JP4066403B2 - 電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法及びその制御装置 - Google Patents

電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法及びその制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動サーボモータによりスライドを直線的に上下方向に駆動する電動サーボプレスにおける、電動サーボモータの過負荷を防止する電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法及びその制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直動型プレスは、スライドが上下方向に直線的に駆動され、かつ任意のモーションで駆動できるので、幅広い分野に適用されている。直動型プレスの一つとして、電動サーボモータ(通常は、ACサーボモータである)によりスライドを駆動する電動サーボプレスがよく知られている。電動サーボプレスでは、スライドが金型に応じた所定のモーションカーブに基づいて移動するように、電動サーボモータの速度及び位置を制御してスライドを駆動し、成形及び打抜き等の加工を行っている。
【0003】
このような電動サーボプレスの電動サーボモータは、使用可能な最大荷重(負荷能力)に応じて、その推力(定格トルクに相当する)が規定されている。したがって、スライドの駆動ストローク範囲のどの位置においても前記規定の推力を出力できるため、この規定の推力(つまり最大荷重)以下のピーク荷重を必要とする金型を使用するならば、スライドがスティックすることなく、即ち推力不足により停止気味に移動することなく加工可能となる。しかし、電動サーボプレスにとって重要なことは、使用金型での加工を連続して長時間行うことができるかという点にある。
【0004】
一方、直動型プレスの連続運転中において、加工中の負荷変動を事前に正確に予測することができないため、電動サーボモータの定格トルクを超えて運転を行うことがある。このように、1サイクルの変動負荷トルクが電動サーボモータの定格トルクをオーバしている場合には、電動サーボモータの温度が徐々に上昇することとなる。そして、通常は電動サーボモータの保護のために、この状態が長時間続いてモータ温度が所定許容値を越えたときにモータの過負荷異常(いわゆるオーバーヒート異常)としてモータ駆動を停止させるようにしている。
【0005】
また、モータの過負荷を防止し、加工中におけるモータ過負荷による停止の頻度を低減するための技術も提案されている。例えば特開平4−315552号公報には、モータにより駆動される駆動部を有する工作機械において、モータの温度が第2の所定温度を越えたらモータを減速制御し、第2の所定温度よりも高い第1の所定温度を越えたらモータを停止させる技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に述べた従来技術では次のような問題が生じる。
夜間自動運転中のみでなく、日中の自動運転中においても、常時オペレータが連続運転中のプレス機械を監視することは無駄が多く、また生産性上困難であるため、オペレータの常時監視が行われることがない。したがって、自動運転中にモータ過負荷により異常停止したことに気が付かなければ、プレス運転は長時間停止したままとなり、プレス機械の稼働率が低下するという問題がある。また、たとえ、すぐに異常停止に気が付いても、モータの温度が下がらなければプレス運転を再開できないので、所定の停止時間が必要となり、同じく稼働率が低下する。さらに、運転再起動のための復帰処理作業が大変煩わしいものである。
また、モータ過負荷異常によるプレス停止の頻度を少なくするためには、モータに許容された最大荷重(定格トルク)に対して必要以上に余裕をもった荷重以下の加工を行う必要があり、これによりプレス機械の適用成形品の範囲が狭まるという問題が生じる。
【0007】
また、特開平4−315552号公報に開示された技術によると、モータの温度が第2の所定温度を越えたらモータを減速制御するようにしている。ところが、プレス加工においては、成形加工中に電動サーボモータを減速制御することは、予め設定されたモーションの最適成形速度を変えることになり、高精度で、均一な品質の製品を生産できないという問題が発生する。さらに、第2の所定温度よりも高い第1の所定温度を越えたらモータを停止させ、プレス運転を停止させることになるので、前述同様にプレス機械の稼働率が低下する。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、スライド駆動用の電動サーボモータの過負荷異常によるプレス停止をなくしてプレス稼働率を向上させる電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法及びその制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
【0015】
上記目的を達成するため、発明は、上下方向に直動自在とされるスライドを駆動する電動サーボモータを予め設定されたスライドモーションに基づいて制御する電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法において、予め、電動サーボモータの過負荷異常温度よりも所定値低い目標温度を設定する工程と、経過時間に応じた目標温度勾配を設定する工程と、スライドモーションに基づくスライド駆動時に、電動サーボモータの温度を検出し、この検出温度に基づき求めた実温度の勾配と前記目標温度勾配とを比較する比較工程と、目標温度勾配と実温度の勾配との偏差値に基づいて、偏差値が小さくなるように、スライドモーションの上限停止時間を更新し、更新した上限停止時間でスライドを制御する制御工程とを有し、前記比較工程と制御工程とを繰り返して電動サーボモータの上限停止時間を制御し、スライドを連続運転する方法としている。
【0016】
発明によると、予め経過時間に応じた目標温度勾配を設定し、スライド駆動時の実際のモータ温度の勾配がこの設定された目標温度勾配となるように、両者の偏差値に基づいて上限停止時間を更新し、制御している。このとき、目標温度勾配は、電動サーボモータの温度が過負荷異常温度よりも所定値低い目標温度となるように設定される。これにより、モータ温度が確実に過負荷異常温度以下に制御されるので、電動サーボモータの過負荷異常による停止が防止され、プレス稼働率及び生産性を向上できる。また特に、プレス機械の環境温度の変化の大きい場合、あるいはプレス機械を設備した直後又は新規金型を使用する場合など生産実績が少ない場合でも、過負荷異常によるモータ停止を防止して時限連続運転できる。
【0017】
発明は、上下方向に直動自在とされるスライドを駆動する電動サーボモータと、予め設定されたスライドモーションに基づいて電動サーボモータを制御する制御器とを備えた電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御装置において、予め、電動サーボモータの過負荷異常温度に対する制御目標を設定する目標設定手段と、電動サーボモータの温度を検出する温度検出器とを設け、制御器は、スライドモーションに基づくスライド駆動時に、温度検出器からの検出温度に基づき求めた実温度の勾配と、経過時間に応じて設定された目標温度勾配とを比較し目標温度勾配と実温度の勾配との偏差値に基づいて、偏差値が小さくなるように、スライドモーションの上限停止時間を更新し、更新した上限停止時間でスライドを制御し前記比較する処理と制御する処理を繰り返して電動サーボモータの上限停止時間を制御し、スライドを連続運転する構成としている。
【0018】
発明によると、スライドモーションに基づくスライド駆動時に、電動サーボモータの温度を温度検出器により検出し、この検出温度から求めた実温度の勾配と、経過時間に応じて設定された目標温度勾配とを比較し、目標温度勾配と実温度の勾配との偏差値に基づいて、該偏差値が小さくなるように、スライドモーションの上限停止時間を制御してスライドを制御している。このとき、制御目標は例えば過負荷異常温度よりも所定値低い目標温度を有する温度勾配であって、この目標温度勾配と前記検出温度に基づく実温度勾配(実温度勾配、又はその平均値でもよい)との偏差値に基づいて上限停止時間を制御している。これにより、モータ温度が確実に過負荷異常温度以下に制御されるので、電動サーボモータの過負荷異常による停止が防止され、プレス機械を時限連続運転可能となる。したがって、プレス機械の稼働率を上げ、生産性を向上できる。また、作業者が異常停止の有無を常時監視する必要がなくなり、連続自動運転が容易にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される直動型プレスの一例を表す側面断面図を示している。同図において、プレス機械1の前部下部にはボルスタ2が配設され、ボルスタ2に対向する位置にはスライド3が上下方向に直動自在に配設されている。スライド3の下端面には上型7aが取り付けられ、ボルスタ2の上面には下型7bが取り付けられている。スライド3の後端部とプレス機械1の側面フレームとの間には、スライド3のボルスタ2からの高さ方向位置を検出する、例えばリニアセンサ等のスライド位置検出器8が取り付けられている。
【0020】
また、スライド3の上部には例えばボールスクリュー装置から構成される駆動力伝達装置4が連結されており、駆動力伝達装置4の被駆動側端部(ここではボールスクリュー装置の図示しないナット部材)にスライド3が取着されている。なお、駆動力伝達装置4は、ボールスクリュー装置に限定されずに他の機構で構成しても良いが、以後の説明ではボールスクリュー4と言う。
ボールスクリュー4のスクリュー側は、プレス機械1の上部に水平に設けられた上部フレーム35にアウタリングが取着されたベアリング31によって回動自在に支承されており、スクリューの上端部は第1プーリー32、タイミングベルト33及び第2プーリー34を介して電動サーボモータ5の出力軸に連結されている。電動サーボモータ5の出力軸と反対側には位置センサ6が取り付けられており、この位置センサ6により電動サーボモータ5の回転角度が検出されている。また、電動サーボモータ5には温度検出器14が取着されている。
【0021】
図2はスライド3のモーションカーブの一例を示しており、後述するモション設定手段12および制御器20によってモーションカーブを規定する各データが予め設定され、記憶される。同図のモーションカーブ例において、まず、スライド3は上限位置U(図示で点A)から加工開始位置Bまで所定の高速下降速度で下降し、次に、下限位置L(図示で点C)まで所定の低速下降速度で前記金型(上型7a、下型7b)に設置されたワーク10を加圧しながら下降する。そして、下限位置Lで所定時間(図示で点Dまで)位置及び加圧力を保持した後、下限位置Lから所定の位置(図示で点E)まで所定の低速上昇速度で上昇し、さらに上限位置U(図示で点F)まで所定の高速上昇速度で上昇し、上限位置Uで所定時間(時間0も含む)だけ停止して一行程を終了する。なお、本発明に係る時限連続運転時には、上限位置Uで所定の上限停止時間t但し、上限停止時間tuの初期値はt0とする)だけ停止して1サイクルを終了し、この後この1サイクル運転を繰り返す。
【0022】
図3は、本発明に係わるハード構成ブッロク図を示している。
同図において、サーボアンプ11は、電動サーボモータ5の駆動電流を制御する増幅器であり、後述の制御器20からの速度指令と、速度検出手段16からの速度フィードバック信号との偏差を零にするように制御する。また、電動サーボモータ5の回転角度が位置センサ6により検出され、この回転角度信号は制御器20に入力されている。さらに、上記回転角度信号は速度検出手段16により速度信号に変換されている。前記スライド位置検出器8の位置信号は、制御器20に入力されている。
【0023】
モーション設定手段12は前述したスライドモーションを表す各種のモーションデータを各金型7(上型7aと下型7bを総称して言う)の種類に対応させて設定するものである。例えば、それぞれのスライドモーションを識別するためのモーション番号の他に、目標スライド位置、スライド速度、加圧保持時間、上限停止時間等を設定する。さらに、成形品の生産個数や、スライドの上限停止時間の制御に必要なデータとして、電動サーボモータ5に許容される過負荷最大許容温度(以後、過負荷異常温度Tuと呼ぶ)、制御目標温度、温度検出値のフィードバックのためのスライドストローク回数、モータ温度を検出するスライドストローク回数等を設定可能としている。モーション設定手段12は、上記各データを設定するためのスイッチやキーボード等により構成できる。これらのデータの設定信号は、制御器20に入力される。なお、モーション設定手段12は上記のようなスイッチ類に限定されるものではなく、設定データを入力できればよい。したがって、例えば、プレス機械1のライン全体を管理する上位コントローラ等の外部制御装置から通信等により設定データを入力するようにしてもよい。
【0024】
モーションデータ記憶手段13は制御器20から上記設定データを入力し、各モーション番号に対応させて記憶する。そして、記憶された設定データは、成形加工を行う際に制御器20により読み込まれる。なお、モーションデータ記憶手段13を構成するハードの種類は特に限定されるものではなく、例えば半導体メモリ、ハードディスク装置、フッロピーディスク装置及びCD−ROM装置等により構成することができる。
【0025】
温度検出器14は、電動サーボモータ5の過負荷を検出するための検出器であり、ここでは電動サーボモータ5に直接取り付けた温度センサである。温度検出器14は電動サーボモータ5の性能保護のために例えばアーマチャーコイル絶縁体の温度を検出温度Tnとして検出し、後述の制御器20に出力している。なお温度検出器14は、直接温度を検出する温度センサに限定されず、例えばアーマチャー抵抗の測定、又はサーボアンプ11のモータ駆動トランジスタの温度測定等によりモータ温度を間接的に検出してもよい。ループゲイン設定器15は、本発明に係るスライド上限停止時間の制御におけるループゲインKpを設定する。ループゲインKpは、モータの過負荷異常温度にならないように、成形品の必要仕事量と連続生産するサイクルタイムとに基づいて、加工サイクルの上限停止時間tを増減して制御するとき、電動サーボモータ5の温度の制御を円滑に、かつ精度良く行うために制御特性を規定する定数である。ループゲインKpの値は、電動サーボモータ5の特性と成形品の必要仕事量との関係に基づいて、加工サイクルタイムを短縮し、しかも電動サーボモータの温度を目標温度To以下に抑えて連続生産できるように、調整して設定される。また、表示装置17は、モーションデータ設定モード時に制御器20からの表示指令に基づいて入力データや設定値データを表示し、作業者のデータ設定作業を容易にするものである。例えば、液晶表示器、EL表示器又はCRT表示器等のグラフィック表示器、あるいはLED表示器などにより構成される。
【0026】
制御器20は、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を主体として構成されている。制御器20は、温度検出器14から入力するモータ温度に基づいて、詳細は後述する上限停止時間の制御を行う。また、モーション設定手段12から入力される設定データをモーションデータ記憶手段13にモーション番号毎に記憶すると共に、実加工時にはモーションデータ記憶手段13から加工対象の素材及び使用金型に対応するモーション番号の設定データを読み出す。そして、この設定データに基づくスライドモーションに沿ってスライド位置及び速度を制御するように、上記設定データと、スライド位置検出器8から入力したスライド位置と、位置センサ6から入力したモータ回転角度とに基づいて所定の演算処理を行い、モータの速度指令を演算する。この演算した速度指令をサーボアンプ11に出力し、スライドを制御する。
【0027】
以下では、上記構成に基づくモータ過負荷防止制御における上限停止時間の演算処理方法の異なる実施形態について説明する。
図4〜図7により、第1実施形態を説明する。
図4は、第1実施形態に係る制御機能ブロック図である。同図に示すように、制御器20は、比較器21と、計算ループスイッチ22と、制御指令(上限停止時間データ)演算部23と、モーション制御部24と、フィードバックカウンタ25とを有している。
【0028】
フィードバックカウンタ25は、温度検出器14の検出温度に基づいてフィードバック温度値としてのモータ温度Taを後述する所定の演算処理により求め、求めたモータ温度Taを比較器21に出力する。また、フィードバックカウンタ25は、上記演算処理で求めたモータ温度Taを出力する際に、計算ループスイッチ22(後述)にタイミング信号を出力して、制御指令演算のタイミングを指令する。
【0029】
ここで、上記モータ温度Taの演算処理方法についていくつかの実施態様を、図5を参照して説明する。
第1の演算方法は、図5(a)に示すように、所定のストローク回数Kおきに(Kが1の場合、即ち各スライドストローク毎の場合を含む)に温度検出器14から検出温度Tnを入力し、入力した検出温度Tnをモータ温度Taとして出力する。
第2の演算方法は、図5(b)に示すように、連続してM回スライドストローク毎に温度検出器14から検出温度Tnを入力し、入力したM回分の検出温度Tnの平均値として求めた平均検出温度Tmをモータ温度Taとして出力する。この平均化処理を、各スライドストローク毎に行う。
第3の演算方法は、図5(c)に示すように、連続してM回スライドストローク毎に温度検出器14から検出温度Tnを入力し、入力したM回分の検出温度Tnの平均値として求めた平均検出温度Tmをモータ温度Taとして出力する。この平均化処理を、所定のストローク回数Kおきに行う。
【0030】
比較器21は、電動サーボモータ5の保護のために予め設定されている目標温度Toと、実加工時のフィードバック温度値としてフィードバックカウンタ25により求めたモータ温度Taとを比較し、数式「ε=T0−Ta」により両者の偏差値εを演算する。通常、電動サーボモータを駆動源とする制御装置では、電動サーボモータが規定のサーボ性能を発揮するようにするために、モータ温度が所定の最大許容温度を越えたときに過負荷異常としてモータ駆動を停止させる異常停止機能を備えている。本実施形態での比較器21には、電動サーボモータ5の最大許容温度よりも所定値だけ低い、例えば最大許容温度の90%の温度が目標温度Toとして設定されている。
【0031】
計算ループスイッチ22は、比較器21の演算した前記偏差値εを、フィードバックカウンタ25からのタイミング信号を入力したときに、目標上限停止時間演算部23に出力する。目標上限停止時間演算部23は、計算ループスイッチ22から上記偏差値εを入力する度に、この偏差値εと、予め設定されたループゲイン定数Kpとに基づいて制御指令とする上限停止時間データを演算し、この制御指令をモーション制御部24に出力して上限停止時間tuを更新する。但し、初期値、即ち生産開始時の上限停止時間tuは、モーション設定手段12により設定されている初期上限停止時間t0が出力される。そして次回からは、上記偏差値εを入力する毎に、ループゲインKpと偏差値εと前回演算で求めた上限停止時間tuとに基づいて、数式「−ε*Kp+tu」により今回の上限停止時間tuを求める。尚、求めた上限停止時間tuが初期上限停止時間t0よりも小さくなった場合には、上限停止時間tuを初期上限停止時間t0に更新する。
【0032】
モーション制御部24は、モーションデータ記憶手段13内に予め記憶されている複数のモーションデータの中から、加工に使用する金型に対応したモーションデータを読み込み、このモーションデータに基づいてスライド位置及び速度を制御するように電動サーボモータ5の速度指令を演算してサーボアンプ11に出力する。そして、実加工中に目標上限停止時間演算部23から入力される前記上限停止時間tuにより現在の上限停止時間tuデータを更新し、更新した上限停止時間tuデータに基づいて、スライド2が上限位置Uに来たときにその上限停止時間を制御する。
【0033】
つぎに、図6の制御フローチャート例に基づいて、第1実施形態における上限停止時間tuの制御処理手順を説明する。ここで、各処理ステップ番号はSを付して表しており、以後のフローチャートでも同様とする。本実施形態でのモータ温度Taの演算方法は、スライド3のストローク毎に電動サーボモータ5の温度を検出し、この検出温度Tnを制御器20の所定のメモリエリアに記憶し、検出温度Tnの所定回数N(但し、N=1以上の自然数)分に対する平均値(平均検出温度Tm)を演算してモータ温度Taとしている。そして、目標温度Toと求めたモータ温度Taとの偏差値ε、及び初期上限停止時間t0に基づいて、上限停止時間tuを制御して連続生産している。
【0034】
まずS11で、モーション制御部24は予めモーションデータ記憶手段13に記憶されているモーションデータの内、使用する金型7に対応したモーションデータを読み込む。このモーションデータには、スライドの初期上限停止時間t0、電動サーボモータ5に適合した制御目標温度To等が設定されている。また、電動サーボモータの平均検出温度を演算するための所定ストローク回数Nが予め設定されているものとし、さらに製品の生産個数W0が図示しない入力手段から入力される。そしてS12で、生産個数カウント用のパラメータWiを0にセットする。
【0035】
つぎに、生産モードでの実加工に入ると、S13でストローク回数カウント用のパラメータnを0にセットする。この後、S14において、モーション制御部24は、読み込んだモーションデータに基づいてスライド3を制御して上限位置Uから下限位置Lを経て上限位置Uまで上昇して上限位置Uにて停止する。このとき、上限停止時間の計測をスタートする。
【0036】
そして次に、S15で、パラメータWiを1だけインクリメントし、S16で、パラメータWiが生産個数W0に達しているか否かを判断する。生産個数W0に達している場合は本制御フロー処理を終了し、生産を終了する。生産個数W0未満の場合には、S17において、フィードバックカウンタ25は電動サーボモータの温度Tnを検出し、この検出温度Tnを記憶する。この後、S18で、パラメータnを1だけインクリメントし、S19において、このパラメータnが前記所定ストローク回数Nに達しているか否かを判断する。所定ストローク回数Nに達してないときには、達するまでS14に戻って以上の処理を繰り返し、前記所定ストローク回数Nに達しているときは、S20においてパラメータnを初期値0に再設定する。
【0037】
つぎに、S21にて、フィードバックカウンタ25はこれまでに記憶している所定回数N分の検出温度Tnの平均検出温度Tmを演算し、比較器21に平均検出温度Tmをモータ温度Taとして出力する。そしてS22で、比較器21は、モーションデータ記憶手段13により記憶されている目標温度Toと実際のモータ温度Taとの偏差値εを演算する。つぎにS23において、目標上限停止時間演算部23は、この演算した偏差値εと、ループゲインKpと、前回の上限停止時間tuとに基づいて、数式「−ε*Kp+tu」により新たな上限停止時間tuを求めて更新する。
【0038】
次にS24で、上記求めた上限停止時間tuと初期上限停止時間t0とを比較し、上限停止時間tuが初期上限停止時間t0よりも大きい場合は、S13に戻って更新した上限停止時間tuに基づいて以上の処理を繰り返す。上限停止時間tuが初期上限停止時間t0以下になった場合は、S25で、上限停止時間tuを初期上限停止時間t0に等しく更新し、この後S13に戻って、以上の処理を繰り返す。
【0039】
次に、本実施形態による作用を説明する。図7は、本実施形態における上限停止時間の制御による電動サーボモータ5の温度の推移を表している。同図において、横軸は経過時間を表し、縦軸は各スライドストローク毎に検出した電動サーボモータ5の検出温度Tnと検出温度Tnの所定回数N(同図ではN=5)分ごとの平均値である平均検出温度Tmとを表している。電動サーボモータ5の過負荷異常温度Tuは電動サーボモータ5により予め設定されている。目標温度Toを、例えば温度Tuの90%の温度をとして設定する。生産開始より、スライドの上限停止時間tとして時限連続運転を続け、スライドの上限停止時毎に生産個数Wiを記憶する。
【0040】
生産を開始すると、開始初期は予め設定された初期上限停止時間t0だけスライド上限位置で停止する時限連続運転を続ける。このとき、スライドのストローク上限停止時毎に電動サーボモータ5の温度を検出し、この検出温度Tnデータを所定ストローク回数N分だけ順次記憶する。そして、この検出温度Tnの記憶データ数が所定回数Nに達すると、この所定ストローク回数N分の検出温度Tnの平均検出温度Tmを演算する。次に、目標温度Toとこの演算した平均検出温度Tmとの偏差値εを求め、数式「−ε*Kp+tu」により新たな上限停止時間tuを求めて更新する。ここで、上限停止時間tuの初期値は、上述のように初期上限停止時間t0である。これにより、生産開始した直後の最初のストローク回数Nの時に求まる新たな上限停止時間tuは、偏差値εが正なので前回の上限停止時間tuつまり初期上限停止時間t0より小さくなり、よって前述のように初期上限停止時間t0に設定したままとなる。時限連続運転を続けると、このような処理がストローク回数N毎に行われるが、所定ストローク回数N分の検出温度Tnの平均検出温度Tmが目標温度Toよりも低い間は、初期上限停止時間t0だけスライドは上限停止する。これに伴って、モータ温度及び平均検出温度Tmは徐々に上昇していく。
【0041】
この後、平均検出温度Tmが目標温度Toを越えると、偏差値εが負となるので、数式「−ε*Kp+tu」により求まる新たな上限停止時間tuは前回の上限停止時間tuよりも大きくなり、スライドの上限停止時間tuは偏差値εの大きさに応じて徐々に長くなる。したがって、平均検出温度Tmが目標温度Toを越えている間は、電動サーボモータ5の負荷が軽減され、これに伴って電動サーボモータ5の発熱量が低減される。そして、この発熱量と、スライド上限停止時の放熱量とがバランスした時点からは、モータ温度は次第に低下する。この時には、上限停止時間tuは初期値に対してかなり大きな値に設定されているので、放熱量の方が発熱量よりも大きい。このため、確実に平均検出温度Tmが徐々に低下し、やがて目標温度Toよりも低下することになる。
【0042】
この後、平均検出温度Tmが目標温度Toよりも低下すると、今度は偏差値εが正となるので、上限停止時間tuは偏差値εに応じて徐々に短くなり、やがて電動サーボモータ5の発熱量が放熱量よりも大きくなった時点から、平均検出温度Tmが徐々に上昇を開始する。上限停止時間tuは偏差値εが正の間は徐々に短くなるが、前述のように初期上限停止時間t0よりも小さくは設定しないようにしている。そして、平均検出温度Tmが目標温度Toを越えると、以後前述同様の処理を繰り返す。
【0043】
このようにして、電動サーボモータ5の温度が目標温度Toを中心に安定化するように、上限停止時間tuはモータ温度の偏差値εに応じて制御される。このとき、加工時のスライドモーションでの発熱量に対して、適切な目標温度Toの大きさ、及びモーション制御部24のループゲイン定数Kpを設定することにより、モータ温度が電動サーボモータ5の過負荷異常温度Tuを越えないように制御することができる。
【0044】
これにより、実加工中にモータの過負荷異常によって電動サーボモータ5が停止して生産を中断することがない。また、上限停止時間を予め設定した初期値よりも長くなるように制御するので加工のサイクルタイムは生産開始時よりも長くなるが、過負荷異常により電動サーボモータ5の駆動が停止した場合再起動可能となるまでの間の生産が完全に中断してしまう時間が長いので、この時間と比較するとトータルとしてプレス機械の稼働率が上がり、生産性を向上できる。
さらに、過負荷異常による電動サーボモータ5の停止は加工サイクル中のどの時点で発生するかが一定していないので、一旦過負荷異常停止が発生した後に、スライド3の上死点までの復帰及び停止、加工途中の不良成形品の排除、再起動準備等の再起動作業が大変に煩わしく、作業時間がかかり生産性が低下するが、生産を中断させないのでこの問題がなくなり生産性を向上できる。
【0045】
尚、本実施形態では、モータ温度の検出及びその検出温度に基づく上限停止時間の更新処理のタイミングを各スライドストロークの上限位置に停止したタイミングとしているが、本発明はこれに限定されず、例えばスライドモーション上の他の特定のタイミングとしてもよい。
【0046】
また本実施形態のフローチャートにおいては、スライドストロークN回(図7ではN=5)毎にN回分の検出温度Tnを平均し、この平均温度値をフィードバック温度値(モータ温度Ta)として偏差値εを演算しているが、例えばNを1と設定すると、毎回スライドストローク時の検出温度Tnそのものをフィードバック温度値(モータ温度Ta)として偏差値εを演算することと同処理となる。また、モータ温度Taの演算処理方法は、図7のフローチャートによる処理に限定されず、例えば前述のフィードバックカウンタ25の説明で述べたような各種の方法が考えられる。
【0047】
複数回スライドストローク分の検出温度Tnを平均してモータ温度Taを求めることにより、温度検出における電気ノイズやモータ負荷変動に起因する検出温度のばらつき等の影響をなくし、精度良くモータ温度を検出して安定した制御ができる。
また、所定回数のスライドストローク毎にモータ温度Ta(フィードバック値)を求めて上限停止時間を更新することにより、制御器20の演算処理負荷が軽減されるので、演算処理時間に余裕が生じ、制御性を向上できる。
【0048】
つぎに、図8から図11に基づいて、第2実施形態を説明する。本実施形態は、予め電動サーボモータ5の温度制御パターンを設定しておき、この温度制御パターンの温度変化に基づいて上限停止時間tuを制御する例である。即ち、実加工時の検出温度から実温度の変化量(経過時間に対する勾配)を求め、求めた実温度変化量(勾配)と温度制御パターンの温度勾配とを比較演算し、この演算結果に基づいて上限停止時間tuを制御している。
【0049】
図8は、本実施形態に係る制御機能ブロック図である。同図において、図4と同一の機能構成には同一の符号を付して説明を省く。
温度勾配検出手段25aは温度検出器14の検出温度に基づいてフィードバック値としての実温度勾配αaを後述する所定の演算処理により求め、求めた実温度勾配αaを比較器21aに出力する。また、温度勾配検出手段25aは、上記求めた実温度勾配αaを出力する際に、詳細は後述する計算ループスイッチ22aにタイミング信号を出力して、制御指令演算のタイミングを指令する。
【0050】
なお、電動サーボモータ5の実温度勾配αaを求める方法としては、例えば次のような演算方法でよい。
1)所定のスライドストローク回数K(K=1,2,…n)毎に電動サーボモータ5の温度を検出し、今回の検出温度Tnと前回の検出温度Tn-1 との差値により温度勾配αnを演算し、これを実温度勾配αaとして出力する。
2)各スライドストローク毎に電動サーボモータ5の温度を検出し、今回の検出温度Tnと前回の検出温度Tn-1 との差値により今回の温度勾配αnを演算し、今回の温度勾配αnを含む過去最新の所定回数の温度勾配から平均温度勾配αnaを求め、これを実温度勾配αaとして出力する。
【0051】
比較器21aは、予め設定された温度制御パターンのそれぞれの経過時間に対する温度勾配(目標勾配αs)を制御目標としている。温度制御パターンは例えば図9の実線で示すように設定され、電動サーボモータ5のスライドモーションによるモータ負荷と過負荷異常温度Tuと要求加工サイクルとにより設定される。比較器21aは各時点での目標勾配αsと、温度勾配検出手段25aからの実加工時の実温度勾配αaとの偏差値eを数式「e=αs−αa」により演算し、計算ループスイッチ22aに出力する。
【0052】
計算ループスイッチ22aは、比較器21aの演算した前記偏差値eを、温度勾配検出手段25aからのタイミング信号を入力したときに、目標上限停止時間演算部23aに出力する。目標上限停止時間演算部23aは、計算ループスイッチ22aから上記偏差値eを入力する度に、この偏差値eと、予め設定されたループゲイン定数Kpと、前回までの上限停止時間tuとに基づいて制御指令とする上限停止時間uを数式「−e*Kp+tu(前回値)」により演算し、この制御指令をモーション制御部24に出力して上限停止時間tuを更新する。
【0053】
モーション制御部24は、前実施形態と同様であり、使用金型に対応したモーションデータを読み込み、このモーションデータに基づいてスライド位置及び速度を制御する。そして、実加工中に目標上限停止時間演算部23から入力した更新された新たな上限停止時間tに基づいて、スライド2が上限位置Uに来たときにその上限停止時間を制御する。
【0054】
図9は、本実施形態に係る上限停止時間制御による温度制御パターンと電動サーボモータの温度変化との関係図の説明図である。
同図において、横軸は運転開始時からの経過時間を表し、縦軸は電動サーボモータ5の温度を表している。ここでも、過負荷異常温度Tuに対して所定温度だけ低い温度の目標温度Toを設定している。そして、モータ温度が目標温度Toになるように、その温度制御精度を−γ〜+γの範囲とする温度制御パターンを予めモーション設定手段12により設定する。
設定された温度制御パターンの、運転開始時間からの所定時間毎の温度勾配が、各経過時間tnに応じた目標勾配αsnとして比較器21aの所定の目標勾配データ記憶テーブルに記憶される。図9の例では、経過時間tnが0〜tAの間は目標勾配α1、tA〜tBの間は目標勾配α2、tB以上のとき(つまり目標温度Toに対して−γ〜+γの許容範囲内に入ったとき)は目標勾配0と設定されている。
【0055】
つぎに、図10の制御フローチャート例に基づいて、本実施形態での制御処理手順を説明する。まず、S51で、モーション制御部24は読み込んだスライドモーションに基づいて、スライド速度及び位置の制御を行う。このとき、1サイクル目は、初期上限停止時間t0により上限位置での停止が制御される。さらに、加工サイクルカウント用のパラメータnを初期化(n=1)する。つぎに、S52にて、経過時間tの計測をスタートする。そしてS53で、パラメータnを1だけ増加する。この後、次のS54〜S55のスライド移動制御処理と、S56〜S59の上限停止時間tuの演算処理とは並列に実行される。
【0056】
S56で、比較器21aは、経過時間tnを読み込み、経過時間tnに応じた目標勾配αsnを目標勾配データ記憶テーブルから読み込む。またS57で、温度勾配検出手段25aは温度検出器14から検出温度Tnを入力して温度データ記憶テーブルに記憶し、次にS58で、温度データ記憶テーブルの温度データに基づいて今回の検出温度Tnと前回の検出温度Tn-1
との差値により温度勾配αnを演算し、実温度勾配αaとして出力する。そして、S59で、比較器21aは、目標勾配αsnと実温度勾配αaとの偏差値e(=αsn−αa)を演算して計算ループスイッチ22aを介して目標上限停止時間演算部23に出力し、目標上限停止時間演算部23は数式「tu(n+1)=tu(n)
−Kp*e」により、前記偏差値eと今回の上限停止時間tu(n)とに基づいて、次回サイクルの上限停止時間tu(n+1)を演算する。次にS60に移行する。
【0057】
S54では、nサイクル目のスライドモーションに基づいて、スライド速度及び位置の制御をする。そして、S55で、(n−1)サイクル時にS56〜S59の処理により求めたnサイクル目の上限停止時間tu(n)に基づいて、スライドを上限停止させる。前記S59で演算された上限停止時間tu(n+1)を次サイクルの新たな上限停止時間tu
と設定した後、S53に戻って以上の処理を繰り返す。
【0058】
本実施形態によると、予め設定した温度制御パターンの温度勾配を目標値として、この目標温度勾配と実加工時の温度勾配との偏差値が小さくなるように、この偏差値に基づいて上限停止時間を制御しているので、設定されたスライドモーションに従ってスライドを駆動する電動サーボモータの温度が前記温度制御パターンに沿って制御される。温度制御パターンの最終温度目標値は電動サーボモータの最大許容温度(過負荷異常温度に相当する)よりも所定温度だけ小さい値に設定されているので、モータ温度は過負荷異常温度に達することがなく、過負荷異常でモータが停止するのを確実に防止できる。したがって、プレス機械の稼動の中断がなくなり、生産性を向上できる。また、モータ過負荷異常による加工途中のスライド停止がなくなるので、従来のようなスライドの復帰作業等が不要となりプレス機械稼働率を向上できると共に、また加工不良品の発生を減少できる。
【0059】
次に、第2実施形態の他の実施態様を図11により説明する。
図11は、図9と同じく、所定の温度制御パターンの温度勾配を目標値とした上限停止時間の制御による温度制御パターンと実温度推移との関係図である。図11に示すように、ループゲイン定数Kpの設定値いかんによっては温度制御特性が安定化せず、予め設定された目標到達最大時間tmax が経過しても、検出温度Tnが目標温度Toの所定精度範囲{(T0−γ)〜(T0+γ)}内に入らないでハンチングしている場合が発生する。このような場合には、ループゲイン定数Kpを前回値の1/2(即ち、Kp/2)とすればよい。これにより、温度制御性が安定化し、温度勾配が精度良く制御されるので、確実に過負荷異常を防止できる。
【0060】
尚、本実施形態では、モータ温度の検出及びその検出温度に基づく上限停止時間の更新処理のタイミングを所定周期時間の周期処理によるものとしているが、本発明はこれに限定されず、第1実施形態と同様に各スライドストロークの上限停止完了したタイミング、あるいはスライドモーション上の他の特定のタイミングとしてもよい。
【0061】
以上説明したように、本発明によると、スライド駆動用の電動サーボモータの実温度値に基づいてスライドの上限停止時間を制御するので、モータ温度が過負荷異常温度に達することがなく、電動サーボモータの過負荷異常停止を確実に防止できる。したがって、プレス機械稼動を異常停止により中断させることなく、時限連続運転できるので、生産性を向上できる。
実温度値のフィードバックによる上限停止時間の演算方法として、例えば第1に、過負荷異常温度よりも小さい値に設定された目標温度との偏差値εに基づいて上限停止時間を演算する方法が有効である。また、第2に、過負荷異常温度よりも小さい値に設定された所定温度を最終的な制御目標とする温度制御パターンを有し、この温度制御パターンの時々刻々の温度勾配と、実温度から求まる実温度勾配との偏差値eに基づいて上限停止時間を演算する方法が有効である。これらにより、確実にモータ温度を過負荷異常温度に制御することができる。
【0062】
また、電動サーボモータの駆動トルクが定格トルクを瞬間的にオーバすることがあっても、モータは過負荷異常停止することがないので、変動負荷トルクの要因となる成形素材の板厚のばらつきや材質の不均一性に対する素材の制約は少なくなり、生産管理が容易になる。
さらに、自動運転中にプレス機械が異常停止することがないので、オペレータの監視作業が軽減され、無人自動運転を行うことが可能となる。
また、使用金型及びそのスライドモーションで生産可能な最高ストローク数が自動的に得られるようになり、オペレータによるサイクルタイムの設定時間に比較して短縮化されるので、稼働率が向上する。併せて、電動サーボモータの性能を充分に活用して最大限に発揮できることにより、プレス機械の適用成形品の範囲を広くして汎用性を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される直動型プレスの一例を表す側面断面図である。
【図2】本発明に係わるモーションカーブの説明図である。
【図3】本発明に係わる制御構成ブロック図を示す。
【図4】第1実施形態に係わる制御機能ブロック図である。
【図5】第1実施形態に係わるモータ温度の演算処理方法の実施態様の説明図である。
【図6】第1実施形態の制御フローチャート例である。
【図7】第1実施形態におけるモータ検出温度と平均検出温度と目標温度との関係図である。
【図8】第2実施形態に係わる制御機能ブロック図である。
【図9】第2実施形態におけるモータ温度変化と温度制御パターンとの関係図である。
【図10】第2実施形態の制御フローチャート例である。
【図11】第2実施形態におけるモータ温度変化と温度制御パターンとの他の関係図である。
【符号の説明】
1…プレス機械、2…ボルスタ、3…スライド、4…ボールスクリュー、5…電動サーボモータ、6…位置センサ、7…金型、7a…上型、7b…下型、8…スライド位置検出器、9…プレート、10…ワーク、11…サーボアンプ、12…モーション設定手段、13…モーションデータ記憶手段、14温度検出器、15…ループゲイン設定器、16…速度検出手段、17…表示装置、20…制御器、21,21a…比較器、22,22a…計算ループスイッチ、23,23a…目標上限停止時間演算部、24…モーション制御部、25…フィードバックカウンタ、25a…温度勾配検出手段、31…ベアリング、32…第1プーリ、33…タイミングベルト、34…第2プーリ、35…上部フレーム。
Tu…過負荷異常温度、To…目標温度、Tn…検出温度、Tm…平均検出温度、t0,tn…上限停止時間、tmax…目標到達最大時間。

Claims (2)

  1. 上下方向に直動自在とされるスライド(3) を駆動する電動サーボモータ(5) を予め設定されたスライドモーションに基づいて制御する電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法において、
    予め、電動サーボモータ(5) の過負荷異常温度(Tu)よりも所定値低い目標温度(To)を設定する工程と、
    経過時間に応じた目標温度勾配(αs)を設定する工程と、
    スライドモーションに基づくスライド駆動時に、電動サーボモータ(5)の温度を検出し、この検出温度(Tn)に基づき求めた実温度の勾配(αa)と前記目標温度勾配(αs)とを比較する比較工程と、
    目標温度勾配(αs)と実温度の勾配(αa)との偏差値(e) に基づいて、偏差値(e)
    が小さくなるように、スライドモーションの上限停止時間(tu)を更新し、更新した上限停止時間(tu)でスライド(3) を制御する制御工程とを有し、
    前記比較工程と制御工程とを繰り返して電動サーボモータ(5) の上限停止時間(tu)を制御し、スライドを連続運転する
    ことを特徴とする電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御方法。
  2. 上下方向に直動自在とされるスライド(3) を駆動する電動サーボモータ(5) と、予め設定されたスライドモーションに基づいて電動サーボモータ(5)
    を制御する制御器とを備えた電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御装置において、
    予め、電動サーボモータ(5) の過負荷異常温度(Tu)に対する制御目標を設定する目標設定手段と、
    電動サーボモータ(5) の温度を検出する温度検出器(14)とを設け、
    制御器(20)は、スライドモーションに基づくスライド駆動時に、温度検出器(14)からの検出温度(Tn)に基づき求めた実温度の勾配(αa)と、経過時間に応じて設定された目標温度勾配(αs)とを比較し、目標温度勾配(αs)と実温度の勾配(αa)との偏差値(e) に基づいて、偏差値(e)
    が小さくなるように、スライドモーションの上限停止時間(tu)を更新し、更新した上限停止時間(tu)でスライド(3) を制御し、前記比較する処理と制御する処理を繰り返して電動サーボモータ(5) の上限停止時間(tu)を制御し、スライドを連続運転する
    ことを特徴とする電動サーボプレスのスライド駆動モータの制御装置。
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