JP2007026782A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、アノード電極層に熱良導体を配設することにより、火炎の急激加熱による熱衝撃を緩和し、ひび割れ発生を抑制した固体酸化物型燃料電池を提供する。
【解決手段】 固体酸化物型燃料電池Cは、固体酸化物基板1と、一方面に形成されたカソード電極層2と、反対側の面に形成されたアノード電極層3とを有し、アノード電極層は、固体酸化物基板の全面に形成され、熱良導体の白金メッシュM3がアノード電極層と同じ面積で埋設されている。バーナーで生成された予混火炎がアノード電極層に供給されると、白金メッシュM1に接続のリード線L1と白金メッシュM3に接続のリード線L2とから発電出力が得られる。白金メッシュM3が固体酸化物基板の周縁端まで拡がり、火炎の急速加熱時にも、基板全面が均一加熱され、ひび割れを生じない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電装置に適用できる固体酸化物型燃料電池に関し、特に、固体酸化物基板にカソード電極層とアノード電極層を形成し、密閉を必要としない簡単な構造による固体酸化物型燃料電池であって、燃焼で形成される予混火炎を直接曝すことにより発電でき、火炎による急激な加熱の熱衝撃を緩和して、基板自体のひび割れの発生を抑制した固体酸化物型燃料電池に関する。
従来から開発されている燃料電池には、種々の発電形式があるが、この中に、固体電解質を用いた形式の固体酸化物型燃料電池がある。この固体電解質による燃料電池の一例として挙げると、イットリア(Y)が添加された安定化ジルコニアからなる焼成体を酸素イオン伝導型の固体酸化物基板として用いたものがある。この固体酸化物基板の一面にカソード電極層を、そして、その反対面にアノード電極層を形成し、このカソード電極層側に酸素又は酸素含有気体が供給され、さらに、アノード電極層には、メタン等の燃料ガスが供給されるようになっている。
この燃料電池内では、カソード電極層に供給された酸素(O)が、カソード電極層と固体酸化物基板との境界で、酸素イオン(O2−)にイオン化され、この酸素イオンが、固体酸化物基板によってアノード電極層に伝導され、アノード電極層に供給された、例えば、メタン(CH)ガスと反応し、そこで、水(HO)、二酸化炭素(CO)、水素(H)、一酸化炭素(CO)が生成される。この反応において、酸素イオンが、電子を放出するため、カソード電極層とアノード電極層との間に電位差が生じる。そこで、カソード電極層とアノード電極層とにリード線を取り付ければ、アノード電極層の電子が、リード線を介してカソード電極層側に流れ、燃料電池として発電することになる。なお、この燃料電池の駆動温度は、約1000℃である。
この様な形式の燃料電池の構成例が、図2に示されている。しかし、この形式の固体酸化物型燃料電池Cについて、カソード電極層2の側に、酸素又は酸素含有ガス供給チャンバー4を、そして、アノード電極層3の側に、燃料ガスが供給されるチャンバー5を夫々分離したセパレート型チャンバーを用意しなければならない。そして、この燃料電池Cを駆動温度にするため、セパレート型チャンバーの外側に設けられたヒーターで加熱されるが、急速加熱によると、固体酸化物型燃料電池がひび割れを起こし、発電不能になるため、燃料電池の始動時においては、長時間を掛けて徐々に加熱する必要があった。しかも、高温下で、酸化性雰囲気と還元性雰囲気とに曝されるため、固体酸化物型燃料電池としての耐久性を向上することが困難であった。
一方、固体酸化物基板の対向した面に、カソード電極層とアノード電極層とを設けて燃料電池を形成し、この燃料電池を、燃料ガス、例えば、メタンガスと、酸素ガスとが混合された混合燃料ガス中に置いて、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生させる形式の燃料電池が開発されている。この形式の燃料電池では、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生する原理は、上述したセパレート型チャンバー形式の燃料電池の場合と同様であるが、燃料電池全体を実質的に同一雰囲気にすることができるため、混合燃料ガスが供給されるシングル型チャンバーとすることができ、燃料電池の耐久性の向上が容易である。
しかし、このシングル型チャンバーの燃料電池においても、約1000℃の高温下で駆動しなければならないので、混合燃料ガスの爆発の危険性がある。この危険性を回避するために、酸素濃度を発火限界よりも低い濃度にすると、メタン等の燃料の炭化が進み、電池性能が低下するという問題が生じた。そのため、混合燃料ガスの爆発を防止しつつ、燃料の炭化の進行を防止し得る酸素濃度の混合燃料ガスを使用できるシングル型チャンバーの燃料電池が開発されている。
一方、以上に述べた燃料電池は、密封構造を有するチャンバー内に収納された燃料電池によって構成された形式のものであるが、固体酸化物型燃料電池を火炎中、或いは、その近傍に配置し、火炎の熱によって固体酸化物型燃料電池セルをその動作温度に保持させて、発電を行う装置が提案されている。
この提案された発電装置の燃料電池セルは、ジルコニアによる固体酸化物基板から成る管体と、その管体の内側に形成された空気極であるカソード電極層と、管体の外側に形成された燃料極であるアノード電極層とから構成されている。この固体電解質による固体酸化物型燃料電池セルを、燃料ガスが供給される燃焼装置から発生する火炎の還元炎部分に、アノード電極層を曝した状態で設置している。この様に設置することにより、還元炎中に存在するラジカル成分等を燃料として利用でき、菅内部のカソード電極層には、対流又は拡散によって、酸素含有気体としての空気が供給され、固体酸化物型燃料電池セルとして、発電が行われる。
ところで、上述したシングル型チャンバーの燃料電池では、従来の固体酸化物型燃料電池のように、燃料と空気を厳粛に分離する必要がない代わりに、機密封止構造を採用せざるを得ない。そして、高温下で駆動できるように、複数の板状固体酸化物型燃料電池セルが耐熱性高電気伝導性を有するインターコネクト材を用いて積層接続され、起電力を上げていた。そのため、板状固体酸化物型燃料電池セルによるシングル型チャンバーの燃料電池は、大掛かりな構造となり、コストが嵩むという問題がある。
また、このシングル型チャンバーの燃料電池の稼動に際しては、高温になるまで徐々に昇温して、固体電解質燃料電池セルの割れを防止しているので、起電するまでの時間が長く、手間がかかるものである。
これに対して、既提案の管状の固体酸化物型燃料電池セルでは、火炎を直接利用する形態が採用されており、この形態の燃料電池は、固体電解質燃料電池セルを密封構造の容器に収容する必要がなく、開放型であるという特徴を持っている。そのため、この燃料電池では、起電時間が短縮でき、構造が簡単なので、燃料電池の小型軽量化、低コスト化に有利であるといえる。そして火炎を直接利用する点で、一般の燃焼装置や焼却装置等に組み込むことが可能となり、電力供給装置として利用することが期待されている。
しかしながら、この形態の燃料電池では、管状の固体酸化物基板の外面にアノード電極層が形成されているので、主に、そのアノード電極層の下半分に火炎によるラジカル成分が供給されず、管状の固体酸化物基板の外面に形成されたアノード電極層全面を有効に利用することができない。そのため、発電効率が低いものであった。さらに、固体酸化物型燃料電池セルが、火炎で直接に、しかも偏って加熱されるため、急激な温度変化によってひび割れが発生しやすいという問題があった。
そこで、燃料の燃焼による火炎を直接利用する形態の固体酸化物型燃料電池を採用し、火炎が、平板状の固体酸化物基板上に形成されたアノード電極層の全面を曝すようにして、耐久性の向上と発電効率の向上、小型化、低コスト化を図った簡便な電力供給手段としての固体酸化物型燃料電池による発電装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
その提案された固体酸化物型燃料電池による発電装置が、図3に示されている。図3に示された発電装置に利用される固体酸化物型燃料電池セルCは、平板状で、円形又は矩形の固体酸化物基板1と、その基板の一方の面に形成された空気極であるカソード電極層2と、その一方の面と反対側の面に形成された燃料極であるアノード電極層3とを有している。カソード電極層2とアノード電極層3とが、固体酸化物基板1を介して対向配置されている。
以上のように構成された固体酸化物型燃料電池セルCを用い、この燃料電池セルCのアノード電極層3を下側にして、燃料ガスが供給される燃焼装置6上に配置し、燃料による火炎fに曝して発電する発電装置とする。燃焼装置6には、火炎を伴って燃焼酸化される燃料が供給される。燃料としては、燐、硫黄、フッ素、塩素、及びこれらの化合物等でも良いが、排ガス処理が不要な有機物が好ましい。有機物燃料としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のガス類、ヘキサン、へプタン、オクタン等のガソリン系液体、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等のケトン、その他の有機溶剤各種、食用油、灯油、紙類、木材等が挙げられる。この中でも、特に、ガス類が好ましい。
さらに、火炎は拡散炎でも予混火炎でも良いが、拡散炎は、炎が不安定であり、煤の発生によってアノード電極層の機能低下を招きやすいので、予混火炎の方が好適である。予混火炎は安定している上に、火炎サイズを調整しやすく、さらに燃料濃度を調整して、煤の発生を防止することができる。
前記の固体酸化物型燃料電池が平板状に形成されているので、燃焼装置6からの火炎fを固体酸化物型燃料電池Cのアノード電極層3に均一にあてることができ、管状のものに比べて、ムラなく火炎fを当てることができる。さらに、アノード電極層3を火炎f側に向けて配置され、火炎中に存在する炭化水素、水素、ラジカル(OH、CH、C、OH、CH)などを酸化還元反応に基づく発電の燃料として利用しやすくなる。また、カソード電極層2が、酸素を含有する気体、例えば、空気中に露出されるので、カソード電極層2から酸素を利用しやすくなり、さらに、カソード電極層2に向かって酸素を含有する気体が吹きつけられると、より効率良く、カソード電極層側を酸素リッチ状態にすることができる。
固体酸化物型燃料電池Cで発電された電力は、カソード電極層2とアノード電極層3からそれぞれ引き出されたリード線L1、L2によって取り出される。リード線L1、L2としては、耐熱性のある白金製、或いは、白金を含む合金製のものが使用される。
ところで、特許文献1に開示された発電装置における固体酸化物型燃料電池では、直接に火炎に曝されることによりひび割れが発生しても、固体酸化物型燃料電池として発電機能を低下させないために、固体酸化物型燃料電池のカソード電極、アノード電極層の少なくとも一方に、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、固着しておくことが提案されている。
また、固体酸化物型燃料電池として、1枚の固体酸化物基板に複数の燃料電池を形成する場合であっても、さらに、小面積を有する複数枚の固体酸化物基板の各々に固体酸化物型燃料電池を形成し、個々の燃料電池を配線で電気的に接続して一の燃料電池とする場合であっても、各燃料電池におけるカソード電極、アノード電極層の少なくとも一方に、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、固着しておくことが提案され(例えば、特許文献2、3を参照)、ひび割れが発生しても、固体酸化物型燃料電池として発電機能を低下させないようにしている。
特開2004−139936号公報 特開2005−71628号公報 特開2005−63692号公報
以上に説明したように、これまでに提案された発電装置に利用される固体酸化物型燃料電池では、直接に火炎に曝されることによりひび割れが発生しても、固体酸化物型燃料電池として発電機能を低下させないようにするために、固体酸化物型燃料電池のカソード電極、アノード電極層の少なくとも一方に、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、固着しておいた。このメッシュ状金属又はワイヤ状金属が存在することによって、小片にひび割れた個々の燃料電池が、電気的に並列接続される結果、固体酸化物型燃料電池の全体としては、発電に影響しないというものであった。
ところで、この固体酸化物型燃料電池を利用した発電装置は、発電が小出力である場合であって、発電装置の出力を大きくするには、固体酸化物型燃料電池自体の面積を更に拡げ、燃料電池の集電体として、燃料ガスと酸化ガス又は空気とを分離する機能を併せ持つセパレータ或いはインターコネクタと呼ばれる緻密体を用い、この緻密体を介在させて燃料電池を積層する必要がある。
この場合には、集電体として、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が用いられることが無いため、上述したように、小片にひび割れた個々の燃料電池が、メッシュ状金属又はワイヤ状金属によって、電気的に並列接続されることを期待できず、燃料電池の発電機能の低下になる。従って、この場合、この様な事態になることを避けるためには、固体酸化物型燃料電池自体が、直接に火炎に曝され、急速に加熱されても、ひび割れが発生しない対策を施す必要がある。
また、図3に示されるように、各電極層にメッシュ状金属又はワイヤ状金属が配設された場合においても、小片にひび割れた個々の燃料電池が、メッシュ状金属又はワイヤ状金属によって電気的に並列接続され、発電機能が維持されても、各電極層が形成されていない固体酸化物基板の周縁部分にも、ひび割れが発生し、結果として、固体酸化物型燃料電池を使用できなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、固体酸化物基板にカソード電極層とアノード電極層を形成し、密閉を必要としない簡単な構造による固体酸化物型燃料電池であって、燃焼で形成される予混火炎を直接曝すことにより発電でき、少なくともアノード電極層に熱良導体を配設することにより、火炎による急激な加熱の熱衝撃を緩和し、基板自体のひび割れの発生を抑制した固体酸化物型燃料電池を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の固体酸化物型燃料電池では、固体酸化物基板の一方の面に形成されたカソード電極層と、前記固体酸化物基板の前記一方の面と反対側の面に、該基板の全面に形成されたアノード電極層とを備え、前記アノード電極層の全面に、通気性を有する熱良導体が配設され、燃焼による火炎が前記アノード電極層に供給され、酸素を含有する気体が前記カソード電極層に供給されて、発電するようにした。
そして、前記熱良導体は、メッシュ状金属又はワイヤ状金属であることとし、さらには、該メッシュ状金属又はワイヤ状金属は、発電出力を取出すリード線が接続された集電電極であることとした。
前記熱良導体は、前記アノード電極層に埋設され、或いは、固着され、さらには、前記熱良導体は、前記カソード電極層にも埋設され、或いは、固着されることとした。
また、前記アノード電極層又は前記カソード電極層に配設された前記メッシュ状金属又はワイヤ状金属が、隣接する他の固体酸化物型燃料電池のカソード電極層又はアノード電極層、或いは、アノード電極層又はカソード電極層に配設されたメッシュ状金属又はワイヤ状金属と接続されることとした。
以上のように、本発明では、燃料種として燃焼による火炎がアノード電極層に供給され、空気がカソード電極層に供給されて、発電することができる固体酸化物型燃料電池において、アノード電極層が固体酸化物基板の片方の面に全面に形成され、該アノード電極層の全面に、燃料種を透過できる熱良導体を配設するようにしたので、固体酸化物型燃料電池を用いて発電を開始するとき、火炎により急激に曝されても、熱良導体によって固体酸化物基板全面の均等加熱を実現でき、熱伝導の不均一を解消し、熱応力の発生を抑制することができる。そのため、固体酸化物型燃料電池における固体酸化物基板のひび割れを抑制できる。
また、固体酸化物型燃料電池におけるアノード電極層のみに、或いは、アノード電極層とカソード電極層の両方に、熱良導体としてメッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋設し、或いは、固着することにより、火炎による急速加熱による固体酸化物基板の熱不均一を抑制し、固体酸化物基板のひび割れを抑制することができるばかりでなく、固体酸化物型燃料電池に加えられた何らかの衝撃力によって固体酸化物基板にひび割れが発生したとしても、燃料電池としての発電機能を損なうことがない。
次に、本発明による固体酸化物型燃料電池に係る実施形態について、図1を参照しながら、説明する。ここで、本実施形態に使用することができる固体酸化物型燃料電池の基礎について、以下に説明する。
本実施形態に使用される固体酸化物型燃料電池は、基本的には、図3に示された固体酸化物型燃料電池Cと同様の構成であり、固体酸化物基板1、カソード電極層2及びアノード電極層3を有している。
固体酸化物基板1は、例えば、円形状又は矩形状の平板であり、カソード電極層2とアノード電極層3とが、固体酸化物基板1を介して対向するように、該基板の周縁部分を残して、その平面のほぼ全面に形成されている。そして、カソード電極層2には、リード線L1が接続され、アノード電極層3には、リード線L2が接続されており、リード線L1とL2とで、燃料電池としての出力が取り出される。
固体酸化物基板1には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
a) YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、これらにCe、Al等をドープしたジルコニア系セラミックス
b) SDC(サマリアドープドセリア)、GDC(ガドリアドープドセリア)等のセリア系セラミックス
c) LSGM(ランタンガレート)、酸化ビスマス系セラミックス
また、アノード電極層3には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
d) ニッケルと、イットリア安定化ジルコニア系、スカンジア安定化ジルコニア系、又は、セリア系(SDC、GDC、YDC等)セラミックとのサーメット
e) 導電性酸化物を主成分(50重量%以上99重量%以下)とする焼結体(導電性酸化物とは、例えば、リチウムが固溶された酸化ニッケル等である)
f) d)、e)に挙げたものに、白金族元素から成る金属、又は、その酸化物が1〜10重量%程度配合されたもの
等が挙げられる。この中でも、特にd)、e)が好ましい。
また、e)の導電性酸化物を主成分とする焼結体は、優れた耐酸化性を有するのでアノード電極層の酸化に起因して発生する、アノード電極層の電極抵抗の上昇による発電効率の低下、或いは、発電不能、アノード電極層の固体酸化物基板からの剥離といった現象を防止できる。また、導電性酸化物としては、リチウムが固溶された酸化ニッケルが好適である。さらに、上記d)、e)に挙げたものに、白金族元素から成る金属、またはその酸化物を配合することにより、高い発電性能を得ることができる。
カソード電極層2は、公知のものを採用でき、例えば、ストロンチウム(Sr)等の周期律表第3族元素が添加されたランタンのマンガン(例えば、ランタンストロンチウムマンガナイト)、ガリウム又はコバルト酸化化合物(例えば、ランタンストロンチウムコバルタイト)等が挙げられる。
カソード電極層2とアノード電極層3とは、共に多孔質体に形成される。これらの電極層は、多孔質体の開気孔率を、20%以上、好ましくは、30〜70%、特に、40〜50%とすることが好ましい。本実施形態の固体酸化物型燃料電池では、多孔質体に形成されたカソード電極層2とアノード電極層3とすることにより、カソード電極層2では、空気中の酸素を固体酸化物基板1との境界面の全面に供給しやすくし、また、アノード電極層3では、燃料を固体酸化物基板1との境界面の全面に供給しやすくしている。
通常、固体酸化物基板1は、緻密質に形成されるが、多孔質に形成することもできる。緻密質に形成された固体酸化物基板は、耐熱衝撃性が低く、急激な温度変化によって、ひび割れが生じやすい。また、一般に、固体酸化物基板は、アノード電極層及びカソード電極層よりも厚く形成されるので、固体酸化物基板のひび割れが引き金となり、固体酸化物型燃料電池の全体にひび割れが発生し、バラバラになることがある。
固体酸化物基板1が多孔質に形成されることで、発電時に、急激に温度変化を与えても、さらに、温度差の激しいヒートサイクルに対しても、ひび割れ等がなくなり、耐熱衝撃性が向上する。また、多孔質であっても、その気孔率が10%未満のときは、耐熱衝撃性に著しい向上が認められないが、10%以上であると良好な耐熱衝撃性が見られ、20%以上であるとより好適である。これは、固体酸化物基板が多孔質であると、加熱による熱膨張が空隙部分で緩和されるためと考えられる。
固体酸化物型燃料電池Cは、例えば、次のように製造される。先ず、固体酸化物基板の材料粉末を所定配合割合で混合し、板状に成形する。その後、これを焼成して焼結することで固体電解質としての固体酸化物基板が作られる。このとき、気孔形成剤等の材料粉末の種類や配合割合、焼成温度、焼成時間、予備焼成等の焼成条件等を調整することによって、様々な気孔率の固体酸化物基板を作ることができる。こうして得られた固体酸化物基板の一面側に、カソード電極層となる形状でペーストを、他面側にアノード電極層となる形状でペーストを夫々塗布した後に、乾燥させ、焼成を行うことにより、一枚の固体酸化物型燃料電池を製造することができる。
また、図4に示されるように、固体酸化物型燃料電池の耐久性を向上する手法として、燃料電池におけるカソード電極層とアノード電極層とに、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋設し、或いは、固着させている。このメッシュ状金属又はワイヤ状金属を、固体酸化物型燃料電池の集電電極とし、集電効率をも向上させることができる。
図4は、固体酸化物型燃料電池の一部を拡大した断面図である。図4に示されるように、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を各電極層に埋設する方法としては、各電極層の材料(ペースト)を固体酸化物基板1に塗布し、乾燥させ、カソード電極層2とアノード電極層3を形成する。次いで、カソード電極層2上にメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1を載せて、電極層の材料(ペースト)21を塗布し、乾燥させる。さらに、アノード電極層3上にメッシュ状金属又はワイヤ状金属M2を載せて、電極層の材料(ペースト)31を塗布し、乾燥させる。その後に、全体の焼成を行う。
また、以上では、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を各電極層となる塗布された材料中に埋め込んだ場合であったが、これらの金属を各電極層に固着する方法としては、カソード電極層2、アノード電極層3が、塗布された段階で、メッシュ状金属又はワイヤ状金属を各電極層の材料によって完全に埋め込むことなく、接着させる。その後、全体を焼成することにより、固着するようにしても良い。
メッシュ状金属又はワイヤ状金属としては、これが埋設される、或いは、固着されるカソード電極層、アノード電極層との熱膨張係数の調和や、耐熱性に優れたものが好適である。具体的には、白金や、白金を含む合金から成る金属でメッシュ状又はワイヤ状にしたものが挙げられる。また、SUS300番代(304、316等)、或いは、SUS400番代(430等)のステンレスでも良く、これらはコストの点でも有利である。
メッシュ状金属又はワイヤ状金属をアノード電極層、カソード電極層に埋設或いは固着させる場合、そのメッシュ度、メッシュ形状、その本数等は、必要に応じて選択される。メッシュ状金属やワイヤ状金属を、アノード電極層やカソード電極層に埋設、或いは、固着することにより、熱履歴等によってひび割れした固体酸化物基板がバラバラになって崩れないように補強され、さらに、メッシュ状金属やワイヤ状金属は、ひび割れした部分を電気的に接続したままとし、小片の固体酸化物型燃料電池を並列接続することになる。
なお、以上のひび割れ後の対策は、固体酸化物基板を多孔質性にした場合でも適用できるが、燃料電池の固体酸化物基板に緻密質構造のものを使用した場合には、熱履歴によるひび割れに対処するのに、カソード電極層及びアノード電極層にメッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、埋設することは、特に有効な手段となる。
また、アノード電極層、カソード電極層のそれぞれにおいて、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が配設される範囲は、固体酸化物基板と各電極層との境界面積に対して、50%以上で100%以下の面積の範囲に配設されることが望ましい。特に、固体酸化物基板のひび割れしやすい部分を補強するよう、部分的に配設しても良い。そのため、図4の例では、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が、各電極層の外周より内側に配設された状態が示されている。
メッシュ状金属又はワイヤ状金属は、アノード電極層とカソード電極層の両方に配設しても良いし、どちらか一方に配設しても良い。また、メッシュ状金属とワイヤ状金属を組み合わせて配設しても良い。熱履歴によってひび割れが生じたときには、少なくともアノード電極層に、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が埋設され、或いは、固着されていれば、その発電能力を低下させることがなく、発電を継続することができる。固体酸化物型燃料電池の発電能力は、アノード電極層の燃料極としての有効面積に負うところが大きいので、少なくとも、アノード電極層にメッシュ状金属又はワイヤ状金属を配設すると良い。
しかしながら、以上のようにして形成された固体酸化物型燃料電池において、メッシュ状金属又はワイヤ状金属がカソード電極層とアノード電極層とに埋設し、或いは、固着されていても、図4に示されるように、固体酸化物基板の周縁部分には、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が配設されていない。そのため、各電極層部分におけるひび割れがあっても、メッシュ状金属又はワイヤ状金属によって燃料電池の発電機能が低下することがないが、この固体酸化物基板の周縁部分では、火炎の急激な加熱による熱衝撃で、この周縁部分にひび割れが発生し、燃料電池として使用できない状態になる場合があった。
そこで、メッシュ状金属の配設の仕方を変えて、加熱用火炎による固体酸化物基板におけるひび割れの発生について実験を行った。なお、上述した固体酸化物型燃料電池におけるカソード電極層とアノード電極層は、通常、多孔質で形成されており、しかも、固体酸化物基板の厚さより薄いので、熱伝導上では、無視できるものとして、この実験においては、SDCで形成され、直径が20mm、厚さが0.2mmであり、のカソード電極層とアノード電極層を有しない固体酸化物基板を用意した。
ここで、a)両面共にメッシュ状金属を固着しない固体酸化物基板、b)片面のみに、また両面に、直径15mmのメッシュ状金属を固着した2種類の固体酸化物基板、c)片面のみに、また両面に、直径20mmのメッシュ状金属を固着した2種類の固体酸化物基板、d)片面に直径15mmのメッシュ状金属を、また他方の面に直径20mmのメッシュ状金属を固着した固体酸化物基板を、それぞれ形成した。
そこで、実験では、a)乃至d)で形成されたそれぞれの固体酸化物基板の片面中央部分に、バーナーで生成された予混火炎を曝すことにより、初期において直径が約10mmの高熱部を形成し、ひび割れの観測を行った。a)の場合には、固体酸化物基板の中央部にひび割れが発生し、b)の場合では、図4の場合に相当し、メッシュ状金属の外周にある固体酸化物基板の周縁部分において、ひび割れが発生したが、c)及びd)の場合には、固体酸化物基板全面において、ひび割れが発生しなかった。
固体酸化物基板の熱伝導率が、約2〔Wm-1K〕であるのに対し、メッシュ状金属が白金である場合には、その熱伝導率は、約72〔Wm-1K〕であり、SUS304のステンレスの場合には、約16.3〔Wm-1K〕であり、SUS430のステンレスの場合に、約26.3〔Wm-1K〕である。
このことから、上述のひび割れの発生状況を勘案すると、メッシュ状金属の熱伝導率が、固体酸化物基板の熱伝導率より高いため、メッシュ状金属が存在する部分では、固体酸化物基板への熱伝播が早く、熱衝撃が少ないことが分かる。従って、少なくとも固体酸化物基板の片面にメッシュ状金属をその全面に配設すると、火炎が直接かつ急激に基板を曝しても、基板にひび割れを発生させることがなくなる。
そこで、本実施形態の固体酸化物型燃料電池では、以上の知見に基づいて、火炎による急速加熱で固体酸化物基板にひび割れが発生することを抑制するため、固体酸化物基板の全面に拡がるメッシュ状金属又はワイヤ状金属を配設することとした。図1に、本実施形態の固体酸化物型燃料電池として、固体酸化物基板の全面にメッシュ状金属又はワイヤ状金属を配設した例を示した。
図1に示した固体酸化物型燃料電池の基本構成は、図4に示された固体酸化物型燃料電池と同様であり、固体酸化物基板1、カソード電極層2及びアノード電極層3からなり、カソード電極層2には、メッシュ状金属又はワイヤ状金属M1が埋設され、或いは、固着されている。一方、アノード電極層3にも、メッシュ状金属又はワイヤ状金属M3が埋設され、或いは、固着されているが、図4の固体酸化物型燃料電池におけるメッシュ状金属又はワイヤ状金属M2と異なるところは、アノード電極層3自体が、固体酸化物基板1の全面に形成され、このアノード電極層の面積に合わせて、メッシュ状金属又はワイヤ状金属M3が埋設され、或いは、固着されていることである。
これらのメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1、M3は、燃料電池としての集電電極の役割を有し、それぞれに、出力取出し用のリード線L1、L2が接続されている。ここで、カソード電極層2側についてみると、図4の場合と同様に、固体酸化物基板1の表面において、基板の周縁部の所定幅を残して形成されている。その理由は、次の様である。
上述した実験例によれば、c)の場合のように、各電極層を固体酸化物基板と同じ面積で形成し、各電極層と同じ広さを有するメッシュ状金属を各電極層に固着した固体酸化物型燃料電池としても、火炎の熱伝播が急速に行われ、ひび割れ発生を抑制できる。しかし、この場合には、固体酸化物基板1の周縁端部において、発電中に短絡現象が生じることがある。そのため、カソード電極層2の周縁端と、アノード電極層3の周縁端とに所定の距離をおいて、離しており、固体酸化物基板の周縁部分に所定幅を開けている。
一般に、固体酸化物型燃料電池の場合には、アノード電極層の広さがその発電出力量に影響するため、図1に示されるように、固体酸化物基板の周縁部分に所定幅を開けるとすれば、アノード電極層側を広くできるように、カソード電極側で行なうことになる。上述の実験例に従えば、d)の場合に相当した構成を採用することになる。
なお、図1に示した固体酸化物型燃料電池の例では、固体酸化物基板を円形状にしたが、該基板が矩形状であっても同様に構成すればよい。また、カソード電極層2にメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1が集電電極として配設されているが、火炎の急速加熱による固体酸化物基板1のひび割れ対策の観点からは、上述の実験例のd)の場合に従えば、アノード電極層3にメッシュ状金属又はワイヤ状金属M3が配設されていれば良く、カソード電極層2側にメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1を配設しなくてもよい。
また、これまでに説明した本実施形態の固体酸化物型燃料電池では、火炎の熱を急速に伝播させ、固体酸化物基板に発生する熱応力を緩和させるために、白金、ステンレスなどによるメッシュ状金属又はワイヤ状金属を使用した。しかしながら、火炎の熱を急速に伝播させるには、固体酸化物基板の熱伝導率より高い層であれば、熱応力の緩和に役立ち、しかも、多孔質状に形成できるものであれば、メッシュ状金属又はワイヤ状金属に限られず、例えば、電極層材料のペーストに白金、ステンレスなどの金属粒又は金属片を均一に混練して、これを塗布し焼成することによって熱良導体層を形成しても、ひび割れ抑制の効果が得られる。特に、集電電極を部分的にしか設けない場合に有効である。
以上の本実施形態の固体酸化物型燃料電池は、単体の燃料電池として発電装置に利用される場合について説明されたが、本実施形態の固体酸化物型燃料電池を複数接続して発電装置とし、発電出力の大きさを調整することができる。
複数の固体酸化物型燃料電池を直列接続する場合には、図1に示された構成を有する当該固体酸化物型燃料電池に備えられたアノード電極層3のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M3を延長して、隣接する他の固体酸化物型燃料電池のカソード電極層のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1に接続し、更に他の固体酸化物型燃料電池があるときには、この接続を繰り返す。そして、当該固体酸化物型燃料電池のカソード電極層のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1と最後の他の固体酸化物型燃料電池のアノード電極層のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M3とから、発電出力が取出される。
また、複数の固体酸化物型燃料電池を並列接続する場合には、図1に示された構成を有する複数の固体酸化物型燃料電池に備えられた各々のアノード電極層3のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M3を延長して、互いに接続し、さらに、各固体酸化物型燃料電池のカソード電極層2のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1を延長して、互いに接続する。そして、カソード電極層2のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M1とアノード電極層3のメッシュ状金属又はワイヤ状金属M3とから、発電出力が取出される。
次に、上述した本実施形態の固体酸化物型燃料電池に係る実施例について、以下に説明する。ここでは、図1に示された固体酸化物型燃料電池の構成に従い、固体酸化物型燃料電池を製作し、バーナーで生成された予混火炎を使用して発電実験を行った。
先ず、固体酸化物基板には、固体電解質として、サマリアドープドセリア(SDC、Sm0.2Ce0.81.9セラミック)を用いた。グリーンシート法により、大気中において、1300℃で焼成し、直径15mmのセラミック製基板を作製した。次いで、この基板の一方の面に、サマリアストロンチウムコバルタイト(SSC、Sm0.5Sr0.5CoO)とSDCの50重量%・50重量%混合物からなるペーストを基板より小さい直径11mmの円形状に印刷し、そのペーストを乾燥させた。
さらに、基板の他方の面に、リチウムを8mol%固溶した酸化ニッケルとSDCの60重量%・40重量%混合物に、5重量%の酸化ロジウムを添加したペーストを、基板と同じ大きさの直径15mmに印刷し、それぞれの面に集電電極となる白金メッシュを埋め込んだ。その後、大気中において、1200℃で焼成し、単体の円形の固体酸化物型燃料電池を作製した。
作成された本実施例の固体酸化物型燃料電池では、図1に示されるように、カソード電極層側においては、カソード電極層の面積が固体酸化物基板の面積よりやや小さく形成され、固体酸化物基板の周縁部分は、SDC基板面が露出している。一方、比較のため、上述の作製手順と同様にして、図4に示された従来構成の固体酸化物型燃料電池も作製した。
ここで、本実施例の固体酸化物型燃料電池と、従来構成による固体酸化物型燃料電池とを、ブタンガスと空気による予混気をバーナーで燃焼させた予混火炎で、それぞれ急加熱した。その結果、従来構成による固体酸化物型燃料電池では、固体酸化物基板の周縁部分でひび割れ、欠けが発生したのに対し、本実施例の固体酸化物型燃料電池では、全くひび割れが発生せず、欠けも生じなかった。
本発明による固体酸化物型燃料電池の概略構成を説明する図である。 従来技術による固体酸化物型燃料電池の利用状態を説明する図である。 固体酸化物型燃料電池を利用してガス燃焼火炎を燃料として発電する様子を説明する図である。 図3の固体酸化物型燃料電池の詳細構成を説明する図である。
符号の説明
1 固体酸化物基板
2 カソード電極層
3 アノード電極層
C 固体酸化物型燃料電池
L1、L2 リード線
M1〜M3 メッシュ状金属
f 予混火炎

Claims (7)

  1. 固体酸化物基板の一方の面に形成されたカソード電極層と、
    前記固体酸化物基板の前記一方の面と反対側の面に、該基板の全面に形成されたアノード電極層とを有し、
    前記アノード電極層の全面に、通気性を有する熱良導体が配設され、
    燃焼による火炎が前記アノード電極層に供給され、酸素を含有する気体が前記カソード電極層に供給されて、発電することを特徴とする固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記熱良導体は、メッシュ状金属又はワイヤ状金属であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
  3. 前記メッシュ状金属又はワイヤ状金属は、発電出力を取出すリード線が接続された集電電極であることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 前記熱良導体は、前記カソード電極層の全面に配設されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体酸化物型燃料電池。
  5. 前記熱良導体は、前記アノード電極層に埋設され、或いは、固着されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体酸化物型燃料電池。
  6. 前記熱良導体は、前記カソード電極層に埋設され、或いは、固着されることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物型燃料電池。
  7. 前記アノード電極層又は前記カソード電極層に配設された前記メッシュ状金属又はワイヤ状金属が、隣接する他の固体酸化物型燃料電池のカソード電極層又はアノード電極層、或いは、アノード電極層又はカソード電極層に配設されたメッシュ状金属又はワイヤ状金属と接続されることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池。
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