JP4953687B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP4953687B2
JP4953687B2 JP2006123294A JP2006123294A JP4953687B2 JP 4953687 B2 JP4953687 B2 JP 4953687B2 JP 2006123294 A JP2006123294 A JP 2006123294A JP 2006123294 A JP2006123294 A JP 2006123294A JP 4953687 B2 JP4953687 B2 JP 4953687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact surface
skin contact
surface side
fiber sheet
absorbent layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006123294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007289561A (ja
Inventor
進介 長原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2006123294A priority Critical patent/JP4953687B2/ja
Publication of JP2007289561A publication Critical patent/JP2007289561A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4953687B2 publication Critical patent/JP4953687B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
パンティライナー、生理用ナプキン等の吸収性物品においては、その肌当接面側にエンボス加工を施すことにより、周りの色よりも明色化(白色化)された熱融着部(明色部)を形成する技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。このような熱融着部は、その周りよりも明色であるため、例えば、その平面視形状をデザイン化することにより、肌当接面側に視認性の優れた模様を付すことができ、吸収性物品のデザイン性を向上させることができる。
特開2005−312695号公報
しかし、熱融着部(明色部)は、肌当接面の形成素材の種類や厚み、エンボス加工の条件等により十分に明色化しない場合があり、熱融着部の視認性が不十分な場合がある。また、熱融着部の視認性の更なる向上が望まれている。
従って、本発明の目的は、肌当接面側にその色よりも明色化された熱融着部が形成された吸収性物品において、熱融着部の視認性を更に向上することができる吸収性物品を提供することにある。
本発明は、繊維集合体から形成された吸収層と該吸収層の非肌当接面側に配設された防漏層とを有する吸収性物品であって、前記吸収層の肌当接面側には、該吸収層の構成繊維同士を融着させることにより凹部が平面方向に離間して多数個形成されてなる第1の融着部と、前記吸収層の構成繊維同士を融着させることによって前記凹部の形成部付近に形成された複数個の第2の融着部とが設けられており、前記第2の融着部は前記吸収層の肌当接面側の色よりも明色化されている吸収性物品を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸収層の肌当接面側において、第1の融着部を形成する平面方向に離間した多数の凹部の存在により、凹部が多数存在する領域では肌当接面そのものが平面視で(遠近感や色などが)凹部に近い状態と認識されるようになる。その一方で、第2の融着部は、肌当接面側の色よりも明色化されているため、視覚的に浮き立つ。これらの相乗効果により、第2の融着部の視認性が極めて高い。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態としてのパンティライナー1の模式的平面図が示されている。図2には、図1に示すパンティライナー1の模式的縦断面図が示されている。
本実施形態のパンティライナー1は、繊維集合体から形成された吸収層2と吸収層2の非肌当接面側に配設された防漏層3とを有している。吸収層2は、その底面を防漏層3に対向させて、接着剤(図示せず)を介して防漏層3に接着されている。
吸収層2の肌当接面側には、吸収層2の構成繊維同士を融着させることにより、凹部4が平面方向に離間して多数個形成されている。この多数個の凹部4の集合体から第1の融着部が構成されている。凹部4は、エンボス加工によって形成された、光が透過しやすい部分を有しているため、平面視において吸収層2の肌当接面側の色よりも暗色化された暗色凹部となっている。従って、前記第1の融着部は、吸収層2の肌当接面側の色よりも暗色化されている。
さらに、吸収層2の肌当接面側には、吸収層2の構成繊維同士の融着によって吸収層2の肌当接面側の色よりも明色化された、暗色凹部4よりも平面視面積の大きい第2の融着部(以下「明色部」ともいう)5が複数個形成されている。この明色部5は、第1の融着部における凹部4の形成部(凹部4が多数存在する領域)付近に形成されている。明色部5は、熱融着によって凹状に窪み、明色凹部となっている。
吸収層2は、繊維集合体から形成され、その肌当接面側に凹部4及び明色部5を形成することができれば、その構成には特に制限はない。例えば単層構造でも積層構造でもよい。肌当接面側に凹部4及び明色部5を安定して形成するには、吸収層2は十分に嵩高であることが好ましい。吸収層2の厚み(嵩)は、好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは0.7〜3mmである。
単層の繊維集合体から嵩高の吸収層2を形成することも可能であるが、単層で嵩高の繊維集合体は、一般的にその製造が難しく、製造コストが高い。従って、嵩高の吸収層2を容易に且つ安価に得るには、複数枚の繊維シートを積層した積層体から吸収層2を構成することが好ましい。繊維シートとは、繊維集合体からなるシートである。
本実施形態においては、製造コストや嵩の得やすさ等の観点から、吸収層2を2枚の繊維シート21,22の積層体から構成している。吸収層2の肌当接面側を構成する繊維シートが第1繊維シート21である。吸収層2の非肌当接面側(防漏層3に対向する側)を構成する繊維シートが第2繊維シート22である。
各繊維シート21,22の厚みは、好ましくは0.2〜5mm、更に好ましくは0.3〜3mmである。
吸収層2の構成繊維としては特に制限はないが、親水性を有する繊維が好ましい。
親水性を有する繊維には、本来的に親水性を有する繊維と、本来的には親水性を有さないが親水化処理が施されることによって親水性が付与された繊維とがある。
本来的に親水性を有する繊維としては、パルプ、レーヨン、その他各種天然繊維の他、吸水性樹脂繊維(即ちアクリル酸、アクリル酸塩重合体架橋物からなる繊維)等が挙げられる。
本来的には親水性を有さない繊維を親水化処理する方法としては、当該技術分野において常用されている方法を適宜用いることができる。例えば、構成繊維として代表的に用いる熱可塑性繊維を、ウェブ形成前に予め界面活性剤等により表面処理を行い、親水化しておく方法が挙げられる。また、レーヨンやパルプ繊維等の親水性繊維を所定の割合で混合して不織布を得ることで、繊維集合体全体の親水性を高めることも可能である。
(暗色)凹部4及び明色部5は、吸収層2の構成繊維同士を融着させることにより形成される。その具体的手段としては、例えば、(1)部分的に突出した部分を周面に有する金属ロールと、金属、ゴム、繊維素材等を周面に有する受けロールとの間に吸収層を通す熱エンボス加工、(2)超音波ホーン間に吸収層を通す超音波エンボス加工が挙げられる。
暗色凹部4は、後述するように、通常、繊維をフィルム状として形成されるので、繊維をフィルム状とするのに適した超音波エンボス加工が好ましく用いられる。明色部5は、後述するように、通常、繊維を実質的にフィルム化されない範囲で押圧加工して形成されるので、このような加工に適した熱エンボス加工が好ましく用いられる。
暗色凹部4及び明色部5の両方を熱エンボス加工で形成する場合には、エンボスの圧力、エンボスの熱量、繊維量などの条件を異ならせて熱エンボス加工を行えばよい。
(暗色)凹部4の明度は、L***表色系(CIE1976)の色座標指数の換算L*値が30〜65であることが好ましく、40〜60であることが更に好ましい。換算L*値が30未満の場合、吸収層2全体が暗く感じられるため使用者の気持ちが沈みがちとなり、換算L*値が65を超える場合、明色部5を目立たせる効果が低くなる。
明色部5の明度は、前記換算L*値が75〜95であることが好ましく、80〜90であることが更に好ましい。換算L*値が75以下の場合、明色部5と吸収層2の肌当接面との間に明度の違いが感じられず、換算L*値が95以上の場合、光沢感が現れてくるため好ましく感じられなくなる。
多数個の(暗色)凹部4の間における換算L*値の差は、1〜20であることが好ましく、2〜10であることが更に好ましい。換算L*値の差が1よりも小さいと明度の違いが感じられず、換算L*値の差が20よりも大きいと吸収層2全体が暗すぎるように感じられる。
複数個の明色部5の間における換算L*値の差は、2〜20であることが好ましく、3〜15であることが更に好ましく、3〜8であることが一層好ましい。換算L*値の差が2よりも小さいと明度の違いが感じられず、換算L*値の差が20よりも大きいと光沢感が出るため、吸収層2がぎらつくように感じられ、好ましくない。
前記「L***表色系」とは、国際照明委員会(CIE)で規格化され、JIS(JIS Z8729)においても採用されている表色系をいう。
「L***表色系」では、L*は明るさを、a*、b*は色の方向を示しており、a*は略赤方向、−a*は略緑方向、b*は略黄色方向、−b*は略青方向を示している。これらの値は、日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計NF333(商品名)を用いて得られた値である。
簡易型分光色差計NF333による計測方法は、以下の通りである。ステープラータイプにてφ4mmのND110センサーを取り付けておき、該センサーの先端部にはOリング(小)を用い、光源C/2、視野角2°で計測する。ステープラータイプの場合、計測位置が予め判るようにターゲットスコープ(測定用窓φ9mm)が取り付けられているため、計測位置が後述する面積率の測定で特定できるように、ターゲットスコープ内の周囲4箇所に印を付けておく。
上記L*値は、センサーの測定領域(半径2mmの円)内の(暗色)凹部4や明色部5の面積係数(面積率)を、画像解析装置を使用して算出した値であり、上記L*値の差は、計測値の差により算出した値である。ここで、面積率の計測には、株式会社NEXUS製「NewQube」ver.4.21の画像解析装置を使用し、センサーの測定領域の面積S0を求めた後、(暗色)凹部4や明色部5の面積S1を求め、面積係数S*の計算式(S*=S1/S0)により面積係数S*を求め、さらに以下の計算式にて換算L*値を算出する。
〔換算L*値〕=〔肌当接面のL*値〕+(〔L*値〕−〔肌当接面のL*値〕)×S*
*値の計測は、(暗色)凹部4および明色部5の面積がセンサーの測定領域内で最も大きい部位にて行うことが、パンティライナーから受ける印象との相関を取り易くなる点から好ましい。
暗色凹部4は複数枚(本実施形態では2枚)の第1繊維シート21,第2繊維シート22が接合される形で形成されている。暗色凹部4は、吸収層2の肌当接面側(第1繊維シート21の肌当接面側)に形成された下向きの凹部と吸収層2の非肌当接面側(第2繊維シート22の非肌当接面側)に形成された上向きの凹部とから構成されている。つまり、暗色凹部4は、吸収層2の肌当接面側及び非肌当接面側の両側が凹んだ形状を有している。
明色部5は第1繊維シート21のみに形成されている。明色部5は、第1繊維シート21の肌当接面側に形成された下向きの凹部と第1繊維シート21の非肌当接面側(第2繊維シート22側)に形成された上向きの凹部とから構成されている。
図2に示す断面形状の暗色凹部4及び明色部5を形成するには、例えば、まず第1繊維シート21にエンボス加工を施して明色部5を形成し、次に、明色部5が形成された第1繊維シート21と第2繊維シート22とを重ね、その状態でエンボス加工を施して暗色凹部4を形成すればよい。
暗色凹部4は、本実施形態においては、図1に示すように、吸収層2に平面方向に千鳥状のパターンで多数個配置されている。
1個の暗色凹部4の平面視面積は、好ましくは0.03〜20mm2、更に好ましくは0.2〜5mm2である。暗色凹部4の平面視形状は特に制限されず、例えば円形、楕円形、矩形、その他のデザイン化された形状が挙げられる。本実施形態においては、円形である。
暗色凹部4の1cm2当たりの面積率(%)は、好ましくは5〜50%、更に好ましくは7〜30%である。本実施形態における暗色凹部4は、パンティライナーの略全面に亘って配置されているが、本発明においては、少なくとも明色部5の周辺に配置されていれば、明色部5を浮き立たせる効果が奏される。従って、上記の暗色凹部4の1cm2当たりの面積率は、明色部5の周辺における値である。
明色部5は、本実施形態においては、図1に示すように、吸収層2に平面方向に不規則的又は規則的なパターンで複数個配置されている。
1個の明色部5の平面視面積は、暗色凹部4の平面視面積よりも大きくなっており、0.2〜70mm2大きいことが好ましく、5〜50mm2大きいことが更に好ましい。明色部5の平面視面積の具体的な値は、好ましくは3〜75mm2、更に好ましくは5〜50mm2である。
明色部5の平面視形状は特に制限されず、例えば円形、楕円形、矩形、その他のデザイン化された形状が挙げられる。本実施形態においては、4つの花弁を有する花柄形状である。
明色部5の平面視密度(個/cm2)は、好ましくは1〜20個/cm2、更に好ましくは3〜15個/cm2である。
暗色凹部4及び明色部5は、複数個集合してそれらの集合体から1つの集合デザインを形成している場合がある。本実施形態においては、図1に示すように、明色部5は、4つの花弁が集合して1つの花柄の集合デザインを形成している。このような集合デザインにおいて、個々のデザイン要素(本実施形態では花弁形状)が平面視で連続していれば集合デザインで1個の暗色凹部4又は明色部5とする。一方、デザイン上、集合デザインと認められても、各デザイン要素が平面視で分離している場合には、1個の暗色凹部4又は明色部5とはみなさず、各デザイン要素を1個の暗色凹部4又は明色部5とする。
暗色凹部4は、通常、吸収層2の構成繊維6がフィルム状とされることにより形成される。図3(a)及び図3(b)には、吸収層2の縦断面図が模式的に示されている。図3(a)には、暗色凹部4の形成前の状態が模式的に示されている。図3(b)には、暗色凹部4の形成後の状態が模式的に示されている。
暗色凹部4の形成前においては、図3(a)に示すように、吸収層2の構成繊維6間には十分な空隙が存在しており、構成繊維6は潰されておらず、断面形状が維持されている。暗色凹部4の形成後においては、図3(b)に示すように、吸収層2の表面が陥没して、吸収層2の構成繊維6間の空隙はほとんど消滅し、構成繊維6の断面形状も潰れ、繊維形状が消滅し、フィルム状となっている。また、本実施形態のように、積層構造の繊維集合体の場合には、その積層構造が喪失し、単層化している。
そのため、暗色凹部4は光線の透過性が高くなり、反射性が低下する。つまり、図3(b)に示すように、暗色凹部4に入射した光線Rの多くは、暗色凹部4で反射することなく、暗色凹部4を透過する。従って、暗色凹部4の明度は低下し、暗色凹部4は吸収層2の肌当接面側の色よりも暗色化される。
本実施形態における暗色凹部4においては、図2に示すように、吸収層2の肌当接面側と共に、吸収層2の非肌当接面側も凹んだ形状を有している。このように上下両面が凹んだ形状を有する暗色凹部4においては、暗色凹部4を透過した光線が散乱しやすく、暗色化が一層図られる。つまり、暗色凹部4を一旦透過した光線が防漏層3で反射し、暗色凹部4を下面側から透過し、暗色凹部4の上面側に戻ることが減少する。このように、吸収層2と防漏層3との間に透過光が散乱する十分な距離(空間)を確保することで、透過光の戻りを減少させている。
暗色凹部4の縦断面形状は、図4に示すように、底部に向けて窄まる形状の略円錐台形状とすることができる。この略円錐台形状の暗色凹部4は、吸収層2の肌当接面側及び非肌当接面側の両側が凹んだ形状でもよく、吸収層2の肌当接面側のみが凹んだ形状でもよい。
また、暗色凹部4の縦断面形状は、図5(a)に示すように、半球状とすることができる。半球状の暗色凹部4においては、暗色凹部4を透過した光線が、半球状の暗色凹部4のレンズ効果によって拡散しやすい。
更に、半球状の暗色凹部4は、図5(b)に示すように、吸収層2の肌当接面側及び非肌当接面側の両側が凹んだ形状とすることができる。半球状の暗色凹部4がこのように形成されていると、透過光の散乱効果が更に高くなる。
明色部5における吸収層2の坪量は、明色化を容易に発現させる観点から、好ましくは15〜50g/m2であり、更に好ましくは20〜40g/m2である。明色部5における吸収層2の坪量は、明色部5のみに着目したときの坪量である。
明色部5は、通常、吸収層2が実質的にフィルム化されない範囲で押圧加工されることにより形成される。図6(a)及び図6(b)には、吸収層2の縦断面図が模式的に示されている。図6(a)には、明色部5の形成前の状態が模式的に示されている。図6(b)には、明色部5の形成後の状態が模式的に示されている。
明色部5の形成前においては、図6(a)に示すように、吸収層2の構成繊維6間には十分な空隙が存在しており、構成繊維6は潰されておらず、断面形状が維持されている。明色部5の形成後においては、図6(b)に示すように、吸収層2の構成繊維6間の空隙は大幅に減少し、構成繊維6の断面形状も潰れて扁平化しているが、フィルム状とはなっていない。このような状態では、扁平化した構成繊維6による層状構造が形成され、繊維と繊維との間(層状構造間)に微小な隙間空間ができるため、光の乱反射が起こり易く、白色度が増す。
このように、フィルム状とならない範囲で繊維が扁平化し、その平面視面積が増大する結果、明色部5における光線の反射性が向上する。つまり、繊維が扁平化することにより、明色部5の表面には微小な凹凸形状が形成される。微小な凹凸形状は、高低差が数μm程度であり、繊維形状を残して扁平化している繊維によって形成される。
その結果、光線は明色部5の表面で乱反射する。詳細には、図6(b)に示すように、明色部5に入射した光線Rは、明色部5の底部において構成繊維6間の空隙を満たす空気で反射する。構成繊維6間の空隙の位置は規則的ではないので、反射した光線Rは、空隙を満たす空気で不規則に反射し、乱反射となる。
明色部5の表面形状は、その凹んだ方向に対して、図7(a)に示すように同じ方向に凸の形状でもよく、図7(b)に示すように反対向きに凸の形状でもよいが、図7(a)に示すような凹んだ方向に緩やかに凸の形状が好ましい。
吸収層2の非肌当接面側は、図2に示すように、防漏壁3の肌当接面側に接着剤(図示せず)により接着されている。吸収層2から防漏層3へ水分の移行を容易にする観点から、吸収層2と防漏層3との当接面には接着剤は部分的に塗工されていることが好ましい。吸収層2と防漏層3とは、接着剤が塗工されていない領域において密着していることが好ましい。
防漏層3としては、液不透過性又は液難透過性のシートであれば、吸収性物品において常用されているシートを特に制限なく用いることができ、透湿性を有しているものが好ましい。防漏層3は、例えば、透湿フィルム単独、フィルムと不織布の貼り合わせ、撥水性の不織布〔SMS(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド)、SMMS(スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド)等〕を用いることができる。
明色部5においては、部分的にフィルム状とされていてもよい。具体的には図8に示すように、明色部5は、明色化された領域51が明色化されていない領域52を包囲する形状で形成されている。また、明色化された領域51には部分的にフィルム状とされた領域(フィルム化領域)53が存在している。フィルム化領域53は、図8においては1個の明色部5あたり1個図示されているが、通常1個の明色部5あたり多数個存在している。
なお、フィルム化領域53や明色化されていない領域52が明色化された領域51によって略包囲された形状となっており、両領域52、53各々の面積が明色化された領域51の面積の20%に満たない場合(合計でも最大40%未満の場合)には、使用者がこれらの全ての領域51〜53を明色化された領域と認識するため、これらの領域は全て明色化された領域とみなすことができる。
また、暗色凹部4では、フィルム状部分の周囲やフィルム状部分の内側に若干の明色の領域が形成される場合があるが、この場合は、使用者がその全体を暗色凹部と感じるため、その全体を暗色凹部とみなすことができる。なお、暗色凹部4の周囲が明色の領域に取り囲まれた場合には、暗色凹部4を暗色として認識しやすくなる効果が奏される。
フィルム化領域53は、通常、吸収層2の繊維集合体の構成繊維の配向方向に延びている。フィルム化領域53は、明色部5における構成繊維の微視的な坪量のバラツキにより生じる。このような坪量のバラツキは、明色部5における構成繊維に強く接着されている部分と弱く接着されている部分とが存在していることに起因している。
フィルム化領域53のような強く接着された部分が存在していないと、明色部5の凹んだ状態が維持されにくい。
本実施形態のパンティライナー1においては、第1の融着部を形成する平面方向に離間した多数の凹部4の存在により、凹部4が多数存在する領域では肌当接面そのものが平面視で(遠近感や色などが)凹部に近い状態と認識されるようになる。その一方で、明色部5は、肌当接面側の色よりも明色化されているため、視覚的に浮き立つ。これらの相乗効果により、明色部5の視認性が極めて高い。
また、吸収層2の肌当接面側の色よりも暗色化された暗色凹部4が平面方向に離間して多数個形成されていると共に、吸収層2の肌当接面側の色よりも明色化され且つ暗色凹部4よりも平面視面積の大きい明色部5が複数個形成されている。そのため、明色部5は、その色よりも暗色の暗色凹部4の存在により、吸収層2の肌当接面側において、明度が一層強調され、はっきりと浮き立つようになる。
ところで、明色部5は、図9に示すように、複数個の暗色凹部4に跨って存在していてもよい。このような構成を有していると防漏性が向上するため好ましい。即ち、暗色凹部4はフィルム化されているため防漏効果が高いものであるが、その一方で剛性が高くなるため、吸収性物品全体のしなやかさを確保する上で、暗色凹部4の平面視密度を高くし過ぎることは好ましくない。しかしながら、図9に示すように、明色部5が複数個の暗色凹部4に跨って存在していると、暗色凹部4の間についてもそれらを跨ぐ明色部5の存在により肌当接面側の液拡散を抑制できるため、防漏性が向上する。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
凹部4及び第2の融着部5は、吸収層2の肌当接面側のみに下向きに凹んだ形状で形成することができる。第2の融着部5は、複数枚の繊維シートに跨って形成されていてもよい。
凹部4及び第2の融着部5の平面方向の配置パターンに制限はない。
本発明の吸収性物品は、脇パッド、母乳パッド、軽失禁パッド等にも適用することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンティライナーを示す模式的平面図である。 図2は、図1に示すパンティライナーの模式的縦断面図である。 図3は、吸収層の模式的縦断面図で、(a)は暗色凹部の形成前の状態を示す図、(b)は暗色凹部の形成後の状態を示す図である。 図4は、別の形状の暗色凹部を示す模式的縦断面図である。 図5(a)及び図5(b)は、それぞれ更に別の形状の暗色凹部を示す模式的縦断面図である。 図6は、吸収層の模式的縦断面図で、(a)は明色部の形成前の状態を示す図、(b)は明色部の形成後の状態を示す図である。 図7(a)及び図7(b)は、それぞれ別の形状の明色部を示す模式的縦断面図である。 図8は、別の形態の明色部を示す模式的平面図である。 図9は、更に別の形態の明色部を示す模式的平面図である。
符号の説明
1 パンティライナー(吸収性物品)
2 吸収層
21 第1繊維シート
22 第2繊維シート
3 防漏層
4 (暗色)凹部
5 明色部(第2の融着部)
6 構成繊維

Claims (5)

  1. 繊維集合体から形成された吸収層と該吸収層の非肌当接面側に配設された防漏層とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収層の肌当接面側には、該吸収層の構成繊維同士を融着させることにより凹部が平面方向に離間して多数個形成されてなる第1の融着部と、前記吸収層の構成繊維同士を融着させることによって前記凹部の形成部付近に形成された複数個の第2の融着部とが設けられており、
    前記吸収層は、該吸収層の肌当接面側を構成する第1繊維シート及び該吸収層の非肌当接面側を構成する第2繊維シートの2枚の繊維シートの積層体から構成されており、
    前記第1の融着部は、前記第1繊維シートの肌当接面側に形成された下向きの凹部と前記第2繊維シートの非肌当接面側に形成された上向きの凹部とにより、前記第1繊維シート及び前記第2繊維シートが接合される形で形成されており、
    前記第2の融着部は、前記第1繊維シートの肌当接面側に形成された下向きの凹部と前記第1繊維シートの非肌当接面側に形成された上向きの凹部とにより形成されており、
    前記第2の融着部は、前記吸収層の前記第1繊維シートの構成繊維がフィルム化されない範囲で押圧加工されることによって、前記吸収層の肌当接面側の色よりも明色化されており、
    前記第2の融着部における前記吸収層の坪量は15〜50g/m 2 である吸収性物品。
  2. 前記第1の融着部は、前記吸収層の前記第1繊維シート及び前記第2繊維シートそれぞれの構成繊維がフィルム状とされることによって、前記吸収層の肌当接面側の色よりも暗色化されており、前記第2の融着部は前記第1の融着部各々の平面視面積よりも大きい請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記第1の融着部は、前記吸収層の前記第1繊維シート及び前記第2繊維シートそれぞれの構成繊維の繊維形状が消滅し、フィルム状とされることによって形成されており、
    前記第2の融着部は、前記吸収層の前記第1繊維シートの構成繊維の断面形状が潰れて扁平化しているが、フィルム状とされずに形成されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. JIS Z8729に採用されているL * * * 色系の色座標指数において、前記第1の融着部の明度の換算L * 値は30〜65であり、前記第2の融着部の明度の換算L * 値は75〜95である請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記第2の融着部は複数個の前記第1の融着部に跨って存在している請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
JP2006123294A 2006-04-27 2006-04-27 吸収性物品 Active JP4953687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006123294A JP4953687B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-27 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006123294A JP4953687B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-27 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007289561A JP2007289561A (ja) 2007-11-08
JP4953687B2 true JP4953687B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=38760770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006123294A Active JP4953687B2 (ja) 2006-04-27 2006-04-27 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4953687B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5709584B2 (ja) * 2011-03-01 2015-04-30 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP6901313B2 (ja) * 2016-05-30 2021-07-14 花王株式会社 吸収性物品
WO2017208775A1 (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 花王株式会社 吸収性物品

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1077566A (ja) * 1996-07-11 1998-03-24 Uni Charm Corp 不織布およびその製造方法
JP4322180B2 (ja) * 2004-07-15 2009-08-26 花王株式会社 吸収性物品
JP2006026080A (ja) * 2004-07-15 2006-02-02 Kao Corp 吸収性シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007289561A (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5475431B2 (ja) 吸収性物品
JP5548439B2 (ja) 吸収性物品
JP4523866B2 (ja) 吸収性物品
TWI569785B (zh) Absorbent articles and disposable disposable diapers
TWI474806B (zh) Absorbent articles, and methods of making absorbent articles
JP5411663B2 (ja) 吸収性物品
JP6108447B2 (ja) 吸収性物品
JP5513874B2 (ja) 吸収性物品
JP4953687B2 (ja) 吸収性物品
JP2014097240A (ja) 吸収性物品
WO2018008292A1 (ja) 吸収性物品
WO2017022403A1 (ja) 吸収性物品
JP2004008592A (ja) 吸収性物品
JP6275364B1 (ja) 吸収性物品
JP5600539B2 (ja) 吸収性物品
JP4322180B2 (ja) 吸収性物品
WO2017065204A1 (ja) 吸収性物品
WO2013108863A1 (ja) 吸収性物品
WO2012105284A1 (ja) 吸収性物品
JP2014226216A (ja) 吸収性物品
JP4090454B2 (ja) 吸収性物品
US20210220188A1 (en) Absorbent article and top sheet
JP2010136833A (ja) 吸収性物品
JP2021078918A (ja) 吸収性物品用シート及びこれを用いた吸収性物品
JP3238425U (ja) 吸収性物品の個包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120313

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4953687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250