JP4953596B2 - 固体酸化物型燃料電池発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池を利用した発電装置に関し、特に、固体酸化物基板にカソード電極層とアノード電極層を形成し、密閉を必要としない簡単な構造による固体酸化物型燃料電池セルを備え、ガスストーブのバーナーで形成される予混火炎を直接曝すことにより発電でき、暖房器具としての暖房機能を損なうことがない、手軽で簡単な固体酸化物型燃料電池利用の発電装置に関する。
従来から開発されている燃料電池には、種々の発電形式があるが、この中に、固体電解質を用いた形式の燃料電池がある。この固体電解質による燃料電池の一例として挙げると、イットリア(Y)が添加された安定化ジルコニアからなる焼成体を酸素イオン伝導型の固体酸化物基板として用いたものがある。この固体酸化物基板の一面にカソード電極層を、そして、その反対面にアノード電極層を形成し、このカソード電極層側に酸素又は酸素含有気体が供給され、さらに、アノード電極層には、メタン等の燃料ガスが供給されるようになっている。
この燃料電池内では、カソード電極層に供給された酸素(O)が、カソード電極層と固体酸化物基板との境界で、酸素イオン(O2−)にイオン化され、この酸素イオンが、固体酸化物基板によってアノード電極層に伝導され、アノード電極層に供給された、例えば、メタン(CH)ガスと反応し、そこで、水(HO)、二酸化炭素(CO)、水素(H)、一酸化炭素(CO)が生成される。この反応において、酸素イオンが、電子を放出するため、カソード電極層とアノード電極層との間に電位差が生じる。そこで、カソード電極層とアノード電極層とにリード線を取り付ければ、アノード電極層の電子が、リード線を介してカソード電極層側に流れ、燃料電池として発電することになる。なお、この燃料電池の駆動温度は、約1000℃である。
しかし、この形式の燃料電池では、カソード電極層側に、酸素又は酸素含有ガス供給チャンバーを、そして、アノード電極層側に、燃料ガス供給チャンバーを夫々分離したセパレート型チャンバーを用意しなければならず、しかも、高温下で、酸化性雰囲気と還元性雰囲気とに晒されるため、燃料電池セルとしての耐久性を向上することが困難であった。
一方、固体酸化物基板の対向した面に、カソード電極層とアノード電極層とを設けて燃料電池セルを形成し、この燃料電池セルを、燃料ガス、例えば、メタンガスと、酸素ガスとが混合された混合燃料ガス中に置いて、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生させる形式の燃料電池が開発されている。この形式の燃料電池では、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生する原理は、上述したセパレート型チャンバー形式の燃料電池の場合と同様であるが、燃料電池セル全体を実質的に同一雰囲気にすることができるため、混合燃料ガスが供給されるシングル型チャンバーとすることができ、燃料電池セルの耐久性を向上できる。
しかし、このシングル型チャンバーの燃料電池においても、約1000℃の高温下で駆動しなければならないので、混合燃料ガスの爆発の危険性がある。この危険性を回避するために、酸素濃度を発火限界よりも低い濃度にすると、メタン等の燃料の炭化が進み、電池性能が低下するという問題が生じた。そのため、混合燃料ガスの爆発を防止しつつ、燃料の炭化の進行を防止し得る酸素濃度の混合燃料ガスを使用できるシングル型チャンバーの燃料電池が開発されている。
一方、以上に述べた燃料電池は、密封構造を有するチャンバー内に収納された燃料電池セルによって構成された形式のものであるが、固体酸化物型燃料電池セルを火炎中、或いは、その近傍に配置し、火炎の熱によって固体酸化物型燃料電池セルをその動作温度に保持させて、発電を行う装置が提案されている。
この提案された発電装置の燃料電池セルは、ジルコニアによる固体酸化物基板から成る管体と、その管体の内側に形成された空気極であるカソード電極層と、管体の外側に形成された燃料極であるアノード電極層とから構成されている。この固体電解質による固体酸化物型燃料電池セルを、燃料ガスが供給される燃焼装置から発生する火炎の還元炎部分に、アノード電極層を曝した状態で設置している。この様に設置することにより、還元炎中に存在するラジカル成分等を燃料として利用でき、菅内部のカソード電極層には、対流又は拡散によって、空気が供給され、固体酸化物型燃料電池セルとして、発電が行われる。
ところで、上述したシングル型チャンバーの燃料電池では、従来の固体酸化物型燃料電池のように、燃料と空気を厳粛に分離する必要がない代わりに、機密封止構造を採用せざるを得ない。そして、高温下で駆動できるように、複数の板状固体酸化物型燃料電池セルが耐熱性高電気伝導性を有するインターコネクト材を用いて積層接続され、起電力を上げていた。そのため、板状固体酸化物型燃料電池セルによるシングル型チャンバーの燃料電池は、大掛かりな構造となり、コストが嵩むという問題がある。
また、このシングル型チャンバーの燃料電池の稼動に際しては、高温になるまで徐々に昇温して、固体電解質燃料電池セルの割れを防止しているので、起電するまでの時間が長く、手間がかかるものである。
これに対して、既提案の管状の固体酸化物型燃料電池セルでは、火炎を直接利用する形態が採用されており、この形態の燃料電池は、固体電解質燃料電池セルを密封構造の容器に収容する必要がなく、開放型であるという特徴を持っている。そのため、この燃料電池では、起電時間が短縮でき、構造が簡単なので、燃料電池の小型軽量化、低コスト化に有利であるといえる。そして火炎を直接利用する点で、一般の燃焼装置や焼却装置等に組み込むことが可能となり、電力供給装置として利用することが期待されている。
しかしながら、この形態の燃料電池では、管状の固体酸化物基板の外面にアノード電極層が形成されているので、主に、そのアノード電極層の下半分に火炎によるラジカル成分が供給されず、管状の固体酸化物基板の外面に形成されたアノード電極層全面を有効に利用することができない。そのため、発電効率が低いものであった。さらに、固体酸化物型燃料電池セルが、火炎で直接に、しかも偏って加熱されるため、急激な温度変化によってひび割れが発生しやすいという問題があった。
そこで、燃料の燃焼による火炎を直接利用する形態の固体酸化物型燃料電池を採用し、火炎が、平板状の固体酸化物基板上に形成されたアノード電極層の全面を晒すようにして、耐久性の向上と発電効率の向上、小型化、低コスト化を図った簡便な電力供給手段としての固体酸化物型燃料電池による発電装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
その提案された固体酸化物型燃料電池による発電装置が、図5に示されている。図5に示された発電装置に利用される固体酸化物型燃料電池セルCは、平板状で、円形又は矩形の固体酸化物基板1と、その基板の一方の面に形成された空気極であるカソード電極層2と、その一方の面と反対側の面に形成された燃料極であるアノード電極層3とを有している。カソード電極層2とアノード電極層3とが、固体酸化物基板1を介して対向配置されている。
以上のように構成された固体酸化物型燃料電池セルCを用い、この燃料電池セルCのアノード電極層3を下側にして、燃料ガスが供給される燃焼装置4上に配置し、燃料による火炎fに曝して発電する発電装置とする。燃焼装置4には、火炎を伴って燃焼酸化する燃料が供給される。燃料としては、燐、硫黄、フッ素、塩素、及びこれらの化合物等でも良いが、排ガス処理が不要な有機物が好ましい。有機物燃料としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のガス類、ヘキサン、へプタン、オクタン等のガソリン系液体、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等のケトン、その他の有機溶剤各種、食用油、灯油、紙類、木材等が挙げられる。この中でも、特に、ガス類が好ましい。
さらに、火炎は拡散炎でも予混火炎でも良いが、拡散炎は、炎が不安定であり、煤の発生によってアノード電極層の機能低下を招きやすいので、予混火炎の方が好適である。予混火炎は安定している上に、火炎サイズを調整しやすく、さらに燃料濃度を調整して、煤の発生を防止することができる。
前記固体酸化物型燃料電池セルが平板状に形成されているので、燃焼装置4からの火炎fを固体酸化物型燃料電池セルCのアノード電極層3に均一にあてることができ、管状のものに比べて、ムラなく火炎fを当てることができる。さらに、アノード電極層3を火炎f側に向けて配置され、火炎中に存在する炭化水素、水素、ラジカル(OH、CH、C、OH、CH)などを酸化還元反応に基づく発電の燃料として利用しやすくなる。また、カソード電極層2が、酸素を含有する気体、例えば、空気中に露出されるので、カソード電極層2から酸素を利用しやすくなり、さらに、カソード電極層2に向かって酸素を含有する気体が吹きつけられると、より効率良く、カソード電極層側を酸素リッチ状態にすることができる。
固体酸化物型燃料電池セルCで発電された電力は、カソード電極層2とアノード電極層3からそれぞれ引き出されたリード線L1、L2によって取り出される。リード線L1、L2としては、耐熱性のある白金製、或いは、白金を含む合金製のものが使用される。
特開2004−139936号公報
以上に説明したように、これまでに提案された固体酸化物型燃料電池利用による発電装置では、チャンバー型のものにあっては、固体酸化物型燃料電池セルを駆動温度まで昇温させる電気炉や、燃料ガスと酸素又は空気とを供給する供給装置などが必要であり、装置自体が複雑で、嵩張るものであったため、発電装置として、一般の人が取り扱うことはできなかった。
これに対して、提案されている直接火炎利用の固体酸化物型燃料電池セルによる発電装置では、燃料を燃焼して火炎を生成する燃焼装置を必要とするが、燃焼装置として、例えば、ローソク、ライターなどの火炎を利用できるため、小型、軽量で、コンパクトな発電装置を実現できる。しかしながら、この発電装置では、火炎を利用することから、簡便に発電させることができても、安全性に難点があり、さらには、拡散炎を利用するところから、火炎が安定しないなどの理由で、安定的発電に使用することが困難であった。
そこで、本発明は、固体酸化物型燃料電池セルを利用して発電するとき、安定した燃料供給を行うことができるガスストーブのバーナーで形成される予混火炎を利用し、固体酸化物型燃料電池セルをガスストーブの赤外線輻射体に組み込むことによって、直接火炎に曝される固体酸化物型燃料電池発電を実現し、小型で、しかも安全であり、取り扱いが簡単な固体酸化物型燃料電池発電装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の固体酸化物型燃料電池発電装置では、固体酸化物基板と、該基板の一方の面に形成されたカソード電極層と、該一方の面と反対側の面に形成されたアノード電極層とを有する固体酸化物型燃料電池セルと、前記アノード電極層をガスストーブのバーナーで形成される予混火炎に直接曝して配置し、前記固体酸化物型燃料電池セルを支持する赤外線輻射体と、を備え、前記アノード電極層に、前記予混火炎の成分が供給され、前記カソード電極層には、空気が供給されることにより発電することとした。
そして、前記カソード電極層と前記アノード電極層の一方又は双方に設けられた集電電極が、該電極層全面に拡がるメッシュ状金属又はワイヤ状金属で形成されていることとした。
前記固体酸化物型燃料電池セルは、所定の傾斜角を有して前記赤外線輻射体に支持されることとし、前記アノード電極層を前記バーナーに対向する側にして前記赤外線輻射体に一体的に組み込まれることとした。
また、前記バーナーが直線配列された前記予混火炎を形成する場合、前記固体酸化物型燃料電池セルは、前記アノード電極層の面が前記予混火炎の配列方向に沿うように前記赤外線輻射体に組み込まれることとした。
複数の前記固体酸化物型燃料電池セルが、前記赤外線輻射体に組み込まれるものとし、前記複数の固体酸化物型燃料電池セルが直列又は並列に接続され、発電出力を取出すリード線が取り付けられることとした。
前記複数の固体酸化物型燃料電池セルの前記カソード電極層及び前記アノード電極層に設けられた集電電極は、メッシュ状金属又はワイヤ状金属で形成され、前記固体酸化物型燃料電池セルの各々の前記集電電極から延びる前記メッシュ状金属又はワイヤ状金属で、相互に直列又は並列に接続されるようにした。
また、前記赤外線輻射体は、上方で閉じた内部空間を形成するものとし、前記内部空間には、前記バーナーで形成された前記予混火炎が供給されるようにした。
前記固体酸化物型燃料電池セルは、前記固体酸化物基板の一方の面に形成された複数のカソード層と、該固体酸化物基板の該一方の面と反対側の面に形成された複数のアノード層とを有し、該固体酸化物基板を介して対向する前記アノード層と前記カソード層とで複数の燃料電池セルが形成されることとした。
以上のように、本発明による固体酸化物型燃料電池利用の発電装置では、固体酸化物基板と、カソード電極層と、アノード電極層とを有する固体酸化物型燃料電池セルと、前記アノード電極層をガスストーブのバーナーで形成される予混火炎に直接曝して配置し、前記固体酸化物型燃料電池セルを支持する赤外線輻射体とが備えられ、前記アノード電極層に、ガスストーブのバーナーで生成される予混火炎の成分が供給され、カソード電極層に空気が供給されて発電するようにした。そのため、ガスストーブのバーナーで生成される予混火炎は、バーナーの孔で定着して安定して生成され、且つ、安全に発生されるものであり、この予混火炎による熱で固体酸化物型燃料電池セルを駆動温度に簡単に維持することができ、また、燃料電池の燃料として、予混火炎に含まれる未燃焼成分やラジカル成分を安定的に供給することができる。
また、ガス燃焼を行うバーナーを備えたガスストーブにおいて、燃料電池セルの取り付け箇所として赤外線輻射体を用い、固体酸化物型燃料電池セルを組み込むことにより、発電装置を、小型、コンパクトに構成することができ、一般の人でも簡単に取り扱うことができる。さらに、ガスストーブとして暖房機能を損なうことなく発電でき、しかも、手軽な発電装置として使用することが可能となる。そして、ガスストーブにおける燃料の燃焼による予混火炎を燃料源とする発電装置としたので、安定して大きな発電出力を得ることができる。
次に、本発明による固体酸化物型燃料電池利用の発電装置に係る実施形態について、図1乃至図4を参照しながら、説明する。ここで、本実施形態の発電装置に使用することができる固体酸化物型燃料電池セルについて、以下に説明する。
本実施形態に使用される固体酸化物型燃料電池セルは、基本的には、図5に示された固体酸化物型燃料電池セルCと同様の構成であり、固体酸化物基板1、カソード電極層2及びアノード電極層3を有している。
固体酸化物基板1は、例えば、矩形形状の平板であり、カソード電極層2とアノード電極層3とが、固体酸化物基板1を介して対向するように、その平面のほぼ全面に形成されている。そして、カソード電極層2には、リード線L1が接続され、アノード電極層3には、リード線L2が接続されており、リード線L1とL2とで、燃料電池としての出力が取り出される。なお、固体酸化物基板1は、板状に形成されていればよく、矩形形状に限られず、少なくとも、ガスストーブのバーナーから生成される予混火炎に曝される形状を有していればよく、例えば、円形形状とすることもできる。
固体酸化物基板1には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
a) YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、これらにCe、Al等をドープしたジルコニア系セラミックス
b) SDC(サマリアドープドセリア)、GDC(ガドリアドープドセリア)等のセリア系セラミックス
c) LSGM(ランタンガレート)、酸化ビスマス系セラミックス
また、アノード電極層3には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
d) ニッケルと、イットリア安定化ジルコニア系、スカンジア安定化ジルコニア系、又は、セリア系(SDC、GDC、YDC等)セラミックとのサーメット
e) 導電性酸化物を主成分(50重量%以上99重量%以下)とする焼結体(導電性酸化物とは、例えば、リチウムが固溶された酸化ニッケル等である)
f) d)、e)に挙げたものに、白金族金属元素から成る金属、又は、その酸化物が1〜10重量%程度配合されたもの
等が挙げられ、この中でも、特にd)、e)が好ましい。
また、e)の導電性酸化物を主成分とする焼結体は、優れた耐酸化性を有するのでアノード電極層の酸化に起因して発生する、アノード電極層の電極抵抗の上昇による発電効率の低下、或いは、発電不能、アノード電極層の固体酸化物基板からの剥離といった現象を防止できる。また、導電性酸化物としては、リチウムが固溶された酸化ニッケルが好適である。さらに、上記d)、e)に挙げたものに、白金族金属元素から成る金属、またはその酸化物を配合することにより、高い発電性能を得ることができる。
カソード電極層2は、公知のものを採用でき、例えば、ストロンチウム(Sr)等の周期律表第3族元素が添加されたランタンのマンガン(例えば、ランタンストロンチウムマンガナイト)、ガリウム又はコバルト酸化化合物(例えば、ランタンストロンチウムコバルタイト)等が挙げられる。
カソード電極層2とアノード電極層3とは、共に多孔質体に形成される。これらの電極層は、多孔質体の開気孔率を、20%以上、好ましくは、30〜70%、特に、40〜50%とすることが好ましい。本実施形態に使用される固体酸化物型燃料電池セルでは、多孔質体に形成されたカソード電極層2とアノード電極層3とすることにより、カソード電極層2では、空気中の酸素を固体酸化物基板1との境界面の全面に供給しやすくし、また、アノード電極層3では、燃料を固体酸化物基板1との境界面の全面に供給しやすくしている。
固体酸化物基板1も多孔質に形成することもできる。固体酸化物基板は、緻密質に形成された場合には、耐熱衝撃性が低く、急激な温度変化によって、ひび割れが生じやすい。また、一般に、固体酸化物基板は、アノード電極層及びカソード電極層よりも厚く形成されるので、固体酸化物基板のひび割れが引き金となり、固体酸化物型燃料電池セルの全体にひび割れが発生し、バラバラになることがある。
固体酸化物基板1が多孔質に形成されることで、発電時に、急激に温度変化を与えても、さらに、温度差の激しいヒートサイクルに対しても、ひび割れ等がなくなり、耐熱衝撃性が向上する。また、多孔質であっても、その気孔率が10%未満のときは、耐熱衝撃性に著しい向上が認められなかったが、10%以上であると良好な耐熱衝撃性が見られ、20%以上であるとより好適である。これは、固体酸化物基板が多孔質であると、加熱による熱膨張が空隙部分で緩和されるためと考えられる。
固体酸化物型燃料電池セルCは、例えば、次のように製造される。先ず、固体酸化物基板の材料粉末を所定配合割合で混合し、板状に成形する。その後、これを焼成して焼結することで固体酸化物層としての基板が作られる。このとき、気孔形成剤等の材料粉末の種類や配合割合、焼成温度、焼成時間、予備焼成等の焼成条件等を調整することによって、様々な気孔率の固体酸化物基板を作ることができる。こうして得られた固体酸化物層としての基板の一面側に、カソード電極層となる形状でペーストを、他面側にアノード電極層となる形状でペーストを夫々塗布した後に、焼成を行うことにより、一枚の固体酸化物型燃料電池セルを製造することができる。
また、固体酸化物型燃料電池セルは、さらに耐久性を向上することができる。この耐久性の向上手法としては、燃料電池セルにおけるカソード電極層とアノード電極層とに、メッシュ状金属を埋設、或いは、固着させるものである。このメッシュ状金属又はワイヤ状金属を、固体酸化物型燃料電池セルの集電電極とし、集電効率をも向上させることができる。埋設する方法としては、各層の材料(ペースト)を固体酸化物基板に塗布し、メッシュ状金属をその塗布された材料中に埋め込んだ後に焼成を行う。固着する方法としては、メッシュ状金属を各層の材料によって完全に埋め込むことなく、接着させて焼結しても良い。
メッシュ状金属としては、これを埋設する、或いは、固着するカソード電極層、アノード電極層との熱膨張係数の調和や、耐熱性に優れたものが好適である。具体的には、白金や、白金を含む合金から成る金属でメッシュ状にしたものが挙げられる。SUS300番代(304、316等)、或いは、SUS400番代(430等)のステンレスでも良く、これらはコストの点で有利である。
また、メッシュ状金属を用いる代わりに、ワイヤ状金属をアノード電極層、カソード電極層に埋設或いは固着させてもよい。ワイヤ状金属は、メッシュ状の金属と同様の金属から成り、その数や配設形状等に限定はない。メッシュ状金属やワイヤ状金属を、アノード電極層やカソード電極層に埋設、或いは、固着することにより、熱履歴等によってひび割れした固体酸化物基板がバラバラになって崩れないように補強されることになり、さらに、メッシュ状金属やワイヤ状金属は、ひび割れした部分を電気的に接続している。
なお、これまで、固体酸化物基板を多孔質性にした場合を説明したが、燃料電池の固体酸化物基板に、緻密構造のものを使用した場合には、特に、熱履歴によるひび割れに対処するのに、カソード電極層及びアノード電極層にメッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、埋設することは、有効な手段となる。
また、固体酸化物型燃料電池セルには、ガスストーブの点火による急激な加熱によってもひび割れが発生するが、カソード電極層及びアノード電極層に、適宜の密度でメッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、埋設すると、急激に加熱されたときに、燃料電池セルの面的な熱伝導が均一となり、熱伝導の不均一によるひび割れを抑制することができる。
メッシュ状金属或いはワイヤ状金属は、アノード電極層とカソード電極層の両方に配設しても良いし、どちらか一方に配設しても良い。また、メッシュ状金属とワイヤ状金属を組み合わせて配設しても良い。熱履歴によってひび割れが生じたときには、少なくともアノード電極層に、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が埋設されていれば、その発電能力を低下させることがなく、発電を継続することができる。固体酸化物型燃料電池セルの発電能力は、アノード電極層の燃料極としての有効面積に負うところが大きいので、少なくとも、アノード電極層にメッシュ状金属、或いは、ワイヤ状金属を配設すると良い。
このようにして形成された固体酸化物型燃料電池セルが、本実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置の燃料電池セルCとして使用される。本実施形態では、この固体酸化物型燃料電池セルに形成されたアノード電極層3に供給される燃料として、ガスストーブに設けられたバーナーで発生した予混火炎を直接に利用することとした。そして、その予混火炎で発生する熱の温度が、図5に示した直接火炎利用の場合と同様であるので、この温度は、固体酸化物型燃料電池セルが作動可能な温度になっている。そのため、ガスストーブのバーナーにおける燃焼が、固体酸化物型燃料電池セルに対する燃料供給源として、さらには、駆動熱源として適したものとなっている。
ここで、以下に、本実施形態の発電装置における固体酸化物型燃料電池セルの燃料供給源となるガスストーブについて説明する。
本実施形態に燃料源として使用される赤外線輻射式のガスストーブは、従来から知られているものでよい。この様なガスストーブには、燃料のガスを燃焼するためのガスバーナーが備えられ、さらに、このバーナーで燃焼された火炎によって曝される赤外線輻射体が備えられている。このガスバーナーへの燃料供給には、先ず、そのガスバーナー本体の端部に設けられた小さな噴射口から、燃料ガスが高速で噴出される。このときに生じる圧力低下を利用して空気が吸い込まれるように構成されている。そこで、ガスバーナー本体の内部で、燃料ガスと空気とが混合される。
ガスバーナー本体内で混合された混合気体は、ガスバーナー本体の他端部に設けられている燃焼用の開口部である複数のバーナー孔に導かれる。この複数のバーナー孔は、赤外線輻射体が平面である場合には、該輻射体が火炎で均一に曝されるように、通常では、直線状に配列されている。例えば、2枚の赤外線輻射体が備えられている場合には、2列の直線状配列が採用される。赤外線ガスストーブには、複数のバーナー孔が直線状配列されたものだけでなく、複数のバーナー孔が円環状に配列されたものもある。
複数のバーナー孔から噴出する混合気に着火すると、各バーナー孔において、燃料が燃焼し、予混火炎が生成される。この予混火炎では、バーナー孔から噴出し上方に向かう混合気の流れと、この混合気の燃焼による火炎の進行とが釣り合った状態にあり、火炎面が形成され、火炎がバーナー孔に定着し、安定した燃焼が起きている。
通常のガスストーブには、ガスの燃焼量が調整できるようになっているが、燃料と空気の混合割合によっては、不完全燃焼を起す可能性があるため、この調整に伴って空気量も調整される機構が備えられている。燃料ガスは環境的にクリーンな状態で燃焼されるように調整され、安定した予混火炎が生成される。その予混火炎中には、ラジカル成分や未燃焼成分が含まれているので、本実施形態の発電装置に利用される固体酸化物型燃料電池セルの燃料として好適であり、しかも、安定的に供給することが可能であり、安定した発電量を得るのに都合がよい。
また、この赤外線ガスストーブに使用される燃料には、都市ガスとして、液化天然ガス(LNG)、石油分解ガス、液化石油ガス(LPG)が使用されている。これらの都市ガスが燃焼されて予混火炎が生成されると、上述したように、予混火炎には、未燃焼成分や、ラジカル成分が多く含まれているので、これらは、本実施形態の発電装置に利用される固体酸化物型燃料電池セルの燃料として活用できる点でも都合がよい。
以上に説明したガスストーブでは、混合気がバーナーで燃焼され、定着して安定した予混火炎が生成されるので、赤外線輻射体の熱源として使用できるだけでなく、さらに、燃料の燃焼によるラジカル成分が含まれ、その火炎を直接的に利用して、本実施形態の発電装置に使用される上述した固体酸化物型燃料電池セルに対して、その発電駆動に必要な熱源及び燃料源にでき、直接火炎型の燃料電池発電装置を構成することができる。
以上のような赤外線ガスストーブのバーナーで生成される予混火炎に直接曝されるように、上述した平板状の固体酸化物型燃料電池セルを配置することにより、直接火炎型の固体酸化物型燃料電池利用の発電装置を構成し、安定して発電し続けることができ、その発電電力を簡単に取り出せるようにした。
次に、赤外線ガスストーブのバーナーで生成される予混火炎を利用した固体酸化物型燃料電池利用の発電装置の実施形態を、ガスストーブが暖房として機能しているときに発電できるように構成した場合として、図1乃至3を参照しながら、以下に説明する。
固体酸化物型燃料電池セルに燃料を供給でき、しかも、その作動温度を維持する熱源として、ガスストーブのバーナーを利用した直接火炎型の固体酸化物型燃料電池発電装置の概要が、図1に示されている。図1では、通常に使用されている赤外線ガスストーブを利用した場合における断面図が示されている。
その赤外線ガスストーブは、ストーブ基台5、バーナー6、赤外線輻射体7、そして、輻射体取付台8とで構成され、ストーブ基台5の中央部に、バーナー6が配置されている。そして、バーナー6の上端部各々には、複数のバーナー孔がそれぞれ直線状に配列されており、ストーブ基台内に収納されているバーナー本体内で生成された混合気が、各バーナー孔から噴出され、着火されると、上述したように、予混火炎F1、F2が両側に生成される。
図1では、赤外線輻射体7は、従来から使用されている赤外線輻射材料よりなる輻射板71、72を有し、その各輻射板は、バーナー6で生成される予混火炎F1、F2にできるだけ均一に曝されるように、バーナー側に所定角度だけ傾斜されている。そして、生成された予混火炎を有効に利用するため、図1には示されていないが、赤外線輻射できる側壁が配置されて、上部で閉じられた内部空間が形成されている。
さらに、本実施形態の発電装置を実現するため、図1に示した例では、輻射板71には、固体酸化物型燃料電池セルC1、C2が、そして、輻射板72には、固体酸化物型燃料電池セルC3、C4がそれぞれ組み込まれている。固体酸化物型燃料電池セルも加熱されると、赤熱して赤外線を輻射するので、固体酸化物型燃料電池セルが赤外線輻射体7に組み込まれても、赤外線ストーブの暖房機能の低下に影響を与えない。
なお、バーナー6で生成される予混火炎F1、F2は、その拡がり角度が水平面に対して約20度から約120度の範囲で、上方に供給されるので、予混火炎が固体酸化物型燃料電池セルの各々の全面にできるだけ均一に当るようにするためには、輻射板の傾斜角度は、水平面に対して約40度から約80度の範囲から最適状態を選択することができる。
次に、図1に示された赤外線輻射体7の全体構成を、図2に示した。この赤外線輻射体7が、図1に示された輻射体取付台8の上に取り付けられる。図2では、固体酸化物型燃料電池セルが赤外線輻射体7に組み込まれた例が示され、赤外線輻射体7には、輻射板71、72の他に、側壁となる輻射板73が設けられ、上部を閉じた内部空間が形成されている。
輻射板71、72には、図示のように、複数の固体酸化物型燃料電池セルが組み込まれている。輻射板71には、固体酸化物型燃料電池セルC1として、C11〜C14が、固体酸化物型燃料電池セルC2として、C21〜C24が配列されている。同様に、輻射板72にも、固体酸化物型燃料電池セルC3、C4として、C31〜C34と、C41〜C44がそれぞれ配列されているが、図2においては、一部の燃料電池セルが破線で示されているが、他は隠れて見えない。
赤外線輻射体7に組み込まれる固体酸化物型燃料電池セルには、図5で示した固体酸化物型燃料電池セルCと同様の構成のものを使用することができる。ガスストーブを使用した固体酸化物型燃料電池利用の発電装置とするため、固体酸化物型燃料電池セルCのアノード電極層3が、バーナー6側に面して組み込まれるようにする。これにより、バーナー6で生成された予混火炎が、固体酸化物型燃料電池セルCを直接曝す。
そのため、固体酸化物型燃料電池セルC11〜C44のいずれのカソード電極層も、バーナー6と反対側、即ち、外側の大気に面している。図2の例では、固体酸化物型燃料電池セルC11〜C44の16枚が、4枚ずつの4グループC1乃至C4に分けて配列されている。例えば、グループC1について見ると、固体酸化物型燃料電池セルC11乃至C14が、集電電極D1で互いに接続され、直列体を形成している。
同様に、グループC2、C3、C4においても、集電電極で互いに接続され、個々に直列体を形成している。これらの4つの直列体は、リード線L11、L12、L13とリード線L21、L22、L23とで、並列に接続される。なお、図2では、輻射板72側の集電電極D3、D4及び並列接続用リード線L13、L23については、図示を省略している。グループC1乃至C4の発電出力は、リード線L1、L2から取出される。
ここで、同一グループ内における固体酸化物型燃料電池セル間の接続例について説明する。図3には、グループC1における固体酸化物型燃料電池セルC11とC12を中心にしてその接続の詳細が示されている。固体酸化物型燃料電池セルC11は、固体酸化物基板1−11、カソード電極層2−11、そして、アノード電極層3−11で構成され、固体酸化物型燃料電池セルC12は、固体酸化物基板1−12、カソード電極層2−12、そして、アノード電極層3−12で構成されており、図5の燃料電池セルCの構成と同様である。固体酸化物型燃料電池セルC11、C12は、輻射板71に、アノード電極層3−11、3−12が予混火炎に曝されるように揃えられ、カソード電極層2−11、2−12が外側の大気に面するように、輻射板71に組み込まれている。
なお、図5の燃料電池セルCでは、リード線L1、L2が電極層に直接取り付けられていたが、このリード線により、各固体酸化物型燃料電池セルを直列接続することが可能であるが、図3の燃料電池セルでは、燃料電池セルの個々の発電出力を有効に取り出すために、メッシュ状金属又はワイヤ状金属による集電電極が備えられている。固体酸化物型燃料電池セルC11については、集電電極D211がカソード電極層2−11に埋め込まれ、或いは、貼り付けられ、集電電極D212がアノード電極層3−11に埋め込まれ、或いは、貼り付けられる。同様に、他の個々の固体酸化物型燃料電池セルに関しても、集電電極が備えられている。
ここで、固体酸化物型燃料電池セルC11乃至C14による直列体を形成するため、各燃料電池セルに備えられた集電電極を利用するものとし、例えば、集電電極D211を延在させ、集電電極D312に接続する。この様に、集電電極を延長し、当該燃料電池セルのカソード電極層と、隣接する燃料電池セルのアノード電極層と電気的に接続されるようにする。直列体の端部に位置する燃料電池セルにおいて、他の集電電極と接続されない集電電極は、並列接続用リード線に電気的に接続される。
赤外線輻射体7を作製する際に、以上のように形成された燃料電池セルの直列体をグループC1乃至C4毎に用意し、各直列体をリード線に並列接続した上で、輻射板に一体的に組み込むようにする。このとき、直列体の各々を形成する各固体酸化物型燃料電池セルのアノード電極層が、バーナー側に面するように配置される。
以上のように作製された固体酸化物型燃料電池セルを備えた赤外線輻射体7を、図1に示されるように、輻射体取付台8の上に置き、ガスストーブを着火すると、バーナー6で生成された予混火炎によって赤外線輻射体7が加熱され、暖房器具として機能するとともに、発生する熱により、各固体酸化物型燃料電池セルが駆動温度に維持され、アノード電極層には、バーナーで生成された予混火炎が直接に供給され、つまり、その火炎に含まれるラジカル成分又は未燃焼成分が供給される。
そして、各固体酸化物型燃料電池セルのカソード電極層は、バーナー6と反対側にあり、酸素が十分に供給される。ここで、各固体酸化物型燃料電池セルに関して、輻射板によって、アノード電極層の燃料リッチ状態と、カソード電極層の酸素リッチ状態とが明確に区分けされている。カソード電極層側には、リード線L1が接続され、アノード電極層側には、リード線L2が接続されているので、このリード線L1、L2によって、外部に発電電力が取り出される。
図2に示した赤外線輻射体の例では、複数の固体酸化物型燃料電池セルが4枚ずつの4グループC1乃至C4に分けて配列された場合であったが、必要とする発電電力の大きさに合わせて、燃料電池セルの組み込み数、直列又は並列の接続の仕方を適宜選択することが可能である。さらに、赤外線輻射体の側壁部にも、固体酸化物型燃料電池セルを組み込むこともでき、バーナーから生成される予混火炎が有効に活用される。
以上に説明した固体酸化物型燃料電池利用の発電装置では、固体酸化物型燃料電池セルの熱源及び燃料源として使用したバーナー6は、複数のバーナー孔が直線状に2列に配列された例であったが、赤外線ガスストーブによっては、図1の場合と異なり、赤外線輻射体として1枚の輻射体で構成されている場合もあり、この場合には、その輻射板に固体酸化物型燃料電池セルを組み込むようにする。
これまでに説明した本実施形態による固体酸化物型燃料電池発電装置では、固体酸化物型燃料電池セルが赤外線輻射体を構成する輻射板に組み込まれる場合であったが、赤外線ストーブには、半球状の赤外線輻射体が備えられている場合もある。図4は、固体酸化物型燃料電池セルを使用した発電装置の変形例を示しており、半球状の赤外線輻射体7に、複数の固体酸化物型燃料電池セルが組み込まれている。
図4に示された場合には、赤外線輻射体7が半球状の形状であっても、固体酸化物型燃料電池セルの組み込み方法は、図2に示した場合と同様である。半球状の赤外線輻射体を備えたガスストーブのバーナーは、通常、円環状に配置されたバーナー孔を有し、生成される予混火炎は、全体として円形になるので、燃料としての燃料が固体酸化物型燃料電池セルに有効に供給されるように、適宜傾斜する位置に組み込むとよい。また、固体酸化物型燃料電池セル自体を、半球状の形状に合わせて、湾曲させてもよい。
以上の変形例による固体酸化物型燃料電池発電装置においても、固体酸化物型燃料電池セルC1、C2のいずれのカソード電極層も、バーナーと反対側にあり、酸素が十分に供給される。ここで、固体酸化物型燃料電池セルC1、C2いずれもが赤外線輻射体7で大気側とバーナー側とが区分けされていることから、アノード電極層の燃料リッチ状態と、カソード電極層の酸素リッチ状態を簡単に形成でき、安定して、かつ簡便に発電することができる。
次に、上述した本実施形態の固体酸化物型燃料電池発電装置に係る実施例について、以下に説明する。ここでは、図2に示された発電装置の場合について、固体酸化物型燃料電池発電装置を製作し、ガスストーブで生成される予混火炎を使用して発電実験を行った。
先ず、固体酸化物基板には、固体電解質として、サマリアドープドセリア(SDC、Sm0.2Ce0.81.9セラミック)を用いた。グリーンシート法により、大気中において、1300℃で焼成し、矩形のセラミック基板を作製した。次いで、この基板の一方の面に、サマリアストロンチウムコバルタイト(SSC、Sm0.2Sr0.5Ce0.8)とSDCの50重量%・50重量%混合物からなるペーストを基板より小さめの形状に印刷し、そのペーストを乾燥させた。
さらに、基板の他方の面に、リチウムを8mol%固溶した酸化ニッケルとSDCの75重量%・20重量%混合物に、5重量%の酸化ロジウムを添加したペーストを、やはり基板より小さめに印刷し、それぞれの面に集電電極となる白金メッシュを埋め込んだ。その後、大気中において、1200℃で焼成し、単体の矩形固体酸化物型燃料電池セルを作製し、さらに、隣接する燃料電池セルのカソード電極層側の集電電極とアノード電極層側の集電電極を電気的に接続し、輻射板に組み込み、赤外線輻射体を作成した。
ここでは、図2に示された赤外線輻射体の場合と異なり、複数の固体酸化物型燃料電池セルが、5直列の6並列に接続され、各輻射板には、3並列分ずつが組み込まれた。赤外線輻射体自体について、図2では、側壁73を有していたが、この発電実験例では、その側壁が備えられていないものが使用された。また、ガスストーブのバーナーから生成される予混火炎は、ガス拡がり角度が、約20〜160度であり、固体酸化物型燃料電池セルが設置される傾斜角度は、約60度であった。
そこで、この発電装置による赤外線輻射体をガスストーブに取り付け、その後、バーナーから噴出される混合気に着火し、生成された予混火炎で各固体酸化物型燃料電池セルを曝した。その結果、3.4V程度の開回路電圧が確認され、最大で、約530mWの発電出力がえられた。この発電実験例では、赤外線輻射体に側壁が備えられていない場合であり、燃料電池セルにとっての燃料成分が両側から漏れる結果となった。そこで、赤外線輻射体に上部で閉じた内部空間が形成されれば、この燃料成分は、外部に漏れることなく、燃料電池セルの発電に有効に寄与する。
本発明の固体酸化物型燃料電池利用発電装置がガス燃焼による赤外線ストーブに組み込まれた状態を示す概略構成図である。 ガス燃焼による赤外線ストーブに組み込むための本発明の固体酸化物型燃料電池利用発電装置の実施形態を説明する図である。 図2に示された発電装置における固体酸化物型燃料電池を説明する図である。 本発明の固体酸化物型燃料電池利用発電装置の変形例を説明する図である。 固体酸化物型燃料電池を利用してガス燃焼火炎を燃料として発電する様子を説明する図である。
符号の説明
5 ストーブ基台
6 ガスバーナー
7 赤外線輻射体
71〜73 赤外線輻射板
8 輻射体取付台
C1〜C4、C11〜C44 固体酸化物型燃料電池セル
D1、D2、D11〜D44 集電電極
F1、F2 予混火炎
L1、L2 リード線

Claims (8)

  1. 固体酸化物基板と、該基板の一方の面に形成されたカソード電極層と、該一方の面と反対側の面に形成されたアノード電極層とを有する固体酸化物型燃料電池セルと、
    前記アノード電極層を予混火炎に直接曝して配置し、前記固体酸化物型燃料電池セルを支持する赤外線輻射体と、を備え、
    前記赤外線輻射体は、固体酸化物型燃料電池セルをそれぞれ支持する第1板部及び第2板部を備え、
    前記第1板部及び前記第2板部は、前記予混火炎を形成する予混火炎形成面に対して所定の傾斜角を有し、且つ前記予混火炎形成面の上方で互いに接するように配置されることにより、前記予混火炎形成面の上方で閉じた内部空間を形成し、
    前記内部空間には、前記予混火炎形成面で形成された前記予混火炎が供給され、
    前記アノード電極層に、前記予混火炎の成分が供給され、前記カソード電極層には、空気が供給されることにより発電する固体酸化物型燃料電池発電装置。
  2. 前記カソード電極層と前記アノード電極層の一方又は双方に設けられた集電電極が、該電極層全面に拡がるメッシュ状金属又はワイヤ状金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
  3. 前記予混火炎を形成する予混火炎形成面は、ガスストーブのバーナーを備える請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
  4. 前記固体酸化物型燃料電池セルは、前記アノード電極層を前記バーナーに対向する側にして前記赤外線輻射体に一体的に組み込まれることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
  5. 前記バーナーが直線配列された前記予混火炎を形成する場合、前記固体酸化物型燃料電池セルは、前記アノード電極層の面が前記予混火炎の配列方向に沿うように前記赤外線輻射体に組み込まれることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
  6. 複数の前記固体酸化物型燃料電池セルが、前記赤外線輻射体に組み込まれ、
    前記複数の固体酸化物型燃料電池セルが直列又は並列に接続され、発電出力を取出すリード線が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
  7. 前記複数の固体酸化物型燃料電池セルの前記カソード電極層及び前記アノード電極層に設けられた集電電極は、メッシュ状金属又はワイヤ状金属で形成され、
    前記固体酸化物型燃料電池セルの各々の前記集電電極から延びる前記メッシュ状金属又はワイヤ状金属で、相互に直列又は並列に接続される請求項6に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
  8. 前記固体酸化物型燃料電池セルは、前記固体酸化物基板の一方の面に形成された複数のカソード層と、該固体酸化物基板の該一方の面と反対側の面に形成された複数のアノード層とを有し、該固体酸化物基板を介して対向する前記アノード層と前記カソード層とで複数の燃料電池セルが形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の固体酸化物型燃料電池発電装置。
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