JP2006260830A - 固体酸化物燃料電池発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、燃焼式照明器具の発光体における火炎を利用して、直接火炎型の固体酸化物燃料電池発電を実現し、小型、軽量で、定置されている場合だけでなく、携帯又は移動中であっても発電できる固体酸化物燃料電池装置を提供する。
【解決手段】 液体燃料燃焼式照明器具において、板状の固体酸化物基板とカソード電極層及びアノード電極層とを有する固体酸化物燃料電池セルCが、燃料の燃焼による火炎で発光するマントルMに接触して、又はマントルの開口部に臨む様に配置される。マントル内で生成される火炎がアノード電極層に供給され、カソード電極層に、空気が供給され、燃料電池セルが発電する。気体燃料燃焼式照明器具の場合、固体酸化物燃料電池セルは、マントルの上部に配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体酸化物燃料電池発電装置に関し、特に、固体酸化物基板にカソード電極層とアノード電極層を形成し、密閉を必要としない簡単な構造によって、小型化、薄型化を図った固体酸化物燃料電池セルを備え、燃焼式照明器具の発光体における火炎を利用して発電でき、携帯、運搬などの取り扱いが簡単な固体酸化物燃料電池発電装置に関する。
従来から、火力発電などに替わる低公害の発電手段として、或いは、ガソリンなどを燃料とするエンジンに取って代わる電動自動車の電気エネルギー源として、燃料電池が開発され、実用化されるに至っている。さらに、パーソナルコンピュータなどの電源としての利用も図られている。この燃料電池に対しては、高効率化、低コスト化を目指して多くの研究がなされている。
この燃料電池には、種々の発電形式があるが、この中に、固体電解質を用いた形式の燃料電池がある。この固体電解質による燃料電池の一例として挙げると、イットリア(Y23)が添加された安定化ジルコニアからなる焼成体を酸素イオン伝導型の固体酸化物基板として用いたものがある。この固体酸化物基板の一面にカソード電極層を、そして、その反対面にアノード電極層を形成し、このカソード電極層側に酸素又は酸素含有気体が供給され、さらに、アノード電極層には、メタン等の燃料ガスが供給されるようになっている。
この燃料電池内では、カソード電極層に供給された酸素(O2)が、カソード電極層と固体酸化物基板との境界で、酸素イオン(O2-)にイオン化され、この酸素イオンが、固体酸化物基板によってアノード電極層に伝導され、アノード電極層に供給された、例えば、メタン(CH4)ガスと反応し、そこで、水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)が生成される。この反応において、酸素イオンが、電子を放出するため、カソード電極層とアノード電極層との間に電位差が生じる。そこで、カソード電極層とアノード電極層とにリード線を取り付ければ、アノード電極層の電子が、リード線を介してカソード電極層側に流れ、燃料電池として発電することになる。なお、この燃料電池の駆動温度は、約1000℃である。
しかし、この形式の燃料電池では、カソード電極層側に、酸素又は酸素含有ガス供給チャンバーを、そして、アノード電極層側に、燃料ガス供給チャンバーを夫々分離したセパレート型チャンバーを用意しなければならず、しかも、高温下で、酸化性雰囲気と還元性雰囲気とに晒されるため、燃料電池セルとしての耐久性を向上することが困難であった。
一方、固体酸化物基板の対向した面に、カソード電極層とアノード電極層とを設けて燃料電池セルを形成し、この燃料電池セルを、燃料ガス、例えば、メタンガスと、酸素ガスとが混合された混合燃料ガス中に置いて、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生させる形式の燃料電池が開発されている。この形式の燃料電池では、カソード電極層とアノード電極層との間に起電力を発生する原理は、上述したセパレート型チャンバー形式の燃料電池の場合と同様であるが、燃料電池セル全体を実質的に同一雰囲気にすることができるため、混合燃料ガスが供給されるシングル型チャンバーとすることができ、燃料電池セルの耐久性を向上できる。
しかし、このシングル型チャンバーの燃料電池においても、約1000℃の高温下で駆動しなければならないので、混合燃料ガスの爆発の危険性がある。この危険性を回避するために、酸素濃度を発火限界よりも低い濃度にすると、メタン等の燃料の炭化が進み、電池性能が低下するという問題が生じた。そのため、混合燃料ガスの爆発を防止しつつ、燃料の炭化の進行を防止し得る酸素濃度の混合燃料ガスを使用できるシングル型チャンバーの燃料電池が開発されている。
一方、以上に述べた燃料電池は、密封構造を有するチャンバー内に収納された燃料電池セルによって構成された形式のものであるが、固体酸化物燃料電池セルを火炎中、或いは、その近傍に配置し、火炎の熱によって固体酸化物燃料電池セルをその動作温度に保持させて、発電を行う装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この発電装置の構成を、図6に示した。
図6に示した発電装置の燃料電池セルは、ジルコニアによる固体酸化物基板1から成る管体と、その管体の内側に形成された空気極であるカソード電極層2と、管体の外側に形成された燃料極であるアノード電極層3とからなる。この固体電解質の固体酸化物燃料電池セルを、燃料ガスが供給される燃焼装置4から発生する火炎fの還元炎部分に、アノード電極層3を晒した状態で設置している。この様に設置することにより、還元炎中に存在するラジカル成分等を燃料として利用でき、菅内部のカソード電極層2には、対流又は拡散によって、空気が供給され、固体酸化物燃料電池セルとして、発電が行われる。
ところで、上述したシングル型チャンバーの燃料電池では、従来の固体酸化物燃料電池のように、燃料と空気を厳粛に分離する必要がない代わりに、機密封止構造を採用せざるを得ない。そして、高温下で駆動できるように、複数の板状固体酸化物燃料電池セルが耐熱性高電気伝導性を有するインターコネクト材を用いて積層接続され、起電力を上げていた。そのため、板状固体酸化物燃料電池セルによるシングル型チャンバーの燃料電池は、大掛かりな構造となり、コストが嵩むという問題がある。
また、このシングル型チャンバーの燃料電池の稼動に際しては、高温になるまで徐々に昇温して、固体電解質燃料電池セルの割れを防止しているので、起電するまでの時間が長く、手間がかかるものである。
これに対して、図6に示された管状の固体電解質燃料電池セルでは、火炎を直接利用する形態が採用されており、この形態の燃料電池は、固体電解質燃料電池セルを密封構造の容器に収容する必要がなく、開放型であるという特徴を持っている。そのため、この燃料電池では、起電時間が短縮でき、構造が簡単なので、燃料電池の小型軽量化、低コスト化に有利であるといえる。そして火炎を直接利用する点で、一般の燃焼装置や焼却装置等に組み込むことが可能となり、電力供給装置として利用することが期待されている。
しかしながら、この形態の燃料電池では、管状の固体酸化物基板の外面にアノード電極層が形成されているので、主に、そのアノード電極層の下半分に火炎によるラジカル成分が供給されず、管状の固体酸化物基板の外面に形成されたアノード電極層全面を有効に利用することができない。そのため、発電効率が低いものであった。さらに、固体酸化物燃料電池セルが、火炎で直接に、しかも偏って加熱されるため、急激な温度変化によってひび割れが発生しやすいという問題があった。
そこで、燃料の燃焼による火炎を直接利用する形態の固体酸化物燃料電池を採用し、火炎が、平板状の固体酸化物基板上に形成されたアノード電極層の全面を晒すようにして、耐久性の向上と発電効率の向上、小型化、低コスト化を図った簡便な電力供給手段としての固体酸化物燃料電池による発電装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
その提案された固体酸化物燃料電池による発電装置が、図7に示されている。図7では、図6に示された発電装置における部分と同じ部分に、同じ符号が付されている。この発電装置に使用される固体酸化物燃料電池セルCは、平板状に形成された固体酸化物基板1と、その基板の一方の面に形成されたカソード電極層2と、その一方の面と反対側の面に形成されたアノード電極層とを有している。カソード電極層2とアノード電極層3とが、固体酸化物基板1を介して対向配置されている。
以上のように構成された固体酸化物燃料電池セルCを用い、この燃料電池セルCのアノード電極層3を下側にして、燃料ガスが供給される燃焼装置4上に配置し、燃料による火炎fに曝して発電する発電装置とする。燃焼装置4には、火炎を伴って燃焼酸化する燃料が供給される。燃料としては、燐、硫黄、フッ素、塩素、及びこれらの化合物等でも良いが、排ガス処理が不要な有機物が好ましい。有機物燃料としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のガス類、ヘキサン、へプタン、オクタン等のガソリン系液体、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン等のケトン、その他の有機溶剤各種、食用油、灯油、紙類、木材等が挙げられる。この中でも、特に、ガス類が好ましい。
さらに、火炎は拡散炎でも予混合火炎でも良いが、拡散炎は、炎が不安定であり、煤の発生によってアノード電極層の機能低下を招きやすいので、予混合火炎の方が好適である。予混合火炎は安定している上に、火炎サイズを調整しやすく、さらに燃料濃度を調整して、煤の発生を防止することができる。
前記固体酸化物型燃料電池セルが平板状に形成されているので、燃焼装置4からの火炎fを固体酸化物型燃料電池セルCのアノード電極層3に均一にあてることができ、管状のものに比べて、ムラなく火炎fを当てることができる。さらに、アノード電極層3を火炎f側に向けて配置され、火炎中に存在する炭化水素、水素、一酸化炭素、ラジカル(OH、CH、C2、O2H、CH3)などを酸化還元反応に基づく発電の燃料として利用しやすくなる。また、カソード電極層2が、酸素を含有する気体、例えば、空気中に露出されるので、カソード電極層2から酸素を利用しやすくなり、さらに、カソード電極層2に向かって酸素を含有する気体が吹きつけられると、より効率良く、カソード電極層側を酸素リッチ状態にすることができる。
固体酸化物型燃料電池セルCで発電された電力は、カソード電極層2とアノード電極層3からそれぞれ引き出されたリード線L1、L2によって取り出される。リード線L1、L2としては、耐熱性のある白金製、或いは、白金を含む合金製のものが使用される。
特開平6−196176号公報 特開2004−139936号公報
以上に説明したように、これまでに提案された固体酸化物燃料電池による発電装置では、チャンバー型のものにあっては、固体酸化物燃料電池セルを駆動温度まで昇温させる電気炉や、燃料ガスと酸素又は空気とを供給する供給装置などが必要であり、装置自体が複雑で、嵩張るものであったため、発電装置として、人が携帯することはできなかった。
これに対して、提案されている直接火炎利用型の固体酸化物燃料電池セルによる発電装置では、燃料を燃焼して火炎を生成する燃焼装置を必要とするが、燃焼装置として、例えば、ローソク、ライター、ガスバーナーなどの火炎を利用できるため、小型、軽量で、コンパクトな発電装置を実現できる。しかしながら、この発電装置では、火炎を利用することから、装置を携帯しながら、或いは、移動させながら発電させるには、安全性に難点があり、さらには、火炎が安定しないなどの理由で、使用することが困難であった。
そこで、本発明は、固体酸化燃料電池セルを利用して発電するとき、安定した燃料供給を行うことができる燃焼式照明器具の発光体における火炎を利用して、直接火炎型の固体酸化物燃料電池発電を実現し、小型、軽量で、定置されている場合だけでなく、携帯又は移動中であっても発電できる固体酸化物燃料電池装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明による固体酸化物燃料電池発電装置では、板状の固体酸化物基板と、該基板の一方の面に形成されたカソード電極層と、該一方の面と反対側の面に形成されたアノード電極層とを有する固体酸化物燃料電池セルと、前記固体酸化物燃料電池セルの前記アノード電極層に面して配置され、燃料の燃焼による火炎で発光する発光体と、を備え、前記アノード電極層に、前記発光体内で生成される前記火炎の成分が供給され、前記カソード電極層には、空気が供給されることとした。
そして、前記アノード電極層が、前記発光体の外面に接触して配置され、或いは、前記発光体に設けられた開口部に臨んで配置され、前記火炎によって直接又は間接に曝されることとした。
前記発光体は、燃焼式照明器具に備えられたマントルであり、前記燃焼式照明器具で液体燃料が使用される場合に、前記固体酸化物燃料電池セルは、前記燃焼式照明器具の器具台部に設けられたセル支持部で前記マントルの下端の位置に支持されることとした。
前記燃焼式照明器具で気体燃料が使用される場合に、前記固体酸化物燃料電池セルは、前記燃焼式照明器具のベンチレータ蓋に設けられたセル保持部で前記マントルの上端の位置に保持されることとした。
また、前記固体酸化物燃料電池セルは、前記固体酸化物基板の前記一方の面に形成された複数のカソード電極層と、該固体酸化物基板の前記反対側の面に形成された複数のアノード電極層とを有し、前記固体酸化物基板を介して対向する前記アノード電極層と前記カソード電極層とにより、複数の燃料電池セルが形成されることとした。
以上のように、本発明による固体酸化物燃料電池発電装置では、板状の固体酸化物基板と、カソード電極層と、アノード電極層とを有する固体酸化物燃料電池セルと、燃料の燃焼による火炎で発光する発光体とを備え、前記アノード電極層に、該発光体内で生成される火炎の成分が供給され、カソード電極層に空気が供給されると発電するようにしたので、燃料の燃焼による火炎は、発光体内で安定して、且つ、安全に発生されるものであり、この火炎による熱で固体酸化物燃料電池セルを駆動温度に維持し、また、火炎に含まれるラジカル成分等、或いは、部分酸化された燃料成分を燃料電池の燃料とすることができる。
そのため、燃焼による発光体を光源とする燃焼式照明器具に、平板状の固体酸化物燃料電池セルを組み込むことにより、発電装置を、小型、軽量、コンパクトに構成することができ、照明器具としての照明機能を損なうことなく発電でき、しかも、発電装置として携帯が容易となり、携帯又は移動中にあっても、安定して発電し続けることができる。
次に、本発明による固体酸化物燃料電池発電装置の実施形態について、図1乃至図5を参照しながら、説明する。ここで、本実施形態の固体酸化物燃料電池発電装置に使用することができる固体酸化物燃料電池セルについて、以下に説明する。
本実施形態に使用される固体酸化物燃料電池セルは、基本的には、図7に示された固体酸化物燃料電池セルCと同様の構成であり、固体酸化物基板1、カソード電極層2及びアノード電極層3を有している。
固体酸化物基板1は、例えば、矩形形状の平板であり、カソード電極層2とアノード電極層3とが、固体酸化物基板1を介して対向するように、その平面のほぼ全面に形成されている。そして、カソード電極層2には、リード線L1が接続され、アノード電極層3には、リード線L2が接続されており、リード線L1とL2とで、燃料電池出力が取り出される。なお、固体酸化物基板1は、板状に形成されていればよく、矩形形状に限られず、例えば、燃焼式照明器具の発光体に組み込む場合であれば、それに適した大きさに変形でき、さらに、円形形状とすることができる。
固体酸化物基板1には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
a) YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、これらにCe、Al等をドープしたジルコニア系セラミックス
b) SDC(サマリアドープドセリア)、SGC(ガドリアドープドセリア)等のセリア系セラミックス
c) LSGM(ランタンガレート)、酸化ビスマス系セラミックス
また、アノード電極層3には、例えば、公知のものを採用でき、次に示す材料を使用できる。
d) ニッケルと、イットリア安定化ジルコニア系、スカンジア安定化ジルコニア系、又は、セリア系(SDC、GDC、YDC等)セラミックとのサーメット
e) 導電性酸化物を主成分(50重量%以上99重量%以下)とする焼結体(導電性酸化物とは、例えば、リチウムが固溶された酸化ニッケル等である)
f) d)、e)に挙げたものに、白金族金属元素から成る金属、又は、その酸化物が1〜10重量%程度配合されたもの
等が挙げられ、この中でも、特にd)、e)が好ましい。
e)の導電性酸化物を主成分とする焼結体は、優れた耐酸化性を有するのでアノード電極層の酸化に起因して発生する、アノード電極層の電極抵抗の上昇による発電効率の低下、或いは、発電不能、アノード電極層の固体酸化物基板からの剥離といった現象を防止できる。また、導電性酸化物としては、リチウムが固溶された酸化ニッケルが好適である。さらに、上記d)、e)に挙げたものに、白金族金属元素から成る金属、またはその酸化物を配合することにより、高い発電性能を得ることができる。
カソード電極層2は、公知のものを採用でき、例えば、ストロンチウム(Sr)等の周期律表第3族元素が添加されたランタンのマンガン(例えば、ランタンストロンチウムマンガナイト)、ガリウム又はコバルト酸化化合物(例えば、ランタンストロンチウムコバルタイト)等が挙げられる。
カソード電極層2とアノード電極層3とは、共に多孔質体に形成される。これらの電極層は、多孔質体の開気孔率を、20%以上、好ましくは、30〜70%、特に、40〜50%とすることが好ましい。本実施形態に使用される固体酸化物燃料電池セルでは、多孔質体に形成されたカソード電極層2とアノード電極層3とすることにより、カソード電極層2では、空気中の酸素を固体酸化物基板1との境界面の全面に供給しやすくし、また、アノード電極層3では、燃料を固体酸化物基板1との境界面の全面に供給しやすくしている。
固体酸化物基板1も多孔質に形成することもできる。固体酸化物基板は、緻密質に形成された場合には、耐熱衝撃性が低く、急激な温度変化によって、ひび割れが生じやすい。また、一般に、固体酸化物基板は、アノード電極層及びカソード電極層よりも厚く形成されるので、固体酸化物基板のひび割れが引き金となり、固体酸化物燃料電池セルの全体にひび割れが発生し、バラバラになることがある。
固体酸化物基板1が多孔質に形成されることで、発電時に、急激に温度変化を与えても、さらに、温度差の激しいヒートサイクルに対しても、ひび割れ等がなくなり、耐熱衝撃性が向上する。また、多孔質であっても、その気孔率が10%未満のときは、耐熱衝撃性に著しい向上が認められなかったが、10%以上であると良好な耐熱衝撃性が見られ、20%以上であるとより好適である。これは、固体酸化物基板が多孔質であると、加熱による熱膨張が空隙部分で緩和されるためと考えられる。
固体酸化物燃料電池セルCは、例えば、次のように製造される。先ず、固体酸化物基板の材料粉末を所定配合割合で混合し、平板状に成形する。その後、これを焼成して焼結することで固体酸化物層としての基板が作られる。このとき、気孔形成剤等の材料粉末の種類や配合割合、焼成温度、焼成時間、予備焼成等の焼成条件等を調整することによって、様々な気孔率の固体酸化物基板を作ることができる。こうして得られた固体酸化物層としての基板の一面側に、カソード電極層となる形状でペーストを、他面側にアノード電極層となる形状でペーストを夫々塗布した後に、焼成を行うことにより、一枚の固体酸化物燃料電池セルを製造することができる。
また、固体酸化物燃料電池セルは、さらに耐久性を向上することができる。この耐久性の向上手法としては、燃料電池セルにおけるカソード電極層とアノード電極層とに、メッシュ状金属を埋設、或いは、固着させるものである。埋設する方法としては、各層の材料(ペースト)を固体酸化物基板に塗布し、メッシュ状金属をその塗布された材料中に埋め込んだ後に焼成を行う。固着する方法としては、メッシュ状金属を各層の材料によって完全に埋め込むことなく、接着させて焼結しても良い。
メッシュ状金属としては、これを埋設する、或いは、固着するカソード電極層、アノード電極層との熱膨張係数の調和や、耐熱性に優れたものが好適である。具体的には、白金や、白金を含む合金から成る金属でメッシュ状にしたものが挙げられる。SUS300番代(304、316等)、或いは、SUS400番代(430等)のステンレスでも良く、これらはコストの点で有利である。
また、メッシュ状金属を用いる代わりに、ワイヤ状金属をアノード電極層、カソード電極層に埋設或いは固着させてもよい。ワイヤ状金属は、メッシュ状の金属と同様の金属から成り、その数や配設形状等に限定はない。メッシュ状金属やワイヤ状金属を、アノード電極層やカソード電極層に埋設、或いは、固着することにより、熱履歴等によってひび割れした固体酸化物基板がバラバラになって崩れないように補強されることになり、さらに、メッシュ状金属やワイヤ状金属は、ひび割れした部分を電気的に接続している。
なお、これまで、固体酸化物基板を多孔質性にした場合を説明したが、燃料電池の固体酸化物基板に、緻密構造のものを使用することができ、この場合には、特に、熱履歴によるひび割れに対処するのに、カソード電極層及びアノード電極層にメッシュ状金属又はワイヤ状金属を埋め込み、或いは、埋設することは、有効な手段となる。
メッシュ状金属或いはワイヤ状金属は、アノード電極層とカソード電極層の両方に配設しても良いし、どちらか一方に配設しても良い。また、メッシュ状金属とワイヤ状金属を組み合わせて配設しても良い。熱履歴によってひび割れが生じたときには、少なくともアノード電極層に、メッシュ状金属又はワイヤ状金属が埋設されていれば、その発電能力を低下させることがなく、発電を継続することができる。固体酸化物燃料電池セルの発電能力は、アノード電極層の燃料極としての有効面積に負うところが大きいので、少なくとも、アノード電極層にメッシュ状金属、或いは、ワイヤ状金属を配設すると良い。
このようにして形成された固体酸化物燃料電池セルが、本実施形態の固体酸化物燃料電池発電装置の燃料電池セルCとして使用される。本実施形態では、この固体酸化物燃料電池セルに形成されたアノード電極層3に供給される燃料として、燃焼式照明器具に設けられた発光体内で発生した火炎を直接又は間接に利用することとした。そして、その火炎で発生する熱の温度が、図7に示した直接火炎利用の場合と同様であるので、この温度は、固体酸化物燃料電池セルが作動可能な温度になっている。そのため、燃焼式照明器具の発光体内の燃焼が、固体酸化物燃料電池セルに対する燃料供給源として、さらには、駆動熱源として適したものとなっている。
ここで、以下に、本実施形態の固体酸化物燃料電池発電装置で利用できる燃焼式照明器具の発光体について説明する。
従来から、燃焼式照明器具(ガス又は灯油、ガソリン圧縮式)の発光体であるマントルは、発光物質である希土類を含浸させた有機繊維の網体からなっている。この燃焼式照明器具を照明に使用する場合には、照明器具本体の蓋やガラスグローブ等を外して、有機繊維の網体からなるマントルを、燃焼部に紐等で結んで取り付けた後、網体をライター、バーナー等で空焼きして、円筒状のマントルに成形する。この成形後に、照明器具内に備えられた燃料タンクから供給される燃料を、バーナー部に導入し、燃焼させる。マントルは、この燃焼による火炎によって、加熱されて発光する。
しかしながら、この網体によるマントルでは、その取り付けや空焼きに不慣れな人の場合、マントルの取り付けや空焼きに時間がかかり、失敗することも多い。しかも、空焼きして成形したマントルは、脆くて、壊れ易く、使用の都度、交換し、空焼きをしなければならないという不便さがあった。
そこで、照明として使用の際に、空焼き等の手間が要らず、また、強度的にも、飛躍的に強く、形状も安定させたマントルも提案されている。これによる燃焼式照明器具のマントルは、白金族金属又は白金族金属の合金による線材、多孔質薄板からなる成形物によって形成されている。そして、バーナー部とマントルとの間に、バーナー部から噴出する火炎の勢いを弱め、マントルを保護し、かつ火炎を安定化させるために、ステンレス製のバーナーメッシュが装着されている。
白金族金属又は白金族金属の合金は、融点が非常に高く、大気中で加熱しても、ほとんど酸化することなく、安定であり、また、加工性に富み、白熱状態で、強い白色光を放つので、そのまま、燃焼式照明器具のマントルとして使用することができる。したがって、使用の際には、空焼き等の手間を必要とせず、また、強度的にも、飛躍的に強くでき、形状も安定している。
以上に説明した燃焼式照明器具におけるマントルのいずれも、そのマントル内で燃料が燃焼され、安定した火炎が生成されるので、発光体として使用できるだけでなく、これらのマントル内で発生する火炎には、燃料の燃焼によるラジカル成分等、或いは、部分酸化された燃料成分が含まれるので、その火炎を、マントルを介して間接的に又は直接的に利用して、本実施形態の固体酸化物燃料電池発電装置に使用される上述した燃料電池セルに対して、その発電駆動に必要な熱源及び燃料源にでき、直接火炎型の燃料電池発電装置を構成することができる。
以上のような燃焼式照明器具における発光体であるマントルと、上述した平板状の固体酸化物燃料電池セルとを組み合わせて、直接火炎型の固体酸化物燃料電池装置を構成することにより、装置が定置されている場合だけでなく、携帯又は移動中であっても発電し続けることができ、その発電電力を簡単に取り出せる。次に、燃焼式照明器具の発光体を利用した固体酸化物燃料電池発電装置の実施例を、液体燃料を使用する燃焼式照明器具の場合(実施例1)と、気体燃料を使用する燃焼式照明器具の場合(実施例2)とに分けて、以下に説明する。
固体酸化物燃料電池セルに燃料を供給でき、しかも、その作動温度を維持する熱源として、液体燃料燃焼式照明器具の発光体であるマントルを利用して、直接火炎型の固体酸化物燃料電池発電装置の実施例1が、図1に示されている。図1の発電装置では、通常に使用されている液体燃料燃焼式照明器具を利用している。
その燃焼式照明器具では、器具台部10、ガラスグローブ11、ベンチレータ蓋12が順次積み重ねられて、照明器具本体を形成している。そして、ガラスグローブ11内では、バーナーチューブ13が上方に延び、その先端部が下方に折れ曲がって、バーナー部14が設けられている。そのバーナー部14の下端には、マントルMが取り付けられる。器具台部10内には、液体燃料を蓄積できるタンクが備えられる。この液体燃料が、調整器を介してバーナーチューブ13を経由し、バーナー部14に気化されて供給される。ここで、この燃料は、マントルM内で燃焼される。
図1では、燃焼式照明器具を利用した固体酸化物燃料電池発電装置とするため、図7に示された固体酸化物燃料電池セルと同様の構成を有する固体酸化物燃料電池セルCが、マントルMの下端に接する位置に支持されている。これにより、バーナー部14で発生された火炎が、マントルを介して間接的に、固体酸化物燃料電池セルCを曝すことができる。
ここで、ガラスグローブ11の内部で、固体酸化物燃料電池セルCを支持する具体的構成例について、図2(a)及び(b)に示した。図2(a)は、要部拡大図であり、マントルMの下端付近の側面図である。そして、図2(b)は、固体酸化物燃料電池セルCが設置されたときのマントルM側から見た上面図である。図1及び図7と同じ部分には、同じ符号が付されている。
固体酸化物燃料電池セルCは、器具台部10の上部に固定されたセル支持部15でマントルMの下端に支持される。セル支持部15は、固体酸化物燃料電池セルCの固体酸化物基板1の下面を支持するセル支持枠15−1と、複数本のセル支持脚15−2とで構成され、セル支持脚15−2の一端は、セル支持枠15−1に固着され、他端は、器具台部10に固着される。なお、セル支持部15は、器具台部10に着脱自在に装着される構成でもよい。
ここで、固体酸化物燃料電池セルCは、アノード電極層3をマントルM側になるように、セル支持部15で支持される。燃料電池セルCの支持高さについては、固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層3のほぼ全面がマントルMに接触するようにすることが最適である。
この支持高さは、マントルMに使用される発光体の種類に応じて調整される。希土類を含浸させた有機繊維の網体をマントルMに使用している場合には、使用時にライターなどで焼成することになるが、このとき、網体は、収縮して成形されるので、この収縮後の大きさに合わせて、この収縮した成形されたマントルMの下端が、アノード電極層3の上面に位置するような高さとされる。
また、マントルMに、白金族金属又は白金族金属の合金による線材、多孔質薄板からなる成形物が使用される場合には、この成形物は、使用時において、その大きさはあまり変化しないので、マントルMの位置が決まれば、マントルMの下端が、アノード電極層3の上面の位置が決まり、セル支持部15は、マントルMの下端が、アノード電極層3の上面に接触する高さとされる。
ここで、液体燃料燃焼式照明器具では、発光体であるマントルMは、ガラスグローブ11のほぼ中央に位置し、マントルMから放出される光は、主に、ガラスグローブ11の円周方向のものが照明光として利用されるが、マントルMから下方に放出された光は、照明光としてあまり役立っていない。そのため、マントルMの下端に固体酸化物燃料電池セルCを設置しても、照明器具の照明機能にあまり影響を与えない。なお、照明機能の一部に影響してもよい場合には、固体酸化物燃料電池セルをマントルMの側面に設置し、固体酸化物燃料電池セルで発電することができる。
通常、燃焼式照明器具におけるマントルMは、球状又は円筒状に成形されるところから、固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層3が、図2(b)に示されるように、円形に形成されると、マントルMの下端と効率的に接触させることができる。
以上のように構成された固体酸化物燃料電池発電装置によると、燃焼式照明器具が照明機能を発揮し、マントルMが白熱状態であるとき、発生する熱により、固体酸化物燃料電池セルCを駆動温度に維持し、アノード電極層3には、バーナー部14で発生された火炎がマントルMを介して間接的に供給され、つまり、網体の隙間からその火炎に含まれるラジカル成分等、或いは、部分酸化された燃料成分が供給される。
そして、バーナー部14の燃焼のために、ガラスグローブ11の内部に取り込まれた空気が存在するので、カソード電極層2には、酸素が十分に供給される。ここで、固体酸化物燃料電池セルCが平板状に形成されていることから、アノード電極層の燃料リッチ状態と、カソード電極層の酸素リッチ状態を簡単に形成できる。カソード電極層2には、リードL1が接続され、アノード電極層3には、リード線L2が接続されているので、このリード線L1、L2によって、外部に発電電力が取り出される。
以上に説明した固体酸化物燃料電池発電装置では、固体酸化物燃料電池セルCの熱源及び燃料源として使用した発光体のマントルMは、球形又は円筒形であり、その下端がアノード電極層3のほぼ全面に接触する形態であった。バーナー部で発生された火炎は、マントルMを介して間接的にアノード電極層に供給された。しかし、固体酸化物燃料電池セルCは、元々、直接火炎型の燃料電池発電装置にすることができるものである。その特性を活かすために、マントルMの下端部に、開口部を予め設けておくこともできる。
この開口部にアノード電極層をマントルM内に臨ませて設置し、バーナー部で発生された火炎が、この開口部から直接にアノード電極層3を曝すようにする。この場合、マントルMに開口部が設けられていても、発光体として白熱状態を維持でき、照明機能に影響がない。そして、マントルMが、希土類を含浸させた有機繊維の網体であっても、また、白金族金属又は白金族金属の合金による線材、多孔質薄板からなる成形物で形成されていても、マントルMの下端部に開口部を設けることができる。
次に、実施例1による固体酸化物燃料電池発電装置に係る発電例を以下に説明する。ここで使用される液体燃料燃焼式照明器具は、図1に示される構成を有するホワイトガソリンを燃料とするコールマン社製ランタンであり、そのマントルの下端部に固体酸化物燃料電池セルCを設置した。そして、SDC(サマリアドープドセリア)の固体酸化物基板と、SSC50wt%、SDC50wt%のカソード電極層と、Rh2O3wt%、8molLi−NiO75wt%、SDC20wt%のアノード電極層とを有する固体酸化物燃料電池セルを使用し、固体酸化物基板は、15mmの外径であり、アノード電極層の径は、13mmである。
先ず、マントルMの下端部と固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層との距離を変えて、燃料電池セルの起電力(開回路電圧)を測定すると、次のようであった。
距離(mm) 開回路電圧(V)
0 0.85
2 0.82
5 0.53
これらの測定結果から、マントルMの下端部と固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層とが接触して設置されることが好ましい状態であることが確認された。
そこで、マントルMの下端部と固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層とが接触した状態において、138mW(電流が300mA、電圧が0.46V)の最大出力が得られた。なお、マントルMの下端部と固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層とに距離を置いた場合には、測定できる出力が安定しなかった。
また、マントルMの下端部に開口部を設け、固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層を火炎に直接曝した場合には、214.5mW(電流が550mA、電圧が0.39V)の最大出力が得られた。
実施例1では、通常に使用されている液体燃料燃焼式照明器具を利用して、固体酸化物燃料電池発電装置を構成したが、実施例2では、液体燃料燃焼式照明器具の代わりに、気体燃料燃焼式の照明器具を使用した。この気体燃料燃焼式の場合にも、発光体であるマントルを備えているので、実施例1の場合と同様に、固体酸化物燃料電池セルに燃料を供給でき、しかも、その作動温度を維持する熱源として利用し、直接火炎型の固体酸化物燃料電池発電装置を実現している。その固体酸化物燃料電池発電装置の構成が、図3に示されている。
図3に示された気体燃料燃焼式照明器具では、器具台部10、ガラスグローブ11、ベンチレータ蓋12が順次積み重ねられて、照明器具本体を形成している。そして、ガラスグローブ11内では、バーナーチューブ13が上方に延び、その先端部に、バーナー部14が設けられている。そのバーナー部14には、マントルMが取り付けられる。器具台部10内には、気体燃料を液体で蓄積できるタンクが備えられる。この気体燃料が、調整器を介してバーナーチューブ13を経由し、バーナー部14に供給される。ここで、この燃料は、マントルM内で燃焼され、火炎が生成される。
図3では、燃焼式照明器具を利用した固体酸化物燃料電池発電装置とするため、図7に示された固体酸化物燃料電池セルと同様の構成を有する固体酸化物燃料電池セルCが、マントルMの上端に接する位置に保持されている。これにより、バーナー部14で発生された火炎が、マントルを介して間接的に、固体酸化物燃料電池セルCを曝すことができる。
ここで、ガラスグローブ11の内部で、固体酸化物燃料電池セルCを保持する具体的構成例について、図4(a)及び(b)に示した。図4(a)は、要部拡大図であり、マントルMの上端付近の側面図である。そして、図4(b)は、固体酸化物燃料電池セルCが設置されたときのマントルM側から見た下面図である。図3及び図7と同じ部分には、同じ符号が付されている。
固体酸化物燃料電池セルCは、ベンチレータ蓋12の下側で固定されたセル保持部16でマントルMの上端位置に保持される。セル保持部16は、固体酸化物燃料電池セルCの固体酸化物基板1の下面を保持するセル保持枠16−1と、複数本のセル保持脚16−2とで構成され、セル保持脚16−2の一端は、セル保持枠16−1に固着され、他端は、ベンチレータ蓋12に固着される。なお、セル保持部16は、ベンチレータ蓋12に着脱自在に装着される構成でもよい。
ここで、固体酸化物燃料電池セルCは、アノード電極層3をマントルM側になるように、セル保持部16で支持される。燃料電池セルCの保持高さについては、固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層3のほぼ全面がマントルMに接触するようにすることが最適である。
この保持高さは、マントルMに使用される発光体の種類に応じて調整される。希土類を含浸させた有機繊維の網体をマントルMに使用している場合には、使用時にライターなどで焼成することになるが、このとき、網体は、収縮して成形されるので、この収縮後の大きさに合わせて、この収縮した成形されたマントルMの上端が、アノード電極層3の下面に位置するような高さとされる。
また、マントルMに、白金族金属又は白金族金属の合金による線材、多孔質薄板からなる成形物が使用される場合には、この成形物は、使用時において、その大きさはあまり変化しないので、マントルMの位置が決まれば、マントルMの上端が、アノード電極層3の下面の位置が決まり、セル保持部16は、マントルMの上端が、アノード電極層3の下面に接触する高さとされる。
ここで、実施例1の液体燃料燃焼式照明器具の場合と同様に、気体燃料燃焼式照明器具では、発光体であるマントルMから放出される光は、主に、ガラスグローブ11の円周方向のものが照明光として利用されるが、マントルMから上方に放出された光は、照明光としてあまり役立っていないため、マントルMの下端に固体酸化物燃料電池セルCを設置しても、照明器具の照明機能にあまり影響を与えない。なお、照明機能の一部に影響してもよい場合には、固体酸化物燃料電池セルをマントルMの側面に設置し、固体酸化物燃料電池セルで発電することもできる。
通常、燃焼式照明器具におけるマントルMは、球状又は円筒状に成形されるところから、固体酸化物燃料電池セルCのアノード電極層3が、図4(b)に示されるように、円形に形成されると、マントルMの上端と効率的に接触させることができる。
以上のように構成された固体酸化物燃料電池発電装置によると、気体燃料燃焼式照明器具が照明機能を発揮し、マントルMが白熱状態であるとき、発生する熱により、固体酸化物燃料電池セルCを駆動温度に維持し、アノード電極層3には、バーナー部14で発生された火炎がマントルMを介して間接的に供給され、つまり、網体の隙間からその火炎に含まれるラジカル成分等、或いは、部分酸化された燃料成分が供給される。
そして、バーナー部14の燃焼のために、ガラスグローブ11の内部に取り込まれた空気が存在するので、カソード電極層2には、酸素が十分に供給される。ここで、固体酸化物燃料電池セルCが平板状に形成されていることから、アノード電極層の燃料リッチ状態と、カソード電極層の酸素リッチ状態を簡単に形成できる。カソード電極層2には、リードL1が接続され、アノード電極層3には、リード線L2が接続されているので、このリード線L1、L2によって、外部に発電電力が取り出される。
以上に説明した実施例2による固体酸化物燃料電池発電装置では、実施例1の場合と同様に、バーナー部で発生された火炎は、マントルMを介して間接的にアノード電極層に供給された。しかし、固体酸化物燃料電池セルCは、元々、直接火炎型の燃料電池発電装置にすることができるものであり、その特性を活かすために、マントルMの上端部に、開口部を予め設けておくこともできる。
以上に説明した実施例1及び2に使用された固体酸化物燃料電池セルCでは、固体酸化物基板1の各面に、一枚のカソード電極層2とアノード電極層3が形成され、一つの燃料電池セルを構成したが、実施例3では、図5に示されるように、平板による固体酸化物基板1の片面に、複数ずつのカソード電極層2−1〜2−4、アノード電極層3−1〜3−4(図示なし)を形成し、燃料電池全体として、複数の燃料電池セルを構成したものを、液体燃料又は気体燃料燃焼式の照明器具に適用できる。図5では、4つの燃料電池セルの形成例が示されている。
図5では、基板1の面上に、4つのカソード電極層2−1〜2−4と、その反対面に、4つのアノード電極層3−1〜3−4(図示なし)が形成されている。例えば、カソード電極層2−1とアノード電極層3−1とで、一個の燃料電池セルが構成され、対向する一組のカソード電極層とアノード電極層により、一枚の固体酸化物基板に複数の固体酸化物燃料電池セルが構成される。そして、燃料電池セルの起電力を取り出すため、カソード電極層2−1に、リード線L1が、そして、アノード電極層3−4にも、リード線L2が取り付けられている。さらに、図5に示されるように、例えば、カソード電極層2−2とアノード電極層2−1とは、接続線L0で電気的に接続されている。リード線及び接続線としては、耐熱性のある白金製、或いは、白金を含む合金製のものが使用される。
そこで、4つの固体酸化物型燃料電池セルの下方におけるマントルM内で発生された火炎が、アノード電極層3−1〜3−4の全面を間接的又は直接的に曝される。4つの燃料電池セルは、接続線L0で直列接続されるので、リード線L1とリード線L2との間には、4つの燃料電池セルの起電力が足し合わされた大きさの出力が得られる。
構成された燃料電池セルのアノード電極層3−1〜3−4は、図5に示されるように、全体として円形状に形成され、互いに分離されている。図5の場合には、電極層全体が円形状に形成されている例を示したが、電極層の面形状は、マントルの端部の形状に合わせて決めるようにしてもよい。また、固体酸化物基板が平板形であると、カソード電極層側を燃料リッチ状態にしやすく、カソード電極層側を空気中に露出し、空気中の酸素を利用しやすくなり、酸素リッチ状態を維持できる。さらに、マントルの外形状に合わせて、固体酸化物燃料電池セル自体を、皿状又は椀状とすることもできる。
図5に示された固体酸化物燃料電池セルでは、4つの燃料電池セルを直列接続するために、接続線L0が、固体酸化物基板1の外側を渡って、カソード電極層とアノード電極層とを接続していた。この接続線L0は、固体酸化物基板の外側に飛び出した形状となっているため、接続線L0が邪魔である場合がある。そこで、固体酸化物基板1において、カソード電極層又はアノード電極層が形成されていない部分に、ビアを設け、このビアを介して、カソード電極層とアノード電極層を接続することもできる。
固体酸化物燃料電池セルを液体燃料燃焼式ランタンに組み込んだ本実施形態の固体酸化物燃料電池発電装置の構成を説明する図である。 図1における固体酸化物燃料電池セルの組み込み構成の具体例を説明する図である。 固体酸化物燃料電池セルを気体燃料燃焼式ランタンに組み込んだ本実施形態の固体酸化物燃料電池発電装置の構成を説明する図である。 図3における固体酸化物燃料電池セルの組み込み構成の具体例を説明する図である。 燃焼式ランタンに組み込まれる固体酸化物燃料電池セルの変形例を説明する図である。 従来技術による火炎使用の管型固体酸化物燃料電池の構成を説明する図である。 従来技術による火炎使用の平板型固体酸化物燃料電池の構成を説明する図である。
符号の説明
1 固体酸化物基板
2 カソード電極層
3 アノード電極層
4 バーナー
10 器具台部
11 ガラスグローブ
12 ベンチレータ蓋
13 バーナーチューブ
14 バーナー部
15 セル支持部
15−1 セル支持枠
15−2 セル支持脚
16 セル保持部
16−1 セル保持枠
16−2 セル保持脚
C 固体酸化物燃料電池セル
M マントル

Claims (9)

  1. 板状の固体酸化物基板と、該基板の一方の面に形成されたカソード電極層と、該一方の面と反対側の面に形成されたアノード電極層とを有する固体酸化物燃料電池セルと、
    前記固体酸化物燃料電池セルの前記アノード電極層に面して配置され、燃料の燃焼による火炎で発光する発光体と、を備え、
    前記アノード電極層に、前記発光体内で生成される前記火炎の成分が供給され、前記カソード電極層には、空気が供給されることにより発電する固体酸化物燃料電池発電装置。
  2. 前記アノード電極層が、前記発光体の外面に接触して配置されることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  3. 前記アノード電極層が、前記発光体に設けられた開口部に臨んで配置され、前記火炎によって直接曝されることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  4. 前記発光体は、燃焼式照明器具に備えられたマントルであることを特徴とする請求項2又は3に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  5. 前記燃焼式照明器具で液体燃料が使用される場合に、前記固体酸化物燃料電池セルは、前記マントルの下端に設置されることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  6. 前記固体酸化物燃料電池セルは、前記燃焼式照明器具の器具台部に設けられたセル支持部で前記マントルの下端の位置に支持されることを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  7. 前記燃焼式照明器具で気体燃料が使用される場合に、前記固体酸化物燃料電池セルは、前記マントルの上端に設置されることを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  8. 前記固体酸化物燃料電池セルは、前記燃焼式照明器具のベンチレータ蓋に設けられたセル保持部で前記マントルの上端の位置に保持されることを特徴とする請求項7に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
  9. 前記固体酸化物燃料電池セルは、前記固体酸化物基板の前記一方の面に形成された複数のカソード電極層と、該固体酸化物基板の前記反対側の面に形成された複数のアノード電極層とを有し、
    前記固体酸化物基板を介して対向する前記アノード電極層と前記カソード電極層とにより、複数の燃料電池セルが形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の固体酸化物燃料電池発電装置。
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