以下、添付図面を参照して、この発明にかかるCASシステムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(コンテンツ視聴における権利委譲システムの全体構成)
図1−1は、コンテンツ視聴における視聴ライセンスの権利委譲システムを示す全体構成図である。CASライセンス委譲システム1は、コンテンツ視聴における視聴ライセンス(CASライセンス)を管理するCAS管理機関2と、CASカード3を有してコンテンツの視聴を行う自宅等に設置される委譲元の受信装置4と、委譲元の受信装置4のCASカード3から視聴ライセンスを一時的に委譲される携帯端末5と、CASカード6を有してコンテンツ視聴を行う外出先等に設置される第2の受信装置7と、を有している。8は、委譲先の受信装置7に接続されコンテンツ視聴を行うためのモニタである。
CAS管理機関2は、プリペイド発行管理部Aと、プリペイド分回収管理部Bと、利用料金の分配管理部Cを有している。これらは、サーバーやDBなどで構成される。ここで、コンテンツ視聴とは、複数のサービス提供者9がそれぞれ提供する放送サービスのリアルタイムな視聴およびオンデマンドサービスの視聴のいずれであってもよい。
また、プリペイドチケット発行のシステムを用いてコンテンツ視聴を行える。この場合、携帯端末5はプリペイド機能部5aを有する。コンビニエンスストア等のプリペイド販売店10には、プリペイド発行管理端末Dを備えており、CAS管理機関2のプリペイド発行管理部Aとの間でプリペイドチケットの発行管理を連携している。なお、プリペイドチケットは、電子化されたチケットデータであり、任意に追加発行して携帯端末5のプリペイド機能部5aに蓄積される。
CASカード3,6および携帯端末5は、CASライセンスの委譲およびプリペイドチケットのデータを保有するやりとりを行うためにCPUやROM、RAM等のメモリを有する。例えば、携帯端末5としては、携帯電話やPDA、携帯型のCD/DVDプレーヤー、CPU機能を有するICチップが内蔵されたプリペイドカードや、キャッシュカード、クレジットカート、定期券、鍵等を用いることができる。
プリペイドチケットやCASライセンスの処理は、セキュリティが確保された領域で行われる。図1−1においてセキュリティが確保されている領域とは、自宅に設置される委譲元の受信装置4と、外出先である委譲先の受信装置7にそれぞれ装着されたCASカード3、6、CAS管理機関2、携帯端末5内のプリペイド機能部5a(具体的には、携帯電話などで一般利用者が見ることのできないメモリやCPUの実行エリアで課金計算やデータ保持を行う)、プリペイド販売店10に設置しているプリペイド発行管理端末Dとなる。
次に、委譲元の受信装置4のCASライセンスを用いて委譲先の受信装置7においてコンテンツを視聴する場合にCASライセンスの権利委譲を行う。このCASライセンスの権利委譲にかかるプリペイドチケットの移動(図中実線矢印)と、利用料金の移動(図中点線矢印)について説明する。
CAS管理機関2のプリペイド発行管理部Aは、自宅の委譲元の受信装置4のCASカード3に対して、a.CASライセンスを発行する。そして、委譲元の受信装置4のCASカード3は、自宅から持ち出し可能な携帯端末5のプリペイド機能部5aに対して、b.CASライセンスを委譲する。このCASライセンスの委譲は、携帯端末5をプリペイド販売店10に持参し、プリペイド発行管理端末Dからプリペイドチケットのa’.発行を受けることによって有効となる。プリペイドチケットは、例えば、視聴時間に対応した利用料金を課金データとして携帯端末5のプリペイド機能部5aに格納される。
この後、携帯端末5を外出先である委譲先の受信装置7に持って行く。そして、この委譲先の受信装置7に設けられたCASカード6に対して、c.プリペイドチケットの利用分の支払いを行う。そして、委譲先の受信装置7のCASカード6は、CAS管理機関2のプリペイド分回収管理部Bに対して、d.利用分の支払いを行う。
この後、CAS管理機関2は、プリペイド分回収管理部Bから利用料金の支払いをプールし、利用料金の分配管理部Cが、該当するサービス提供者9に対して、e.利用料金の分配を行う。最後に、サービス提供者9は、外出先である委譲先の受信装置7に対してコンテンツの提供を行い、CASカード6は、モニタ8を介したコンテンツの視聴を許可する。
(実施の形態1)
この実施の形態1では、普及率の高い携帯電話などの電子携帯端末をCAS(Conditional Access System)カードのライセンスに紐付けして管理し、本来視聴している受信装置から電子携帯端末に放送コンテンツ視聴ライセンスの一次委譲を行い、さらに、この電子携帯端末から他の受信装置(例えば、外出時に携帯する受信装置や、外出先の受信装置)に放送コンテンツの視聴ライセンスを二次委譲することで、他の受信装置においてCASカードを必要とせずに正当な放送コンテンツ視聴契約者という判断の下で放送コンテンツが視聴できるような放送コンテンツ受信システムを示す。
(放送コンテンツの視聴ライセンス委譲時の放送コンテンツ受信システムの構成)
図1−2は、この発明の実施の形態1にかかる放送コンテンツ受信システム(放送コンテンツの視聴ライセンス委譲時)の構成を示す図である。この放送コンテンツ受信システムは、自宅などの屋内で放送コンテンツの受信を行う受信装置101と、CASに基づいた放送コンテンツ受信ライセンスの管理を行うCAS管理機関102と、携帯可能な電子携帯端末103と、を含み構成される。受信装置101と、CAS管理機関102と、電子携帯端末103とを広域のネットワークを介して接続する場合は、他の装置への通信に際してあらかじめ所定の暗号化処理を行うことが好ましい。また、受信装置101と電子携帯端末103との間の距離が近い場合には、受信装置101から電子携帯端末103への通信に、LANや赤外線、ケーブルなどを用いてもよい。
受信装置101は、放送コンテンツ再生機能(不図示)の他、CASカード111を備えている。CASカード111は、CASライセンス委譲依頼部112と、CASライセンス委譲許可受信部113と、CASライセンス委譲部114と、を備えている。CASカード111は、装着された受信装置101に放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)を与える。CASライセンス委譲依頼部112は、CAS管理機関102に対して他の受信装置へのCASライセンス委譲を依頼する。CASライセンス委譲許可受信部113は、CAS管理機関102から与えられたCASライセンス委譲許可を受信する。CASライセンス委譲部114は、CASライセンス委譲許可受信部113がCAS管理機関102からのCASライセンス委譲許可を受信すると、受信装置101が有するCASライセンスを電子携帯端末103へ委譲する。
CAS管理機関102は、CASライセンス委譲依頼受付部121と、CASライセンス委譲管理部122と、データベース123と、CASライセンス委譲許可発行部124と、を備えている。CASライセンス委譲依頼受付部121は、CASカード111のCASライセンス委譲依頼部112から発せられたCASライセンス委譲依頼を受け付ける。CASライセンス委譲管理部122は、CASライセンス委譲依頼受付部121が受け付けたライセンス委譲依頼を収集し、CASライセンス委譲依頼をCASライセンス委譲情報としてデータベース123へ書き込む。CASライセンス委譲許可発行部124は、CASライセンス委譲依頼を発したCASカード111に対してCASライセンス委譲許可を発行する。
電子携帯端末103は、CASライセンス受信部131と、CASライセンス保存部132と、を備えている。CASライセンス受信部131は、CASカード111のCASライセンス委譲部114から委譲されたCASライセンスを受信する。CASライセンス保存部132は、CASライセンス受信部131が受信したCASライセンスを保存する。
(放送コンテンツの視聴ライセンス委譲の処理手順)
図2は、放送コンテンツの視聴ライセンス委譲の処理手順を示すフローチャートである。以下、図2に基づき、実施の形態1にかかる放送コンテンツ受信システムにおける放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)委譲の処理手順を説明する。
まず、CASカード111がCAS管理機関102に対してCASライセンス委譲を依頼する(ステップS201)。具体的には、CASカード111のCASライセンス委譲依頼部112が、CAS管理機関102に対して他の受信装置へのCASライセンス委譲を依頼する。
次に、CAS管理機関102が、CASカード111からのCASライセンス委譲依頼を受け付ける(ステップS202)。具体的には、CAS管理機関102のCASライセンス委譲依頼受付部121が、CASカード111からのCASライセンス委譲依頼を受け付ける。
次に、CAS管理機関102が、受信したCASライセンス委譲依頼を管理する(ステップS203)。具体的には、CAS管理機関102のCASライセンス委譲管理部122が、CASライセンス委譲依頼受付部121が受け付けたライセンス委譲依頼を収集し、CASライセンス委譲依頼をCASライセンス委譲情報としてデータベース123へ書き込む。
次に、CAS管理機関102が、CASカード111に対してCASライセンス委譲許可を発行する(ステップS204)。具体的には、CAS管理機関102のCASライセンス委譲許可発行部124が、CASライセンス委譲依頼を発したCASカード111に対してCASライセンス委譲許可を発行する。
次に、CASカード111が、CAS管理機関102からのCASライセンス委譲許可を受信する(ステップS205)。具体的には、CASカード111のCASライセンス委譲許可受信部113が、CAS管理機関102のCASライセンス委譲許可発行部124から与えられたCASライセンス委譲許可を受信する。
続いて、CASカード111が、電子携帯端末103に対してCASライセンスを委譲する(ステップS206)。具体的には、CASカード111のCASライセンス委譲部114が、電子携帯端末103へCASカード111が有するCASライセンスを委譲する。
次に、電子携帯端末103が、CASカード111からのCASライセンスの委譲を受信する(ステップS207)。具体的には、電子携帯端末103のCASライセンス受信部131が、CASカード111のCASライセンス委譲部114から委譲されたCASライセンスを受信する。
最後に、電子携帯端末103が、受信したCASライセンスを保存する(ステップS208)。この処理は、電子携帯端末103のCASライセンス保存部132が行う。
以上のような手順により、この実施の形態1にかかる放送コンテンツ受信システムは、CASカード111から他装置である電子携帯端末103に対して放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)を委譲することができる。なお、CAS管理機関102で管理されるCASライセンス委譲情報や電子携帯端末103に委譲されたCASライセンスは、ブラインド署名などの手法により、個人の特定がされないままCASライセンス情報の正当性が担保される。
(放送コンテンツ視聴時の放送コンテンツ受信システムの構成)
図3は、この発明の実施の形態1にかかる放送コンテンツ受信システム(放送コンテンツ視聴時)の構成を示す図である。この放送コンテンツ受信システムは、携帯が可能な電子携帯端末301と、外出先の屋外や部屋等で放送コンテンツの視聴が可能な受信装置302と、CAS管理機関303と、放送コンテンツ提供機関304と、を含み構成される。電子携帯端末301と、受信装置302と、CAS管理機関303と、放送コンテンツ提供機関304とを広域のネットワークを介して接続する場合は、他の装置への通信に際してあらかじめ所定の暗号化処理を行うことが好ましい。
なお、電子携帯端末301と受信装置302とは一体的に構成してもよく、例えば、放送コンテンツの受信機能を有する携帯電話を用いることもできる。
電子携帯端末301は、図1−2に示した電子携帯端末103の構成に加え、さらに、CASライセンス送信部311と、放送コンテンツ視聴依頼部312と、を備えている。CASライセンス送信部311は、CASライセンス保存部132(図1−2参照)にCASライセンスが保存されている場合に、放送コンテンツ視聴依頼部312に、CASライセンスを保存している旨の通知を行う。また、CASライセンス送信部311は、CASライセンス保存部132が保存しているCASライセンスを受信装置302に対して送信する。放送コンテンツ視聴依頼部312は、CASライセンスを保持している旨の通知を受けた場合に限り、受信装置302に対して放送コンテンツの視聴を依頼する。
受信装置302は、放送コンテンツ再生機能(不図示)の他、放送コンテンツ視聴依頼受付部321と、放送コンテンツ提供依頼部322と、CASカード320と、を備えている。CASカード320は、CASライセンス受信部323と、CASライセンス取得通知送信部324と、放送コンテンツ受信部325と、を備えている。放送コンテンツ視聴依頼受付部321は、電子携帯端末301の放送コンテンツ視聴依頼部312から発せられた放送コンテンツ視聴依頼を受け付ける。放送コンテンツ提供依頼部322は、放送コンテンツ視聴依頼受付部321が電子携帯端末301からの放送コンテンツ視聴依頼を受け付けると、放送コンテンツ提供機関304に対して放送コンテンツの提供を依頼する。CASライセンス受信部323は、電子携帯端末301のCASライセンス送信部311から送信されたCASライセンスを受信する。CASライセンス取得通知送信部324は、CASライセンス受信部323が電子携帯端末301からのCASライセンスを受信した場合に、CAS管理機関303に対してCASライセンスを取得した旨の通知を送信する。放送コンテンツ受信部325は、CASカード320の放送コンテンツ提供機関304から提供された放送コンテンツを受信する。この受信装置302では、放送コンテンツ受信部325が放送コンテンツを受信することで、その放送コンテンツを視聴できるようになる。
CAS管理機関303は、図1−2に示したCAS管理機関102の構成に加え、さらに、CASライセンス取得通知受信部331と、CASライセンス取得通知判定部332と、を備えている。
CASライセンス取得通知受信部331は、CASカード320のCASライセンス取得通知送信部324から送信されたCASライセンスを取得した旨の通知を受信する。CASライセンス取得通知判定部332は、CASライセンス取得通知受信部331が受信したCASライセンスを取得した旨の通知の真偽を判定する。ここで判定される通知の真偽は、前述した処理により、データベース123に格納されているCASライセンス委譲情報を参照して行われる。
CASライセンスを取得した旨の通知が真正なものである場合は、CASライセンス取得通知判定部332は、真偽判定を行った結果などをデータベース123へ書き込んでおくとよい。
放送コンテンツ提供機関304は、放送コンテンツ提供依頼受付部341と、放送コンテンツ提供部342と、を備えている。放送コンテンツ提供依頼受付部341は、受信装置302の放送コンテンツ提供依頼部322から送られた放送コンテンツ提供依頼を受信する。放送コンテンツ提供部342は、放送コンテンツ提供依頼受付部341が受け付けた放送コンテンツ提供依頼に合致する放送コンテンツを受信装置302に対し提供する。
(放送コンテンツ視聴の処理手順)
図4は、放送コンテンツ視聴の処理手順を示すフローチャートである。この放送コンテンツ視聴処理は、図2に基づいて説明した、放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)委譲処理に続いて実行されるものである。以下、図4に基づき、実施の形態1にかかる放送コンテンツ受信システムにおける放送コンテンツ視聴の処理手順を説明する。
まず、電子携帯端末301が、電子携帯端末301にCASライセンスが保存されているか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、電子携帯端末301が、電子携帯端末301のCASライセンス保存部132(図1−2参照)にCASライセンスが保存されているか否かを判定する。ここで、CASライセンス保存部132(図1−2参照)にCASライセンスが保存されている場合(ステップS401:Yes)、電子携帯端末301が、CASカード320に対してCASライセンスを送信する(ステップS402)。具体的には、電子携帯端末301のCASライセンス送信部311が、CASカード320のCASライセンス受信部323に対してCASライセンスを送信する。また、この場合(ステップS401:Yes)、CASライセンス送信部311は、CASライセンスが保存されている旨の通知を放送コンテンツ視聴依頼部312に送信する。一方、電子携帯端末301のCASライセンス保存部132(図1−2参照)にCASライセンスが保存されていない場合(ステップS401:No)、CASライセンス受信部323へのCASライセンス送信及び放送コンテンツ視聴依頼部312への通知を行わず、すべての処理を終了する。
次に、電子携帯端末301が、受信装置302に放送コンテンツの視聴を依頼する(ステップS403)。具体的には、電子携帯端末301の放送コンテンツ視聴依頼部312は、CASライセンス送信部311からCASライセンスが保存されている旨の通知があると、受信装置302の放送コンテンツ視聴依頼受付部321に対して放送コンテンツの視聴を依頼する。
続いて、CASカード320が、電子携帯端末301からのCASライセンスを受信する(ステップS404)。具体的には、CASカード320のCASライセンス受信部323が、電子携帯端末301のCASライセンス送信部311から送信されたCASライセンスを受信する。
続いて、受信装置302が、電子携帯端末301からの放送コンテンツの視聴依頼を受け付ける(ステップS405)。具体的には、受信装置302の放送コンテンツ視聴依頼受付部321が、電子携帯端末301の放送コンテンツ視聴依頼部312から発せられた放送コンテンツの視聴依頼を受け付ける。
そして、CASカード320が、CAS管理機関303に対してCASライセンスを取得した旨の通知を送信する(ステップS406)。具体的には、CASカード320のCASライセンス取得通知送信部324が、CASライセンス受信部323が電子携帯端末301からのCASライセンスを受信した場合に、CAS管理機関303に対してCASライセンスを取得した旨の通知を送信する。
次に、CAS管理機関303が、CASカード320からのCASライセンスを取得した旨の通知を受信する(ステップS407)。具体的には、CAS管理機関303のCASライセンス取得通知受信部331が、CASカード320のCASライセンス取得通知送信部324から送信されたCASライセンスを取得した旨の通知を受信する。
続いて、CAS管理機関303がCASライセンス取得通知の真偽を判定し、判定結果をデータベース123に書き込む(ステップS408)。この処理は、CAS管理機関303のCASライセンス取得通知判定部332が行う。具体的には、CASライセンス取得通知判定部332が、前述のCASライセンスを取得した旨の通知を、図2のステップS203の処理によって、データベース123に格納されたCASライセンス委譲依頼の内容と照合することにより実行される。そして、CASライセンス取得通知判定部332は、判定の結果をデータベース123に書き込む。
一方で、受信装置302が、放送コンテンツ提供機関304に対して放送コンテンツの提供を依頼する(ステップS409)。具体的には、受信装置302の放送コンテンツ視聴依頼受付部321が電子携帯端末301からの放送コンテンツ視聴依頼を受け付けた後に、放送コンテンツ提供依頼部322が、放送コンテンツ提供機関304に対して放送コンテンツ視聴依頼受付部321が受け付けた放送コンテンツ視聴依頼の内容を送信する。
そして、放送コンテンツ提供機関304が、放送コンテンツ提供依頼を受け付ける(ステップS410)。具体的には、放送コンテンツ提供機関304の放送コンテンツ提供依頼受付部341が、受信装置302の放送コンテンツ提供依頼部322から送られた放送コンテンツ提供依頼を受信する。
この後、放送コンテンツ提供機関304が、受信装置302のCASカード320に対して放送コンテンツを提供する(ステップS411)。具体的には、放送コンテンツ提供機関304の放送コンテンツ提供部342が、放送コンテンツ提供依頼受付部341が受け付けた放送コンテンツ提供依頼に合致する放送コンテンツを受信装置302のCASカード320に対し提供する。
最後に、受信装置302のCASカード320が、放送コンテンツを受信する(ステップS412)。具体的には、CASカード320の放送コンテンツ受信部325が、放送コンテンツ提供機関304の放送コンテンツ提供部342から提供された放送コンテンツを受信する。この受信装置302では、CASカード320が放送コンテンツ受信部325が放送コンテンツを受信することで、あらかじめ備えられている放送コンテンツ再生機能(不図示)により当該放送コンテンツを視聴できるようになる。
以上のような手順により、この実施の形態1にかかる放送コンテンツ受信システムは、本来受信装置101のCASカード320が有する放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)を電子携帯端末103,301を経由して外出先の受信装置302のCASカード320に委譲し、受信装置302で所望の放送コンテンツを視聴することができるようになる。なお、受信装置101は、CASカード111が接続されたままであるので、受信装置101でも従来どおり放送コンテンツの視聴は可能である。
(実施の形態2)
この実施の形態2では、普及率の高い携帯電話などの電子携帯端末をCAS(Conditional Access System)カードのライセンスに紐付けして管理し、前記電子携帯端末に放送コンテンツの視聴ライセンスの一次委譲を行うとともに、事前にプリペイド課金を行い、この電子携帯端末にプリペイドチケットの発行(または電子マネーのチャージ)を行っておき、さらに外出先の受信装置に前記電子携帯端末に委譲されたライセンスおよびプリペイドチケットを委譲することで、電子携帯端末においてCASカードを必要とせずに正当な放送コンテンツの視聴契約者という判断の下で放送コンテンツを視聴できるようにする。
(放送コンテンツの視聴ライセンスおよびプリペイドチケット委譲時の放送コンテンツ受信システムの構成)
図5は、この発明の実施の形態2にかかる放送コンテンツ受信システム(放送コンテンツの視聴ライセンスおよびプリペイドチケットの委譲時)の構成を示す図である。この放送コンテンツ受信システムは、自宅などの屋内で放送コンテンツの受信を行う受信装置501と、CASに基づいた放送コンテンツ受信ライセンス(CASライセンス)の管理を行うCAS管理機関502と、プリペイドチケットの発行・管理を行うプリペイド発行機関503と、携帯可能な電子携帯端末504と、を含み構成される。
受信装置501と、CAS管理機関502と、プリペイド発行機関503と、電子携帯端末504とを、いずれも広域のネットワークを介して接続する場合は、他の装置への通信に際してあらかじめ所定の暗号化処理を行うことが好ましい。また、受信装置501と電子携帯端末504との間の距離が近い場合には、受信装置501から電子携帯端末504への通信に、LANや赤外線、ケーブルなどを用いてもよい。
受信装置501は、放送コンテンツ再生機能(不図示)の他、CASカード511を備えている。CASカード511は、CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼部512と、CASライセンス委譲許可受信部513と、CASライセンス委譲部514と、を備えている。CASカード511は、装着された受信装置501にCASライセンスを与える。CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼部512は、CAS管理機関502に対してCASライセンス委譲・プリペイド課金を依頼する。CASライセンス委譲許可受信部513は、CAS管理機関502から発行されたCASライセンスを受信する。CASライセンス委譲部514は、電子携帯端末504に対して、CASカード511に基づくCASライセンスを委譲する。
CAS管理機関502は、CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼受付部521と、プリペイドチケット発行依頼部522と、プリペイド情報受信部523と、プリペイド・CAS連携管理部524と、データベース525と、CASライセンス委譲許可発行部526と、を備えている。
CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼受付部521は、CASカード511のCASライセンス委譲・プリペイド課金依頼部512から発せられたCASライセンス委譲・プリペイド課金依頼を受け付ける。プリペイドチケット発行依頼部522は、CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼受付部521が受け付けたプリペイド課金依頼に基づき、プリペイド発行機関503に対してプリペイドチケットの発行を依頼する。プリペイド情報受信部523は、プリペイド発行機関503からのプリペイドチケットの発行情報を受信する。プリペイド・CAS連携管理部524は、CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼受付部521が受け付けたCASライセンス委譲依頼と、プリペイド情報受信部523が受信したプリペイドチケットの発行情報を収集し、どの受信装置へのCASライセンス委譲依頼があったか、またどの受信装置にプリペイドチケットを発行したかを把握する。そして、それらの情報をプリペイド・CAS連携情報としてデータベース525へ書き込む。CASライセンス委譲許可発行部526は、CASカード511に対してCASライセンス委譲許可を発行する。
プリペイド発行機関503は、プリペイドチケット発行依頼受付部531と、プリペイド情報送信部532と、プリペイドチケット発行部533と、を備えている。プリペイドチケット発行依頼受付部531は、CAS管理機関502のプリペイドチケット発行依頼部522が発したプリペイドチケット発行依頼を受け付ける。プリペイド情報送信部532は、CAS管理機関502に対して、プリペイドチケットの発行情報を通知する。プリペイドチケット発行部533は、CAS管理機関502からのプリペイドチケット発行依頼に基づいて、電子携帯端末504に対して、プリペイドチケットを発行する。
電子携帯端末504は、CASライセンス受信部541と、プリペイドチケット受信部542と、プリペイドチケット・CASライセンス保存部543と、を備えている。CASライセンス受信部541は、CASカード511のCASライセンス委譲部514から委譲されたCASライセンスを受信する。プリペイドチケット受信部542は、プリペイド発行機関503のプリペイドチケット発行部533から発行されたプリペイドチケットを受信する。プリペイドチケット・CASライセンス保存部543は、CASライセンス受信部541が受信したCASライセンスと、プリペイドチケット受信部542が受信したプリペイドチケットを保存する。
(放送コンテンツの視聴ライセンスおよびプリペイドチケット委譲の処理手順)
図6は、放送コンテンツの視聴ライセンスおよびプリペイドチケット委譲の処理手順を示すフローチャートである。以下、図6に基づき、実施の形態2にかかる放送コンテンツ受信システムにおける放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)およびプリペイドチケットの委譲の処理手順を説明する。
まず、CASカード511が、CAS管理機関502に対してCASライセンス委譲・プリペイド課金を依頼する(ステップS601)。具体的には、CASカード511のCASライセンス委譲・プリペイド課金依頼部512が、CAS管理機関502に対してCASライセンス委譲・プリペイド課金を依頼する。
次に、CAS管理機関502が、CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼を受け付ける(ステップS602)。具体的には、CAS管理機関502のCASライセンス委譲・プリペイド課金依頼受付部521が、CASカード511からのCASライセンス委譲・プリペイド課金依頼を受け付ける。
次に、CAS管理機関502が、プリペイド発行機関503に対してプリペイドチケットの発行を依頼する(ステップS603)。具体的には、CAS管理機関502のプリペイドチケット発行依頼部522がプリペイド発行機関503に対してプリペイドチケットの発行を依頼する。
次に、プリペイド発行機関503が、プリペイドチケット発行依頼を受け付ける(ステップS604)。具体的には、プリペイド発行機関503のプリペイドチケット発行依頼受付部531が、CAS管理機関502のプリペイドチケット発行依頼部522が発したプリペイドチケット発行依頼を受け付ける。
次に、プリペイド発行機関503が、CAS管理機関502に対してプリペイドチケット発行情報を送信する(ステップS605)。具体的には、プリペイド発行機関503のプリペイド情報送信部532が、CAS管理機関502に対して、プリペイドチケットの発行情報を送信する。
CAS管理機関502が、プリペイドチケット発行情報を受信する(ステップS606)。具体的には、CAS管理機関502のプリペイド情報受信部523が、プリペイド発行機関503のプリペイド情報送信部532から送信されたプリペイドチケット発行情報を受信する。
CAS管理機関502が、CASライセンス委譲依頼情報とプリペイドチケット発行情報を連携し管理する(ステップS607)。具体的には、CAS管理機関502のプリペイド・CAS連携管理部524が、CASライセンス委譲・プリペイド課金依頼受付部521が受け付けたCASライセンス委譲依頼と、CAS管理機関502のプリペイド情報受信部523が受信したプリペイドチケットの発行情報を収集し、どのCASカードへのCASライセンス委譲依頼があったか、またどの受信装置にプリペイドチケットを発行したかを把握する。そして、それらの情報をプリペイド・CAS連携情報としてデータベース525へ書き込む。
CAS管理機関502が、CASカード511に対してCASライセンス委譲許可を発行する(ステップS608)。具体的には、CAS管理機関502のCASライセンス委譲許可発行部526が、CASカード511のCASライセンス委譲許可受信部513に対してCASライセンス委譲許可を発行する。
CASカード511が、CASライセンス委譲許可を受信する(ステップS609)。具体的には、CASカード511のCASライセンス委譲許可受信部513が、CAS管理機関502から発行されたCASライセンス委譲許可を受信する。
プリペイド発行機関503が、電子携帯端末504へプリペイドチケットを発行する(ステップS610)。具体的には、プリペイド発行機関503のプリペイドチケット発行部533が、CAS管理機関502からのプリペイドチケット発行依頼に基づいて、電子携帯端末504に対して、プリペイドチケットを発行する。
電子携帯端末504が、プリペイドチケットを受信する(ステップS611)。具体的には、電子携帯端末504のプリペイドチケット受信部542が、プリペイド発行機関503のプリペイドチケット発行部533から発行されたプリペイドチケットを受信する。
CASカード511が、電子携帯端末504へCASライセンス委譲する(ステップS612)。具体的には、CASカード511のCASライセンス委譲部514が、電子携帯端末504に対して、CASカード511に基づくCASライセンスを委譲する。
電子携帯端末504が、CASライセンスを受信する(ステップS613)。具体的には、電子携帯端末504のCASライセンス受信部541が、CASカード511のCASライセンス委譲部514から委譲されたCASライセンスを受信する。
最後に、電子携帯端末504が、CASライセンスとプリペイドチケットを保存する(ステップS614)。この処理は、電子携帯端末504のプリペイドチケット・CASライセンス保存部543が行う。
なお、上記ステップS609の処理を省略し、上記ステップS606の処理を行うのと同時にCAS管理機関502に対してプリペイドチケットを発行し、上記ステップS607の処理後に、CAS管理機関502から受信装置501へそのプリペイドチケットが発行されるようにしてもよい。
以上のような手順により、この実施の形態2にかかる放送コンテンツ受信システムは、CASカード511から他装置である電子携帯端末504に対して放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)を委譲することができるとともに、プリペイド課金を実行するための準備を整えることができる。なお、CAS管理機関502で管理されるCASライセンス委譲情報や電子携帯端末504に委譲されたCASライセンスは、ブラインド署名などの手法により、個人の特定がされないままCASライセンス情報の正当性が担保される。
なお、この実施の形態2に係る放送コンテンツ受信システムの上記構成では、プリペイドチケット発行機関503から電子携帯端末504に対しプリペイドチケットを直接発行する形態を例示したが、その他の構成として、CASカード511が、プリペイド発行機関503からプリペイドチケットの発行を受け、電子携帯端末504に対してプリペイドチケットをCASライセンスと一緒に委譲する構成としてもよい。また、プリペイドチケットの発行を受ける方法として、当該チケットを電子携帯端末504にプリペイド発行機関503から直接受信するか、または自宅の受信装置501のユーザインターフェースを通じてCASカード511に当該チケットを受信し、CASカード511から電子携帯端末504に対して当該チケットを委譲するかを、ユーザが選択できるようにしてもよい。
(放送コンテンツ視聴時の放送コンテンツ受信システムの構成)
図7は、この発明の実施の形態2にかかる放送コンテンツ受信システム(プリペイド課金を必要とする放送コンテンツ視聴時)の構成を示す図である。この放送コンテンツ受信システムは、携帯可能な電子携帯端末701と、外出先の屋外や部屋等で放送コンテンツの視聴が可能な受信装置702と、CAS管理機関703と、放送コンテンツ提供機関704と、を含み構成される。電子携帯端末701と、受信装置702と、CAS管理機関703と、放送コンテンツ提供機関704とを広域のネットワークを介して接続する場合は、他の装置への通信に際してあらかじめ所定の暗号化処理を行うことが好ましい。なお、電子携帯端末701と受信装置702とは一体的に構成してもよい。
電子携帯端末701は、図5に示した電子携帯端末504の構成に加え、さらに、CASライセンス送信部711と、放送コンテンツ視聴依頼部712と、プリペイドチケット送信部713と、プリペイドチケット課金部714と、を備えている。CASライセンス送信部711は、プリペイドチケット・CASライセンス保存部543(図5参照)にCASライセンスが保存されている場合、CASカード720に対してCASライセンスを送信する。また、CASライセンス送信部711は、放送コンテンツ視聴依頼部712に対し、CASライセンスが保存されている旨の通知を送信する。放送コンテンツ視聴依頼部712は、CASライセンス送信部711からCASライセンスが保存されている旨の通知を受信したときに限り、受信装置702に対して放送コンテンツの視聴を依頼する。プリペイドチケット送信部713は、プリペイドチケット・CASライセンス保存部543(図5参照)が保存しているプリペイドチケットを受信装置702に対して送信する。プリペイド課金部714は、放送コンテンツの視聴依頼に応じた課金処理を行う。
受信装置702は、放送コンテンツ再生機能(不図示)の他、CASカード720と、放送コンテンツ視聴依頼受付部721と、放送コンテンツ提供依頼部722と、を備えている。また、CASカード720は、プリペイドチケット受信部723と、プリペイドチケット・CASライセンス取得通知送信部725と、放送コンテンツ受信部726と、を備えている。
放送コンテンツ視聴依頼受付部721は、電子携帯端末701の放送コンテンツ視聴依頼部712から発せられた放送コンテンツ視聴依頼を受け付ける。放送コンテンツ提供依頼部722は、放送コンテンツ視聴依頼受付部721が電子携帯端末701からの放送コンテンツ視聴依頼を受け付けると、放送コンテンツ提供機関704に対して放送コンテンツの提供を依頼する。プリペイドチケット受信部723は、電子携帯端末701のプリペイドチケット送信部713から送信されたプリペイドチケットを受信する。CASライセンス受信部724は、電子携帯端末701のCASライセンス送信部711から送信されたCASライセンスを受信する。プリペイドチケット・CASライセンス取得通知送信部725は、電子携帯端末701からプリペイドチケットとCASライセンスを取得した旨の通知をCAS管理機関703へ送信する。放送コンテンツ受信部726は、放送コンテンツ提供機関704から提供された放送コンテンツを受信する。この受信装置702では、CASカード720の放送コンテンツ受信部726が放送コンテンツを受信することで、その放送コンテンツを視聴できるようになる。
CAS管理機関703は、図5に示したCAS管理機関502の構成に加え、さらに、プリペイドチケット・CASライセンス取得通知受信部731と、プリペイドチケット・CASライセンス判定部732と、料金分配部733と、を備えている。
プリペイドチケット・CASライセンス取得通知受信部731は、CASカード720からのプリペイドチケット・CASライセンス取得通知を受信する。プリペイドチケット・CASライセンス判定部732は、プリペイドチケット・CASライセンス取得通知受信部731が受信したプリペイドチケット・CASライセンス取得通知の真偽を判定する。ここで判定されるプリペイドチケット・CASライセンス取得通知の真偽は、前述した処理により、データベース525に格納されたプリペイド・CAS連携情報を参照して判定される。また、プリペイドチケット・CASライセンス判定部732は、真偽判定を行った結果をデータベース525へ書き込む。料金分配部733は、放送コンテンツ提供機関704に対して料金の分配を行う。
放送コンテンツ提供機関704は、料金受取部741と、放送コンテンツ提供依頼受付部742と、放送コンテンツ提供部743と、を備えている。料金受取部741は、CAS管理機関703の料金分配部733から分配された料金を受け取る(実際は分配料金の情報を受信する)。放送コンテンツ提供依頼受付部742は、受信装置702の放送コンテンツ提供依頼部722から送られた放送コンテンツ提供依頼を受信する。放送コンテンツ提供部743は、放送コンテンツ提供依頼受付部742が受け付けた放送コンテンツ提供依頼に合致する放送コンテンツを受信装置702のCASカード720に対し提供する。
(プリペイド課金を必要とする放送コンテンツ視聴の処理手順)
図8は、プリペイド課金を必要とする放送コンテンツ視聴の処理手順を示すフローチャートである。この放送コンテンツ視聴処理は、図6に基づいて説明した、放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)およびプリペイドチケット委譲処理に続いて実行されるものである。以下、図8に基づき、実施の形態2にかかる放送コンテンツ受信システムにおける放送コンテンツ視聴の処理手順を説明する。
まず、電子携帯端末701が、電子携帯端末701にCASライセンスが保存されているか否かを判定する(ステップS801)。具体的には、電子携帯端末701のプリペイドチケット・CASライセンス保存部543(図5参照)にCASライセンスが保存されているか否かを判定する。ここで、プリペイドチケット・CASライセンス保存部543(図5参照)にCASライセンスが保存されている場合(ステップS801:Yes)、電子携帯端末701が、CASカード720に対してCASライセンスを送信する(ステップS802)。具体的には、電子携帯端末701のCASライセンス送信部711が、CASカード720のCASライセンス受信部724に対してCASライセンスを送信する。また、この場合(ステップS801:Yes)、CASライセンス送信部711は、CASライセンスが保存されている旨の通知を放送コンテンツ視聴依頼部712に送信する。一方、電子携帯端末701のプリペイドチケット・CASライセンス保存部543(図5参照)にCASライセンスが保存されていない場合(ステップS801:No)、CASライセンス受信部724へのCASライセンス送信及び放送コンテンツ視聴依頼部712への通知を行わず、すべての処理を終了する。
次に、電子携帯端末701が、受信装置702に対して放送コンテンツの視聴を依頼する(ステップS803)。具体的には、電子携帯端末701の放送コンテンツ視聴依頼部712が、受信装置702の放送コンテンツ視聴依頼受付部721に対して放送コンテンツの視聴を依頼する。
次に、電子携帯端末701が、受信装置702のCASカード720に対してプリペイドチケットを送信する(ステップS804)。具体的には、電子携帯端末701のプリペイドチケット送信部713が、プリペイドチケット・CASライセンス保存部542(図5参照)に保存されているプリペイドチケットをCASカード720のプリペイドチケット受信部723に対して送信する。また、このときプリペイドチケット課金部714は、放送コンテンツの視聴依頼に応じた課金処理を行う。
続いて、CASカード720が、電子携帯端末701からのCASライセンスを受信する(ステップS805)。具体的には、CASカード720のCASライセンス受信部724が、電子形態端末701のCASライセンス送信部711から送信されたCASライセンスを受信する。
続いて、受信装置702が、放送コンテンツの視聴依頼を受け付ける(ステップS806)。具体的には、受信装置702の放送コンテンツ視聴依頼受付部721が、電子携帯端末701の放送コンテンツ視聴依頼部712から発せられた放送コンテンツの視聴依頼を受け付ける。
続いて、CASカード720が、プリペイドチケットを受信する(ステップS807)。具体的には、CASカード720のプリペイドチケット受信部723が、電子携帯端末701のプリペイドチケット送信部713から送信されたプリペイドチケットを受信する。
そして、CASカード720が、CAS管理機関703に対してプリペイドチケットとCASライセンスを取得した旨の通知を送信する(ステップS808)。具体的には、CASカード720のプリペイドチケット・CASライセンス取得通知送信部725が、プリペイドチケットとCASライセンスを取得した旨の通知をCAS管理機関703へ送信する。
次に、CAS管理機関703が、プリペイドチケット・CASライセンス取得通知を受信する(ステップS809)。具体的には、CAS管理機関703のプリペイドチケット・CASライセンス取得通知受信部731が、CASカード720のプリペイドチケット・CASライセンス取得通知送信部725から送信された通知を受信する。
続いて、受信したプリペイドチケット・CASライセンスの取得通知の真偽を判定し、データベース525に記憶する(ステップS810)。この処理は、CAS管理機関703のプリペイドチケット・CASライセンス判定部732が行う。具体的には、プリペイドチケット・CASライセンス判定部732が、プリペイドチケット・CASライセンス取得通知受信部731が受信したプリペイドチケット・CASライセンス取得通知を、図6のステップS607によりデータベース525へ書き込まれたプリペイド・CAS連携情報と照合して、当該プリペイドチケット・CASライセンス取得通知の真偽を判定する。
続いて、CAS管理機関703の料金分配部733が放送コンテンツ提供機関704に対して料金の分配を行う(ステップS811)。
次に、放送コンテンツ提供機関704が、料金の分配を受ける(ステップS812)。ここでは、放送コンテンツ提供機関704の料金受取部741が、CAS管理機関703の料金分配部733から分配された料金を受け取る(実際は分配料金の情報を受信する)。
一方で、受信装置702が、放送コンテンツ提供機関704に対して放送コンテンツの提供を依頼する(ステップS813)。具体的には、受信装置702の放送コンテンツ視聴依頼受付部721が電子携帯端末701からの放送コンテンツ視聴依頼を受け付けた後に、放送コンテンツ提供依頼部722が、放送コンテンツ提供機関704に対して放送コンテンツ視聴依頼受付部721が受け付けた放送コンテンツ視聴依頼の内容を送信する。
そして、放送コンテンツ提供機関704が、放送コンテンツ提供依頼を受け付ける(ステップS814)。具体的には、放送コンテンツ提供機関704の放送コンテンツ提供依頼受付部742が、受信装置702の放送コンテンツ提供依頼部722から送られた放送コンテンツ提供依頼を受信する。
この後、放送コンテンツ提供機関704が、受信装置702に対して放送コンテンツを提供する(ステップS815)。具体的には、放送コンテンツ提供機関704の放送コンテンツ提供部743が、放送コンテンツ提供依頼受付部742が受け付けた放送コンテンツ提供依頼に合致する放送コンテンツを受信装置702に対し提供する。
最後に、受信装置702が、放送コンテンツを受信する(ステップS816)。具体的には、受信装置702の放送コンテンツ受信部726が、放送コンテンツ提供機関704の放送コンテンツ提供部743から提供された放送コンテンツを受信する。この受信装置702では、CASカード720の放送コンテンツ受信部726が放送コンテンツを受信することで、あらかじめ備えられている放送コンテンツ視聴機能(不図示)により当該放送コンテンツを視聴できるようになる。
なお、上記の処理手順は、実際に行われる各種サービスの性質により、入れ替えることもできる。例えば、上記ステップS815における放送コンテンツ受信処理が確認された後に、上記ステップS810とステップS811の料金分配処理を行ってもよい。
以上のような手順により、この実施の形態2にかかる放送コンテンツ受信システムは、本来受信装置702のCASカード720が有する放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)を電子携帯端末504,701を経由して受信装置702のCASカード720に委譲し、受信装置702で所望の放送コンテンツを視聴することができるようになる。また、受信装置702で視聴した放送コンテンツに対するプリペイド課金も受信装置501に課金する場合と同様に実行することができる。なお、この実施の形態2でも、受信装置501は、CASカード511が接続されたままなので、受信装置501でも従来どおり放送コンテンツの視聴は可能である。また、この実施の形態2では、受信装置501が、プリペイド発行機関503からのプリペイドチケット発行を受ける代わりに、例えば、ICカード形式のプリペイドカードを使用することもできる。
以上説明したように、実施の形態1、2によれば、プリペイド課金が必要とされるか否かにかかわらず、放送コンテンツの視聴ライセンス(CASライセンス)を受信装置に委譲することで、本来自宅等の一つの受信装置においてのみ視聴が可能な放送コンテンツを外出先等の他の受信装置で視聴することができるようになる。なお、委譲先のCASカードは、自宅の委譲元CASカードから独立したものであればよく、例えば、委譲先の受信装置に備えられたCASカードは、自宅の委譲元の受信装置が置かれている部屋とは別の部屋の受信装置に備えられたCASカード、とすることもできる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、コンテンツ視聴の際のCASライセンスの確認を電子携帯端末301で行うように構成したが、当該確認をCASカード320で行うように構成してもよい。
また、実施の形態2では、CAS管理機関502と、プリペイド発行機関503とを独立した構成としたが、それぞれの役割を兼ねた一つの機関で構成してもよい。
また、実施の形態2では、コンテンツの視聴に応じた課金処理を電子携帯端末701で行うように構成したが、当該課金処理をCAS管理機関703で行うように構成してもよい。
なお、この実施の形態で説明した放送コンテンツ視聴ライセンス委譲方法、放送コンテンツ視聴ライセンスおよびプリペイドチケット委譲方法、放送コンテンツ受信方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。