JP4954587B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は高温下で使用されるスクリューコンプレッサー油に好適な高温環境に対応したスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物に関する。
従来、スクリューコンプレッサー油、タービン油、油圧作動油などのような酸化安定性を重視する潤滑油は、酸化防止剤、さび止め剤、消泡剤など各種添加剤を鉱油や合成油からなる基油に配合して製造されている。潤滑油は、通常、高度精製基油、炭化水素系合成潤滑油、エステル合成油等を基油として用い、これに酸化防止剤等を配合するのが一般的である。これらの中でも酸化防止剤は、油の酸化の過程で生じる酸化生成物の重縮合による粘度上昇や、非油溶性のスラッジの生成などの潤滑油の性能低下を防止することを目的とし、種々の要求に応じて用いられている。例えば、スクリューコンプレッサー圧縮時の水分を除去する目的で高温化が図られる場合には、使用される潤滑油にも高い熱酸化安定性が要求されることになる。
また、熱酸化安定性を高めるために、鉱油に代えて合成油が基油として用いられる場合がある。特に、ポリアルファオレフィン(ポリαオレフィン;以下、「PAO」と称する場合がある。)は、鉱油に比べて熱酸化安定性に優れる合成油であることが知られている。このようなポリαオレフィンを用いた潤滑油組成物としては、ポリアルファオレフィンとアルキル化芳香族流体などとを含む潤滑剤が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、酸化安定性を高めるために酸化防止剤としてジフェニルアミン類、アルキル化フェニルαナフチルアミン、フォスファイトを用いた潤滑油が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。また、熱酸化安定性を高めるために、アルキルナフタレンや、ジフェニルアミン類、アルキル化フェニルαナフチルアミンを用いた潤滑油が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかし、これらはいずれも基油として鉱油を用いるものである。
特表2005−511815号公報 特開平4−325594号公報 特開平7−228882号公報 特開2005−194416号公報
近年のスクリューコンプレッサーにおいては、高温化、コンパクト化、ロングドレン化が進められている。さらに、作業効率を向上させるために、スクリューコンプレッサー等の機器には、高圧化や、長期の連続運転が求められている。このように装置内での環境はより過酷になり、潤滑油への熱負荷が大幅に増加している。また、タービン油や油圧作動油においてもロングライフ化が進められていることから、潤滑油への熱負荷も同様に増大している。このように、これらの潤滑油に対しては、熱酸化安定性のさらなる向上が求められている。更に、スクリューコンプレッサー等の小型機器に場合には、構造上オイル交換が煩雑なものが多いことから、潤滑油の寿命をより長くすることも要求されている。
潤滑油の熱酸化安定性を向上させるためには、基油と添加剤との両面からの検討がなされるが、その際、これらの性能向上に加えて、スラッジの低減、水混入時の酸化安定性、さらにはゴム部品への影響が少ないことも求められる。特に、ポリαオレフィンのみからなる基油を用いる場合には、ゴムの収縮・硬化が起こりやすいことが知られており、ゴムの収縮や硬化は、ゴム製シールのシール性を低下させ、オイル漏れの原因となる場合がある。
本発明は、このような現状の課題を解決すべく、熱酸化安定性に優れたスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、合成基油に特定の酸化防止剤を配合した潤滑油組成物によって上記問題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物は、ポリαオレフィンを基油として含有し、更に、酸化防止剤としてアルキルナフタレンと、ジフェニルアミン類と、アルキル化フェニルαナフチルアミンと、フォスファイトとを含有する潤滑油組成物であって、前記アルキルナフタレンの含有量が、ポリαオレフィンとアルキルナフタレンとの全容量に対して1〜体積%であり、且つ、前記ジフェニルアミン類(x)と、アルキル化フェニルαナフチルアミン(y)と、フォスファイト(z)とを、質量比(x:y:z)1:1.5〜2.5:0.3〜0.6で含有するものである。
本発明によれば、熱酸化安定性に優れたスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物を提供することができる。
本発明のスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物(以下、単に本発明の潤滑油組成物と称する。)は、ポリαオレフィンを基油として含有し、更に、酸化防止剤としてアルキルナフタレンと、ジフェニルアミン類と、アルキル化フェニルαナフチルアミンと、フォスファイトとを含有する。また、本発明の潤滑油組成物においては、前記アルキルナフタレンの含有量が、ポリαオレフィンとアルキルナフタレンとの全容量に対して1〜体積%であり、且つ、前記ジフェニルアミン類(x)と、アルキル化フェニルαナフチルアミン(y)と、フォスファイト(z)とを、質量比(x:y:z)1:1.5〜2.5:0.3〜0.6で含有するものである。
本発明の潤滑油組成物は、ポリαオレフィンを基油として用い、酸化防止剤として、アルキルナフタレンと、ジフェニルアミン類と、アルキル化フェニルαナフチルアミンと、フォスファイトとを含有し、これらの含有量が上記条件を満たすことで、高い熱酸化安定性を発揮することができる。このため、本発明の潤滑油組成物は、高温状況下であっても好適に使用することができる。また、本発明の潤滑油組成物は、熱酸化安定性に優れることから寿命が長く、特にスクリューコンプレッサー等の循環系の小型装置に好適に用いることができる。
更に、上述のように基油としてポリαオレフィンを用いる場合には、ゴムの収縮や硬化によってゴム製シールのシール性が悪くなり、オイル漏れを起こす原因となる場合がある。しかし、本発明の潤滑油組成物は、ゴムへの影響が少ないことから、ゴム製シールのシール性を低下させにくい。更に、本発明の潤滑油組成物、スラッジが発生しにくく、水混入時の酸化安定性も高い。以下、本発明の潤滑油組成物について詳細に説明する。
(基油)
本発明の潤滑油組成物は基油としてポリαオレフィンを用いる。前記ポリαオレフィンは、合成基油の一種であり、両末端の片側に二重結合を有する炭素数3〜18の直鎖状αオレフィンを重合させ,水素添加処理して得られる無色透明の液体である。ポリαオレフィンは、エステル結合を持たないことから、分子内に酸素原子がなく、極性のない炭素と水素とから構成される化合物である。
前記ポリαオレフィンとしては、例えば、熱酸化安定性の観点から、炭素数3〜12のαオレフィンの重合体が好ましく、更に好ましくは炭素数10〜12のαオレフィンの2量体、3量体又は4量体が挙げられる。本発明においてポリαオレフィンの、40℃下における動粘度は、2〜500mm2/sが好ましく、2〜60mm2/sであることが更に好ましい。
本発明の潤滑油組成物中における前記ポリαオレフィンの含有量は、熱酸化安定性の観点から、85〜97体積%であることが好ましく、90〜95体積%が特に好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の潤滑油組成物は、酸化防止剤は、少なくとも下記の4種の酸化防止剤を有するものである。本発明の潤滑油組成物は、本発明の効果に影響を与えない限り、他の酸化防止剤を含むものであってもよい。
−アルキル基を有する芳香族炭化水素−
本発明の潤滑油組成物に用いられるアルキル基を有する芳香族炭化水素は、少なくとも1つのアルキル基を有する芳香族炭化水素を意味する。ここで、「芳香族炭化水素」とは、実質的に水素原子と炭素原子とから構成され、ヘテロ原子を含まない化合物を意味する。本発明における芳香族炭化水素を含有すると、ポリαオレフィンに特有のゴムの収縮や硬化を防止することもできる。
本発明におけるアルキル基を有する芳香族炭化水素は、熱酸化安定性の観点から、1〜2環構造であることが好ましく、2環構造であることが特に好ましい。即ち、本発明におけるアルキル基を有する芳香族炭化水素の芳香族炭化水素部としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、ポリαオレフィンと併用した際の熱酸化安定性の観点から、ナフタレン環が好ましい。
本発明における芳香族炭化水素のアルキル基は、熱酸化安定性の観点から、炭素数1〜40のアルキル基が好ましく、炭素数8〜30のアルキル基が更に好ましく、炭素数12〜20のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基は直鎖でも分岐鎖もよい。また、本発明における芳香族炭化水素のアルキル基の数としては、熱酸化安定性の観点から、1〜3が好ましく、1〜2が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(全ての異性体を含む)、ブチル基(全ての異性体を含む)、ペンチル基(全ての異性体を含む)、ヘキシル基(全ての異性体を含む)、ヘプチル基(全ての異性体を含む)、オクチル基(全ての異性体を含む)、ノニル基(全ての異性体を含む)、デシル基(全ての異性体を含む)、ウンデシル基(全ての異性体を含む)、ドデシル基(全ての異性体を含む)、トリデシル基(全ての異性体を含む)、テトラデシル基(全ての異性体を含む)、ペンタデシル基(全ての異性体を含む)、ヘキサデシル基(全ての異性体を含む)、ヘプタデシル基(全ての異性体を含む)、オクタデシル基(全ての異性体を含む)、ノナデシル基(全ての異性体を含む)、イコシル基(全ての異性体を含む)、ヘンイコシル基(全ての異性体を含む)、ドコシル基(全ての異性体を含む)、トリコシル基(全ての異性体を含む)、テトラコシル基(全ての異性体を含む)、ペンタコシル基(全ての異性体を含む)、ヘキサコシル基(全ての異性体を含む)、ヘプタコシル基(全ての異性体を含む)、オクタコシル基(全ての異性体を含む)、ノナコシル基(全ての異性体を含む)、トリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ドトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、トリトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、テトラトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ヘキサトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ヘプタトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、オクタトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ノナトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、テトラコンチル基(全ての異性体を含む)、等のアルキル基が挙げられる。
本発明におけるアルキル基を有する芳香族炭化水素としては、例えば、アルキルベンゼンやアルキルナフタレン等が挙げられ、本発明ではアルキルナフタレンが用いられる。前記アルキルナフタレンとしては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0004954587
(一般式(1)中、R1,R2,R3,及びR4は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を示し、且つ、R1,R2,R3及びR4の少なくとも1つがアルキル基である。R1,R2,R3,及びR4は、それぞれ同一でもよいし異なっていてもよい。)
一般式(1)において、R1,R2,R3及びR4は、それぞれ水素原子又は炭化水素基を示し、且つ、R1,R2,R3及びR4の少なくとも1つがアルキル基である。前記炭化水素基は、アルキル基の他、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が含まれるが、R1,R2,R3及びR4の全てがアルキル基であることが好ましい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(全ての異性体を含む)、ブチル基(全ての異性体を含む)、ペンチル基(全ての異性体を含む)、ヘキシル基(全ての異性体を含む)、ヘプチル基(全ての異性体を含む)、オクチル基(全ての異性体を含む)、ノニル基(全ての異性体を含む)、デシル基(全ての異性体を含む)、ウンデシル基(全ての異性体を含む)、ドデシル基(全ての異性体を含む)、トリデシル基(全ての異性体を含む)、テトラデシル基(全ての異性体を含む)、ペンタデシル基(全ての異性体を含む)、ヘキサデシル基(全ての異性体を含む)、ヘプタデシル基(全ての異性体を含む)、オクタデシル基(全ての異性体を含む)、ノナデシル基(全ての異性体を含む)、イコシル基(全ての異性体を含む)、ヘンイコシル基(全ての異性体を含む)、ドコシル基(全ての異性体を含む)、トリコシル基(全ての異性体を含む)、テトラコシル基(全ての異性体を含む)、ペンタコシル基(全ての異性体を含む)、ヘキサコシル基(全ての異性体を含む)、ヘプタコシル基(全ての異性体を含む)、オクタコシル基(全ての異性体を含む)、ノナコシル基(全ての異性体を含む)、トリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ドトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、トリトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、テトラトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ヘキサトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ヘプタトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、オクタトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、ノナトリアコンチル基(全ての異性体を含む)、テトラコンチル基(全ての異性体を含む)、等の炭素数1〜40のアルキル基が挙げられる。
これらの中でも炭素数8〜30のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数12〜20のアルキル基である。これらのアルキル基は直鎖でも分岐鎖もよい。
また、一般式(1)におけるR1,R2,R3及びR4は同一でもよいし、異なっていてもよい。R1,R2,R3及びR4の合計炭素数としては、熱酸化安定性の観点から、8〜60が好ましく、12〜50がより好ましい。
前記一般式(1)で表されるアルキルナフタレンとしては、例えば、デシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ウンデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ドデシルナルタレン(全ての異性体を含む)、トリデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、テトラデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ペンタデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ヘキサデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ヘプタデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、オクタデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ノナデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、イコシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(デシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ウンデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ドデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(トリデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(テトラデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ペンタデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ヘキサデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ヘプタデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(オクタデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ノナデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(イコシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中におけるアルキル基を有する芳香族炭化水素の含有量は、前記ポリαオレフィンとアルキル基を有する芳香族炭化水素との全容量に対して1〜10体積%である。前記アルキル基を有する芳香族炭化水素の含有量が、当該芳香族炭化水素とポリαオレフィンとの全容量に対して、1体積%未満であると、酸化防止効果が少なく、また、ゴムへの影響も生じる場合もある。一方、前記含有量が10体積%を超えると、添加量に見合った効果が得られず、50体積%以上の添加では、添加量に見合った効果が得られない上、かえって熱酸化安定性が低下してしまう場合がある。前記アルキル基を有する芳香族炭化水素の含有量としては、熱酸化安定性の確保とゴム硫化防止の観点から、前記ポリαオレフィンとアルキル基を有する芳香族炭化水素との全容量に対しては2.5〜5体積%であることが好ましい。
−ジフェニルアミン類−
本発明の潤滑油組成物に酸化防止剤として使用されるジフェニルアミン類は、2つのフェニル基を有するアミン化合物であれば特に限定されないが、熱酸化安定性の観点から、下記一般式(2)で表されるアルキル化ジフェニルアミンが好ましい。
Figure 0004954587
(一般式(2)中、R5,R6は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜16のアルキル基を示す。)
一般式(2)におけるR5及びR6としては、熱酸化安定性の観点から、水素原子又は炭素数3〜9のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数4〜8のアルキル基であることが特に好ましい。これらのアルキル基は直鎖でも分岐鎖もよい。一般式(2)における前記炭素数1〜16のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトレデシルなどが挙げられる。
また、前記一般式(2)で表されるアルキル化ジフェニルアミンの好適な具体例としては、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミンなどが挙げられる。これら一般式(2)で表されるアルキル化ジフェニルアミンは1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
−アルキル化フェニルαナフチルアミン−
本発明の潤滑油組成物に使用されるアルキル化フェニルαナフチルアミンとしては、公知のものを適宜選定して用いることができるが、熱酸化安定性の観点から、下記一般式(3)で表されるアルキル化フェニルαナフチルアミンが特に好ましい。
Figure 0004954587
(一般式(3)中、R7は炭素数1〜16のアルキル基を示す。)
一般式(3)中、R7は炭素数1〜16のアルキル基を示し、熱酸化安定性の観点から、炭素数4〜8のアルキル基であることが好ましい。これらのアルキル基は直鎖でも分岐鎖もよい。R7で示されるアルキル基の具体例としては、上述の一般式(2)におけるR5,R6で例示したアルキル基と同様のものが挙げられる。前記一般式(3)で表されるアルキル化フェニルαナフチルアミンの好適な具体例としては、例えば、オクチル化フェニルαナフチルアミンが挙げられる。これらのアルキル化フェニルαナフチルアミンは1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
−フォスファイト−
本発明の潤滑油組成物に使用されるフォスファイトとは、亜リン酸エステルを意味する。本発明におけるフォスファイトとしては、公知のものを特に限定なく用いることができる、例えば、トリス(2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート)フォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリステアリルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリイソオクチルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリクレジルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイトなどの亜燐酸トリアルキルエステル類や、亜燐酸ジアルキルエステル類、亜燐酸モノアルキルエステル類などが挙げられる。このなかでも本発明におけるフォスファイトとしては、トリス(アルキルフェニル)フォスファイトが好ましい。前記トリス(アルキルフェニル)フォスファイトの代表例としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004954587
(一般式(4)中、R8,R9はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
一般式(4)におけるR8,R9としては、熱酸化安定性の観点から、炭素数2〜6のアルキル基であることが好ましい。これら一般式(4)で表されるトリス(アルキルフェニル)フォスファイトのうち、特に好ましいものは、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイトである。
−ジフェニルアミン類、アルキル化フェニルαナフチルアミン、フォスファイトの含有量−
本発明の潤滑油組成物において、前記ジフェニルアミン類(x)と、アルキル化フェニルαナフチルアミン(y)と、フォスファイト(z)との質量比(配合比率)(x:y:z)は、1:1.5〜2.5:0.3〜0.6である。ジフェニルアミン類の添加量に対して、アルキル化フェニルαナフチルアミンの添加量が1.5倍未満であると熱酸化防止効果が小さくなり、また、2.5倍を超えても添加量に見合った効果は得られない。更に、ジフェニルアミン類の添加量に対して、フォスファイトの添加量が0.3倍未満であると酸化防止効果が小さく、また、0.6倍を超えても添加量に見合った効果は得られない。以上のように、本発明においては、前記3種の酸化防止剤の質量比(配合比率)が1:1.5〜2.5:0.3〜0.6の範囲内にある場合に効果的な熱酸化防止性が発揮される。
上記3種の酸化防止剤について、本発明の潤滑油組成物中の各々の添加量としては、3種の酸化防止剤が上記の関係を満たし、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルアミン類がポリαオレフィンとアルキル基を有する芳香族炭化水素との混合液の全体積に対して3〜10g/lであることが好ましく、5〜8g/lが更に好ましい。また、アルキル化フェニルαナフチルアミンの添加量は、ポリαオレフィンとアルキル基を有する芳香族炭化水素との混合液の全体積に対して4.5〜25g/lであることが好ましく、8〜15g/lであることが更に好ましい。更に、フォスファイトの添加量は、ポリαオレフィンとアルキル基を有する芳香族炭化水素との混合液の全体積に対して0.9〜6g/lが好ましく、1.5〜4g/lが特に好ましい。
(添加剤)
本発明の潤滑油組成物には、さらに各種性能を高める目的で公知の潤滑油に用いられる添加剤を、適宜選定して、単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。前記添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系金属不活性剤、エステル系のさび止め剤、スチレンーブタジエン水添加重合体、エチレンプロピレン重合体、ポリイソブチレン、ポリメタクリレートなどの流動点降下剤、ポリアクリレート、ポリジメチルシロキサンなどの消泡剤、エチレンオキシドープロピレンオキシド供重合体などの抗乳化剤などが挙げられる。
(使用用途)
上記構成を有する本発明の潤滑油組成物は、高い熱酸化安定性を発揮すると共に、スラッジの低減、ゴムに対する影響の低減、水分混入時の酸化安定性等を達成できるものである。特に、本発明の潤滑油組成物は、高温条件下であっても高い熱酸化防止効果を奏することができることから、例えば、80℃以上の高温部分を有する機械の使用において非常に有効である。また、本発明の潤滑油組成物は寿命が長いことから、本発明の潤滑油組成物の使用用途としては、例えば、スクリューコンプレッサー油が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。但し、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。尚、実施例及び比較例における評価方法は次の方法に従って行った。
(酸化安定性の評価方法)
(1)RBOT(分)
本実施例においてRBOT(Rotating Bomb Oxidation Test)は、全ての条件についてJIS−K2514(1996)に制定されている回転ボンベ式酸化安定度試験に従っておこなった。係る結果によって得られた時間が長いほど、熱酸化安定性及び水混入時の酸化安定性が優れていることを示す。
(2)修正ISOT
本実施例において修正ISOT(Indiana Stirring Oxidation Test)は、JIS−K2514(1996)に制定されている内燃機関用潤滑油酸化安定度試験法に、さらに強制的に10L/hの空気を、試験油に吹き込んで酸化劣化を促進して行った。修正ISOTは、1日ごとに動粘度、酸価、スラッジを測定し、動粘度が50%増加、酸価が2以上、又は、スラッジが10mg/100ml以上のいずれか1項目を越えるまでの日数で評価した。この日数が長い程、熱・酸化安定性、スラッジ低減効果が優れていることを示す。
(3)ゴム膨潤試験
本実施例においてゴム膨潤試験は下記の測定条件の下、JIS−K6251(1999)に準拠して行った。
試験片材質:NBR(NOK社製、A727)
試験条件:120℃×168時間
評価:質量変化率(%)体積変化率(%)、かたさ変化
尚、上記評価項目の内、特に体積変化率が0〜5%の範囲にあるとシール性が良好であることを示す。また、体積変化率がマイナス値であると、シール性が劣るため好ましくない。
(4)抗乳化性試験
本実施例において抗乳化性試験は、全ての条件についてJISK2520に従っておこなった。尚、下記表1の評価結果の「40−40−0(10min)」は、試験10分後に油層−水層−乳化層の体積比が「40−40−0」であること、即ち、乳化層が存在しないことを示す。
[実施例1〜2及び比較例1〜3]
実施例及び比較例において、それぞれ下記表1に示す化合物を混合し各潤滑油組成物を調製し、得られた組成物について上記(1)〜(4)の測定を行った。各実施例及び比較例で用いた基油及び添加剤を下記に示す。
A:ポリαオレフィン
(平均分子量:460、動粘度(40℃):32mm2/s)
B:鉱油
(動粘度(40℃):32mm2/s)
※前記鉱油は、水素化精製基油である。
C:炭素数16のアルキル基を分子内に2つ有するアルキルナフタレン
(アルキル基を有する芳香族炭化水素)
D:ジフェニルアミン類
前記一般式()におけるR5,R6が、水素原子、−C49、−C817のいずれかの組み合わせの混合物
E:アルキル化フェニルαナフチルアミン
前記一般式()におけるR7がC817の化合物
F:トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイト
G:その他添加剤(さび止め剤、腐食防止剤、消泡剤等)
Figure 0004954587
表1からわかるように実施例1及び2の潤滑油組成物は、RBOT値、修正ISOTとも各比較例より良好な結果となっており、熱・酸化安定性、スラッジ低減、水混入時の酸化安定性が優れていることがわかる。更に、実施例1及び2の潤滑油組成物は、ゴムへの影響も少ないことがわかる。
一方、各比較例の潤滑油組成物は、いずれも抗乳化試験では実施例で同等性能を有し潤滑油としての基本性能は満たしているが、RBOT値、修正ISOT値が各実施例より劣っている。さらに、比較例2の潤滑油組成物は、アルキルナフタレンを含有しない場合、ゴム膨潤性が悪いことがわかる。

Claims (5)

  1. ポリαオレフィンを基油として含有し、更に、酸化防止剤としてアルキルナフタレンと、ジフェニルアミン類と、アルキル化フェニルαナフチルアミンと、フォスファイトとを含有するスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物であって、
    前記アルキルナフタレンの含有量が、前記ポリαオレフィンと前記アルキルナフタレンとの全容量に対して1〜体積%であり、且つ、前記ジフェニルアミン類(x)と、前記アルキル化フェニルαナフチルアミン(y)と、前記フォスファイト(z)とを、質量比(x:y:z)1:1.5〜2.5:0.3〜0.6で含有することを特徴とするスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物。
  2. 前記アルキルナフタレンの含有量が、前記ポリαオレフィンと前記アルキルナフタレンとの全容量に対して2.5〜5体積%であることを特徴とする請求項1に記載のスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物。
  3. 前記ジフェニルアミン類の含有量が、前記ポリαオレフィンと前記アルキルナフタレンとの混合液の全体積に対して3〜10g/lであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物。
  4. 前記アルキル化フェニルαナフチルアミンの含有量が、前記ポリαオレフィンと前記アルキルナフタレンとの混合液の全体積に対して4.5〜25g/lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物。
  5. 前記フォスファイトの含有量が、前記ポリαオレフィンと前記アルキルナフタレンとの混合液の全体積に対して0.9〜6g/lであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクリューコンプレッサー用潤滑油組成物。
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