JP4953520B2 - ディッピング制御方法とその装置、及びロール部材の製造方法 - Google Patents

ディッピング制御方法とその装置、及びロール部材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディップ槽内に被塗装物を浸漬して塗装する際に、上記被塗装物の移動速度を制御するディッピング制御方法とその装置、及び、表面にディッピングによる塗膜層を形成したロール部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6(a)は、例えば、特開2001−46935号公報に記載されたディッピング塗装装置50の構成を示す図である。このディッピング塗装装置50は、ハンガー51に懸垂された被塗装物52を、図示しない水平移動手段により塗装液53が充填されたディップ槽54の直上に移送した後、上記ディップ槽54を、ガイド部材55上に設けられた、モータ56aとチェーン56b及び中継プーリー56cを備えた垂直移動手段56により、上記ガイド部材55に沿って上方に移動させ、図6(b)に示すように、上記被塗装物52をディップ槽54内に浸積させた後、上記ディップ槽54を下降させて上記被塗装物52をディップ槽54から引き上げて、上記被塗装物52の表面に塗膜層を形成するものである。このとき、上記ディップ槽54の移動速度を、例えば、図7に示すような、所定の時間毎に変更するステップ状の速度制御プログラムに従って制御する。
【0003】
次に、上記構成のディッピング塗装装置50の動作について、図8を参照して説明する。
まず、モータ56aを駆動し、被塗装物52がディップ槽54の液面53に達するまで上記ディップ槽54を一定速度Vで上昇させる(ステップS1)。次に、ディップ槽54の上昇速度を弛め、(V→V)、上記被塗装物52が完全にディップ槽54内に浸積されるまで上記速度Vでディップ槽54を上昇させ(ステップS2)た後、上記被塗装物52を所定時間ディップ槽54内に保持する(ステップS3)。その後、モータ56aを逆方向に回転させ速度Vでディップ槽54を下降させて、被塗装物52をディップ槽54から引き上げる(ステップS4)。最後に、上記被塗装物52が完全に空気中に露出された時点でディップ槽54の上昇速度を速めて(V→V)、被塗装物52を初期位置まで戻す(ステップS5)。
なお、上記例では、多数の被塗装物52を連続処理するため、ディップ槽54の方を移動させて被塗装物52のディッピングを行っているが、一般的には、ディップ槽54を固定して、被塗装物52を上,下方向に移動させる方法が採られている。
【0004】
このような移動体の位置制御は、通常、サーボモータを用いた位置制御装置により行われる。図9は、例えば、特開2000−322105号公報に記載されたサーボ制御装置60の構成を示す図で、このサーボ制御装置60では、移動体であるステージ61を支持するボールネジ62に連結されたサーボモータ63の回転を制御することにより、上記ステージ61の位置及び速度を制御する。詳細には、上記サーボモータ63に取付けられたエンコーダ64の出力を位置算出手段65に入力して、上記ステージ61の位置xを検出し、この検出位置xと位置・速度指令値設定部66から送られた、予め設定された指令位置xとを比較し、速度制御器67により、サーボモータ63を駆動する電流を、位置の差分(Δx=x−x)に応じて制御して上記ボールネジ62を回転させ、上記ステージ61の位置を制御する。このとき、上記エンコーダ64の出力を差分演算器68に入力してサーボモータ63の回転速度Vを演算し、速度制御器67において、上記回転速度Vと予め設定された指令速度Vを比較して、サーボモータ63を駆動する駆動電流を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような制御方法は、移動体が所定の時間に所定の位置に達するようにサーボモータ63の回転速度を制御する、いわゆる「速度ループ」による制御であるため、これを所定位置における被塗装物52の移動速度が重要視されるディッピング塗装に適用した場合には、塗膜層の仕上がりが劣化してしまうといった問題点があった。すなわち、上記制御系では、一般に指令位置に対して実際の位置が遅れることが多いため、例えば、上述した被塗装物52をディップ槽54から引き上げる場合などには、時刻がt=tに達すると、被塗装物52の一部がディップ槽54内にあるにもかかわらず、次のステップに移行して、引き上げ速度を増加させてしてしまう場合などが発生する。ディッピングで形成される塗膜層の膜厚は被塗装物52の引き上げ速度に依存するので、上記のように引き上げ速度が変化すると、被塗装物52に塗装ムラが生じたり、塗膜層の表面のうねり、すなわち、被塗装物52の引き上げ方向での膜厚変化が大きくなってしまうといった問題点があった。特に、水系の樹脂を用いて被塗装物52表面に塗膜層を形成する場合には、溶剤系の樹脂に比べて塗装液53の乾燥が遅いため、塗装ムラや表面のうねりが更に大きくなる。
【0006】
そこで、複写機やFAXなどに用いられるの帯電ローラ等のロール部材のような表面性が要求される被塗装物52をディッピングする際には、図10に示すように、移動速度を変更する速度制御プログラムのステップの数を増加させて、被塗装物52の移動速度を細かく制御することにより、ディッピング時における移動速度の変化を滑らかにする方法も行われている。しかしながら、被塗装体52の速度制御プログラムは、被塗装物52の大きさや形状あるいはディッピングする塗料の特性等により変更する必要があるため、ステップ数を増加させた場合には、プログラムの変更や位置,速度の設定が複雑になりプログラム作成に時間がかかるだけでなく、メモリー容量を増加させたり演算速度を高速化しなければならなかった。
【0007】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、速度制御のステップ数を増加させることなく、被塗装物表面に均一な厚さの塗膜層を形成するためのディッピング制御方法とその装置、及び、表面性の良好な塗膜層を有するロール部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のディッピング制御方法は、サーボモータの回転角度を検出して塗装液が充填されたディップ漕内に浸漬される被塗装物の到達位置を検出し、被塗装物の移動速度を上記検出された到達位置に応じて変更するとともに、上記到達位置が予め設定された目標到達位置に達していない場合には、被塗装物の移動速度を当該位置における移動速度に保持することを特徴とするもので、これにより、被塗装物の移動速度を予め設定された到達位置における移動速度に制御することができるので、速度制御のステップ数を増加させることなく、被塗装物の移動速度のムラをなくし、表面性に優れた塗膜層を形成することが可能となる。また、従来の速度ループで発生した被塗装物の移動速度の急激な増加を抑制することができるので、被塗装物の塗装ムラや表面のうねりを確実に低減することが可能となる。また、請求項に記載のディッピング制御方法は、上記塗装液として水系樹脂を用いたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項に記載のディッピング制御装置は、サーボモータの回転角度を検出して上記被塗装物の到達位置を検出する手段と、上記検出された到達位置と、予め設定された被塗装物の目標到達位置と目標移動速度との関係とに基づいて、上記被塗装物の移動速度を制御する手段とを備え、検出された被塗装物の到達位置が、予め設定された被塗装物の目標到達位置に達していない場合に被塗装物の移動速度を当該位置における速度に保持するようにしたものである。
【0010】
また、請求項に記載のロール部材の製造方法は、サーボモータの回転角度を検出して上記ロール部材の到達位置を検出し、ロール部材の移動速度を上記検出された到達位置に応じて変更するとともに、上記到達位置が予め設定された目標到達位置に達していない場合には、ロール部材の移動速度を当該位置における移動速度に保持することを特徴とするものである。
また、請求項に記載のロール部材の製造方法は、上記塗装膜の表面のうねりが0.01〜5μmであることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係わるディッピング塗装装置10の概要を示す図で、同図において、11はサーボモータ、12はこのサーボモータ11と減速機13を介して連結されたボールネジ、14は上記ボールネジ12に図示しないボールナットにより固定され、塗装すべきロール部材15のシャフト15aを保持する材料支持台、16は枠状の基台で、この基台16の枠上部に設けられた水平部材16aにおいて上記サーボモータ11を支持するとともに、両脚16b,16bにより、上記材料支持台14の両端を支持してガイドする。また、17は上記材料支持台14の下方に、上記ロール部材15と対向するように設置された、塗装液17Lが充填されたディップ槽、18はサーボモータ11に取付けられ、サーボモータ11の回転角度を検出するエンコーダ、20は上記エンコーダ18の出力に基づいて、サーボモータ11を駆動・制御する電流を上記サーボモータ11に供給するディッピング制御装置である。
【0012】
図2は上記ディッピング制御装置20の機能ブロック図で、このディッピング制御装置20は、サーボモータ11に取付けられたエンコーダ18の出力に基づいて材料支持台14の移動距離Lを算出し、被塗装体であるロール部材15の到達位置を検出する到達位置検出手段21と、エンコーダ18の出力を差分してロール部材15の移動速度Vを演算する速度算出手段22と、上記到達位置検出手段21で検出された移動距離Lのデータと、図3に示すような、予め記憶された移動距離と移動速度との関係を設定するL−Vマップ(位置−速度線図)23とに基づいて当該位置の目標速度Vを設定する目標速度設定手段24と、上記目標速度Vと上記演算されたロール部材15の移動速度Vとに基づいて、上記サーボモータ11の駆動電流を制御して、材料支持台14の移動速度、すなわち、ロール部材15の移動速度Vを制御する速度制御器25と、この速度制御器25の出力に基づいて、サーボモータ11を駆動する電流をサーボモータ11に供給するモータ駆動手段26とを備え、上記ロール部材15の下降あるいは上昇時における移動速度を制御する。
【0013】
図4は、本発明のディッピング制御方法を示す制御フローで、本例では、従来のようにロール部材15の位置と移動速度とを時間制御するのではなく、上記図3に示した位置−速度線図(速度制御プログラム)に従ってロール部材15の移動速度を制御することにより、ロール部材15の移動速度Vが常に当該位置での目標移動速度Vになるように制御する。
まず、初期速度を設定してサーボモータ11を駆動し(ステップS10)、所定の時間毎に、エンコーダ18の出力から、0.01sec.毎にロール部材15の移動距離を算出して到達距離を求め、0.1sec.毎にロール部材15の移動速度を制御する(ステップS12)。そして、ロール部材15が予め設定された目標移動速度の変更位置に達したかどうかを判定し(ステップS14)、達していた場合には、次のステップS16に進み、ロール部材15の目標移動速度を変更する。達していなかった場合には、上記ステップS12に戻り、上記位置に達するまで、ロール部材15の目標移動速度を保持する。
移動速度の変更後は、ロール部材15の移動距離を算出して到達距離を求め(ステップS18)ロール部材15が予め設定された目標移動速度の変更位置に達したかどうかを判定し(ステップS20)、ロール部材15の目標移動速度を適宜変更するステップS18,S20を、ロール部材15が予め設定された静止位置に達するまで繰り返す(ステップS22)。ロール部材15が静止位置に達すると、サーボモータ11を所定時間停止させる(ステップS24)。
次に、ロール部材15を静止位置に所定時間保持した後に、サーボモータ11を反転してロール部材15を上昇させ(ステップS26)、ロール部材15が初期位置に戻るまで、上記下降の場合と同様の制御を行う(ステップS28〜S36)。そして、ロール部材15が初期位置に戻った状態でロール部材15を停止させ、ディッピングを完了する(ステップS38)。
【0014】
次に、本発明のディッピング制御方法を用いて、複写機、プリンター等の電子写真装置に用いられる帯電ローラ(ロール部材15)に、水系樹脂から成る塗膜層を形成する方法について、図5の時間−速度・位置線図を参照して説明する。
まず、サーボモータ11を初期速度Vで駆動し、ロール部材15のシャフト15aの先端部がディップ槽17の液面に達するまで材料支持台14を一定速度下降させ、ロール部材15が所定の位置まで下降したなら、材料支持台14の下降速度を弛めて(V→V)ロール部材15を静かにディップ槽17内に浸積させる。ロール部材15が所定の位置まで下降していない場合には、移動速度の変更時刻を遅らせてロール部材15の移動速度をVに保持し、所定位置に到達した段階で材料支持台14の下降速度を弛める(V→V)。
次に、ロール部材15の本体15bがディップ槽17内に浸積された時点で、材料支持台14の下降速度を増加させて(V→V)、上記ロール部材15を完全にディップ槽17内に浸積させる。
材料支持台14の移動に遅れが生じた場合でも、本例では、材料支持台14の下降速度を増加させることなく、材料支持台14の位置、すなわち、ロール部材15の位置が所定の位置に到達するまで、ロール部材15の移動速度を当該位置における速度に保持するようにしているので、ロール部材本体15bの浸積が所定時間より遅れた場合にも、ロール部材本体15bを静かにディップ槽17へ浸積させることができる。
【0015】
次に、上記ロール部材15を所定時間だけディップ槽17内に保持した後、サーボモータ11を逆方向に回転させ、移動速度Vで材料支持台14を上昇させる。そして、ロール部材15のシャフト15aの先端部がディップ槽17の液面付近まで上昇した段階で材料支持台14の上昇速度を徐々に弛めて(V〜V)ロール部材15を上昇させた後、一定の速度Vで上記ロール部材15をゆっくりとディップ槽17から引き上げる。その後、ロール部材本体15bがディップ槽17から完全に引き上げられた時点で材料支持台14の上昇速度を速めて(V→V)、ロール部材15を初期位置まで戻す。
【0016】
ところで、ロール部材15の引き上げ速度にムラが生じると、塗装ムラが生じたり、塗膜層の表面のうねり、すなわち、被塗装物52の引き上げ方向での膜厚変化が大きくなってしまうので、この段階では、ロール部材15の移動速度の制御は重要である。本例では、上述したように、材料支持台14が所定の位置に到達するまで移動速度を変更せずに保持するようにしているので、例えば、移動速度の変更時刻にロール部材15が所定の到達位置に達していない場合には、上記変更時刻を遅らせてロール部材15の移動速度が常に当該位置での目標移動速度になるように制御する。したがって、例えば、ロール部材本体15bの引き上げが所定時間より遅れた場合にも、一定の速度Vで上記ロール部材15をゆっくりとディップ槽17から引き上げることができるので、ロール部材15の引き上げ速度のムラをなくし、表面性に優れた塗膜層を形成することができる。なお、このため、本例では、図5に示すように、ディッピング作業時間が従来に比べて増加する。
また、本例のように、塗装液17Lとして水系の樹脂を用いた場合には、塗膜層の乾燥が遅いので、従来の制御方法ではロール部材15を初期位置まで戻す際に塗装ムラや表面のうねりが大きくなり易かったが、本例のように、ロール部材15の移動速度を位置制御することにより、移動速度のムラをなすことができるので、塗膜層の表面のうねりが0.01〜5μmであるような表面性に優れた塗膜層を有するロール部材を得ることができる。
【0017】
このように、本実施の形態では、被塗装物であるロール部材15を保持した材料支持台14の移動距離Lを、サーボモータ11に取付けられたエンコーダ18の出力に基づいて算出してロール部材15の到達位置を検出し、上記検出された到達位置データと、予め記憶された到達位置と移動速度との関係を設定するL−Vマップ23とに基づいて当該位置の目標速度Vを設定して、上記サーボモータ11の出力、すなわち、ロール部材15の移動速度Vを制御するようにしたので、例えば、ロール部材15の引き上げ完了時刻が所定時間より遅れた場合などには、移動速度の変更時刻を遅らせて、ロール部材15の速度が常に当該位置での目標速度になるように制御することができる。したがって、速度制御プログラムのステップ数を増加させることなく、ロール部材15の移動速度のムラをなくすことができ、表面性に優れた塗膜層を形成することができる。
【0018】
なお、上記実施の形態で使用する水系の塗料の例としては、水系フッ素樹脂、水系アクリル樹脂、水系ウレタン素樹脂などの水系樹脂あるいは上記水系樹脂の混合物を挙げることができる。また、樹脂のタイプも、水溶性タイプ、エマルジョンタイプ、サスペンションタイプのいずれの形態で使用してもよい。
また、本発明の制御方法に用いられる塗料としては、上記水系樹脂に限るものではなく、アクリル、ウレタン、ナイロン等をトルエン等の有機溶剤に溶解した溶剤系の樹脂にも適用可能であることはいうまでもない。
【0019】
また、上記実施の形態では、エンコーダ18の出力から、0.01sec.毎にロール部材15の移動距離を算出して到達距離を求めるとともに、0.1sec.毎にロール部材15の移動速度を制御して、ロール部材15の移動速度を、V,V,V,……,Vのように変化させたが、上記所定の時間間隔や上記移動速度の制御プログラムの設定の仕方としては、これに限るものではなく、ロール部材15の大きさや形状あるいは用いられる塗料の特性等により適宜変更可能である。
【0020】
<実施例>
以下に、実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
金属製のシャフトの外周にポリウレタンフォームから成るロール本体を形成したロール部材の、上記ロール本体表面に、厚さ50μmの塗膜層を、本発明のディッピング制御方法及び従来の制御方法でそれぞれ形成して、帯電ローラを作製し、その外観(塗りムラ)及び表面のうねり状態を、従来の制御方法で作製した帯電ローラと比較した。その結果を以下の表1に示す。なお、表面のうねり状態は、ロール本体の塗膜層の、長さ方向における膜厚の最大値と最小値との差で評価した。
また、上記塗膜層としては、水系樹脂を用いて形成したもの(本発明1,比較例1)と、溶剤系樹脂を用いて形成したもの(本発明2,比較例2)の2種類とした。
【表1】
Figure 0004953520
表1から明らかなように、本発明のディッピング制御方法により作製した帯電ローラの表面層は、従来の方法よりも制御ステップ数が少ないにもかかわらず、塗りムラもなく、表面のうねり状態は良好であった。また、制御が難しい水系樹脂においても、良好な表面性が得られることが確認された。
これに対して、従来の方法では、制御ステップ数を増やしても、本発明のものより表面のうねりが大きく、特に、水系樹脂の場合には外観も表面のうねり状態もともに悪く、十分なディッピング制御ができなかった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ディップ槽内に浸漬される被塗装物の到達位置を検出するとともに、被塗装物の移動速度を上記検出された到達位置に応じて変更するようにしたので、速度制御のステップ数を増加させることなく、従来の速度ループで発生した被塗装物の移動速度の急激な増加を抑制することができ、表面性に優れた塗膜層を形成することができる。
また、本発明による制御方法は、被塗装物の移動速度のムラを極めて小さくできるので、塗装液として乾燥の遅い水系樹脂を用いた場合でも、表面性に優れた塗膜層を形成することができる。また、これにより、表面性の良好な塗膜層を有する、複写機、プリンター等の電子写真装置に用いられるロール部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わるディッピング塗装装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係わるディッピング制御装置の機能ブロック図である。
【図3】 ロール部材の到達位置と移動速度との関係を示す図である。
【図4】 本発明のディッピング制御方法を示す制御フローである。
【図5】 本発明の制御方法によるロール部材の到達位置と移動速度の時間変化を示す図である。
【図6】 従来のディッピング塗装装置の構成を示す図である。
【図7】 従来の制御フローを示す図である。
【図8】 従来の位置制御装置の構成を示す図である。
【図9】 移動速度設定のステップ数を増加させた場合の速度制御プログラムの一例を示す図である。
【図10】 従来の制御方法によるにロール部材の到達位置と移動速度の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
10 ディッピング塗装装置、11 サーボモータ、12 ボールネジ、
13 減速機、14 材料支持台、15 ロール部材、15a シャフト、
15b ロール部材本体、16 基台、17 ディップ槽、17L 塗装液、
18 エンコーダ、20 ディッピング制御装置、21 到達位置検出手段、
22 速度算出手段、23 L−Vマップ、24 目標速度設定手段、
25 速度制御器、26 モータ駆動手段。

Claims (5)

  1. サーボモータの回転速度を制御して、被塗装物の移動速度を段階的に変更する制御を行い、塗装液が充填されたディップ槽内に被塗装物を浸漬してディッピングするディッピング制御方法において、上記サーボモータの回転角度を検出して上記被塗装物の到達位置を検出し、被塗装物の移動速度を上記検出された到達位置に応じて変更するとともに、上記到達位置が予め設定された目標到達位置に達していない場合には、被塗装物の移動速度を当該位置における移動速度に保持することを特徴とするディッピング制御方法
  2. 上記塗装液として水系樹脂を用いたことを特徴とする請求項1に記載のディッピング制御方法。
  3. サーボモータの回転速度を制御して、塗装液が充填されたディップ槽内に浸漬する被塗装物の移動速度を制御するディッピング制御装置において、上記サーボモータの回転角度を検出して上記被塗装物の到達位置を検出する手段と、上記検出された到達位置と予め設定された被塗装物の目標到達位置と目標移動速度との関係に基づいて、上記被塗装物の移動速度を制御する手段とを備え
    検出された被塗装物の到達位置が、予め設定された被塗装物の目標到達位置に達していない場合に被塗装物の移動速度を当該位置における速度に保持することを特徴とするディッピング制御装置。
  4. サーボモータの回転速度を制御して、ロール部材の移動速度を段階的に変更する制御を行い、塗装液が充填されたディップ槽内にロール部材を浸漬して塗装膜をディッピングで形成する工程を備えたロール部材の製造方法において、上記サーボモータの回転角度を検出して上記ロール部材の到達位置を検出し、ロール部材の移動速度を上記検出された到達位置に応じて変更するとともに、上記到達位置が予め設定された目標到達位置に達していない場合には、ロール部材の移動速度を当該位置における移動速度に保持することを特徴とするロール部材の製造方法。
  5. 記塗膜層の表面のうねりが0.01〜5μmであることを特徴とする請求項に記載のロール部材の製造方法
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