示すように、複数の充填部材が上下に隣接して組み立てられたときに、上の充填部材F1の下壁部40が下の充填部材F2の周壁部20と嵌合して位置決めされる機能を有する。
本実施形態1の場合、下壁部40は、周壁部20の下端縁が正方形であると見なした場合にその下端縁に沿って形成された正方形の枠であり、全体的に周壁部20よりも外側に突出しているが、内側には部分的に複数の突起部41が設けられている。具体的には、図2(c)に示すように、4本の脚部30の底部31の下面外側にストレート形の突起部41が配置されると共に、周壁部20の一対の面取り部22の位置にL字形の突起部41が配置されている。これら突起部41を含む下壁部40の高さ分だけ、脚部30の底部31は上方に位置している。
さらに、下壁部40は、その一対のL字形突起部41の部分に、周壁部20の一対の面取り部22と連設する一対の三角形水平壁部42を有している。この水平壁部42の高さは脚部30の底部31の高さと同一である。なお、水平壁部42の上面と周壁部20の面取り部22との間には三角形リブが設けられている。
この下壁部40は、その内部が上方および下方に開放した中空状であり、内部には複数のリブが設けられると共に、各辺における下面には少なくとも1箇所に係合部を有している。この係合部は、リブとリブの間に設けられた切欠き凹部43と、切欠き凹部43に形成された上下方向の連結用孔44とからなる。この連結用孔44には後述の連結具が差し込まれて横に隣接する充填部材同士が連結される。なお、切欠き凹部43および連結用孔44の形成位置は、下壁部40の1つの辺とそれに対向する辺について同じ位置とされる。
このように構成された充填部材Fのサイズは、例えば、下壁部40が500mm×500mm、下壁部40の下面から上壁部10の上面までの高さが350mm、下壁部40の高さである下壁部40の下面から脚部30の底部31の下面までの高さが25mmに設定でき、このようなサイズの場合、前後左右に4個の充填部材を隣接して並べ、これを3段積みで組み立てることにより、1m3当りの貯水スペースに12個の充填部材が使用される。なお、充填部材のサイズはこれに限定されるものではない。
次に、このように構成された充填部材を上下に組み立てる場合について説明する。
図3は2個の充填部材を上下に組み立てた状態であって、図3(a)における下の充填部材は正面を示し、図3(a)における上の充填部材は右側面を示し、図3(b)は図3(a)の断面図であって、図3(b)における下の充填部材は図2(a)のA−A線で切断した断面構造を示し、図3(b)における上の充填部材は図2(a)のB−B線で切断した断面構造を示している。また、図4は2個の充填部材を上下に組み立てた状態であって、下の充填部材は図2(a)のC−C線で切断した断面構造を示し、上の充填部材は図2(a)のD−D線で切断した断面構造を示している。
図2〜図4に示すように、上の充填部材F1は、下の充填部材F2に対して垂直軸心廻りに90°回転した状態とされて下の充填部材F2に上載される(積み上げられる)。このとき、上の充填部材F1において、各脚部30の底部31が下の充填部材F2の上壁部10の脚部に隣接した領域に載り、一対の水平壁部42が下の充填部材F2の上壁部10の角部11に載る。また、上の充填部材F1の下壁部40の各突起部41の内面が、下の充填部材F2の周壁部20の脚部に隣接した領域および一対のコーナー部21と対面乃至当接し、上の充填部材F1の下壁部40が下の充填部材F2の周壁部20に嵌合する。したがって、上の充填部材F1は下の充填部材F2に対して鉛直軸心廻りの回転および横滑りしない。なお、図2〜図4では、充填部材を上下2段で組み立てた場合を例示したが、3段以上の場合も同様に1つ下の段の充填部材に対して90°回転させた状態で組み立てる。
また、複数の充填部材を横に並べて敷設する際は、図5および図6に示すように、左右の充填部材F1、F2を同じ向きにして下壁部40、40同士を当接させて並べ、隣接した下壁部40、40の対向する連結用孔44、44にU字型の連結具50を上方から差し込み係合させることにより、隣接する充填部材F1、F2を連結する。
図7に示すように、この連結具50は、樹脂または金属にて形成されており、帯状片をU字形に曲げ、かつ両端を内側へ折り返して係止部51を形成した形状である。連結具50の係止部51、51は、各下壁部40の連結用孔44、44を抜けて切欠き凹部43、43の下壁部周縁に係合する。この切欠き凹部43によって係止部51が下壁部40よりも下に突出することがないので、最下段の充填部材を設置面に安定して敷設することができると共に、荷重により係止部51が折損して連結具50による連結が損なわれることもない。
なお、図5および図6では、充填部材を左右に連結した場合を例示したが、前後に連結する場合も充填部材を同じ向きに並べて連結する。また、このような要領で前後左右に1段目の充填部材を複数個敷設した後は、上述のように2段目以上の充填部材を組み立てていけばよい。このとき、下の段の充填部材の上壁部が作業者の足場となるが、上壁部には作業者が躓くような突起物がなくフラットであるため安全に組み立て作業を行なうことができる。
また、この充填部材は、図8に示すように、保管や運搬時に嵩張らないよう複数個積み重ねること(スタッキング)ができる。この場合、上の充填部材F1を下の充填部材F2と同じ向きにすることにより、上の充填部材F1の脚部30が下の充填部材F2の脚部30の凹所に入り込んでいき、上の充填部材F1の上壁部10の下面にあるリブ15の突出部15aが下の充填部材F2の上壁部10に当接する。これにより、重なり合った上下の充填部材F1、F2の間に僅かに隙間が形成されて双方が強固に嵌り合うことがないため、使用時には容易に各充填部材を抜き取ることができる。
本発明の充填部材は、図9に示すような一時的に貯水する地下貯水システムS1に用いることができる。
この地下貯水システムS1は、例えば、システム設置場所の地面を掘り下げて貯水スペースを形成すると共に、雨水を導入する送水管P1を貯水スペースの上部まで延設し、貯水スペースの底面および内周面を覆うように透水性シート60(太線部分)を張り、透水性シート60を張った貯水スペース内に充填部材Fを上述の要領で組み上げ、最上段の充填部材Fの上壁部の上に板材61を敷設し、板材61を透水性シート60で覆い、その上から土砂を埋め戻すといった方法により施工することができる。なお、図9において、符号Gは地面を表している。
また、この地下貯水システムS1は、送水管P1から雨水が導入される以外にも、地中に染み込んだ雨水が透水性シートS1を透して貯水スペース内に流入し、かつ貯水スペース内の雨水が透水性シートS1を透して地中に染み出るよう構成されている。透水性シートS1としては、従来公知のものを使用することができる。
また、本発明の充填部材は、図10に示すような貯水を利用可能な地下貯水システムS2に用いることもできる。
この地下貯水システムS2は、例えば、システム設置場所の地面を掘り下げて貯水スペースを形成すると共に、雨水を導入する送水管P1を貯水スペースの上部まで延設し、かつ貯水スペース内の水を下部から汲み上げる取水管P2を配管し、貯水スペースの底面および内周面を覆うように遮水性シート62(太線部分)を張り、その後は図9での説明と同様に施工することができる。なお、図10において、図9と同一の要素には同一の符号を付している。
このような地下貯水システムS1およびS2において、充填部材Fが前後左右上下(3次元)に組み上げられてなる充填部材組立て構造体は周囲および地面からの土圧、送水時の水圧、地震による3次元的な揺れ等にも十分耐え得る耐圧強度を有している。具体的には、この充填部材組立て構造体は、鉛直圧縮強度が80kN/m2以上、好ましくは300kN/m2以上、水平圧縮強度が60kN/m2以上、好ましくは120kN/m2以上に設定され、充填部材組立て構造を収容する最小容積に対する空隙率は95%以上、好ましくは97%以上に設定されている。
なお、図8および図9は本発明における地下貯水システムの一例に過ぎず、本発明における充填部材組立て構造体を用いていれば、送水管および取水管の貯水スペースへの接続構造や、透水性シートや遮水性シートの設置位置などは自由に変更することができ、貯水スペース内のエアー抜きのための配管を設けてもよい。
(実施形態2)
図11は本発明の充填部材の実施形態2を示す平面図である。
この実施形態2の充填部材は、実施形態1の充填部材における周壁部の面取り部12(図1、図2等参照)を脚部とした点が異なり、その他の構成は実施形態1と同様である。
つまり、実施形態2の充填部材は脚部の数を実施形態1よりも2つ増加して耐圧強度を高めている。
実施形態2の場合、実施形態1と同様に、周壁部120の4つの面に、かつ一対のコーナー部121を挟む位置に凹状の第1脚部130が設けられると共に、実施形態1の一対の面取り部の位置に第2脚部131が設けられている。なお、第1脚部130は、実施形態1の脚部30と同様の構成であるため説明を省略する。
第2脚部131は、実施形態1の面取り部よりも内側へ湾曲状に陥没し、かつ通水開口を有さない面取り部131aと、この面取り部131aの下端と下壁部140とに連設された底部131bとからなる。この面取り部131aは、第2脚部131の一部を構成すると同時に周壁部120の一部も構成しているため、周壁部120のテーパー角度で傾斜している。
なお、図11において、符号111は上壁部110の角部、符号112は上壁部110の面取り辺部、符号130aは第1脚部の底部、符号144は連結用孔を表している。
このように構成された実施形態2の充填部材も、図9または図10で説明したように地下貯水システム用の充填部材として敷設することができる。この際、実施形態1と同様に、複数個の充填部材を同じ向きで前後左右に隣接して敷設し、隣接する充填部材同士の連結用孔に図7で説明した連結具を差し込んで相互に連結することができる。また、下の充填部材に対して上の充填部材を90°回転した状態で積み上げることができ、このとき、上の充填部材の第脚部130の底部130aおよび第2脚部131の底部131bが、下の充填部材の上壁部110の4つの辺および一対の角部111に載る。
(実施形態3)
図12は、図7で説明した連結具の変形例を示している。図7の連結具50は係止部51が内側へ折れ曲った内爪タイプであるが、図12の連結具150は係止部151が外側へ折れ曲がった外爪タイプである。また、この連結具150の一対の係止部151の間には、一対の挟持片152が設けられている。
隣接する2つの充填部材の連結用孔44、44に、連結具150の一対の係止部151および一対の挟持片152を差し込むことにより、一対の挟持片152にて隣接した下壁部40、40を引き寄せ、かつ一対の係止部151が切欠き凹部に係合して抜け防止となり、隣接する2つの充填部材を強固に連結することができる。
(他の実施形態)
実施形態1では、周壁部20の面取り部22をフラットな面で構成した場合を例示したが、内側へ湾曲する面で構成してもよく、また、通水開口の数を減らして耐圧強度を高めるようにしてもよい。また、実施形態2では、周壁部120の面取り部131aを内側へ湾曲する面で構成したが、フラットな面で構成してもよい。
本発明の充填部材の実施形態1の斜視図である。 図2(a)は図1の充填部材の平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は底面図である。 実施形態1の充填部材を上下に組み立てた状態を示す図であって、図3(a)は正面図、図3(b)は正面断面図である。 実施形態1の充填部材を上下に組み立てた状態を示す図であって、斜め横から見た断面図である。 実施形態1の充填部材を左右に並べて連結した状態を示す平面図である。 実施形態1の充填部材を左右に並べて連結した状態を示す正面断面図である。 図6の連結部分を示す拡大図である。 実施形態1の充填部材を積み重ねた状態をしめす正面図である。 実施形態の充填部材を用いた一時的に貯水するタイプの地下貯水システムを示す概略断面図である。 実施形態の充填部材を用いた貯水を利用可能なタイプの地下貯水システムを示す概略断面図である。 実施形態2の充填部材を示す平面図である。 本発明における連結具の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10、110 上壁部
11、111 角部
12、112 面取り辺部
13、23 通水開口
14 ランナーリブ
15 リブ
15a 突出部
20、120 周壁部
21、121 コーナー部
22、131a 面取り部
30 脚部
31、130a、131b 底部
32 開口部
40、140 下壁部
41 突起部
42 水平壁部
43 切欠き部
44、144 連結用孔
50、150 連結具
51、151 係止部
60 透水性シート
61 板材
62 遮水性シート
130 第1脚部
131 第2脚部
F、F1、F2 充填部材
G 地面
P1 送水管
P2 取水管
S1、S2 地下貯水システム
θ1、θ2 テーパー角度

Claims (8)

  1. 地下貯水システムの貯水スペース内に、複数個組み立てられて用いられる充填部材であって、
    その充填部材は、比重が1.0以上の熱可塑性樹脂組成物からなり、他の充填部材に上載可能であると共に、互いに隣接して連結可能であり、かつ前記貯水スペース内の水を流通させる複数の通水開口を有する内部中空の柱型であり、
    前記柱型は、上壁部と、該上壁部の外周縁に沿って形成された周壁部と、該周壁部の下端縁に沿って形成された下壁部とで構成されて下方に開口しており、
    前記上壁部は、前記通水開口を有するプレート部と、該プレート部の内側下面に設けられたリブ構造部とで構成され、
    前記周壁部は、周方向に複数箇所が内側へ陥没して形成された脚部と、この脚部を除く残部を形成する前記通水開口を有する通水壁部とで構成され、
    前記周壁部の一部を構成する前記脚部は底部を有し、この底部は他の充填部材の上壁部に位置決めした状態で上載可能であり、
    前記下壁部は、隣接する他の充填部材の下壁部と連結可能な係合部を有し、
    さらに、前記充填部材が熱可塑性樹脂にて一体成形されてなることを特徴とする地下貯水システム用充填部材。
  2. 前記柱型の充填部材は、多角形柱形であって、前記多角形柱形の周壁部の複数の面のうち任意の複数面に前記脚部が配置されている請求項1に記載の地下貯水システム用充填部材。
  3. 前記上壁部は、平面的に見て、正方形の一対の対角に相当する一対の角部と、前記正方形の他の一対の対角を直線または凹曲線状に面取りしたように形状された一対の面取り辺部とを有し、
    前記周壁部は、上壁部の前記一対の角部と連設する一対のコーナー部と、上壁部の前記一対の面取り辺部と連設する一対の面取り部とを有し、
    前記脚部は、前記一対のコーナー部の近傍位置であって各コーナー部を挟むように4箇所配置されており、
    前記下壁部は、平面視正方形であり、かつ前記一対の面取り部と連設する一対の水平壁部を有し、
    一の充填部材を他の充填部材に対して垂直軸心廻りに90°回転した状態で重畳して組み立てたときに、前記一の充填部材の脚部の底部および前記水平壁部が、前記他の充填部材の上壁部における4つの辺および一対の角部に上載する請求項2に記載の地下貯水システム用充填部材。
  4. 前記上壁部は、平面的に見て、正方形の一対の対角に相当する一対の角部と、前記正方形の他の一対の対角を直線または凹曲線状に面取りしたように形状された一対の面取り辺部とを有し、
    前記周壁部は、上壁部の前記一対の角部と連設する一対のコーナー部と、上壁部の前記一対の面取り辺部と連設し通水開口を有さない一対の面取り部とを有し、
    前記脚部は、前記一対のコーナー部の近傍位置であって各コーナー部を挟むよう4箇所に配置された第1脚部と、前記一対の面取り部を含んでなる第2脚部とからなり、
    前記下壁部は、平面視正方形であり、
    一の充填部材を他の充填部材に対して垂直軸心廻りに90°回転した状態で重畳して組み立てたときに、前記一の充填部材の第1脚部および第2脚部の底部が、前記他の充填部材の上壁部における4つの辺および一対の角部に上載する請求項2に記載の地下貯水システム用充填部材。
  5. 前記周壁部は上方へ向かうにつれて内側へ傾斜するテーパー状に形成された請求項1〜4のいずれか1つに記載の地下貯水システム用充填部材。
  6. 前記リブ構造は、上壁部の中央位置に配置された前記通水開口から放射状に延びたランナーリブを有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の地下貯水システム用充填部材。
  7. 前記リブ構造が、積み重ねたときに他の充填部材の上壁部の上面に当接可能な突出部を有する請求項5に記載の地下貯水システム用充填部材。
  8. 前記係合部が、前記下壁部を上下方向に貫通する連結用孔であり、該連結用孔が下壁部の4つの辺にそれぞれ1つ以上配置されている請求項1〜7のいずれか1つに記載の地下貯水システム用充填部材。
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